以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
なお本実施形態では、油圧ショベルなどの建設機械に搭載されるディーゼルエンジンおよび油圧ポンプを制御する場合を想定して説明する。
図3は実施形態の建設機械1の全体構成を示している。建設機械1は油圧ショベルを想定している。
建設機械1は、上部旋回体と下部走行体を備え、下部走行体は左右の履帯からなる。車体にはブーム、アーム、バケットからなる作業機が取り付けられている。ブーム用油圧シリンダ31が駆動することによりブームが作動し、アーム用油圧シリンダ32が駆動することによりアームが作動し、バケット用油圧シリンダ33が駆動することによりバケットが作動する。また左走行用油圧モータ36、右走行用油圧モータ35がそれぞれ駆動することにより左履帯、右履帯が回転する。
旋回用油圧モータ34が駆動することによりスイングマシナリが駆動し、スイングピニオン、スイングサークル等を介して上部旋回体が旋回する。
エンジン2はディーゼルエンジンであり、その出力(馬力;kw)の制御は、シリンダ内へ噴射する燃料量を調整することで行われる。この調整はエンジン2の燃料噴射ポンプに付設したガバナ4を制御することで行われる。
コントローラ6は、後述するようにガバナ4に対して、エンジン回転数を目標回転数ncomにするための回転指令値を出力し、ガバナ4は、目標トルク線L1で目標回転数ncomが得られるように燃料噴射量を増減する。
エンジン2の出力軸は、PTO軸10を介して発電電動機11の駆動軸に連結されている。発電電動機11は発電作用と電動作用を行う。つまり発電電動機11は電動機(モータ)として作動し、また発電機としても作動する。また発電電動機11はエンジン2を始動させるスタータとしても機能する。スタータスイッチがオンされると発電電動機11が電動作用しエンジン2の出力軸を低回転(たとえば400〜500rpm)で回転させエンジン2を始動させる。
発電電動機11は、インバータ13によってトルク制御される。インバータ13は後述するように、コントローラ6から出力される発電電動機指令値GENcomに応じて発電電動機11をトルク制御する。
インバータ13は直流電源線を介して蓄電器12に電気的に接続されている。なおコントローラ6は蓄電器12を電源として動作する。
蓄電器12は、キャパシタや蓄電池などによって構成され、発電電動機11が発電作用した場合に発電した電力を蓄積する(充電する)。また蓄電器12は同蓄電器12に蓄積された電力をインバータ13に供給する。なお本明細書では静電気として電力を蓄積するキャパシタや鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の蓄電池も含めて「蓄電器」と称するものとする。
エンジン2の出力軸にはPTO軸10を介して油圧ポンプ3の駆動軸が連結されており、エンジン出力軸が回転することにより油圧ポンプ3が駆動する。油圧ポンプ3は可変容量型の油圧ポンプであり、斜板3aの傾転角が変化することで容量q(cc/rev)が変化する。
油圧ポンプ3から吐出圧PRp、流量Q(cc/min)で吐出された圧油は、ブーム用操作弁21、アーム用操作弁22、バケット用操作弁23、旋回用操作弁24、右走行用操作弁25、左走行用操作弁26にそれぞれ供給される。ポンプ吐出圧PRpは、油圧センサ7で検出され、油圧検出信号がコントローラ6に入力される。
ブーム用操作弁21、アーム用操作弁22、バケット用操作弁23、旋回用操作弁24、右走行用操作弁25、左走行用操作弁26から出力された圧油はそれぞれ、ブーム用油圧シリンダ31、アーム用油圧シリンダ32、バケット用油圧シリンダ33、旋回用油圧モータ34、右走行用油圧モータ35、左走行用油圧モータ36に供給される。これによりブーム用油圧シリンダ31、アーム用油圧シリンダ32、バケット用油圧シリンダ33、旋回用油圧モータ34、右走行用油圧モータ35、左走行用油圧モータ36がそれぞれ駆動され、ブーム、アーム、バケット、上部旋回体、下部走行体の左履帯、右履帯が作動する。
建設機械1の運転席の前方の右側、左側にはそれぞれ、作業・旋回用右操作レバー41、作業・旋回用左操作レバー42が設けられているとともに、走行用右操作レバー43、走行用左操作レバー44が設けられている。
作業・旋回用右操作レバー41は、ブーム、バケットを作動させるための操作レバーであり、操作方向に応じてブーム、バケットを作動させるとともに、操作量に応じた速度でブーム、バケットを作動させる。
操作レバー41には、操作方向、操作量を検出するセンサ45が設けられている。センサ45は、操作レバー41の操作方向、操作量を示すレバー信号をコントローラ6に入力する。操作レバー41がブームを作動させる方向に操作された場合には、操作レバー41の中立位置に対する傾動方向、傾動量に応じて、ブーム上げ操作量、ブーム下げ操作量を示すブームレバー信号Lb0がコントローラ6に入力される。また操作レバー41がバケットを作動させる方向に操作された場合には、操作レバー41の中立位置に対する傾動方向、傾動量に応じて、バケット掘削操作量、バケットダンプ操作量を示すバケットレバー信号Lbkがコントローラ6に入力される。
操作レバー41がブームを作動させる方向に操作された場合には、操作レバー41の傾動量に応じたパイロット圧(PPC圧)PRboが、ブーム用操作弁21の各パイロットポートのうちレバー傾動方向(ブーム上げ方向、ブーム下げ方向)に対応するパイロットポート21aに加えられる。
同様に、操作レバー41がバケットを作動させる方向に操作された場合には、操作レバー41の傾動量に応じたパイロット圧(PPC圧)PRbkが、バケット用操作弁23の各パイロットポートのうちレバー傾動方向(バケット掘削方向、バケットダンプ方向)に対応するパイロットポート23aに加えられる。
作業・旋回用左操作レバー42は、アーム、上部旋回体を作動させるための操作レバーであり、操作方向に応じてアーム、上部旋回体を作動させるとともに、操作量に応じた速度でアーム、上部旋回体を作動させる。
操作レバー42には、操作方向、操作量を検出するセンサ46が設けられている。センサ46は、操作レバー42の操作方向、操作量を示すレバー信号をコントローラ6に入力する。操作レバー42がアームを作動させる方向に操作された場合には、操作レバー42の中立位置に対する傾動方向、傾動量に応じて、アーム掘削操作量、アームダンプ操作量を示すアームレバー信号Larがコントローラ6に入力される。また操作レバー42が上部旋回体を作動させる方向に操作された場合には、操作レバー42の中立位置に対する傾動方向、傾動量に応じて、右旋回操作量、左旋回操作量を示す旋回レバー信号Lswがコントローラ6に入力される。
操作レバー42がアームを作動させる方向に操作された場合には、操作レバー42の傾動量に応じたパイロット圧(PPC圧)PRarが、アーム用操作弁22の各パイロットポートのうちレバー傾動方向(アーム掘削方向、アームダンプ方向)に対応するパイロットポート22aに加えられる。
同様に、操作レバー42が上部旋回体を作動させる方向に操作された場合には、操作レバー42の傾動量に応じたパイロット圧(PPC圧)PRswが、旋回用操作弁24の各パイロットポートのうちレバー傾動方向(右旋回方向、左旋回方向)に対応するパイロットポート24aに加えられる。
走行用右操作レバー43、走行用左操作レバー44はそれぞれ右履帯、左履帯を作動させるための操作レバーであり、操作方向に応じて履帯を作動させるとともに、操作量に応じた速度で履帯を作動させる。
