JP4403660B2 - グロメット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はグロメットに関し、詳しくは、自動車に配索するワイヤハーネスに組みつけて、車体パネルの貫通穴に装着し、貫通穴の挿通部分におけるワイヤハーネスの保護および防水、防塵を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンルームから車室側へ配索されるワイヤハーネスにはグロメットを装着して、エンジンルームと車室とを仕切る車体パネルの貫通穴にグロメットを取り付けて、貫通穴を通るワイヤハーネスの保護およびエンジンルーム側から車室への防水、防塵、遮音を図っている。
【0003】
この種のグロメットとして、図7に示すようなグロメット6が提供されている。該グロメット6はゴムあるいはエラストマーにより一体成形されており、小径筒部7と、該小径筒部7に連続する拡径筒部8とを備え、拡径筒部8の大径側の外周面には車体係止凹部9を設けており、車体係止凹部9の溝9bを挟む両側壁は、大径側が垂直壁9cで、対向する小径側は傾斜壁9aとしている。この車体係止凹部9は全周にかけて均一な形状とし、拡径筒部8の外周面から突出する傾斜壁9aの高さは全周で一定とされ、溝深さはL0とされている。
【0004】
上記グロメット6の車体パネルPへの装着方法は、図8に示すように、小径筒部7および拡径筒部8の中空部にワイヤハーネスW/Hを通し、小径筒部7の先端側でテープTにて固着して、車体パネルPの車外側(M)よりグロメット6を押し潰しながら車体パネルPの貫通穴Hを通して車室側(N)に傾斜壁9aまで押し込んでしまい、その後、引き戻して、傾斜壁9aを内方へ撓ませて貫通穴Hを通過させ、貫通穴Hの周縁部を溝9bに落とし込んで係止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したグロメット6の場合、図9に示すように、グロメット6が斜めに引っ張られると、一方側の拡径筒部8が過度に押圧され、本来は内方へと撓ませるべき傾斜壁9aが外方へと反り返る現象が発生し、その傾斜壁9aが車体パネルPの内周面と当接して引っ掛かった状態となる。このような状態になると、グロメット6の貫通穴Hへの挿通作業に要する引っ張り力が大きく増大する。
【0006】
グロメット6を真っすぐに引っ張る場合および引っ掛かった状態になると左右、上下に振ってグロメット6の姿勢を矯正できるスペースがあると問題はないが、スペース上の制限があることも多く、斜め方向にしか作業スペースが無い場合も存在する。よって、斜め引っ張りにより車体係止溝を貫通穴にスムーズに係止できるグロメットが望まれる。
【0007】
先に、本出願人は、特開平10−12072号公報において、グロメットの傾斜部の外面の一方側に線状凸部を設け、該線状凸部により貫通穴の縁端部をガイドすることで斜め引っ張り時の引っ張り力を低減しているグロメットを提供している。
しかし、作業者は、まず、該グロメットの係止部の一部を開口部の縁端部に引っ掛けてから取付作業をしなければならないという作業手順上の制約が存在し、この手順を間違えれば線状凸部が存在しない側の傾斜部が開口部の縁端部により押圧され、該傾斜部の大径側が反り返る現象が発生する。また、該グロメットの金型製作については、金型に上記線状凸部形成用の溝を設けるだけでよいが、さらに、簡単な形状として金型の製作コストを抑えることも望まれる。
