JP4403619B2 - 感光性着色樹脂組成物及びそれを用いたカラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種表示装置用のカラーフィルタに関するものであり、特に発色剤に透明度・着色性に優れる染料を用い、かつ、耐久性に優れたカラーフィルタを提供するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置用のカラーフィルタには様々なものがあるが、ここでは液晶ディスプレイ用カラーフィルタを代表例として説明する。
液晶ディスプレイは、時計・カメラ等の小面積のものから、コンピュータ端末表示装置・テレビ画像表示装置などの大面積のものまで広く使用されており、近年大面積の用途を中心としてカラー表示化が急速に進んでいる。
【0003】
液晶ディスプレイをカラー表示化するためにカラーフィルタは広く用いられており、カラー液晶ディスプレイの性能を決める重要な部品である。
このカラー液晶ディスプレイ用のカラーフィルタには、高精細な画像を表示するために様々な形に細かくパターニングされたものが用いられている。従来より、カラー液晶ディスプレイ用のカラーフィルタでは高精細なパターンを得るために、例えば、架橋性のモノマーと光重合開始剤をバインダーとなる有機共重合体に混合し、光が照射された部分を硬化させ現像を行い、レリーフパターンを得るという、いわゆるフォトリソグラフィ技術が広く用いられている。
【0004】
このようなフォトリソグラフィ技術を用いた方法では、一般には耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れることから着色剤に顔料が使用される。しかし、顔料は一定の粒経を有するため、消偏作用を伴いカラー液晶ディスプレイの表示コントラスト比が劣化することが知られている。
また、高い透過性を得ることが困難でありカラーフィルタの明度を向上するには限界がある。さらに、顔料は溶剤やポリマーに不溶であるため、カラーフィルタ用着色液に用いる際には分散液となるが、分散液としての安定性は良好なものではない。
【0005】
これに対して、染料は一般に溶剤やポリマーに可溶であり、カラーフィルタ用着色液に用いた際に凝集などを起さずに安定している。また、この染料を用いたカラーフィルタ用着色液を使用して得られるカラーフィルタは、染料が分子レベルで分散しているため消偏作用がなく、また透過性も優れているものである。しかしながら、顔料分散型に比べこの染料分散型では耐熱性、耐光性、耐薬品性に劣るといった欠点を有する。
【0006】
この耐熱性、耐光性、耐薬品性を改善するため、ポリイミド前駆体、分散性染料、油溶性染料を溶剤で溶かしたカラーフィルタ用着色液を用い、エッチング法によりパターン形成する方法(特公平4−243号公報)、樹脂、架橋剤、及び染料からなるカラーフィルタ用着色液を用い、フォトレジスト法でパターン形成する方法(特開平4−301802号公報、特開平6−35183号公報)などが提案されている。
しかし、何れも顔料の代りに染料を樹脂に単に分散したものであり、耐熱性、耐光性、耐薬品性の問題を十分に解決しているとはいえない。
【0007】
また、このような問題を解決するための提案として、強固なシロキサン結合を有するシロキサンポリマーをバインダーとして用いるカラーフィルタ用着色液及びそれを用いたカラーフィルタの製造方法が開示されている(特開平6−273616号公報)。
このカラーフィルタ用着色液によって得られるカラーフィルタは、着色剤をその内部に分散したとき、物理的・化学的封じ込め効果により、着色剤が熱などの物理的作用や酸素などの化学的作用を受けにくくなると考えられ、高い耐熱性が唱われている。また、製造方法はマスクを介したパターン露光、アルカリ現像、という従来のフォトリソグラフィ技術をそのまま用いることができることも特徴としている。
【0008】
しかしながら、この製造方法もシロキサンポリマーはアルカリ現像性を有する必要があるため、ヒドロキシシリル基の数が十分になければならないが、ポリマーを合成する際に重合度を上げすぎるとヒドロキシシリル基の数が不十分となり、アルカリ現像性が低下しカラーフィルタのパターン形成の際に支障をきたすことになる。
従って、シロキサンポリマーを合成する際には重合度の精密な制御が必要になり、このことが製造工程上の大きな問題となっている。また、シロキサン結合のみからなるこのガラス質の膜は硬く耐熱性に優れる反面、脆く、クラック等が発生し易いといった問題も残存する。また、染料は一般にラジカル種や酸などによって退色するため、そのことを考慮した材料設計が必要となる。
【0009】
この問題に対して、N−置換または無置換の(メタ)アクリルアミドと光架橋性部位を有する高分子結合体と染料とからなる感光性着色樹脂組成物を用いることにより、顔料のみを用いたカラーフィルタに比べて、分光特性、コントラスト比に優れ、且つ耐熱性、耐光性、耐薬品性の高いカラーフィルタ及びその製造方法が提案されている。
