JP4403630B2 - 電源回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリから電源供給を受けて直流定電圧を生成し、外部装置に供給する電源回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、自動車に搭載される車載用電装品に、バッテリから供給される直流電源により定電圧電源を作成して供給する車載用電源回路装置の一構成例であり、例えば、特開平11−161348号公報などに開示されているものである。バッテリ1の正側端子は、イグニッションキースイッチ(以下、キースイッチと称す)2及びECU100の入力端子100aを介して,ECU100内部の電源IC部3の電源入力端子+Bに接続されていると共に、入力端子100b及びダイオード4を介して電源IC部3の電源入力端子Battに接続されている。
【0003】
電源入力端子+Bとグランドとの間には、ロードダンプ保護用のパワーツェナーダイオード5が接続されており、電源入力端子+BとBattとの間には、ダイオード6が接続されている。このダイオード6は、ダイオード4を介した電源供給経路が何らかの原因によって開放状態となった場合でも、キースイッチ2を介した経路で電源入力端子Battに電源を供給するために設けられている。また、ダイオード4は、バッテリ1の端子接続を誤った場合に、バッテリ1,グランド,パワーツェナーダイオード5及びダイオード6を介した経路で短絡ループが形成されて電流が逆流するのを阻止するために設けられている。
【0004】
電源入力端子+Bは、具体的には図示しないが、電源IC部3の内部においてキースイッチ2がオンとなった場合にのみ機能する構成部分に電源を供給するための端子である。一方、電源入力端子Battは、キースイッチ2がオフである場合でも、例えばRAMなどにバックアップ用の電源を供給するための端子である。
【0005】
電源IC部3の内部において、電源入力端子Battとグランドとの間には、定電流源7と、7個のダイオード8〜14を直列に接続して構成される定電圧回路15との直列回路が接続されている。また、電源入力端子Battには、NPN型のトランジスタ16のコレクタが接続されており、そのトランジスタ16のベースは、定電流源7と定電圧回路15との共通接続点に接続されている。そして、トランジスタ16のエミッタとグランドとの間には、バンドギャップ回路17が接続されている。尚、定電圧回路15は、バンドギャップ回路17に供給するバイアス電圧に上限を設定するために設けられている。また、定電流源7,定電圧回路15及びトランジスタ16は、バイアス電圧供給回路18を構成している。
【0006】
バンドギャップ回路17は、トランジスタの材質に応じて決定されるバンドギャップ電圧VBG(例えば、シリコンの場合は1.2V程度)を生成して出力する回路である。バンドギャップ回路17の出力端子とグランドとの間には、抵抗19及び20の直列回路が接続されており、バンドギャップ回路17並びに抵抗19及び20によって基準電圧発生回路21が構成されている。抵抗19及び20の共通接続点には基準電圧Vref が出力されるようになっており、その共通接続点はオペアンプ22の非反転入力端子に接続されている。
【0007】
オペアンプ22は、電源入力端子Battより電源供給を受けるようになっており、その反転入力端子は、抵抗23を介してグランドに接続されていると共に、抵抗24を介してオペアンプ22の出力端子に接続されている。その出力端子には、出力電圧Vout が現れるようになっている。
【0008】
図6は、バンドギャップ回路17の内部構成を示すものである。即ち、NPN型のトランジスタ16のエミッタには、抵抗25,26を介してトランジスタ27,28のコレクタが夫々接続されている。これらのトランジスタ27,28のベースは、トランジスタ27のコレクタに共通に接続されており、トランジスタ27のエミッタはグランドに直結され、トランジスタ28のエミッタは抵抗29を介してグランドに接続されている。
【0009】
また、トランジスタ28のコレクタには、NPN型のトランジスタ30のベースが接続されており、そのトランジスタ30のコレクタはトランジスタ16のエミッタに接続され、トランジスタ30のエミッタはグランドに接続されている。そして、トランジスタ30のコレクタ−エミッタ間には、前述した抵抗19及び20の直列回路が接続されている。
