JP2004289798A - 双方向catvシステム及び分岐装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インターネット等の通信サービスを行う双方向CATVシステムにおいて、加入者側の建造物に配線された同軸伝送路をそのまま利用して、高速な通信サービスを実現できるようにする。
【解決手段】 双方向CATVシステムにおいては、HFC方式で上り信号及び下り信号を双方向に伝送するための光伝送路及び同軸伝送路に加えて、インターネット専用の光伝送路が別途設けられており、その光伝送路の末端を、従来のタップオフとして機能するタップスイッチ16に接続する。そして、このタップスイッチ内には、インターネット専用の光伝送路を伝送されるデータを、各加入者側と通信可能で上り信号及び下り信号とは周波数の異なる高周波信号に双方向に変換するためのスイッチングハブ、及びRFモデム(モデム)を設けることで、加入者側の同軸ケーブル20を介して高速なデータ通信を行えるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速なインターネットサービスを行うのに好適な双方向CATVシステム及び分岐装置に関する。
従来、CATVシステムにおいて、インターネットサービスを行う際には、加入者側に、Docsis(Data Over Cable Service Interface Specifications)に準拠した仕様のケーブルモデムを設置すると共に、センタ装置側にも同様の仕様のセンタモデムを設置し、これら各モデムを介して、インターネット用の通信データ(上りデータ及び下りデータ)をテレビ信号(以下、TV信号)等の他の伝送信号とは異なる周波数帯に変調することにより、インターネット用の通信データを他の伝送信号と共に一本の同軸ケーブルを介して伝送するようにされている。
しかし、Docsisによるインターネットサービスでは、実現可能な通信速度が30Mbps程度であり、光伝送で実現可能な100Mbps若しくはそれ以上の通信速度にすることができなかった。
そこで、従来では、光伝送路と同軸伝送路とを利用したHFC(Hybrid Fiber Coaxial)方式のCATVシステムにおいて、光伝送路の部分にインターネット専用の光ファイバを設けて、インターネット用の通信データをその光ファイバを利用して伝送し、同軸伝送路の部分では、レイヤー2スイッチ(以下、L2スイッチという)等を利用して有線による通信速度が1000Mbpsというような高速ネットワークを構築し、その高速ネットワークに加入者側端末を接続できるようにすることで、従来より高速なインターネットサービスを実現にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−9112号公報
しかしながら、上記提案の技術では、高速インターネットサービスは実現できるものの、加入者側の建造物には、従来のCATVサービス用の同軸伝送路と、高速インターネットサービス用の伝送路とを引き込み、建造物内には、従来のCATVサービス用の同軸伝送路とは別に、インターネット用の伝送路を新たに配線しなければならず、実現するには、加入者側の負担が大きくなるという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、インターネット等の通信サービスを行う双方向CATVシステムにおいて、加入者側の建造物に配線された同軸伝送路をそのまま利用して、高速な通信サービスを実現できるようにすることを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、システム側同軸伝送路と加入者側同軸伝送路とを、システム側同軸伝送路上の分岐装置を介して接続してなる双方向CATVシステムにおいて、前記システム側同軸伝送路とは別に、広域ネットワークと加入者側情報端末とを接続するための通信用の光伝送路を設け、該光伝送路の末端を、光電気変換手段及び高周波モデムを介して、前記分岐装置から前記加入者側同軸伝送路への分岐出力経路に接続すると共に、前記加入者側同軸伝送路を介して前記高周波モデムと前記加入者側情報端末との間で送受信される通信データの周波数を、前記システム側同軸伝送路を介して伝送される伝送信号とは重複しない周波数に設定してなることを特徴とする。
このように、本発明の双方向CATVシステムにおいては、システム側同軸伝送路上の分岐装置から加入者側同軸伝送路に至る分岐出力経路に、光電気変換手段及び高周波モデムを介して光伝送路を接続し、光伝送路で伝送される光信号を、光電気変換手段及び高周波モデムを介して、システム側同軸伝送路を介して伝送される伝送信号とは重複しない高周波の電気信号に変換して、加入者側同軸伝送路に流すようにしている。
このため、加入者側同軸伝送路が配線された加入者側建造物内では、高周波モデムとの間でデータ通信が可能な加入者側情報端末を加入者側同軸伝送路に接続するようにすれば、加入者は、その情報端末を介して、光伝送路に接続された他の通信装置(延いては広域ネットワーク)にアクセスすることができるようになり、しかも、そのときの通信速度を、光伝送路により実現可能な速度に設定することができるようになる。
また、既存の双方向CATVシステムを、本発明の双方向CATVシステムに改修するには、通信用の光伝送路を設置し、システム側同軸伝送路に設けられている分岐装置から加入者側同軸伝送路に至る分岐出力経路に光電気変換手段及び高周波モデムを備えた接続用機器を設けるか、或いは、分岐装置内に光電気変換手段及び高周波モデムを設けるようにすればよく、加入者側建造物内には、データ通信用の伝送路を別途配線する必要がない。
よって、本発明の双方向CATVシステムによれば、インターネット等の通信サービスでの通信速度を、加入者側建造物の改修工事を行うことなく、容易に高速化することができる。また、加入者が高速な通信サービスを希望しなければ、その加入者に対しては、既存の分岐装置をそのまま利用すればよく、これによって従来のサービスに影響を与えることもない。
ところで、双方向CATVシステムにおいて、分岐装置から加入者側同軸伝送路への分岐出力経路は、分岐装置内若しくは分岐装置の分岐出力側に設けられた分配回路等の分配手段によって、複数に分配されることがある。
そして、この場合、その分配された複数の分岐出力経路毎に、光電気変換手段及び高周波モデムを設けるようにしてもよいが、このようにすると、加入者側情報端末との間で電気信号によるデータ通信を行うための高周波モデムだけでなく、光電気変換手段(延いては光伝送路)についても、加入者の数(若しくは、加入者側同軸伝送路が配線された建造物の数)だけ設置しなければならず、システム全体の構成が複雑になってしまう。
そこで、分岐装置から加入者側同軸伝送路への分岐出力経路が、分岐装置内若しくは分岐装置外に設置された分配回路等の分配手段を介して、複数に分配されているような場合には、請求項2に記載のように、その分配された複数の分岐出力経路には高周波モデムをそれぞれ接続し、その複数の高周波モデムと光電気変換手段とは、複数ポートを有するスイッチングハブを介して接続するようにするとよい。
つまり、このようにすれば、高周波モデムを接続する分岐出力経路の数に比べて、光電気変換手段(延いては光伝送路)の数を少なくして、システム全体の構成を簡単にすることができる。
