JP4398117B2 - 微細組織を有する構造用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両用部材、船舶用部材などとして好適な構造用アルミニウム合金板、とくに成形性を低下させることなしに高強度が得られ、部材の薄肉化を可能とする微細組織を有する構造用アルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、構造用アルミニウム合金は、Mg、Znを主要合金成分として含有し、さらにMn、Cu、Zrなどを組合わせてなるものであり、このアルミニウム合金の板材は、鋳塊を均質化処理後、熱間圧延を行い、中間熱処理を施しまたは施すことなしに、例えば加工度20〜60%の冷間圧延を行った後、焼鈍処理として350〜480℃の温度で熱処理を行うことにより製造される。
【0003】
しかしながら、従来の構造用アルミニウム合金板の強度には限度があるため、車両用、船舶用などの輸送機器部材への適用における薄肉化の要求に対しては自ずから限界があり、ある程度以上の薄肉化は達成できないのが現状である。
【0004】
金属材料の強度向上に関しては、結晶粒径を細かくするのが望ましいことが知られている。金属材料の強度と結晶粒径との間にはHall−Petchの関係が成立ち、結晶粒微細化と強度の向上には正の相関がある。また、結晶粒微細化による強化法は他の強化法とは異なり、材料の伸びをあまり損なうことなく強度を向上させることができることも知られている。従来、結晶粒を微細化するための方法として、強加工を加えて歪を蓄積し、その後適当な熱処理を施して再結晶させることが試みられているが、Al−Mg系などの構造用アルミニウム合金にこの方法を適用してもある程度以上の結晶粒微細化は困難である。
【0005】
粗大な再結晶粒の発生を抑制して、グレインストリークやリジングマークの生じない表面性状に優れたアルミニウム合金板を得るために、熱間粗圧延、熱間仕上圧延における圧延温度、圧延速度、圧延ロール温度などを制御する手法(特開2000−119782号公報)が提案されているが、この手法によって100μm以上の粗大粒発生は抑制できるものの、最終板の結晶粒径としては20〜40μm程度のものしか得られない。
【0006】
5182アルミニウム合金を用いて、473K以下の温度で98.3%の強加工を施した材料を473Kで焼鈍することにより平均粒径約600nmの超微細粒組織が形成され、380MPaの引張強さと20%の伸びが得られることも報告(日本金属学会誌、第63巻第2号(1999)243−251頁)されているが、この場合、結晶粒径1μm以下の超微細粒が材料中の7〜8割、最高でも9割程度の領域に形成されるのみで、残りの領域には超微細粒の形成は無く、また、573K以上の温度で焼鈍すると通常の再結晶組織となり、高延性を安定的に得るための高温処理を行うことができないため実用化には問題が多い。微細組織を有する高強度高延性の材料を安定して得るためには、比較的高温で熱処理を施しても粗大粒化しない熱的に安定な微細組織の形成が必要である。
【0007】
一方、先に、発明者らは、温間圧延における材料温度と圧延ロール温度を制御するとともに、隣り合う結晶粒の方位差(ミスオリエンテーション)(注:隣り合う結晶粒の方位差とは、図1に示すように、結晶粒Aと結晶粒Bに共通な回転軸に対してどの程度の角度差(方位差θ)があるかを示すもの)の考え方を導入し、高強度高耐食性構造用Al−Zn−Mg系合金板およびその製造方法(特願2001−039464号)を提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱的に安定した微細組織を有するAl−Mg系合金板を得るために、発明者らがAl−Zn−Mg系合金について行った上記の手法についてさらに試験、検討を加えた結果としてなされたものであり、その目的は、高温処理を行っても安定した組織性状をそなえ、延性を損なうことなしに高強度を達成することを可能とする構造用Al−Mg系合金板およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の請求項1による微細組織を有する構造用アルミニウム合金は、Mg:4〜7%、Mn:0.4〜1.0%、Zr:0.05〜0.25%、Zn