操作レバー43の傾動量に応じたパイロット圧(PPC圧)PRcrが、右走行用操作弁25のパイロットポート25aに加えられる。
パイロット圧PRcrは、油圧センサ8で検出され、右走行量を示す右走行パイロット圧PRcrがコントローラ6に入力される。
同様に、操作レバー44の傾動量に応じたパイロット圧(PPC圧)PRclが、左走行用操作弁26のパイロットポート26aに加えられる。
パイロット圧PRclは、油圧センサ9で検出され、左走行量を示す左走行パイロット圧PRclがコントローラ6に入力される。
各操作弁21〜26は流量方向制御弁であり、対応する操作レバー41〜44の操作方向に応じた方向にスプールを移動させるとともに、操作レバー41〜44の操作量に応じた開口面積だけ油路が開口するようにスプールを移動させる。
ポンプ制御弁5は、コントローラ6から出力される制御電流pc−epcによって動作し、サーボピストンを介してポンプ制御弁5を変化させる。
ポンプ制御弁5は、油圧ポンプ3の吐出圧PRp(kg/cm2)と油圧ポンプ3の容量q(cc/rev)の積が制御電流pc−epcに対応するポンプ吸収トルクTp comを超えないように、油圧ポンプ3の斜板3aの傾転角を制御する。この制御は、PC制御と呼ばれている。
発電電動機11には発電電動機11の現在の実回転数GENspd(rpm)、つまりエンジン2の実回転数を検出する回転センサ14が付設されている。回転センサ14で検出される実回転数GENspdを示す信号はコントローラ6に入力される。
また、畜電器12には畜電器12の電圧BATTvoltを検出する電圧センサ15が設けられている。電圧センサ15で検出される電圧BATTvoltを示す信号はコントローラ6に入力される。
コントローラ6は、ガバナ4に対して、回転指令値を出力して、現在の油圧ポンプ3の負荷に応じた目標回転数が得られるように燃料噴射量を増減して、エンジン2の回転数nとトルクTを調整する。
また、コントローラ6は、インバータ13に発電電動機指令値GENcomを出力し発電電動機11を発電作用または電動作用させる。コントローラ6からインバータ13に対して、発電電動機11を発電機として作動させるための指令値GENcomが出力されると、エンジン2で発生した出力トルクの一部は、エンジン出力軸を介して発電電動機11の駆動軸に伝達されてエンジン2のトルクを吸収して発電が行われる。そして発電電動機11で発生した交流電力はインバータ13で直流電力に変換されて直流電源線を介して蓄電器12に電力が蓄積される(充電される)。
またコントローラ6からインバータ13に対して、発電電動機11を電動機として作動させるための指令値GENcomが出力されると、インバータ13は発電電動機11が電動機として作動するように制御する。すなわち蓄電器12から電力が出力され(放電され)蓄電器12に蓄積された直流電力がインバータ13で交流電力に変換されて発電電動機11に供給され、発電電動機11の駆動軸を回転作動させる。これにより発電電動機11でトルクが発生し、このトルクは、発電電動機11の駆動軸を介してエンジン出力軸に伝達されて、エンジン2の出力トルクに加算される(エンジン2の出力がアシストされる)。この加算した出力トルクは、油圧ポンプ3で吸収される。
発電電動機11の発電量(吸収トルク量)、電動量(アシスト量;発生トルク量)は、上記発電電動機指令値GENcomの内容に応じて変化する。
図1は、建設機械1の他の構成例を示す。
図1と図3を対比してわかるように、図1に示す構成例では、図3におけるPTO軸10、発電電動機11、蓄電器12、インバータ13、回転センサ14、電圧センサ15が省略されており、発電電動機11による電動作用、発電作用は行われない構成となっている。
以下コントローラ6で実行される制御内容について説明する。
(第1実施例)
まず、第1実施例について説明する。
この第1実施例は、図1に示す構成例を前提としている。
図4、図6は、コントローラ6で行われる処理内容を示す制御ブロック図である。
図4に示すように、油圧アクチュエータ目標流量演算部50では、ブームレバー信号Lbo、アームレバー信号Lar、バケットレバー信号Lbk、旋回レバー信号Lsw、右走行パイロット圧PRcr、左走行パイロット圧PRcrに基づいて、対応するブーム用油圧シリンダ31の目標流量Qbo、アーム用油圧シリンダ32の目標流量Qar、バケット用油圧シリンダ33の目標流量Qbk、旋回用油圧モータ34の目標流量Qsw、右走行用モータ35の目標流量Qcr、左走行用モータ36毎の目標流量Qclが演算される。
記憶装置には、各油圧アクチュエータ毎に、操作量と目標流量との関数関係51a、52a、53a、54a、55a、56aがデータテーブル形式で記憶されている。
ブーム目標流量演算部51では、現在のブーム上げ方向の操作量若しくはブーム下げ方向の操作量Lboに対応するブーム目標流量Qboが関数関係51aにしたがい演算される。
アーム目標流量演算部52では、現在のアーム掘削方向の操作量若しくはアームダンプ方向の操作量Larに対応するアーム目標流量Qarが関数関係52aにしたがい演算される。
バケット目標流量演算部53では、現在のバケット掘削方向の操作量若しくはバケットダンプ方向の操作量Lbkに対応するバケット目標流量Qbkが関数関係53aにしたがい演算される。
旋回目標流量演算部54では、現在の右旋回方向の操作量若しくは左旋回方向の操作量Lswに対応する旋回目標流量Qswが関数関係54aにしたがい演算される。
右走行目標流量演算部55では、現在の右走行パイロット圧PRcrに対応する右走行目標流量Qcrが関数関係55aにしたがい演算される。
左走行目標流量演算部56では、現在の左走行パイロット圧PRclに対応する左走行目標流量Qclが関数関係56aにしたがい演算される。
なお、演算処理上、ブーム上げ操作量、アーム掘削操作量、バケット掘削操作量、右旋回操作量は、プラス符合の操作量として扱い、ブーム下げ操作量、アームダンプ操作量、バケットダンプ操作量、左旋回操作量は、マイナス符合の操作量として扱うものとする。
ポンプ目標吐出流量演算部60では、油圧アクチュエータ目標流量演算部50で演算された各油圧アクチュエータ目標流量Qbo、Qar、Qbk、Qsw、Qcr、Qclの総和を、ポンプ目標吐出流量Qsumとして、下記のようにして求める処理が実行される。
Qsum=Qbo+Qar+Qbk+Qsw+Qcr+Qcl …(2)
ここで、各油圧アクチュエータの目標流量の総和をポンプ目標吐出流量としているが、各油圧アクチュエータ目標流量Qbo、Qar、Qbk、Qsw、Qcr、Qclのうちで最大の目標流量を、油圧ポンプ3の目標吐出流量としてもよい。
第1のエンジン目標回転数演算部61では、ポンプ目標吐出流量Qsumに対応する第1のエンジン目標回転数ncom1が演算される。
記憶装置には、ポンプ目標吐出流量Qsumの増加に応じて第1のエンジン目標回転数ncom1が増加する関数関係61aがデータテーブル形式で記憶されている。この第1のエンジン目標回転数ncom1は、下記に示すように、変換定数をαとして、油圧ポンプ3を最大容量qmaxで作動させた際にポンプ目標吐出流量Qsumを吐出することができる最小のエンジン回転数として与えられる。
ncom1=Qsum/qmax・α …(3)
第1のエンジン回転数演算部61では、現在のポンプ目標吐出流量Qsumに対応する第1のエンジン目標回転数ncom1が関数関係61a、つまり上記(3)式にしたがい演算される。
