JP4403025B2 - レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置 - Google Patents

レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4403025B2
JP4403025B2 JP2004185178A JP2004185178A JP4403025B2 JP 4403025 B2 JP4403025 B2 JP 4403025B2 JP 2004185178 A JP2004185178 A JP 2004185178A JP 2004185178 A JP2004185178 A JP 2004185178A JP 4403025 B2 JP4403025 B2 JP 4403025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
position error
component
error signal
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004185178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006012241A (ja
Inventor
佳昭 伊海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2004185178A priority Critical patent/JP4403025B2/ja
Publication of JP2006012241A publication Critical patent/JP2006012241A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4403025B2 publication Critical patent/JP4403025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

本発明は、記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置に関する。
従来より、例えばCDやDVDに代表される光ディスク媒体などを記録媒体として用いて、その記録媒体の表面にレーザ光を照射レンズで照射することにより、そのレーザ光によって記録媒体に対する情報の書き込みや読出しを行う情報記憶装置が知られている。この記録媒体には、線状のトラックに沿って情報が記憶されており、情報記憶装置では、情報の高精度な読み書きのために、トラックに交差する方向(トラッキング方向)や表面に近接乖離する方向(フォーカシング方向)について照射レンズの位置制御が必要である。このため、従来より、そのような情報記憶装置には、照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置としての機能が組み込まれている。このようなレンズ位置制御装置では、光ディスク媒体表面に当たって戻ってくる光が位置誤差検出用の光学系で受光されることによって、レンズの位置誤差を表す位置誤差信号が得られ、その位置誤差信号に基づいてレンズ位置の制御が制御される。
ところで、従来の記録媒体では、情報が書き込まれる記録膜の上に1.2〜0.6mm程度の光透過性の保護層があり、この保護層を通してレーザ光が記録膜に照射されていた。しかし近年、媒体の大容量化を目的として、保護層が100〜数10μm程度に薄い、いわゆる表面記録方式の記録媒体が開発されている。保護層が薄くなるほどレーザ焦点の光学収差が発生しにくくなり、レンズの高NA化による高密度化が可能になるが、その反面、保護層表面をレーザ光が通過するときのレーザスポット径も小さくなるため、小さな塵埃や傷でもレーザ光が遮断されてしまい、位置誤差信号にスパイク状のノイズが現れやすくなる。
図1は、保護層が薄くなることによって生じる問題の説明図である。
この図1のパート(A)には、記録膜2a上に1.2〜0.6mm程度の厚い保護層2bを有する記録媒体2_1が示されており、照射レンズ1はレーザ光4を保護層2b越しに記録膜2a上に集光する。保護層2bの表面に数100μm程度の小さい塵埃3が載っていたとしても、保護層2bを通過するときのレーザ光4のスポット径が十分に大きいので、塵埃3によって遮られる光の割合は小さい。このため位置誤差信号のノイズも小さく、CDやDVDなどといった光ディスク媒体では、ある程度小さい塵埃・傷に対しては、位置誤差信号の補正が原理的に不要である。
一方、この図1のパート(B)には、記録膜2a上に100〜数10μm程度の薄い保護層2cを有する記録媒体2_2が示されている。この場合は、照射レンズ1によって絞られたレーザ光4は保護層2cの表面で小さなスポット径となっているので、数100μm程度の小さい塵埃3であっても、保護層2cの表面に塵埃3が載っていると、塵埃3で遮られる光の割合が大きく、位置誤差信号のノイズも大きい。このため、薄い保護層2cを有する記録媒体2_2が塵埃の多い環境で用いられると、トラックはずれなどが頻発し、情報読み書きの速度や精度が低下するといった恐れがある。そこで、位置誤差信号の補正が必要と考えられている。
従来、厚い保護層を有するCDなどでも、大きな塵埃が保護層上に載ってしまった場合などに対処するために、位置誤差信号を補正する技術が提案されている。この技術では、記録媒体からの反射光の総量を示すSUM信号が、時定数の異なる2つのエンベロープ検出手段によって監視され、時定数の短いエンベロープ検出手段からの出力が時定数の長いエンベロープ検出手段からの出力を下回った場合には、位置誤差信号にノイズが生じていると判断され、位置誤差信号の低周波成分のみが用いられてレンズ位置が制御される(例えば特許文献1参照。)。
特公平6−19840
しかし、特許文献1に開示された技術では、位置誤差信号にノイズが生じている間は位置誤差信号の低周波成分のみでレンズ制御が行われているため、その低周波成分が本来の位置誤差信号から大きくずれる場合があり、そのような場合にはレンズの制御精度が悪化し、データ転送速度の悪化や隣接トラックへのデータの漏れ込みなどといった悪影響が生じる。
この特許文献1に開示された技術による補正は、厚い保護層上に大きな塵埃や傷が存在するという低頻度の現象に対処するために提案されており、そのように低頻度で補正が生じる場合には上記の悪影響も少ないが、保護層が薄い記録媒体では、上述したように、小さい塵埃や傷であっても補正が必要となって補正の頻度が著しく高く、上記の悪影響が大きな問題となる。
また、特許文献1に開示された技術では、エンベロープ検出手段によってノイズが監視されているが、このエンベロープ検出手段による監視では、数100um程度の小さい塵埃や傷に起因したノイズの適切な検出ができず制御精度の低下を招くという問題もある。
本発明は上記事情に鑑み、レンズ位置を高い精度で制御することができるレンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、およびレンズ位置のそのような制御によって高密度な情報記憶が可能な情報記憶装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の第1のレンズ位置制御装置は、
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
誤差検出部で得られた位置誤差信号における高周波成分を、ノイズ検出部で検出された時間区間について、推定部で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換部と、
成分置換部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする。
本発明の第1のレンズ位置制御装置によれば、例えば位置誤差信号やレンズの駆動信号などに基づいて、ノイズのない位置誤差信号の高周波成分が推定され、位置誤差信号にノイズが重なっているときには位置誤差信号中の実際の高周波成分が推定値に置き換えられることで位置誤差信号が精度よく補正される。このため、信号補正の頻度が多い場合であってもレンズ位置が安定的かつ高精度に制御される。