【0010】
このバンドギャップ回路17におけるバンドギャップ電圧VBGの生成原理を、以下概略的に述べる。バンドギャップ電圧VBGは(1)式で表される。
VBG=VBE(T30) +V(R26) …(1)
ここで、VBE(T30) はトランジスタ30のベースエミッタ間電圧であり、V(R26) は、抵抗26の端子電圧である。ここで、抵抗25,26及び29の抵抗値を夫々R1,R2及びR3とすると、V(R26) は(2)式で表される。
但し、ΔVBEは、トランジスタ25,26のベースエミッタ間電圧の差電圧である。
【0011】
ここで、トランジスタ26のエミッタ接合面積が、トランジスタ25のエミッタ接合面積のN倍に形成されている場合、ΔVBEは(3)式のように表される。
尚、kはボルツマン定数,Tは絶対温度,qは電子の電荷量、IC (T25) ,IC (T26) はトランジスタ25,26のコレクタ電流,Is はトランジスタ25の飽和電流である。
【0012】
バンドギャップ回路17においてR1=R2に設定するとIC (T25) =IC (T26) となるので、ΔVBEは(4)式となる。
ΔVBE=(kT/q)ln(N) …(4)
従って、バンドギャップ電圧VBGは(5)式となる。
VBG=VBE(T30) +R2/R3・(kT/q)ln(N) …(5)
【0013】
(5)式において、第1項はおよそ−2mV/℃の負の温度特性を有し、第2項は、絶対温度Tに比例する正の温度特性を有する。従って、抵抗値R2,R3の比率やエミッタ接合面積比Nを適宜調整することにより、温度の影響によるバンドギャップ電圧VBGの変動を小さく抑えることが可能となる。
【0014】
そして、基準電圧Vref は、抵抗19,20の抵抗値をR4,R5とすると、(6)式で表され、
Vref =R5・VBG/(R4+R5) …(6)
オペアンプ22の出力電圧Vout は、抵抗23,24の抵抗値をR6,R7とすると(7)式で表される。
Vout =R6・Vref /(R6+R7) …(7)
以上のように生成された定電圧Vout が、ECU100等の制御用電源等として供給されるようになっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車では、キースイッチ2がオンされると、そのキースイッチ2を介してバッテリ1に接続されている多くの電装品が動作を開始するため、バッテリ1の電圧自体が低下する。そして、バッテリ1の電圧が低下することによって基準電圧発生回路21が生成出力する基準電圧Vref までもが低下すると、オペアンプ22を介して動作用電源の供給を受けている電装品が誤動作してしまうおそれがある。従って、バッテリ1の電圧が低下した場合でも、基準電圧Vref のレベルが極力低下しないようにすることが望ましい。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリの電圧が低下した場合でも、基準電圧の低下を極力防止することができる電源回路装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電源回路装置によれば、バイパス回路は、バッテリの端子電圧が第1定電圧回路によって発生される定電圧を下回った場合に、バイアス電圧供給回路に代わって基準電圧発生回路にバイアス電圧を供給する。即ち、バッテリと第1電源入力端子との間には、例えば保護機能などが付与されている回路部が配置されており、第1電源入力端子の端子電圧は、その回路部を介すことにより電圧降下を生じている。そのため、バッテリの電圧が低下して定電圧回路が定電圧を発生できなくなった場合に、バイパス回路を機能させることで、第2電源入力端子を介して前記電圧降下の影響を受けないバイアス電圧を基準電圧発生回路に供給することが可能となる。従って、基準電圧発生回路は、バッテリの電圧が瞬時に低下した場合でも、従来よりも確実に適正な基準電圧を発生することができ、定電圧出力回路は、その基準電圧に基づいて外部供給用の定電圧電源を生成出力することができる。
【0018】