なお、この場合、スイッチングハブにおいて高周波モデムが接続される各ポート間がデータ転送可能になっていると、各ポートに入力された加入者側情報端末からの送信データが、他の加入者側情報端末に伝送されてしまうことになるので、請求項3に記載のように、これら各ポート間のデータ転送については、スイッチングハブのVLAN(Virtual Local Area Network)機能等を利用して、禁止することが望ましい。
また、分岐装置から加入者側同軸伝送路への分岐出力経路が複数存在する場合、各分岐出力経路に接続される加入者の内の1人若しくは数人は、高速通信サービスを希望しないとか、例えば高速通信サービスの内の特定の通信サービスのみ(例えば、高速インターネットサービスの内のIP電話のみ)を希望する、といったことが考えられる。
そこで、このような希望に容易に応えることができるようにするには、請求項4に記載のように、スイッチングハブにおいて、高周波モデムが接続される各ポートを、CATVシステムのセンタ装置側又は端末側からの指令に従って、加入者側情報端末と他の加入者側情報端末又はセンタ装置の間のデータ通信を停止又は制限できるように(例えば、電子メールのみ使用できるように)するとよい。
一方、高周波モデムとこれに対応した加入者側情報端末との通信によって加入者側同軸線路を流れる通信データ(高周波信号)の周波数は、システム側同軸伝送路を介して伝送される伝送信号と重複しない周波数であればよいが、例えば、請求項5に記載のように、その通信データの内、光伝送路を介して端末側に伝送される下りデータの加入者側同軸伝送路上での周波数(換言すれば分岐装置内の高周波モデムが端末側に出力する高周波信号の周波数)として、システム側同軸伝送路を介して当該システムのセンタ装置側に伝送される上り信号の伝送帯域で上り信号が存在しない周波数帯域に設定すれば、分岐装置内の高周波モデムが端末側に出力した下りデータが、分岐装置が設けられたシステム側同軸伝送路を介して、当該システムの端末側に伝送されるのを確実に防止できる。
また、システム側同軸伝送路を双方向に伝送される下り信号と上り信号との間に周波数の隙間(ガードバンド)がある場合には、請求項6に記載のように、上記通信データの内、光伝送路を介してセンタ装置側に伝送される上りデータの加入者側同軸伝送路上での周波数(換言すれば、加入者側情報端末から出力される高周波信号の周波数)を、その空き周波数帯域(ガードバンド)に設定するとよい。
また、請求項7に記載のように、高周波モデムを、通信データを半二重方式で変・復調するよう構成した場合には、加入者側同軸伝送路上で、光伝送路を介して端末側に伝送される下りデータ、及び、前記光伝送路を介して当該システムのセンタ装置側に伝送される上りデータを、それぞれ、同一周波数の電気信号として伝送させることができる。
ところで、双方向CATVシステムの加入者は、加入者側建造物内でLAN(Local Area Network)を構築し、双方向CATVシステムで提供される通信サービスを利用して、このLANと外部ネットワークとを接続することが考えられる。そして、この場合、一般的には、高周波モデムとの間でデータ通信を行う通信装置としてルータを設け、そのルータを介して加入者側の複数の情報端末を接続することになる。
しかし、請求項7に記載のシステムのように、加入者側同軸伝送路上で、下りデータ及び上りデータを、同一周波数の電気信号として伝送させるように構成した場合には、請求項8に記載のように、分岐装置から加入者側同軸伝送路への分岐出力経路において、高周波モデムが接続される接続点よりもシステム側同軸伝送路側に、加入者側情報端末から送信されてきた上り方向の高周波信号の通過を遮断及び反射するためのフィルタを設けるようにすれば、加入者側建造物内では、ルータ等を利用することなく、高速通信可能なLANを構築できる。
つまり、請求項8に記載のシステムにおいては、各加入者側で、加入者側同軸伝送路に高周波モデムとの間でデータ通信が可能な複数の情報端末を接続するようにすれば、各情報端末をインターネット等の広域ネットワークに接続できるだけでなく、各情報端末間で、上記フィルタによる伝送信号の反射を利用したデータ通信を行うことができるようになるのである。よって、請求項8に記載の双方向CATVシステムによれば、加入者側同軸伝送路を使って、加入者専用のLANを極めて簡単に構築できることになる。
また、上記のように高周波モデムにより加入者側同軸伝送路を伝送される上りデータ又は下りデータの周波数については、予め固定されていてもよいが、請求項9に記載のように、当該システムのセンタ装置側又は端末側から任意に設定できるようにしておけば、双方向CATVシステムを新規に構築したり変更したりする際の作業性を向上できる。
一方、請求項10〜請求項15に記載の発明は、上述した本発明(請求項1〜請求項9)の双方向CATVシステムを構築するのに好適な分岐装置に関するものである。
即ち、まず、請求項10に記載の分岐装置は、双方向CATVシステムの同軸伝送路上に設けられ、該伝送路を流れる伝送信号を加入者側同軸伝送路へと分岐させる分岐装置であって、通信用の光伝送路を接続可能な光電気変換手段と、加入者側同軸伝送路への分岐出力経路に接続された高周波モデムとを備え、高周波モデムと光電気変換手段とを介して、加入者側同軸伝送路に接続された加入者側情報端末と光伝送路に接続された他の通信装置との間のデータ通信を中継可能に構成されたことを特徴とする。
従って、この請求項10に記載の分岐装置を用いれば、本発明(特に請求項1)に記載の双方向CATVシステムを構築することができるようになり、請求項1と同様の効果を発揮することができる。
また、請求項11に記載の分岐装置は、請求項10に記載の分岐装置において、加入者側同軸伝送路への分岐出力経路を複数に分配する分配手段を備え、その分配手段により分配された複数の分岐出力経路に高周波モデムをそれぞれ接続し、各高周波モデムと光電気変換手段とを、複数ポートを有するスイッチングハブを介して接続したことを特徴としている。
従って、この請求項11に記載の分岐装置を用いれば、上述した請求項2に記載の双方向CATVシステムを構築することができるようになり、請求項2と同様の効果を発揮することができる。
次に、請求項12に記載の分岐装置は、請求項11記載の分岐装置において、スイッチングハブにおいて上記各高周波モデムが接続される各ポート間のデータ転送が、禁止されていることを特徴とする。
従って、この請求項12に記載の分岐装置を用いれば、上述した請求項3に記載の双方向CATVシステムを構築することができるようになり、請求項3と同様の効果を発揮することができる。
また次に、請求項13に記載の分岐装置は、請求項11又は請求項12に記載の分岐装置において、スイッチングハブにおいて上記各高周波モデムが接続される各ポートの通信動作を、外部からの指令に従い各ポート毎に設定するためのポート設定手段を備えたことを特徴とする。
従って、この請求項13に記載の分岐装置を用いて双方向CATVシステムを構築すれば、分岐装置から各加入者側同軸伝送路への分岐出力経路毎に、送受信可能なデータを設定して、各加入者毎に、希望する通信サービスを提供することができるようになる。
そして、特に、ポート設定手段を、分岐装置に設けられた操作部からの操作入力ではなく、CATVシステムのセンタ装置側又は端末側から当該分岐装置に送信されてきた指令信号を受信することによって動作するように構成すれば、上述した請求項4に記載の双方向CATVシステムを構築することができるようになり、請求項4と同様の効果を発揮することができる。