:0.5〜2%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板であって、最終熱処理状態での平均結晶粒径が7μm以下で、板面において結晶粒方位差が3〜10°の結晶粒界を25%以上含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2による微細組織を有する構造用アルミニウム合金板は、請求項1において、前記アルミニウム合金板が、さらにCu:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3による微細組織を有する構造用アルミニウム合金板の製造方法は、Mg:4〜7%、Mn:0.4〜1.0%、Zr:0.05〜0.25%、Zn:0.5〜2%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金または該アルミニウム合金にさらにCu:0.1〜0.5%を含有してなるアルミニウム合金の鋳塊を均質化処理後、熱間加工を行い、熱間加工終了後の合金板の温度が室温近傍になった後に中間熱処理を施しまたは中間熱処理を施すことなく、圧延ロールの温度を60℃以上に制御し且つ合金板の温度を420〜200℃の温度に保持しながら4パス以上の圧延を行い、70%以上の加工度を与えて所定の板厚とした後、350〜420℃で30秒以上の最終熱処理を施すことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、最終的に延性回復のための熱処理を行って使用するAl−Mg系合金板に関するものであり、まず、本発明における含有成分の意義および限定理由について説明すると、Mgは、強度を向上させる主要元素であり、好ましい含有範囲は4〜7%である。4%未満では従来合金並の強度が得られず、また微細粒化も阻害され、7%を越えて含有されると、熱間加工性が低下して板材の製造が困難となる。
【0013】
Mnは、熱的に安定な組織を形成させるよう機能する元素である。すなわち、後述する420〜200℃での温間圧延において、固溶していたMnが微細に析出して、加工によって導入された転位の移動を抑制する作用があり、さらに繰り返し加工することで不動転位が形成されて結果的に熱的安定な組織となる。Mnの好ましい含有量は0.4〜1.0%の範囲であり、0.4%未満では上記の効果が十分でなく、熱的安定な組織が形成し難い。1.0%を越えると、加工性が劣化して圧延割れや成形性不良などの問題が生じる。Mnのさらに好ましい含有範囲は0.5〜0.8%である。
【0014】
Zrは、Mnとともに熱的に安定した組織を形成するために必要な元素であり、ZrもMnと同様、後述する420〜200℃での温間圧延の際に微細に析出し、加工によって導入された転位の移動を抑制する作用があり、さらに繰り返し加工することで不動転位が形成されて結果的に熱的安定な組織を形成する。Zrの好ましい含有範囲は0.05〜0.25%であり、0.05%未満ではこの効果が小さく、0.25%を越えても、熱的に安定な組織形成への寄与は変わらず、むしろ鋳造時にZr系の巨大晶出物が形成し易くなるため好ましくない。Zrのさらに好ましい含有量は0.10〜0.20%の範囲である。
【0015】
Znは、Mn、Zrと同様に熱的に安定な組織を形成するよう機能する。すなわち、後述する420〜200℃での温間加工中にMg−Zn系の化合物を形成し、加工によって導入された転位の移動を抑制する作用がある。また、最終熱処理時にも析出して結晶粒成長を抑制する。Znの好ましい含有量は0.5〜2%の範囲であり、0.5%未満ではその効果が十分でなく、2%を越えると、熱間加工性が低下して割れなどの問題が生じる。
【0016】
Cuは、熱的に安定な微細組織をより確実に形成するよう機能する。すなわち、後述する420〜200℃での温間加工中にAl−Cu−Mg系化合物が微細に析出して、加工によって導入された転位の移動を補助的に抑制し、また、Znと同様、最終熱処理時にも析出して結晶粒成長を抑制する。Cuの好ましい含有量は0.1〜0.5%の範囲であり、0.1%未満ではこの効果が小さく、0.5%を越えると熱間加工性が低下して割れなどの問題が生じる。
【0017】