【0008】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、グロメットの電線群を密着して挿通する小径の電線挿通筒部が車体係止溝を設けた拡径筒部に対して傾斜している場合に、該グロメットの挿入時に出来るだけ装着手順に制約を設けず、かつ、引っ張り力を低減し、容易に車体パネルに係止でき、しかも、グロメットの金型製作コストを抑えることができるようにすることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、車体パネルに穿設した貫通穴に挿通するワイヤハーネスに取り付けるゴムあるいはエラストマーからなる屈折したグロメットであり、該グロメットは、小径な電線挿通筒部と、該電線挿通筒部に連続した拡径筒部を備え、該拡径筒部の大径開口端側の外周面に、上記電線挿通筒部側の傾斜壁と先端側垂直壁とで挟んだ環状の車体係止溝を備え、上記電線挿通筒部の軸線拡径筒部の軸線に対して斜め方向へ屈折、上記ワイヤハーネスを取り付けて車体パネルの貫通穴に挿通時に上記屈折方向に上記電線挿通筒部を引っ張ると、前記車体パネルの貫通穴周縁が前記屈折側の傾斜壁を押圧して、屈折側と反対側の傾斜壁より上記貫通穴を通過しにくくなるグロメットにおいて、
上記環状の車体係止溝を挟んで環状に設ける上記傾斜壁は、上記屈折側の傾斜壁は拡径筒部の外周面からの突出量(H2)は小さくすると共に、屈折方向と反対方向に対向する側の傾斜壁の突出量(H1)が大きくなるように連続させ、該傾斜壁の軸芯を上記屈折方向と反対方向へ拡径筒部の軸芯よりずらせて偏心させ、かつ、
上記貫通穴の内径と略同一の外径となる上記傾斜壁の基端位置に節度用段部を設けていることを特徴とするグロメットを提供している。
【0010】
上記構成とすると、上記グロメットを上記電線挿通筒部の屈折側の方向に引っ張り車体パネルに装着する際に、電線挿通筒部が屈折している側においては、上記貫通穴の周縁部が上記拡径筒部を内方に強く押圧するように、つまり、上記貫通穴が傾斜壁を通過しづらいように力が働くが、該傾斜壁の突出量を小としているので、少ない力で貫通穴の周縁部は上記傾斜壁を通過できる。
一方、対向する側では、上記貫通穴の周縁部が傾斜壁を傾倒させ乗り越える方向に力が働くので、上記傾斜壁の突出量を大としても、少ない力で十分に上記貫通穴の周縁部は上記傾斜壁を通過することができる。
よって、斜め引っ張りによる装着の際の引っ張り力を低減し、容易に上記車体係止溝にて上記貫通穴を係止できる。
【0011】
また、上記電線挿通筒部の軸線と拡径筒部の軸線とを屈折させているので、ワイヤハーネスを屈折して配索することができると共に、作業者は、上記電線挿通筒部の軸線方向にグロメットを引っ張ればよいことが一目でわかり、引っ張るべき向きを間違えることもない。
【0012】
さらに、上記グロメットは、単に斜めに引っ張ればよく装着手順上の制約も殆ど存在しない。また、上記グロメットの形状は、拡径筒部の外周に円環状に突設される傾斜壁の軸芯を拡径筒部の軸芯よりずらせて偏心させるだけで、特異な形状部分を必要としていないので、金型製作コストも最小限に抑えられている。
【0013】
上記傾斜壁の基端部外径は上記貫通穴の内径と略同一とし、かつ、該傾斜壁の基端部の軸芯位置と、該傾斜壁より上記大径開口端までの軸芯位置とを偏心させて、該偏心させた軸線位置を電線挿通筒部の屈折方向と逆方向へ偏位させ、上記車体係止溝の垂直壁と傾斜壁に挟まれた溝深さは全周で一定としている。
【0014】
電線挿通筒部の屈折している側において、単に、傾斜壁の突出量を小とすると、車体係止溝の傾斜壁の突出端から溝底面までの深さが浅くなるが、上記のように、傾斜壁の基端部の軸芯位置に対して、傾斜壁から先端開口にかける部分の軸芯位置を偏心させ、電線挿通筒部の屈折方向と逆方向へ偏位させることにより、車体係止溝においては垂直壁と傾斜壁に対する溝の深さを全周にわたり一定にすることが可能となる。よって、貫通穴の周縁部を係止している際の保持力を全周にわたって略均一に維持することができる。
【0015】
また、上記傾斜壁の基端部外径は上記貫通穴の内径と略同一とすることで、作業者は、上記貫通穴の周縁部が上記基端部に達するまでは殆ど力を必要としない。そして、貫通穴の周縁部が上記基端部に当接する時点からは、傾斜壁を内方へと撓ませて引っ張る必要があるため、作業者は力を込めて引っ張るが、傾斜壁を通過するときのみ力を入れればよいので、効率のよい装着作業を行うことができる。
【0016】
