JP4403391B2 - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Description

本発明は、特定周波数帯のマイクロ波を用いた電波通信方式による無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、比較的近距離の機器間において低消費電力の通信動作を実現する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、読取装置側からの無変調キャリアの送信と、送信装置側におけるアンテナの終端操作などの負荷インピーダンスの切り替え操作に基づく受信電波の吸収と反射などの反射波の変調を利用したバック・スキャッタ方式によりデータ通信を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、反射波の受信状況をユーザに明示する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
複数の機器をネットワーク接続することにより、コマンドやデータ伝送の効率化、情報資源の共有化、ハードウェア資源の共有化を実現することができる。さらに最近では、有線方式による配線からユーザを解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格の1つにIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11(例えば、非特許文献1を参照のこと)や、HiperLAN/2(例えば、非特許文献2又は非特許文献3を参照のこと)やIEEE802.15.3、Bluetooth通信などを挙げることができる。
近年、無線LANシステムは安価になり、PCにも標準内蔵されるようになったこととも相俟って、無線LANの普及が著しい。PCやPDAなどの情報機器以外にも、携帯電話やビデオ・カメラなどのポータブル機器でも、内蔵又は外部接続アダプタとして無線LAN機能が搭載されるようになってきている。また、アプリケーションとしては、カメラ付き携帯電話やデジタル・カメラで撮った画像データを無線LAN経由でPCにアップロードすることなどが挙げられる。
ところが、無線LANは本来コンピュータでの利用を前提として設計・開発されたものであり、ポータブル機器に搭載する場合、その消費電力が問題となる。現在市販されているIEEE802.11bの無線LANカードの多くは、送信時に800mW以上、受信時に600mW以上の消費電力がある。この消費電力は、バッテリ駆動のポータブル機器にとっては、負担が大きい。
無線LAN機能を近距離限定で動作させて、その送信電力を小さくしても、消費電力は8割程度しか低下することができない。特に、デジタル・カメラなどの画像入力装置から画像表示装置側への伝送は、送信比率が通信全体のほとんど占めるような通信形態となるため、なおさら低消費電力の無線伝送手段が求められている。
また、Bluetooth通信に関しては、伝送速度が最大でも720kbpsと低速度であり、昨今の高画質化し、ファイルサイズの大きくなった画像の伝送時間がかかり不便である。
これに対し、RFIDで用いられるバック・スキャッタ方式に基づく反射波を利用した無線伝送によれば、比較的近距離に限定される機器間で送信比率が通信のほとんどを占めるような通信形態において、低消費電力化を実現することができる。すなわち、RFIDシステムでは、アンテナ・スイッチは一般的にガリウム砒素のICで構成され、その消費電力は数10μW以下であり、データ伝送を行なうときの平均電力としては、送達確認方式の場合で10mW以下、一方向伝送では、数10μWでデータ伝送が可能である。これは、一般的な無線LANの平均消費電力と比較すると、圧倒的な性能差である(例えば、非特許文献4を参照のこと)。
ところで、有線方式では、ケーブルの接続の有無により機器同士が通信可能であるかどうかが明示的に分かる。これに対し、無線通信システムでは、機器同士が通信範囲にあるかどうかが明確でないという問題がある。
例えば、RFIDの読み取り及び書き込みの確実性を向上させるために、RFIDを付設した複数の物とアンテナとの相対位置を積極的に変化させ、それぞれのRFIDについて一瞬でも指向性の良好な状態を実現して、読み取り及び書き込みの際に充分な電波強度を得られるようにすることができる。また、複数のRFIDがそれぞれ重ならないように工夫することができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。
また、RFIDシステムは、質問器と、質問器に接続され信号を送信する質問器アンテナと、質問器アンテナが送信した信号を反射する略楕円電波反射板と、質問器アンテナからの信号を少なくとも略楕円電波反射板を介して受信して応答し、質問器との間で通信を行なう無線タグとを備えているが、略楕円電波反射板の反射面の第1の焦点に反射面を指向するように質問器アンテナを配置するとともに、略楕円電波反射板の反射面の第2の焦点近傍に無線タグを配置する。この場合、質問器アンテナから送信された質問信号は、略楕円電波反射板によって反射され、第2の焦点に質問信号の強い領域を形成するので、第2の焦点に配置された無線タグと質問器との通信精度が向上する(例えば、特許文献2を参照のこと)。
これらの方法によれば、反射波の電波強度を得ることにより通信精度が向上する。但し、これらの方法は、通信局同士が通信範囲にあるかどうかを、ユーザに通知するものではない。
無線通信システムにおいて、2つの通信局が通信可能であるか否かをユーザに明示する手段は、ユーザが携帯している局側が有するのが一般的である。
例えば、携帯電話システムでは、ユーザは、基地局と通信可能な場所に位置しているかどうかを携帯電話機の受信電力表示を見て確認することができる。また、無線LANシステムにおいても同様に、ユーザは、PCにインストールされた無線LANユーティリティ・ソフトなどを用いてアクセス・ポイントとの通信状況を把握することができる。
このような無線通信システムでは、基地局に通信の確立状況を表示したとしても、端末局を有するユーザが必ずしも基地局と見通しの位置にいるとは限らず、ユーザが基地局と見通しの位置にいたとしても遠く離れていて読み取ることができない。さらに、基地局は多くの端末局と通信を行なうため、何十何百もの端末との通信状況を表示する必要がある上に、ユーザはその表示の中から自局の通信状況を捜し出すのは困難であることなどから、端末局側に通信の状況が表示されるのは至極当然なことである。
一方、端末局、あるいは端末局と基地局の双方のアンテナが指向性を有していて、通信を行なうためにアンテナ指向方向を合わせる必要があるような場合で、且つ、端末局と基地局が近距離で1対1通信するような無線システムにおいては、必ずしも端末局側に通信状況を表示することが望ましいとは限らない。
反射波伝送システムは、データを反射波に乗せて伝送し、自ら電波を送出する手段を持たないという特徴を有し、携帯電話システムや無線LANシステムと比較して桁違いに少ない消費電力で無線データ伝送を行える利点がある一方、無線伝送距離は数メートルの近距離に制限される。このため、反射波伝送システムでは、反射器、あるいは反射器と反射波読み取り器の双方のアンテナに指向性を持たせて、ある特定の方向に大きなアンテナ利得を得ることにより、無線通信距離を伸ばすなどの工夫を行なうことが多い。
図12には、反射器と反射波読み取り器の双方が無指向性のアンテナを用いている場合と、反射器と反射波読み取り器の双方が一方向に大きな利得を得ることができる指向性アンテナを用いている場合の無線通信距離の違いを示している。同図において、反射器201と反射波読み取り器202は無指向性アンテナを用いており、反射器201の反射波の到達距離は斜線203、反射波読み取り器202の無変調キャリアの到達距離は斜線204で表している。
一方、反射器205と反射波読み取り器206は指向性アンテナを用いており、反射器205の反射波の到達距離は斜線207、反射波読み取り器206の無変調キャリアの到達距離は斜線208で表している。但し、反射器201と反射波読み取り器202の距離、反射器205と反射波読み取り器206の距離は同じとする。
図12に示す例では、無指向性アンテナを用いた場合、反射波読み取り器202の無変調キャリア204は反射器201に到達しておらず、したがって反射器201が反射波203を生成することも無く、通信は成立しない。これに対し、指向性アンテナを用いた場合、反射波読み取り器206の無変調キャリア208も反射器205の反射波207もどちらの電波も相手に到達することから、通信は成立する。
上述したように、反射波伝送システムでは、反射器、あるいは反射器と反射波読み取り器の双方に指向性アンテナを用いることで無線通信距離を伸ばすことができる。他方、反射器と反射波読み取り器の向きがずれていると、通信が成立しないリスクも負う、という問題点を十分理解されたい。
図13には、指向性アンテナを用いた反射器301と反射波読み取り器302が正対していない例を示している。図示の例では、反射器301は、反射波読み取り器302の近傍に存在し、反射波読み取り器302の送出した無変調キャリア304を十分に大きな電力で受信し、反射波303を生成することができる。しかし、反射波303の反射方向が反射波読み取り器302に向いていないため、通信が成立しない。