このカラーフィルタ及びその製造方法は、フォトリソグラフィ法における現像剤が水であるなどの利点を持つ反面、N−置換または無置換の(メタ)アクリルアミドの親水性が非常に高く、光硬化した部分が現像液耐性に劣るため現像時の膜の膨潤、表面荒れを起したり、硬化した膜の機械的強度に劣るという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、一般に透明性、着色性に優れるが耐熱性、耐光性、耐薬品性に劣る染料を用いて、耐熱性、耐光性に優れ、且つ現像時の膜の膨潤、表面荒れ、硬化した膜の機械的強度に優れたカラーフィルタを、従来からのフォトリソグラフィ法により製造可能な感光性着色樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明は、上記感光性着色樹脂組成物を用いて製造された、染料が有する透明性、着色性を具備し、且つ耐熱性、耐光性に優れ、更に現像時の膜の膨潤、表面荒れ、硬化した膜の機械的強度に優れたカラーフィルタ、及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、化学式(A)で表される三級のアミドの構造を有する単量体と、化学式(B)で表されるN−アルコキシメチル基を有する単量体の少なくとも一方と、化学式(C)で表されるカルボキシル基を有する単量体と、化学式(D)で表されるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの単量体と、光架橋性基を有する単量体とを主成分とする共重合体の溶液に着色剤を加えてなることを特徴とする感光性着色樹脂組成物である。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
また、本発明は、上記発明による感光性着色樹脂組成物において、前記光架橋性基を有する単量体がスチリルピリジウム塩化合物またはスチリルキノリウム塩化合物であることを特徴とする感光性着色樹脂組成物である。
【0015】
また、本発明は、上記発明による感光性着色樹脂組成物において、前記共重合体における化学式(A)で表される単量体と、化学式(B)で表される単量体の少なくとも一方の単量体の成分が、共重合体100wt%に対し20〜50wt%、化学式(C)で表される単量体の成分が10〜20wt%、光架橋性基を有する単量体の成分が10〜25wt%であることを特徴とする感光性着色樹脂組成物である。
【0016】
また、本発明は、上記発明による感光性着色樹脂組成物において、前記着色剤が酸性染料であることを特徴とする感光性着色樹脂組成物である。
【0017】
また、本発明は、上記発明による感光性着色樹脂組成物を用いて製造したことを特徴とするカラーフィルタである。
【0018】
また、本発明は、上記発明による感光性着色樹脂組成物を基板上に塗布・乾燥し、フォトリソグラフィ法により着色パターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0019】
また、本発明は、上記発明によるカラーフィルタの製造方法において、前記フォトリソグラフィ法における現像にアルカリ性水溶液を用いることを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明する。
本発明者らは透明性、着色性に優れる染料を用いて実用に耐えうる耐久性を持ったカラーフィルタを得るために、種々の共重合体について検討した結果、前記化学式(A)で表される三級のアミドの構造を有する単量体と、前記化学式(B)で表されるN−アルコキシメチル基を有する単量体の少なくとも一方を共重合させた共重合体が、その共重合体中に分散された染料を極めて化学的・物理的に安定させることを見出した。
【0021】
前記化学式(A)、前記化学式(B)で表される単量体は、窒素の部分が酸性液体中でカチオン性を示すため、該単量体を共重合して得られた共重合体中において、該単量体の構造は酸性染料の良好な染着点として作用する。
これは、従来の染色法によるカラーフィルタの製造において、該共重合体を被染着体として用い酸性染料で染着した際に、該単量体の構造が良好な染着点として作用することは既に知られていたことであるが、予め、化学式(A)または化学式(B)で表される単量体を構造単位として含む共重合体と酸性染料を同時に溶剤に分散した場合でも、該単量体の構造が良好な染着点として作用することが見出された。
このことにより、化学式(A)で表される三級のアミドの構造を有する単量体と、化学式(B)で表されるN−アルコキシメチル基を有する単量体の少なくとも一方を共重合させた共重合体は染料を極めて化学的・物理的に安定させることが可能となる。
【0022】
また、化学式(C)で表されるカルボキシル基を有する単量体を共重合させることで、共重合体にフォトリソグラフィ法に必要なアルカリ可溶性を付与することができる。
【0023】
