JP4400613B2 - 電磁コイル - Google Patents

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Description

本発明は、電磁コイルに関し、例えば内燃機関用点火コイル、小型トランス等に用いられる電磁コイルに関するものである。
従来より、内燃機関用点火コイル、小型トランス等に用いられる電磁コイルにおいては、耐電圧、効率等を向上させるため、図7に示すいわゆる斜向重巻きという巻き方で電磁コイルが構成されていることが知られている。ここで、「斜向重巻き」とは、例えば図7に示すボビン701に電磁コイル用の線材702を巻付ける電磁コイルの巻き方であって、ボビン701の外周面に対して所定の傾斜角度θ0をもって線材702を斜めに重ねて巻付ける電磁コイルの巻き方をいう。
ところで、図7に示すボビン701に巻付けられる線材702の傾斜角度θ0は、小さく設定するほど一斜面当たりの線材702の巻数が増加するため、隣接した斜面に巻付けられる線材702との線間電位差が高くなる。すると、線材702の耐電圧確保が困難になるため、線材702の傾斜角度θ0を大きくする必要があった。
ところが、このような大きい傾斜角の斜向重巻きにより電磁コイル700を構成すると、ボビン701に巻付けられる線材702の線径が細くなると、ボビン701に線材701を巻付ける途中において巻線崩れを生ずることがある。これは、線材702を巻付けるピッチP0が線径の2倍より小さく設定されているときに生じ易く、重ねて巻付けられる線材702が既に巻付けられている線材702を引っかけて崩すためである。図7に示す例では、往路側の線材702aの上に復路側の線材702bが重ねて巻付けられる場合、ボビン701に復路側の線材702bを巻付けられるときに働くボビン701の径方向内側に向かう力によって復路側の線材702bが往路側の線材702aを引っかけると、ボビン701の軸方向に線材702aを押出すことから、押出された線材702aが所定の巻付位置から逸脱するため巻線崩れを生ずることになる。
このように、ボビンに線材が巻付けられる途中で巻線崩れが生ずると、巻線崩れによって所定の巻付位置から逸脱した線材がその巻線崩れが生じた位置より高電位の巻付位置の線材に接近することがある。すると、高電位にある線材同士の間でコロナ放電や絶縁破壊を誘発するという問題を生ずる。そこで、このような巻線崩れを防止するため、例えば特開平2−106910号公報に開示される電気巻線部品の巻線方法、特開平2−156513号公報に開示される電気巻線部品の巻線方法が提案されている。このような巻線方法によると、例えば図7に示す線材の傾斜角度θ0を45°以下の小さい角度に設定し、線材の巻付けピッチT0を線材の外径の2倍より小さく設定することで前述した巻線崩れの防止を図っている。
また、特開昭60−107813号公報に開示される点火コイルでは、ボビンに線材を巻付ける途中に生ずる巻線崩れを防止するため、フェルト等で作られた一対のガイドにより径方向から巻付けられた線材を押さえながら線材を巻付けるという方法が提案されている。
特開平2−106910号公報 特開平2−156513号公報 特開昭60−107813号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示される電気巻線部品の巻線方法によると、ボビンに巻付けられる線材の外径が0.1mm以下の場合、巻付時の巻線崩れを十分に防止することができない。
また、特許文献3に開示される方法を用いても巻付時の巻線崩れを生じ易い。
したがって、特許文献1および特許文献2に開示される電気巻線部品の巻線方法、特許文献3に開示される点火コイルでは、線材の外径を0.1mm以下に設定すると、十分な耐電圧保証を確保することが困難になるという問題を生ずる。また、ボビンに線材を巻付けるときに生ずる巻線崩れの別の原因として、ボビンに巻付けられる線材が吐出する巻線ノズルとボビンの巻付位置との距離が巻線状態によって変動することが挙げられる。図7に示すように、この巻線ノズル703と巻付位置との距離は、ボビン701に巻付けられる線材702が復路側の線材702bから往路側の線材702aに転じる位置において最短距離L01となり、線材702が復路側の線材702aから復路側の線材702bに転じる位置において最長距離L02となる。このため、線材702の巻付位置がボビン701の径方向外側に位置するほど巻線ノズル703との距離が小さくなり、ボビン701の径方向の内側に位置するほど巻線ノズル703との距離が大きくなることから、巻線ノズル703から吐出する線材702の振れ幅もこの距離に比例して増減する。すると、線材702の振れ幅は、巻線ノズル703と巻付位置との距離が大きくなるほど、つまり線材702の巻付位置がボビン701の外周壁に近づくほど増大するため、ボビン701の外周壁では巻付けられた線材702の整列度が低下することになる。したがって、ボビン701の外周壁に近づくほど巻線崩れを誘発し易いという問題を生ずる。