このように、メディアが指向性を持つ通信システムにおいては、単純に機器間の距離だけでは通信範囲を判断することができず、ユーザにとって通信範囲が明示的ではない。勿論、反射波伝送方式だけでなく、一般の無線通信方式においても、通信距離を拡張するためにわざと指向性を与えることもあり、ユーザにとって通信局が通信範囲にあるかどうかは明確でない。
特開2002−329174号公報 特開2003−283365号公報 International Standard ISO/IEC 8802−11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition, Part11:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications ETSI Standard ETSI TS 101 761−1 51.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part1: Basic Data Transport Functions ETSI TS 101 761−2 V1.3.1 Broadband Radio Access Networks(BRAN); HIPERLAN Type 2; Data Link Control(DLC) Layer; Part2: Radio Link Control(RLC) sublayer 特願2003−291809号明細書
本発明の目的は、読取装置側からの無変調キャリアの送信と、送信装置側におけるアンテナの終端操作などの負荷インピーダンスの切り替え操作に基づく受信電波の吸収と反射などの反射波の変調を利用したバック・スキャッタ方式によりデータ通信を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、バックスキャッタリングを利用した反射波伝送を行なう際に、反射波の受信状況をユーザに明示することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、読取装置側からの無変調キャリアの送信と、送信装置側における伝送データに応じて無変調キャリアの反射波を変調する反射波伝送を行なう無線通信システムであって、
前記読取装置と前記送信装置との間で反射波伝送が可能かどうかを判別する通信状況判別手段と、
前記通信状況手段による判別結果を表示出力する表示手段と、
を具備することを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
本発明に係る無線伝送システムは、比較的近距離に限定される機器間で送信比率が通信のほとんどを占めるような通信形態において、低消費電力化を実現することを目的とするものであり、RFIDで用いられるバック・スキャッタ方式に基づく反射波の変調を利用して無線伝送を行なう。RFIDシステム自体は、超近距離でのみ適用可能な無線通信手段の一例として当業界において広く知られている。
ここで、無線通信システムでは、機器同士が通信範囲にあるかどうかが明確でないという問題がある。また、反射波伝送を利用したシステムでは、反射器、あるいは反射器と反射波読み取り器の双方のアンテナに指向性を持たせて、ある特定の方向に大きなアンテナ利得を得ることにより、無線通信距離を伸ばすなどの工夫を行なうことが多い。このように、メディアが指向性を持つ通信システムでは、単純に機器間の距離だけでは通信範囲を判断することができず、ユーザにとって通信範囲が明示的ではない。
これに対し、本発明に係る無線通信システムでは、前記読取装置と前記送信装置との間で反射波伝送が可能かどうかを検出し、検出結果を表示出力するようにして、反射波の受信状況をユーザに明示することができる。
前記読取装置と前記送信装置との間で反射波伝送が可能かどうかを検出するために、前記送信装置が無変調キャリアに対して反射波伝送するパケットを、前記読取装置で解読を試みる。これによって、読取装置は、無変調キャリアに対する周囲環境からの単純な反射波を除外して、送信装置からの意味のある反射波伝送データを受信することができるかどうかを正確に判断することができる。
このような検出動作を実現するために、送信装置は、伝送データがなくデータ伝送を行なわない期間であっても、例えば定期的に、無変調キャリアを受信したことに応じて空パケットを反射波伝送する。そして、読取装置は、この空パケット又は通常のパケットを正しく解読することができたかどうかによって、周囲環境からの単なる反射波を除外して、反射波伝送データを受信可能であるかどうかを判別することができる。
前記表示手段は、送信装置側あるいは読取装置側のいずれに配置することもできる。
送信装置では、無変調キャリアを受信できたことによって反射波伝送が可能であることを検出することができる。この場合、指向性が適当でなく実際には読取装置に十分な受信電力の反射波が届いていない場合であっても(図13を参照のこと)、反射波伝送可能であると誤出力してしまう可能性がある。
これに対し、読取装置側に表示手段が装備されている場合、送信装置からの反射波伝送データを受信することができたときに伝送可能であると判断した結果を表示出力するので、誤出力の問題はない。また、反射波伝送を行なうとするユーザは、送信装置を読取装置に向け、表示手段の表示内容を見ながら指向性を調整してデータ伝送を行なうことができる。すなわち、ユーザは、データの転送先となるターゲット装置を見ながら指向性を調整し、目線を変えることなく転送動作を行なうことができるので、動作が簡便になる。
なお、送信装置側では、読取装置から送られてくる無変調キャリアの受信電力を測定し、この受信電力レベルを空パケット又は通常のパケットに記載して伝送するようにしてもよい。このような場合、読取装置側では、反射波伝送による通信状況の表示に併せて、無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報をユーザに提示することができる。
本発明によれば、読取装置側からの無変調キャリアの送信と、送信装置側におけるアンテナの終端操作(負荷インピーダンスの切り替え操作)に基づく受信電波の吸収と反射や、位相変調などの変調作用を利用したバック・スキャッタ方式によりデータ通信を好適に行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、バックスキャッタリングを利用した反射波伝送を行なう際に、反射波の受信状況をユーザに明示することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、バックスキャッタリング方式を用いた反射波伝送システムにおいて、反射波読み取り器が伝送されるパケットの誤り率を測定し、反射器のユーザに対して誤り率に応じた所定の表示を実施することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、比較的近距離に限定される機器間で送信比率が通信のほとんどを占めるような通信形態において、低消費電力の通信動作により、電化製品などの機器制御、画像などの大容量データ伝送、並びに相互通信を実現することを目的とするものであり、RFIDで用いられるバック・スキャッタ方式に基づく反射波を利用して無線伝送を行なうものである。
RFIDシステム自体は、局所でのみ適用可能な無線通信手段の一例として当業界において広く知られている。
RFIDは、タグとリーダとから構成されるシステムで、タグに格納された情報をリーダで非接触に読み取るシステムであるRFIDタグは、固有の識別情報を含んだデバイスであり、特定周波数の電波を受信したことに応答して識別情報に相当する変調周波数の電波を発振する動作特性を持ち、読み取り装置側でRFIDタグの発振周波数を基にそれが何であるかを特定することができる。タグとリーダライタの間の通信方法には、電磁結合方式、電磁誘導方式、電波通信方式などが挙げられる。本発明は、このうち、2.4GHz帯などのマイクロ波を用いた電波通信方式に関連する。
反射波伝送の基本原理についてまず説明する。RFIDタグは、タグ・リーダより送信された無変調の電波foを受信すると、整流され、直流電源に変換され、この直流電源を動作電源に用いることができる。そして、タグ側では、送信データのビット・イメージに従ってアンテナの終端操作を行ない、受信電波の吸収と反射を利用してデータを表現する。すなわち、データが1の場合は、アンテナをアンテナ・インピーダンスで終端し、タグ・リーダからの電波を吸収される。また、データが0の場合は、アンテナの終端をオープン状態とすることで、タグ・リーダからの電波を反射する。タグからは、負荷インピーダンスの操作により無変調キャリアに対する反射波を生じ、タグ・リーダからの送信信号と同一周波数の反射は信号が戻されることから、バックスキャッタリングによる反射波伝送を行なうことができる。この場合、受信電波は信号空間上で0又は1のいずれかにマッピングされるので、BPSK変調を実現することができる。勿論、QPSKやその他の位相変調方式を適用することも可能である(後述)。
図1には、バック・スキャッタ方式のデータ伝送を行なう反射波伝送システムの構成例を示している。
反射器401は、指向性アンテナ402、無線部403、通信制御部404、表示部405、端末インターフェース部406で構成される。