本発明の第1のレンズ位置制御装置は、「上記成分置換部が、位置誤差信号における高周波成分を除いた低周波成分をその高周波成分に対して遅延させるとともに、その高周波成分を、ノイズ検出部で検出された時間区間について、推定部によって得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得るものである」という形態が好ましい。
推定成分との置換によって高周波成分のノイズ除去が図られても、低周波成分にノイズの影響が残ってしまうとノイズ除去信号にもノイズが残ってしまう場合があるが、上記の好ましい形態によれば、ノイズが検出される時間区間が遅延時間以内である場合には、低周波成分にはノイズの影響が現れず、ほぼ完全にノイズが除去されたノイズ除去信号が得られる。実際に問題となる小さい塵埃や傷によるノイズは極めて短時間にのみ生じるスパイク状のノイズであるので、レンズ制御に支障がない程度に十分に短時間の遅延であってもノイズの除去には大きな効果があると期待される。
本発明の第1のレンズ位置制御装置は、
「上記ノイズ検出部が、照射レンズによって記録媒体に照射された光の総反射光量を指標した反射信号からフィルタで所定の周波数帯域の信号成分を抽出し、その信号成分が所定の異常レベルを示す時間区間を、位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間として検出するものである」という形態であってもよく、あるいは、
「上記ノイズ検出部が、誤差検出部で得られた位置誤差信号における上記高周波成分と、推定部によって得られた推定成分との差分が所定量を超える時間区間を、位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間として検出するものである」という形態であってもよい。
所定の周波数帯域の信号成分でノイズ検出を行う形態によれば、記録媒体に記憶された情報に応じた反射信号の変化や記録媒体のブレに伴う反射信号の変化などがフィルタで取り除かれて、塵埃や傷によるノイズが正確に検出される。
また、高周波成分と推定成分との差分でノイズ検出を行う形態によれば、実際の追従誤差の高周波成分を取り除いたいわば純粋なノイズ成分によるノイズ検出を行うことができるので、微細な塵埃や傷によるノイズも正確に検出される。
上記目的を達成する本発明の第2のレンズ位置制御装置は、
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分と、推定部によって得られた推定成分との差分によって、その位置誤差信号に重なるノイズを検出するノイズ検出部と、
誤差検出部で得られた位置誤差信号から、ノイズ検出部によって検出されたノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする。
本発明の第2のレンズ位置制御装置によれば、高周波成分と推定成分との差分によるノイズ検出部によって正確にノイズが検出され、ノイズが正確に除去されたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差が修正されるので、レンズ位置が高い精度で制御される。
上記目的を達成する本発明の第3のレンズ位置制御装置は、
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
位置誤差信号における所定の高周波成分を除いた低周波成分をその高周波成分に対して遅延させるとともに、位置誤差信号から、ノイズ検出部で検出された時間区間についてノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする。
ここで、「ノイズを除去してノイズ除去信号を得る」とは、上記推定成分などを用いてノイズを除去することであってもよく、あるいは、単に高周波成分を切り捨てて低周波成分をノイズ除去信号として用いることであってもよい。
本発明の第3のレンズ位置制御装置によれば、低周波成分が高周波成分に対して遅延されているので、ノイズが検出される時間区間が遅延時間以内である場合には、低周波成分にはノイズの影響が現れず、ほぼ完全なノイズ除去が実現される。このため、ノイズ除去信号によって照射レンズの位置が高い精度で制御されることとなる。
上記目的を達成する本発明の第1のレンズ位置制御方法は、
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御方法において、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出過程と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定過程と、
誤差検出過程で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出過程と、
誤差検出過程で得られた位置誤差信号における上記高周波成分を、ノイズ検出過程で検出された時間区間について、推定過程で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換過程と、
成分置換過部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正過程とを有することを特徴とする。
本発明の第1のレンズ位置制御方法によれば、位置誤差信号中の高周波成分が推定値に置き換えられることで位置誤差信号が精度よく補正され、レンズ位置が安定的かつ高精度に制御される。
上記目的を達成する本発明の第2のレンズ位置制御方法は、
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御方法において、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出過程と、
誤差検出過程で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出過程と、
位置誤差信号における所定の高周波成分を除いた低周波成分をその高周波成分に対して遅延させるとともに、位置誤差信号から、ノイズ検出過程で検出された時間区間についてノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去過程と、
ノイズ除去過程で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正過程とを有することを特徴とする。
本発明の第2のレンズ位置制御方法によれば、低周波成分が高周波成分に対して遅延されるので、遅延時間以内のノイズであれば低周波成分にはノイズの影響が現れず、ほぼ完全なるノイズ除去が実現されたノイズ除去信号によって照射レンズの位置が高い精度で制御されることとなる。
上記目的を達成する本発明の第1の情報記憶装置は、
光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
光を発する光源と、
光源から発せられた光を集光して記録媒体に照射する照射レンズと、
照射レンズによって記録媒体に照射される光によってその記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
誤差検出部で得られた位置誤差信号における上記高周波成分を、ノイズ検出部で検出された時間区間について、推定部で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換部と、
成分置換部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成する本発明の第2の情報記憶装置は、
光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
光を発する光源と、
光源から発せられた光を集光して記録媒体に照射する照射レンズと、
照射レンズによって記録媒体に照射される光によってその記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
誤差検出部で得られた位置誤差信号における上記高周波成分と、推定部によって得られた推定成分との差分によって、位置誤差信号に重なるノイズを検出するノイズ検出部と、
