JP4405204B2 - 金属ラバーガスケットのゴムビードの成形方法 - Google Patents
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Description
この金属ラバーガスケットは、図12及び図13に示すように、基板11を1枚の薄肉鋼板から構成し、燃焼室孔開口端部12の全周を折り返して第1増厚部Aを形成すると共に、基板11の外周端縁の一部を折り返して第2増厚部Cを形成し、さらに、シールが必要なシールラインに沿ってそれぞれビード14,15が形成されて構成される。上記ビードは、基板を板厚方向に屈曲してなるフルビード若しくはハーフビード状の金属ビードと、その金属ビードの凸部表面に金属ビードをほぼ等しい高さとなるように固着する弾性シール材24及び凸部裏側の凹部に充填される弾性シール材24からなるゴムビードと、から構成される。
上記金属ビードの両面に固着されるゴムビードは、モールド成形で作製される。例えば、上記金属ビードのR面に小孔21を形成しておき、ゴムビード成形時にどちらか一方の面側から流動状態の弾性シール材を注入すれば前記小孔21を通して金属ビードの他方の面側にも、弾性シール材が注入充填されて各金属ビードの両面側にゴムビードが成形される。
また、上述のように金属ビードに数多くの小孔21を開けると、金属ビードの強度が低下して弾性シール材を注入する際の高圧力で当該金属ビードが変形するおそれがある。さらに、作製した金属ラバーガスケットを対向する接合面間に取り付ける際に、シール圧を大きくする目的で強く締め付けると、金属ビード凹部内の弾性シール材が金属ビードに開けられた小孔21を通って凸部側に変形移動することで面圧の低下を起こす可能性もある。
本発明は、上記のような点に着目したもので、より簡易にゴムビードを成形可能な金属ラバーガスケットのゴムビード成形方法を提供することを課題としている。
上記金属ビードが成形された基板をゴムビード成形用の上下の金型に介挿し、金属ビードと金型との間のゴムビード成形用の空隙に対して流動状態の弾性シール材を注入して上記ゴムビードを成形する方法において、
上記基板に対して、独立した金属ビードの凹部間を、当該金属ビードより凸部高さが低いフルビード状の第2の金属ビードで連通させ、その第2の金属ビードの凹部内を通じて、独立した金属ビードの凹部間の弾性シール材の流通を可能とし、
上記第2の金属ビードは、上記基板に設けた開口に連通し、当該開口を弾性シール材の注入部とすることを特徴とするものである。
また、基板に第2の金属ビード(凹部内に弾性シール材が充填されている)が形成されるが、ビードに沿って形成された本来の金属ビードよりも凸部高さが低いことから、当該第2の金属ビードによる本来のビードのシール面圧を低下させることが防止される。
上記金属ビードが成形された基板をゴムビード成形用の上下の金型に介挿し、金属ビードと金型との間のゴムビード成形用の空隙に対して流動状態の弾性シール材を注入して上記ゴムビードを成形する方法において、
独立した各金属ビード凸部側表面側のゴムビード成形用の上記空隙同士を連通するように、上記各独立した金属ビード凸部側表面の間の基板表面と対向する金型内面に対し、流通用の溝を形成し、その溝深さを上記金属ビードの凸部の高さよりも低く設定し、
上記流通用の溝は、上記基板に開口した開口に連通し、当該開口を弾性シール材の注入部とすることを特徴とするものである。
また、基板上に上記溝形状の形状のゴムビードが形成されるが、ビードに沿って形成された金属ビードよりも凸部高さが低いことから、上記溝形状の形状のゴムビードによって、本来のビードのシール面圧を低下させることが防止される。特に、溝形状の形状のゴムビードには金属ビードが内ので圧縮変形しても発生する圧は小さい。
ここで、本発明では、ゴムビード成形後に、ゴムビードの一部に部分的な膨らみが形成される。この膨らみは、ビードの頂部の延び方向に沿ってなだらかな傾斜となるように膨らむ形状としたり、金属ビードのRの沿ってなだらかな傾斜となるように膨らましたりすればよい。
ここで、請求項4の発明と請求項3の発明を併用して、対向する部分に金型側の凹部及び金属ビードの凹部を形成するようにしても良い。この場合には、請求項3の発明によるゴムビードの膨らみ分だけその部分の金属ビードの凸部高さが低くなる結果、その部分のシール面圧を他の部分のシール面圧と同じ大きさに設定しやすくなる。
図1は、本発明の実施形態に係る金属ラバーガスケットの一例を示す要部平面図である。まず、この金属ラバーガスケットの構成を説明する。
ステンレス鋼板や軟鋼板などの薄肉金属板から基板2が構成され、その基板2には、燃焼室孔3、水孔4、オイル孔6、ボルト挿通孔5などの開口が目的に合わせて複数形成されている。
上記金属ビード10,11は、増厚部の高さよりも若干高く設定されることで、ボルト締付け時に板厚方向に弾性変形可能となっている。例えば、第1増厚部7に近い金属ビード10の凸部の高さは第1増厚部7より若干高くされ、第2増厚部12に近い金属ビード11の凸部の高さは第2増厚部12より若干高くされている。
すなわち、基板2を加工してシールラインSL1,SL2に沿って金属ビード10,11を成形した後に、その金属ビード10,11を成形した基板2を上下の金型(不図示)内に介装する。こののとき、上型の内面(下面)と基板2上面のうち金属ビード10,11の凸面との間には、凸部側のゴムビード形状の空隙がそれぞれ形成されている。また、下型の内面(上面)と、金属ビード10,11の凸部裏側の凹部表面との間にも、凹部側のゴムビード成形用の空隙が形成されている。