端末インターフェース部406は、例えばデジタルスチルカメラやカムコーダなどの端末機器407に接続されている。通信制御部404は、端末インターフェース部406を介して接続されている端末機器407から送られてきた送信データ列をパケット化し、さらにCRC(Cyclic Redundancy Check)符号を付加して無線部403に送る。無線部403は、通信制御部404から送られてきたデータに基づき、指向性アンテナ402で受信した無変調キャリアに対し負荷インピーダンスの操作により位相変調をかけ、反射波を指向性アンテナ402から送信する。
一方、反射波読み取り器408は、指向性アンテナ409、無線部410、通信制御部411、ホスト・インターフェース部412で構成される。
ホスト・インターフェース部412は、例えばPCやTV、プリンタなどのホスト機器407に接続されている。無線部410は、無変調キャリアを生成して指向性アンテナ409から送信する機能と、指向性アンテナ409で受信した反射波を検波並びに復調する受信機能を備えている。無線部410は、受信・復調したデータを通信制御部411に送る。通信制御部411は受信データ・パケットに付加されたCRC符号によってパケットの正誤判定を行ない、正しいと判断された受信データのみ、ホスト・インターフェース部412を介してホスト機器413に送る。
また、通信制御部411は、CRC判定の結果、受信データ・パケットが正しかった場合には肯定応答のACK(Acknowledgement)パケットを、誤っていた場合にはNACK(Negative Acknowledgement)パケットを生成し、生成したACK又はNACKパケットにCRC符号を付加して無線部410に渡す。無線部410は、通信制御部411から受けたデータにASK変調をかけ、指向性アンテナ409から送信する。
反射器401の無線部402は、ASK検波機能を有し、反射波読み取り器408からASK変調波を受信すると、受信データを通信制御部404に送る。通信制御部404は受信したACK又はNACKパケットのCRC判定を行ない、ACK又はNACKパケットが正しかった場合、ACKであればさらに次の送信データ・パケットを送信する。また、受信したパケットがNACKであった場合、あるいはCRC判定の結果、ACK又はNACKパケットに誤りがあった場合、あるいはACK又はNACKパケットを受信できなかった場合には、前に送った送信データ・パケットを送信し直す。
また、反射器401の無線部403は、反射波読み取り器408から送出された無変調キャリアの受信電力レベルを通信処理部404に通達する。そして、通信処理部404は、表示部405に無変調キャリアの受信電力を表示する。但し、反射器401に表示部405が無くてもよく、代わりに、通信処理部404が端末インターフェース部406を介して接続される端末機器407の表示部に無変調キャリアの受信電力を表示する機能を備えていてもよい。
ここで、反射器401のアンテナ402と反射波読み取り器408のアンテナ409は指向性アンテナである。このため、反射器401と反射波読み取り器408のアンテナ指向性が図13に示したようにずれていると、反射器401が反射波読み取り器408から送出された無変調キャリアを十分な電力で受信して反射波を生成したとしても、反射波読み取り器408は反射器401からの反射波を受信することができず、通信は成立しない。このような場合であっても、反射器401の表示部405には、無変調キャリアを十分な電力で受信していることを表す表示がされる。すなわち、反射器401側の表示部405に十分な受信電力が表示されているにも拘らず、実際には通信を行なうことができないという可能性がある。
また、反射器401に通信状況が表示されている場合、ユーザが反射器401の向きを調整して反射波読み取り器408の方向に合わせるには、手元の反射器401の表示部405の通信状況を確認しながら、数メートル離れた反射波読み取り器408に反射器401のアンテナ指向性を合わせることになる。この場合、データ転送先すなわち反射先に対して指向性を合わせなければならないのに、反射先となる読み取り器ではなく反射器401を見ながらアンテナの指向性を調整しなければなら。したがって、指向性を調整する作業には、反射器401の表示部405とデータ転送先となる反射波読取機408との間で目線を移動する作業を含むため、操作上不便となる場合がある。
なお、反射波伝送システムでは、一般に、ASK(Amplitude Shift Keying)やBPSK(Binary Phase Shift Keying)などの比較的ビットレートの低い変調方式が採用されている。例えば、反射器側で指向性アンテナの終端のオン/オフ操作などの負荷インピーダンスを操作することによって信号空間上に0、1の信号を配置することができBPSK変調を簡易に実現することができる。但し、これらの変調方式では伝送速度の面で問題がある。これに対し、例えば、反射器側で反射波が往復する信号路上で位相差を与えることによって、QPSKや8相PSK変調など、より高いビットレートの変調方式を実現することができる。この点の詳細については後述に譲る。
図2及び図4には、本発明の実施形態に係る反射波伝送システムにおける反射器並びに反射波読み取り器の構成をそれぞれ示している。図示の反射器及び反射波読み取り器で構成される反射波伝送システムによれば、実際には通信が成立しないにも拘らず受信電力が十分であるという表示を行なうという上記の問題を解決し、システムの通信状況をユーザに分かり易く提示することができる。具体的には、反射器は、反射器がデータ送信モードに設定されてからデータ送信を開始するまでの期間に定期的に空パケットを送信(反射波伝送)する機能を設ける。また、反射波読み取り器側では、空パケットを受信処理し、誤りがないかどうかを確認することで通信状況を判断するとともに、通信状況を示す表示機能を備えている。
図2に示すように、反射器501は、指向性アンテナ502、無線部503、通信制御部504、端末インターフェース部505で構成される。指向性アンテナ502、無線部503、並びに端末インターフェース部505は、図1に示した反射器401の指向性アンテナ402、無線部403、端末インターフェース部406と略同一の構成であり、反射器501は端末インターフェース部505を介して端末機器506に接続されている。
反射器501の通信制御部504は、送信パケット生成部507と、CRC演算部508と、リードソロモン・エンコード部509と、スクランブル部510と、ユニーク・ワード付加部511と、プリアンブル付加部512と、データ復調部513と、ユニーク・ワード検出部514と、CRC判定部515で構成される。
送信パケット生成部507は、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から送られてきた送信データ列をパケット化し、CRC演算部508に送る。また、端末機器506からの送信すべき送信データが存在しない場合には、一定間隔で空のパケットを生成し、CRC演算部508に送る。また、送信パケット生成部507は、送信データ・パケットをバッファしておく機能を備えている。CRC判定部515から再送の要求を受けた場合、あるいは、ACKパケットを受信できなかった場合には、送信パケット生成部507は、前に送った送信データ・パケットをこのバッファから取り出し、CRC演算部508に送る。また、本実施形態では、送信パケット生成部507は、無線部503から入力される無変調キャリアの受信レベルを(後述)、空パケット又はすべてのパケットに記載する。
CRC演算部508は、送信パケット生成部507から送られてきたパケットにCRC符号を付加して、リードソロモン・エンコード部509に送る。
リードソロモン・エンコード部509は、CRC演算部508から送られてきたパケットにリードソロモン符号を付加して、スクランブル部510に送る。
スクランブル部510は、リードソロモン・エンコード部509から送られてきたパケットにスクランブルをかけ、ユニーク・ワード付加部511に送る。
ユニーク・ワード付加部511は、スクランブル部510から送られてきたパケットにパケット検出用のユニーク・ワードを付加して、プリアンブル付加部512に送る。
プリアンブル付加部512は、ユニーク・ワード付加部511から送られてきたパケットに同期用のプリアンブル・データを付加して、無線部503に送る。
無線部503は、通信制御部504から送られてきたデータに基づいて負荷インピーダンスの操作を行なうことにより、指向性アンテナ502で受信した無変調キャリアに変調をかけ、反射波を指向性アンテナ502から送信する。また、無線部503は、ASK検波機能を備えており、反射波読み取り器側からASK変調波を受信すると、受信データを通信制御部504に送る。また、本実施形態では、無線部503は、反射波読み取り器側から受信した無変調キャリアの受信電力レベルを計測し、これを送信パケット生成部507に出力するようになっている。
データ復調部513は、無線部503で受信したASK受信データにクロック同期し、データを復調してユニーク・ワード検出部514に送る。
ユニーク・ワード検出部514は、受信データ列からユニーク・ワードを検出してACK又はNACKパケットを取り出し、CRC判定部515に送る。
CRC判定部515は、ACK又はNACKパケットのCRC判定を行ない、その判定結果を送信パケット生成部507に通達する。
