(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る成膜装置の模式的な構成図であり、図2は本実施の形態に係るターボ分子ポンプ及びその周辺の模式的な構成図である。
図1に示されるように、成膜装置1は、例えばアルミニウムやステンレス鋼により形成されたチャンバ2を備えている。なお、チャンバ2は、アルマイト処理等の表面処理が施されていてもよい。
チャンバ2の側部には開口2aが形成されており、開口2a付近にはウェハWをチャンバ2内に搬入或いは搬出するためのゲートバルブ3が取り付けられている。チャンバ2の外側には、チャンバ2を所定の温度に加熱するヒータ4が巻回されている。
チャンバ2内には、ウェハWを載置するサセプタ5が配設されている。サセプタ5は、例えばAlNやAl2O3等のセラミックスから形成されている。サセプタ5内には、サセプタ5を所定の温度に加熱するヒータ6が配設されている。ヒータ6でサセプタ5を所定の温度に加熱することにより、サセプタ5に載置されたウェハWが所定の温度に加熱される。
サセプタ5の3箇所には、ウェハWを昇降させるための孔5aが上下方向に形成されている。孔5aの下方には、孔5aに挿入可能なウェハ昇降ピン7がそれぞれ配設されている。ウェハ昇降ピン7は、ウェハ昇降ピン7が立設するようにウェハ昇降ピン支持台8に固定されている。
ウェハ昇降ピン支持台8には、エアシリンダ9が固定されている。エアシリンダ9の駆動でエアシリンダ9のロッド9aが縮退することにより、ウェハ昇降ピン7が下降して、ウェハWがサセプタ5に載置される。また、エアシリンダ9の駆動でロッド9aが伸長することにより、ウェハ昇降ピン7が上昇して、ウェハWがサセプタ5から離れる。チャンバ2内部には、ロッド9aを覆う伸縮自在なベローズ10が配設されている。ベローズ10でロッド9aを覆うことにより、チャンバ2内の気密性が保持される。
チャンバ2の上部には、開口が形成されている。開口には、TiCl4等のガスをチャンバ2内に供給するシャワーヘッド11が挿入されている。シャワーヘッド11は、TiCl4及びArを供給するガス供給部11aと、NH3及びClF3を供給するガス供給部11bとに分かれた構造になっている。ガス供給部11a、11bには、TiCl4等のガスを吐出する多数のガス供給孔がそれぞれ形成されている。
ガス供給部11aには、TiCl4及びArをガス供給部11aに供給する先端が2手に分かれたガス供給配管12が接続されている。ガス供給部11bには、NH3及びClF3をガス供給部11bに供給する先端が2手に分かれたガス供給配管13が接続されている。
ガス供給配管12の一端には、TiCl4を収容したTiCl4供給源21が接続されている。ガス供給配管12には、TiCl4を供給するための開閉自在なバルブ22及びTiCl4の流量を調節するマスフローコントローラ(MFC)23が介在している。マスフローコントローラ23が調節された状態で、バルブ22が開かれることにより、TiCl4供給源21から所定の流量でTiCl4がチャンバ2内に供給される。
ガス供給配管12の他端には、Arを収容したAr供給源31が接続されている。ガス供給配管12には、Arを供給するための開閉自在なバルブ32及びArの流量を調節するマスフローコントローラ(MFC)33が介在している。マスフローコントローラ33が調節された状態で、バルブ32が開かれることにより、Ar供給源31から所定の流量でArがチャンバ2内に供給される。
ガス供給配管13の一端には、NH3を収容したNH3供給源41が接続されている。ガス供給配管13には、NH3を供給するための開閉自在なバルブ42及びNH3の流量を調節するマスフローコントローラ43が介在している。マスフローコントローラ43が調節された状態で、バルブ42が開かれることにより、NH3供給源41から所定の流量でNH3がチャンバ2内に供給される。
ガス供給配管13の他端には、チャンバ2内壁等に付着したTiNを取り除くためのClF3を収容したClF3供給源51が接続されている。ガス供給配管13には、バルブ52及びNH3の流量を調節するマスフローコントローラ53が介在している。マスフローコントローラ53が調節された状態で、バルブ52が開かれることにより、ClF3供給源51から所定の流量でClF3がチャンバ2内に供給される。