判定部62では、現在のポンプ目標吐出流量Qsumが所定の流量(たとえば10(L/min))よりも大きいか否かが判定される。ここで、しきい値となる所定の流量は、各操作レバー41〜44が中立位置から操作されたか否かを判断するための流量に設定される。
第2のエンジン目標回転数設定部68では、判定部62の判定の結果、現在の
ポンプ目標吐出流量Qsumが所定の流量(たとえば10(L/min))以下、つまり判定結果がNOである場合には、第2のエンジン目標回転数ncom2が、エンジン2のローアイドル回転数nL付近の回転数nJ(たとえば1000rpm)に設定される。これに対して現在のポンプ目標吐出流量Qsumが所定の流量(たとえば10(L/min))よりも大きい、つまり判定結果がYESである場合には、第2のエンジン目標回転数ncom2が、エンジン2のローアイドル回転数nLよりも大きい回転数nM(たとえば1400rpm)に設定される。
最大値選択部64では、第1のエンジン目標回転数ncom1、第2のエンジン目標回転数ncom2のうちのいずれか高い方のエンジン目標回転数ncom12が選択される。
図4に示すポンプ出力制限演算部70は、図6に具体的に示される。なお、以下では、判断結果TRUEをTと省略するとともに、判断結果FALSE をFと省略する。
複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「走行操作」という操作パターン(1)であると判断し、その「走行操作」という作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit1に設定される。
ポンプ出力制限演算部70では、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンに応じて、油圧ポンプ3の出力(馬力)制限値Pplimitが演算される。
油圧ポンプ3の出力制限値として、予めPplimit1、plimit2、Pplimit3、Pplimit4、Pplimit5、Pplimit6が演算される。油圧ポンプ3の出力制限値の大きさは、図11に示すトルク線図上で示されるように、Pplimit1、Pplimit2、Pplimit3、Pplimit4、Pplimit5、Pplimit6の順番で順次小さくなるものとして設定されているものとする。
すなわち、右走行パイロット圧Prcrが所定の圧力Kcよりも大きいか、または左走行パイロット圧Prclが所定の圧力Kcよりも大きい場合には(ステップ71の判断T)、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「走行操作」という作業パターン(1)であると判断し、その「走行操作」という作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit1に設定される。
以下、同様にして、各ステップ72〜79では以下のような判断が行われる。
すなわち、ステップ72では、右旋回操作量Lswが所定の操作量Kswよりも大きく、左旋回操作量Lswが所定の操作量−Kswよりも小さいか否かが判断される。
ステップ73では、ブーム下げ操作量Lboが所定の操作量−Kboよりも小さいか否かが判断される。
ステップ74では、ブーム上げ操作量Lboが所定の操作量Kboよりも大きいか否か、または、アーム掘削操作量Laが所定の操作量Kaよりも大きいか否か、または、アームダンプ操作量Laが所定の操作量−Kaよりも小さいか否か、または、バケット掘削操作量Lbkが所定の操作量Kbkよりも大きいか否か、または、バケットダンプ操作量Lbkが所定の操作量−Kbkよりも小さいか否かが判断される。
ステップ75では、アーム掘削操作量Laが所定の操作量Kaよりも大きいか否かが判断される。
ステップ76では、バケット掘削操作量Lbkが所定の操作量Kbkよりも大きいか否かが判断される。
ステップ77では、油圧ポンプ3の吐出圧PRpが所定の圧力Kp1よりも小さいか否かが判断される。
ステップ78では、アームダンプ操作量Laが所定の操作量−Kaよりも小さいか否かが判断される。
ステップ79では、バケットダンプ操作量Lbkが所定の操作量−Kbkよりも小さいか否かが判断される。
ステップ80では、油圧ポンプ3の吐出圧PRpが所定の圧力Kp2よりも大きいか否かが判断される。
ステップ81では、油圧ポンプ3の吐出圧PRpが所定の圧力Kp3よりも大きいか否かが判断される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がTでステップ73の判断がTである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「旋回操作とブーム下げ操作」という作業パターン(2)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit6に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がTでステップ73の判断がFでステップ74の判断がTである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「旋回操作とブーム下げ以外の作業機操作」という作業パターン(3)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit1に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がTでステップ73の判断がFでステップ74の判断がFである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「旋回操作の単独操作」という作業パターン(4)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit6に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がTでステップ76の判断がTでステップ77の判断がTである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム掘削操作とバケット掘削操作で負荷が小さいとき(たとえば土砂を抱え込む作業)」という作業パターン(5)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit2に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がTでステップ76の判断がTでステップ77の判断がFである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム掘削操作とバケット掘削操作で負荷が大きいとき(たとえばアームとバケットの同時操作による掘削作業)」という作業パターン(6)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit1に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がTでステップ76の判断がFである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム掘削操作」という作業パターン(7)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit1に