先ず、基板2の中央部付近であって金属ビード10,11の非成形位置の基板2部分に注入口8を設定する。この注入口8は、シール材の注入のためだけに形成しても良いが、水孔やボルト孔などの既存の開口を使用することが好ましい。
第1の方法は、図7や図8に示すように、金属ビード10,11の延在方向の一部分について、他の部分よりも凸部高さを低くなるように部分的な凹部を形成することによって、上型と金属ビード10,11の凸面との間に、頂部10a、11aを跨ぐ隙間を形成し、該隙間を流通路として確保する。図7に示すものは、頂部10a、11aを部分的に平坦に設定して上記凹部を形成したものであり、図8に示すものは、金属ビード10,11の延在方向に沿って徐徐に凸部高さを低くすることで部分的な凹部を形成した例である。なお、上記凹部を形成した部分は、相対的に面圧が低くなるおそれあるので、シールラインSL1,SL2におけるボルト締付け時に面圧が大きい部分に設けることが好ましい。
また、上記例では、金属ビード10,11としてフルビードの場合を示したが、図11のように、ハーフビードであっても良い。図11では、第2の金属ビード32を形成して流路を確保した場合を例示している。
上記のような、ゴムビードの成形方法を採用すると、注入口88から注入されたシール材は、ビードの凹面全周、凸側ビードの両側全周に1つの注入口8から同時に注入でき、独立ビード間を繋ぐ第2の金属ビード32や溝30の本数を増やすことで、注入時間を短縮でき効率の良い省資源の安価なガスケットが提供できる。
2 基板
3 燃焼室孔
4 水孔
5 ボルト挿通孔
6 オイル孔
7 第1増厚部
8 シール材の注入口
10 金属ビード
10a 頂部
11 金属ビード
11a 頂部
12 第2増厚部
20a 凹部側の弾性シール材
20b 凸部側の弾性シール材
20c 弾性シール材の膨らみ部分
31 溝内の弾性シール材
32 第2の金属ビード
33 第2の金属ビード内の弾性シール材
SL1 開口部側のシールライン
SL2 外周側のシールライン
A 型に設ける溝位置
Claims (4)
- 薄肉金属板を基板とし、該基板に対し気体や液体が流通する孔やボルト孔を形成する開口が複数設けられ、シールが必要な開口の外周を囲むように延びるように複数条のビードが形成され、上記各ビードは、それぞれ上記基板を板厚方向に屈曲して一方の面側に凸状に成形してなる金属ビードと、上記金属ビードの凸部側表面に固着すると共にその凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードの変形と共に板厚方向に圧縮変形する弾性シール材からなるゴムビードと、の組合せで構成される金属ラバーガスケットにおける、上記ゴムビードの成形方法であって、
上記金属ビードが成形された基板をゴムビード成形用の上下の金型に介挿し、金属ビードと金型との間のゴムビード成形用の空隙に対して流動状態の弾性シール材を注入して上記ゴムビードを成形する方法において、
上記基板に対して、独立した金属ビードの凹部間を、当該金属ビードより凸部高さが低いフルビード状の第2の金属ビードで連通させ、その第2の金属ビードの凹部内を通じて、独立した金属ビードの凹部間の弾性シール材の流通を可能とし、
上記第2の金属ビードは、上記基板に設けた開口に連通し、当該開口を弾性シール材の注入部とすることを特徴とする金属ラバーガスケットのゴムビードの成形方法。 - 薄肉金属板を基板とし、該基板に対し気体や液体が流通する孔やボルト孔を形成する開口が複数設けられ、シールが必要な開口の外周を囲むように延びるように複数条のビードが形成され、上記各ビードは、それぞれ上記基板を板厚方向に屈曲して一方の面側に凸状に成形してなる金属ビードと、上記金属ビードの凸部側表面に固着すると共にその凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードの変形と共に板厚方向に圧縮変形する弾性シール材からなるゴムビードと、の組合せで構成される金属ラバーガスケットにおける、上記ゴムビードの成形方法であって、
上記金属ビードが成形された基板をゴムビード成形用の上下の金型に介挿し、金属ビードと金型との間のゴムビード成形用の空隙に対して流動状態の弾性シール材を注入して上記ゴムビードを成形する方法において、
独立した各金属ビード凸部側表面側のゴムビード成形用の上記空隙同士を連通するように、上記各独立した金属ビード凸部側表面の間の基板表面と対向する金型内面に対し、流通用の溝を形成し、その溝深さを上記金属ビードの凸部の高さよりも低く設定し、
上記流通用の溝は、上記基板に開口した開口に連通し、当該開口を弾性シール材の注入部とすることを特徴とする金属ラバーガスケットのゴムビードの成形方法。 - 金属ビードの凸部頂部と対向する金型内面の少なくとも一部に、当該金属ビードの凸部頂部との間に隙間が形成されるように当該金型内面に凹部を設けておくことで、金属ビードの凸部頂部を跨いで弾性シール材を流通可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属ラバーガスケットのゴムビードの成形方法。
- 金属ビードの凸部頂部の少なくとも一部に凹部を形成することで、対向する金型内面と当該金属ビードの凸部頂部との間に隙間を形成して、金属ビードの凸部頂部を跨いで弾性シール材を流通可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属ラバーガスケットのゴムビードの成形方法。
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