また、化学式(A)で表される三級のアミドの構造を有する単量体、化学式(B)で表されるN−アルコキシメチル基を有する単量体は一般的に水溶性であるか、もしくは親水性が大きいものが多い。
従って、これらの単量体のみを重合した共重合体を用いて感光性樹脂組成物を調製した場合、従来からのフォトリソグラフィ法によるパターン形成におけるアルカリ水溶液などによる現像工程で形成されたパターンが膨潤による太り・剥がれ、及び膨潤後の収縮による表面荒れなどが発生するという問題が発生する。
この問題について検討を重ねた結果、化学式(D)で表されるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの単量体を適宜共重合させることで、良好な結果を得られることを見出した。
【0024】
また、ここに光架橋性基を有する単量体を共重合させることで、ラジカル種や酸を発生する光開始剤を用いること無くフォトリソグラフィが可能となり、ラジカル種や酸により退色を起こしやすい染料を分散するのに極めて好適な共重合体を得ることができる。
【0025】
上記各単量体の共重合比についてであるが、化学式(A)で表される単量体と、化学式(B)で表される単量体の少なくとも一方の単量体の成分は、染料を化学的・物理的に安定させるために共重合体100wt%に対し20wt%程度は不可欠であるが、50wt%を越えると共重合体の水溶性もしくは親水性が大きくなりすぎるために、フォトリソグラフィにより形成されたパターンの膨潤による太り・剥がれ、及び膨潤後の収縮による表面荒れなどが顕著に表れる。
【0026】
また、化学式(C)で表される単量体の成分は、フォトリソグラフィに必要なアルカリ可溶性を付与するために共重合体100wt%に対し5wt%以上であることが好ましいが、20wt%を越えると上記化学式(A)で表される単量体と、化学式(B)で表される単量体の少なくとも一方の単量体の成分が50wt%を越える場合と同様の問題を生ずる。
【0027】
また、化学式(D)で表される単量体の成分は、形成されたパターンの膨潤等を防ぐために共重合体100wt%に対し30wt%程度は必要であるが、70wt%を越えると共重合体の染料との相溶性を損ない、染料の物理的・化学的安定性が悪くなるという問題を生ずる。
【0028】
また、光架橋性基を有する単量体の成分は、フォトリソグラフィに必要な架橋密度を確保するために共重合体100wt%に対し10wt%程度は必要であるが、光架橋性基を有する単量体は黄色味を有するものが多いことから、25wt%を越えると共重合体が黄色味を有してしまい、カラーフィルタに用いる共重合体として適さなくなる。
【0029】
以上のことから、各単量体の共重合比は、化学式(A)で表される単量体と、化学式(B)で表される単量体の少なくとも一方の単量体の成分が、共重合体100wt%に対し20〜50wt%、化学式(C)で表される単量体の成分が10〜20wt%、化学式(D)で表される単量体の成分が30〜70wt%、光架橋性基を有する単量体の成分が10〜25wt%であることが望ましいものである。
【0030】
化学式(A)で表される三級のアミドの構造を有する単量体の例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N―イソプロピルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミドなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
また、化学式(B)で表されるN−アルコキシメチル基を有する単量体の例としては、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどがあげられる。
【0031】
化学式(C)で表されるカルボキシル基を有する単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸があげられる。
また、化学式(D)で表されるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの単量体の例としては、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、などがあげられる。
【0032】
光架橋性基を有する単量体の架橋基としては、シンナモイル基、シンナミリデン基、カルコン基、クマリン基、スチルベン基、スチリルピリジニウム基、スチリルキノリニウム基、チミン基、αーフェニルマレインイミド基、アントラセン基、2ーピロン基等を挙げることができるが、感度等の観点から特にスチリルピリジニウム基、スチリルキノリニウム基が好ましい。
【0033】
これらの光架橋性基を有する単量体は、周知の一般的な合成手法によって容易に調製することができる。例えば、「感光性高分子」(永松元太郎、幹英夫著、講談社)、「研究報告 第155号(特集号) 高感度光画像形成高分子材料の開発に関する研究」(工業技術院繊維高分子材料研究所)などに上記の合成手法が詳細に記されている。