本発明の目的は、絶縁品質を向上する電磁コイルを提供することである。
本発明の請求項1記載の電磁コイルによると、巻線部に斜向重巻きされる線材のうち、隣合う線材同士の線間距離が線径の2倍以上10倍以下であり、かつ、前記線間距離で螺旋状に巻付けられるとともに、往路側の線材と復路側の線材が互いに逆の傾きで交わるように巻付けられている。すなわち、斜向重巻きされる線材が線径2倍以上10倍以下の間隔で螺旋状に巻付けられ、さらに、斜向重巻きされる線材を斜向重巻きされる斜面に往復移動させながら巻付けると、往路側の線材と復路側の線材とが互いに逆の傾きで交わるように巻付けられることとなる。
これにより、線径の2倍未満の間隔で螺旋状に巻付けられる場合と比較して、重ねて巻かれる往路側の線材と復路側の線材とが互いに接触する面積が減少する。したがって、上側に巻かれる線材が下側に巻かれる線材を引っかけて所定の巻付位置から逸脱させるのを抑制することで巻線崩れを生じ難くするため、絶縁品質を向上する効果がある。
また、本発明の請求項2記載の電磁コイルによると、巻線部に斜向重巻きされる線材のうち、隣合う線材同士の線間距離が2倍以上4倍以下であることから、斜向重巻きされる線材が線径2倍以上4倍以下の間隔で螺旋状に巻付けられる。すると、斜向重巻きされる斜面、1面当たりの巻数が増加するため、巻線部の所定の巻線位置に線材を送出す例えばノズル部等の往復回数を減少させることができる。また斜向重巻きされる斜面、1面当たりの巻数が増加することから、電磁コイルの巻線密度を増加させることができる。したがって、絶縁品質を向上する効果に加え、生産効率を向上させるとともに電磁コイルを小型化にする効果がある。
さらに、本発明の請求項3記載の電磁コイルによると、巻線部に斜向重巻きされる斜面の傾斜角度が6°以上であることから、斜向重巻きされる斜面、1面当たりの巻数の増加を抑制することができる。これにより、斜向重巻きされる斜面の隣合う斜面同士の電位差を減少させるため、耐電圧の確保を容易にするとともに巻線崩れをも防止する効果がある。
さらにまた、本発明の請求項4記載の電磁コイルによると、斜向重巻きされる斜面の傾斜角度が6°以上20°以下であることから、傾斜角度が20°よりも大きい場合と較べ巻付時の巻線崩れを防止し、巻線間の耐電圧の確保が容易になる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の電磁コイルを内燃機関用点火コイルに適用した第1実施例を図2〜図5に示す。
図2に示すように、内燃機関用点火コイル(以下、「点火コイル」という。)2は、主に円筒状のトランス部5と、このトランス部5の一方の端部に位置しトランス部5の一次電流を断続する制御回路部7と、トランス部5の他方の端部に位置しトランス部5の二次電圧を図示しない点火プラグに供給する接続部6とから構成されている。
点火コイル2は、点火コイル2のハウジングである樹脂材料からなる円筒状のケース100を備えており、このケース100の内側に形成されている収容室102内には、高電圧発生用のトランス部5と制御回路部7とトランス部5の周囲を満たす絶縁油29とが収容されている。収容室102の上端部には、制御信号入力用コネクタ9が設けられ、また収容室102の下端部には、後述するカップ15の底部により閉塞された底部104が形成されている。このカップ15の外周壁は、ケース100の下端に位置する接続部6に覆われている。
接続部6には、ケース100によって図示しない点火プラグを収容する筒部105が形成され、この筒部105の開口端にはゴムからなるプラグキャップ13が装着されている。筒部105の上端に位置する底部104には、導電部材としての金属製のカップ15がケース100の樹脂材料中にインサート成形されている。このため、収容室102と接続部6とは液密に区画されている。