この場合、バイアス電圧供給回路を第1定電流源,第1定電圧回路及び第1バイアス電圧供給用素子により構成し、バイパス回路を第2定電流源,第2定電圧回路及び第2バイアス電圧供給用素子により構成する。即ち、バイアス電圧供給回路とバイパス回路とは、第1,第2定電圧回路の夫々が発生する定電圧が異なるだけで基本的には対称に構成されるので、バイパス回路は、バイアス電圧供給回路に代わって略同様にバイアス電圧供給作用をなすようになる。そして、第2定電圧回路は、第1定電圧回路が発生する定電圧よりも回路部による電圧降下分だけ低い定電圧を発生するので、その電圧降下分を補償するようにバイパス回路を動作させることができる。
【0019】
請求項2記載の電源回路装置によれば、第1,第2バイアス電圧供給用素子を第1,第2トランジスタで構成する。即ち、第1電源入力端子の端子電圧VBattが第1定電圧回路により発生される定電圧V1を上回っている場合、第1トランジスタのベース電位は定電圧V1に等しく、基準電圧発生回路には、定電圧V1から第1トランジスタのベースエミッタ間電圧VBEを差し引いたバイアス電圧 (V1−VBE)が供給される。
【0020】
ここで、第2定電圧回路により発生される定電圧をV2とする。バッテリ電圧が低下して、端子電圧VBattがV2<VBatt<V1の範囲になると、第1定電圧回路は定電圧V1を発生できなくなり、基準電圧発生回路には、バイアス電圧 (VBatt−VBE)が供給される。
【0021】
そして、バッテリ電圧が更に低下して端子電圧VBatt=V2,になったとする。この時、第2電源入力端子の端子電圧V+Bは、端子電圧VBattよりも回路部の電圧降下分だけ高い電位となっているので、第2トランジスタのベース電位は定電圧V2に等しくなる。するとバイパス回路が動作して、基準電圧発生回路には、定電圧V2から第2トランジスタのベースエミッタ間電圧VBEを差し引いたバイアス電圧(V2−VBE)が供給される。尚、バイアス電圧供給回路は、VBatt<V2となった時点で第1トランジスタがオフするため動作を停止する。以降、端子電圧V+B>V2である期間はこの状態が維持される。
【0022】
それから、バッテリ電圧が更に低下して端子電圧V+B<V2,になると、第2定電圧回路は定電圧V2を発生できなくなり、基準電圧発生回路には、バイアス電圧(V+B−VBE)が供給される。
従って、VBatt<V2の範囲ではバイパス回路が動作することで、回路部における電圧降下の影響を受けないバイアス電圧を基準電圧発生回路に供給することができる。
【0023】
請求項3記載の電源回路装置によれば、第1及び第2定電圧回路を、複数のダイオードの直列接続により構成するので、各定電圧を、ダイオードの順方向電圧を単位として容易に調整することができる。
【0024】
請求項4記載の電源回路装置によれば、回路部を、バッテリと第1電源入力端子との間に順方向接続されるダイオードとする。即ち、このようなダイオードは、例えばバッテリを逆極性で接続した場合等に逆方向電流が流れることを阻止するために用いられる。従って、斯様に構成すれば、バイパス回路によってダイオードの順方向電圧分の電圧降下を補償することができる。
【0025】
請求項5記載の電源回路装置によれば、第2電源入力端子とグランドとの間に保護用ツェナーダイオードを接続し、第2電源入力端子と第1電源入力端子との間にバイパス用ダイオードを接続する。即ち、電源回路装置が例えば車載用である場合には、車両の走行中に何らかの原因によってバッテリの端子との接続が外れてしまう(ロードダンプ)と、オルタネータの負荷が急減することにより正極性のサージ電圧が発生する。そのようなサージ電圧からの保護対策として保護用ツェナーダイオードが配置されることが多い。また、何らかの原因によってバッテリと第1電源入力端子との間の接続が外れた場合でも、第2電源入力端子にバッテリからの電源を供給するために、バイパス用ダイオードが配置されることがある。
【0026】