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がFでステップ78の判断がTでステップ79の判断がTでステップ80の判断がTである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム排土操作とバケット排土操作で負荷が大きいとき(たとえばアームとバケットの同時排土操作による土砂押し作業)」という作業パターン(8)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit3に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がFでステップ78の判断がTでステップ79の判断がTでステップ80の判断がFである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム排土操作とバケット排土操作で負荷が小さいとき(たとえば空中でアームとバケットを同時に返す作業)」という作業パターン(9)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit5に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がFでステップ78の判断がTでステップ79の判断Fでステップ81の判断がTである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム単独排土操作で負荷が大きいとき(たとえばアーム排土作業による土砂押し作業)」という作業パターン(10)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit3に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がFでステップ78の判断がTでステップ79の判断Fでステップ81の判断がFである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「アーム単独排土操作で負荷が小さいとき(たとえば空中でアームを返す作業)」という作業パターン(11)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit5に設定される。
ステップ71の判断がFでステップ72の判断がFでステップ75の判断がFでステップ78の判断がFである場合には、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンは、「その他の作業」という作業パターン(12)であると判断し、その作業パターンに適合するように、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが、Pplimit1に設定される。
第3のエンジン目標回転数演算部63では、ポンプ出力制限演算部70で演算された油圧ポンプ3の出力(馬力)制限値Pplimitに対応する第3のエンジン目標回転数ncom3が演算される。
記憶装置には、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitの増加に応じて第3のエンジン目標回転数ncom3が増加する関数関係63aがデータテーブル形式で記憶されている。
第3のエンジン回転数演算部63では、現在の複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターン、つまり油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitに対応する第3のエンジン目標回転数ncom3が関数関係63aにしたがい演算される。
最小値選択部65では、最大値選択部64で選択されたエンジン目標回転数ncom12と、第3のエンジン目標回転数ncom3のうちのいずれか低い方のエンジン目標回転数ncomが選択される。
コントローラ6は、ガバナ4に対して、エンジン回転数nを目標回転数ncomにするための回転指令値を出力し、ガバナ4は、目標トルク線L1上でエンジン目標回転数ncomが得られるように燃料噴射量を増減する。
ポンプ吸収トルク演算部66では、エンジン目標回転数ncomに対応する油圧ポンプ3の目標吸収トルクTpcomが演算される。
記憶装置には、エンジン目標回転数ncomの増加に応じて油圧ポンプ3の目標吸収トルクTpcomが増加する関数関係66aがデータテーブル形式で記憶されている。この関数66aは、図10に示すトルク線図上の目標トルク線L1に対応するカーブである。
図10は、図2と同様にエンジン2のトルク線図を示しており横軸にエンジン回転数n(rpm;rev/min)をとり縦軸にトルクT(N・m)をとっている。関数66aは、同図10に示すトルク線図上の目標トルク線L1に対応している。
ポンプ吸収トルク演算部66では、現在のエンジン目標回転数ncomに対応する油圧ポンプ3の目標吸収トルクTpcomが、関数66aにしたがい演算される。
制御電流演算部67では、ポンプ目標吸収トルクTpcomに対応する制御電流pc−epcが演算される。
記憶装置には、ポンプ目標吸収トルクTpcomの増加に応じて制御電流pc−epcが増加する関数関係67aがデータテーブル形式で記憶されている。
ポンプ吸収トルク演算部66では、現在のポンプ目標吸収トルクTpcomに対応する制御電流pc−epcが関数関係67aにしたがい演算される。
コントローラ6からポンプ制御弁5に対して制御電流pc−epcが出力されてサーボピストンを介してポンプ制御弁5を変化させる。ポンプ制御弁5は、油圧ポンプ3の吐出圧PRp(kg/cm2)と油圧ポンプ3の容量q(cc/rev)の積が制御電流pc−epcに対応するポンプ吸収トルクTp comを超えないように、油圧ポンプ3の斜板3aの傾転角をPC制御する。
つぎに、このような第1実施例による効果について図10を併せ参照して説明する。
図10に示すように、エンジン回転数nの減少に伴いポンプ吸収トルクTpcomが小さくなる目標トルク線L1にしたがってエンジン2および油圧ポンプ3を制御すると、燃費、エンジン効率、ポンプ効率の向上が図られ騒音が低減されエンストが防止されるなどの効果が得られるものの、エンジン2の応答性が悪いという問題がある。すなわち、たとえば掘削作業を開始しようとして操作レバー41等を中立位置から倒してエンジン2が低回転から上昇させようとしても、レバー倒し始めの初期の段階(過渡状態)では油圧ポンプ3の負荷が急激に上昇するためにエンジン出力がポンプ吸収馬力分のパワーに対して余裕がなくエンジン2を加速するためのパワーが不足する。このためエンジン2を目標回転数まで上昇させられないか、あるいは極めて緩慢にしか上昇しないことがある。
この点、本第1実施例では、現在のポンプ目標吐出流量Qsumに適合する第1のエンジン目標回転数ncom1を設定する一方で、現在のポンプ目標吐出流量Qsumが所定の流量(たとえば10(L/min))よりも大きいことが判定された場合には、エンジンローアイドル回転数nLよりも大きい回転数nM(たとえば1400rpm)が第2のエンジン目標回転数ncom2として設定される。そして、第2のエンジン目標回転数ncom2が第1のエンジン目標回転数ncom1以上であれば、第2のエンジン目標回転数ncom2が得られるようにエンジン回転数が制御され、第2のエンジン目標回転数ncom2に対応するポンプ吸収トルクが得られるように油圧ポンプ3が制御される。
このため、たとえば掘削作業を開始しようとして操作レバー41等を中立位置から倒した場合に、油圧ポンプ3の負荷が急激に上昇する前にエンジン回転数が予め上昇してエンジントルクが上昇するためエンジン2を加速するためのパワーに余裕が生じる。このためエンジン2を低回転域から目標回転数まで迅速に上昇させることができエンジン2の応答性が向上する。
また、本第1実施例では、現在のポンプ目標吐出流量Qsumに適合する第1のエンジン目標回転数ncom1が設定される一方で、複数の油圧アクチュエータ21〜26の作業パターンに応じて、油圧ポンプ3の出力制限値Pplimitが設定され、これに対応する第3のエンジン目標回転数ncom3が設定される。第3のエンジン目標回転数ncom3が第1のエンジン目標回転数ncom1以下であれば第3のエンジン目標回転数ncom3が得られるようにエンジン回転数が制御され、第3のエンジン目標回転数ncom3に対応するポンプ吸収トルクが得られるように油圧ポンプ3が制御される。このためポンプ吸収トルクを適切な値に定めることができ必要以上の無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
図12は、横軸を時間tとして、一例として、作業パターン(7)、作業パターン(5)、作業パターン(3)、作業パターン(11)、作業パターン(12)、作業パターン(2)の順序で作業が行われた場合について、各操作レバー41、42の操作量であるブームレバー信号Lbo、アームレバー信号Lar、バケットレバー信号Lbk、旋回レバー信号Lswの時間変化、ポンプ吸収トルクTpの時間変化、エンジン回転数nの時間変化をそれぞれ示している。
本第1実施例によれば、図12に示す一連の作業パターンで作業を行った場合に、ポンプ吸収トルクを適切な値に定めることができ、必要以上の無駄なエネルギー消費を抑えられるということが確認された。
なお、本実施例では、上述したように、各油圧アクチュエータ31〜36を操作する操作手段41〜44の操作量に応じて、現在のポンプ目標吐出流量Qsumが求められ、このポンプ目標吐出流量Qsumに適合する第1のエンジン目標回転数ncom1が設定される。
しかし、本実施例における第1の目標回転数の設定の仕方は、任意である。たとえば、従来技術で説明したのと同様に、燃料ダイヤルによりエンジン2の回転数を設定し、この燃料ダイヤルの設定値に応じて、エンジン2の第1の目標回転数ncom1を設定することができる。
(第2実施例)
つぎに第2実施例について説明する。
第2実施例の建設機械1の構成は、図3に示す構成例を前提としており、図1の構成例に対してPTO軸10、発電電動機11、蓄電器12、インバータ13、回転センサ14、電圧センサ15が付加されており、発電電動機11による電動作用、発電作用が行われる。
図5、図6、図7、図8は、コントローラ6で行われる処理内容を示す制御ブロック図である。
図5は、第1実施例の図4に対応する図であり、図4と重複する部分については説明を省略する。
図5、図6に示すように、本第2実施例では、第1実施例と同様にして最小値選択部65でエンジン目標回転数ncomが選択されると、以下、図7に示す制御ブロック図に移行して以下説明する処理が実行される。
なお、以下ではエンジン回転数、エンジン目標回転数をそれぞれ、発電電動機回転数、発電電動機目標回転数に変換した上で演算処理を行うようにしているが、下記の説明において発電電動機回転数、発電電動機目標回転数をそれぞれエンジン回転数、エンジン目標回転数に置換して同様の演算処理を行う実施も可能である。
発電電動機目標回転数演算部96では、現在のエンジン目標回転数ncomに対応する発電電動機11の目標回転数Ngencomが次式によって演算される。
Ngencom=ncom×K2 …(4)
ただし、K2は、PTO軸10の減速比である。
アシスト有無判定部86では、発電電動機11の目標回転数Ngencomと、回転センサ14で検出される発電電動機11の現在の実回転数GENspdと電圧センサ15で検出される畜電器12の現在の電圧BATTvoltとに基づいて、発電電動機11によってエンジン2をアシストするか否か(アシスト有無)が判定される。
アシスト有無判定部86は、図8に具体的に示される。
まず、偏差演算部91で、発電電動機目標回転数Ngencomと発電電動機実回転数GENspdとの偏差Δgenspdが演算される。
つぎに、第1の判定部92では、発電電動機目標回転数Ngencomと発電電動機実回転数GENspdとの偏差Δgenspdが第1のしきい値ΔGC1以上になった場合に、発電電動機11を電動作用すると判定し、アシストフラグassist flagをTにし、発電電動機目標回転数Ngencomと発電電動機実回転数GENspdとの偏差Δgenspdが第1のしきい値ΔGC1よりも小さい第2のしきい値ΔGC2以下になった場合に、発電電動機11を電動作用しない(ただし、必要に応じて発電作用させて蓄電器12に電力を蓄える)と判定し、アシストフラグをFにする。
また、発電電動機目標回転数Ngencomと発電電動機実回転数GENspdとの偏差Δgenspdが第3のしきい値ΔGC3以下になった場合に、発電電動機11を発電作用すると判定し、アシストフラグassist flagをTにし、発電電動機目標回転数Ngencomと発電電動機実回転数GENspdとの偏差Δgenspdが第3のしきい値ΔGC3よりも大きい第4のしきい値ΔGC4以上になった場合に、発電電動機11を発電作用しない(ただし、必要に応じて発電作用させて蓄電器12に電力を蓄える)と判定し、アシストフラグをFにする。
このように、回転数偏差Δgenspdが符合プラスである程度以上大きくなると、発電電動機11を電動作用させエンジン2をアシストさせるようにしているのは、現在のエンジン回転数と目標回転数とが離れている場合にエンジン目標回転数に向けて迅速にエンジン回転数を上昇させるためである。
また、回転数偏差Δgenspdが符合マイナスである程度以上大きくなると、発電電動機11を発電作用させエンジン2を逆アシストさせるようにしているのは、エンジン回転数の減速時に発電作用させてエンジン回転数を迅速に低下させるとともにエンジン2のエネルギ−を回生するためである。
また第1のしきい値ΔGC1と第2のしきい値ΔGC2との間にヒステリシスをもたせるとともに、第3のしきい値ΔGC3と第4のしきい値ΔGC4との間にヒステリシスをもたせることで、制御上のハンチングを防止している。
第2の判定部93では、蓄電器12の電圧BATTvoltが所定の範囲BC1〜BC4(BC2〜BC3)内に収まっている場合に、アシストフラグassist flagをTにし、所定の範囲外である場合には、アシストフラグassist flagをFにする。
電圧値BATTvoltに、第1のしきい値BC1、第2のしきい値BC2、第3のしきい値BC3、第4のしきい値BC4を設定する。第1のしきい値BC1、第2のしきい値BC2、第3のしきい値BC3、第4のしきい値BC4の順序で大きくなるものとする。
蓄電器12の電圧値BATTvoltが第3のしきい値BC3以下になるとアシストフラグassist flagをTにし、蓄電器12の電圧値BATTvoltが第4のしきい値BC4以上になるとアシストフラグassist flagをFにする。また、蓄電器12の電圧値BATTvoltが第2のしきい値BC2以上になるとアシストフラグassist flagをTにし、蓄電器12の電圧値BATTvoltが第1のしきい値BC1以下になるとアシストフラグassist flagをFにする。
このように蓄電器12の電圧BATTvoltが所定の範囲BC1〜BC4(BC2〜BC3)内に収まっているときのみに、アシストさせるようにしているのは、所定範囲外の低電圧、高電圧のときにアシストさせないようにすることで蓄電器12に与える過充電や完全放電等の悪影響を回避するためである。
また第1のしきい値BC1と第2のしきい値BC2との間にヒステリシスをもたせるとともに、第3のしきい値BC3と第4のしきい値BC4との間にヒステリシスをもたせることで、制御上のハンチングを防止している。
アンド回路94では、第1の判定部92で得られたアシストフラグassist flagと第2の判定部93で得られたアシストフラグassist flagがともにTである場合に、最終的にアシストフラグassist flagの内容をTとし、それ以外である場合に、最終的にアシストフラグassist flagの内容をFにする。
アシストフラグ判定部95では、アシスト有無判定部90から出力されるアシストフラグassist flagの内容がTであるか否かが判定される。
発電電動機指令値切り替え部87では、アシストフラグ判定部95の判定結果がTであるか否か(F)に応じて、インバータ13に与えるべき発電電動機指令値GENcomの内容を、目標回転数か、目標トルクかに切り替える。
発電電動機11は、インバータ13を介して回転数制御若しくはトルク制御によって制御される。
ここで、回転数制御とは、発電電動機指令値GENcomとして目標回転数を与えて目標回転数が得られるように発電電動機11の回転数を調整する制御のことである。また、トルク制御とは、発電電動機指令値GENcomとして目標トルクを与えて目標トルクが得られるように発電電動機11のトルクを調整する制御のことである。
モジュレーション処理部97では、発電電動機11の目標回転数が演算され出力される。また、発電電動機トルク演算部68では、発電電動機11の目標トルクが演算され出力される。
すなわち、モジュレーション処理部97は、発電電動機目標回転数演算部96で得られた発電電動機目標回転数Ngencomに対して、特性97aにしたがいモジュレーション処理が施された回転数Ngencomを出力する。発電電動機目標回転数演算部96より入力された発電電動機目標回転数Ngencomをそのまま出力するのではなくて、時間tをかけて徐々に回転数を増大させて、発電電動機目標回転数演算部96より入力された発電電動機目標回転数Ngencomに到達させる。
図13、図14を参照してモジュレーション処理を行わなかった場合に対してモジュレーション処理を行った場合の効果について説明する。
図13(a)、(b)、図14(a)、(b)は、図2、図10と同様に横軸をエンジン回転数nとし縦軸をトルクTとするトルク線図を示している。
図13(a)は、エンジン加速時にモジュレーション処理無しの場合のガバナ4の動きを説明する図で、図13(b)は、エンジン加速時にモジュレーション処理有りの場合のガバナ4の動きを説明する図である。
図14(a)は、エンジン減速時にモジュレーション処理無しの場合のガバナ4の動きを説明する図で、図14(b)は、エンジン減速時にモジュレーション処理有りの場合のガバナ4の動きを説明する図である。
ガバナ4としてメカガバナを使用すると、実際のエンジン回転数よりもガバナ4が指定する回転数が遅れるという問題がある。
図13(a)、(b)に示すように、油圧ポンプ3の負荷が大きいときに低回転のマッチング点P0から高回転側にエンジン2を加速させる場合を想定する。
図13(a)、(b)において、P2はエンジントルクに対応し、エンジントルクにアシスト分のトルクを加えたものが、エンジン2と発電電動機11を合わせた全トルクP3となる。P1はポンプ吸収トルクに対応し、ポンプ吸収トルクに加速トルクを合わせたものが全トルクP3に対応している。
図13(a)に示すようにモジュレーション処理無しの場合には、エンジン目標回転数とエンジン実回転数との偏差に応じたアシストトルクが発生する。偏差が大きい場合には、その大きな偏差に対応して、発電電動機11によるアシストトルクが大きくなる。このためガバナ4の動きよりもエンジン2が早く加速して、ガバナ4が指定する回転数よりも実回転数の方が大きくなる。エンジン2が早く加速するとガバナ4の調整により燃料噴射量が減りエンジントルクが減少する。このためエンジン2を発電電動機11によってアシストしているにもかかわらずエンジン2がフリクションとなってしまい、エンジン2の加速度が上がらないことになる。このため燃料噴射量を減らしながら、エンジントルクを減少させながら、エンジン2がロスとなってエンジン2が加速することなり、エネルギーロスを招くとともに、エンジン2が十分に加速しないという結果を招く。
これに対して図13(b)に示すようにモジュレーション処理有りの場合には、エンジン目標回転数にモジュレーション処理が施されて、エンジン目標回転数とエンジン実回転数との偏差が小さくなり、これに応じて、発電電動機11で小さいアシストトルクが発生する。このためガバナ4の動きがエンジン2の加速に追従し、ガバナ4が指定する回転数が実回転数に一致する。
このためエネルギーロスが低減され、エンジン2が十分に図加速する。
つぎにエンジン2を減速させる場合について説明する。
図14(a)、(b)に示すように、油圧ポンプ3の負荷が大きいときに高回転のマッチング点P0から低回転側にエンジン2を減速させる場合を想定する。
図14(a)、(b)において、P2はエンジントルクに対応し、エンジントルクに回生トルクを加えたものが、エンジン2と発電電動機11を合わせた全トルクP3となる。P1はポンプ吸収トルクに対応し、ポンプ吸収トルクに減速トルクを合わせたものが全トルクP3に対応している。
図14(a)に示すようにモジュレーション処理無しの場合には、エンジン目標回転数とエンジン実回転数との偏差に応じた回生トルクが発生する。偏差が大きい場合には、その大きな偏差に対応して、発電電動機11による回生トルクが大きくなる。このためガバナ4の動きよりもエンジン2が早く減速して、ガバナ4が指定する回転数よりも実回転数の方が小さくなる。エンジン2が早く減速するとガバナ4の調整により燃料噴射量が増加しエンジントルクが増大する。このためエンジン2はトルクを増加させつつ発電電動機11で発電しながらエンジン2が減速することになる。この結果、エンジン2がトルクを上げつつ、発電電動機11によって、増加するエンジンエネルギーを回収しながら、エンジン2が減速することになり、無駄な発電が行われ、燃料を無駄に消費することになる。
これに対して図14(b)に示すようにモジュレーション処理有りの場合には、エンジン目標回転数にモジュレーション処理が施されて、エンジン目標回転数とエンジン実回転数との偏差が小さくなり、これに応じて、発電電動機11で小さい回生トルクが発生する。このためガバナ4の動きがエンジン2の減速に追従し、ガバナ4が指定する回転数が実回転数に一致する。このためエンジン2のトルクが負になり、発電電動機11によってエンジン2の速度エネルギーを回収しながらエンジン2が減速する。このため無駄なエネルギー消費を招くことなく効率よくエンジン2を減速させることができる。
発電電動機トルク演算部68では、電圧センサ15で検出される畜電器12の現在の電圧BATTvoltに基づいて、電圧BATTvoltに対応する目標トルクTgencomが演算される。