誤差検出部で得られた位置誤差信号から、ノイズ検出部によって検出されたノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする。
さらに、上記目的を達成する本発明の第3の情報記憶装置は、
光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
光を発する光源と、
光源から発せられた光を集光して記録媒体に照射する照射レンズと、
照射レンズによって記録媒体に照射される光によってその記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
位置誤差信号における所定の高周波成分を除いた低周波成分を高周波成分に対して遅延させるとともに、位置誤差信号から、ノイズ検出部で検出された時間区間についてノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする。
本発明のこれらの情報記憶装置によれば、本発明の各レンズ位置制御装置と同様にレンズ位置が高精度に制御され、その結果、高密度な情報記憶が実現される。
なお、本発明にいうレンズ位置制御方法および情報記憶装置については、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいうレンズ位置制御方法および情報記憶装置には、上記の基本形態のみではなく、前述したレンズ位置制御装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
以上説明したように、本発明のレンズ位置制御装置およびレンズ位置制御方法によれば、レンズ位置を高い精度で制御することができ、本発明の情報記憶装置によれば、レンズ位置のそのような制御によって高密度な情報記憶が実現される。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態を示す図である。
この図2には、本発明のレンズ位置制御装置の一実施形態が組み込まれた、本発明の情報記憶装置の第1の実施形態に相当する情報記憶装置10が機能ブロックで示されている。なお、実際の情報記憶装置では、ディジタル処理の多くの部分がDSPなどでソフトウェアによって実行されるが、以下では、説明の便宜上、そのようにDSPなどで実行される個々の処理機能について、その機能と等価な機能を有する回路素子と区別せずに説明する場合がある。また、この情報記憶装置10は、本発明のレンズ位置制御方法の一実施形態を実行するものであるが、以下の説明では、装置発明と方法発明とを特には区別せず、装置構成の説明や動作の説明によって併せて説明する。
ここに示す情報記憶装置10は、100〜数10μm程度の薄い保護層を有するディスク状の記憶媒体2に対して情報の記録と再生の両方を実行可能な装置であり、記憶媒体2上には、多数周の線状トラックが設けられている。なお、説明の便宜上、以下では、記憶媒体2に対する情報の記録と再生は光のみで実行可能であるものとして説明するが、本発明の情報記憶装置は、情報のアクセス時に磁場の印加などを必要とするものであってもよい。
この情報記憶装置10は、照射レンズ1を搭載し、その照射レンズ1の位置を、トラックに交差する方向(トラッキング方向)11aに移動させるキャリッジ11を備えており、このキャリッジ11には、トラッキング方向11aおよび媒体表面に近接乖離する方向(フォーカシング方向)11bに照射レンズ1を移動させるアクチュエータが組み込まれている。
また、情報記憶装置10は、レーザダイオード、光学素子、受光素子などが組み込まれた固定光学系12を有し、その固定光学系12のレーザダイオードから発せられるレーザ光4は、キャリッジ11の照射レンズ1に導かれて記憶媒体2に照射される。レーザダイオードは本発明にいう光源の一例に相当する。記憶媒体2によって反射された光は、レーザ光4の光路を固定光学系12まで遡り、光学素子によって情報再生用やレンズ位置誤差の検出用などに分割されて各受光素子に受光される。固定光学系12の各受光素子からは、レンズ位置誤差を示す位置誤差信号として、トラッキングエラー信号(TES)およびフォーカシングエラー信号(FES)が出力されるとともに、記憶媒体2に記憶されている情報を表した再生信号や、記憶媒体2からの総反射光量を表したSUM信号も出力される。固定光学系12は、本発明にいう誤差検出部の一例に相当し、SUM信号は、本発明にいう反射信号の一例に相当する。
情報記憶装置10は、ライト回路5とリード回路6とインタフェース7を備えており、固定光学系12の受光素子から出力された再生信号は、リード回路6によって処理されて、パーソナルコンピュータなどといった上位装置に適合した形式の再生データに変換され、インタフェース7を介して上位装置に出力される。また、このインタフェース7を介して上位装置から送られてくる記録データは、ライト回路5によって処理され、記録媒体2への情報書き込みに適応した形式の記録信号に変換されて固定光学系12に入力される。固定光学系12では、その記録信号に従ってレーザ光4が変調され、これによって記録媒体2に情報が書き込まれる。固定光学系12とライト回路5とリード回路6は、本発明にいうアクセス系の一例を構成している。
情報記憶装置10は、ローパスフィルタ13とハイパスフィルタ14とレベル検出器15とノイズ補正器16とを備えており、固定光学系12の受光素子から出力されたSUM信号は、ローパスフィルタ13およびハイパスフィルタ14からなるバンドパスフィルタを通ることによって、記録媒体2に記憶された情報に応じた高周波の信号変化成分や、記録媒体2のブレに伴う低周波の信号変化成分などが取り除かれ、ノイズ検出に必要な帯域成分のみとなってレベル検出器15に入力される。レベル検出器では、そのような帯域成分のみとなったSUM信号に生じる異常レベルを検出することによってノイズの有無を検出する。ノイズ補正器16は、本発明にいうノイズ除去部の一例に相当し、レベル検出器15によってノイズが検出された場合に位置誤差信号を補正してノイズを除去する。ノイズ補正器16の詳細については後述する。
情報記憶装置10は、フィードバック制御補償器17と駆動ドライバ18を備えており、ノイズ補正器16によってノイズが除去された位置誤差信号(本発明にいうノイズ除去信号の一例)は、フィードバック制御を担うフィードバック制御補償器17を経て駆動信号に変換されて駆動ドライバ18に入力される。駆動ドライバ18は、駆動信号に応じた駆動電流を、キャリッジ11に組み込まれたアクチュエータに供給し、これによって照射レンズ1の位置が修正される。フィードバック制御補償器17、駆動ドライバ18、およびキャリッジ11は、本発明にいう誤差修正部の一例に相当する。
図3は、ノイズ補正器の周辺部分を示した図である。
この図3には、ノイズを検出する検出系とノイズ補正器16の内部構成とが示されている。また、以下では、ノイズ補正器16が位置誤差信号のうちトラッキングエラー信号(TES)を補正の対象とするものとして説明する。
ノイズ検出系は、ローパスフィルタ13とハイパスフィルタ14とレベル検出器15で構成されており、SUM信号に基づいてノイズを検出する。
ノイズ補正器16は、ローパスフィルタ21とハイパスフィルタ22と高周波TES推定器23とスイッチ24と加算器25を有し、ノイズ補正器16に入力されるトラッキングエラー信号はローパスフィルタ21とハイパスフィルタ22によって、数十kHz帯以上の高周波成分(高周波TES)と数kHz帯以下の低周波成分(低周波TES)とに分離される。なお、ローパスフィルタ21は低周波TESを高周波TESに対して遅延させる役割も担っているが、その遅延による効果の説明はここでは保留して、後で第2の実施形態を説明した更にその後に回す。
高周波TES推定器23は、後述するように、ノイズ補正器16の出力信号に基づいて高周波TESを推定して推定値を出力するものである。
スイッチ24は、検出系でノイズが検出されたか否かで切り替わり、ノイズが検出されている間は高周波TES推定器23側に繋がって高周波TESの推定値を出力し、ノイズが検出されないときはハイパスフィルタ22側に繋がって元の高周波TESそのものを出力する。加算器25は、スイッチ24の出力とローパスフィルタ21の出力とを加算する。