すると、これらのダイオードが存在することにより、バッテリが逆極性で接続されると、バッテリの正側端子,グランド、保護用ツェナーダイオード,バイパス用ダイオード,バッテリの負側端子の経路で電流が流れてしまう。そのため、バッテリと第1電源入力端子との間に逆流阻止用ダイオードを配置する必要があり、斯様な構成では、第2電源入力端子の端子電圧が前記ダイオードの順方向電圧分だけ低下することが不可避である。従って、このように車載用の回路装置などに適用が想定される場合にも、バイパス回路によって逆流阻止用ダイオードによる電圧降下を補償することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明を車載用の電源回路装置に適用した場合の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。尚、図5及び図6と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。本実施例における電源IC部31の構成は、従来構成の電源IC部3に、定電流源(第2定電流源)32,トランジスタ(第2バイアス電圧供給用素子)33,6個のダイオード34〜39を直列接続して構成される定電圧回路(第2定電圧回路)40を加えたものである。
【0028】
即ち、電源入力端子+B(第2電源入力端子)とグランドとの間には、電流源32と定電圧回路40との直列回路が接続されている。また、電源入力端子+Bには、NPN型のトランジスタ33のコレクタが接続されており、そのトランジスタ33のエミッタは、基準電圧発生回路21(バンドギャップ回路17)の電源入力端子に接続されている。尚、電流源32,トランジスタ33及び定電圧回路40は、バイパス回路41を構成している。また、オペアンプ(定電圧出力回路)22以降の構成については図示を省略している。
以上のように構成される電源IC部31を含んで、ECU101が構成されている。その他の構成は、図5及び図6と同様である。
【0029】
次に、本実施例の作用について図2をも参照して説明する。電源入力端子Batt(第1電源入力端子)の端子電圧をVBatt,電源入力端子+Bの端子電圧をV+Bとすると、V+Bはバッテリ1の端子電圧に等しいが、端子電圧VBattは(8)式で表される。
VBatt=V+B−VF …(8)
ここで、VF はダイオード4(回路部)の順方向電圧である。
【0030】
以下、場合分けして動作を説明する。
▲1▼(V+B>8・VF )
バッテリ1の通常使用状態における端子電圧は12V〜14V程度であるから、通常はこの▲1▼の範囲にある。この時、(8)式よりVBatt>7・VF である。バイアス電圧供給回路18において、定電圧回路(第1定電圧回路)15の定電圧V1は、ダイオード8〜14の直列接続数が7個であるからV1=7・VF であり、トランジスタ(第1バイアス電圧供給用素子)16のベース電圧VB1=V1であるから、
VB1=7・VF …(9)
となっている。
【0031】
一方、バイパス回路41側では、定電圧回路40のダイオード34〜39の直列接続数が6個であるから定電圧V2=6・VF であり、トランジスタ33のベース電圧VB2=V2であるから、
VB2=6・VF …(10)
となっている。
【0032】
従って、この場合は、従来構成と同様にバイアス電圧供給回路18が動作しており、基準電圧発生回路21に供給されるバイアス電圧VBiは、トランジスタ16のベースエミッタ間電圧VBE(=VF )分低下して、
VBi=6・VF …(11)
となる。
【0033】
▲2▼(7・VF <V+B≦8・VF )
バッテリ1の端子電圧が低下して▲2▼の範囲に入ると、電源入力端子Battの端子電圧VBattは、6・VF <VBatt≦7・VF となるから、定電圧回路15は定電圧V1を発生できなくなる。従って、VB1=VBattであり、VBi=VBatt−VF であるから、
5・VF <VBi≦6・VF …(12)
となり、やはりバイアス電圧供給回路18によってバイアス電圧VBiが供給される。
【0034】
▲3▼(6・VF <V+B≦7・VF )
バッテリ1の端子電圧が更に低下して▲3▼の範囲に入ると、バイパス回路41側では定電圧回路40が定電圧V2=6・VF を発生しているので、トランジスタ33のベース電圧VB2は(10)式と同様にVB2=6・VF となっている。従って、この場合はバイパス回路41が動作し、基準電圧発生回路21に供給されるバイアス電圧VBiは、トランジスタ33のベースエミッタ間電圧VBE(=VF )分低下して、
VBi=5・VF …(13)
となる。
【0035】
