JP4401231B2 - 機能性素子およびその製造方法 - Google Patents
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また、上記マーカー部の屈折率が、良品の上記ガスバリア層と同等であるものとすることにより、ガスバリア層が良品である場合には、上記マーカー部が識別されず、ガスバリア層が不良品である場合には識別されるため、不良品を容易に選別することが可能となる。
本発明によれば、上記マーカー部によって、ガスバリア性の検査を行うことが可能であることから、良好なガスバリア性を有するものを選別することができ、品質が一定な有機EL素子とすることができる。
また、上記マーカー部の屈折率が、良品の上記ガスバリア層と同等であるものとすることにより、ガスバリア層が良品である場合には、上記マーカー部が識別されず、ガスバリア層が不良品である場合には識別されるため、不良品を容易に選別することが可能となる。
まず、本発明の機能性素子について説明する。本発明の機能性素子は、基材と、上記基材上に形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、上記ガスバリア層と接触するように形成された上記ガスバリア層の屈折率を検査するためのマーカー部とを有するものであれば、特に限定されるものではない。
まず、本発明の機能性素子の第1の態様について説明する。本発明の機能性素子の第1の態様は、例えば図1に示すように、基材1と、その基材1上に形成された機能性部2と、その機能性部2を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層3と、上記基材1上に、ガスバリア層3と接触するように形成されたガスバリア層3の屈折率を検査するためのマーカー部4とを有するものである。
以下、本態様の機能性素子の各構成について説明する。
まず、本態様の機能性素子に用いられるマーカー部について説明する。本態様の機能性素子に用いられるマーカー部は、後述する基材上に、後述するガスバリア層と接触するように形成され、そのガスバリア層の屈折率を検査するために設けられるものである。
次に、本態様に用いられるガスバリア層について説明する。本態様に用いられるガスバリア層は、後述する機能性部を覆うように、基材上に形成されるものであり、かつガスバリア性の変化に伴い、屈折率が変化するものである。
ここで、ガスバリア性の変化に伴い、屈折率が変化するとは、ガスバリア層中の材料の組成比や、不純物の量等によるガスバリア性の変化に伴い、特定の波長の屈折率が変化することをいうこととする。
次に、本態様の機能性素子に用いられる基材について説明する。本態様に用いられる基材は、上記マーカー部、ガスバリア層、および後述する機能性部を形成することが可能であれば、種類や透明性、可撓性等は特に限定されるものではなく、機能性素子の種類等によって適宜選択されるものである。
次に、本態様の機能性素子に用いられる機能性部について説明する。本態様に用いられる機能性部は、機能性素子において機能を発揮する部分、例えば有機EL素子の有機EL層や、液晶カラーフィルタのカラーフィルタ層等をいうこととする。これらの機能性部は、それぞれ、機能性素子の種類や目的に応じて適宜形成されるものであり、一般的に用いられる方法によって形成されたものとすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、本態様の機能性素子について説明する。本態様の機能性素子は、機能性素子の基材と、その基材上に形成された機能性部と、その機能性部を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、上記基材上に、ガスバリア層と接触するように形成されたガスバリア層の屈折率を検査するためのマーカー部とを有するものであれば、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜、例えば保護層や金属配線等、他の部材が形成されているものであってもよい。
次に、本発明の機能性素子の第2の態様について説明する。本発明の機能性素子の第2の態様は、例えば図2に示すように、基材1と、その基材1上に形成された機能性部2と、その機能性部2を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層3と、そのガスバリア層3上に、ガスバリア層3と接触するように形成されたガスバリア層3の屈折率を検査するためのマーカー部4とを有するものである。
以下、本態様の機能性素子について、以下各構成ごとに説明する。なお、上記基材および機能性部については、上述した第1の態様と同様のものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
まず、本態様に用いられるマーカー部について説明する。本態様に用いられるマーカー部は、後述するガスバリア層上に形成されるものであり、そのガスバリア層およびマーカー部の屈折率の差によって、ガスバリア性の優劣を判断することが可能となる。本態様において、後述するガスバリア層が複数層からなる場合には、マーカー部が接触するガスバリア層の最表層とマーカー部との界面での反射を測定することによって、ガスバリア層の最表層のガスバリア層のガスバリア性を検査することが可能である。
なお、本態様においては、上記マーカー部上に、金属配線等、導電性の部材が形成される場合には、マーカー部は、上述した材料の中でも、絶縁性の材料によって形成されたものであることが好ましい。
次に、本態様に用いられるガスバリア層について説明する。本態様に用いられるガスバリア層は、後述する機能性部を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い、屈折率が変化するものであれば、特に限定されるものではなく、1層のみからなるものであってもよく、また2層以上の層からなるものであってもよい。