また、上記貫通穴の内径と略同一の外径となる傾斜壁の基端位置の上記屈折側に節度用段部を設けている。
該構成とすると、作業者は、上記貫通穴の周縁部が上記節度用段部に到達するまでは殆ど力を必要としないと共に、上記周縁部が上記節度用段部に当接する時点で、作業者に節度感を発生させる。作業者は、その節度感が発生した時点で一気に引っ張ればよいことがわかり、さらに作業効率が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明のグロメット1の構造を図1乃至図4に示している。
グロメット1はゴム(あるいはエラストマー)で一体成形しており、小径な電線挿通筒部2と、該電線挿通筒部2に連続させ、かつ、該電線挿通筒部2の軸線方向Rと屈折する軸線方向Xを有する拡径筒部4と、該拡径筒部4の大径開口端側の外周面に環状に存在する車体係止溝5と、上記電線挿通筒部2の外周面と上記拡径筒部4の外周面とが最も近接する空間に、上記電線挿通筒部2の外周面と上記拡径筒部4の外周面とに連続するよう水かき状に設けられた三角片3とからなる。
【0018】
電線挿通筒部2は、第1の小径筒部2aと、該第1の小径筒部2aに連続する拡径段部2bと、該拡径段部2bに連続する第2の小径筒部2cとからなり、該第1の小径筒部2aの内周面には環状に3つの突条部2dを設けている。
【0019】
車体係止溝5は、傾斜壁5aと先端側垂直壁5cとで挟まれる溝5bからなり、先端側垂直壁5cの溝側面5c―1は、軸線方向Xに垂直な方向Yに対してθだけ傾斜し、該溝側面5c−1の外径端にはシールリップ5c―2を環状に軸線方向Xに突設している。また、上記溝5bには環状の肉抜部5b−1、5b−3を設けることで環状にシールリップ5b−2を突設している。
【0020】
また、傾斜壁5aの基端部5a−1の軸芯位置C1と、シールリップ5b−2を挟む傾斜壁5aより上記大径開口端までの軸芯位置C2とを偏心させて、該偏心させた軸線位置C2を電線挿通筒部2の屈折方向と逆方向へδだけ偏心させて、屈折側の傾斜壁5a−2の突出量H2とその対向する側の傾斜壁5a−1の突出量H1との関係をH2<H1としている。
【0021】
また、単に、屈折側の傾斜壁5a−2の突出量H2を小としているのではなく、上記シールリップ5b−2を含む傾斜壁5aから大径開口にかける軸芯位置C2を電線挿通筒部2の屈折方向と逆方向へ偏心させているので、屈折側の車体係止溝5の溝5bの深さL2と、その対向する側の車体係止溝5の溝5bの深さL1が同一となり、この深さL1は前記図7に示す従来のグロメット6の車体係止凹部9の溝9bの深さL0と同一としている。即ち、L2=L1=L0の関係に保っている。
【0022】
さらに、上記シールリップ5b―2の軸芯位置C2を電線挿通筒部2の屈折方向と逆方向へ偏心させ、かつ、グロメット1の内周面を滑らかに連続させることで、屈折側の拡径筒部4の肉厚T2とその対向する側の拡径筒部4の肉厚T1との関係を、T2>T1としている。
【0023】
また、車体パネルPの貫通穴Hの内径と略同一の外径となる傾斜壁5aの基端部には、拡径筒部4の外周面を切り欠くように節度用段部4aを設けている。
【0024】
次に、グロメット1の車体パネルPへの装着作業について図5を参照して説明する。
ワイヤハーネスW/Hをグロメット1の電線挿通筒部2と拡径筒部4の中空部に挿通させ、第1の小径筒部2aとテープTにて固着する。そして、図5の白矢印方向に手でグロメット1を押し潰しながら、グロメット1の大径側から貫通穴Hを通して押し込み、一端、車室側(N)に移動させる。
【0025】
次いで、グロメット1の電線挿通筒部2側を車外側(M)へ引き戻す。この際、車体パネルPの貫通穴Hの内径と同じ外径となる節度用段部4aに貫通穴Hの周縁部が到達するまでは、殆ど引っ張り力を必要とせず、貫通穴Hが上記節度用段部4aに当接すると、そこで作業者に節度感を発生させる。
【0026】