チャンバ2の底部には、チャンバ2内の圧力を制御するオートプレッシャコントローラ(APC)61及び排気配管62を介して、チャンバ2内を排気するターボ分子ポンプ63が接続されている。オートプレッシャコントローラ61でコンダクタンスを調節した状態で、ターボ分子ポンプ63が作動することにより、チャンバ2内が所定の圧力に維持される。
図2に示されるように、ターボ分子ポンプ63は、ケーシング64を備えている。ケーシング64内には、ステータ65とステータ65に対して回転するロータ66とが配設されている。ステータ65はステータ翼65aを備えており、ロータ66はロータ翼66a及び回転軸66bを備えている。ステータ65と回転軸66bとの間には、モータ67が配設されている。モータ67が駆動することにより、ロータ66がステータ65に対して回転する。
回転軸66bの近傍には、ロータ66の回転数を測定する回転数センサ68が配設されている。回転数センサ68には、モータ67を制御することによりロータ66の回転数のズレを修正し、ロータ66を所定の回転数で回転させるモータ制御器69が電気的に接続されている。モータ制御器69は、回転数センサ68の測定結果に基づいてモータ67に供給する電流を制御することにより、ロータ66の回転数のズレを修正し、ロータ66を所定の回転数で回転させる。
ステータ65と回転軸66bとの間には、ラジアル磁気軸受70及びスラスト磁気軸受71が配設されている。ラジアル磁気軸受70及びスラスト磁気軸受71に電流が供給されることにより、ロータ66が浮上して、ロータ66がラジアル磁気軸受70及びスラスト磁気軸受71により非接触に支持される。また、ステータ65と回転軸66bとの間には、保護軸受72が配設されている。保護軸受72は、ラジアル磁気軸受70及びスラスト磁気軸受71に電流が供給されていない間にロータ66を支持するものである。
回転軸66bの近傍には、ラジアル方向におけるロータ66の位置を測定するラジアル位置センサ73が配設されている。ラジアル位置センサ73には、ラジアル磁気軸受70を制御することによりラジアル方向におけるロータ66の位置ズレを修正し、ロータ66を所定の位置に位置させるラジアル磁気軸受制御器74が電気的に接続されている。ラジアル磁気軸受制御器74は、ラジアル位置センサ73の測定結果に基づいてラジアル磁気軸受70に供給する電流を制御し、ラジアル磁気軸受70の吸引力を制御することにより、ラジアル方向におけるロータ66の位置ズレを修正し、ロータ66を所定の位置に位置させる。
回転軸66bの近傍には、スラスト方向におけるロータ66の位置を測定するスラスト位置センサ75が配設されている。スラスト位置センサ75には、スラスト磁気軸受71を制御することによりスラスト方向におけるロータ66の位置ズレを修正し、ロータ66を所定の位置に位置させるスラスト磁気軸受制御器76が電気的に接続されている。スラスト磁気軸受制御器76は、ラジアル磁気軸受制御器74と同様にスラスト位置センサ75の測定結果に基づいてスラスト磁気軸受71に供給する電流を制御し、スラスト磁気軸受71の吸引力を制御することにより、スラスト方向におけるロータ66の位置ズレを修正し、ロータ66を所定の位置に位置させる。
ケーシング64近傍には、ケーシング64から発せられる音波の強度を測定するマイクロフォン81が配設されている。マイクロフォン81には、マイクロフォン81の出力信号を増幅するアンプ82とアンプ82で増幅された信号から特定周波数帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタ83とを介して、クリーニングの終点を検出する終点検出器84が電気的に接続されている。終点検出器84には、バルブ52等の制御を行うシステム制御器85が電気的に接続されている。
終点検出器84は、A/D変換用インターフェイス84a、及びCPU84b等を備えている。A/D変換用インターフェイス84aは、バンドパスフィルタ83から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。CPU84bは、A/D変換用インターフェイス84aの出力信号からクリーニングの終点を検出するものである。
具体的には、CPU84bは、まず、A/D変換用インターフェイス84aから音波の強度情報を読み出し、音波の強度が低下したか否かを判断する。音波の強度が低下していないと判断した場合には、次の音波の強度情報を読み出し、再び音波の強度が低下したか否かの判断を行う。一方、音波の強度が低下したと判断した場合には、音波の強度が安定したか否かを判断する。音波の強度が安定していないと判断した場合には、次の音波の強度情報を読み出し、再び音波の強度が安定したか否かの判断を行う。一方、音波の強度が安定したと判断した場合には、クリーニングの終点が検出されたとして、信号をシステム制御器85に出力する。システム制御器85では、この信号に基づいてバルブ52が閉じられるような制御が行われる。