【0034】
上記共重合体は、それぞれの単量体を適切な溶媒に溶解し開始剤を加え、重合、精製することで得られる。
また、得られた共重合体を適切な溶媒に溶解し、着色剤を分散・溶解させて、本発明による感光性着色樹脂組成物が得られる。
【0035】
着色剤に用いる酸性染料の構造は特に限定されるものではなく、アントラキノン系、アゾ系、トリフェニルメタン系など、種々のものから適宜に選択が可能である。これらの染料としては、例えば、住友化学(株)、保土谷化学(株)、日本化薬(株)、(株)井上化学工業所などからの市販品がある。
着色剤の添加量は分光透過率を考慮すると、共重合体の100wt%に対し10〜50wt%程度である。
【0036】
上記のように、本発明による感光性着色樹脂組成物によれば、従来よりも透明性、着色性に優れ、且つ耐熱性、耐光性、及び現像時の膜の膨潤、表面荒れ、硬化した膜の機械的強度に優れたカラーフィルタを既存のフォトリソグラフィ法の工程を用いて比較的容易に得ることが可能となる。
【0037】
以下に、本発明による感光性着色樹脂組成物を用いてカラーフィルタを得る方法を記述する。
図1は、本発明によるカラーフィルタの製造方法によって得られるカラーフィルタを模式的に示す平面図である。図2は、図1におけるカラーフィルタをX−X’断面で示す断面図である。
図1、及び図2に示すように、カラーフィルタは、透明基板(1)、透明基板上にマトリックス状に設けられた遮光パターン(2)、遮光パターンにその端部が重なるように画素状に設けられた赤色パターン(赤色カラーフィルタ画素)(3)、緑色パターン(緑色カラーフィルタ画素)(4)、青色パターン(青色カラーフィルタ画素)(5)で構成されているものである。
【0038】
先ず、この透明基板(1)上に、本発明による感光性着色樹脂組成物を塗布しプリベークを行う。塗布する手段はスピンコート、ディップコート、ダイコートなどが通常用いられるが、基板上に均一な膜厚で塗布可能な方法ならばこれらに限定されるものではない。
プリベークは50〜120℃で1〜20分程度することが好ましい。塗布膜厚は任意であるが、分光透過率などを考慮すると通常はプリベーク後の膜厚で1μm程度である。
【0039】
次に、感光性着色樹脂組成物を塗布した透明基板にマスクを介して露光を行う。光源には通常の高圧水銀灯などを用いればよい。
続いて現像を行う。現像液にはアルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液の例としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、または両者の混合水溶液、もしくはそれらに適切な界面活性剤などを加えたものが挙げられる。現像後、水洗、乾燥して第一色目の着色パターン(着色カラーフィルタ画素)を得る。
以上の一連の工程を、所望する色数の感光性着色樹脂組成物、及びマスクを用いて繰り返すことで所望する色数が組み合わされた着色パターン(着色カラーフィルタ画素)を得るものである。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて詳細に説明する。
<実施例1>
(感光性着色樹脂組成物の調製)
先ず、光架橋性基を有する単量体として、「研究報告 第155号(特集号)高感度光画像形成高分子材料の開発に関する研究」(工業技術院繊維高分子材料研究所)記載の方法に従って、4−[4−(3−メトキシ−4−メタクリロキシフェニルエテニル]ピリジンを合成した。
【0041】
次に、化学式(B)に対応する単量体としてN−メトキシメチルアクリルアミド30g、化学式(C)に対応する単量体としてメタクリル酸20g、化学式(D)に対応する単量体としてブチルメタクリレート40g、光架橋性基を有する単量体として先に合成した4−[4−(3−メトキシ−4−メタクリロキシフェニルエテニル]ピリジン20gをトルエン500gに溶解し、0.5gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、窒素でバブリングしながら攪拌、60℃で8時間重合させた。得られた共重合体溶液を大量のヘキサンに加え共重合体を沈澱させ、静置して溶媒を分離除去、乾燥して共重合体85gを得た。
得られた共重合体を用い、以下のような組成で室温で3時間攪拌し感光性着色樹脂組成物を調製した。
【0042】
(赤色)
共重合体 25g
C.I. Acid Red 37 5g
2−メトキシエタノール 280g
(緑色)
共重合体 25g
C.I. Acid Green 25 5g
2−メトキシエタノール 280g
(青色)
共重合体 25g
C.I. Acid Blue 264 6.5g
2−メトキシエタノール 280g
【0043】
(カラーフィルタの作製)
上記の感光性着色樹脂組成物を米国コーニング社製の7059ガラス(厚さ1.1mm)上にスピンコートで塗布、80℃で20分乾燥した。膜厚は乾燥後に1μmとなるように塗工した。