カップ15の底部に係止されているスプリング17は、圧縮コイルスプリングからなり、接続部6内に挿入される図示しない点火プラグの電極部がスプリング17の他端部に電気的に接触するようになっている。制御信号入力用コネクタ9は、コネクタハウジング18とコネクタピン19とから構成されている。コネクタハウジング18は、ケース100と一体成形されており、このコネクタハウジング18内に位置する3本のコネクタピン19がケース100を貫通し外部と接続可能にコネクタハウジング18にインサート成形されている。
ケース100の上側には、トランス部5、制御回路部7、絶縁油29等をケース100の外部から収容室102に収容するための開口部100aが形成されている。この開口部100aは、樹脂製の蓋31およびOリング32により液密に閉塞され、さらにこの蓋31の表面を覆うように金属製の蓋33がケース100の上部にかしめ固定されている。
トランス部5は、鉄心502、磁石504、506、二次スプール510、二次コイル512、一次スプール514および一次コイル516から構成されている。円柱状の鉄心502は、薄い珪素鋼板を断面がほぼ円形となるように重ねて組立られている。この鉄心502の両端には、コイルにより励磁されて発生する磁束の方向とは逆方向の極性を有する磁石504、506がそれぞれ粘着テープにより固定されている。
ボビンとしての二次スプール510は、両端に鍔部510a、bを有する有底円筒状に形成される樹脂成形品で、底部510cにより下端部がほぼ閉塞されている。二次スプール510の底部510cには、二次コイル512の一端から引き出される図示しない引出線が電気的に接続されたターミナルプレート34が固定され、このターミナルプレート34にカップ15と接触するためのスプリング27が固定されている。これらターミナルプレート34とスプリング27とがスプール側導電部材として機能し、二次コイル516に誘起された高電圧がターミナルプレート34、スプリング27、カップ15、スプリング17を経由して図示しない点火プラグの電極部に供給される。
また、二次スプール510の反底部510c側端部には、二次スプール510と同心上に筒部510fが延出して形成されている。この二次スプール510の内部には、前記鉄心502と磁石506とが収容され、二次スプール510の外周には、後述する巻線装置によって巻回される二次コイル512が位置している。
さらに、二次スプール510の鍔部510a、bの間に位置する筒状の巻線部510dには、図4に示す複数状の巻線係止部としての突起部510eが形成されている。図4には、二次コイル512の線材520を巻付ける前の二次スプール510が示されており、巻線部510dの径方向断面を軸方向から見た突起部510eの各位置が示されている。この突起部510eは巻線部510dの周方向の一部範囲にわたって周方向に延びるように形成されており、周方向に隣合う突起部510e同士の間には巻線部510d上に巻付けられる線材520が通過可能な巻線渡し部としての隙間部が形成されている。つまり、突起部510eが形成されない二次スプール510の外壁がこの隙間部に相当する。突起部510eの形成位置は、後述する巻線装置の模式図である図1の二次スプール510に示されている。
図1に示すように、巻線部510dに形成される突起部510eは、周方向に等間隔に形成されるとともに、周方向に隣合う突起部510e同士が巻線部510dの外周壁面を周方向に螺旋を描くように位置している。このように各突起部510eを位置させることで、突起部510eを避けるように巻線部510dに線材520を巻付けることができる。これにより、二次スプール510に巻付けられる線材520が突起部510eの上に巻付けられることがないため、例えば突起部510eにより線材520の外周を覆う絶縁被覆が傷付けられるのを防止できる。
なお、二次スプール510の巻線部510dには、突起部510eの代わりに突起部510eと同様、巻線部510dの周方向の一部範囲にわたって周方向に延びるように形成される巻線係止部としての溝部を形成しても良い。この場合、周方向に隣合う溝部同士の間には巻線部510d上に巻付けられる線材520が通過可能な巻線渡し部としての隙間、つまり二次スプール510の外壁が位置している。また、二次スプール510の巻線部510dには、突起部510eの代わりに巻線部510dの全周にわたって周方向に延びるように形成される周溝部を形成しても良い。この周溝部内には周方向の一部範囲にわたって深さが異なる部分があり、深さが深い溝位置が巻線係止部に相当し、深さが浅い溝位置が巻線渡し部に相当する。