一方、請求項14に記載の分岐装置は、請求項10〜請求項13の何れかに記載の分岐装置において、高周波モデムは、通信データを半二重方式で変・復調することにより、加入者側情報端末との間で下りデータ及び上りデータを同一周波数で送受信するよう構成され、分岐出力経路において、高周波モデムの接続点よりもシステム側同軸伝送路側には、加入者側情報端末から送信されてきた上りデータの通過を遮断及び反射するためのフィルタが設けられていることを特徴とする。
従って、この請求項14に記載の分岐装置を用いれば、上述した請求項7及び請求項8に記載の双方向CATVシステムを構築することができるようになり、請求項7及び請求項8と同様の効果を発揮することができる。
また次に、請求項15に記載の分岐装置は、請求項10〜請求項13の何れかに記載の分岐装置において、高周波モデムが加入者側同軸伝送路を介して加入者側情報端末との間で送受信する下りデータ及び上りデータの周波数を、外部からの指令に従い設定する周波数設定手段を備えたことを特徴とする。
従って、この請求項14に記載の分岐装置を用いて双方向CATVシステムを構築すれば、加入者側同軸伝送路を介して高周波モデムと加入者側情報端末との間で送受信される下りデータ及び上りデータの周波数を任意に設定することができるようになり、上述した請求項5に記載の双方向CATVシステムであっても、請求項6に記載の双方向CATVシステムであっても、極めて簡単に構築することが可能となる。
そして、特に、周波数設定手段を、分岐装置に設けられた操作部からの操作入力ではなく、CATVシステムのセンタ装置側又は端末側から当該分岐装置に送信されてきた指令信号を受信することによって動作するように構成すれば、上述した請求項9に記載の双方向CATVシステムを構築することができるようになり、請求項9と同様の効果を発揮することができる。
次に、請求項16に記載の分岐装置は、請求項10〜請求項15の何れかに記載の分岐装置において、システム側同軸伝送路のセンタ装置側と端末側とを接続する接続部と、光電気変換手段及び高周波モデムを含む分岐用の回路部とを、互いに着脱自在に構成することにより、分岐用の回路部を接続部に対して交換可能にしたことを特徴とする。
つまり、本発明(請求項1〜請求項9)の双方向CATVシステムは、上述したように、既存の双方向CATVシステムにおけるインターネット等の通信サービスを高速化するのに好適であるが、上述した本発明(請求項10〜請求項15)の分岐装置を用いて双方向CATVシステムを構築する場合に、高速な通信サービスを希望する加入者と希望しない加入者とが混在する際には、それぞれの加入者に対して、異なる分岐装置を設置する必要がある。
そして、このように異なる分岐装置を、加入者毎或いは加入者のグループ毎に設置するには、その設置作業が極めて面倒であり、特に、分岐装置は、システム側同軸伝送路上に設けられるので、分岐装置を異なる仕様のものに交換する際には、分岐装置よりも端末側のシステム側同軸伝送路をセンタ装置と切断しなければならない。
そこで、このような問題を防止するために、請求項16に記載の発明では、分岐装置を構成するシステム側同軸伝送路(所謂幹線)への接続部と、分岐用の回路部とを、互いに着脱可能に別体で構成し、分岐用の回路部を接続部に対して交換できるようにしているのである。
この結果、請求項16に記載の分岐装置によれば、システム側同軸伝送路に接続部を接続したままの状態で、分岐用の回路部を交換することができるようになり、分岐装置の設置(交換)作業を容易に行うことができると共に、その設置(交換)作業を、分岐装置よりも端末側のシステム側同軸伝送路をセンタ装置と切断することなく行うことができるようになる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施例]
図1は、本発明が適用された実施例の双方向CATVシステム全体の構成を表す説明図である。
図1に示す如く、当該CATVシステムのセンタ装置2には、TV信号等の下り信号(電気信号)を光信号に変換して端末側に送信すると共に、端末側から伝送されてきた光信号(上り信号)を受信し、電気信号に変換して内部に取り込む光送受信機4が設けられている。
そして、この光送受信機4は、光カプラー5、光アンプ6、光カプラー7等を介して、当該システムの幹線として各地域毎に配線された光ケーブル内の多数の光ファイバ(信号伝送用)に接続されている。
また、センタ装置2には、図示しないインターネットサーバに接続されたL2スイッチ8が設けられ、L2スイッチ8の端末側の各ポートには、電気−光変換用のメディアコンバータ9を介して、当該システムの幹線として各地域毎に配線された光ケーブル内の多数の光ファイバ(データ通信用)がそれぞれ接続されている。
一方、センタ装置2に接続された光ケーブル内の信号伝送用及びデータ伝送用の各光ファイバは、対となって、幹線となる光ケーブル上に適宜設けられたクロージャ11で分岐される。そして、その分岐された光ファイバ2本の光ケーブル(2芯)は、それぞれ、任意の箇所まで配線され、その光ケーブル内の信号伝送用光ファイバは、光−電気変換器を内蔵した分岐増幅器13に接続される。
そして、分岐増幅器13では、その信号伝送用光ファイバを介してセンタ装置2から伝送されてきた下り信号が、光信号から電気信号に変換されると共に、所定レベルまで増幅されて、システム側同軸伝送路としての同軸ケーブル14に出力される。また、この同軸ケーブル14を介して端末側から伝送されてきた上り信号は、電気信号から光信号に変換されて、信号伝送用光ファイバに出力され、この光ファイバを介して、センタ装置2(詳しくは光送受信機4)まで伝送される。
一方、上記分岐された光ケーブル(2芯)内のデータ通信用光ファイバは、データ通信用の光ノードスイッチ(以下単に光ノードという)15に接続される。この光ノード15は、例えば、24個の出力ポートを有し、各出力ポートには、光ファイバを介して、タップスイッチ(TapSW0)16が接続されている。
なお、信号伝送用光ファイバでは、センタ装置2の光送受信機4が送受信する上り信号及び下り信号を異なる波長で伝送するようにされており、その波長は、例えば、下り信号が1.55μm、上り信号が1.31μmに設定されている。同様に、データ伝送用光ファイバでも、センタ装置2側から送信された下りデータと端末側から送信された上りデータを異なる波長で伝送するようにされており、その波長は、例えば、下りデータが1.55μm、上りデータが1.31μmに設定されている。
また、センタ装置2と光ノード15との間は、イーサネット(登録商標)規格に準拠した1000BaseLX(1000Mbps)でデータ通信を行い、光ノード15から端末側では、同じく100BaseFX(100Mbps)でデータ通信を行うようにされている。
次に、タップスイッチ16は、本発明の分岐装置に相当するものであり、分岐増幅器13から分岐された同軸ケーブル14上に設けられている。そして、このタップスイッチ16は、同軸ケーブル14を分岐し、更に8分配した8個の分岐出力を備え、各分岐出力には、それぞれ、加入者側同軸伝送路である同軸ケーブル20が接続されている。