また、この時、バイアス電圧供給回路18側では、5・VF <VBatt≦6・VF であり、トランジスタ16のベース電位VB1が6・VF 以上を確保することができない。そして、トランジスタ16のエミッタ電位は5・VF であるから、トランジスタ16は遮断されている。従って、▲3▼の範囲ではバイパス回路41によってバイアス電圧VBiが供給される。
【0036】
▲4▼(V+B≦6・VF )
バッテリ1の端子電圧が更に低下して▲4▼の範囲に入ると、バイパス回路41の定電圧回路40も定電圧V2を発生できなくなる。この時、トランジスタ33のベース電圧VB2は、VB2=V+Bであり、バイアス電圧VBiは、
VBi=V+B−VBE …(14)
となる。
【0037】
即ち、図2に示すように、V+B=7・VF を境界として、V+B>7・VF である場合は、電源入力端子Batt側よりバイアス電圧供給回路18を介して、基準電圧発生回路21にバイアス電圧VBiが供給され、V+B<7・VF である場合は、電源入力端子+B側よりバイパス回路41を介して、基準電圧発生回路21にバイアス電圧VBiが供給されるようになっている。
【0038】
また、V+B<7・VF である場合にバイアス電圧VBiより分岐して破線で示している部分は、従来構成において、一貫してバイアス電圧供給回路18よりバイアス電圧VBiを供給した場合である。即ち、従来構成では、V+Bが8・VF 以下になるとバイアス電圧VBiはリニアに低下して行くが、本実施例の構成では、6・VF <V+B≦7・VF の▲3▼の区間においてバイアス電圧VBiは5・VF に維持され、V+Bが6・VF に達した時点からリニアに低下するようになっている。
【0039】
その結果、従来構成と比較して、V+B<7・VF である場合は、常にダイオードの順方向電圧VF 分高いバイアス電圧VBiを基準電圧発生回路21に供給していることになる。そして、図2には、バンドギャップ回路17の出力電圧VBGも合わせて図示しているが、バイアス電圧VBiが順方向電圧VF 分高くなったことで、前記出力電圧がバンドギャップ電圧VBGに維持できる電圧範囲が従来よりも広がっている(図2中,左矢印で示す箇所)。
【0040】
以上のように本実施例によれば、バイパス回路41を、バッテリ1の端子電圧が定電圧回路15によって発生される定電圧V1(=7・VF )を下回った場合に、バイアス電圧供給回路18に代わって基準電圧発生回路21にバイアス電圧Vi を供給するように構成した。
【0041】
即ち、ECU101は、バッテリ1と電源IC部31との間に、ロードダンプ保護用のパワーツェナーダイオード5や、ダイオード4を介した電源供給経路が開放された場合にバッテリ1の電源をバイパスするためのダイオード6を備えている。そして、安全対策上、逆流阻止用のダイオード4も必要となることから、電源入力端子Batt側より電源IC部31に供給される電源電圧は、ダイオード4の順方向電圧VF 分だけ降下することが避けられない。
【0042】
そこで、バッテリ1の電圧が低下した場合にバイパス回路41を機能させることで、電源入力端子+Bを介して前記電圧降下の影響を受けないバイアス電圧VBiを基準電圧発生回路21に供給するようにした。従って、基準電圧発生回路21は、バッテリ1の電圧が瞬時に低下した場合でも、従来よりも確実に適正な基準電圧Vref を発生することができるので、オペアンプ22は、その基準電圧Vref に基づいて外部供給用の定電圧電源Vout を生成出力することができる。そして、このように車載用電源回路装置に適用した場合にも、バイパス回路41によってダイオード4による電圧降下を補償することができる。
【0043】
加えて、車載用電源回路装置において、キースイッチ2がオンされた場合に、電源入力端子+B側に接続されている各種電装品が動作を開始することによりバッテリ1の電圧が一時的に低下した場合にも、バイパス回路41によって基準電圧Vref を安定させることができるので、回路の誤動作などを防止することができる。更に、V+B≧7・VF の場合には従来構成と全く同様に動作するので、バイパス回路41を付加したことによって、通常動作時などに例えばノイズ等の影響が生じるおそれはない。
【0044】