作業者はこの節度位置から、斜めに引っ張ることで、つまり、電線挿通筒部2の屈折側にグロメット1を引っ張ることで、貫通穴Hの周縁部は傾斜壁5aを内方へ撓ませて傾斜壁5aを通過し、溝5bに落とし込まれ傾斜壁5aと先端側垂直壁5cに挟まれるように係止される。
【0027】
上記斜め引っ張りの際には、貫通穴Hの周縁部が上記節度用段部4aに当接した時点で、車体パネルPにはグロメット1の引っ張り力に対する反発力F1、F2が、図6の細線矢印で示される方向に生じることとなる。
拡径筒部4の軸線方向をX、該拡径筒部4の軸線方向Xに垂直な方向をYとすると、電線挿通筒部2が屈折している側の車体パネルPに生じる反発力F2のX方向成分はX2、Y方向成分はY2に分解される。
反発力F2のY方向成分Y2により、貫通穴Hの周縁部には傾斜壁5a−2の突出方向と逆方向に力が働くが、傾斜壁5a−2の突出量H2を小としているので、反発力F2のX方向成分X2により、少ない引っ張り力で十分に傾斜壁5a−2を通過することができる。また、傾斜壁5a−2の外面を節度用段部4aから滑らかに連続させているので、貫通穴Hは傾斜壁5a−2をスムーズに通過することができる。
【0028】
一方、電線挿通筒部2が屈折している側に対向する側の車体パネルPに生じる反発力F1のX方向成分はX1、Y方向成分はY1に分解される。
反発力F1のY方向成分Y1により、貫通穴Hの周縁部には傾斜壁5a―1の突出方向に力が働き、かつ、反発力F1のX方向成分X1により、傾斜壁5a−1を傾倒させ、通過する方向に力が働くので、傾斜壁5a−1の突出量H1を大としても、貫通穴Hの周縁部は十分に傾斜壁5a―1を通過することができる。よって、斜め引っ張りによるグロメット1の車体パネルPへの装着の際の引っ張り力を低減し、容易に上記車体係止溝5にて貫通穴Hを係止することができる。
【0029】
また、反発力F2のY方向成分Y2は、貫通穴Hの周縁部が拡径筒部4を強く押圧する方向に働くが、傾斜壁5aの基端部の軸芯位置C1に対して、車体係止溝5の溝5bの底面に突設したシールリップ5b−2の軸芯位置C2を電線挿通筒部2の屈折方向と逆方向へδだけ偏位させ、かつ、拡径筒部4の内周面を滑らかに連続させることで、電線挿通筒部2の屈折側の拡径筒部4の肉厚T2を厚く設けているので、車体パネルPの周縁部により拡径筒部4が過度に押圧され局所的に撓むことによる傾斜壁5aの反り返り現象が起こりにくくなり、グロメット1の引っ張り力をさらに低減することができる。
【0030】
また、屈折側の溝5bの深さL2、その対向する側の溝5bの深さL1および従来のグロメット6の車体係止凹部9の溝9bの深さL0の関係を、L2=L1=L0に保っているので、傾斜壁5aの突出量を小としている側で車体係止溝5の溝5bの深さL2が浅くなることを防ぐことができ、車体係止溝5よって貫通穴Hを係止している際の保持力を全周にわたって均一に維持することができる。さらに、貫通穴Hの周縁部は上記溝5bのシールリップ5b−2と当接し、車体パネルPの内周面は先端側垂直壁5cのシールリップ5c−2と当接するので、防水性が確保されている。
【0031】
また、電線挿通筒部2の軸線方向Rと拡径筒部4の軸線方向Xとを屈折させているので、ワイヤハーネスW/Hを屈折して配索することができると共に、作業者は、電線挿通筒部2の軸線方向Rにグロメット1を引っ張ればよいことが一目でわかり、引っ張るべき向きを間違えることもない。
【0032】
さらに、上記グロメット1は、従来のグロメットに見られたような装着手順上の制約も殆ど存在せず、また、従来のグロメットの拡径筒部の外面に設けた線状凸部のように、特異な部分を必要としていないので、金型製作コストも最小限に抑えられている。
【0033】
また、上記傾斜壁5aの突出量H1、H2の設定について、上記電線挿通筒部2の屈折角度が大きくなるにしたがって、つまり、引っ張り角度がより斜めになるにつれて、上記各突出量の差H1−H2を大きくなるようにすると好適である。