また、タップスイッチ16は、光ノード15に接続された光ケーブル(詳しくは1本の光ファイバ)から伝送されてきた下りデータを、光信号からベースバンドの電気信号に変換し、更に、これを伝送用の高周波信号に変換して、分岐出力に接続された加入者側の同軸ケーブル20に出力すると共に、その同軸ケーブル20に接続された加入者側のモデム22から出力された上りデータ(高周波信号)を、ベースバンドの電気信号に変換し、更に、これを光信号に変換して、光ノード15側に出力する。
従って、タップスイッチ16から加入者宅内には、TV信号等からなる下り信号と通信用の下りデータとが伝送され、セットトップボックス(STB)26を介して当該システムで配信されるテレビ信号をテレビ受像器28に入力して、そのテレビ放送を視聴することができると共に、モデム22を介して下りデータをパーソナルコンピュータ(PC)24等の情報端末に入力できる。
また、PC24等の情報端末から出力された上りデータやSTB26から出力された上り信号についても、同軸ケーブル20を介してタップスイッチ16に伝送することができ、そのうち、上りデータはタップスイッチ16から、光ノード15やこれに接続される光ファイバ等からなる通信用の光伝送路を介して、センタ装置2に伝送され、上り信号は、タップスイッチ16から同軸ケーブル14及び光伝送路(信号伝送用の光ファイバ)を介して、センタ装置2に伝送される。
そして、図2(a)に示すように、上記のように加入者側の同軸ケーブル20を伝送される信号の内、下り信号の伝送周波数帯は、本実施例では、70〜602MHzに設定され、上り信号の伝送周波数帯は、10〜55MHzと、650〜770MHzとの2つの周波数帯に設定されている。また、通信用の下りデータを変調した高周波信号の伝送周波数帯と上りデータを変調した高周波信号の伝送周波数帯とは、モデム22を半二重方式にすることにより、同一周波数に設定されており、その周波数は、上り信号の伝送周波数帯(650〜770MHz)で上り信号が伝送されていない空き周波数に設定されている。
なお、モデム22に半二重方式を用いない場合には、図2(b)に示すように、通信用の下りデータを変調した高周波信号の伝送周波数帯を、上り信号の伝送周波数帯(650〜770MHz)で上り信号が伝送されていない空き周波数に設定し、上りデータを変調した高周波信号の伝送周波数帯を、下り信号と上り信号との間の空き領域(ガードバンド:602〜650MHz)に設定してもよい。また、これら通信用の下り・上りデータの伝送周波数帯は、上り信号及び下り信号の周波数帯と異なる周波数帯に設定すればよく、例えば、上り信号及び下り信号(一般に下り信号)の最大周波数が770MHzであれば、図2(c)に示すように、それ以上の周波数帯に設定してもよい。
また次に、タップスイッチ16より端末側の同軸ケーブル14上には、タップスイッチ16と同様に8分岐出力である3つのタップスイッチ(TapSW1,TapSW2,TapSW3)17、18、19が順に接続されており、これら各タップスイッチ17、18、19の分岐出力を利用して、同軸ケーブル14と加入者側の同軸ケーブル20を接続できる。
但し、これら各タップスイッチ17、18、19には、タップスイッチ16のように、光ケーブル(光ファイバ)を接続することはできず、タップスイッチ16は、これら各タップスイッチ17、18、19に接続された加入者側の情報端末と光ノード15との間の通信データの中継も行う。
そして、この中継のためにタップスイッチ16と各タップスイッチ17、18、19との間で送受信される下りデータ及び上りデータには、図2(a)、(b)に例示するように、各タップスイッチ17、18、19毎に、異なる伝送周波数が割り当てられている。
次に、これらタップスイッチ16〜19の構成を説明する。
まず図3は、タップスイッチ16の構成を表し、(a)はその平面図、(b)は、その正面図である。また、図4はタップスイッチ16の分解図であり、図5はその回路構成を表すブロック図である。
図3,図4に示すように、本実施例のタップスイッチ16は、背面の固定部材32を介してCATVシステムのメッセンジャーワイヤ31に固定され、左右側壁に形成された一対の入出力端子33、34に同軸ケーブル14が接続されたデータ通信機能を持たない既存システムの分岐装置(タップオフ)80(図7参照)のケース30に、アダプタ40を装着してねじ止め固定し、更に、このアダプタ40に本発明のデータ通信機能を有する分岐・分配ユニット50を装着してねじ止め固定したものである。
即ち、データ通信機能を持たない既存システムのタップオフ80は、図7に示すように、例えば、4個の分岐端子(接栓)T1〜T4が表面から突出され、裏面側に図4(c)に示す分岐・分配回路が組み付けられた分岐・分配ユニット90を、分岐・分配回路を内側にして、ケース30に装着し、周囲3カ所をねじ82で固定することにより構成されている。
そして、本実施例のタップスイッチ16は、図4に示すように、このタップオフ80(詳しくはケース30)が固定部材32を介してメッセンジャーワイヤ31に固定され、しかも、ケース30の入出力端子33、34には同軸ケーブル14が接続された状態で、ケース30から分岐・分配ユニット90を取り外し、これとは形状も仕様も異なる(本実施例では8分岐)分岐・分配ユニット50を、アダプタ40を介して、ケース30に固定することにより構成されている。
尚、図7において、(a)は、タップオフ80の平面図、(b)は、タップオフ80の正面図、(c)、タップオフ80の回路構成を表す回路図である。
そして、この回路図から明らかなように、ケース30には、同軸ケーブル14に接続される入力端子33及び出力端子34と、これら各端子33、34に接続され、分岐・分配ユニット90に組み付けられた分岐・分配回路の入・出力端子92.94を接続するための接点S1,S2とが組み付けられている。
また、分岐・分配ユニット90に組み付けられた分岐・分配回路は、入力端子92と出力端子94との間で低周波の電力信号のみを通過させるチョークコイルL1と、入・出力端子92、94間を高周波の伝送信号のみを通過可能に接続する一対のコンデンサC1,C2と、これら各コンデンサC1、C2間に形成される伝送路に設けられた分岐回路DTと、分岐回路DTから分岐した経路に設けられた分配回路(4分配)SPとを備え、この分配回路SPの分配出力を、夫々、各分岐端子T1〜T4に接続することにより構成されている。
これに対し、本実施例のタップスイッチ16で使用される分岐・分配ユニット50は、分岐・分配ユニット90よりも大きいケース51の表面側に、8個の分岐端子(接栓)T1〜T8と光ケーブル(1本の光ファイバ)を接続する光端子Toを組み付け、ケース51の裏面側に図5に示す回路を組み付けたものである。
そして、この回路は、入力端子52及び出力端子53と、これら各端子52、53間を接続する電流通過用のチョークコイルL2、L3と、同じく各端子52、53間を接続する高周波信号通過用のコンデンサC4、C5と、この一対のコンデンサC4,C5で形成された高周波信号の通過経路に設けられた分岐回路DTと、分岐回路DTから分岐した経路に設けられた分配回路(8分配)SPとを備え、この分配回路SPの分配出力を、夫々、フィルタ54を介して、各分岐端子T1〜T8(図では分岐端子T1のみ記載)に接続することにより、各分岐端子T1〜T8と同軸ケーブル14との間で上り信号及び下り信号を双方向に伝送できるようにされている。尚、分配回路SPは、本発明の分配手段に相当する。