これにより、検出系でノイズが検出されないときは元のトラッキングエラー信号が復元されてノイズ補正器16から出力され、検出系でノイズが検出されている間は、高周波TESが推定値に置き換えられることでノイズが補正されたトラッキングエラー信号が出力されることとなる。従ってノイズ補正器16は、本発明にいう成分置換部の一例にも相当している。
ここで、高周波TESの推定方法について説明する。まず、レンズ位置のフィードバック制御におけるトラッキングエラー信号の位置づけについて説明する。
図4は、レンズ位置制御のフィードバックループを表す概略図である。
この図に示すトラッキングアクチュエータ26は、図1に示す駆動ドライバ18と、キャリッジ11に組み込まれたアクチュエータとの総合物を表したものであり、このトラッキングアクチュエータ26に駆動信号が入力されることによって照射レンズが変位する。
レンズ位置制御では、記憶媒体の偏心や振動などといった外乱が生じても照射レンズが記憶媒体のトラックに追従するようにレンズ位置が制御される。照射レンズの変位量と外乱によるトラックの移動量が一致していれば結果的に位置誤差は0となる。つまり、レンズの位置誤差は外乱からレンズの変位を差し引いたものとなる。
トラッキングエラー信号は、その位置誤差に、電気的または光学的な要因で発生するノイズが重畳されたものとなっており、フィードバック制御補償器17は、このようなトラッキングエラー信号から、レンズの位置誤差を修正するような駆動信号を生成して出力する。
ところで、例えば図1に示すようなディスク状の記憶媒体2では、外乱は主に数kHz以下の低周波成分で生じ、ノイズは主に数十kHz以上の高周波成分で生じる。また、数kHzの外乱にレンズを追従させるためにトラッキングアクチュエータ26は数十kHzを超える高周波まで動作する必要があるので、トラッキングエラー信号としては、数十kHz帯以上の高周波成分(高周波TES)と数kHz帯以下の低周波成分(低周波TES)との双方を含んでいることが必要である。
この結果、トラッキングエラー信号に含まれるこれらの振動成分は、低周波TESは主に「(外乱)−(レンズ変位)」、高周波TESは主に「(ノイズ)−(レンズ変位)」であると仮定でき、「ノイズを含まない高周波TES」は、レンズ変位の高周波成分とほぼ等しいと仮定できる。
ところでレンズ変位は、フィードバック制御補償器17が出力した駆動信号に従ってトラッキングアクチュエータ26が駆動したことによる変位であるので、アクチュエータ特性の数値モデルを使うことで、駆動信号に対するレンズ変位を推定することが可能である。さらに推定されたレンズ変位をハイパスフィルタに通過させて高周波成分を抽出すれば、前述の仮定から、高周波成分TESを推定することが可能となる。
図5は、推定回路の構成図である。
この図5に示す推定回路23は、トラッキングエラー信号に基づいて高周波TESを推定するものであり、図2及び図4に示すフィードバック制御補償器17と同等のフィードバック制御補償器27、図4に示すトラッキングアクチュエータ26のアクチュエータ特性を再現するアクチュエータモデル28、および数十kHz帯以上の高周波成分を通すハイパスフィルタ29を備えている。
この推定回路23に入力されるトラッキングエラー信号から、フィードバック制御補償器27によって駆動信号が生成され、その駆動信号がアクチュエータモデル28に入力されてレンズの推定変位が得られ、その推定変位がハイパスフィルタ29に入力されて高周波TESの推定値が得られる。
図6は、図5に1つのブロックで示したアクチュエータモデルの構成図である。
一般に、ばね支持アクチュエータの伝達特性は、ばねの共振周波数をωn、減衰率をζ、比例ゲインをk、駆動電流をU、変位をXとすると、以下の伝達関数モデルで近似できる。
X(s)/U(s)=k/(s2+2ζωns+ωn 2) …(1)
この伝達関数モデルによってレンズの推定変位を求めることができるが、連続時間系ではなく離散時間系であるデジタル制御系でモデルを計算するためには、上記伝達関数モデルを離散化する必要がある。離散化の方法としては双一次変換などといった様々な方法があり、市販のCADソフトなどに組み込まれた機能を用いて実行することができる。離散化された伝達関数モデルは次の式(2)で表される。
k/Uk=(a0+a1-1+a2-2)/(1+b1-1+b2-2) …(2)
ここでan、bnは定数、Z-nはnサンプル遅延、Ukは駆動信号、Xkは推定変位である。この式(2)を等価回路図で表すと図6に示すアクチュエータモデル28となり、定数を表した乗算器30,32,34,38,40と、遅延器31,33,37,39と、加算器35,36,41と、減算器42とで構成されている。定数an、bnが適切な値に設定されることによって特性が設定されたアクチュエータモデル28に駆動信号Ukが入力されることによってアクチュエータ変位の推定値Xkが出力される。
ばね支持アクチュエータの数値モデルに対するアクチュエータ特性の設定手順について以下説明する。
図7は、アクチュエータモデルに設定される特性を表す図である。
先ず、実際のアクチュエータが有する伝達特性を測定する。この伝達特性は、図4に示すトラッキングアクチュエータ26に入力される駆動信号とレンズ変位との関係を表したものであり、図2に示す駆動ドライバ18に、周波数を順次に変えたテスト駆動信号を入力し、そのときのレンズ変位の振幅(ゲイン)と位相を測定することによって伝達特性が得られる。
この図7の横軸は駆動信号の周波数を示しており、図7の上段にはゲインのグラフが示され、図7の下段には位相のグラフが示されている。
この図7に示されている各グラフの点線は、上述したように測定された伝達特性を表しており、ばねの共振周波数でゲインにピークが現れ、位相も0°から−180°まで変化する。
次に、このように測定された伝達特性に対し、市販のCADソフトなどを使い、上記式(1)の共振周波数ωn、減衰率ζ、および減衰率kの値を調整しながら数値モデルの特性を計算し、測定値によく合う数値モデルを同定する。
図7に示されている各グラフの実線は、このように同定された数値モデルにおける特性を示している。
最後に、このように同定された数値モデルを市販のCADソフトなどに組み込まれた機能を用いて離散化することによって上述した定数an、bnが求められ、この定数an、bnが図6に示すアクチュエータモデル28に設定される。
このように特性が設定されたアクチュエータモデルを備えた推定回路によって高周波TESの推定値が精度良く求められる。
ここで、推定回路の別の例について説明する。図5に示す推定回路23は、トラッキングエラー信号に基づいて高周波TESを推定するものであるが、高周波TESは、駆動信号に基づいた推定でも求めることができる。
図8は、駆動信号に基づいた推定を行う推定回路の構成図である。
この図8に示す高周波TES推定器23’は、図5に示す推定回路23の構成要素のうち、アクチュエータモデル28とハイパスフィルタ29のみを備えており、フィードバック制御補償器27は備えていない。この高周波TES推定器23’は、図3及び図4に示す本来のフィードバック制御補償器17から本来の駆動信号の入力を受けて高周波TESを推定する。このような高周波TES推定器23’でも、図5に示す推定回路23と全く同様に高周波TESが推定される。
以下、図5に示す推定回路23を有する第1の実施形態における作用効果を説明する。
図9は、第1の実施形態における作用効果の説明図である。以下、この図9のグラフと、図3とを参照して説明する。
この図9には、図3に示す各信号線A,B,C,D,Eそれぞれを通る信号を表すグラフが5段に示されており、縦軸は信号レベルを表し、横軸は共通の時間軸を表している。これらのグラフは、上から順に、信号線Aを通るSUMレベル確認信号43のグラフ、信号線Bを通る高周波TES44のグラフ、信号線Cを通る高周波TES推定値45のグラフ、信号線Dを通るトラッキングエラー信号(TES)45のグラフ、および信号線Eを通る補正後のトラッキングエラー信号47のグラフとなっている。