二次スプール510の軸方向に沿って突起部510eを切断したときの突起部510eの断面形状を示す図5から判るように、突起部510eの断面形状は、巻線部510dに巻付けられる線材520の巻付進行方向に対向する斜面510gが角度αをなす角を有する三角形状である。この角度αは、巻線部510dに巻付ける線材520がこの突起部510eを乗り越えない程度の角度、例えば60°以上に設定されている。そして、二次スプール510の径方向外側に延びる突起部510eの高さHは、二次スプール510に巻付けられる線材520の線径より大きく設定されている。
なお、突起部510eの断面形状は、三角形状に限られることはなく、二次スプール510を樹脂成形するときの型抜きが可能であれば矩形状、多角形状、半円状等でも良い。ここで、二次スプール510に巻付けられる線材520の線径が線材520の絶縁被覆を含めて0.07mmで、線材520が斜向巻きされるときの傾斜角度が15°に設定される場合、二次スプール510に形成される突起部510eの各寸法の一例を図1および図5に基づいて説明する。
図1に示すように、突起部510eは、巻線部510dの外周壁面に所定の軸方向間隔Dで形成されており、この軸方向間隔Dは、線材520の線径等に応じて適宜設定され、例えば線材520の線径が0.07mmであるとき、軸方向間隔Dは0.2mmに設定される。同様に突起部510eの最大高さHも線材520の線径の3倍程度に設定されるため、例えば線材520の線径が0.07mmであるとき、最大高さHは0.2mmに設定される。また突起部510eは、二次スプール510の周方向の一部範囲にわたって形成されているので、突起部510eにより線材520が小さな角度で曲げられることがなく、容易に隣接する巻回層に移ることができる。突起部510eを形成する斜面のうち、線材520の巻線進行方向に対向する斜面510gは、巻線部510dの表面に対して角度αが前述した60°以上、例えば85°に設定される。
このように設定された突起部510eが巻線部510dに形成されることで、巻線部510dの外周壁面に巻付けられた線材520が、例え軸方向に滑って移動したとしても、斜面510gによって線材520の移動が阻止される。これにより、巻線部510dの外周壁面を線材520が滑ることによる巻線崩れを防止する効果がある。
図2に示すように、樹脂成形品である一次スプール514は、両端に鍔部514a、bを有する有底円筒状に形成されており、蓋部514cにより上端部がほぼ閉塞されている。この一次スプール514の外周には一次コイル516が巻回されている。一次スプール514の蓋部514cには、一次スプール514の下端部側に延びる筒部514fが一次スプール514と同心上に形成されるとともに、開口部514dが形成されている。この筒部514fは、前述した二次スプール510と一次スプール514とを組付けたとき、二次スプール510の筒部510fの内側に同心円となって位置するように形成されている。したがって、一次スプール514と二次スプール510との組付時、一次スプール514の蓋部514cと二次スプール510の底部510cとの間に、両端に磁石504、506を備えた鉄心502が挟持される。
図2および図3に示すように、一次コイル516が巻回された一次スプール514の外側には、スリット508aを有する補助コア508が装着されている。この補助コア508は、薄い珪素鋼板を筒状に巻回し、巻回開始端と巻回終了端とを接続しないことから軸方向にスリット508aを形成しており、磁石504の外周位置から磁石506の外周位置にわたる軸方向長さを有する。これにより、補助コア508の周方向に発生する渦電流を低減している。
トランス部5等が収容されている収容室102内には、収容室102の上端部に僅かの空気空間を残して絶縁油29が充填されている。絶縁油29は、一次スプール514の下側開口端、一次スプール514の蓋部514cのほぼ中央部に開設された開口514d、二次スプール510の上側開口端および図示しない開口を通して侵入し、鉄心502、二次コイル512、一次コイル516、補助コア508等の間の電気絶縁を確実なものとしている。