また、光端子Toには、光電気変換手段としてのメディアコンバータ56を介して、スイッチングハブ58が接続されている。このスイッチングハブ58は、端末側への接続用のポートを4ポート備え、そのうち、3つのポートには、高周波モデム(以下、RFモデムという)64、65、66が接続されている。そして、これら各RFモデム64〜66は、後続のタップスイッチ17〜19とスイッチングハブ58との間で送受信される下りデータ及び上りデータを中継するためのものであり、方向性結合器64a、65a、66aを介して、コンデンサC4、C5で形成された高周波信号の通過経路に接続されている。
なお、各RFモデム64〜66が変復調することにより後続のタップスイッチ17〜19との間で送受信する下りデータ及び上りデータの伝送周波数帯域は、図2に示したようにそれぞれ異なる周波数に設定されている。
また、このスイッチングハブ58のもう一つのポートは、端末側への接続用のポートを8ポート有するスイッチングハブ60が接続されている。このスイッチングハブ60は、分岐端子T1〜T8に接続された加入者側の同軸ケーブル20を介して、各加入者宅内の設けられた情報端末(PC24等)とデータ通信を行うためのものであり、このスイッチングハブ60の8つのポートは、それぞれ、RFモデム62及び方向性結合器62aを介して、分岐端子T1〜T8に接続されている。
なお、RFモデム62は、各加入者宅に設けられたモデム22との間で高周波信号を用いてデータ通信を行うためのものであり、既述したように、本実施例では、半二重方式でデータを送受信することにより、上り・下りの各データを同一周波数で送受信する。また、フィルタ54は、RFモデム62と加入者宅内のモデム22との間或いは加入者宅内の複数のモデム22の間で送受信されるデータ通信用の高周波信号を遮断及び反射するためのものである。
また、スイッチングハブ60は、周知のVLAN機能を備え、端末側に接続される8つのポート間でのデータ転送が禁止されている。また更に、チョークコイルL2、L3間に形成される電流通過経路は、同軸ケーブル14を介してセンタ側又は端末側から供給される給電用の直流電流を通過させるためのものであり、この電流通過経路には、電源回路67が接続されている。そして、この電源回路67は所定の直流定電圧を生成して、上述した各部に電源供給を行う。
次に、タップスイッチ16を構成するアダプタ40は、裏面側にケース30を装着するための第1装着部41が形成された第1アダプタ42と、表面側に分岐・分配ユニット50のケース51を装着するための第2装着部43が形成された第2アダプタ44とから構成されている(図4参照)。
そして、図4に示すように、第2アダプタ44には、分岐・分配ユニット50を第2装着部43に装着した際、分岐・分配ユニット50の入力端子52及び出力端子53に夫々接続される接点Sa及びSbと、第2アダプタ44を介してケース30に装着した際、ケース30に組み込まれた接点S1、S2に接続される入力端子45及び出力端子46が設けられている。尚、この入力端子45及び出力端子46は、ケース30への装着時に第1アダプタ42に穿設された透孔を通って接点S1、S2に接続されるよう、第2アダプタ44から突出されている。
また、第2アダプタ44には、接点S1,S2に接続される入・出力端子45,46を直結するか、或いは、入・出力端子45、46を分岐・分配ユニット50の入・出力端子52、53に接続するかを切り換えるための切換スイッチ47が設けられており、分岐・分配ユニット50の交換時には、この切換スイッチ47を入・出力端子45、46を直結する側に切り換えることによって、同軸ケーブル14を切断することなく、分岐・分配ユニット50を交換できるようにされている。
次に、タップスイッチ17〜19のケース等は、上述したタップスイッチ16と同様に構成されており、タップスイッチ16と異なる点は、分岐・分配ユニット50の回路の一部である。
そこで、次に、これらタップスイッチ17〜19の回路構成について、タップスイッチ16と比較して説明する。図6は、タップスイッチ17〜19の回路構成を表す回路図である。
図6に示すように、タップスイッチ17〜19の分岐・分配ユニット50には、図5に示したタップスイッチ16と同様、入・出力端子52、53、チョークコイルL2、L3、コンデンサC4、C5、分岐回路DT、分配回路(8分配)SP、フィルタ54が設けられ、このフィルタ54を介して、分岐端子T1〜T8(図では分岐端子T1のみ記載)と同軸ケーブル14との間で上り信号及び下り信号を双方向に伝送できるようにされている。
また、コンデンサC4、C5で形成された高周波信号の通過経路には、方向性結合器68aを介してRFモデム68が接続されている。
このRFモデム68は、タップスイッチ16に設けられたRFモデム64〜66の内の一つと対応しており、その対応したRFモデム64(又は65又は66)との間でデータを変復調することにより、高周波信号を用いたデータ通信ができるようにされている。
そして、このRFモデム68のデータ入出力側には、タップスイッチ16と同じ8ポートのスイッチングハブ60が接続されている。そして、このスイッチングハブ60の8つのポートは、それぞれ、RFモデム62及び方向性結合器62aを介して、分岐端子T1〜T8に接続されている。
以上説明したように、本実施例の双方向CATVシステムにおいては、HFC方式で上り信号及び下り信号を双方向に伝送するための伝送路に加えて、インターネット専用の光伝送路が別途設けられており、その光伝送路の末端を、従来のタップオフとして機能するタップスイッチ16に接続することによって、タップスイッチ16若しくはタップスイッチ16と他のタップスイッチ17〜19、及び、加入者側の同軸ケーブル20を介して、従来のCATVシステムでは実現不可能であった100Mbpsでの高速インターネット通信ができるようにされている。
このため、本実施例の双方向CATVシステムによれば、インターネットの通信サービスを、加入者側建造物の改修工事を行うことなく、高速化することができる。
また、タップスイッチ16〜19は、同軸ケーブル14を切断することなく、分岐・分配ユニット50を交換できるため、分岐すべき端末の数を変更する必要がある場合等に、当該システムのサービスを低下させることなく、その交換作業を簡単に行うことができる。
また、分岐・分配ユニット50を、通信機能を持たない単なる分岐・分配用の回路に変更したり、或いは、将来、同軸ケーブル14が光ケーブルに変更され、分岐・分配ユニット50を光信号伝送用に変更する必要が出てきた場合でも、分岐・分配ユニット50を、その変更後のものに対応した分岐・分配ユニットと交換するだけでよいため、システムの改修作業を極めて簡単に行うことができる。
[変形例1]
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、各加入者宅に設けられたモデム22との間で高周波信号を用いてデータ通信を行うRFモデム62は、半二重方式でデータを送受信するよう構成され、しかも、そのデータ通信用の高周波信号の周波数は、図2(a)に示すように予め設定されるものと説明したが、このRFモデム62と加入者側モデム22との間のデータ通信の方式やデータ通信に用いる周波数については、センタ装置2側(又は当該システムの端末側)から任意に設定できるようにすれば、CATVシステム構築時(或いは変更時)の作業性を向上できる。