なお、本態様に用いられるガスバリア層は、上述した第1の態様のガスバリア層の項で説明したものと同様のものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本態様の機能性素子について説明する。本態様の機能性素子は、上記基材と、その基材上に形成された機能性部と、その機能性部を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、そのガスバリア層上に、ガスバリア層と接触するように形成されたガスバリア層の屈折率を検査するためのマーカー部とを有するものであれば、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜、例えば保護層や金属配線等、他の部材が形成されているものであってもよい。
次に、本発明の機能性素子の第3の態様について説明する。本発明の機能性素子の第3の態様は、例えば図3に示すように、基材1と、その基材1上に形成された機能性部2と、その機能性部2を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層3と、そのガスバリア層3中に、上記ガスバリア層と接触するように形成された上記ガスバリア層3の屈折率を検査するためのマーカー部4とを有するものである。
以下、本態様の各構成ごとに詳しく説明する。なお、上記基材および機能性部については、上述した第1の態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられるマーカー部について説明する。本態様に用いられるマーカー部は、後述するガスバリア層中に形成され、そのガスバリア層の屈折率を検査するために設けられるものである。本態様においては、上記マーカー部がガスバリア層中に形成されていることから、マーカー部とそのマーカー部上に、マーカー部と接触するように形成されたガスバリア層との屈折率の差によって、ガスバリア層の屈折率を検査することができるのである。
一方、不良品の機能性素子においては、上記マーカー部が視認されることとなり、マーカー部と識別部との境界がなくなることから、識別部が視認できないものとなる。あるいは、識別部の屈折率と上記ガスバリア層の屈折率とが近似することによって、識別部のみが透明なものとなる。これにより、ガスバリア層のガスバリア性の優劣を容易に確認することが可能となるのである。
なお、本態様に用いられるマーカー部は、上述した中間層や濡れ性変化層に限定されるものではなく、上述した第1の態様のマーカー部と同様のものを用いることも可能であるが、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、本態様に用いられるガスバリア層について説明する。本態様に用いられるガスバリア層は、複数の層が積層されるものであり、これらの層は、同一の材料で形成されるものであってもよく、また複数の種類の材料からなる層が積層されたものであってもよい。
なお、本態様においては、上記マーカー部上に形成される層が、ガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化する層とする。このガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化する層については、上述した第1の態様で説明したガスバリア層と同様のものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本態様の機能性素子について説明する。本態様の機能性素子は、上記基材と、その基材上に形成された機能性部と、その機能性部を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、そのガスバリア層中に、ガスバリア層と接触するように形成された上記ガスバリア層の屈折率を検査するためのマーカー部とを有するものであれば、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜、例えば保護層や金属配線等、他の部材が形成されているものであってもよい。
ここで、上記マーカー部として用いられる濡れ性変化層について、詳しく説明する。本態様に用いられる濡れ性変化層は、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、濡れ性が、液体との接触角が低下するように変化する層であれば、その種類等は特に限定されるものではない。
また、本態様に用いられる濡れ性変化層は、上記マーカー部として用いられることから、一定の光に対して、一定の屈折率の値を示すことが好ましい。上記濡れ性変化層の屈折率が不安定である場合には、上記ガスバリア層の屈折率を正確に検査することが困難となるからである。
なお、本態様においては、隣接する領域の液体との接触角より、液体との接触角が1°以上低い場合には親液性領域、隣接する領域の液体との接触角より、液体との接触角が1°以上高い場合には撥液性領域とすることとする。
また、本態様に用いられる濡れ性変化層は、エネルギー照射していない部分、すなわち撥液性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上の濡れ性を示すことが好ましい。エネルギー照射していない部分は、本態様において撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合、撥液性が十分でなく、例えば濡れ性変化層上に中間層を形成する際に、上記中間層形成用組成物が残存する可能性が生じるため好ましくないからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
本態様においては、エネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように濡れ性変化層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