次に、二次コイル512として巻付けられる線材520を二次スプール510に巻付ける巻線装置を図1に基づいて説明する。図1に示すように、二次コイル512を巻回する巻線装置600は、ボビン支持部602、ボビン回転部604、送り軸部607、トラバース軸部609、巻線ノズル部610、制御装置612等から構成されている。
支持部としてのボビン支持部602は、二次スプール510の軸方向長さより長い軸部602aと、この軸部602aが挿入された二次スプール510の鍔部510aに当接可能なストッパ部602bとから構成されている。このボビン支持部602は、回転機構を備えるボビン回転部604によって所定方向に回転する。
回転駆動部としてのボビン回転部604は、制御部612によって回転の開始、停止および回転速度が制御される。このボビン回転部604の制御は、制御部612によって制御される送り軸部607、トラバース軸部609等の制御状態に関連する。送り軸部607は、ボビン支持部602にセットされた二次スプール510の軸と所定間隔を隔てて平行に位置する回転軸606a上を回転軸606aの回転に従って移動可能な機構を備えている。そして、トラバース軸部609が1回往復する毎に所定距離だけ図1で矢印A方向に向かって移動する。
回転軸駆動部606は回転軸606aの端部に位置しており、回転軸606aを回転させる機構を備えている。この回転軸駆動部606の制御は、制御部612によって制御される。トラバース軸部609は、二次スプール510の軸に対して所定角をなすように位置する回転軸608a上を回転軸608aの回転に従って移動可能な機構を備えている。そして、回転軸608aの回転方向に応じて回転軸608a上をトラバース軸部609が往復移動することで、トラバース軸部609に取付けられた巻線ノズル部610を移動させている。これにより、巻線部510dに斜向巻きされる線材520によって形成される斜面530と平行に巻線ノズル部610が移動できる。なお、二次スプール510の軸に対する回転軸608aの所定角は、二次スプール510に線材520を巻回している途中において任意に変化させることもできる。
回転軸駆動部608は送り軸部607に取付けられると共に回転軸608aの端部に位置しており、回転軸608aを回転させる機構を備えている。この回転軸駆動部608の制御は、回転軸駆動部606と同様、制御部612によって制御される。ノズル部としての巻線ノズル部610はトラバース軸部609に取付けられており、トラバース軸部609の往復移動に従って移動することで、巻線ノズル部610から吐出する線材520を所定の巻付位置に位置決めしている。
ここで、回転軸駆動部608、回転軸608aおよびトラバース軸部609は、駆動機構に相当する。次に、前述した巻線装置600によって二次スプール510に巻付けられる線材520の巻き方を図1および図6に基づいて説明する。図6に示すように、二次スプール510に巻付けられる線材520は、第1巻線部541、第2巻線部542、第3巻線部543からなる3つの区画に区分されており、それぞれの区画によって巻き方が異なる。
第1巻線部541では、巻線ノズル部610から吐出した線材520を鍔部510aの内側から鍔部510b方向に向かって巻始め、所定のターン数である3ターンだけ巻付ける。その後、この巻付けられた線材520上に重ねて反対方向、すなわち鍔部510a方向に向かって3ターン巻付けて鍔部510aの内側に戻る。さらに2段重ねに巻付けられた線材520上に鍔部510b方向に向かって3ターン巻付け、続けて鍔部510b方向に向かって3ターン巻付ける。すると、1段目に6ターン、2段目および3段目に3ターンそれぞれ巻付けられたことになる。そして、この巻付けられた線材520上に重ねて鍔部510a方向に向かって6ターン巻付けることで、鍔部510aの内側に戻る。さらにまた4段重ねに巻付けられた線材520上に鍔部510b方向に向かって3ターン巻付け、続けて2段重ねに巻付けられた線材520上に3ターン巻付け、さらに続けて鍔部510b方向に向かって3ターン巻付ける。これにより、図6に示すように、1段目に9ターン、2段目および3段目に6ターン、3段目および4段目に3ターンそれぞれ巻付けられたことになる。このように、鍔部510b方向に向かって所定のターン数である3ターンづつ巻付け位置を進めることで、巻線部510dの途中において径方向外側に向かって多重に巻線層が形成され、巻付けられた線材520に斜面530が形成される。この斜面530の傾斜角度θ1は、鍔部510b方向に向かって巻付ける前述した「所定のターン数」によって決定され、例えば6°以上に設定されている。この傾斜角度θ1は、「所定のターン数」を変化させることで任意に設定することができる。そして、傾斜角度θ1に合わせて巻線ノズル部610が往復移動することから、線材520の整列度を一定にすることができる。