また同様に、各タップスイッチ16〜19に設けられるスイッチングハブ60において、RFモデム62を介して加入者側の同軸ケーブルが接続される8つのポートについても、センタ装置2側(又は当該システムの端末側)から、各ポート毎に、送受信可能なデータを制限できるようにすれば、各タップスイッチ16〜19を介してCATVシステムに接続される加入者個人毎に、提供するサービスの内容を簡単に設定することができる。
そして、このためには、例えば、スイッチングハブ60を図8に示す如く構成し、RFモデム62を図9に示す如く構成するようにすればよい。
即ち、図8に示すスイッチングハブ60には、スイッチングハブ58又はRFモデム68を接続するためのポートP0と、端末側の8つのRFモデム62をそれぞれ接続するための8つのポートP1〜P8とが備えられており、各ポートP0〜P8は、それぞれ、PHY、MAC等のネットワークインターフェイス(以下、単にNIFと記載する)70を介して、各ポート間の接続状態を切り換えるためのスイッチ部71に接続されている。
また、各NIF70には、それぞれ、各ポートP0〜P8から入力されたデータを一時蓄積するためのバッファ72が接続されており、各バッファ72には、スイッチ部70を制御するスイッチ制御部73が接続されている。
スイッチ制御部73は、各バッファ72に蓄積されたデータに付与されているアドレス等の付加情報と、テーブル記憶部74に記憶されたテーブルとに基づき、各バッファ72に蓄積されたデータの転送先を順次特定して、そのデータが転送すべきポートから出力されるようにスイッチ部70を制御する周知のものであるが、テーブル記憶部74には、各ポートP0〜P8に接続されたネットワークやそのネットワークに接続された情報端末のアドレスを識別するためのテーブル(ネットワークテーブル、アドレステーブル等)に加えて、ポートP0とポートP1〜P8との間で転送が禁止されたデータの種類を表すデータ制限テーブルが記憶されており、スイッチ制御部73は、そのデータ制限テーブルに基づき、ポートP0からポートP1〜P8へのデータの転送若しくはその逆方向へのデータの転送を制限する。
また、スイッチングハブ60内には、通信機能を有するマイクロコンピュータ(マイコン)からなるコントローラ75が設けられている。そして、このコントローラ75は、上記各ポートP0〜P8と同様に、NIF70を介してスイッチ部71に接続されており、そのNIF70にも、スイッチ制御部73に接続されたバッファ72が設けられている。
従って、コントローラ75に対しては、各ポートP0〜P8に接続された外部のネットワーク側からアクセス可能であり、コントローラ75は、後述の制御処理(図10参照)を実行することにより、ポートP0を介して接続されるセンタ装置2から送信されてきた指令信号に従い、テーブル記憶部74に記憶されたデータ制限テーブルを更新したり、各ポートP1〜P8に接続されたRFモデム62の通信周波数を設定する。
尚、コントローラ75には、各ポートP1〜P8に接続されたRFモデム62に対して個々に制御信号を出力するための8つの制御信号出力端子が設けられており、コントローラ75は、この出力端子から各RFモデム62に制御信号を出力することで、RFモデム62の動作(通信周波数等)を設定する。
一方、スイッチングハブ60の各ポートP1〜P8にそれぞれ接続されるRFモデム62には、図9に示すように、LANケーブルを介してスイッチングハブ60のポートP1〜P8の何れかに接続するためのポートPxと、同軸ケーブルと方向性結合器62aとを介して加入者側の同軸ケーブルに接続するための同軸接続端子Txと、スイッチングハブ60内のコントローラ75から出力された制御信号を取り込むための制御信号入力端子Tcとの、3つの端子が設けられている。
そして、スイッチングハブ60への接続用のポートPxには、スイッチングハブ60との間でデータを送受信するためのモデム部76が接続され、更に、このモデム部76と同軸接続端子Txとの間には、ベースバンドの通信データを同軸ケーブル伝送用の高周波信号に双方向に周波数変換するためのコンバータ部77が設けられている。
ここで、モデム部76は、ポートPxにLANケーブルを介して接続されたスイッチングハブ60との間でデータ通信を行うためのネットワークインターフェイス(NIF)76aと、このNIF76aを介して送受信されるデータの誤り訂正を行う誤り訂正部76bと、誤り訂正部76bを介してNIF76aに接続され、加入者側のモデム22との間でデータを送受信するためのベースバンドモデム76cとから構成されている。
そして、コンバータ部77は、端末側から同軸接続端子Txに入力された上り方向の信号を分配器77a及びフィルタ77bを介して取り込み、上り増幅回路77cにて増幅し、その増幅後の信号を、ミキサ77dにて、シンセサイザ77sから出力された所定周波数の高周波信号と混合することにより、ベースバンドの上りデータに周波数変換(ダウンコンバート)し、更に、そのダウンコンバート後の上りデータを、増幅回路77eにて増幅し、フィルタ77fを介して、モデム部76のベースバンドモデム76cに出力する。
また、コンバータ部77は、モデム部76のベースバンドモデム76cから入力された下りデータを、フィルタ77gを介して取り込み、増幅回路77hにて増幅した後、ミキサ77iにて、シンセサイザ77sから出力された所定周波数の高周波信号と混合することにより、同軸ケーブル伝送用の高周波信号に周波数変換(アップコンバート)し、更に、そのアップコンバート後の信号を、増幅回路77jにて増幅し、フィルタ77k及び分配器77aを介して、同軸接続端子Txから同軸ケーブルへと出力する。
そして、コンバータ部77において周波数変換用の高周波信号を発生するシンセサイザ77sの発振周波数(換言すれば、加入者側の同軸ケーブルを介して送受信されるデータの通信周波数)や、モデム部76においてベースバンドモデム76cが加入者側のモデム22との間でデータを送受信する際の通信方式(プロトコル)は、制御部78を介して任意に設定できるようにされており、この制御部78は、制御信号入力端子Tcを介して、スイッチングハブ60のコントローラ75に接続されている。
従って、RFモデム62により加入者側の同軸ケーブルを介して送受信されるデータの通信周波数やその通信方式(プロトコル)は、スイッチングハブ60のコントローラ75を介してセンタ装置2側から設定できるようになる。
以下、このようにRFモデム62の動作を設定したり、スイッチングハブ60の各ポートP1〜P8毎に送受信を制限するデータを設定する(換言すればデータ制限テーブルを更新する)ために、コントローラ75にて実行される制御処理について説明する。
この制御処理は、コントローラ75にて繰り返し実行される処理であり、図10に示すように、この処理が開始されると、まずS210(Sはステップを表す)にて、センタ装置2から当該コントローラ75に対して設定変更の要求があったか否かを判断することにより、センタ装置2から設定変更の要求がなされるのを待つ。
そして、S210にて、センタ装置2から設定変更の要求があったと判断されると、S220に移行して、現在の設定状態(詳しくは、各ポートP1〜P8毎のデータ制限テーブルや、各ポートP1〜P8に接続されたRFモデム62の通信周波数等)を読み込み、続くS230にて、その情報を含む設定変更用の画面情報をhtml形式にてセンタ装置2側に送信する。