本発明においては、Al−Mg系(5000系)合金に含有される程度の量のCr、Ti、B、Fe、Siを含有しても本発明の効果に影響することはないが、最終板の成形性の観点から各々0.5%以下に制限するのが好ましい。
【0018】
本発明によるアルミニウム合金板は、平均結晶粒径が7μm以下、板面において結晶粒方位差(ミスオリエンテーション)が3〜10°の小角粒界を全結晶粒界の25%以上含む組織性状を有することを特徴とし、この組織性状によって、実用上十分な成形性と高強度をそなえた微細組織を有するアルミニウム合金板が得られる。
【0019】
結晶粒方位差が3〜10°の小角粒界を全結晶粒界の25%以上含み、平均結晶粒径が7μm以下の微細組織は熱的に安定であり、結晶粒方位差が3〜10°の小角粒界を全結晶粒界の25%以上含む組織は平均結晶粒径を微細にする。平均結晶粒径が7μmを越えると、材料強度向上の度合いが小さくなる。
【0020】
結晶粒方位差の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)とCCDカメラを組合わせた自動測定装置により行う。具体的は、試料表面に現れた結晶面に電子線を入射させて菊池パターンをCCDカメラに取り込み、コンピュータで結晶面を特定するもので、隣り合う結晶粒の方位差は、各々の結晶面がわかれば共通の回転軸が特定でき、回転軸に対する角度差(=方位差=ミスオリエンテーション)が判明する。結晶粒方位差の下限3°は、上記測定装置の分解能、誤差などを考慮して規定したものである。
【0021】
以下、平均結晶粒径が7μm以下、板面において結晶粒方位差(ミスオリエンテーション)が3〜10°の小角粒界を全結晶粒界の25%以上含む微細組織を安定して得るアルミニウム合金板の製造方法について説明すると、前記の組成を有するアルミニウム合金を、例えば、通常のDC鋳造によって造塊し、得られた鋳塊について常法に従って均質化処理、熱間加工を行う。
【0022】
熱間加工終了後の合金板の温度が室温近傍になった後に中間熱処理を施しまたは中間熱処理を施すことなく、圧延ロールの温度を60℃以上に制御し且つ合金板の温度を420〜200℃、さらに好ましくは400〜250℃の温度に保持しながら繰り返し温間圧延を行う。
【0023】
上記の工程により熱的に安定な微細組織が形成される。圧延ロールの温度が60℃未満では、材料表面のみに加工が集中して材料内部への均一な加工が施されず、結果として最終熱処理において結晶粒の粗大化が生じる。
【0024】
板材の温度が420℃を越えると、組織の回復現象が優先的に起こり、不動転位の形成が阻害され、結果として熱的に安定な微細組織を形成することができなくなる。板材の温度が200℃未満では、Mn、Zrの析出が遅れ、加工によって導入された転位の移動を抑制する作用が弱まる結果、不動転位の形成が阻害され、最終熱処理において結晶粒の粗大化が生じる。
【0025】
繰り返し圧延は、4パス以上行うことが好ましく、パス数が3パス以下では、板厚中心部まで十分に加工されず、不動転位の形成が阻害される結果、熱的の安定な微細組織を形成することができないため、最終熱処理後に中心部に粗大結晶粒が形成されることがある。
【0026】
上記温度域での加工度は70%以上とするのが好ましく、加工度が70%未満では、不動転位の形成が不十分となり、最終熱処理後に部分的に粗大結晶粒が混在する組織となり易い。
【0027】
圧延加工後、延性を回復するために、350〜420℃の温度で最終熱処理を施す。従来のAl−Mg系の硬質アルミニウム合金板においては、350℃程度の温度に加熱すると再結晶が起こり、延性は向上するが強度は大幅に低下するが、本発明によるAl−Mg系合金板材の組織性状は熱的に安定なため、350℃以上の温度に加熱しても微細組織が維持され、延性が回復して実用上十分な成形性が得られ、且つ高強度が達成できる。420℃を越える温度では、部分的に粗大結晶粒が生じ易くなり好ましくない。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明するとともに、それに基づいてその効果を実証する。なお、これらの実施例は、本発明の好ましい一実施態様を説明するためのものであって、これにより本発明が制限されるものではない。
【0029】
実施例1