図3には、図2に示した反射器501の通信制御部504のパケット生成部507における動作手順をフローチャートの形式で示している。
送信パケット生成部507は、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から反射波伝送の開始要求を受けると、反射波伝送を開始し(ステップS601)、送信タイマを起動する(ステップS602)。この送信タイマは、ある一定期間でタイムアウトし、送信タイミングを生成するために用いられる。
送信パケット生成部507は、送信タイマのタイムアウトを監視する(ステップS603)。ここで、タイムアウトが発生する前に、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から反射波伝送の終了要求を受けたら(ステップS615)、反射波伝送の動作フローを終了する(ステップS616)。
一方、送信タイマがタイムアウトした場合には(ステップS603)、CRC判定部515から通達されたCRC判定結果をチェックする(ステップS604)。そして、パケット誤りが無いとの判定であれば、受信したパケットがACKであるかどうかをさらに調べる(ステップS605)。受信したパケットがACKであれば、続いて、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506からデータの送信リクエストが到来しているかどうかを確認する(ステップS606)。そして、送信リクエストがあれば、端末機器506から送られてきたデータから送信データ・パケットを生成し、パケットをバッファに格納する(ステップS607)。このバッファは、送信データ・パケットを正しく反射波読み取り器に送信できなかった場合に、同一送信データ・パケットの再送を行なうために装備されている。
次に、送信パケット生成部507は、送信履歴を作成する(ステップS608)。送信履歴は送信データ・パケットを送信したか空パケット送信したかを表す情報ビットである。送信履歴例としては、送信データ・パケットを送る際には1に、空パケットを送る際には0に設定される。本実施形態では、送信パケット生成部507は送信履歴を1に設定する(ステップS608)。
一方、送信タイマがタイムアウトして(ステップS603)、CRC判定がパケットに誤り無いとの判定で(ステップS604)、受信したパケットがACKでなかった場合には、以前に送信したデータ・パケットを再送するために、バッファから送信データ・パケットを読み出し(ステップS612)、送信履歴を1に設定して(ステップS608)、再送パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS609)。
送信タイマがタイムアウトして(ステップS603)、CRC判定がパケットに誤り無いとの判定で(ステップS604)、受信したパケットがACKであり(ステップS605)、端末機器506からデータの送信リクエストが到来していない場合には(ステップS606)、送信パケット生成部507は空のパケットを生成し(ステップS613)、送信履歴は0に設定して(ステップS614)、空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS609)。空パケットの中のデータ列は、例えばすべて0の値である。
また、送信タイマがタイムアウトして(ステップS603)、CRC判定がパケット未受信、あるいはパケット誤りがあるとの結果であった場合には(ステップS604)、送信履歴があるか無いかを調べる(ステップS611)。
ここで、送信履歴が1であれば、バッファから再送用のデータ・パケットを読み出して(ステップS612)、送信履歴は1のままに設定して(ステップS608)、再送パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS609)。
また、送信履歴が0であれば、空パケットを生成して送信履歴は0のままに設定して(ステップS614)、空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS609)。このように、送信パケット生成部507は、反射波伝送期間中は、一定の間隔で送信タイミングが到来すると、送信データが存在しないときも、空パケットを送出する仕組みになっている。
次に、送信パケット生成部507は、生成した送信データ・パケットあるいは空パケットをCRC演算部508に出力し(ステップS609)、送信タイマを再起動して(ステップS610)、再び送信タイマのタイムアウト(ステップS603)と反射波伝送の終了要求(ステップS615)の待ち受け状態になる。
図4には、本実施形態に係る反射波伝送システムにおける反射波読み取り器701の構成例を示している。同図に示すように、反射波読み取り器701は、指向性アンテナ702と、無線部703と、通信制御部704と、表示部716と、ホスト・インターフェース部705で構成されている。指向性アンテナ702、無線部703、ホスト・インターフェース部705は、図1に示した反射波読み取り器408の指向性アンテナ409、無線部410、ホスト・インターフェース部412とそれぞれ略同一の構成である。
反射波読み取り器701の無線部703は、無変調キャリアを生成して指向性アンテナ702から送信する機能と、指向性アンテナ702から受信した反射波を検波・復調する受信機能を備えている。
無線部703は、受信したデータを通信制御部704に送る。反射波読み取り器701の通信制御部704は、データ復調部707と、ユニーク・ワード検出部708と、デスクランブル部709と、リードソロモン・デコード部710と、CRC判定部711と、ACK/NACKパケット生成部712と、CRC演算部713と、ユニーク・ワード付加部714と、プリアンブル付加部715で構成されている。
データ復調部707は、無線部703で受信した受信データにクロック同期し、データを復調してユニーク・ワード検出部708に送る。
ユニーク・ワード検出部708は、受信データ列からユニーク・ワードを検出して受信パケットを取り出し、デスクランブル部709に送る。
デスクランブル部709は、パケットにかけられているスクランブルを解いて、リードソロモン・デコード部710に送る。
リードソロモン・デコード部710は、パケットの誤り訂正を行ない、CRC判定部711に送る。
CRC判定部711は、受信パケットのCRC判定を行ない、その判定結果をACK/NACKパケット生成部712に通達する。
ACK/NACKパケット生成部712は、受信パケットが空パケットであればACKパケットもNACKパケットも生成しない。受信パケットがデータ・パケットであり、パケットが正しいとCRC判定された場合はACKパケットを生成し、パケットに誤りがあるとCRC判定された場合はNACKパケットを生成し、CRC演算部713にACK/NACKパケットを送る。
CRC演算部713は、ACK/NACKパケット生成部712から送られてきたパケットにCRC符号を付加して、ユニーク・ワード付加部714に送る。
ユニーク・ワード付加部714は、CRC演算部713から送られてきたパケットにパケット検出用のユニーク・ワードを付加して、プリアンブル付加部715に送る。
プリアンブル付加部715は、ユニーク・ワード付加部714から送られてきたパケットに同期用のプリアンブル・データを付加して、無線部703に送る。
無線部703は、通信制御部704のプリアンブル付加部715から送られてきたデータに基づき、指向性アンテナ702の負荷インピーダンスを操作したりすることによって無変調キャリアに変調をかけ、指向性アンテナ702から反射波を送信する。
CRC判定部711は、反射器501から受信した反射波パケットに対するCRC判定結果を表示部716に表示する。表示部716は、例えばLEDが用いられ、受信パケットが正しいとCRC判定されればLEDを一定期間点灯させる。
反射器501は、一定の周期で送信データ・パケットか空パケットを送信しているため、送信データがない場合であっても、反射波読み取り器701側では、反射器501からパケットを受け取ることができるかどうかを判別することができる。そして、反射波読み取り器701が受信する反射波パケットが正しく受信される頻度すなわちパケット受信率が高ければ、表示部716のLEDは点灯時間が長くなり、パケットを受信できなかった場合やパケットに誤る頻度が高い場合は、表示部716のLEDはほとんど点灯しなくなる。
したがって、反射器501を携帯し、反射波読み取り器701にデータ伝送を行おうとするユーザは、反射波読み取り器701の表示部716のLEDを見ながら反射器501の向きを調整することが可能となる。すなわち、ユーザは、データの転送先となるターゲット装置を見ながら指向性を調整し、目線を変えることなく転送動作を行なうことができるので、動作が簡便になる。
また、反射波読み取り器701側では、反射波の受信電力レベルで単純に通信可能かどうかを判断するのではなく、CRC判定して正しくパケットを復号することができたかによって通信状況を判断するようにしているので、周囲環境からの反射波の影響を除外して、反射器501と通信を行なうことができるか否かを正確に判断することができる。