レーザ光が記憶媒体上の塵埃や傷などの上を通過すると、SUMレベル確認信号43には、基準レベル43aを下回るレベル異常部43bが生じ、そのレベル異常部43bが生じるタイミングと同じタイミングでトラッキングエラー信号46にはスパイク状の大きなノイズ46aが生じる。この大きなノイズ46aは主に高周波成分からなるものであり、高周波TES44にも同様なノイズ44aが生じている。一方で、高周波TES推定値45にはそのようなノイズは生じない。
レベル検出器15は、SUMレベル確認信号43のレベルを基準レベル43aと比較することによってレベル異常部43bを検出し、スイッチ24は、SUMレベル確認信号43にレベル異常部43bが生じている間は高周波TES推定器23側に繋がって高周波TES推定値45を出力する。これは、高周波TES44のノイズ44aの部分が高周波TES推定値45に置き換わってノイズ44aが補正されることと同義である。このようにノイズ44aが補正された高周波TES44が加算器25で低周波TESと加算されることによって補正後のトラッキングエラー信号47が得られる。
このように得られる補正後のトラッキングエラー信号47は、元のトラッキングエラー信号46のノイズ46aが除去されたものとなっている。図9に示すグラフでは、一見、ノイズが一部残っているかのように見えるが、これは、本来のトラッキングエラー信号が、たまたまノイズ46aと同時に信号変化をしているためであり、逆に本実施形態であれば、このような信号変化をノイズ46aと区別してノイズ46aのみを補正することができる。本実施形態では、このような補正後のトラッキングエラー信号47が用いられてレンズ位置が制御されるので、元のトラッキングエラー信号46にノイズ46aが発生した場合であっても精度の高いレンズ位置制御が実現され、ノイズの補正頻度が高い場合であってもレンズ位置は安定的に制御される。
このような安定したレンズ位置制御によって、制御はずれによる隣接トラックへのデータの漏れ込みなどが防止される。また、データの読み取り/書き込み時間のロスが減少してデータ転送速度の低下が回避される。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、ノイズの検出方法が異なる点を除いて、上述した第1の実施形態と同様の実施形態であるので、以下では相違点についてのみ着目して説明し、重複説明については省略する。
図10は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図11は、第2の実施形態におけるノイズ補正器の周辺部分を示した図である。
この第2の実施形態の情報記憶装置50では、ノイズ補正器16内に備えられているハイパスフィルタ22と高周波TES推定器23が、ノイズ検出系の一部としても利用される。このため、図10では、説明の都合上、ノイズ補正器16内に備えられているハイパスフィルタ22と高周波TES推定器23がノイズ補正器16の外に図示されている。実際には、ハイパスフィルタ22および高周波TES推定器23は、図11に示すように、ノイズ補正器16内に備えられている状態でノイズ検出系の一部として利用される。
この第2の実施形態の情報記憶装置50におけるノイズ検出系は、ハイパスフィルタ22と高周波TES推定器23と減算器51とレベル検出器15とで構成されており、ハイパスフィルタ22で得られる高周波TESから、高周波TES推定器23で得られる推定値を、減算器51によって減算することによって高周波ノイズ予測値を得る。この高周波ノイズ予測値は、レーザ光が塵埃や傷などを通過することなどに起因するノイズを正確に予測したものとなっており、この高周波ノイズ予測値のレベルがレベル検出器15によって検出されることによって、低レベルのノイズであっても正確に検出される。
この情報記憶装置50でノイズが検出された後の動作は、図2に示す情報記憶装置10おける動作と全く同様であるが、この図10に示す情報記憶装置50におけるレンズ位置制御の方が、ノイズ検出が正確である分だけ精度の高い制御となる。
図12は、第2の実施形態における作用効果の説明図である。以下、この図12のグラフと、図11とを参照して説明する。
この図12には、図11に示す各信号線F,G,H,I,Jそれぞれを通る信号を表すグラフが5段に示されており、縦軸は信号レベルを表し、横軸は共通の時間軸を表している。これらのグラフは、上から順に、信号線Fを通る推定ノイズ54のグラフ、信号線Gを通る高周波TES55のグラフ、信号線Hを通る高周波TES推定値56のグラフ、信号線Iを通るトラッキングエラー信号(TES)57のグラフ、および信号線Jを通る補正後のトラッキングエラー信号58のグラフとなっている。
上述したように、推定ノイズ54は、高周波TES55から高周波TES推定値56を差し引いたものとなっており、レベル検出器15ではこの推定ノイズ54のレベルが基準レベル54aと比較されてレベル異常部54bが検出される。このとき基準レベル54aとしては十分に低いレベルが採用可能であり、低レベルのノイズであっても正確に検出される。
スイッチ24は、推定ノイズ54にレベル異常部54bが生じている間は高周波TES推定器23側に繋がって高周波TES推定値56を出力し、高周波TES55のノイズ55aが補正される。その結果、第1の実施形態と同様に、トラッキングエラー信号57のノイズ57aも正確に補正されて補正後のトラッキングエラー信号58が得られる。
本実施形態では、このような補正後のトラッキングエラー信号58が用いられてレンズ位置が制御されるので、元のトラッキングエラー信号57にノイズ57aが発生した場合であっても精度の高いレンズ位置制御が実現され、ノイズの補正頻度が高い場合であってもレンズ位置は安定的に制御される。
次に、上記で説明を保留した、低周波TESを高周波TESに対して遅延させることの効果について以下説明する。この効果は、上述した第1の実施形態および第2の実施形態に共通する効果である。
図13は、第1の実施形態および第2の実施形態におけるノイズ補正器の周辺の共通部分を示す図である。
この図13には、図3及び図11それぞれに示したノイズ補正器16の構造が再度示されており、この図13では、ノイズ検出系については図示が省略されている。
ローパスフィルタ21は、ハイパスフィルタ22から出力される高周波TESに対して低周波TESを遅延させて出力する。
ここでは、これらローパスフィルタ21およびハイパスフィルタ22は、いわゆるデジタルフィルタによって構成されている。
図14は、一般的な1入力1出力のデジタルフィルタの構成図である。
一般的な1入力1出力のデジタルフィルタ60は、1つの遅延器62を有し、遅延器62の入力側と出力側それぞれには、信号を定数行列A0,B0倍する乗算器61,65が備えられている。このデジタルフィルタ60は、遅延器62の出力側から入力側へのフィードバック経路を有し、そのフィードバック経路を通る信号を定数行列C0倍する乗算器63と、フィードバック経路の信号を遅延器62の入力側に加算する加算器64とを備えている。デジタルフィルタ60は、更に、入力信号を定数D0倍してそのまま出力する直達経路を有し、その直達経路を通る信号を定数D0倍する乗算器66と、直達経路の信号を遅延器62の出力側に加算する加算器67も備えている。この直達経路の乗算器66によって信号に乗算される定数D0のことを「直達項」と称する場合がある。
このデジタルフィルタ60におけるフィルタ特性は、4つの乗算器61,63,65,66それぞれで信号に乗算される定数行列A0,B0,C0,および定数D0の設定値によって決まることとなる。
このようなデジタルフィルタ60が応用されて、原信号を高周波成分と低周波成分とに分割するような一般的なローパスフィルタとハイパスフィルタとの対が作成される場合には、それら2つのフィルタにおける2つの直達項の和が「1」になるように各直達項が設定されるが、どちらの直達項も「0」とはならず、1〜0の間の値をもつ。
ここで、そのような一般的なローパスフィルタとハイパスフィルタが、図13に示すローパスフィルタ21およびハイパスフィルタ22に替えて用いられる比較例について説明する。
図15は、比較例における作用を説明する図である。
この図15には、図13に示す各信号線K,L,M,N,Oそれぞれを通る信号を表すグラフが5段に示されており、縦軸は信号レベルを表し、横軸は共通の時間軸を表している。これらのグラフは、上から順に、信号線Kを通るトラッキングエラー信号70のグラフ、信号線Lを通る低周波TES71のグラフ、信号線Mを通る高周波TES72のグラフ、信号線Nを通る高周波TES推定値73のグラフ、および信号線Oを通る補正後のトラッキングエラー信号74のグラフとなっている。
