JP4400998B2 - 感熱記録紙の保存状態確認ラベル - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録紙、たとえば、サーマルプリンタに使用する感熱紙や感熱ラベル、あるいは、感熱リボンに用いられて、感熱記録紙がその品質保証限界温度を越えた温度に晒されたか否かを表示するようにした感熱記録紙の保存状態確認ラベルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、たとえば、サーマルプリンタ等において使用される感熱紙や感熱ラベル、あるいは、感熱リボンといった感熱記録紙では、熱による変色ないしは発色作用を利用して記録を行うようになっている。
ところで、このような感熱記録紙にあっては、未使用状態において品質保証限界温度を超えた高温度に晒されると、記録紙全体が変色し、または、変質して良好な発色が得られなくなる等、使用不可能な状態となる場合がある。
【０００３】
そこで、従来では、感熱記録紙の包装体に、設定温度以上になると変色する感熱ラベルを貼付しておき、この感熱ラベルの変色の有無を確認することによって、感熱記録紙が使用可能な状態か使用できない状態かを告知することが試みられている。
一具体例としては、使用可能な状態においては、前記感熱ラベルを白色とし、高温に晒された場合にあっては、前記感熱ラベルを黒色に発色させて、使用不可の告知を行うことが考えられる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の対処方法にあっても、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
すなわち、前記感熱ラベルがたとえば黒色に変化したことにより、使用できない状態を告知するものであるから、ユーザによっては、感熱ラベルの色の意味が分からず、あるいは、感熱ラベルが変色したかさえ分からずに、誤って使用してしまうことがあるといった不具合である。
【０００５】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、感熱記録紙の使用可否の告知をより確実なものとすることのできる感熱記録紙の保存状態確認ラベルを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に記載の感熱記録紙の保存状態確認ラベルは、前述した目的を達成するために、感熱記録紙の包装体に装着されて、この感熱記録紙がその品質保証限界温度を越えた温度に晒されたか否かを表示するようにした感熱記録紙の保存状態確認ラベルであって、粘着剤層が形成された基板と、この基板の前記粘着剤層が形成された側と反対側の面に積層された感熱層と、この感熱層の表面に形成された表示部とからなり、前記感熱層が、前記品質保証限界温度以下において第１の表示色に保持されるとともに、前記品質保証限界温度以上に晒された際に、前記第１の表示色から変色させられた第２の表示色に保持されるようになされ、前記表示部における印字色が、前記第１の表示色と同色で、かつ、前記第２表示色と識別可能な色となされており、前記感熱記録紙が、品質保証限界温度以上の温度に晒された際に、前記表示部の印字が浮き出るようになされていることを特徴とする。
本発明の請求項２に記載の感熱記録紙の保存状態確認ラベルは、請求項１に記載の前記表示部が、第１の表示部と第２の表示部とに区画されているとともに、前記第１の表示部における印字色が、前記感熱層の第１の表示色と同色で、かつ、前記第２の表示色と識別可能な色となされており、また、前記第２の表示部における印字色が、前記感熱層の第２の表示色と同色で、かつ、前記第１の表示色と識別可能な色となされており、品質保証限界温度以上の温度に晒されてない場合には、前記第２の表示部の印字が浮き出るように、また、品質保証限界温度以上の温度に晒された際に、前記第１の表示部の印字が浮き出るようになされていることを特徴とする。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図１ないし図４を参照して説明する。
図１は、本実施形態が適用された、包装された感熱記録紙の外観斜視図であり、この感熱記録紙（図示例では、後述する包装体１によって覆われているため表示を省略した）は、ロール状に巻回されて、その表面を包装体１によって包装され、この包装体１の前記感熱記録紙の両端部に、本実施形態に係わる保存状態確認ラベル２が貼付されることによって、前記包装体１が感熱記録紙を包んだ状態に封止されている。
【０００８】
そして、本実施形態に係わる保存状態確認ラベル２は、前記感熱記録紙の包装体２に装着されて、この感熱記録紙がその品質保証限界温度を越えた温度に晒されたか否かを表示するようにしたものであって、図３に示すように、粘着剤層３が形成されたシート状の基板４と、この基板４の前記粘着剤層３が形成された側と反対側の面に積層された感熱層５と、この感熱層５の表面に形成された表示部６とからなり、前記感熱層５が、前記品質保証限界温度以下において第１の表示色Ａに保持されるとともに、前記品質保証限界温度以上に晒された際に、前記第１の表示色Ａから変色させられた第２の表示色Ｂに保持されるようになされ、前記表示部６における印字色Ｃが、前記第１の表示色Ａと同色で、かつ、前記第２表示色Ｂと識別可能な色となされており、前記感熱記録紙が、品質保証限界温度以上の温度に晒された際に、前記表示部６の印字が浮き出るようになされている。
【０００９】
さらに詳述すれば、前記感熱層５の品質保証限界温度以下における第１の表示色Ａは、たとえば「青」に設定され、また、品質保証限界温度以上の温度に晒された際における第２の表示色Ｂは「赤」に設定され、さらに、前記表示部６の印字色Ｃが「青」に設定される。
【００１０】
したがって、品質保証限界温度以下に保たれた状態においては、保存状態確認ラベル２における表示部６の印字色Ｃ＝感熱層５の第１の表示色Ａ＝青となり、前記表示部６の印字が感熱層５の色に溶け込んで、図２に示すように、表示部６における表示が消去される。
【００１１】
また、感熱記録紙が、品質保証限界温度以上の温度に晒されると、感熱層５が第２の表示色Ｂが赤となるが、表示部６の印字色Ｃが青であることから、図４に示すように、この表示部６の印字７が感熱層５上に浮き上がることとなる。
ここで、前記印字７を「保存限界温度を超えました、使用しないでください」といった、直接的な警告文としておくことにより、ユーザはその警告を間違えることなく理解することができ、したがって、感熱記録紙の誤った使用が防止される。
【００１２】
一方、図２および図４において前記表示部６の上下に記載された情報は、感熱記録紙のサイズを示す表示や、保存温度の注意を促す表示といった一般的な表示である。
【００１３】
次いで、本発明の他の実施形態について、図５ないし図７を参照して説明する。
なお、以下の説明中、前記実施形態と共通する部分については同一符号を用いて説明を簡略化する。
本実施形態に係わる保存状態確認ラベル１０は、前記実施形態において示した表示部６が、第１の表示部１１と第２の表示部１２とに区画されているとともに、前記第１の表示部１１における印字色Ｃが、前記感熱層５の第１の表示色Ａと同色で、かつ、前記第２の表示色Ｂと識別可能な色となされており、また、前記第２の表示部１２における印字色Ｄが、前記感熱層５の第２の表示色Ｂと同色で、かつ、前記第１表示色Ａと識別可能な色となされている。
【００１４】
このような構成とすることにより、感熱記録紙が、品質保証限界温度以上の温度に晒されてない場合には、図６に示すように、前記第２の表示部１２の印字１４が浮き出て、前記第１の表示部１１の印字１３が隠された状態となされ、また、品質保証限界温度以上の温度に晒された際には、図７に示すように、前記第１の表示部１１の印字１３が浮き出て、前記第２の表示部１２の印字１４が消去される。
これは、前記加熱層５における第１の表示色が「青」で第２の表示色Ｂが「赤」である場合、前記第１の表示部１１の印字１３が「青」に、前記第２の表示部１２の印字１４が「赤」に設定される。
【００１５】
したがって、本実施形態においては、前記第１の表示部１１における印字１３を「超限界温度・使用不可」としておき、また、第２の表示部１２における印字１４を「良好な保存・使用可」としておくことにより、その使用可否を選択的に文書にて告知することができる。
【００１６】
なお、前記各侍史形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記感熱層５の第１の表示色Ａと第２の表示色Ｂは任意に設定可能であり、この場合、前記表示部６における印字色Ｃ・Ｄも、前記感熱層５の各表示色に合わせて変更すればよい。
【００１７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる感熱記録紙の保存状態確認ラベルによれば、ラベルに設けられた感熱層の変色によって、その表面に警告文を表示させることができるので、感熱記録紙の状態を、ユーザに文章によって告知することができる。
したがって、ユーザによる誤使用の防止を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態が適用された包装された感熱記録紙の外観斜視図である。
【図２】本発明の一実施形態を示す正面図である。
【図３】本発明の一実施形態を示す拡大縦断面図である。
【図４】本発明の一実施形態の作用を説明するための正面図である。
【図５】本発明の他の実施形態を示す拡大縦断面図である。
【図６】本発明の他の実施形態を示す正面図である。
【図７】本発明の他の実施形態の作用を説明するための正面図である。
【符号の説明】
１ 包装体
２ 保存状態確認ラベル
３ 接着剤層
４ 基板
５ 感熱層
６ 表示部
７ 印字
１０ 保存状態確認ラベル
１１ 第１の表示部
１２ 第２の表示部
１３ （第１の表示部の）印字
１４ （第２の表示の）印字

