JP4406884B2 - 点火プラグのくすぶり汚損検出装置 - Google Patents

点火プラグのくすぶり汚損検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、点火プラグへのデポジット付着によって発生するくすぶり汚損を検出する点火プラグのくすぶり汚損検出装置に関する発明である。
従来の点火プラグのくすぶり汚損検出装置は、例えば特許文献1(特開2003−83222号公報)に示すように、点火プラグの絶縁抵抗値を検出し、この絶縁抵抗値に基づいて点火プラグのくすぶり汚損(くすぶり度合)を検出するものが知られている。
特開2003−83222号公報(第2頁等)
一般に、点火プラグのくすぶり汚損は、不完全燃焼時に発生するカーボンデポジットが点火プラグの発火部ガイシ表面に付着することで、電極間の絶縁抵抗値が低下して火花が飛びにくくなる現象として知られているが、近年、燃料中の金属成分(Fe、Mn、Pb等)が点火プラグのガイシ表面に付着して生じた金属デポジットによって、ほぼ同様のくすぶり現象が発生することが問題になってきている。
上述した従来のくすぶり汚損検出技術では、点火プラグの絶縁抵抗値のみに基づいてくすぶり汚損(くすぶり度合)を検出するため、点火プラグへの金属デポジット付着によるくすぶり汚損(以下「金属デポジット汚損」という)とカーボンデポジット付着によるくすぶり汚損(以下「カーボンデポジット汚損」という)とを区別して検出することができなかった。このため、実際に金属デポジット汚損が発生したときに、これをカーボンデポジット汚損と誤判定する結果となっていた。
一般に、カーボンデポジット汚損は、点火プラグ温度が低い低回転・低負荷領域で発生し、点火プラグ温度が高温になると、点火プラグの発火部ガイシ表面に付着しているカーボンデポジットが焼け切られる自己清浄性があることが知られている。このため、カーボンデポジット汚損によるくすぶり度合を回復させるには、点火プラグの温度上昇を促進することが効果的である。
これに対して、金属デポジット汚損は、点火プラグの発火部ガイシ表面に付着した金属デポジットが高回転・高負荷領域の高温環境下で変質溶融して絶縁抵抗値が低下することで発生するくすぶり現象であるため、金属デポジット汚損は、点火プラグ温度が高温になる高回転・高負荷領域で発生しやすいという特徴がある。従って、金属デポジット汚損によるくすぶり度合を回復させるには、カーボンデポジット汚損とは逆に、点火プラグの温度を低下させることが効果的である。
このように、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とでは、発生条件や回復条件が異なるため、点火プラグのくすぶり現象が発生したときには、それが金属デポジット汚損であるのか、カーボンデポジット汚損であるのかを区別して検出しないと、実際に発生しているくすぶり汚損を確実に早期に回復させることはできない。
しかし、従来のくすぶり汚損検出技術では、点火プラグの絶縁抵抗値のみに基づいてくすぶり汚損を検出するため、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することが不可能であった。このため、実際に金属デポジット汚損が発生したときでも、これをカーボンデポジット汚損として誤判定することになるため、この誤判定結果に基づいて点火プラグの温度上昇を促進する方向にエンジン制御を行うと、益々、金属デポジット汚損を助長させてくすぶり度合を高める結果となってしまい、それによって、益々、燃焼状態を悪化させて排気温度を過昇温させてしまい、最悪の場合には、排気浄化用の触媒溶損等の故障が発生する可能性があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる点火プラグのくすぶり汚損検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の点火プラグの絶縁抵抗値を検出する絶縁抵抗検出手段と、前記絶縁抵抗検出手段で検出した絶縁抵抗値に基づいて前記点火プラグのくすぶり汚損を検出するくすぶり汚損検出手段とを備えた点火プラグのくすぶり汚損検出装置において、前記くすぶり汚損検出手段がくすぶり汚損を検出したときに、そのくすぶり汚損検出時の内燃機関の運転領域に基づいて点火プラグへの金属デポジット付着によるくすぶり汚損(金属デポジット汚損)とカーボンデポジット付着によるくすぶり汚損(カーボンデポジット汚損)とを区別して検出するようにしたものである。
前述したように、カーボンデポジット汚損は、点火プラグ温度が低い低回転・低負荷領域で発生しやすいのに対して、金属デポジット汚損は、点火プラグ温度が高温になる高回転・高負荷領域で発生しやすいという特徴がある。このような金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損との発生運転領域の相違に着目して、くすぶり汚損検出時の内燃機関の運転領域が、金属デポジット汚損が発生しやすい運転領域であるか、カーボンデポジット汚損が発生しやすい運転領域であるかを判定すれば、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる。これにより、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損のいずれが発生した場合でも、実際に発生しているくすぶり汚損の種類に応じた適切な処置を行うことが可能となり、実際に発生しているくすぶり汚損を確実に早期に回復させる(若しくはくすぶり度合を悪化させない)ことが可能となる。
この場合、くすぶり汚損の判別に用いる運転領域のパラメータは、例えば、機関回転速度と負荷(吸入空気量、吸気管圧力、スロットル開度等)のいずれか一方のみで判定するようにしても良いが、機関回転速度と負荷の両方で判定するようにするのが好ましい。具体的には、請求項2のように、くすぶり汚損検出手段により金属デポジット汚損と判定する運転領域を、カーボンデポジット汚損と判定する運転領域よりも高回転・高負荷側に設定すると良い。このようにすれば、より正確に金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別することができる。
また、請求項3のように、くすぶり汚損検出手段により金属デポジット汚損が検出されているときに、高回転・高負荷側に設定された所定の運転領域で内燃機関への燃料噴射をカットするフェイルセーフ手段を設けた構成としても良い。このように、金属デポジット汚損検出時に高回転・高負荷側で燃料カットを実行すれば、金属デポジット汚損発生時に燃料カットにより排気温度を低下させることが可能となり、金属デポジット汚損によるくすぶり度合を回復させることができると共に、排気浄化用の触媒溶損等の故障を未然に防止することができる。
本発明者らの実験結果によれば、カーボンデポジット汚損による飛び火異常は、絶縁抵抗値が50MΩ以下に低下した点火プラグで発生するのに対して、金属デポジット汚損による飛び火異常は、鉛(Pb)の汚損では15MΩ以下、鉄(Fe)の汚損では2MΩ以下に低下した点火プラグで発生する。このように、金属デポジット汚損による飛び火異常は、カーボンデポジット汚損よりも絶縁抵抗値が小さい領域でのみ発生するため、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを異なるくすぶり判定値を用いて検出するようにしても良いが、請求項4のように、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを同一のくすぶり判定値(例えば50MΩ)を用いて検出するようにしても良い。このようにすれば、簡単な処理で、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを検出することができると共に、金属デポジット汚損の発生時に金属デポジット汚損をより確実に検出することができる。
また、請求項5のように、絶縁抵抗値が所定のくすぶり判定値以下に低下し始めた運転領域及び/又は絶縁抵抗値が所定のくすぶり判定値以下に低下した状態が継続する運転領域を記憶手段に記憶し、くすぶり汚損検出時に前記記憶手段に記憶されている運転領域に基づいて金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出するようにしても良い。このようにすれば、くすぶり汚損検出時の運転領域のデータを記憶手段に蓄積して判定できるため、より正確に、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる。
この場合、請求項6のように、絶縁抵抗値が所定のくすぶり判定値以下に低下する頻度又は連続的に低下する連続性を求め、前記頻度又は連続性が増大する運転領域を記憶手段に記憶するようにしても良い。このようにすれば、金属デポジット汚損やカーボンデポジット汚損が増大して燃焼状態が悪化する場合のみ、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる。一方、絶縁抵抗値が低下する頻度又は連続性が減少する場合は、くすぶり度合が減少していると判断して、金属デポジット汚損やカーボンデポジット汚損と判定しないようにすることができる。また、点火プラグには熱容量があるため、点火プラグの温度が低下するのに数秒の遅れ時間があり、その遅れ時間中に運転領域が変化したときに、その変化後の運転領域を記憶させないようにして、金属デポジット汚損の誤判定を防止するようにしても良い。
また、請求項のように、金属デポジット汚損検出時とカーボンデポジット汚損検出時とで警告手段の警告表示態様を異ならせるようにしても良い。これにより、運転者に金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して警告することができる。
また、請求項のように、カーボンデポジット汚損のダイアグ処置を行っている期間は、金属デポジット汚損の検出を禁止する(金属デポジット汚損と判定しない)ようにしても良い。これにより、カーボンデポジット汚損を金属デポジット汚損と誤判定することを確実に防止することができる。
以上説明した請求項1〜に係る発明を実施する場合、絶縁抵抗検出手段として、新たに設計した絶縁抵抗検出回路を設けても良いが、請求項のように、内燃機関の燃焼室内に発生する燃焼イオンを点火プラグを通して検出するイオン電流検出装置を用いて点火プラグの絶縁抵抗値を検出するようにしても良い。このようにすれば、イオン電流検出装置を搭載した内燃機関に本発明を適用する場合に、新たな絶縁抵抗検出回路を設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した3つの実施例1〜3を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。まず、図1に基づいて点火制御系の回路構成を説明する。点火コイル21の一次コイル22の一端はバッテリ23に接続され、該一次コイル22の他端は、イグナイタ24に内蔵されたパワートランジスタ25のコレクタに接続されている。二次コイル26の一端は点火プラグ27に接続され、該二次コイル26の他端は、2つのツェナーダイオード28,29を介してグランドに接続されている。
2つのツェナーダイオード28,29は互いに逆向きに直列接続され、一方のツェナーダイオード28にコンデンサ30が並列に接続され、他方のツェナーダイオード29にイオン電流検出抵抗31が並列に接続されている。コンデンサ30とイオン電流検出抵抗31との間の電位Vinが抵抗32を介して反転増幅回路33の反転入力端子(−)に入力されて反転増幅され、この反転増幅回路33の出力電圧Vがイオン電流検出信号としてエンジン制御回路34に入力される。イオン電流検出回路35は、ツェナーダイオード28,29、コンデンサ30、イオン電流検出抵抗31、反転増幅回路33等から構成され、このイオン電流検出回路35とエンジン制御回路34とによってイオン電流検出装置が構成されている。
エンジン運転中は、エンジン制御回路34からイグナイタ24に送信される点火指令信号の立ち上がり/立ち下がりでパワートランジスタ25がオン/オフする。パワートランジスタ25がオンすると、バッテリ23から一次コイル22に一次電流が流れ、その後、パワートランジスタ25がオフすると、一次コイル22の一次電流が遮断されて、二次コイル26に高電圧が電磁誘導され、この高電圧によって点火プラグ27の電極36,37間に火花放電が発生する。この火花放電電流は、点火プラグ27の接地電極37から中心電極36へ流れ、二次コイル26を経てコンデンサ30に充電されると共に、ツェナーダイオード28,29を経てグランド側に流れる。コンデンサ30の充電後は、ツェナーダイオード28のツェナー電圧によって規制されるコンデンサ30の充電電圧を電源としてイオン電流検出回路35が駆動され、後述するようにしてイオン電流が検出される。
これに対して、イオン電流は、火花放電電流とは反対方向に流れる。つまり、点火終了後は、コンデンサ30の充電電圧によって点火プラグ27の電極36,37間に電圧が印加されるため、気筒内で混合気が燃焼する際に発生するイオンによって電極36,37間にイオン電流が流れるが、このイオン電流は、中心電極36から接地電極37へ流れ、更に、グランド側からイオン電流検出抵抗31を通ってコンデンサ30に流れる。この際、イオン電流検出抵抗31に流れるイオン電流の変化に応じて反転増幅回路33の入力電位Vinが変化し、反転増幅回路33の出力端子からイオン電流に応じた電圧Vがエンジン制御回路34に出力される。この反転増幅回路33の出力電圧Vからイオン電流が検出され、このイオン電流から失火、プレイグニッション、ノッキング等が検出される。
また、点火プラグ27のくすぶり度合が進むと、電極36,37間の絶縁抵抗値が低下するため、漏洩電流が中心電極36から接地電極37へ流れる。この漏洩電流も、イオン電流と同じ経路で流れ、イオン電流検出抵抗31に流れる漏洩電流の変化に応じて反転増幅回路33の入力電位Vinが変化し、反転増幅回路33の出力端子から漏洩電流に応じた電圧Vがエンジン制御回路34に出力される。イオン電流発生時には、イオン電流と漏洩電流とが重畳して流れる。
エンジン制御回路34は、ノイズマスク、ピークホールド回路、A/D変換器、CPU、ROM、RAM等により構成され、そのROMに記憶された各種のエンジン制御ルーチンによって燃料噴射制御や点火時期制御を行うと共に、イオン電流検出回路35の出力を利用して次のような方法で点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を検出する。
エンジン運転中に、イオン電流検出期間以外の期間に流れる電流(漏洩電流)を適当なサンプリング間隔Δtで少なくとも2回検出し、先の電流検出値をi1 、後の電流検出値をi2 とすると、次の(1)式により点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を算出する。
Rn =Δt/{Co *ln(i1 /i2 )}−Ro ……(1)
上式において、Co はコンデンサ30の静電容量、Ro はイオン電流検出抵抗31の抵抗値である。
また、エンジン制御回路34は、後述する図2及び図3の各ルーチンを実行することで、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を算出し、この絶縁抵抗値Rn を所定のくすぶり判定値と比較して点火プラグ27のくすぶり汚損の有無を判定し、くすぶり汚損を検出したときには、くすぶり汚損検出時のエンジン運転領域に基づいて点火プラグ27への金属デポジット付着によるくすぶり汚損(以下「金属デポジット汚損」という)とカーボンデポジット付着によるくすぶり汚損(以下「カーボンデポジット汚損」という)とを区別して検出する。
ここで、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損との判別方法について説明する。一般に、カーボンデポジット汚損は、点火プラグ27の温度が低い低回転・低負荷領域で点火プラグ27の発火部ガイシ表面にカーボンデポジットが付着することで発生し、点火プラグ27の温度が高温になると、点火プラグ27の発火部ガイシ表面に付着しているカーボンデポジットが焼け切られる自己清浄性がある。
一方、金属デポジット汚損は、燃料中の金属成分(Fe、Mn、Pb等)が点火プラグ27の発火部ガイシ表面に付着して発生するくすぶり汚損であり、図5に示すように、点火プラグ27の発火部ガイシ表面に付着した金属デポジットが高回転・高負荷領域の高温環境下で変質溶融して絶縁抵抗値が低下することで、ガイシ奥部で飛び火が発生するくすぶり現象であるため、金属デポジット汚損は、点火プラグ27の温度が高温になる高回転・高負荷領域で発生しやすいという特徴がある。
本実施例1では、このような金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損との発生運転領域の相違(図4参照)に着目して、くすぶり汚損検出時(絶縁抵抗値Rn が所定のくすぶり判定値以下に低下したとき)のエンジン運転領域が、金属デポジット汚損が発生しやすい運転領域[A]であるか、カーボンデポジット汚損が発生しやすい運転領域[B]であるかを判定することで、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出する。
この場合、くすぶり汚損の判別に用いる運転領域のパラメータは、例えば、エンジン回転速度と負荷(吸入空気量、吸気管圧力、スロットル開度等)のいずれか一方のみで判定するようにしても良いが、本実施例1では、判別精度を向上させるために、エンジン回転速度と負荷の両方で判定するようにしている。そして、図4に示すように、金属デポジット汚損と判定する運転領域[A]を、カーボンデポジット汚損と判定する運転領域[B]よりも高回転・高負荷側に設定している。
本発明者らの実験結果によれば、カーボンデポジット汚損による飛び火異常は、絶縁抵抗値Rn が50MΩ以下に低下した点火プラグ27で発生するのに対して、金属デポジット汚損による飛び火異常は、鉛(Pb)の汚損では15MΩ以下、鉄(Fe)の汚損では2MΩ以下に低下した点火プラグ27で発生する。このように、金属デポジット汚損による飛び火異常は、カーボンデポジット汚損よりも絶縁抵抗値Rn が小さい領域でのみ発生するため、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを異なるくすぶり判定値を用いて検出するようにしても良いが、本実施例1では、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを同一のくすぶり判定値(例えば50MΩ)を用いて検出するようにしている。このようにすれば、簡単な処理で、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを検出することができると共に、金属デポジット汚損の発生時に金属デポジット汚損をより確実に検出することができる。
以上説明した本実施例1のくすぶり汚損診断は、エンジン制御回路34によって図2及び図3の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
図2のくすぶり汚損検出ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうくすぶり汚損検出手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、前記(1)式を用いて点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を算出する。このステップ101の処理が特許請求の範囲でいう絶縁抵抗検出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ102に進み、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn が所定のくすぶり判定値(例えば50MΩ)以下であるか否かを判定し、絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値よりも大きければ、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損のいずれも発生していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
これに対して、絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以下であれば、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損のどちらかのくすぶり汚損が発生していると判断して、ステップ103に進み、現在の運転領域(くすぶり汚損検出時の運転領域)を検出してエンジン制御回路34のRAM(記憶手段)に記憶する。この際、絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以下に低下し始めた運転領域及び/又は絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以下に低下した状態が継続する運転領域をRAMに記憶するようにしても良い。このようにすれば、くすぶり汚損検出時の運転領域のデータをRAMに蓄積して判定できるため、より正確に、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる。
或は、絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以下に低下する頻度又は連続的に低下する連続性を求め、前記頻度又は連続性が増大する運転領域をRAMに記憶するようにしても良い。このようにすれば、金属デポジット汚損やカーボンデポジット汚損が増大して燃焼状態が悪化する場合のみ、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる。一方、絶縁抵抗値Rn が低下する頻度又は連続性が減少する場合は、くすぶり度合が減少していると判断して、金属デポジット汚損やカーボンデポジット汚損と判定しないようにすることができる。また、点火プラグ27には熱容量があるため、点火プラグ27の温度が低下するのに数秒の遅れ時間があり、その遅れ時間中に運転領域が変化したときに、その変化後の運転領域を記憶させないようにして、金属デポジット汚損の誤判定を防止するようにしても良い。
この後、ステップ104に進み、RAMに記憶されているくすぶり汚損検出時の運転領域が、図4に示す金属デポジット汚損が発生しやすい運転領域[A]であるか否かを判定し、「Yes」と判定されれば、金属デポジット汚損が発生していると判断して、ステップ105に進み、金属デポジット汚損フラグをONする。一方、上記ステップ104で、くすぶり汚損検出時の運転領域が金属デポジット汚損の発生領域[A]ではないと判定されれば、カーボンデポジット汚損が発生していると判断して、ステップ106に進み、カーボンデポジット汚損フラグをONする。
尚、上記ステップ104で、くすぶり汚損検出時の運転領域が、金属デポジット汚損の発生領域[A]とカーボンデポジット汚損の発生領域[B]のいずれにも該当しない場合は、くすぶり汚損の検出結果をクリア又はペンディングにして本ルーチンを終了するようにしても良い。
図3のダイアグ処置ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうダイアグ手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、金属デポジット汚損フラグとカーボンデポジット汚損フラグのどちらかがONされているか否かを判定し、「No」と判定された場合(両方の汚損フラグがOFFの場合)は、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損のどちらも発生していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ201で「Yes」と判定されれば、ステップ202に進み、金属デポジット汚損フラグがONされているか否かを判定し、金属デポジット汚損フラグがONされていれば、金属デポジット汚損が発生していると判断して、ステップ203に進み、金属デポジット汚損の度合がダイアグ処置を必要とする程度であるか否かを判定する。その結果、金属デポジット汚損の度合がダイアグ処置を必要としない軽度のものであると判定されれば、そのまま本ルーチンを終了するが、ダイアグ処置を必要とすると判定されれば、ステップ204に進み、金属デポジット汚損に対するダイアグ処置(I)を実行して、エンジン制御回路34のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに金属デポジット汚損の発生情報を記憶すると共に、警告ランプ38(警告手段)を点滅させて、運転者に金属デポジット汚損を警告し、更に、金属デポジット汚損に対するフェールセーフ処理(I)を実行して、高回転・高負荷側に設定された所定の運転領域でエンジンへの燃料噴射をカットする(この機能が特許請求の範囲でいうフェイルセーフ手段に相当する)。このように、金属デポジット汚損検出時に高回転・高負荷側で燃料カットを実行すれば、金属デポジット汚損発生時に燃料カットにより排気温度を低下させることが可能となり、金属デポジット汚損によるくすぶり度合を回復させる(若しくはくすぶり度合を悪化させない)ことが可能になると共に、排気浄化用の触媒溶損等の故障を未然に防止することができる。
一方、上記ステップ202で「No」と判定された場合は、カーボンデポジット汚損フラグがONであるため、カーボンデポジット汚損が発生していると判断して、ステップ205に進み、カーボンデポジット汚損の度合がダイアグ処置を必要とする程度であるか否かを判定する。その結果、カーボンデポジット汚損の度合がダイアグ処置を必要としない軽度のものであると判定されれば、そのまま本ルーチンを終了するが、ダイアグ処置を必要とすると判定されれば、ステップ206に進み、カーボンデポジット汚損に対するダイアグ処置(II)を実行して、エンジン制御回路34のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリにカーボンデポジット汚損の発生情報を記憶すると共に、警告ランプ38(警告手段)を点灯させて、運転者にカーボンデポジット汚損を警告する。このように、金属デポジット汚損検出時とカーボンデポジット汚損検出時とで別々のダイアグ処置を行うようにすれば、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損のどちらが発生した場合でも、実際に発生したくすぶり汚損に応じた適切なダイアグ処置を行うことができる。しかも、金属デポジット汚損検出時とカーボンデポジット汚損検出時とで警告ランプ38の警告表示態様(点灯/点滅)を異ならせるようにすれば、運転者に金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して警告することができる。
尚、警告ランプ38に代えて、運転席のインストルメントパネルに設けられたディジタル表示部に文字、絵、記号等により金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して表示するようにしても良い。
また、カーボンデポジット汚損のダイアグ処置を行っている期間は、金属デポジット汚損の検出を禁止する(金属デポジット汚損と判定しない)ようにしても良い。これにより、カーボンデポジット汚損を金属デポジット汚損と誤判定することを確実に防止することができる。
以上説明した本実施例1では、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を所定のくすぶり判定値と比較して点火プラグ27のくすぶり汚損の有無を判定し、くすぶり汚損を検出したときには、くすぶり汚損検出時のエンジン運転領域が、金属デポジット汚損が発生しやすい運転領域であるか(又はカーボンデポジット汚損が発生しやすい運転領域であるか)を判定するようにしたので、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することができる。これにより、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損のいずれが発生した場合でも、実際に発生しているくすぶり汚損の種類に応じた適切なダイアグ処置を行うことが可能となり、実際に発生しているくすぶり汚損を確実に早期に回復させる(若しくはくすぶり度合を悪化させない)ことが可能となる。
また、本実施例1では、エンジンの燃焼室内に発生する燃焼イオンを点火プラグ27を通して検出するイオン電流検出回路35を用いて点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を検出するようにしたので、新たな絶縁抵抗検出回路を設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。しかしながら、本発明は、新たに設計した絶縁抵抗検出回路を設けても良いことは言うまでもない。
一般に、カーボンデポジット汚損は、点火プラグ27の温度が低い低回転・低負荷領域で点火プラグ27の発火部ガイシ表面にカーボンデポジットが付着することで発生する。従って、図6に示すように、エンジン始動後、暖機が十分に行われるまでは、カーボンデポジットの付着領域が拡大して、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn が低下していく。これにより、ガイシ奥までカーボンデポジットが付着すると、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn が50MΩ以下に低下して、点火プラグ27のガイシ奥部で飛び火(いわゆる奥飛び)が発生して、燃焼状態が著しく悪化する。
その後、エンジンの暖機が完了して、点火プラグ27の温度が十分に高温になると、カーボンデポジット汚損が徐々に回復する。この回復過程では、回復点火プラグ27のガイシ上端部のカーボンデポジットから徐々に焼失してその焼失領域を拡大していくが、点火プラグ27のガイシ上端部のカーボンデポジットが部分的に焼失しただけで、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn が50MΩ以上に回復するが、回復初期の段階では、点火プラグ27のガイシ上端部以外の部分に、カーボンデポジットが未焼失のまま残っているため、この未焼失のカーボンデポジット部分を介して奥飛びが発生してしまい、その結果、燃焼状態が改善されず、ドライバビリティの不良は改善されない。この奥飛びによるドライバビリティの不良は、カーボンデポジットの焼失部分が拡大して、絶縁抵抗値Rn が1000MΩ以上に回復して奥飛びが発生しなくなるまで続くことになる。従って、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn が50MΩ以上に回復してから、カーボンデポジット汚損が完全に解消されるまでには暫く時間がかかる。
そこで、本発明の実施例2では、図7のカーボンデポジット汚損検出許可/禁止ルーチンを実行することで、所定の運転条件で所定距離又は所定時間走行した後にカーボンデポジット汚損の検出処理を許可(開始)するようにしている。
図7のカーボンデポジット汚損検出許可/禁止ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうくすぶり汚損検出手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、現在の運転条件が所定の運転条件であるか否かを判定する。ここで、所定の運転条件とは、冷却水温が所定温度以上(例えば80℃以上)であることであり、その他、車速、エンジン回転速度、負荷等についても条件を設定するようにしても良く、要は、点火プラグ27の温度を高温にするのに必要な運転条件を設定すれば良い。このステップ301で、現在の運転条件が所定の運転条件でないと判定されれば、ステップ306に進み、カーボンデポジット汚損の検出処理を禁止して本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ301で、現在の運転条件が所定の運転条件であると判定されれば、ステップ302に進み、現在の車速vを読み込み、次のステップ303で、次の(2)式により所定の運転条件で走行した積算走行時間パラメータTを算出する。
T(n) =T(n-1) +Dt /To ……(2)
ここで、T(n) は今回までの積算走行時間パラメータ、T(n-1) は前回までの積算走行時間パラメータ、Dt は車速vのサンプリング間隔である。To はカーボンデポジット汚損の回復に要する時間(以下「回復時間」という)である。この回復時間To は、車速vが高くなるほど(走行距離が長くなるほど)、短くなる。そこで、本実施例2では、図8に示す回復時間テーブルを参照して、現在の車速vに応じた回復時間To を求めるようにしている。上記(2)式において、Dt /To は、車速vのサンプリング間隔Dt 当りのカーボンデポジット汚損の回復度合を比率で表したものであり、積算走行時間パラメータTが1.0に達したときに、積算走行時間が実質的に回復時間To に達したものと判断される。この積算走行時間パラメータTは、カーボンデポジット汚損が回復してカーボンデポジット汚損の検出処理が許可された時点で初期値(0)にリセットされる。