以下、成膜装置1で行われる成膜の流れについて図3に沿って説明する。図3は本実施の形態に係る成膜装置1で行われる成膜の流れを示したフローチャートである。
まず、図示しない粗引き用ポンプが作動し粗引きが行われる。チャンバ2内がある程度減圧になったところで、ターボ分子ポンプ63が作動して、チャンバ2内の本引きが行われる。また、ヒータ6に電流が流されて、サセプタ5が加熱される(ステップ101)。
チャンバ2内の圧力が所定圧力まで低下し、かつサセプタ5が所定温度まで加熱された後、ゲートバルブ3が開かれ、ウェハWを保持した図示しない搬送アームが伸長して、チャンバ2内にウェハWが搬入される(ステップ102)。
その後、搬送アームが縮退して、ウェハWがウェハ昇降ピン7に載置される。ウェハWがウェハ昇降ピン7に載置された後、エアシリンダ9の駆動で、ウェハ昇降ピン7が下降し、ウェハWがサセプタ5に載置される(ステップ103)。
ウェハWが約400℃に安定した後、チャンバ2内の圧力が約50〜400Paに維持された状態で、バルブ22が開かれて、TiCl4が約30sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ104)。供給されたTiCl4がウェハWに接触すると、ウェハW表面にTiCl4が吸着される。
所定時間経過後、バルブ22が閉じられて、TiCl4の供給が停止されるとともに、チャンバ2内に残留しているTiCl4がチャンバ2内から排出される(ステップ105)。なお、排出の際、チャンバ2内の圧力は、約1.33×10−2Paに維持される。
所定時間経過後、バルブ42が開かれて、NH3が約100sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ106)。供給されたNH3がウェハWに吸着されたTiCl4に接触すると、TiCl4とNH3とが反応して、TiN膜がウェハW上に形成される。
所定時間経過後、バルブ42が閉じられて、NH3の供給が停止されるとともに、チャンバ2内に残留しているNH3等がチャンバ2内から排出される(ステップ107)。なお、排出の際、チャンバ2内の圧力は、約1.33×10−2Paに維持される。
所定時間経過後、ステップ104〜ステップ107の工程を1サイクルとして、システム制御器85により処理が約200サイクル行われたか否かが判断される(ステップ108)。処理が約200サイクル行われていないと判断されると、ステップ104〜ステップ107の工程が再び行われる。
処理が約200サイクル行われたと判断されると、エアシリンダ9の駆動で、ウェハ昇降ピン7が上昇し、ウェハWがサセプタ5から離れる(ステップ109)。なお、処理が約200サイクル行われると、ウェハW上には、約10nmのTiN膜が形成される。
その後、ゲートバルブ3が開かれた後、図示しない搬送アームが伸長して、搬送アームにウェハWが保持される。最後に、搬送アームが縮退して、ウェハWがチャンバ2から搬出される(ステップ110)。
以下、成膜装置1で行われるクリーニングの流れについて図4〜図6に沿って説明する。図4は本実施の形態に係る成膜装置1で行われるクリーニングの流れを示したフローチャートであり、図5(a)及び図5(b)は本実施の形態に係るクリーニング工程の模式的な図であり、図6は本実施の形態に係るケーシング64から発生した音波の強度を模式的に示したグラフである。
まず、図示しない粗引き用ポンプが作動し、粗引きが行われる。チャンバ2内がある程度減圧になったところで、ターボ分子ポンプ63が作動して、チャンバ2内の本引きが行われる。また、ヒータ4、6に電流が流されて、チャンバ2及びサセプタ5等が加熱される(ステップ201a)。なお、ターボ分子ポンプ63が作動している間中、回転数センサ68によりロータ66の回転数が測定され、モータ制御器69によりロータ66の回転数のズレが修正される。また、ラジアル位置センサ73及びスラスト位置センサ75によりラジアル方向及びスラスト方向におけるロータ66の位置が測定され、ラジアル磁気軸受制御器74及びスラスト磁気軸受制御器76によりラジアル方向及びスラスト方向におけるロータ66の位置ズレが修正される。