トラッキングエラー信号70に1サンプリング時間だけスパイク状のノイズ70aが生じた場合を想定すると、そのノイズ70aの影響は、低周波TES71と高周波TES72の双方に及んでノイズ成分71a,72aが生じる。トラッキングエラー信号70のノイズ70aは検出系によって検出され、そのノイズ70aが生じている時間(1サンプリング時間)は、高周波TES72の替わりに高周波TES推定値73が用いられて高周波TES72のノイズ成分72aが補正される。そのように補正された高周波TES72と低周波TES71とが加算されて補正後のトラッキングエラー信号74が得られるが、補正後のトラッキングエラー信号74には、低周波TES71上のノイズ成分71aに相当するノイズ成分74aが残ってしまう。なお、ノイズが検出された1サンプリング時間の後は、低周波TES71と高周波TES72の足し合わせによって元のトラッキングエラー信号が再現されるのでノイズは見られない。
このように、比較例ではノイズの除去が不完全となっている。
これに対し、図13に示すノイズ補正器16では、上述したように、ローパスフィルタ21は、ハイパスフィルタ22から出力される高周波TESに対して低周波TESを遅延させて出力するものとなっている。
図16は、ハイパスフィルタの構成図である。
この図16に示すように、ハイパスフィルタ22は、図14に示すデジタルフィルタ60の構成とほぼ同様の構成を有しており、デジタルフィルタ60の構成要素と同じ構成要素についてはこの図16でも同じ符号を付して重複説明を省略する。
このハイパスフィルタ22は、ハイパスフィルタとしての特性を発揮するような定数行列AH,BH,CHが設定された3つの乗算器61H,63H,65Hを備えている。
また、このハイパスフィルタ22における直達経路には乗算器が設けられておらず素通しとなっている。これは、直達項が「1」であることと同義である。
図17は、ローパスフィルタの構成図である。
このローパスフィルタ21も、基本構造は図14に示すデジタルフィルタ60の構成とほぼ同様であり、デジタルフィルタ60の構成要素と同じ構成要素についてはこの図17でも同じ符号を付して重複説明を省略する。
ローパスフィルタ21は、ローパスフィルタとしての特性を発揮するような定数行列AL,BL,CLが設定された3つの乗算器61L,63L,65Lを備えている。
このローパスフィルタ21には直達経路が設けられておらず、これは、直達項が「0」であることと同義である。この結果、ローパスフィルタ21への入力は、出力までに必ず遅延器62を通過することになり、出力に即時反映されなくなるので、ローパスフィルタ21から出力される低周波TESは、入力信号および高周波TESに対して遅延したものとなる。
この図17に示す構成のローパスフィルタ21と図16に示す構成のハイパスフィルタ22との組が用いられる場合には、低周波TESは高周波TESに対して1サンプリング時間だけ遅延する。
図18は、低周波成分の遅延による作用効果を説明する図である。
この図18にも図15と同様に、図13に示す各信号線K,L,M,N,Oそれぞれを通る信号を表すグラフが5段に示されており、縦軸は信号レベルを表し、横軸は共通の時間軸を表している。
この図18に示すグラフのうち、最上段のトラッキングエラー信号70のグラフと下から2段目の高周波TES推定値73のグラフは、図15に示すグラフと同じグラフである。
低周波TES75は、トラッキングエラー信号70および高周波TES72に対して1サンプリング時間遅延したものとなっているのでノイズ成分75aも遅延しており、トラッキングエラー信号70にノイズが生じている時間には低周波TES75にはノイズ成分75aは現れない。
一方、高周波TES76には、直達項が「1」であることに起因してノイズ成分76aに大きなピークが現れているが、この大きなピークは、1サンプリング時間だけ高周波TES推定値73に置換されることによって補正される。
このように補正された高周波TES76が低周波TES75と加算されることによって補正後のトラッキングエラー信号77が得られ、この補正後のトラッキングエラー信号77はノイズが完全に除去されたものとなっている。記憶媒体上の100μm程度のゴミに起因するノイズは1サンプリング時間以内のノイズとなるので、上述したような1サンプリング時間の遅延によって大多数のノイズが完全に除去されることとなる。
このように、第1の実施形態および第2の実施形態によれば、位置誤差信号のノイズが的確に補正され、その補正された位置誤差信号が用いられることによってレンズ位置が安定かつ正確に制御されることとなる。
なお、上記説明では、本発明にいう位置誤差信号の一例としてトラッキングエラー信号が示されているが、本発明にいう位置誤差信号は、フォーカシングエラー信号であってもよい。
また、上記説明では、高周波TESに対する低周波TESの遅延と、高周波TESを推定値に置き換えることによるノイズ補正(ノイズ除去)との双方が採用された例が示されているが、本発明では、このような遅延と任意方式のノイズ補正とが採用されてもよく、あるいは遅延無しにこの方式のノイズ補正のみが採用されても良い。
また、上記説明では、高周波TESと推定値との差を用いたノイズ検出と、高周波TESを推定値に置き換えることによるノイズ補正(ノイズ除去)との双方が採用された例が示されているが、本発明では、この方式のノイズ検出と任意方式のノイズ補正とが採用されてもよく、あるいは任意方式のノイズ検出とこの方式のノイズ補正とが採用されても良い。
以下、本発明に含まれる各種形態について付記する。
(付記1)
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換部と、
前記成分置換部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とするレンズ位置制御装置。
(付記2)
前記成分置換部が、前記位置誤差信号における前記高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部によって得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得るものであることを特徴とする付記1記載のレンズ位置制御装置。
(付記3)
前記ノイズ検出部が、前記照射レンズによって前記記録媒体に照射された光の総反射光量を指標した反射信号からフィルタで所定の周波数帯域の信号成分を抽出し、その信号成分が所定の異常レベルを示す時間区間を、前記位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間として検出するものであることを特徴とする付記1記載のレンズ位置制御装置。
(付記4)
前記ノイズ検出部が、前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分と、前記推定部によって得られた推定成分との差分が所定量を超える時間区間を、該位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間として検出するものであることを特徴とする付記1記載のレンズ位置制御装置。
(付記5)
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分と、前記推定部によって得られた推定成分との差分によって、該位置誤差信号に重なるノイズを検出するノイズ検出部と、
前記誤差検出部で得られた位置誤差信号から、前記ノイズ検出部によって検出されたノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とするレンズ位置制御装置。
(付記6)
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
前記位置誤差信号における所定の高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該位置誤差信号から、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について前記ノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とするレンズ位置制御装置。