乾燥後、マスクを介して露光、アルカリ現像液で現像、180℃で1時間乾燥し、着色パターンを得た。続いて、感光性着色樹脂組成物及びマスクを替え、塗布、露光、現像を繰り返すことで、基板上に赤、緑、青の着色パターンを形成した。
【0044】
得られた着色パターンは、表面荒れ、剥がれなどはなく、また、表1に示すように、180℃で1時間の加熱で色変化は認められず、また、表2に示すように、フェードメーターによる耐光性試験においても100時間で色変化が認められず、耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルタであった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
<実施例2>
(感光性着色樹脂組成物の調製)
実施例1と同様にして、先ず、光架橋性基を有する単量体として2−[2−(3−メトキシ−4−メタクリロキシフェニルエテニル]ピリジンを合成した。
次に、化学式(A)に対応する単量体としてN−イソプロピルアクリルアミド40g、化学式(C)に対応する単量体としてメタクリル酸15g、化学式(D)に対応する単量体としてシクロヘキシルメタクリレート30g、光架橋性基を有する単量体として先に合成した2−[2−(3−メトキシ−4−メタクリロキシフェニルエテニル]ピリジン15gをトルエン500gに溶解し、0.5gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、窒素でバブリングしながら攪拌、60℃で8時間重合させた。
得られた共重合体溶液を大量のヘキサンに加え共重合体を沈澱させ、静置して溶媒を分離除去、乾燥して共重合体70gを得た。
得られた共重合体から、以下のような組成で室温で3時間攪拌し3色の感光性着色樹脂組成物を調製した。
【0048】
(赤色)
共重合体 25g
C.I. Acid Red 337 5g
2−メトキシエタノール 280g
(緑色)
共重合体 25g
C.I. Acid Green 25 5g
2−メトキシエタノール 280g
(青色)
共重合体 25g
C.I. Acid Blue 25 5g
2−メトキシエタノール 280g
【0049】
(カラーフィルタの作製)
上記の感光性着色樹脂組成物を米国コーニング社製の7059ガラス(厚さ1.1mm)上にスピンコートで塗布、80℃で20分乾燥した。膜厚は乾燥後に1μmとなるように塗工した。
乾燥後、マスクを介して露光、アルカリ現像液で現像、180℃で1時間乾燥し、着色パターンを得た。続いて、感光性着色樹脂組成物及びマスクを替え、塗布、露光、現像を繰り返すことで、基板上に赤、緑、青の着色パターンを形成した。
【0050】
得られた着色パターンは、表面荒れ、剥がれなどはなく、また、表1に示すように、180℃で1時間の加熱で色変化は認められず、また、表2に示すように、フェードメーターによる耐光性試験においても100時間で色変化が認められず、耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルタであった。
【0051】
<比較例1>
(感光性着色樹脂組成物の調製)
比較例1として通常のアルカリ可溶性のアクリル樹脂、架橋性モノマー、光重合開始剤と共に染料を分散した場合を示す。
ブチルメタクリレート80g、メタクリル酸20gをトルエン500gに溶解し、0.5gのアゾビスイソブチロニトリルを加え、窒素でバブリングしながら攪拌し60℃で8時間重合させた。得られた共重合体溶液を大量のヘキサンに加え共重合体を沈澱させ、静置して溶媒を分離除去、乾燥して共重合体90gを得た。
得られた共重合体から、以下のような組成で室温で3時間攪拌し3色の感光性着色樹脂組成物を調製した。
【0052】
(赤色)
共重合体 25g
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 25g
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−オン 1.2g
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン 1.2g
C.I. Acid Red 337 5g
2−メトキシエタノール 280g
【0053】
(緑色)
共重合体 25g
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 25g
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−オン 1.2g
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン 1.2g
C.I. Acid Green 25 5g
2−メトキシエタノール 280g
【0054】
(青色)
共重合体 25g