ここで、この傾斜角度θ1は、大きく設定するほど斜面530に沿って線材520がずれやすくなるため、ずれた線材520に対して所定の電位差よりも高い電位差を有する線材520にずれた線材520が接近することがある。すると、線材520同士の間での耐電圧保証を確保することが困難になる。この巻線崩れを防止するため、線材520の傾斜角度θ1は20°以下とする必要があり、望ましくは17°以下が適切である。これにより、巻線崩れを防止しつつトランス部5の線材520として要求される耐電圧をも確保できる。さらに、この傾斜角度θ1は小さく設定するほど斜面530、1面当たりの線材520の巻数が増加し、その結果隣接した斜面に巻付けられる線材520との線間電位差が高くなる。すると、線材520の耐電圧を十分に確保する必要が生ずるため、線材520の絶縁被覆厚の増加等によりトランス部5の体格の増大を招くことになる。そのため、線材520の傾斜角度θ1は6°以上とする必要があり、8°以上とすることが望ましい。これにより、巻線崩れを防止しつつ、線材520の絶縁被覆厚を増加させることがないのでトランス部5の体格の増大を防止できる。
なお、斜面上の線材520のずれ量と、そのずれ量を生じた場合に想定される線材間の電位差と、線材に被覆された絶縁皮膜の絶縁強度とに基づいて、許容しうる巻き崩れを想定することができる。上記の傾斜角度θ1は、このような許容範囲を考慮した数値である。このような知見に基づいて、傾斜角度θ1の推奨範囲としては6°以上20°以下の範囲とすることができる。ただし、製造工程でのばらつきなどの要因を考慮すると、8°以上17°以下の範囲が望ましい。
さらに、巻数を低減して線間電位差を低下させるために、傾斜角度θ1は10°以上にすることがより望ましい。さらにまた、巻線崩れを防止し、かつトランス部5の体格を増大させることなく線材520の耐電圧を確保するために、傾斜角度θ1は12°以上18°以下としてもよい。また、上記実施例においては傾斜角度θ1を15°としたが、同程度の性能を確保しうる範囲としては、13°から15°の範囲が好ましい。また、上記条件において線材の線径は0.1mm以下とすることができる。
第2巻線部542では、第1巻線部541によって形成された斜面530に沿って線材520を巻付けられる。図1は巻線装置600により第2巻線部542が巻付けられている様子を示しており、巻線ノズル部610の動きが模式的に示されている。ここで、図1および図6においては、第2巻線部542に巻付けられる線材520のうち、巻線ノズル部610が二次スプール510の外周壁面に近づきながら巻付けられる線材520を往路側の線材520aとして黒丸および幅広の黒線で表し、巻線ノズル部610が二次スプール510の外周壁面から離れながら巻付けられる線材520を復路側の線材520bとして白丸および幅広の白抜き線で表している。
トラバース軸部609がボビン回転部604の回転に伴い所定の巻付ピッチP1、例えば線材520の線径2倍以上10倍以下で移動する。すると、このトラバース軸部609と共に移動する巻線ノズル部610から吐出する線材520が、第1巻線部541によって形成された斜面530にこの巻付ピッチP1で巻付けられる。つまり、斜面530に線径2倍以上10倍以下の巻付ピッチP1の間隔で螺旋状に巻付けられる。このため、図1に示すように、往路側の線材520aと復路側の線材520bとは互いに逆の傾き角度βで交わるように巻付けられる(以下、この巻付方法を「交差巻方式」という。)。
図6では、往路側の線材520aの1段目を巻付け、さらに1段目の上に復路側の線材520bを巻付け終わったところを示している。このように、往路側の線材520aと復路側の線材520bとを所定の巻付ピッチP1で巻付ける交差巻方式をとることで、往路側の線材520aと復路側の線材520bとが交わる交差角度βを大きくすることができる。この交差角度βが大きいほど重ねて巻かれる上下の線材520同士が互いに点で接触し交差角度βが小さいほど線で接触するため、交差角度βが大きいほど重ねて巻かれる上下の線材520同士の接触部分が少なくなる。