なお、実施形態では、下向きに引っ張る場合を示しているが、上向きのみ、左右いずれか一方にのみ引っ張る場合にも、上記実施形態と同様な構成としている。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のグロメットによれば、電線挿通筒部の屈折側方向の引っ張りよる車体パネルへの装着作業に際し、電線挿通筒部が屈折している側、つまり、上記貫通穴の周縁部が傾斜壁を通過しづらい側で、該傾斜壁の突出量を小とし、一方、その対向する側、つまり、上記貫通穴の周縁部が傾斜壁を通過し易い側では、該傾斜壁の突出量を大とすることで、少ない力で貫通穴の周縁部が傾斜壁を通過でき、引っ張り力を低減することができる。
【0035】
また、傾斜壁の基端部の軸芯位置よりも、上記車体係止溝の溝底面に突設したシールリップの軸芯位置を電線挿通筒部の屈折方向と逆方向へ偏位させると、傾斜壁の突出量を小とする側で車体係止溝の深さが浅くなることを防ぐことができ、車体係止溝によって貫通穴を係止している際の保持力を全周にわたって均一に維持することができる。
【0036】
また、上記貫通穴の内径と略同一の外径となる傾斜壁の基端位置に節度用段部を設けると、上記貫通穴の周縁部が上記節度用段部に到達した時点で、作業者に節度感を発生させるので、作業者は、そこから一気に引っ張ればよいことがわかるので、効率のよい装着作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のグロメットの正面図である。
【図2】 本発明のグロメットのI−I線断面図である。
【図3】 (A)は本発明のグロメットの屈折側と逆方向側の車体係止溝付近の拡大断面図で、(B)は屈折側の車体係止溝付近の拡大断面図である。
【図4】 本発明のグロメットの斜視図である。
【図5】 本発明のグロメットの車体パネルへの装着手順を示した図面である。
【図6】 本発明のグロメットの引っ張り力に対する車体パネルの反発力の作用状態を示す断面図である。
【図7】 従来のグロメットの断面図である。
【図8】 従来のグロメットの貫通穴挿通状態を示す図面である。
【図9】 従来のグロメットの斜め挿入時の問題点を示す図面である。
【符号の説明】
P 車体パネル
H 貫通穴
W/H ワイヤハーネス
1 グロメット
2 電線挿通筒部
4 拡径筒部
4a 節度用段部
5 車体係止溝
5a 傾斜壁
5b 溝
5c 先端側垂直壁

Claims (2)

  1. 車体パネルに穿設した貫通穴に挿通するワイヤハーネスに取り付けるゴムあるいはエラストマーからなる屈折したグロメットであり、該グロメットは、小径な電線挿通筒部と、該電線挿通筒部に連続した拡径筒部を備え、該拡径筒部の大径開口端側の外周面に、上記電線挿通筒部側の傾斜壁と先端側垂直壁とで挟んだ環状の車体係止溝を備え、上記電線挿通筒部の軸線拡径筒部の軸線に対して斜め方向へ屈折、上記ワイヤハーネスを取り付けて車体パネルの貫通穴に挿通時に上記屈折方向に上記電線挿通筒部を引っ張ると、前記車体パネルの貫通穴周縁が前記屈折側の傾斜壁を押圧して、屈折側と反対側の傾斜壁より上記貫通穴を通過しにくくなるグロメットにおいて、
    上記環状の車体係止溝を挟んで環状に設ける上記傾斜壁は、上記屈折側の傾斜壁は拡径筒部の外周面からの突出量(H2)は小さくすると共に、屈折方向と反対方向に対向する側の傾斜壁の突出量(H1)が大きくなるように連続させ、該傾斜壁の軸芯を上記屈折方向と反対方向へ拡径筒部の軸芯よりずらせて偏心させ、かつ、
    上記貫通穴の内径と略同一の外径となる上記傾斜壁の基端位置に節度用段部を設けていることを特徴とするグロメット。
  2. 上記傾斜壁の基端部外径は上記貫通穴の内径と略同一とし、かつ、該傾斜壁の基端部の軸芯位置と、該傾斜壁より上記大径開口端までの軸芯位置とを偏心させて、該偏心させた軸芯位置を電線挿通筒部の屈折方向と逆方向へ偏位させ、上記車体係止溝の垂直壁と傾斜壁に挟まれた溝深さは全周で一定としている請求項1に記載のグロメット。
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