すると、センタ装置2側では、オペレータがその画面情報に基づく表示画面上で変更したいパラメータを選択して、そのパラメータに対する設定変更を行い、変更後のデータを当該コントローラ75に返信してくることから、続くS240では、センタ装置2から送信された設定変更データを受信したか否かを判断し、設定変更データを受信していなければ、S250にて、センタ装置2側にて当該コントローラ75に対する接続が切断されたか否かを判断し、切断されていなければ、再度S240に移行することにより、センタ装置2から設定変更データが送信されてくるのを待機する。尚、S250にて、センタ装置2からの接続が切断されたと判断されると、当該処理を一旦終了し、再度S210以降の処理を実行する。
次に、S240にて、センタ装置2からの設定変更データを受信したと判断されると、S260に移行して、その受信した設定変更データは、スイッチングハブ60の動作変更(詳しくは、各ポートP1〜P8毎のデータ制限テーブルの変更)を含むものであるか否かを判断し、受信した設定変更データがスイッチングハブ60の動作変更を含むものであれば、S270に移行して、その設定変更データに基づき、テーブル記憶部74に記憶されたデータ制限テーブルを更新する。
一方、S260にて、受信した設定変更データはスイッチングハブ60の動作変更を含まないと判断されるか、或いは、S270にて、受信した設定変更データに基づきデータ制限テーブルを更新すると、今度は、S280に移行して、今回受信した設定変更データは、ポートP1〜P8の何れかに接続されたRFモデム62に対する動作変更(詳しくは、RFモデム62が加入者側の同軸ケーブルを介して送受信する通信信号の周波数や通信方式の変更)を含むものであるか否かを判断し、受信した設定変更データがRFモデム62の動作変更を含むものであれば、S290に移行して、その設定変更データに対応する制御信号を、対応するRFモデム62に出力する。
この結果、制御信号を受けたRFモデム62側では、制御部78が、その制御信号に基づき、シンセサイザ77sの発振周波数やベースバンドモデム76cの動作を設定することになる。
なお、S280にて、受信した設定変更データはRFモデム62の動作変更を含まないと判断されるか、或いは、S290にて、受信した設定変更データに基づき対応するRFモデム62に制御信号を出力すると、当該処理を一旦終了し、再度S210以降の処理を実行する。
以上説明したように、スイッチングハブ60を図8に示す如く構成し、RFモデム62を図9に示す如く構成し、スイッチングハブ60では、コントローラ75が図10に示す制御処理を実行するようにすれば、RFモデム62が加入者側の同軸ケーブルを介して加入者側通信端末(詳しくはモデム22)との間でデータを送受信する際の通信信号の周波数やその通信方式をセンタ装置2側から設定することができる。このため、双方向CATVシステムを新規に構築したり変更したりする際の作業性を向上できる。
また、同様に、スイッチングハブ60の各ポートP1〜P8を通過可能なデータを、各ポート毎にセンタ装置2側から設定することができる。このため、各タップスイッチ16〜19に接続される加入者側同軸ケーブル毎に、加入者の希望するサービスを提供することができると共に、そのサービスの変更も極めて容易に行うことができる。
尚、スイッチングハブ60に設けられるコントローラ75及びRFコンバータ62に設けられる制御部78は、本発明のポート設定手段及び周波数設定手段に相当する。
[変形例2]
次に、上記実施例では、本発明の光電気変換手段、スイッチングハブ、高周波モデムとしての各部は、CATVシステムのシステム側同軸伝送路である同軸ケーブル14上に設けられたタップスイッチ16〜19に組み込み、各タップスイッチ16〜19から加入者側の同軸ケーブル(加入者側同軸伝送路)への分岐点で通信用の光信号を電気信号に変換するものとして説明したが、例えば、加入者側建造物がマンションやアパート等の共同住宅であるような場合には、図11に示すように、光ノード15から分岐した光ファイバ(光伝送路)と、分岐増幅器13から分岐した同軸ケーブル(同軸伝送路)14とを、直接加入者側建造物内に引き込み、上記実施例のタップスイッチ16〜19としての機能(具体的には、光電気変換手段、スイッチングハブ、高周波モデムとしての機能)については、その建造物内に設けた棟内システム用タップにて実現するようにしてもよい。
即ち、外部の双方向CATVシステムに加入している共同住宅では、通常、双方向CATVシステムの同軸伝送路から分岐した同軸ケーブル14を引き込み、その同軸ケーブル14と、建造物内に分配器や直列ユニット(分岐器)を介して形成した棟内システム用の同軸伝送路とを、増幅器等を介して接続することにより、外部の双方向CATVシステムのセンタ装置2から配信されるテレビ放送信号を建造物内の各部屋まで伝送するように構成されている。
このため、この種の棟内CATVシステムに本発明を適用して、高速通信用の光伝送路を棟内の同軸伝送路に接続するには、図11に示すように、上記実施例のタップスイッチ16〜19に代えて、建造物内に棟内システム用タップを設けるようにすればよい。
そして、この場合、棟内システム用タップには、上記タップスイッチ16と同様、光電気変換手段としてのメディアコンバータ56と、このメディアコンバータ56を介して光ファイバに接続されたスイッチングハブ60と、スイッチングハブ60の端末側の各ポートに接続された複数のRFモデム62とを設け、これら各RFモデム62を、方向性結合器62aを介して、同軸ケーブル14から棟内の複数の同軸伝送路への分配経路に接続するようにすればよい。
つまり、このようにしても、建造物内の各加入者は、建造物内に既に配線された同軸伝送路と、光ノード15に接続された光ファイバとを利用して、従来では実現できなかった高速インターネット通信ができるようになり、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
尚、こうした棟内CATVシステムにおいては、図11に示すように、外部の双方向CATVシステムからの引込線である同軸ケーブル14と、棟内の同軸伝送路との接続部分に、フィルタ54を設けて、RFモデム62と加入者宅内のモデム22との間或いは加入者宅内の複数のモデム22の間で送受信されるデータ通信用の高周波信号を遮断及び反射するように(もしくは遮断又は反射するように)することが望ましい。
実施例の双方向CATVシステム全体の構成を表す説明図である。 実施例の双方向CATVシステムで、タップスイッチ16から加入者側に至る同軸ケーブル上で伝送される各信号の伝送周波数帯域を説明する説明図である。 タップスイッチ16の構成を表す平面図及び正面図である。 タップスイッチ16の構成を表す分解図である。 タップスイッチ16の電気回路を表す回路図である。 タップスイッチ17〜19の電気回路を表す回路図である。 タップスイッチ16〜19に変更する前のタップオフの構成を表す説明図である。 変形例1におけるスイッチングハブ60の構成を表すブロック図である。 変形例1におけるRFモデム62の構成を表すブロック図である。 図8のスイッチングハブ60のコントローラ75にて実行される制御処理を表すフローチャートである。 変形例2における加入者側建造物の内部構成を表す説明図である。