図4に示した実施形態では、反射波読み取り器701が表示部716を装備しているが、表示部716が無くてもよく、代わりに、通信処理部704がホスト・インターフェース部705を介して接続されるホスト機器706の表示部(図示しない)にパケット受信率などを表示する機能を備えていてもよい。
反射波読み取り器が反射器との通信状況をユーザに通達する手段の他の実施形態として、以下を挙げることができる
・表示部に複数のLEDを設け、パケット受信率に応じて点灯するLEDの個数を変える。
・表示部のLEDの発光色を、パケット受信率によって変える。
・パケット受信率が悪いとき、反射器の位置・向きを修正する必要があることを、ユーザに音あるいは音声で伝える。
・反射器は、生成する空パケットに、反射器が反射波読み取り器から受信した無変調キャリアあるいはACK/NACKパケットの受信レベル値を情報として反射波に乗せる。あるいは、反射器は、生成するすべてのパケットに、上記受信レベル情報を入れる。このパケットを受信した反射波読み取り器側では、パケット内の受信レベル値情報を、反射波読み取り器から反射器方向への通信路の状況として、LEDや、音、音声などを用いてユーザに通達する。
図5には、図4に示した反射波読み取り器701による反射波伝送データの読み取り動作の手順をフローチャートの形式で示している。
反射波読み取り器701は、反射波データ伝送動作の開始とともに、無変調キャリアの連続送信を開始し(ステップS901)、反射器501からの反射波の受信を待機する(ステップS902)。この無変調キャリアの連続送信並びに受信待機動作は、反射波読み取り終了要求があるまで継続して行なわれる(ステップS914)。
反射波を受信すると、CRC判定部711は、反射波を正常なパケットとして解読可能であるかどうかをCRC判定する(ステップS903)。そして、反射器501から受信した反射波パケットに対するCRC判定結果を表示部716に表示する(ステップS904)。表示部716は、例えばLEDが用いられ、受信パケットが正しいとCRC判定されればLEDを一定期間点灯させる。パケット受信率に応じた表示出力を行なうようにしてもよい。
正常に受信できたパケットが空パケットではなくデータ・パケットである場合には(ステップS905)、データ・パケットをバッファに一時格納する(ステップS906)。この場合、ACK/NACKパケット生成部712によりACKパケットを生成する(ステップS907)。そして、無線部703は、無変調キャリアの連続送信を停止して(ステップS908)、ACKパケットの送信を行なう(ステップS909)。
また、CRC判定により反射波からパケットを正常に取り出すことができなかった場合には(ステップS903)、ACK/NACKパケット生成部712によりNACKパケットを生成する(ステップS911)。そして、無線部703は、無変調キャリアの連続送信を停止して(ステップS912)、NACKパケットの送信を行なう(ステップS913)。
また、受信パケットが空パケットであれば(ステップS905)、ACKパケットもNACKパケットも生成しない。
ACKパケット又はNACKパケットの送信処理を終え、あるいは空パケットにつきACK/NACKパケットを送信しない場合には、無変調キャリアの連続送信を再開し、ステップS902に戻って、次の反射波の受信動作を行なう。
図6には、図2に示した反射器501と、図4に示した反射波読み取り器701間で行なわれる反射波伝送の動作シーケンスを示している。以下、図示のシーケンスを参照しながら、本実施形態に係る通信手順について説明する。
801:反射器501は、端末機器506から反射波伝送の開始要求を受け、反射波伝送フロー(図3を参照のこと)を開始する。
802:反射波読み取り器701は、ホスト機器706から反射波読み取り開始要求を受け、反射波の読み取り動作(図5を参照のこと)を開始する。
803:反射波読み取り器701は、無変調キャリアの連続送信を開始する。
804:反射器501は、一定の間隔で空パケットを生成し、送信する。
805:反射器501は、送信すべきデータが無い間は、空パケットの送信を繰り返す。
806:反射器501は、端末機器506からデータの送信要求を受ける。
807:反射器501は、送信データ・パケットを生成し、送信する。
808:反射波読み取り器701は、データ・パケットを受信すると、無変調キャリアの連続送信を停止する。
809:反射波読み取り器701は、受信データ・パケットに誤りがあればNACKを、誤りが無ければACKパケットを生成し、ASK変調をかけて送信する。
810:反射波読み取り器701は、ACK又はNACKパケットの送信を完了すると、再び無変調キャリアを連続送信する。
811:反射器501は、ACK又はNACKパケットを受信し、ACKであれば新規送信データ・パケットを送信し、NACKであれば前に送った送信データ・パケットを送信する。
812:反射器501から反射波読み取り器701への送信データがなくなるまで、808〜811のシーケンスが繰り返される。
813:反射器501から反射波読み取り器701へのデータの送信が完了する。
814:反射器501は、空パケットを生成し、送信する。
815:反射器501は、送信すべきデータが無い間は、空パケットの送信を繰り返す。
816:反射器501は、端末機器506から反射波伝送の終了要求を受け、反射波伝送フロー(図3を参照のこと)を終了する。
817:反射波読み取り器701は、ホスト機器706から反射波読み取りの終了要求を受け、反射波受信(図5を参照のこと)を終了する。
818:反射波読み取り器701は、無変調キャリアの送信を停止する。
上述したように、本実施形態に係る反射波伝送システムでは、反射器で十分な受信レベルの無変調キャリアを受信できたかではなく、反射器が反射波として送信するデータ・パケット又は一定期間毎に反射波送信する空パケットを反射波読み取り器側で正しく復号することができたかどうかによって通信路の状況を把握するようにしている。この結果、図13に示したような反射器と反射波読み取り器のアンテナ指向性がずれている場合の問題を解決することができる。
このような通信状況の表示出力に加え、反射器は、生成する空パケットに、反射器が反射波読み取り器から受信した無変調キャリアあるいはACK/NACKパケットの受信レベル値を情報として反射波に乗せるようにしてもよい。あるいは、反射器は、生成するすべてのパケットに、上記受信レベル情報を入れる。このパケットを受信した反射波読み取り器側では、パケット内の受信レベル値情報を、反射波読み取り器から反射器方向への通信路の状況として、LEDや、音、音声などを用いてユーザに通達することができる。
図7には、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルを空パケットに記載して送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
送信パケット生成部507は、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から反射波伝送の開始要求を受けると、反射波伝送を開始し(ステップS1001)、送信タイマを起動する(ステップS1002)。この送信タイマは、ある一定期間でタイムアウトし、送信タイミングを生成するために用いられる。
送信パケット生成部507は、送信タイマのタイムアウトを監視する(ステップS1003)。ここで、タイムアウトが発生する前に、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から反射波伝送の終了要求を受けたら(ステップS1015)、反射波伝送の動作フローを終了する(ステップS1016)。
一方、送信タイマがタイムアウトした場合には(ステップS1003)、CRC判定部515から通達されたCRC判定結果をチェックする(ステップS1004)。そして、パケット誤りが無いとの判定であれば、受信したパケットがACKであるかどうかをさらに調べる(ステップS1005)。受信したパケットがACKであれば、続いて、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506からデータの送信リクエストが到来しているかどうかを確認する(ステップS1006)。そして、送信リクエストがあれば、端末機器506から送られてきたデータから送信データ・パケットを生成し、パケットをバッファに格納する(ステップS1007)。
次に、送信パケット生成部507は、送信履歴を作成する(ステップS1008)。送信履歴は、送信データ・パケットを送信したか又は空パケット送信したかを表す情報ビットであり、送信データ・パケットを送る際には1に、空パケットを送る際には0に設定される。当該ステップS1008では、送信パケット生成部507は送信履歴を1に設定する。
一方、送信タイマがタイムアウトして(ステップS1003)、CRC判定がパケットに誤り無いとの判定で(ステップS1004)、受信したパケットがACKでなかった場合には、以前に送信したデータ・パケットを再送するために、バッファから送信データ・パケットを読み出し(ステップS1012)、送信履歴を1に設定して(ステップS1008)、再送パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1009)。