チャンバ2内の圧力が約150Paに維持され、かつチャンバ2の温度が約120℃及びサセプタ5の温度が約200℃に安定した後、バルブ32が開かれて、Arが約100sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ202a)。なお、Arはクリーニングが行われている間中ほぼ一定の流量で供給される。
その後、バルブ52が開かれて、図5(a)に示されるようにClF3が約200sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ203a)。チャンバ2内にClF3が供給されることにより、チャンバ2内のクリーニングが開始され、チャンバ2等に付着したTiNが除去される。具体的には、ClF3がチャンバ2内に供給されると、ClF3とTiNとが反応し、TiF4、NF3、及びClFが生成される。生成されたTiF4、N2、及びClFは、ガス状態にあるため、排気によりチャンバ2内から速やかに排出される。なお、ClF3はクリーニングが行われている間中ほぼ一定の流量で供給される。
次に、クリーニングが行われている状態で、図5(b)に示されるようにマイクロフォン81によりケーシング64から発生される音波の強度が測定される(ステップ204a)。ここで、ケーシング64から音波の発生原理について説明する。チャンバ2内から排出されるTiF4等のガスがロータ翼66aに衝突すると、ロータ翼66aが振動し、音波が発生する。そして、この音波でケーシング64が振動することにより、ケーシング64から音波が発生する。
マイクロフォン81により測定された音波の強度情報は、アンプ82及びバンドパスフィルタ83を介して、A/D変換用インターフェイス84aに送られる。A/D変換用インターフェイス84aに送られた音波の強度情報は、CPU84bにより読み出されて、音波の強度が低下したか否かが判断される(ステップ205a)。音波の強度が低下していないと判断された場合には、次の音波の強度情報が読み出され、再び音波の強度が低下したか否かの判断が行われる。
音波の強度が低下したと判断された場合には、音波の強度が安定したか否かが判断される(ステップ206a)。音波の強度が安定していないと判断された場合には、次の音波の強度情報が読み出され、再び音波の強度が安定したか否かの判断が行われる。
図6に示されるように音波の強度が安定したと判断された場合には、信号がCPU84bからシステム制御器85に出力され、バルブ52が閉じられて、ClF3の供給が停止される(ステップ207a)。これにより、クリーニングが終了される。最後に、バルブ32が閉じられて、Arの供給が停止される(ステップ208a)。
本実施の形態では、ケーシング64から発せられる音波の強度を測定して、音波の強度変化からクリーニングの終点を検出するので、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。即ち、ケーシング64から発生される音波の強度はチャンバ2から排出されるガスの種類及び量により変化する。具体的には、ロータ翼66aに衝突するガスの分子量が小さい程音波の強度は低下し、ロータ翼66aに衝突するガスの量が減少する程音波の強度は低下する。一方、TiF4等の生成ガスはクリーニングが進むにつれて減少する。それ故、クリーニングが進むにつれてケーシング64から発生する音波の強度が低下する。そして、排出される生成ガスがほぼ存在しなくなると、音波の強度が安定する。これにより、ケーシング64から発せられる音波の強度変化からクリーニングの終点を検出することができる。それ故、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下本実施の形態以降の実施の形態のうち先行する実施の形態と重複する内容については説明を省略することもある。本実施の形態では、ケーシングの振動の強度を測定してクリーニングの終点を検出する例について説明する。図7は本実施の形態に係るターボ分子ポンプ及びその周辺の模式的な構成図である。
図7に示されるように、ケーシング64には、ケーシング64の振動の強度を測定する圧電素子91が固定されている。圧電素子91は、アンプ82とバンドパスフィルタ83とを介して終点検出器84に電気的に接続されている。
以下、成膜装置1で行われるクリーニングの流れについて図8及び図9に沿って説明する。図8は本実施の形態に係る成膜装置1で行われるクリーニングの流れを示したフローチャートであり、図9は本実施の形態に係るクリーニング工程の模式的な図である。