次に、本発明における有機EL素子について説明する。本発明における有機EL素子は上述した機能性素子の機能性部が、有機EL層であることを特徴とするものである。有機EL層は、一般的に水蒸気や酸素の影響を受けやすいことから、高いガスバリア性を有するガスバリア層を形成することが要求される。
本発明によれば、有機EL素子中に、上記マーカー部が形成されていることから、有機EL層を保護するガスバリア層のガスバリア性を検査することが可能となる。これにより、良好なガスバリア性を有する有機EL素子のみを選択することが可能となり、高品質な有機EL素子とすることが可能となるのである。
なお、有機EL層の形成方法等については、通常有機EL素子の製造方法に用いられている方法を用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明の機能性素子の製造方法について説明する。本発明の機能性素子の製造方法は、基材と、上記基材上に形成された機能性部と、上記機能性部を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、上記ガスバリア層と接触するように形成された上記ガスバリア層の屈折率の変化を検査するためのマーカー部とを有する機能性素子の製造方法であって、上記マーカー部に特定の波長の光を照射し、反射光を測定することにより、上記ガスバリア層の優劣を検査するガスバリア層検査工程を有するものである。
上記検査の方法としては、以下の二つの形態が挙げられる。第1の形態としては、マーカー部が形成された領域の反射率を測定することにより検査する方法であり、第2の形態としては、マーカー部が形成された領域のコントラストにより検査する方法である。
本発明においては、上記の中でも380nm〜1000nm、特に400nm〜600nmの範囲内であることが好ましい。上記波長の光は、機能性素子の位置を調整するアライメント工程で用いられる光の波長であり、上記光によって検査をする場合には、機能性素子の位置を調整するアライメント工程と同時に上記ガスバリア層検査工程を行うことが可能となり、製造効率やコストの面からも好ましいからである。この場合、上記マーカー部は、機能性素子のアライメントマークとして用いられる形状に形成されていることが好ましい。
なお、上記検査に用いられる光は、上記ガスバリア層とマーカー部との界面で反射が起こる角度で照射されるものとする。
さらに、ガスバリア層3として、酸化ケイ素膜(SiO2)を上記基板を、基板温度160℃に加熱し、10‐6Torrの真空度でスパッタリングして形成した(図5(d))。膜厚は0.3μmであった。
2…機能性部
3…ガスバリア層
4…マーカー部
Claims (13)
- 基材と、前記基材上に形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、前記ガスバリア層と接触するように形成された前記ガスバリア層の屈折率を検査するためのマーカー部とを有し、
前記マーカー部が、良品の前記ガスバリア層と同等の屈折率のマーカー部を少なくとも有するものであることを特徴とする機能性素子。 - 前記マーカー部が少なくとも2種類以上の屈折率を有する複数種類のマーカー部からなることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子。
- 機能性部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能性素子。
- 前記マーカー部が、前記基材上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の機能性素子。
- 前記マーカー部が、前記ガスバリア層上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の機能性素子。
- 前記マーカー部が、前記ガスバリア層中に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の機能性素子。
- 前記マーカー部が、光触媒およびバインダを含有し、かつエネルギー照射に伴う光触媒の作用により表面の濡れ性が、液体との接触角が低下するように変化する濡れ性変化層からなることを特徴とする請求項6に記載の機能性素子。
- 前記濡れ性変化層上に、前記濡れ性変化層の反射光を識別するための識別部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の機能性素子。
- 前記マーカー部が、アライメントマークとして用いられることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の機能性素子。
- 前記ガスバリア層が、酸化窒化ケイ素膜であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の機能性素子。
- 請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の機能性素子の、前記機能性部が有機EL層であることを特徴とする有機EL素子。
- 基材と、前記基材上に形成された機能性部と、前記機能性部を覆うように形成され、かつガスバリア性の変化に伴い屈折率が変化するガスバリア層と、前記ガスバリア層と接触するように形成された前記ガスバリア層の屈折率の変化を検査するためのマーカー部とを有する機能性素子の製造方法であって、前記マーカー部に特定の波長の光を照射し、反射光を測定することにより、前記ガスバリア層の優劣を検査するガスバリア層検査工程を有し、前記マーカー部が、良品の前記ガスバリア層と同等の屈折率のマーカー部を少なくとも有するものであることを特徴とする機能性素子の製造方法。
- 前記マーカー部が前記機能性素子のアライメントマークとして用いられ、前記ガスバリア層検査工程が、前記機能性素子の位置を調整するアライメント工程と同時に行われることを特徴とする請求項12に記載の機能性素子の製造方法。
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