Claims (2)

1. 感熱記録紙の包装体に装着されて、この感熱記録紙がその品質保証限界温度を越えた温度に晒されたか否かを表示するようにした感熱記録紙の保存状態確認ラベルであって、粘着剤層が形成された基板と、この基板の前記粘着剤層が形成された側と反対側の面に積層された感熱層と、この感熱層の表面に形成された表示部とからなり、前記感熱層が、前記品質保証限界温度以下において第１の表示色に保持されるとともに、前記品質保証限界温度以上に晒された際に、前記第１の表示色から変色させられた第２の表示色に保持されるようになされ、前記表示部における印字色が、前記第１の表示色と同色で、かつ、前記第２の表示色と識別可能な色となされており、前記感熱記録紙が、品質保証限界温度以上の温度に晒された際に、前記表示部の印字が浮き出るようになされていることを特徴とする感熱記録紙の保存状態確認ラベル。
2. 前記表示部が、第１の表示部と第２の表示部とに区画されているとともに、前記第１の表示部における印字色が、前記感熱層の第１の表示色と同色で、かつ、前記第２の表示色と識別可能な色となされており、また、前記第２の表示部における印字色が、前記感熱層の第２の表示色と同色で、かつ、前記第１の表示色と識別可能な色となされており、品質保証限界温度以上の温度に晒されてない場合には、前記第２の表示部の印字が浮き出るように、また、品質保証限界温度以上の温度に晒された際に、前記第１の表示部の印字が浮き出るようになされていることを特徴とする請求項１に記載の感熱記録紙の保存状態確認ラベル。

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