また、バイアス電圧供給回路18を定電流源7,定電圧回路15及びトランジスタ16で構成し、バイパス回路41を定電流源32,定電圧回路40及びトランジスタ33で構成したので、バイアス電圧供給回路18とバイパス回路41定電圧回路15,40の夫々が発生する定電圧V1,V2が異なるだけで基本的には対称に構成されるので、バイパス回路41は、バイアス電圧供給回路18に代わって略同様のバイアス電圧供給作用をなすようになる。
【0045】
加えて、定電圧回路40は、定電圧回路15が発生する定電圧V1よりもダイオード4による電圧降下VF 分だけ低い定電圧V2を発生するので、その電圧降下分を補償するようにバイパス回路41を動作させることができる。また、ECU101の実際の使用環境における全温度範囲を想定すると、低温時には、VBEまたは順方向電圧VF が1V程度に達する場合もあることから、ダイオード1個分の補償であると言えども実用的には極めて有効である。
【0046】
更に、本実施例によれば、定電圧回路15,40を、複数のダイオードの直列接続によって構成したので、定電圧V1,V2を、ダイオードの順方向電圧VF を単位として容易に調整することができる。
【0047】
(第2実施例)
図3は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例では、電源入力端子Battとトランジスタ16のコレクタとの間に抵抗42が挿入されており、バイアス電圧供給回路18Aが構成されている。また、電源入力端子+Bとトランジスタ33のコレクタとの間にも抵抗43が挿入されており、バイパス回路41Aが構成されている。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0048】
以上のように構成された第2実施例によれば、トランジスタ16,33にコレクタ抵抗42,43を備えたことにより、電源入力端子Batt,+Bに高電圧が印加された場合や負極性の電圧が印加された場合などに、トランジスタ16,33に流れる電流を制限してトランジスタ16,33を保護することができる。
【0049】
(第3実施例)
図4は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第3実施例では、7個のダイオード8〜14の直列回路で構成される定電圧回路15に代えて、ツェナーダイオード(第1定電圧回路)44が配置されており、バイアス電圧供給回路18Bが構成されている。ツェナーダイオード44のツェナー電圧は、例えば7・VF に相当する電圧である。
【0050】
また、6個のダイオード34〜39の直列回路で構成される定電圧回路40に代えて、ツェナーダイオード(第2定電圧回路)45が配置されており、バイパス回路41Bが構成されている。ツェナーダイオード45のツェナー電圧は、例えば6・VF に相当する電圧である。
【0051】
以上のように構成された第3実施例によれば、第1及び第2定電圧回路を夫々1個のツェナーダイオード44及び45で構成することにより、部品点数を削減することができる。また、ツェナー電圧を適宜選択することによって、定電圧V1,V2を容易に調整することができる。
【0052】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
第1実施例において、定電圧回路を構成するダイオードの直列接続数は、図示したものに限らず、回路部において生じる電圧降下量に応じるなどして適宜変更して良い。また、第3実施例におけるツェナーダイオードのツェナー電圧も、同様に適宜変更すれば良い。
また、定電圧回路は、複数のダイオードを直列接続したりツェナーダイオードで構成するものに限らず、例えばトランジスタなど他の回路素子を用いて構成しても良い。
回路部は、ダイオード4に限ることなく、その他所定の機能をなすために配置されるものであれば良い。そして、第1,第2定電圧回路の定電圧V1,V2の電位差は、回路部において生じる電圧降下に応じて設定すれば良い。
車載用の電源回路装置に限ることなく、電源入力端子に所定の機能を有する回路部を介して基準電圧発生回路に電源を供給する構成の電源回路装置であれば適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車載用電源回路装置に適用した場合の第1実施例を示す電気的構成図
【図2】バッテリの端子電圧が変化した場合の各部の電圧を示す図
【図3】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図4】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図5】従来技術を示す図1相当図
【図6】バンドギャップ回路の詳細な電気的構成を示す図
【符号の説明】
4はダイオード(回路部)、5はパワーツェナーダイオード、6はダイオード(バイパス用ダイオード)、8〜14はダイオード、15は定電圧回路(第1定電圧回路)、16はトランジスタ(第1バイアス電圧供給用素子)、18,18A及び18Bはバイアス電圧供給回路、21は基準電圧発生回路、22はオペアンプ(定電圧出力回路)、32は定電流源(第2定電流源)、33はトランジスタ(第2バイアス電圧供給用素子)、34〜39はダイオード、40は定電圧回路(第2定電圧回路)、41,41A及び41Bはバイパス回路、44及び45はツェナーダイオード(第1及び第2定電圧回路)、Battは電源入力端子 (第1電源入力端子)、+Bは電源入力端子(第2電源入力端子)を示す。
Claims (5)
- バッテリからの電源供給を受けて基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、この基準電圧発生回路によって生成される基準電圧に基づいて外部供給用の定電圧電源を生成して出力する定電圧出力回路とを備えてなる電源回路装置において、
所定の機能をなす回路部を介して前記バッテリの正側端子に接続される第1電源入力端子と、
この第1電源入力端子とグランドとの間に接続され、所定の定電圧を発生する定電圧回路を備え、前記基準電圧発生回路にバイアス電圧を供給するバイアス電圧供給回路と、
前記バッテリの正側端子に接続される第2電源入力端子と、
この第2電源入力端子とグランドとの間に接続され、前記バッテリの端子電圧が前記定電圧回路によって発生される定電圧を下回った場合に、前記バイアス電圧供給回路に代わって前記基準電圧発生回路にバイアス電圧を供給するバイパス回路とを具備し、
前記バイアス電圧供給回路は、
前記第1電源入力端子に接続される第1定電流源と、
この第1定電流源とグランドとの間に接続される第1定電圧回路と、
入力端子が前記第1定電圧回路と前記第1電源入力端子とに接続される第1バイアス電圧供給用素子とで構成され、
前記バイパス回路は、
前記第2電源入力端子に接続される第2定電流源と、
この第2定電流源とグランドとの間に接続され、前記第1定電圧回路が発生する定電圧よりも、前記回路部による電圧降下分だけ低い定電圧を発生する第2定電圧回路と、
入力端子が前記第2定電圧回路と前記第2電源入力端子とに接続される第2バイアス電圧供給用素子とで構成されており、
前記基準電圧発生回路は、前記第1及び第2電圧供給用素子の出力端子とグランドとの間に接続されていることを特徴とする電源回路装置。 - 前記第1バイアス電圧供給用素子は、ベースが前記第1定電圧回路に接続され、コレクタが前記第1電源入力端子に接続されると共に、エミッタが前記基準電圧発生回路に接続されるトランジスタで構成され、
前記第2バイアス電圧供給用素子は、ベースが前記第2定電圧回路に接続され、コレクタが前記第2電源入力端子に接続されると共に、エミッタが前記基準電圧発生回路に接続されるトランジスタで構成されていることを特徴とする請求項1記載の電源回路装置。 - 前記第1及び第2定電圧回路は、複数のダイオードが直列に接続されて構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電源回路装置。
- 前記回路部は、前記バッテリと前記第1電源入力端子との間に順方向接続されるダイオードで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電源回路装置。
- 前記第2電源入力端子とグランドとの間に接続される保護用ツェナーダイオードと、
前記第2電源入力端子と前記第1電源入力端子との間に接続されるバイパス用ダイオードとを備えて構成されていることを特徴とする請求項4記載の電源回路装置。
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