(付記7)
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御方法において、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出過程と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定過程と、
前記誤差検出過程で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出過程と、
前記誤差検出過程で得られた位置誤差信号における前記高周波成分を、前記ノイズ検出過程で検出された時間区間について、前記推定過程で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換過程と、
前記成分置換過部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正過程とを有することを特徴とするレンズ位置制御方法。
(付記8)
記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御方法において、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出過程と、
前記誤差検出過程で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出過程と、
前記位置誤差信号における所定の高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該位置誤差信号から、前記ノイズ検出過程で検出された時間区間について前記ノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去過程と、
前記ノイズ除去過程で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正過程とを有することを特徴とするレンズ位置制御方法。
(付記9)
光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
光を発する光源と、
光源から発せられた光を集光して前記記録媒体に照射する照射レンズと、
前記照射レンズによって前記記録媒体に照射される光によって該記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換部と、
前記成分置換部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする情報記憶装置。
(付記10)
光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
光を発する光源と、
光源から発せられた光を集光して前記記録媒体に照射する照射レンズと、
前記照射レンズによって前記記録媒体に照射される光によって該記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分と、前記推定部によって得られた推定成分との差分によって、該位置誤差信号に重なるノイズを検出するノイズ検出部と、
前記誤差検出部で得られた位置誤差信号から、前記ノイズ検出部によって検出されたノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする情報記憶装置。
(付記11)
光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
光を発する光源と、
光源から発せられた光を集光して前記記録媒体に照射する照射レンズと、
前記照射レンズによって前記記録媒体に照射される光によって該記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
前記誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
前記位置誤差信号における所定の高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該位置誤差信号から、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について前記ノイズを除去してノイズ除去信号を得るノイズ除去部と、
前記ノイズ除去部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備えたことを特徴とする情報記憶装置。
保護層が薄くなることによって生じる問題の説明図である。 本発明の第1の実施形態を示す図である。 ノイズ補正器の周辺部分を示した図である。 レンズ位置制御のフィードバックループを表す概略図である。 推定回路の構成図である。 アクチュエータモデルの構成図である。 アクチュエータモデルに設定される特性を表す図である。 駆動信号に基づいた推定を行う推定回路の構成図である。 第1の実施形態における作用効果の説明図である。 本発明の第2の実施形態を示す図である。 第2の実施形態におけるノイズ補正器の周辺部分を示した図である。 第2の実施形態における作用効果の説明図である。 第1の実施形態および第2の実施形態におけるノイズ補正器の周辺の共通部分を示す図である。 一般的なデジタルフィルタの構成図である。 比較例における作用を説明する図である。 ハイパスフィルタの構成図である。 ローパスフィルタの構成図である。 低周波成分の遅延による作用効果を説明する図である。
符号の説明
1 照射レンズ
2,2_1,2_2 記録媒体
3 塵埃
4 レーザ光
5 ライト回路
6 リード回路
7 インタフェース
10,50 情報記憶装置
11 キャリッジ
12 固定光学系
13 ローパスフィルタ
14 ハイパスフィルタ
15 レベル検出器
16 ノイズ補正器
17,27 フィードバック制御補償器
18 駆動ドライバ
21 ローパスフィルタ
22 ハイパスフィルタ
23,23’ 高周波TES推定器
24 スイッチ
25 加算器
26 トラッキングアクチュエータ
28 アクチュエータモデル
29 ハイパスフィルタ
30,32,34,38,40 乗算器
31,33,37,39 遅延器
35,36,41 加算器
42 減算器
43 SUMレベル確認信号
43a 基準レベル
43b レベル異常部
44,55 高周波TES
44a,55a ノイズ
45,56 高周波TES推定値
46,57 トラッキングエラー信号
46a,57a ノイズ
47,58 補正後のトラッキングエラー信号
51 減算器
54 推定ノイズ
54a 基準レベル
54b レベル異常部
60 デジタルフィルタ
61,63,65,66,61H,63H,65H,61L,63L,65L 乗算器
62 遅延器
64,67 加算器
70 トラッキングエラー信号
70a ノイズ
71,75 低周波TES
71a,72a,74a,75a,76a ノイズ成分
72,76 高周波TES
73 高周波TES推定値
74,77 補正後のトラッキングエラー信号

Claims (5)

  1. 記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御装置において、
    前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
    前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
    前記誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
    前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換部と、
    前記成分置換部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備え