送信タイマがタイムアウトして(ステップS1003)、CRC判定がパケットに誤り無いとの判定で(ステップS1004)、受信したパケットがACKであり(ステップS1005)、端末機器506からデータの送信リクエストが到来していない場合には(ステップS1006)、送信パケット生成部507は空のパケットを生成する(ステップS1013)。ここで、送信パケット生成部507は、反射波読み取り器701から到来する無変調キャリアの受信レベルに関する情報を無線部503から入力し、これを空パケット中に記載する。そして、空パケットを送信したことを示すべく、送信履歴は0に設定し(ステップS1014)、空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1009)。
また、送信タイマがタイムアウトして(ステップS1003)、CRC判定がパケット未受信、あるいはパケット誤りがあるとの結果であった場合には(ステップS1004)、送信履歴があるか無いかを調べる(ステップS1011)。
ここで、送信履歴が1であれば、バッファから再送用のデータ・パケットを読み出して(ステップS1012)、送信履歴は1のままに設定して(ステップS1008)、再送パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1009)。
また、送信履歴が0であれば、空パケットを生成して送信履歴は0のままに設定して(ステップS1014)、空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1009)。
次に、送信パケット生成部507は、生成した送信データ・パケットあるいは空パケットをCRC演算部508に出力し(ステップS1009)、送信タイマを再起動して(ステップS1010)、再び送信タイマのタイムアウト(ステップS1003)と反射波伝送の終了要求(ステップS1015)の待ち受け状態になる。
図8には、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルを空パケットに記載して送信する際の、反射波読み取り器側での反射波の読み取り動作の手順をフローチャートの形式で示している。
反射波読み取り器701は、反射波データ伝送動作の開始とともに、無変調キャリアの連続送信を開始し(ステップS1101)、反射器501からの反射波の受信を待機する(ステップS1102)。この無変調キャリアの連続送信並びに受信待機動作は、反射波読み取り終了要求があるまで継続して行なわれる(ステップS1114)。
反射波を受信すると、CRC判定部711は、反射波を正常なパケットとして解読可能であるかどうかをCRC判定する(ステップS1103)。そして、反射器501から受信した反射波パケットに対するCRC判定結果を表示部716に表示する(ステップS1104)。表示部716は、例えばLEDが用いられ、受信パケットが正しいとCRC判定されれば、LEDを一定期間点灯させる。パケット受信率に応じた表示出力を行なうようにしてもよい。
正常に受信できたパケットが空パケットではなくデータ・パケットである場合には(ステップS1105)、データ・パケットをバッファに一時格納する(ステップS1106)。この場合、ACK/NACKパケット生成部712によりACKパケットを生成する(ステップS1107)。そして、無線部703は、無変調キャリアの連続送信を停止して(ステップS1108)、ACKパケットの送信を行なう(ステップS1109)。
また、CRC判定により反射波からパケットを正常に取り出すことができなかった場合には(ステップS1103)、ACK/NACKパケット生成部712によりNACKパケットを生成する(ステップS1111)。そして、無線部703は、無変調キャリアの連続送信を停止して(ステップS1112)、NACKパケットの送信を行なう(ステップS1113)。
また、受信パケットが空パケットであれば(ステップS1105)、空パケット中の記載されている無変調キャリアの受信レベルに関する情報を解読し、これを表示部716に表示出力する(ステップS1115)。受信パケットが空パケットの場合は、反射器501に対し応答する必要がないので、ACKパケットもNACKパケットも生成しない。
ACKパケット又はNACKパケットの送信処理を終え、あるいは空パケットにつきACK/NACKパケットを送信しない場合には、無変調キャリアの連続送信を再開し、ステップS1102に戻って、次の反射波の受信動作を行なう。
図9には、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルをすべてのパケットに記載して送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
送信パケット生成部507は、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から反射波伝送の開始要求を受けると、反射波伝送を開始し(ステップS1201)、送信タイマを起動する(ステップS1202)。この送信タイマは、ある一定期間でタイムアウトし、送信タイミングを生成するために用いられる。
送信パケット生成部507は、送信タイマのタイムアウトを監視する(ステップS1203)。ここで、タイムアウトが発生する前に、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506から反射波伝送の終了要求を受けたら(ステップS1215)、反射波伝送の動作フローを終了する(ステップS1216)。
一方、送信タイマがタイムアウトした場合には(ステップS1203)、CRC判定部515から通達されたCRC判定結果をチェックする(ステップS1204)。そして、パケット誤りが無いとの判定であれば、受信したパケットがACKであるかどうかをさらに調べる(ステップS1205)。受信したパケットがACKであれば、続いて、端末インターフェース部505を介して接続されている端末機器506からデータの送信リクエストが到来しているかどうかを確認する(ステップS1206)。そして、送信リクエストがあれば、端末機器506から送られてきたデータから送信データ・パケットを生成し、パケットをバッファに格納する(ステップS1207)。
次に、送信パケット生成部507は、送信履歴を作成する(ステップS1208)。送信履歴は送信データ・パケットを送信したか空パケット送信したかを表す情報ビットであり、送信データ・パケットを送る際には1に、空パケットを送る際には0に設定される。当該ステップS1208では、送信パケット生成部507は送信履歴を1に設定する。
一方、送信タイマがタイムアウトして(ステップS1203)、CRC判定がパケットに誤り無いとの判定で(ステップS1204)、受信したパケットがACKでなかった場合には、以前に送信したデータ・パケットを再送するために、バッファから送信データ・パケットを読み出し(ステップS1212)、送信履歴を1に設定して(ステップS1208)、再送パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1209)。
送信タイマがタイムアウトして(ステップS1203)、CRC判定がパケットに誤り無いとの判定で(ステップS1204)、受信したパケットがACKであり(ステップS1205)、端末機器506からデータの送信リクエストが到来していない場合には(ステップS1206)、送信パケット生成部507は空のパケットを生成する(ステップS1213)。そして、空パケットを送信したことを示すべく、送信履歴は0に設定し(ステップS1214)、空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1209)。
また、送信タイマがタイムアウトして(ステップS1203)、CRC判定がパケット未受信、あるいはパケット誤りがあるとの結果であった場合には(ステップS1204)、送信履歴があるか無いかを調べる(ステップS1211)。
ここで、送信履歴が1であれば、バッファから再送用のデータ・パケットを読み出して(ステップS1212)、送信履歴は1のままに設定して(ステップS1208)、再送パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1209)。
また、送信履歴が0であれば、空パケットを生成して送信履歴は0のままに設定して(ステップS1214)、空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1209)。
次に、送信パケット生成部507は、生成した送信データ・パケットあるいは空パケットをCRC演算部508に出力する(ステップS1209)。ここで、送信パケット生成部507は、反射波読み取り器701から到来する無変調キャリアの受信レベルに関する情報を無線部503から入力し、送信する各パケット中に記載する。そして、送信タイマを再起動して(ステップS1210)、再び送信タイマのタイムアウト(ステップS1203)と反射波伝送の終了要求(ステップS1215)の待ち受け状態になる。
図10には、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルをすべてのパケットに記載して送信する際の、反射波読み取り器側での反射波の読み取り動作の手順をフローチャートの形式で示している。