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 25g
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−オン 1.2g
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン 1.2g
C.I. Acid Blue 25 5g
2−メトキシエタノール 280g
【0055】
(カラーフィルタの作製)
上記の感光性着色樹脂組成物を米国コーニング社製の7059ガラス(厚さ1.1mm)上にスピンコートで塗布、80℃で20分乾燥した。膜厚は乾燥後に1μmとなるように塗工した。
乾燥後、マスクを介して露光、アルカリ現像液で現像、180℃で1時間乾燥し、着色パターンを得た。続いて、感光性着色樹脂組成物及びマスクを替え、塗布、露光、現像を繰り返すことで、基板上に赤、緑、青の着色パターンを形成した。
【0056】
表1に示すように、得られた着色パターンは、180℃で1時間の加熱で色変化が大きく、ほとんど消色してしまい、また、表2に示すように、フェードメーターによる耐光性試験においても10時間において色変化が大きく、実用に耐えうる耐久性を有していなかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、前記化学式(A)で表される三級のアミドの構造を有する単量体と、前記化学式(B)で表されるN−アルコキシメチル基を有する単量体の少なくとも一方と、前記化学式(C)で表されるカルボキシル基を有する単量体と、前記化学式(D)で表されるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの単量体と、前記光架橋性基を有する単量体とを主成分とする共重合体の溶液に着色剤を加えてなる感光性着色樹脂組成物であるので、
一般に透明性、着色性に優れるが耐熱性、耐光性、耐薬品性に劣る染料を用いて、耐熱性、耐光性に優れ、且つ現像時の膜の膨潤、表面荒れ、硬化した膜の機械的強度に優れたカラーフィルタを、従来からのフォトリソグラフィ法により製造可能な感光性着色樹脂組成物となる。
【0058】
また、本発明は、上記感光性着色樹脂組成物を用いて製造したカラーフィルタであるので、染料が有する透明性、着色性を具備し、且つ耐熱性、耐光性に優れ、更に現像時の膜の膨潤、表面荒れ、硬化した膜の機械的強度に優れたカラーフィルタとなる。
【0059】
また、本発明は、上記感光性着色樹脂組成物を基板上に塗布・乾燥し、フォトリソグラフィ法により着色パターンを形成するカラーフィルタの製造方法であるので、染料が有する透明性、着色性を具備し、且つ耐熱性、耐光性に優れ、更に現像時の膜の膨潤、表面荒れ、硬化した膜の機械的強度に優れたカラーフィルタの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカラーフィルタの製造方法によって得られるカラーフィルタを模式的に示す平面図である。
【図2】図1におけるカラーフィルタをX−X’断面で示す断面図である。
【符号の説明】
1…透明基板
2…遮光パターン
3…赤色パターン
4…緑色パターン
5…青色パターン
Claims (7)
- 前記光架橋性基を有する単量体がスチリルピリジウム塩化合物またはスチリルキノリウム塩化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記共重合体における化学式(A)で表される単量体と、化学式(B)で表される単量体の少なくとも一方の単量体の成分が、共重合体100wt%に対し20〜50wt%、化学式(C)で表される単量体の成分が10〜20wt%、光架橋性基を有する単量体の成分が10〜25wt%であることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の感光性着色樹脂組成物。
- 前記着色剤が酸性染料であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載の感光性着色樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項4記載の感光性着色樹脂組成物を用いて製造したことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1乃至請求項4記載の感光性着色樹脂組成物を基板上に塗布・乾燥し、フォトリソグラフィ法により着色パターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 前記フォトリソグラフィ法における現像にアルカリ性水溶液を用いることを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタの製造方法。
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