この後、ステップ304に進み、積算走行時間パラメータTが1.0以上であるか否かで、積算走行時間が実質的に回復時間To を越えたか否かを判定し、積算走行時間パラメータTが1.0未満であれば、まだ積算走行時間が回復時間To に達していない(カーボンデポジット汚損の回復途中)と判断して、ステップ306に進み、カーボンデポジット汚損の検出処理を禁止して本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ304で、積算走行時間パラメータTが1.0以上であると判定されれば、積算走行時間が回復時間To を越えている(カーボンデポジット汚損が完全に回復している)と判断して、ステップ305に進み、カーボンデポジット汚損の検出処理を許可する。これにより、カーボンデポジット汚損の検出処理を開始し、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を所定のくすぶり判定値(例えば50MΩ)と比較して、カーボンデポジット汚損の有無を判定する。
以上説明した本実施例2では、所定の運転条件で、積算走行時間が車速vに応じて設定された回復時間To を越えるまでカーボンデポジット汚損の検出処理を禁止し、回復時間To を越えてから、カーボンデポジット汚損の検出処理を許可(開始)するようにしたので、エンジン始動後に発生したカーボンデポジット汚損の回復途中で、エンジン運転領域の変動によってカーボンデポジット汚損の検出/未検出が何回も切り替わる不安定な検出状態になることを回避することができ、運転者に無用な心配を与えずに済む。
尚、本実施例2は、前記実施例1と組み合わせて実施しても良いし、単独で実施するようにしても良く、この場合は、必ずしも金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出する必要はない。
本発明の実施例3では、図9のカーボンデポジット汚損検出ルーチンを実行することで、カーボンデポジット汚損検出後(点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以下に低下した後)に、カーボンデポジット汚損のダイアグ処置を実行し、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn がカーボンデポジット汚損無しと判断されるレベル(例えばくすぶり判定値以上)に回復し且つ回復後に所定の運転条件で所定距離又は所定時間走行した後にカーボンデポジット汚損のダイアグ処置を解除するようにしている。
図9のカーボンデポジット汚損検出ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうくすぶり汚損検出手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ401で、前記実施例1で説明した(1)式を用いて点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn を算出した後、ステップ402に進み、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn が所定のくすぶり判定値(例えば50MΩ)以下であるか否かを判定し、絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以下であれば、カーボンデポジット汚損が発生していると判断して、ステップ404に進み、カーボンデポジット汚損フラグをONする。この後、ステップ404に進み、カーボンデポジット汚損に対するダイアグ処置を実行して、エンジン制御回路34のバックアップRAM等の書き換え可能な不揮発性メモリにカーボンデポジット汚損の発生情報を記憶すると共に、警告ランプ38を点灯させて、運転者にカーボンデポジット汚損を警告する。
その後、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn がくすぶり判定値以上に回復した時点で、勝て402で「No」と判定されてステップ405に進み、カーボンデポジット汚損フラグをOFFする。この後、ステップ406に進み、ダイアグ処置の実行中であるか否かを判定し、ダイアグ処置の実行中でなければ、そのまま本ルーチンを終了するが、ダイアグ処置の実行中であれば、ステップ407に進み、前記図7のステップ301と同様の方法で現在の運転条件が所定の運転条件であるか否かを判定する。その結果、現在の運転条件が所定の運転条件でないと判定されれば、ステップ404に進み、ダイアグ処置を続行する。
これに対して、上記ステップ407で、現在の運転条件が所定の運転条件であると判定されれば、ステップ408に進み、現在の車速vを読み込み、次のステップ409で、前記図7のステップ303と同様の方法で、積算走行時間パラメータTを算出する。この後、ステップ410に進み、積算走行時間パラメータTが1.0以上であるか否かで、積算走行時間が実質的に回復時間To を越えたか否かを判定し、積算走行時間パラメータTが1.0未満であれば、まだ積算走行時間が回復時間To に達していない(カーボンデポジット汚損の回復途中)と判断して、ステップ404に進み、ダイアグ処置を続行する。
一方、上記ステップ410で、積算走行時間パラメータTが1.0以上であると判定されれば、積算走行時間が回復時間To を越えている(カーボンデポジット汚損が完全に回復している)と判断して、ステップ411に進み、ダイアグ処置を解除する。
以上説明した本実施例3によれば、カーボンデポジット汚損検出後にカーボンデポジット汚損のダイアグ処置を実行した後は、点火プラグ27の絶縁抵抗値Rn がカーボンデポジット汚損無しと判断されるレベル(例えばくすぶり判定値以上)に回復した後も、点火プラグ27のガイシ上端部のカーボンデポジットの焼失部分が拡大して奥飛びが発生しなくなるまでカーボンデポジット汚損のダイアグ処置を継続することが可能となり、カーボンデポジット汚損の回復過程に応じた適切なダイアグ処置を行うことができる。