反射波読み取り器701は、反射波データ伝送動作の開始とともに、無変調キャリアの連続送信を開始し(ステップS1301)、反射器501からの反射波の受信を待機する(ステップS1302)。この無変調キャリアの連続送信並びに受信待機動作は、反射波読み取り終了要求があるまで継続して行なわれる(ステップS1314)。
反射波を受信すると、CRC判定部711は、反射波を正常なパケットとして解読可能であるかどうかをCRC判定する(ステップS1303)。そして、反射器501から受信した反射波パケットに対するCRC判定結果を表示部716に表示する(ステップS1304)。表示部716は、例えばLEDが用いられ、受信パケットが正しいとCRC判定されればLEDを一定期間点灯させる。ここでは、パケット受信率に応じた表示出力を行なうとともに、パケット中の記載されている無変調キャリアの受信レベルに関する情報を解読し、これを表示部716に表示出力する。
正常に受信できたパケットが空パケットではなくデータ・パケットである場合には(ステップS1305)、データ・パケットをバッファに一時格納する(ステップS1306)。この場合、ACK/NACKパケット生成部712によりACKパケットを生成する(ステップS1307)。そして、無線部703は、無変調キャリアの連続送信を停止して(ステップS1308)、ACKパケットの送信を行なう(ステップS1309)。
また、CRC判定により反射波からパケットを正常に取り出すことができなかった場合には(ステップS1303)、ACK/NACKパケット生成部712によりNACKパケットを生成する(ステップS1311)。そして、無線部703は、無変調キャリアの連続送信を停止して(ステップS1312)、ACKパケットの送信を行なう(ステップS1313)。
また、受信パケットが空パケットであれば(ステップS1305)、反射器501に対し応答する必要がないので、ACKパケットもNACKパケットも生成しない。
ACKパケット又はNACKパケットの送信処理を終え、あるいは空パケットにつきACK/NACKパケットを送信しない場合には、無変調キャリアの連続送信を再開し、ステップS1302に戻って、次の反射波の受信動作を行なう。
なお、反射波伝送システムでは、一般に、ASKやBPSKなどの変調方式が採用されている。例えば、反射器側で指向性アンテナの負荷インピーダンス(アンテナ終端のオン/オフ)を操作することで信号空間上に0、1の信号を配置し、BPSK変調を簡易に実現することができる。ところが、これらの変調方式では伝送速度の面で問題がある。これに対し、反射器側において、アンテナの終端処理などの負荷インピーダンスの操作に加え、反射波が往復する信号路上で位相差を与えることによって、QPSKや8相PSK変調など、より高いビットレートの変調方式を実現することができる。
図11には、反射器501側において、QPSK変調方式を実現する無線部503の構成例を示している。図示の無線部503は、アンテナ101と、アンテナ101に直列に接続された3つの位相器102、103、104と、アンテナ101と位相器102の間、位相器102と103の間、及び位相器103と104の間にそれぞれ接続された高周波スイッチ105、106、107によって構成される。
位相器102、103、104は、受信電波108の波長λに対し、λ/8となるようなストリップ・ラインなどの線路によって構成される。このとき、ストリップ・ラインの長さLは、基板の誘電率εを考慮して決定され、下式の通りとなる。但し、εeffは基板の実効誘電率である。
Figure 0004403391
また、基板上での信号の伝送速度は下式の通りとなる。但し、C0は光速である。
Figure 0004403391
また、受信電波が各位相器を通過するのに要する時間は下式の通りとなる。但し、Tは受信電波の周期である。
Figure 0004403391
ここで、受信電波108は、各位相器102、103、104を通過することで360/T×T/8だけ位相が回り、それぞれ片道で45度、往復で90度の相違を得る。各位相器102、103、104は、アンテナ101から直列的に接続されており、高周波スイッチ105、106、107のオン/オフの組み合わせにより短絡点が設けられる。したがって、到来した受信電波108は短絡点において反射するが、スイッチのオン/オフに応じて往復する信号路に相違を設けることで、反射波に対して4通りの位相差が与えられる。
高周波スイッチ105のみがオンとなるとき、受信電波の反射は図中1a点で起こる。また、高周波スイッチ106のみがオンとなるとき、受信電波の反射は図中1b点で起こるが、1a点での反射波の位相と比較すると、位相器102を経由しているので、位相は90度シフトすることになる。また、高周波スイッチ107のみがオンとなるとき、反射は図中1c点で起こるが、1a点での反射波の位相と比較すると位相器102と103を経由しているので、位相は180度シフトすることになる。また、すべての高周波スイッチ105〜107がオフとなるとき、反射は図中1d点で起こるが、1a点での反射波の位相と比較すると位相器102と103、104を経由しているので、位相は270度シフトすることになる。したがって、高周波スイッチ105、106、107を選択的にオンにすることにより、相互に90度ずつ位相の異なる4つの位相を有する反射波を作ることができる。
データ伝送を行なう場合、伝送データを2ビットずつに区切り、2ビットの0と1の組み合わせに応じた位相を割り当てることにより、QPSK変調を実現する。具体的には、送信データを2ビットずつに区切り、00のときは高周波スイッチ105のみをオンに、01のときは高周波スイッチ106のみをオンに、11のときは高周波スイッチ107のみをオンに、10のときはすべての高周波スイッチ105〜107をオフにするように動作する。
このようして、データ2ビットの値に従い、相互に90度ずつ位相の異なる4つの位相を有する反射波を作ることが可能で、信号空間上に(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)の4点を配置することができるので、QPSK変調された反射波を作ることができる。
なお、本出願人に既に譲渡されている特願2003−352223号明細書には、QPSK変調処理を取り入れたバック・スキャッタ方式の通信システムについて開示されている。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、読取装置側からの無変調キャリアの送信と、送信装置側における伝送データにて反射波に変調を行なう反射波伝送システムを例にとって本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。反射波伝送以外のメディアを利用する他の無線通信システムであっても、送受信機間の指向性の問題などにより通信状況が明確でない場合に、本発明を適用することによって、送信データの受信状況をユーザに明示し、ユーザは簡便な機器操作により指向性の調整を行なうことができるようになる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、バック・スキャッタ方式のデータ伝送を行なう反射波伝送システムの構成例を示した図である。 図2は、本発明に係る反射波伝送システムを構成する反射器の構成例を示した図である。 図3は、反射器501の通信制御部504のパケット生成部507における動作手順を示したフローチャートである。 図4は、本発明に係る反射波伝送システムを構成する反射波読み取り器の構成例を示した図である。 図5は、反射波読み取り器701による反射波伝送データの読み取り動作の手順を示したフローチャートである。 図6は、図2に示した反射器501と、図4に示した反射波読み取り器701間で行なわれる反射波伝送の動作シーケンスを示した図である。 図7は、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルを空パケットに記載して送信するための処理手順を示したフローチャートである。 図8は、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルを空パケットに記載して送信する際の、反射波読み取り器側での反射波の読み取り動作の手順を示したフローチャートである。 図9は、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルをすべてのパケットに記載して送信するための処理手順を示したフローチャートである。 図10は、反射器が反射波読み取り器からの受信電波の受信レベルをすべてのパケットに記載して送信する際の、反射波読み取り器側での反射波の読み取り動作の手順を示したフローチャートである。 図11は、QPSK変調方式を実現する無線部503の構成例を示した図である。 図12は、反射器と反射波読み取り器の双方が無指向性のアンテナを用いている場合と、反射器と反射波読み取り器の双方が一方向に大きな利得を得ることができる指向性アンテナを用いている場合の無線通信距離の違いを示した図である。 図13は、指向性アンテナを用いた反射器301と反射波読み取り器302が正対していない例を示した図である。
符号の説明
501…反射器
502…指向性アンテナ
503…無線部
504…通信制御部
505…端末インターフェース部
507…送信パケット生成部