これにより、例えば往路側の線材520aの上に重ねて巻かれる復路側の線材520bが往路側の線材520aを引っかけて所定の巻付位置から往路側の線材520aを逸脱させるのを抑制するため、巻線崩れを生じ難くする。したがって、巻線崩れによる絶縁品質の低下を防止する効果がある。ここで、前述したように「所定の巻付ピッチP1」は大きいほど巻線崩れを効果的に抑制する。ところが、「所定の巻付ピッチP1」が大きくなるほど第1巻線部541によって形成された斜面530、1面当たりの巻数が減少するため、二次コイル512として決められた所定巻数を巻くためにはトラバース軸部609の往復回数が増加することになる。すると、生産効率が低下および巻線密度の低下に伴うトランス部5の大型化を招く。そのため、「所定の巻付ピッチP1」は線材520の線径2倍以上4倍以下に設定するのが望ましい。これにより、生産効率が低下およびトランス部5の大型化を招くことなくして、巻線崩れを効果的に抑制できる。
また、図6に示すように、巻線ノズル部610は、第1巻線部541によって形成された斜面530と平行に往復移動することから、二次スプール510に巻付けられる線材520の巻付位置にかからず巻線ノズル部610と線材520の巻付位置との距離を最小に保つことができる。これにより、二次スプール510に巻付けられる線材520が復路側の線材520bから往路側の線材520aに転じる位置において巻線ノズル部610と線材520の巻付位置との距離L1と、線材520が往路側の線材520aから復路側の線材520bに転じる位置においての距離L2とをほぼ同一にしかも最小に保ちながら線材520を巻付けることができる(以下、この巻付方法を「斜めトラバース方式」という。)。したがって、線材520が往路側の線材520aから復路側の線材520bに転じる位置、すなわち二次スプール510の外周壁に巻付けられる巻付位置においても線材520の振れ幅W1を最小限に抑え、巻付けられた線材520の整列度の低下を防止できる。したがって、二次スプール510の外周壁に近づくほど低下していた線材520の整列度を向上させ、整列度の低下による巻線崩れを誘発を防止するため、絶縁品質を向上する効果がある。
第3巻線部543では、第2巻線部542と同様、第2巻線部542によって形成された斜面531に沿って、往路側の線材520aと復路側の線材520bとを交差巻方式で巻付ける。このとき、巻終わり近づくほど線材520を巻付ける幅が狭くなることから、トラバース軸部609の移動量も徐々に小さくなる。この第3巻線部543においても、前述した斜めトラバース方式により線材520を巻付けることから、第2巻線部542と同様、線材520の整列度を向上させることで、整列度の低下による巻線崩れの誘発を防止するため、絶縁品質を向上する効果がある。
本発明の第1実施例による斜向巻コイルの製造装置と巻付け途中の斜向巻コイルを示す模式図である。 第1実施例の斜向巻コイルを組付けた内燃機関用点火コイルの縦断面図である。 図2に示すトランス部のIII−III線断面図である。 図1に示す一次スプールのIV−IV線断面図である。 二次スプールに形成される突起部の軸方向断面形状を示す模式図である。 第1実施例による斜向巻コイルの巻き方を示す模式図である。 従来例による斜向巻コイルの巻き方を示す模式図である。
符号の説明
2 点火コイル
5 トランス部
100 ケース
510 二次スプール (ボビン)
510a、b 鍔部
510d 巻線部
510e 突起部
512 二次コイル
520 線材
520a 往路側の線材
520b 復路側の線材
600 巻線装置

Claims (4)

  1. 巻線部を形成する筒状のボビンと、
    前記巻線部に斜向重巻きされる線材とを備え、
    隣合う前記線材同士の線間距離は線径の2倍以上10倍以下であり、かつ、前記線間距離で螺旋状に巻付けられるとともに、往路側の線材と復路側の線材が互いに逆の傾きで交わるように巻付けられていることを特徴とする電磁コイル。
  2. 前記線間距離は、2倍以上4倍以下であることを特徴とする請求項1記載の電磁コイル。
  3. 前記斜向重巻きされる斜面の傾斜角度は、6°以上であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁コイル。
  4. 前記傾斜角度は、6°以上20°以下であることを特徴とする請求項3記載の電磁コイル。
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