まず、チャンバ2内の粗引きが行われ、その後本引きが行われる。また、チャンバ2及びサセプタ5等が加熱される(ステップ201b)。
チャンバ2内の圧力が150Pa以下に維持され、かつチャンバ2の温度が約120℃及びサセプタ5の温度が約200℃に安定した後、Arが約100sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ202b)。
その後、ClF3が約200sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ203b)。
次に、クリーニングが行われている状態で、図9に示されるように圧電素子91によりケーシング64の振動の強度が測定される(ステップ204b)。
圧電素子91により測定された振動の強度情報は、アンプ82及びバンドパスフィルタ83を介して、A/D変換用インターフェイス84aに送られる。A/D変換用インターフェイス84aに送られた振動の強度情報は、CPU84bにより読み出されて、振動の強度が低下したか否かが判断される(ステップ205b)。振動の強度が低下していないと判断された場合には、次の振動の強度情報が読み出され、再び振動の強度が低下したか否かの判断が行われる。
振動の強度が低下したと判断された場合には、振動の強度が安定したか否かが判断される(ステップ206b)。振動の強度が安定していないと判断された場合には、次の振動の強度情報が読み出され、再び振動の強度が安定したか否かの判断が行われる。
振動の強度が安定したと判断された場合には、信号がCPU84bからシステム制御器85に出力され、ClF3の供給が停止される(ステップ207b)。最後に、Arの供給が停止される(ステップ208b)。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、ロータの回転数を測定してクリーニングの終点を検出する例について説明する。図10は本実施の形態に係るターボ分子ポンプ及びその周辺の模式的な構成図である。
図10に示されるように、回転数センサ68は、終点検出器84に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、モータ制御器69は回転数センサ68の測定結果によらずモータ67にほぼ一定の電流を供給する。
以下、成膜装置1で行われるクリーニングの流れについて図11〜図13に沿って説明する。図11は本実施の形態に係る成膜装置1で行われるクリーニングの流れを示したフローチャートであり、図12は本実施の形態に係るクリーニング工程の模式的な図であり、図13は本実施の形態に係るロータ66の回転数を模式的に示したグラフである。
まず、チャンバ2内の粗引きが行われ、その後本引きが行われる。また、チャンバ2及びサセプタ5等が加熱される(ステップ201c)。
チャンバ2内の圧力が150Pa以下に維持され、かつチャンバ2の温度が約120℃及びサセプタ5の温度が約200℃に安定した後、Arが約100sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ202c)。
その後、ClF3が約200sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ203c)。
次いで、クリーニングが行われている状態で、図12に示されるように回転数センサ68によりロータ66の回転数が測定される(ステップ204c)。
回転数センサ68により測定されたロータ66の回転数情報は、A/D変換用インターフェイス84aに送られる。A/D変換用インターフェイス84aに送られた回転数情報は、CPU84bにより読み出されて、回転数が増加したか否かが判断される(ステップ205c)。回転数が増加していないと判断された場合には、次の回転数情報が読み出され、再び回転数が増加したか否かの判断が行われる。
回転数が増加したと判断された場合には、回転数が安定したか否かが判断される(ステップ206c)。回転数が安定していないと判断された場合には、次の回転数情報が読み出され、再び回転数が安定したか否かの判断が行われる。
図13に示されるように回転数が安定したと判断された場合には、信号がCPU84bからシステム制御器85に出力され、ClF3の供給が停止される(ステップ207c)。最後に、Arの供給が停止される(ステップ208c)。