記憶装置には、蓄電器12の電圧BATTvoltの上昇68bに応じて目標トルクTgencomが減少し、蓄電器12の電圧BATTvoltの下降68cに応じて目標トルクTgencomが増加するというヒステリシスをもたせた関数関係68aがデータテーブル形式で記憶されている。この関数関係68aは、発電電動機11の発電量を調整することで蓄電器12の電圧値を所望の範囲内に維持するために設定されている。
発電電動機トルク演算部68では、蓄電器12の現在の電圧BATTvoltに対応する目標トルクTgencomが関数関係68aにしたがい出力される。
アシストフラグ判定部95でアシストフラグassit flagの内容がTであると判定されると、発電電動機指令値切り替え部87が、モジュレーション処理部97側に切り替えられ、モジュレーション処理部97から出力される発電電動機目標回転数Ngencomが発電電動機指令値GENcomとしてインバータ13に出力されて、発電電動機11が回転数制御され、発電電動機11が電動作用若しくは発電作用をする。
また、アシストフラグ判定部95でアシストフラグassit flagの内容がFであると判定されると、発電電動機指令値切り替え部87が、発電電動機トルク演算部68側に切り替えられ、発電電動機トルク演算部68から出力される発電電動機目標トルクTgencomが発電電動機指令値GENcomとしてインバータ13に出力されて、発電電動機11がトルク制御され、発電電動機11が発電作用をする。
ポンプ吸収トルク指令値切り替え部88では、アシストフラグ判定部95の判定結果がTであるか否か(F)に応じて、制御電流演算部67に与えるべきポンプ目標吸収トルクTの内容を、第1のポンプ目標吸収トルクTpcom1か、第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2かに切り替える。
第1のポンプ目標吸収トルクTpcom1は、第1のポンプ目標吸収トルク演算部66(図4に示すポンプ吸収トルク演算部と同じ構成)で演算される。
すなわち、第1のポンプ目標吸収トルクTpcom1は、図9(a)のトルク線図における第1の目標トルク線L1上のトルク値として与えられる。第1の目標トルク線L1は、図10で説明したように、エンジン目標回転数nが低下するに応じて油圧ポンプ3の目標吸収トルクTpcom1が小さくなるような目標トルク線として設定されている。
第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2は、第2のポンプ目標吸収トルク演算部85で演算される。
すなわち、第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2は、図9(a)のトルク線図における第1の目標トルク線L1に対して、低回転領域でポンプ目標吸収トルクが大きくなる第2の目標トルク線L2上のトルク値として与えられる。
第1のポンプ目標吸収トルク演算部66では、エンジン目標回転数ncomに対応する油圧ポンプ3の第1のポンプ目標吸収トルクTpcom1が演算される。
記憶装置には、エンジン目標回転数ncomの増加に応じて油圧ポンプ3の第1の目標吸収トルクTpcom1が増加する関数関係66aがデータテーブル形式で記憶されている。この関数66aは、図9(a)(図10)に示すトルク線図上の第1の目標トルク線L1に対応するカーブである。
図9(a)は、図10と同様にエンジン2のトルク線図を示しており横軸にエンジン回転数n(rpm;rev/min)をとり縦軸にトルクT(N・m)をとっている。関数66aは、図9(a)に示すトルク線図上の目標トルク線L1に対応している。
第1のポンプ目標吸収トルク演算部66では、現在のエンジン目標回転数ncomに対応する第1のポンプ目標吸収トルクTpcom1が関数関係66aにしたがい演算される。
第2のポンプ目標吸収トルク演算部85では、発電電動機回転数GENspd(エンジン実回転数)に対応する油圧ポンプ3の第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2が演算される。
記憶装置には、発電電動機回転数GENspd(エンジン実回転数)に応じて油圧ポンプ3の第2の目標吸収トルクTpcom2が変化する関数関係85aがデータテーブル形式で記憶されている。この関数85aは、図9(a)に示すトルク線図上の第2の目標トルク線L2に対応するカーブであり、第1の目標トルク線L1に対して、低回転領域でポンプ目標吸収トルクが大きくなるような特性を有している。たとえば第2の目標トルク線L2は、等馬力線に相当するカーブであり、エンジン回転数の上昇に応じてトルクが低下するように特性を採用することができる。
第2のポンプ目標吸収トルク演算部85では、現在の発電電動機回転数GENspd(エンジン実回転数)に対応する第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2が関数関係85aにしたがい演算される。
アシストフラグ判定部95でアシストフラグassit flagの内容がTであると判定されると、ポンプ吸収トルク指令値切り替え部88が、第2のポンプ目標吸収トルク演算部85側に切り替えられ、第2のポンプ目標吸収トルク演算部85から出力される第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2がポンプ目標吸収トルクTpcomとして、後段のフィルタ処理部89に出力される。
また、アシストフラグ判定部95でアシストフラグassit flagの内容がFであると判定されると、ポンプ吸収トルク指令値切り替え部88が、第1のポンプ目標吸収トルク演算部66側に切り替えられ、第1のポンプ目標吸収トルク演算部66から出力される第1のポンプ目標吸収トルクTpcom1がポンプ目標吸収トルクTpcomとして、後段のフィルタ処理部89に出力される。
以上のようにしてポンプ吸収トルク指令値切り替え部88では、油圧ポンプ3の目標吸収トルクTpcom1、Tpcom2、つまり図9(a)の目標トルク線L1、L2の選択が切り替えられる。
フィルタ処理部89では、目標トルク線L1、L2の選択が切り替えられた場合に、切り替え前の目標トルク線(たとえば第2の目標トルク線L2)上のポンプ目標吸収トルク(第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2)から、切り替え後の目標トルク線(第1の目標トルク線L1)上のポンプ目標吸収トルク(第2のポンプ目標吸収トルクTpcom1)へ、徐々に変化させるフィルタ処理が行われる。
すなわち、フィルタ処理部89は、目標トルク線L1、L2の選択が切り替えられた場合に、特性89aにしたがいフィルタ処理が施された目標トルク値Tpcomを出力する。目標トルク線L1、L2の選択が切り替えられた場合に、切り替え前の目標トルク線(たとえば第2の目標トルク線L2)上のポンプ目標吸収トルク(第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2)から、切り替え後の目標トルク線(第1の目標トルク線L1)上のポンプ目標吸収トルク(第2のポンプ目標吸収トルクTpcom1)へとそのまま切り替え出力するのではなくて、時間tをかけて徐々に切り替え前の目標トルク線(第2の目標トルク線L2)上のポンプ目標吸収トルク(第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2)から、切り替え後の目標トルク線(第1の目標トルク線L1)上のポンプ目標吸収トルク(第2のポンプ目標吸収トルクTpcom1)へと滑らかに到達させる。