    前記成分置換部が、前記位置誤差信号における前記高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部によって得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得るものであることを特徴とするレンズ位置制御装置。
  2. 前記ノイズ検出部が、前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分と、前記推定部によって得られた推定成分との差分によって、該位置誤差信号に重なるノイズを検出するものであることを特徴とする請求項1記載のレンズ位置制御装置。
  3. 記録媒体に光を照射する照射レンズの位置を制御するレンズ位置制御方法において、
    前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出過程と、
    前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定過程と、
    前記誤差検出過程で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出過程と、
    前記誤差検出過程で得られた位置誤差信号における前記高周波成分を、前記ノイズ検出過程で検出された時間区間について、前記推定過程で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換過程と、
    前記成分置換過で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正過程とを有し、
    前記成分置換過程が、前記位置誤差信号における前記高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部によって得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る過程であることを特徴とするレンズ位置制御方法。
  4. 光を用いて記録媒体に情報アクセスを行う情報記憶装置において、
    光を発する光源と、
    光源から発せられた光を集光して前記記録媒体に照射する照射レンズと、
    前記照射レンズによって前記記録媒体に照射される光によって該記録媒体に情報アクセスを行うアクセス系と、
    前記照射レンズの位置誤差を検出して位置誤差信号を得る誤差検出部と、
    前記誤差検出部で得られる位置誤差信号の所定の高周波成分を推定して推定成分を得る推定部と、
    前記誤差検出部で得られる位置誤差信号にノイズが重なっている時間区間を検出するノイズ検出部と、
    前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部で得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得る成分置換部と、
    前記成分置換部で得られたノイズ除去信号に基づいて前記照射レンズの位置誤差を修正する誤差修正部とを備え
    前記成分置換部が、前記位置誤差信号における前記高周波成分を除いた低周波成分を該高周波成分に対して遅延させるとともに、該高周波成分を、前記ノイズ検出部で検出された時間区間について、前記推定部によって得られた推定成分に置き換えることによってノイズ除去信号を得るものであることを特徴とする情報記憶装置。
  5. 前記ノイズ検出部が、前記誤差検出部で得られた位置誤差信号における前記高周波成分と、前記推定部によって得られた推定成分との差分によって、該位置誤差信号に重なるノイズを検出するものであることを特徴とする請求項4記載の情報記憶装置。
JP2004185178A 2004-06-23 2004-06-23 レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置 Expired - Fee Related JP4403025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004185178A JP4403025B2 (ja) 2004-06-23 2004-06-23 レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004185178A JP4403025B2 (ja) 2004-06-23 2004-06-23 レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006012241A JP2006012241A (ja) 2006-01-12
JP4403025B2 true JP4403025B2 (ja) 2010-01-20

Family

ID=35779321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004185178A Expired - Fee Related JP4403025B2 (ja) 2004-06-23 2004-06-23 レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4403025B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006012241A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080225656A1 (en) Cross-Talk Cancellation in Three-Spots Push-Pull Tracking Error Signal in Optical Disc Systems
JP4159550B2 (ja) 機械的衝撃に対して改善された耐性を備えるディスクドライブ
JP2006511028A5 (ja)
JP4403025B2 (ja) レンズ位置制御装置、レンズ位置制御方法、および情報記憶装置
US7480217B2 (en) Method and apparatus for adjusting tracking error balance in an optical disk reproducing apparatus
JP2008545223A (ja) 改善された光ディスク再生機能のための最適トラッキング誤差補償
KR100665399B1 (ko) 최적서보구현방법
JP4173797B2 (ja) 光ディスク装置
JPH04364233A (ja) 光ディスク装置のピックアップサーボ回路
JPH09259449A (ja) 光学的情報記録再生装置の位置決め装置
JP4572778B2 (ja) 光ディスク装置
JP2002304753A (ja) 光学的情報記録再生装置
JP5775768B2 (ja) 光ディスク装置
JPH10233020A (ja) 光ディスク装置
JP2006120256A (ja) 光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法
JP2006120255A (ja) 光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法
JPH0312033A (ja) シークストローク補正方法
JP2007164961A (ja) チルト検出方法、チルト検出装置及び光ディスク装置
JP2004355718A (ja) ディスク装置、およびトラッキング制御方法
JP2006351063A (ja) タンジェンシャルチルト検出装置および光ディスク装置
JPH11250478A (ja) 光ディスク装置
KR20040035865A (ko) 액추에이터 점프 동작을 수행하는 방법 및 재생장치
WO2009118859A1 (ja) 情報記録再生装置及び方法
JP2002056547A (ja) ディスク再生装置のトラッキングサーボ制御方法
JP2006127646A (ja) 光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091027

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees