JP4406238B2 - 電力線搬送システム - Google Patents

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本発明は、電力線を利用して通信を行う電力線搬送通信に関する。
宅内の電力線を利用したネットワークの日本国内向けの規格としてECHONETが注目されている。ECHONETは、Energy Conservation and Homecare Networkの頭文字をとったものであり、以下その内容を、ECHONET規格書Ver.1.01(ECHONETコンソーシアム発行)に基づいて説明する。
まず、図12にECHONETのシステムアーキテクチャを示す。
ECHONETでは、一般に財産またはセキュリティなどの管理が同一の範囲において、その中に設置される電気機器をシステム化することから、ECHONETの最大1単位が扱う範囲を「ドメイン」という。言い換えれば、ECHONETの定めるネットワークの範囲に存在する管理対象とするリソース(在設製品、家電製品、センサ、コントローラ、リモコンなど)の範囲をドメインとして規定する。
また、ECHONETでは、電気機器と“電気機器を監視・制御・操作するコントローラ”との間、あるいは電気機器と電気機器との間で通信を行い連携動作するものを「システム」という。システムの範囲は同一ドメイン内とし、複数のドメインをまたがらない。ドメイン内には、ひとつ以上のシステムが存在する。システムをドメインの外と接続する場合は、ECHONETゲートウェイを設置し、これを介して接続する。
ECHONETでは、さまざまな伝送メディアの特性を活用し、最適なシステムが構築できるように、複数種の伝送メディアやプロトコルを使用可能とする。主な伝送メディアのECHONETのネットワーク構成モデルを図13に示す。
すなわち、図13に示すように、ドメインの外部とはECHONETゲートウェイ(GW)を介して接続する。また、ドメイン内の異種プロトコル(異種伝送メディア)間は、ECHONETルータを設置し、これにより接続する。
ECHONETルータで区切られたネットワークをそれぞれ「サブネット」という。同一プロトコルでも、ECHONETルータを挿入することで、別のサブネットを構成することも可能である。ドメインのネットワーク構成はサブネットの集合で示される。言い換えれば、ドメインは、ECHONETルータを含めて構成されるネットワークにおいて、宅内の情報を伝達する範囲である。
サブネット内では、ノードの識別子(Node ID)を定義し、少なくともサブネット内でユニークに識別されるECHONETの通信機能(これをECHONETノードとする)の識別子として用いる。サブネットには、各々ユニークなサブネットの識別子(Net ID)が定義される。ECHONETでは、サブネットの識別子とノードの識別子との対でECHONETアドレスを定義し、ドメイン内でユニークに識別するECHONETノードの識別子として用いる。
次に、一般の電力線搬送通信波形を図14に示す。
ECHONETに準拠した通信のように、宅内の電力線を介した一般の電力線搬送通信では、商用電源波形2001に搬送信号波形2002を重畳させ、この搬送信号波によりデータを伝送する。商用電源波の周波数は50Hzまたは60Hzであり、搬送信号波の周波数は10kHz〜500kHzである。
このように、電力線搬送通信によると、既存の電力線を用いればよいので、宅内の電気機器間に新たにケーブルを張り巡らせる必要がない。しかし、従来の電力線搬送通信には以下の課題があった。
まず、宅内の電力線は、もともとデータ通信用に設計されたものではない上に、電力線搬送通信と無関係な数多くの電気機器が接続され、さらに宅内の電力線の長さも数10メートルから数100メートルに及ぶため、信号の劣化が極めて激しい。このように信号の劣化が激しいことが原因で、信号の伝送速度は最高9600bpsと極めて低速である。
また、電力線にはインピーダンスの低い電気機器が接続されているので、それらの電気機器に信号が吸収されてしまう。このため、電力線搬送波通信を行う電気機器側では、100mWといった大きな送信電力が必要になる。
さらに、電力線搬送通信に対応した電気機器(以下「電力線搬送通信対応機器」という)が電力線に数多くの接続されると、すべての信号が宅内の電力線に流れ込むため、通信容量が不足するという課題もある。
加えて、特定の電気機器以外に漏らしたくないような情報であっても、すべての信号が宅内の電力線に流れ込むため、宅内であれば不正に情報を取得することができる。
このような課題を解決するため、例えば特許文献1では、以下に説明する電力線搬送システムを提案している。
すなわち、図15に示すように、電源タップ2101は、外部電力線2110から電力の供給を受け、通信対象となる電気機器2107aと2107bと2108cとを接続している。この電源タップ2101の内部にブロックフィルタ2105を設けることで、電気機器2107a・2107b・2107c間の信号を外部電力線に対しては完全に遮断している。このようにすれば、電気機器2107a・2107b・2107c電気機器間の通信においては、宅内の外部電力線に起因する上記課題を解決することができる。
特開平7−231284号公報 特開2002−124894号公報
しかし、上記従来の電力線搬送システムには以下の問題があった。
まず、従来の電力線搬送システムによると、通信対象が同一の電源タップに接続されている電気機器に限られる。すなわち、同一の電源タップに接続されていない電気機器へは一切通信ができなくなるという問題があった。同一の電源タップに接続されてない機器との通信も可能にしようとすると、結局、高速通信に対応した新たな電力線を宅内に敷設することになり、ユーザの負担が増加してしまう。
また、従来の電力線搬送システムによると、同一の電源タップに接続されているすべての電気機器へ信号が送られる。すなわち、通信対象でない電気機器へも信号が送られるため、通信処理が重くなる可能性があると同時に、情報のセキュリティ面でも問題があった。
さらに、従来の電力線搬送システムによると、通信対象となる電気機器とは別に、ブロックフィルタ付きの電源タップを用意する必要がある。すなわち、電源コンセントを挿すだけという電力線搬送通信の簡便さが失われるという問題があった。
本発明は、従来の電力線搬送システムが抱える種々の課題を解決することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、電力線を介した電力線搬送通信を行うための電力線搬送システムを提供する。この電力線搬送システムには、宅内の外部電力線用の信号方式で少なくとも電力線搬送通信を行うことが可能な電気機器が含まれる。宅内の外部電力線用の信号方式は、比較的古い住宅内に配設された電力線を介して通信を行う場合も考慮した一般の電力線搬送信号の方式であり、例えばECHONET規格に準拠した方式である。電気機器は、このような一般の電力線搬送信号で少なくとも通信を行う機能を有する。一般の電力線搬送信号の他、固有の電力線搬送信号で通信を行う機能を有してもよい。固有の電力線搬送信号には、高速通信に対応した新たな電力線を想定したものが含まれる。本発明の電力搬送システムでは、電力線を新たに敷設する代わりに、電力線から供給される電力を分岐して、接続された電気機器にその電力を供給する電源分岐装置などが用いられる。電源分岐装置のように外部電力線から取り外し可能な装置を用いることで、高速な通信に対応した電力線を必要に応じた最低限のコストで確保することができる。また、この装置は、外部電力線用の信号方式の電力線搬送信号を通過させ、外部電力線用の信号方式と異なる信号方式の電力線搬送信号を遮断する信号選択部を有する。この信号選択部が外部電力線からの電力を受ける側と供給する側との間に配置されているため、一般の電力線搬送信号での電力線搬送通信は電気機器がどの電力線に接続されているかに関係なく可能となる。また、電源分岐装置に接続されている電気機器間の通信においては、その通信路の全長も短くなり、従来に較べて低い送信電力での通信が可能になる。
さらに、この電力線搬送システムにおいて、電源分岐装置に経路制御部を備えるようにしてもよい。この経路制御部は、その送信先の電気機器のみへ電力線搬送信号を送信する。
電源分岐装置に接続される電気機器の信号方式を機器毎に異ならせることより、伝送速度を上げることや、消費電力を低下させること等が可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明を適用した電力線搬送システム100の概略構成図である。
この電力線搬送システム100は、宅内の電力線を介した電力線搬送通信にECHONETの技術を採用したシステムであることを前提としており、以下に説明する電源分岐装置101と、電気機器107a,107b,107cとから構成される。なお、ECHONETの技術については上記従来技術の欄で説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。
電源分岐装置101は、主電源側プラグ102と、主電源側電力線103と、副電源側コンセント104a,104b,104cと、フィルタ部105と、電源分岐装置内電力線106とから構成される。主電源側プラグ102は、外部電力線110に設けられた外部電源コンセント111に取り外し可能に接続されている。
電気機器107a,107b,107cは、電力線108a,108b,108cと、電源プラグ109a,109b,109cとから構成される。電源プラグ109a,109b,109cは、副電源側コンセント104a,104b,104cに取り外し可能に接続されている。
以下、本電力線搬送システム100の構成をより詳細に説明する。
電源分岐装置101は、外部電力線110から供給される電力を分岐し、副電源側コンセント104a,104b,104cを通じて電気機器107a,107b,107cに提供している。外部電力線110には、一般の電力線搬送信号が重畳されており、その搬送波の周波数帯には10kHz〜450kHzが使用されている。宅内の外部電力線110と宅外の電力線(不図示)との間には、ブロッキングフィルタ112が設けられている。このブロッキングフィルタ112は、外部電力線110上の一般の電力線搬送信号を遮断する。
ここで、電気機器107a,107b,107cの間の通信は、同一の電源分岐装置内で閉じているので、接続されている電気機器も少なく、その通信距離も短い。そこで、本発明では、電気機器107a,107b,107cの間の電力線搬送信号を一般の電力線搬送信号と分離することにした。
すなわち、電気機器107a,107b,107cは、外部電力線を介した一般の電力線搬送信号で通信を行う機能を有するだけでなく、電気機器107a,107b,107cの間の通信に限り、外部電力線の搬送波周波数とは異なる周波数帯である1.7MHz〜30MHzを利用して通信を行う機能も有する。この実施の形態では、電力線の信号波は、図2に示すように、商用電源50/60Hzの周波数成分201と、外部電力線の電力線搬送信号の周波数成分202と、電気機器107a,107b,107c間の電力線搬送信号の周波数成分203とからなる。これらの周波数成分の信号を選択するため、この電力搬送システム100では、ブロッキングフィルタ112に加えて、電源分岐装置101にもフィルタ部105を備えている。
電源分岐装置101のフィルタ部105は、周波数特性204のように、1.0M以上の周波数成分を遮断するフィルタ(すなわち、周波数成分201と周波数成分202とを通過させ、周波数成分203を遮断するフィルタ)として構成する。このような構成にすると、外部電力線で使用する一般の電力線搬送信号は通過させながら、電気機器107a,107b,107c間に固有の電力線搬送信号は外部電力線に漏らさない機能を実現することができる。
以上のように、本発明によると、電気機器2107a・2107b・2107c間の通信においては、宅内の外部電力線に起因する上記課題(詳細は従来技術の欄参照)を解決することができるのはもちろん、通信対象が同一の電源タップに接続されている電気機器に限定されることもない。
もっとも、ここでは、電気機器107a,107b,107c間に固有の電力線搬送信号に限り、外部電力線と異なる周波数帯を利用することとしているが、それと同時に、電気機器107a,107b,107cの送信電力(信号の電力レベル)を下げることも可能である。
すなわち、従来技術によると、外部電力線に接続されたインピーダンスの低い数多くの電気機器に信号が吸収されてしまうという要因や、外部電力線の長さが数10メートルから数100メートルに及ぶため信号の劣化が極めて激しいという要因などにより、100mWといった大きな送信電力が必要であった。それに対して、本発明によると、電気機器107a,107b,107間の通信においては、当該電源分岐装置に接続されている電気機器も少なく電力線の長さも短いため、従来に比べて低い送信電力での通信が可能になる。
また、電源分岐装置101にスイッチ等の切り替え手段を設け、このスイッチの状態に応じて電源分岐装置101の機能を切り替え可能としてもよい。このようにすれば、例えば、電源分岐装置101を通常の電源タップとして使用したい場合にはスイッチをOFFする、あるいは、外部電力線に一般の電力線搬送信号も含め一切信号を流したくない場合はスイッチをOFFする等の機能切り替えが可能になる。
同様に、電気機器107a,107b,107cにスイッチ等の切り替え手段を設け、このスイッチの状態に応じて電気機器107a,107b,107cの機能を切り替え可能としてもよい。このようにすれば、例えば、スイッチがOFFの場合は、常に一般の電力線搬送通信と同様の周波数で送信する、通信自体を行わないようにする、あるいは、電力線搬送通信以外の通信手段に切り替える等の機能切り替えが可能になる。
なお、ここでは電源分岐装置101の形態を特に規定していないが、電源タップ、テーブルタップ、OAタップ、延長コードつきタップ、埋め込み型コンセント、分電盤など、電源を分岐する機能を持つ装置であれば、電源分岐装置101として採用することができる。もちろん、電源を複数に分岐していない装置(例えば、延長コードのように中継機能しかない装置)であってもよいし、サービスコンセントのように電気機器と一体になっていてもよい。
また、ここでは電源分岐装置101を単独で利用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電源分岐装置101にさらに別の電源分岐装置101を接続するなど、多段に電源分岐装置101を接続した形態を採用することも可能である。
さらに、電気機器間の通信では、外部電力線の搬送周波数(10kHz〜450kHz)より高い周波数(1.7MHz〜30MHz)を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電気機器間の通信では、外部電力線の搬送周波数と重ならなければ、この搬送周波数より低い周波数を使用してもかまわない。
また更に、ここでは、電力線に重畳する信号の信号方式は規定していない。すなわち、特定範囲の周波数だけを利用するものであれば、いかなる信号方式を採用してもよい。ここでいう信号方式とは、信号の波形や周波数、電力レベル、変調方式、信号の送信先制御など、信号に関する方式全般をいう。OSI(Open System Interconnection)参照モデルでいう物理層からトランスポート層までの各層で規定される方式が、ここでいう信号方式に相当する。この信号方式は、ECHONETに準拠していてもよいし、準拠していなくてもよい。例えば変調方式として、ASKやFSK、PSK、QAM、OFDMなどを採用することができる。
また更に、ここでは通信の方向や通信対象となる台数は定めていない。すなわち、本発明における通信は、片方向の通信であっても双方向の通信であってもよいし、1対多の通信であっても多対多の通信であってもよい。
また更に、ここでは、フィルタ部が特定周波数の電力レベルを0にまで減衰させることとしているが、必ずしも0にまで減衰させる必要はない。すなわち、外部電力線に流れても影響のないレベルまで信号が減衰されれば、上記と同様の効果を得ることができる。
また更に、フィルタ部の実現手段は特に限定されるものではない。例えば、コンデンサやコイルなどの受動素子から構成される共振回路など、宅内AC電圧に耐えられる回路であって、接続される電気機器での消費電力に耐えられる回路であれば、フィルタ部として採用することができる。もちろん、コンデンサやコイルなどの受動素子だけでなく、ディジタル回路などでフィルタ部を構成することもできる。
ここでは、フィルタ部は、1.0MHz以上の周波数成分を遮断するローパスフィルタであることとしているが、フィルタ部がローパスフィルタに限定されないのはもちろんである。また、遮断する周波数成分も1.0MHzに限定されるものではなく、電源分岐装置に接続される電気機器間の通信に使用する周波数成分を遮断する(あるいは、外部電力線で使用しない周波数成分を遮断する)ことができれば、いかなる周波数であってもよい。
ここでは、フィルタ部が遮断する周波数成分の設定方法については言及していないが、この設定方法は特に限定されるものではない。すなわち、フィルタ部が遮断する周波数成分は、電源分岐装置ごとに固定としてもよいし、ユーザが自由に設定できるようにしてもよいし、あるいは、以下のようにフィルタ部自身が動的に設定するようにしてもよい。
例えば、フィルタ部は、主電源側から流れてきた信号の周波数を検知すると、このように検知した周波数と副電源側から流れてきた信号の周波数とが合致するか否かを判定する。そして、これら周波数が合致しなければ、副電源側から流れてきた信号を遮断するようになっている。もちろん、フィルタ部が遮断する周波数成分を動的に設定する手法はこれに限定されるものではない。
また、固有の電力線搬送信号で高速な通信を行う場合、電気機器からの放射ノイズなどの影響が大きくなったり、逆に電源分岐装置101からの放射ノイズが電気機器に影響を与えたり、電力線間で信号が干渉したりする恐れがある。このため、電源分岐装置101やそれに接続される電気機器の電力線(電源コード)にシールドを施しておくのが好ましい。図3はシールドを有する2芯の電力線の一例を示す。この例では、最外層のジャケット301の内側に、銅線編組シールド302およびアルミ箔シールド303が配置されている。信号が流れる銅製の芯線304および305は、絶縁体306または307、およびフィラー308を挟んで、これらのシールドに囲まれている。アルミ箔シールド302や銅線編組シールド303が高周波や低周波のノイズを遮蔽する。
(実施の形態2)
以下、本実施の形態を上記実施の形態1と異なる点のみ説明する。
図4は、本実施の形態における電力線搬送システム400の概略構成図である。この電力線搬送システム400は、電源分岐装置401と、電気機器407a,407b,407cとから構成される。
電源分岐装置401は、上記実施の形態1で説明した電源分岐装置101の構成に加え、副電源側の信号分離結合部412a,412b,412cと、主電源側の信号分離結合部413と、電源分岐装置内電力線414と、信号線415a,415b,415c,416と、ルータ部405と、信号変換部418と、信号線417とから構成される。
以下、本電力線搬送システム400の構成をより詳細に説明する。
電源分岐装置401は、外部電力線410から供給される電力を分岐し、副電源側コンセントを通じて電気機器407a,407b,407cに提供している。外部電力線410には、一般の電力線搬送信号が重畳されており、その搬送波の周波数帯には10kHz〜450kHzが使用されている。
ここで、電気機器407a,407b,407cの電力線に重畳される信号は、信号分離結合部412a,412b,412cと信号線415a,415b,415cとを通じてルータ部405に取り込まれる。また、外部電力線410に重畳される信号も、信号分離結合部413と信号線416とを通じてルータ部405に取り込まれる。すなわち、電源分岐装置内の電力線414には信号が流れない構成となっている。
ルータ部405は、信号を解読し、送信先として指定されている電気機器を特定する。そして、このように特定した電気機器が407a,407b,407cのいずれかであれば、その電気機器に該当する信号線と信号分離結合部とを通じて当該信号を流す。一方、このように特定した電気機器が407a,407b,407cのいずれでもなければ、信号線416と信号分離結合部413とを通じて外部電力線410に当該信号を流す。
以上のように、本発明によれば、電源分岐装置に接続されている電気機器間の電力線搬送信号を外部電力線に流さないだけでなく、必要な電気機器だけにしか流さないようにすることが可能となる。
ところで、電気機器407a,407b,407c間の通信は、通信距離も短く、接続される電気機器も少ないため、低い送信電力での通信が可能であり、また伝送速度も上げることができる。一方、外部電力線410での通信は、通信距離が長く、接続される電気機器も多いため、高い送信電力が必要であり、また伝送速度も上げることができない。
そこで、以下に説明するように、電気機器407a,407b,407c間の通信と、外部電力線401での通信とで、異なる信号方式を用いることが有効になる。信号方式の意味は上記実施の形態1で説明した通りであるが、以下では、特に搬送波周波数や電力レベルのことを信号方式と呼んでいる。もちろん、本実施の形態では、フィルタ部105で信号を遮断する構成(実施の形態1参照)を採用していないので、電力線に重畳する信号の周波数が特定範囲の周波数に限定されることもない。
まず、電気機器407a,407b,407c間の通信と外部電力線401での通信とで全く互換性をなくしている場合、信号変換部418は、双方向に信号方式を変換する。もっとも、電気機器407a,407b,407c間の信号方式が外部電力線401での信号方式の上位互換のある方式である場合は、外部電力線401の信号を電気機器407a,407b,407c側にそのまま流すことはできるが、その逆はできない。したがって、この場合は、一方向(外部電力線401から電気機器407a,407b,407cへの方向)に信号方式を変換することになる。
例えば、電気機器407a,407b,407c間の信号方式と外部電力線401での信号方式とで搬送波周波数が異なる場合、信号変換部418は、電気機器407a,407b,407c間の電力線搬送信号の周波数を一般の電力線搬送信号の周波数に変換する。また、電気機器407a,407b,407c間での通信と外部電力線410での通信とで必要な電力レベルだけが異なる場合(すなわち、電気機器407a,407b,407c間の通信を一般の電力線搬送通信よりも低い電力レベルで行う場合)、信号変換部418は、電気機器407a,407b,407c間の電力線搬送信号の電力レベルを一般の電力線搬送通信の電力レベルまで増幅する。
以上のように、本発明によれば、電源分岐装置に接続される電気機器の信号方式を、外部電力線の信号方式と別にすることができるので、伝送速度を上げることや、消費電力を低下させること等が可能になる。
なお、ここでは、ルータ部と信号変換部の両方を備えた電源分岐装置を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電源分岐装置には、ルータ部だけを備えるようにしてもよいし、信号変換部だけを備えるようにしてもよい。この信号変換部と上記実施の形態1で説明したフィルタ部とを同一の電源分岐装置に備えてもよいのはもちろんである。
また、図4では、副電源側の信号それぞれを信号分離結合部412a,412b,412cによって個別に制御する電源分岐装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図5に示すように、副電源側の信号を1つの信号分離結合部512によって制御するようにしてもかまわない。このようにしても、同一の電源分岐装置に接続されている電源電気機器間の電力線搬送信号が外部電力線に流れ出さないという点では同様の効果を得ることができる。
もっとも、図4や図5では、信号の通信経路を制御するルータ部を備えた電源分岐装置を例示しているが、このようなルータ部を備えると、電源分岐装置の構成が複雑になるという課題がある。この課題を解決するために、ルータ部に代えて、信号の通信経路を制御するためのスイッチを電源分岐装置に設けるようにしてもよい(このスイッチとルータ部とを一括して「経路制御部」という)。
例えば、電気機器407aと電気機器407cとだけが通信を行い、電気機器407bや外部電力線への通信は全く行わない場合は、電気機器407aと電気機器407cとに該当するスイッチだけをONとし、電気機器407bや外部電力線に該当するスイッチはOFFとする。このような構成にすれば、ルータ部を備えた構成と同様、信号の通信経路を制御することができる。もちろん、電源分岐装置ではなく電気機器自体に同様のスイッチを設ける構成を採用してもかまわない。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態を上記実施の形態1または2と異なる点のみ説明する。
図6は、本実施の形態における電力線搬送システム600の概略構成図である。この電力線搬送システム600は、電気機器601と電気機器607とから構成される。
電気機器601は、主電源側プラグ602と、主電源側電力線603と、副電源側コンセント604と、副電源側電力線606と、信号分離結合部612と、通信部613と、電源部614と、信号線615とから構成される。主電源側プラグ602は、外部電力線610に設けられた外部電源コンセント611に取り外し可能に接続されている。
電気機器607は、電力線608と電源プラグ609とからなる。電源プラグ609は、副電源側コンセント604に取り外し可能に接続されている。
以下、本電力線搬送システム600の構成をより詳細に説明する。
電気機器601は、外部電力線610から供給される電力を電源部614に取り込むだけではなく、副電源側コンセント604を通じて電気機器607にも提供している。
ここで、電気機器601の信号分離結合部612は、電気機器607が電力線608を通じて出力した信号を一般の電力線搬送信号と分離し、信号線615を通じて通信部613に送る。このとき、電力線603には、電気機器間の信号が一切流れ出さないので、外部電力線とは無関係に電気機器間の通信ができたことになる。
以上のように、本発明によれば、ブロックフィルタ付きの電源タップなどを用意する必要がない。すなわち、電源コンセントを指すだけという電力線搬送通信の簡便さが失われるという問題を解消することができる。
なお、ここでは、電気機器607から電気機器601への通信を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電気機器601から電気機器607への通信も同様の手順で実現することができる。
また、ここでは、副電源側コンセント604の形態を特に規定していない。すなわち、電気機器に内蔵されていて電源を分岐あるいは中継する機能を持つものであれば副電源側コンセント604として採用することができる。サービスコンセントも副電源側コンセント604の一形態であることはいうまでもない。
さらに、ここでは、電気機器601に設ける副電源側コンセントが1つの場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電気機器601に設ける副電源側コンセントは複数であってもよい。
また更に、ここでは、外部電力線610に信号が流れないこととしているが、実施の形態1〜2と同様、外部電力線610への通信を保ちながら副電源側での通信を実施することもできる。すなわち、実施の形態1〜2における電源分岐装置を電気機器601に内蔵した構成を採用すればよい。このようにすれば、例えば、電気機器601と外部電力線に直接接続する電気機器との間で一般の電力線搬送通信を行うと同時に、電気機器601と電気機器601との間では一般の電力線搬送通信で利用しない搬送周波数を利用して高速な伝送速度を実現することも可能である。
もちろん、実施の形態1〜2と同様、電気機器にスイッチを設け、このスイッチを操作することで信号の制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、例えば、電気機器601に設けたスイッチがONの場合に限り、主電源側へ信号を流すといったことも可能となる。
(実施の形態4)
以下、本実施の形態を上記実施の形態1から3のいずれかと異なる点のみ説明する。
ここでは、セットトップボックス(STB)、TV、ステレオ、モデム、電力計といった電力線搬送通信対応機器が宅内の電力線に接続されている場面を想定して説明する。
まず、STBに注目し、STBが各種電気機器に送信する情報について説明する。
例えば、STBは、衛星放送(BS)などの放送波をデコードし、映像信号をTVに送信するとともに、音声信号をステレオに送信する。また、有料放送などが視聴された場合は、放送事業者に対する課金情報をモデムに送信する。さらに、宅内の電気機器によって消費された電力に関する情報(消費電力情報)を宅内電力計に送信する。
STBから送信されるこれらの情報は、それぞれ、その情報量や必要となる伝送速度が異なる。これらの情報を電力線に対して送信するのに充分な伝送速度を確保できるのであれば問題はないが、実際はそのような状態にない。しかしながら、伝送速度を変更すると、利用する搬送周波数や送信電力のレベルなどを変更する必要があり、送信信号に関するパラメータを適宜設定する必要がある。
そこで、本発明では、図7に示すように、送信先電気機器あるいは送信情報に対応した伝送速度、さらには、その伝送速度に対応した搬送波周波数や電力レベルを記載した対応テーブルをSTBに備えることにした。このようにすれば、対応テーブルを参照することによって、STBからそれぞれの電気機器に対して適切な信号を送信することができる。
なお、ここでは、STBやTVなどを例示しているが、電力線を通じて他の電気機器と通信することができる電気機器であれば、いかなる電気機器にも本発明を適用することができる。
また、送信信号に関するパラメータとして、伝送速度とそれに関連する搬送波周波数または電力レベルだけを例示しているが、送信信号に関するパラメータは、送信信号の条件に関する情報であれば、いかなる情報でもよい。例えば、送信信号に関するパラメータとして通信規格を採用することもできる。この場合、同一の対応テーブルに記載される複数の通信規格の間に互換性はなくてもよい。
さらに、ここでは、電気機器の種類ごとに1種類のパラメータしか用意していないが、パラメータを用意する単位は特に限定されるものではない。すなわち、電気機器の種類ごとに複数種のパラメータを用意してもよいし、あるいは、同じ電気機器であっても設置場所などの条件により異なるパラメータを用意してもよい。
また更に、ここでは、あらかじめ電気機器内に対応テーブルを用意することとしているが、この対応テーブルの作成方法や管理方法は特に限定されるものではない。すなわち、対応テーブルの内容を随時変更できるようにしていてもよいし、動的に対応テーブルを作成するようにしてもよい。
また、一般の電力線搬送信号で通信すれば、電気機器が電源分岐装置と接続されているか否かに関係なく通信することができる。従って、例えば外部電力線に接続されたサーバで、電気機器とその電気機器が利用する通信方式とを対応付けるテーブルを管理するようにしてもよい。その場合、送信元の電気機器は、送信先の電気機器を指定してサーバに問い合わせを行い、サーバはその問い合わせに対して、対応する通信方式を返送する。送信元の電気機器は、その応答に従って、その通信に利用する通信方式を決定することができる。
(実施の形態5)
上記したように、実施の形態4によると、対応テーブルを参照することによって、STBからそれぞれの電気機器に対して適切な信号を送信することができる。しかしながら、実施の形態4によると、対応テーブルに記載されていない電気機器に対しては適切な信号を送信できない。また、電気機器の数が増加するに伴って対応テーブルが巨大化すると、その分、多くの記憶領域を確保しなければならない不具合がある。さらに、動的に対応テーブルの内容を更新する構成を採用した場合は、そのテーブル管理方法が問題になる。
以下、本実施の形態を上記実施の形態4と異なる点のみ説明する。
STBからTVに映像信号を送信する場合、例えば図8に示すように、一般の電力線搬送信号でSTBはTVに対して最高伝送速度を問い合わせる(S1)。STBやTVのような各機器は、自身が利用する信号方式、ここでは通信速度のデータを保有しており、受信した問い合わせに対し、そのデータの値を返す。この問い合わせに対する応答によって、STBは、TVとの通信速度を決定する(S2)。そして、TVの最高伝送速度がSTBの最高伝送速度(例えば4.7Mbps)以上であることが判明した場合は、STBからTVに向けて 4.7Mbps の映像信号を送信するようになっている(S3)。
一方、TVの最高伝送速度が例えば 2.7Mbps であることが判明した場合は、そのままではSTBからTVへ映像信号を送信することができない。したがって、この場合は、映像信号の送信を取りやめるか、あるいは、映像信号を 2.7Mbps にダウンコンバートしてから送信するようになっている。
もっとも、STBから電力計に送信する消費電力情報など、リアルタイム性が不要な情報を送信する場合、上記のようなダウンコンバートは不要である。この場合は、問い合わせにより決定した最高伝送速度で当該情報をそのまま送信すればよい。
以上のように、本発明によれば、通信する電気機器間でネゴシエーションを行い、どのような伝送速度で通信するかを取り決める手法を採用しているので、対応テーブルを管理することなく適切な通信条件で信号を送信することができる。
なお、ここでは、通信する電気機器間で伝送速度を取り決める場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、搬送波周波数や電力レベルさらには通信規格など、送信信号の条件に関する情報であれば、上記と同様、通信する電気機器間で取り決めることができる。
また、一般の電力線搬送信号で問い合わせを行えば、本発明の電源分岐装置に接続されている機器であるか否かに関係なく、応答を得ることが可能となる。
(実施の形態6)
上記したように、実施の形態5によると、通信する電気機器間でネゴシエーションを行い、どのような伝送速度で通信するかを取り決める手法を採用しているので、対応テーブルを管理することなく適切な通信条件で信号を送信することができる。しかしながら、実施の形態5では、電気機器の情報だけに基づいて信号方式を決定するようにしているので、通信経路の最大伝送速度を越えてしまった場合は正しく通信ができない。
以下、本実施の形態を上記実施の形態5と異なる点のみ説明する。
図9は、宅内の電力線に複数の電気機器が接続されている様子を示している。ここでいう電気機器901はSTB、電気機器902はTV、電気機器903はステレオ、電気機器904はモデム、電気機器905は電力計である。
電気機器901と電気機器902とは電源分岐装置906に接続され、電気機器903と電源分岐装置906とは電源分岐装置907に接続されている。この電源分岐装置907及びその他の電気機器903〜905は直接電力線908に接続されている。
すでに実施の形態1〜5で述べたように、外部電力線を通過する信号についてはその伝送速度を高速にすることはできないが、電源分岐装置内で閉じる信号についてはその伝送速度を高速にすることができる。
ここで、図9に示されるSTB901からの通信経路に注目すると、TV902やステレオ903に対しては、外部電力線908を通過することなく高い伝送速度で信号を伝送するのが好ましい。一方、外部電力線908を通過するモデム904や電力計905に対しては、低い伝送速度でも信号を伝送できれば充分である。
このように、電気機器間の通信経路を認識することができれば、適切な伝送速度で信号を伝送することができる。以下、図10を用いて、通信する電気機器間の通信経路を認識する方法の一例を説明する。
電力線搬送システム1000は、電源分岐装置1001と、電気機器1007a,1007b,1007cとから構成される。電源分岐装置1001は、電源を分岐するための構成に加え、信号分離結合部1012と、通信部1013と、本電源分岐装置に固有のID(固有ID)1014と、信号線1015とを備えている。
ここで、電源分岐装置1001は、本電源分岐装置に接続された電気機器1007a、1007b、1007cから固有IDの問い合わせを受けると、信号分離結合部1012と信号線1015と通信部1013とを通じて固有ID1014を返す。このようにすれば、同一の固有IDを取得することができた電気機器は、同じ電源分岐装置に接続されていることになる。
これによって、例えば、STBとTVとが同一の電源分岐装置に接続されているなど良い通信状態にあることが判明した場合、STBはTVに対して高画質な映像信号を流す。一方、STBとTVとが外部電力線を通じて接続されているなど悪い通信状態にあることが判明した場合、STBはTVに対して画質を落とした映像信号を流す。
以上のように、本発明では、電源分岐装置に固有IDを埋め込むようにしているので、電気機器間の通信経路に応じた通信を可能とすることができる。
なお、ここでは、電源分岐装置に固有IDを設けることで、電気機器間の接続を認識できる構成を例示しているが、この構成は電気機器間の接続を認識するための一例にすぎず、別の構成を採用してもかまわない。
例えば、電源分岐装置ではなく電力線自体に固有IDを設定してもよいし、また、このように設定するIDは、固有IDという概念から外れるものであってもよい。すなわち、固有IDに代えて、所定のグループ毎に固有のグループID等を採用した構成によると、個々の通信経路まで特定することはできないが、同じグループに属する通信経路であるか否か程度のことは特定することができる。
また、一般の電力線搬送信号で固有IDを取得する場合、外部電力線に直接接続されている装置からも固有IDを取得することができる。従って、例えば外部電力線に接続されたサーバで、電気機器のIDとその電気機器が接続された電源分岐装置の固有IDとを対応付けるテーブルを管理するようにしてもよい。その場合、送信元の電気機器は、送信先の電気機器を指定してサーバに問い合わせを行い、サーバはその問い合わせに対して、対応する固有IDを返送する。送信元の電気機器は、その応答に従って、送信先の電気機器が同じ電源分岐装置に接続されているか否かを決定することができる。
(実施の形態7)
上記したように、実施の形態6によると、電源分岐装置に固有IDを埋め込むようにしているので、電気機器間の通信経路に応じた通信が可能になる。しかしながら、実施の形態6では、同一の電源分岐装置に接続されているか否かという情報だけに基づいて伝送速度を決定するようにしているので、正しい通信ができない場合がある。
すなわち、同一の電源分岐装置に接続されている場合でも、分岐数、電力線の長さ、雑音耐性という要因はもちろん、電源分岐装置に低インピーダンス電気機器が接続されているかどうかによっても最大伝送速度は変動する。また、通信経路が外部電力線を経由する場合であっても、その通信距離が近距離であるか遠距離であるかによっても最大伝送速度は変動する。さらに、電源分岐装置に固有IDを設定する方法を採用した場合は、電源分岐装置の構成が複雑になるという課題もある。
以下、本実施の形態を上記実施の形態6と異なる点のみ説明する。
STBからTVに映像信号を送信する場合、この映像信号の伝送速度が 例えば4.7Mbpsであるときは、まず、STBからTVに 4.7Mbps の試験信号を流す。この試験信号を受けたTVは、その信号のエラー率や電力レベルを測定し、このように測定した電力レベルが特定の値より減衰していたときは、その通信条件での信号送信を取りやめる。そして、電力レベルを上げて試験信号を再送するようにSTBに要求する。
また、上記のように測定した電力レベルが特定の値より減衰していなくてもエラー率が特定の値より大きいときは、その通信条件での信号送信を取りやめる。そして、伝送速度を下げて試験信号を再送するようにSTBに要求する。
このように、送信電気機器と受信電気機器との間で、試験信号の通信条件を変えながら、エラー率や電力レベルなどが規定の条件を満たすように通信条件を調整する。このようにすれば、STBは、調整済みの通信条件に合わせて、映像信号のダウンコンバートなどの処理を行ってから、映像信号を送信することができる。
以上のように、本発明によれば、事前に試験信号を送信することによって通信条件を決定するようにしているため、実際に送信できる通信条件を正確に求めることができる。
なお、ここでは、試験信号の測定項目としてエラー率と電力レベルだけを取り上げているが、それ以外のパラメータを測定するようにしてもよい。
また、ここでは、試験信号の測定結果から送信信号の電力レベルを変更することだけを取り上げているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、この電力レベルに代えて、搬送周波数や通信規格など、送信信号の条件に関する他の情報を変更するようにしてもかまわない。
(実施の形態8)
電源分岐装置に接続する電気機器間の通信において電力レベルの減衰を防ぐために、電源分岐装置自体に工夫を設けてもよい。以下、本実施の形態を上記実施の形態7と異なる点のみ説明する。
図11に示すように、電源分岐装置1103は、外部電力線1105と電気機器1101との間、及び外部電力線1105と電気機器1102との間に、インピーダンスアッパー部1104が挿入された構成となっている。このインピーダンスアッパー部1104は、電気機器1101や電気機器1102から外部電力線1105側を見たときのインピーダンスを高める機能を持つ。
例えば、電気機器1101から電気機器1102に信号を送信するとき、電気機器1101から送信された信号は、インピーダンスアッパー部1104により、外部電力線1105へ信号が漏れない状態で電気機器1102に到達する。このようにすれば、試験信号の電力レベルの減衰度合いを参照することで、電気機器1101と電気機器1102とが電源分岐装置1103で直接接続されているかどうかを判定することができるので、この判定結果に応じて通信条件を変更することができる。
なお、ここでは、インピーダンスアッパー部の実現方法は特に規定していない。すなわち、コンデンサやコイルなどの受動素子から構成される共振回路など、電気機器1101や電気機器1102から見た外部電力線1105側のインピーダンスが高くなれば、いかなる実現方法を採用してもかまわない。
もっとも、本実施の形態では電気機器が伝送速度を自動で決定するため、電気機器の構成が複雑になるという課題がある。この課題を解決するために、電気機器にスイッチを設け、このスイッチの状態によって伝送速度を変更できる構成を採用してもかまわない。
例えば、電気機器1101と電気機器1102とが通信を行う場合、両者が同一の電源分岐装置に接続されていれば、両者に付属するスイッチを高速モードに設定し、高い伝送速度で通信を行う。一方、両者が外部電力線を介して接続されている場合には、両者に付属するスイッチを低速モードに設定し、低い伝送速度で通信を行う。このように電気機器にスイッチを設けた構成によれば、外部から容易に伝送速度の切り替えが可能となる。
上述の各実施の形態では、低速伝送に用いる信号方式としてECHONET規格に準拠した方式を採用し、電気機器間の高速通信は、1.7MHz〜30MHzの周波数帯を利用する固有の方式で行っていた。しかしながら、本発明のシステムで用いる信号方式は、この例に限られるものではない。その信号方式に、LonWorks規格やHomePlug規格、現在策定中のHomePlug AV規格に準拠した方式など世界各国の様々な方式を採用することもできる。LonWorksでは、変調方式としてFSKを用いることができ、その帯域は125kHz〜140kHzに定められている。信号の伝送速度は最大で5400bpsである。また、HomePlugでは、変調方式としてOFDMが用いられ、その帯域は4MHz〜21MHzに定められている。その最大伝送速度は14Mbpsであり、ECHONETやLonWorksと較べるとかなり高速である。HomePlug AVは、HDTVなどの動画データの配信に対応するため、さらに高速な伝送速度となるものと予想される。
例えば宅内に敷設された外部電力線が高速なHomePlugの信号に対応することができず、外部電力線用にはそれよりも低速なLonWorksなどの規格の信号を用いるしかない場合でも、本発明の電力線搬送システムでは、HomePlugに対応した機器間で通信を行わせるために外部電力線を施設し直す必要はない。HomePlugに対応した電源分岐装置にそれらの機器を接続することで、その電源分岐装置に接続された機器間では高速な通信が可能となる。外部電力線に接続された既存の機器とHomePlugに対応した機器との間でも、両者が共通の信号方式に対応していれば、その電源分岐装置と外部電力線を介して低速な通信を行うことができる。さらに、HomePlugのように高速な信号に既設の外部電力線が現在対応していても、HomePlug AVのように将来策定されるより高速な信号に対応できない可能性は排除できない。その場合でも、本発明の電源分岐システムでは、その新たに策定された規格に対応した電源分岐装置にその規格に対応した機器を接続するだけで、それら機器間で高速な通信が可能となる。HomePlug AVに対応した機器はHomePlugにも対応するため、電源分岐装置に接続されたHomePlug AV対応の機器とその電源分岐装置に接続されていないHomePlug対応の機器との間であれば、HomePlugの信号で通信を行うこともできる。
本発明にかかる電力線搬送システムは、電源分岐装置のように外部電力線から取り外し可能な装置を用いることで、高速な通信に対応した電力線を必要に応じた最低限のコストで確保することができるという効果を奏し、電力線を利用して通信を行う電力線搬送通信などで有用である。
実施の形態1における電力線搬送システムを説明する図 実施の形態1における電力線搬送信号の周波数成分を説明する図 電力線の一例の断面を示す図 実施の形態2における電力線搬送システムを説明する図 実施の形態2における電力線搬送システムを説明する図 実施の形態3における電力線搬送システムを説明する図 実施の形態4における対応テーブルを説明する図 電力線搬送通信方法を説明するためのフローチャート 実施の形態6における電気機器の電力線接続例を説明する図 実施の形態6における電力線搬送システムを説明する図 実施の形態8における電力線搬送システムを説明する図 ECHONETのシステムアーキテクチャを示す図 ECHONETのネットワーク構成を示す図 一般的な電力線搬送信号波形を説明する図 従来の電力線搬送システムを説明する図
符号の説明
100,400,500,600,1000,1100,2100 電力線搬送システム
101,401,501,906,907,1001,1103,2101 電源分岐装置
102,602 主電源側プラグ
103,603 主電源側電力線
104,604 副電源コンセント
105 フィルタ部
106,414 電源分岐装置内電力線
107,407,507,601,607,901,902,903,904,905,1007,1101,1102,2107 電気機器
108,608 電気機器の電力線
109,609 電気機器の電源プラグ
110,410,510,610,908,1010,1105,2110 外部電力線
111,611 外部電源コンセント
201 50/60Hzの信号成分
202 10kHz〜450kHzの信号成分
203 1.7MHz〜30MHzの信号成分
204 フィルタ部の周波数特性
302,303 シールド
304,305 芯線
405,505 ルータ部
412,512 副電源側信号分離結合部
413,513 主電源側信号分離結合部
415,416,417,515,516,517,1015 信号線
418,518 信号変換部
606 電気機器内電力線
612,1012 信号分離結合部
613,1013 通信部
614 電源部
1014 固有ID
1104 インピーダンスアッパー部
2001 商用電源波形
2002 搬送信号波形
2105 ブロックフィルタ部

Claims (7)

  1. 電力線を介した電力線搬送通信を行うための電力線搬送システムにおいて、
    宅内の外部電力線用の信号方式で少なくとも電力線搬送通信を行うことが可能な電気機器と、
    上記信号方式の電力線搬送信号を通過させ、上記外部電力線用の信号方式と異なる信号方式の電力線搬送信号を遮断する信号選択部を上記外部電力線からの電力を受ける側と供給する側との間に有し、上記外部電力線から取り外し可能な装置とを備え、
    上記装置は、上記外部電力線から供給される電力を分岐して、接続された電気機器にその電力を供給する電源分岐装置であり、
    上記電源分岐装置は、電力線搬送信号をその送信先の電気機器のみへ送信する経路制御部を備えた電力線搬送システム。
  2. 上記信号選択部は、上記外部電力線用の信号方式の電力線搬送信号と異なる周波数成分を遮断する請求項に記載の電力線搬送システム。
  3. 上記電源分岐装置は、電力線搬送信号の信号方式を特定の信号方式に変換する信号変換部を備えた請求項に記載の電力線搬送システム。
  4. 上記信号変換部は、上記外部電力線用の信号方式とは異なる信号方式の電力線搬送信号の周波数を上記外部電力線用の信号方式の電力線搬送信号の周波数に変換する請求項に記載の電力線搬送システム。
  5. 上記信号変換部は、上記外部電力線用の信号方式とは異なる信号方式の電力線搬送信号の電力レベルを上記外部電力線用の信号方式の電力線搬送信号の電力レベルに変換する請求項に記載の電力線搬送システム。
  6. 上記外部電力線用の信号方式の電力線搬送信号を遮断するフィルタを宅内と宅外との間に設けた請求項1に記載の電力線搬送システム。
  7. 上記電気機器は、シールドつきの電源コードを備える請求項1に記載の電力線搬送システム。
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