図9(a)を用いて説明すると、第2の目標トルク線L2上の点Gにおける第2のポンプ目標吸収トルクTpcom2から、第1の目標トルク線L1上の点Hにおける第1のポンプ目標吸収トルクTpcom2に向けて徐々に時間をかけて変化する。
これによりトルクが急激に変化することでオペレータや車体に与えるショックを抑制するとともに、操作感覚上の違和感をなくすことができる。
フィルタ処理は、アシストフラグ判定部95の判定結果がTからFに切り替わった場合、同判定結果がFからTに切り替わった場合の両方の場合に行うようにしてもよく、どちらか一方の切り替えが行われたときのみフィルタ処理を行うようにしてもよい。特に、アシストフラグ判定部95の判定結果がTからFに切り替わり第2の目標トルク線L2から第1の目標トルク線L1に切り替わる場合に、フィルタ処理を行わないものとするとトルクが急激に低下してオペレータに大きな操作感覚の違和感を与えることが多い。このため、判定結果がTからFに切り替わり第第2の目標トルク線L2から第1の目標トルク線L1に切り替わる場合にはフィルタ処理を施すことが望ましい。
フィルタ処理部89から出力されたポンプ目標吸収トルクTpcomは、図4に示すものと同構成の制御電流演算部67に与えられる。
制御電流演算部67では、ポンプ目標吸収トルクTpcomに対応する制御電流pc−epcが演算される。
記憶装置には、ポンプ目標吸収トルクTpcomの増加に応じて制御電流pc−epcが増加する関数関係67aがデータテーブル形式で記憶されている。
制御電流演算部67では、現在のポンプ目標吸収トルクTpcomに対応する制御電流pc−epcが関数関係67aにしたがい演算される。
コントローラ6からポンプ制御弁5に対して制御電流pc−epcが出力されてサーボピストンを介して油圧ポンプ3の斜板3aを変化させる。ポンプ制御弁5は、油圧ポンプ3の吐出圧PRp(kg/cm2)と油圧ポンプ3の容量q(cc/rev)の積が制御電流pc−epcに対応するポンプ吸収トルクTp comを超えないように、油圧ポンプ3の斜板3aの傾転角をPC制御する。
つぎに本第2実施例の効果について説明する。
本第2実施例によれば、図9(a)に示すように、エンジン目標回転数が低下するに応じて油圧ポンプ3の目標吸収トルクが小さくなる第1の目標トルク線L1が設定される。また、第1の目標トルク線L1に対して、低回転領域でポンプ目標吸収トルクが大きくなる第2の目標トルク線L2が設定される。
そして、エンジン目標回転数に一致するように、エンジン回転数が制御される。たとえば各操作レバー41〜44の操作量から油圧ポンプ3の負荷が小さいと判断されるときには、エンジン目標回転数が低い回転数nDに設定され、各操作レバー41〜44の操作量から油圧ポンプ3の負荷が大きいと判断されるときには、エンジン目標回転数が高い回転数nEに設定される。
そして、エンジン目標回転数とエンジン2の実際の回転数との偏差が所定のしきい値以上になっているか否かが、つまり発電電動機11によってエンジン2をアシストすべきか否かが判定される。
エンジン目標回転数とエンジン2の実際の回転数との偏差が所定のしきい値以上になっていない場合には、第1の目標トルク線L1が選択され、エンジン目標回転数に対応する第1の目標トルク線L1上のポンプ目標吸収トルクが得られるように、油圧ポンプ3の容量が制御される。
このためエンジン目標回転数が低回転nDに設定されているときには、ガバナ4は、エンジン目標回転数nDに対応するレギュレーションラインFeD上において、第1の目標トルク線L1と交差する点Dを上限トルク値として、エンジン2と油圧ポンプ吸収トルクがつりあうように燃料噴射量を増減する。静的には第1の目標トルク線L1上の点Dでマッチングする。
またエンジン目標回転数が高回転nEに設定されているときには、ガバナ4は、エンジン目標回転数nEに対応するレギュレーションラインFeE上において、第1の目標トルク線L1と交差する点Eを上限トルク値として、エンジン2と油圧ポンプ吸収トルクがつりあうように燃料噴射量を増減する。静的には第1の目標トルク線L1上の点Eでマッチングする。
このため発電電動機11によるアシストが行われていないときには、比較例と同様に、エンジン2は目標トルク線L1に沿って制御されるため、燃費向上、ポンプ効率およびエンジン効率の向上、騒音低減、エンスト防止等の効果が得られる。
エンジン目標回転数とエンジン3の実際の回転数との偏差が所定のしきい値以上になっている場合には、発電電動機11が電動作用される。発電電動機11が電動作用された結果、図9(a)に破線で示すトルク分がエンジントルクに加算される。
また、同しきい値以上になっている場合には、第2の目標トルク線L2が選択され、エンジン回転数に対応する第2の目標トルク線L2上のポンプ目標吸収トルクが得られるように、油圧ポンプ3の容量が制御される。
この第2実施例の制御について第1実施例との対比において説明する。
ここで、たとえば掘削作業を開始すべく操作レバー41等を中立位置から倒した場合を想定する。この場合、エンジン回転数を低回転から高回転の高負荷のマッチング点Eまで上昇させる必要がある。
第1実施例の場合には、図9(b)の経路LN1に沿ってエンジン2が加速する。掘削作業開始の初期の段階では、エンジン回転を上昇(過渡時)させながら作業機等を作動させる必要がある。第1実施例の場合には、エンジン2の応答性はよいものの、発電電動機2によるアシストや第2の目標トルク線L2への移行がないため、エンジン回転上昇時の初期の段階で、油圧ポンプ3の吸収トルクが小さくなってしまう。このため操作レバーの動きに対して作業機の動きだしが遅くなり、作業効率の低下を招くとともに、オペレータに操作感覚の違和感を与える。
上述した第1実施例に対して発電電動機11によるアシストを加えた場合には、経路LN2に沿ってエンジン2が加速する。この場合、発電電動機2によるアシストがあるため、第1実施例に比べてエンジン回転上昇時の初期の段階で、油圧ポンプ3の吸収トルクが大きくなる。このため操作レバーの動きに対して作業機の動きだしが早くなり、作業効率の低下を抑制でき、オペレータに与える操作感覚の違和感を軽減できる。したがって第2実施例の変形例として、第1実施例に対して発電電動機11によるアシストを付加するだけの実施も可能である。
第2実施例の場合には、図9(c)の経路LN3に沿ってエンジン2が加速する。第2実施例によれば、低回転から第2の目標トルク線L2上の点Fを経てE点に到達する。すなわち操作レバー41等を倒した直後に即座に油圧ポンプ吸収トルクが高トルクとなる点Fに達するため、操作レバーの動きに対して作業機の動きだしが早くなる。このためエンジン2を加速させつつ作業機を、操作レバーの動きに遅れなく、瞬時に力強く動かすことができる。これにより作業効率が向上し、オペレータに操作感覚の違和感を与えることがない。なお、仮に、発電電動機11によるアシストなくして(図9(c)に示す斜線部分なくして)、第2の目標トルク線L2に移行させようとすると、エンジン2に過負荷がかかるおそれがある。第2実施例では、発電電動機11によるアシストを前提として、第2の目標トルク線L2への移行を保証している。
以上のように、第2実施例によれば、エンジン効率、ポンプ効率等の向上を図りつつ、オペレータの意思通りに応答性よく作業機等を作動させることができる。
2 エンジン 3 油圧ポンプ 5 ポンプ制御弁 6 コントローラ 11 発電電動機 31〜36 油圧アクチュエータ 41〜44 操作レバー