符号の説明
2…センタ装置、4…光送受信機、5…光カプラー、6…光アンプ、8…L2スイッチ、9,56…メディアコンバータ、11…クロージャ、13…分岐増幅器、14,20…同軸ケーブル、15…光ノード、16,17,18,19…タップスイッチ、22…モデム、28…テレビ受像器、30…ケース、40…アダプタ、42…第1アダプタ、44…第2アダプタ、50…分岐・分配ユニット、58,60…スイッチングハブ、62,64〜66,68…RFモデム、62a,64a〜66a,68a…方向性結合器、67…電源回路、70…ネットワークインターフェイス(NIF)、71…スイッチ部、72…バッファ、73…スイッチ制御部、74…テーブル記憶部、75…コントローラ、76…モデム部、77…コンバータ部、78…制御部、C1〜C4…コンデンサ、DT…分岐回路、L1〜L3…チョークコイル、SP…分配回路、T1〜T8…分岐端子、To…光端子。

Claims (16)

  1. システム側同軸伝送路と加入者側同軸伝送路とを、システム側同軸伝送路上の分岐装置を介して接続してなる双方向CATVシステムにおいて、 前記システム側同軸伝送路とは別に、広域ネットワークと加入者側情報端末とを接続するための通信用の光伝送路を設け、
    該光伝送路の末端を、光電気変換手段及び高周波モデムを介して、前記分岐装置から前記加入者側同軸伝送路への分岐出力経路に接続すると共に、
    前記加入者側同軸伝送路を介して前記高周波モデムと前記加入者側情報端末との間で送受信される通信データの周波数を、前記システム側同軸伝送路を介して伝送される伝送信号とは重複しない周波数に設定してなることを特徴とする双方向CATVシステム。
  2. 前記分岐装置から前記加入者側同軸伝送路への分岐出力経路は分配手段を介して複数に分配され、
    該分配された複数の分岐出力経路には前記高周波モデムがそれぞれ接続され、
    該複数の高周波モデムと前記光電気変換手段とは、複数ポートを有するスイッチングハブを介して接続されたことを特徴とする請求項1記載の双方向CATVシステム。
  3. 前記スイッチングハブにおいて、前記高周波モデムが接続される各ポート間のデータ転送は禁止されていることを特徴とする請求項2記載の双方向CATVシステム。
  4. 前記スイッチングハブにおいて、前記高周波モデムが接続される各ポートは、当該CATVシステムのセンタ装置側又は端末側からの指令に従い、前記加入者側情報端末と他の加入者側情報端末又はセンタ装置との間のデータ通信を停止又は制限可能であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の双方向CATVシステム。
  5. 前記通信データの内、前記光伝送路を介して端末側に伝送される下りデータの前記加入者側同軸伝送路上での周波数は、前記システム側同軸伝送路を介して当該システムのセンタ装置側に伝送される上り信号の伝送帯域で上り信号が存在しない周波数帯域に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載の双方向CATVシステム。
  6. 前記通信データの内、前記光伝送路を介して前記センタ装置側に伝送される上りデータの前記加入者側同軸伝送路上での周波数は、前記システム側同軸伝送路を双方向に伝送される下り信号と上り信号との間の空き周波数帯域に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項5何れか記載の双方向CATVシステム。
  7. 前記高周波モデムは、前記通信データを半二重方式で変・復調することにより、前記加入者側同軸伝送路上では、前記光伝送路を介して端末側に伝送される下りデータ、及び、前記光伝送路を介して当該システムのセンタ装置側に伝送される上りデータを、同一周波数で伝送させることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載の双方向CATVシステム。
  8. 前記分岐装置から前記加入者側同軸伝送路への分岐出力経路において、前記高周波モデムが接続される接続点よりも前記システム側同軸伝送路側には、前記加入者側情報端末から送信されてきた上り方向の高周波信号の通過を遮断及び反射するためのフィルタが設けられていることを特徴とする請求項7記載の双方向CATVシステム。
  9. 前記加入者側同軸伝送路を介して前記高周波モデムと加入者側情報端末との間で送受信される上りデータ及び下りデータの少なくとも一方の伝送周波数は、当該システムのセンタ装置側又は端末側から任意に設定可能であることを特徴とする請求項1〜請求項8何れか記載の双方向CATVシステム。
  10. 双方向CATVシステムの同軸伝送路上に設けられ、該伝送路を流れる伝送信号を加入者側同軸伝送路へと分岐させる分岐装置であって、
    通信用の光伝送路を接続可能な光電気変換手段と、
    前記加入者側同軸伝送路への分岐出力経路に接続された高周波モデムと、
    を備え、該高周波モデムと光電気変換手段とを介して、前記加入者側同軸伝送路に接続された加入者側情報端末と前記光伝送路に接続された他の通信装置との間のデータ通信を中継可能に構成されたことを特徴とする分岐装置。
  11. 前記加入者側同軸伝送路への分岐出力経路を複数に分配する分配手段を備え、
    該分配手段により分配された複数の分岐出力経路には、前記高周波モデムがそれぞれ接続され、
    該複数の高周波モデムと前記光電気変換手段とは、複数ポートを有するスイッチングハブを介して接続されたことを特徴とする請求項10記載の分岐装置。
  12. 前記スイッチングハブにおいて、前記高周波モデムが接続される各ポート間のデータ転送は禁止されていることを特徴とする請求項11記載の分岐装置。
  13. 前記スイッチングハブにおいて前記高周波モデムが接続される各ポートの通信動作を、外部からの指令に従い各ポート毎に設定するためのポート設定手段を備えたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の分岐装置。
  14. 前記高周波モデムは、前記通信データを半二重方式で変・復調することにより、加入者側情報端末との間で下りデータ及び上りデータを同一周波数で送受信するよう構成され、
    前記分岐出力経路において、前記高周波モデムの接続点よりも前記システム側同軸伝送路側には、前記加入者側情報端末から送信されてきた上りデータの通過を遮断及び反射するためのフィルタが設けられていることを特徴とする請求項10〜請求項13何れか記載の分岐装置。
  15. 前記高周波モデムが前記加入者側同軸伝送路を介して加入者側情報端末との間で送受信する下りデータ及び上りデータの周波数を、外部からの指令に従い設定する周波数設定手段を備えたことを特徴とする請求項10〜請求項13何れか記載の分岐装置。
  16. 前記システム側同軸伝送路のセンタ装置側と端末側とを接続する接続部と、前記光電気変換手段及び高周波モデムを含む分岐用の回路部とは、互いに着脱自在に構成され、前記分岐用の回路部は前記接続部に対して交換可能であることを特徴とする請求項10〜請求項15何れか記載の分岐装置。
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