尚、本実施例3は、前記実施例1と組み合わせて実施しても良いし、単独で実施するようにしても良く、この場合は、必ずしも金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出する必要はない。
本発明の実施例1における点火制御系とイオン電流検出回路の構成を示す回路図である。 実施例1のくすぶり汚損検出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のダイアグ処置ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の金属デポジット汚損の発生領域[A]とカーボンデポジット汚損の発生領域[B]との関係を説明する図である。 金属デポジット汚損の進行によって奥飛びが発生するメカニズムを説明する図である。 カーボンデポジット汚損の進行から回復の過程で奥飛びが発生するメカニズムを説明する図である。 実施例2のカーボンデポジット汚損検出許可/禁止ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 回復時間テーブルの一例を説明する図である。 実施例3のカーボンデポジット汚損検出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
21…点火コイル、22…一次コイル、23…バッテリ、24…イグナイタ、25…パワートランジスタ、26…二次コイル、27…点火プラグ、31…イオン電流検出抵抗、33…反転増幅回路、34…エンジン制御回路(くすぶり汚損検出手段,フェイルセーフ手段,ダイアグ手段)、35…イオン電流検出回路(絶縁抵抗検出手段)、36…中心電極、37…接地電極、38…警告ランプ(警告手段)

Claims (9)

  1. 内燃機関の点火プラグの絶縁抵抗値を検出する絶縁抵抗検出手段と、前記絶縁抵抗検出手段で検出した絶縁抵抗値に基づいて前記点火プラグのくすぶり汚損を検出するくすぶり汚損検出手段とを備えた点火プラグのくすぶり汚損検出装置において、
    前記くすぶり汚損検出手段は、くすぶり汚損検出時の内燃機関の運転領域に基づいて前記点火プラグへの金属デポジット付着によるくすぶり汚損(以下「金属デポジット汚損」という)とカーボンデポジット付着によるくすぶり汚損(以下「カーボンデポジット汚損」という)とを区別して検出することを特徴とする点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  2. 前記くすぶり汚損検出手段により金属デポジット汚損と判定する運転領域を前記カーボンデポジット汚損と判定する運転領域よりも高回転・高負荷側に設定したことを特徴とする請求項1に記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  3. 前記くすぶり汚損検出手段により金属デポジット汚損が検出されているときに高回転・高負荷側に設定された所定の運転領域で内燃機関への燃料噴射をカットするフェイルセーフ手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  4. 前記くすぶり汚損検出手段は、金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを同一のくすぶり判定値を用いて検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  5. 前記くすぶり汚損検出手段は、前記絶縁抵抗値が所定のくすぶり判定値以下に低下し始めた運転領域及び/又は前記絶縁抵抗値が所定のくすぶり判定値以下に低下した状態が継続する運転領域を記憶手段に記憶し、くすぶり汚損検出時に前記記憶手段に記憶されている運転領域に基づいて金属デポジット汚損とカーボンデポジット汚損とを区別して検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  6. 前記くすぶり汚損検出手段は、前記絶縁抵抗値が所定のくすぶり判定値以下に低下する頻度又は連続的に低下する連続性を求め、前記頻度又は連続性が増大する運転領域を前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項5に記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  7. 属デポジット汚損検出時とカーボンデポジット汚損検出時とで警告手段の警告表示態様を異ならせるダイアグ手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  8. 前記くすぶり汚損検出手段は、前記ダイアグ手段がカーボンデポジット汚損のダイアグ処置を行っているときに金属デポジット汚損の検出を禁止する手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
  9. 前記絶縁抵抗検出手段は、内燃機関の燃焼室内に発生する燃焼イオンを前記点火プラグを通して検出するイオン電流検出装置を用いて前記点火プラグの絶縁抵抗値を検出することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の点火プラグのくすぶり汚損検出装置。
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