本実施の形態では、ロータ66の回転数を測定して、回転数の変化からクリーニングの終点を検出するので、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。即ち、ロータ66の回転数はチャンバ2から排出されるガスの種類及び量により変化する。具体的には、ロータ翼66aに衝突するガスの分子量が小さい程回転数は増加し、ロータ翼66aに衝突するガスの量が減少する程回転数は増加する。これは、ロータ翼66aにかかる負荷が軽減されるためである。一方、TiF4等の生成ガスはクリーニングが進むにつれて減少する。それ故、クリーニングが進むにつれてロータ66の回転数が増加する。そして、排出される生成ガスがほぼ存在しなくなると、ロータ66の回転数が安定する。これにより、ロータ66の回転数の変化からクリーニングの終点を検出することができる。それ故、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、モータに供給される電流を測定してクリーニングの終点を検出する例について説明する。図14は本実施の形態に係るターボ分子ポンプ及びその周辺の模式的な構成図である。
図14に示されるように、モータ67とモータ制御器69との間には、モータ67とモータ制御器69とに電気的に接続された、モータ67に供給される電流を測定する電流計101が配設されている。また、電流計101は、終点検出器84にも電気的に接続されている。
以下、成膜装置1で行われるクリーニングの流れについて図15〜図17に沿って説明する。図15は本実施の形態に係る成膜装置1で行われるクリーニングの流れを示したフローチャートであり、図16は本実施の形態に係るクリーニング工程の模式的な図であり、図17は本実施の形態に係るモータ67に供給された電流を模式的に示したグラフである。
まず、チャンバ2内の粗引きが行われ、その後本引きが行われる。また、チャンバ2及びサセプタ5等が加熱される(ステップ201d)。
チャンバ2内の圧力が150Pa以下に維持され、かつチャンバ2の温度が約120℃及びサセプタ5の温度が約200℃に安定した後、Arが約100sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ202d)。
その後、ClF3が約200sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ203d)。
次いで、クリーニングが行われている状態で、図16に示されるように電流計101によりモータ67に供給される電流が測定される(ステップ204d)。
電流計101により測定された電流情報は、A/D変換用インターフェイス84aに送られる。A/D変換用インターフェイス84aに送られた電流情報は、CPU84bにより読み出されて、電流が低下したか否かが判断される(ステップ205d)。電流が低下していないと判断された場合には、次の電流情報が読み出され、再び電流が低下したか否かの判断が行われる。
図17に示されるように電流が低下したと判断された場合には、電流が安定したか否かが判断される(ステップ206d)。電流が安定していないと判断された場合には、次の電流情報が読み出され、再び電流が安定したか否かの判断が行われる。
電流が安定したと判断された場合には、信号がCPU84bからシステム制御器85に出力され、ClF3の供給が停止される(ステップ207d)。最後に、Arの供給が停止される(ステップ208d)。
本実施の形態では、モータ67に供給される電流を測定して、電流の変化からクリーニングの終点を検出するので、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。即ち、モータ67に供給される電流はチャンバ2から排出されるガスの種類及び量により変化する。具体的には、ロータ翼66aに衝突するガスの分子量が小さい程電流は低下し、ロータ翼66aに衝突するガスの量が減少する程電流は低下する。これは、ロータ翼66aにかかる負荷が軽減されるためである。一方、TiF4等の生成ガスはクリーニングが進むにつれて減少する。それ故、クリーニングが進むにつれてモータ67に供給される電流は低下する。そして、排出される生成ガスがほぼ存在しなくなると、モータ67に供給される電流は安定する。これにより、モータ67に供給される電流の変化からクリーニング終点を検出することができる。それ故、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態では、スラスト磁気軸受に供給される電流を測定して、クリーニングの終点を検出する例について説明する。図18は本実施の形態に係るターボ分子ポンプ及びその周辺の模式的な構成図である。