508…CRC演算部
509…リードソロモン・エンコード部
510…スクランブル部
511…ユニーク・ワード付加部
512…プリアンブル付加部
513…データ復調部
514…ユニーク・ワード検出部
515…CRC判定部
701…反射波読み取り器
702…指向性アンテナ
703…無線部
704…通信制御部
705…ホスト・インターフェース部
707…データ復調部
708…ユニーク・ワード検出部
709…スクランブル部
710…リードソロモン・デコード部
711…CRC判定部
712…ACK/NACKパケット生成部
713…CRC演算部
714…ユニーク・ワード付加部
715…プリアンブル付加部
716…表示部

Claims (17)

  1. 読取装置側からの無変調キャリアの送信と、送信装置側における伝送データに応じて無変調キャリアの反射波を変調する反射波伝送を行なう無線通信システムであって、
    送信装置は、データ伝送を行なわない期間に無変調キャリアを受信したことに応じて、空パケットを反射波伝送する、
    前記読取装置と前記送信装置との間で反射波伝送が可能かどうかを、前記送信装置が無変調キャリアに対して反射波伝送するパケットを前記読取装置で解読可能か否かによって判別する通信状況判別手段と、
    前記通信状況判別手段による判別結果を表示出力する表示手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記表示手段は前記読取装置側に配設される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記通信状況判別手段は、前記送信装置における無変調キャリアの受信電力レベルを判別し、
    前記表示手段は、前記送信装置と前記読取装置間における反射波伝送における通信状況に併せて、前記送信装置における無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報を表示する、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信システム。
  4. 受信電波に対する反射波の変調作用を利用した反射波通信を行なう無線通信装置であって、
    通信相手からの無変調キャリアを受信するとともに、伝送データに応じて変調した反射波を送出する通信手段と、
    伝送データをパケット化するパケット生成手段と、
    を備え、
    送信データが存在しないときには、前記パケット生成手段は所定の時間間隔で送信データを含まない空パケットを生成し、前記通信手段より該所定の時間間隔で空パケットを反射波送信する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  5. 前記通信手段により十分な受信電力の無変調キャリアを受信できたか否かを判別する通信状況判別手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記通信状況判別手段による判別結果を表示出力する表示手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
  7. 前記パケット生成手段は、前記通信状況判別手段により判別された無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報を空パケット又は通常のパケットに記載する、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信装置。
  8. 送信電波に対して変調が施された反射波を受信して反射波通信を行なう無線通信装置であって、
    無変調キャリアを送信するとともに、該無変調キャリアに対する反射波を受信処理する通信手段と、
    受信処理された反射波データを復号するデータ復号手段と、
    データ伝送を行なわない期間に無変調キャリアを受信したことに応じて空パケットを反射波伝送する通信相手が該無変調キャリアに対して反射波伝送するパケットを前記データ復号手段で正しく復号できたか否かに基づいて該通信相手との通信状況を判断する通信状況判別手段と、
    該判断された通信状況を表示出力する表示手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  9. 前記通信状況判別手段は、復号されたパケットの記載に基づいて通信相手における無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報を取得し、
    前記表示手段は、無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報を表示出力する、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信装置。
  10. 受信電波に対する反射波の変調作用を利用した反射波通信を行なう無線通信方法であって、
    送信データが存在しないときに所定の時間間隔で送信データを含まない空パケットを生成する空パケット生成ステップと、
    送信データが存在するときに送信データを含んだパケットを生成するデータ・パケット生成ステップと、
    生成したパケットを反射波送信するパケット送信ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  11. 十分な受信電力の無変調キャリアを受信できたか否かを判別する通信状況判別ステップをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信方法。
  12. 前記通信状況判別ステップによる判別結果を表示出力する表示ステップをさらに有する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信方法。
  13. 前記空パケット生成ステップ又は前記データ・パケット生成ステップでは、前記通信状況判別ステップにおいて判別された無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報をパケットに記載する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信方法。
  14. 送信電波に対して変調が施された反射波を受信して反射波通信を行なう無線通信方法であって、
    無変調キャリアを送信するステップと、
    該無変調キャリアに対する反射波を受信処理する受信処理ステップと、
    受信処理された反射波データを復号するデータ復号ステップと、
    データ伝送を行なわない期間に無変調キャリアを受信したことに応じて空パケットを反射波伝送する通信相手が該無変調キャリアに対して反射波伝送するパケットを前記データ復号ステップにおいて正しく復号できたか否かに基づいて該通信相手との通信状況を判断する通信状況判別ステップと、
    該判断された通信状況を表示出力する表示ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  15. 前記通信状況判別ステップでは、復号されたパケットの記載に基づいて通信相手における無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報を取得し、
    前記表示ステップでは、無変調キャリアの受信電力レベルに関する情報を表示出力する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の無線通信方法。
  16. 受信電波に対する反射波の変調作用を利用した反射波通信を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    送信データが存在しないときに所定の時間間隔で送信データを含まない空パケットを生成する空パケット生成ステップと、
    送信データが存在するときに送信データを含んだパケットを生成するデータ・パケット生成ステップと、
    生成したパケットを反射波送信するパケット送信ステップと、
    を有することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  17. 送信電波に対して変調が施された反射波を受信して反射波通信を行なうための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
    無変調キャリアを送信するステップと、
    該無変調キャリアに対する反射波を受信処理する受信処理ステップと、
    受信処理された反射波データを復号するデータ復号ステップと、
    データ伝送を行なわない期間に無変調キャリアを受信したことに応じて空パケットを反射波伝送する通信相手が該無変調キャリアに対して反射波伝送するパケットを前記データ復号ステップにおいて正しく復号できたか否かに基づいて該通信相手との通信状況を判断する通信状況判別ステップと、
    該判断された通信状況を表示出力する表示ステップと、
    を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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