図18に示されるように、スラスト磁気軸受71とスラスト磁気軸受制御器76との間には、スラスト磁気軸受71とスラスト磁気軸受制御器76とに電気的に接続された、スラスト磁気軸受71に供給される電流を測定する電流計111が配設されている。また、電流計111は、終点検出器84にも電気的に接続されている。
以下、成膜装置1で行われるクリーニングの流れについて図19〜図21に沿って説明する。図19は本実施の形態に係る成膜装置1で行われるクリーニングの流れを示したフローチャートであり、図20は本実施の形態に係るクリーニング工程の模式的な図であり、図21は本実施の形態に係るスラスト磁気軸受71に供給された電流を模式的に示したグラフである。
まず、チャンバ2内の粗引きが行われ、その後本引きが行われる。また、チャンバ2及びサセプタ5等が加熱される(ステップ201e)。
チャンバ2内の圧力が150Pa以下に維持され、かつチャンバ2の温度が約120℃及びサセプタ5の温度が約200℃に安定した後、Arが約100sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ202e)。
その後、ClF3が約200sccmの流量でチャンバ2内に供給される(ステップ203e)。
次いで、クリーニングが行われている状態で、図20に示されるように電流計111によりスラスト磁気軸受71に供給される電流が測定される(ステップ204e)。
電流計111により測定された電流情報は、A/D変換用インターフェイス84aに送られる。A/D変換用インターフェイス84aに送られた電流情報は、CPU84bにより読み出されて、電流が低下したか否かが判断される(ステップ205e)。電流が低下していないと判断された場合には、次の電流情報が読み出され、再び電流が低下したか否かの判断が行われる。
電流が低下したと判断された場合には、電流が安定したか否かが判断される(ステップ206e)。電流が安定していないと判断された場合には、次の電流情報が読み出され、再び電流が安定したか否かの判断が行われる。
図21に示されるように電流が安定したと判断された場合には、信号がCPU84bからシステム制御器85に出力され、ClF3の供給が停止される(ステップ207e)。最後に、Arの供給が停止される(ステップ208e)。
本実施の形態では、スラスト磁気軸受71に供給される電流を測定して、電流の変化からクリーニングの終点を検出するので、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。即ち、スラスト磁気軸受71に供給される電流はチャンバ2から排出されるガスの種類及び量により変化する。具体的には、ロータ翼66aに衝突するガスの分子量が小さい程電流は低下し、ロータ翼66aに衝突するガスの量が減少する程電流は低下する。これは、ロータ翼66aにかかる負荷が軽減されるためである。一方、TiF4等の生成ガスはクリーニングが進むにつれて減少する。それ故、クリーニングが進むにつれてスラスト磁気軸受71に供給される電流は低下する。そして、排出される生成ガスがほぼ存在しなくなると、スラスト磁気軸受71に供給される電流は安定する。これにより、スラスト磁気軸受71に供給される電流の変化からクリーニング終点を検出することができる。それ故、プラズマを発生させない場合であっても、クリーニングの終点を検出することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。第1〜第5の実施の形態では、終点検出器84でクリーニングの終点を検出しているが、エッチング等のようなウェハWの処理における終点を検出してもよい。この場合、クリーニングガスに代わりウェハWを処理するためのエッチングガス等の処理ガスがチャンバ2内に供給される。なお、それ以外は第1〜第5の実施の形態で説明したクリーニングの終点検出方法とほぼ同様である。
第1〜第5の実施の形態では、熱によりClF3を励起しているが、プラズマ或いは光等によりClF3を励起してもよい。また、TiCl4とNH3とを交互に供給しているが、同時に供給してもよい。さらに、ウェハWを使用しているが、ガラス基板であってもよい。
第5の実施の形態では、スラスト磁気軸受71に供給される電流を測定しているが、ラジアル磁気軸受70に供給される電流を測定してもよい。