DC鋳造法により表1に示す組成を有するアルミニウム合金を造塊し、得られたスラブから厚さ30mmのスライスを調製し、480℃の温度で12hの均質化処理を行った。なお、表1において、合金A、Bは発明合金、合金Sは5083標準組成の比較合金である。
【0030】
ついで、スライスを480℃に加熱して、厚さ30mmから8mmまで熱間圧延を行い、材料温度が室温近傍に低下した後、塩浴炉で450℃で60sの中間熱処理を施し、その後、表2に示す条件に従って温間圧延および最終熱処理を行った。圧延は各パス後に再加熱することにより行い、各パス後の再加熱温度は、圧延温度域の上限温度とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
最終熱処理後の各試験材について、結晶粒方位差、平均結晶粒径および引張特性を評価した。評価結果を表3に示す。なお、結晶粒方位差は、日立製作所製SEM、Oxford社製EBSD(Electron backscatterdiffraction)装置を用いて行い、結晶粒方位差(ミスオリエンテーション)分布を示すヒストグラムから、傾角3〜10°を示す小角粒界の比率を求めた。
【0034】
平均結晶粒径は、光学顕微鏡による偏光組織写真あるいは透過型電子顕微鏡写真から切片法により求め、引張特性は、圧延方向に平行に試験片を採取し、標点間距離を10mmとしてインストロン型引張試験機を用いて求めた。
【0035】
【表3】
【0036】
表3にみられるように、本発明に従う試験材No.1〜7はいずれも、小角粒界の比率が高く、平均結晶粒径が7μm以下の微細組織であり、引張強さが350MPaを越え、伸び率も15%以上の高強度、高延性を示した。
【0037】
比較例1
実施例1で得られた表1に示す組成のスラブから厚さ30mmのスライスを調製し、480℃の温度で12hの均質化処理を行った。
【0038】
ついで、実施例1と同様、スライスを480℃に加熱して、厚さ30mmから8mmまで熱間圧延を行い、材料温度が室温近傍に低下した後、塩浴炉で450℃で60sの中間熱処理を施し、その後、表4に示す条件に従って温間圧延および最終熱処理を行った。圧延は各パス後に再加熱することにより行い、各パス後の再加熱温度は、圧延温度域の上限温度とした。
【0039】
【表4】
【0040】
最終熱処理後の各試験材について、実施例1と同一の方法により、結晶粒方位差、平均結晶粒径および引張特性を評価した。評価結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
《表注》平均結晶粒径 混粒:一部粗大結晶粒が混在する組織
【0042】
表5に示すように、試験材No.8〜9は、圧延ロールの温度が低いため最終熱処理後の組織が粗大粒組織となり強度が低いものとなった。試験材No.10は、圧延開始温度が高いため回復現象が優先されて微細粒組織が得られず、強度の低いものとなった。試験材No.11は、圧延温度が低いためMn、Zrの析出が遅れ、結果として微細粒組織が得られず強度の低いものとなった。
【0043】
試験材No.12は、圧延加工度が70%未満のため不動転位の形成が十分でなく、粗大粒の混在する組織形態となり強度の低いものとなった。試験材No.13は、最終熱処理温度が高いため、粗大粒の混在する組織形態となり強度の低いものとなった。試験材No.14はパス回数が少ないため、粗大粒の混在する組織形態となり強度の低いものとなった。試験材No.15は、従来の5083合金で、微細結晶組織が得られなかった。
【0044】
実施例2、比較例2
DC鋳造法により表6に示す組成を有するアルミニウム合金を造塊し、得られたスラブから厚さ30mmのスライスを調製し、480℃の温度で12hの均質化処理を行った。
【0045】
ついで、スライスを480℃に加熱して、厚さ30mmから8mmまで熱間圧延を行い、材料温度が室温近傍に低下した後、塩浴炉で450℃で60sの中間熱処理を施し、その後、表2の試験材No.1と同一の条件に従って温間圧延および最終熱処理を行って、最終熱処理後の各試験材について、実施例1と同じ方法により結晶粒方位差、平均結晶粒径および引張特性を評価した。評価結果を表7に示す。
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
《表注》試験材No.25:量産規模で作製された5083合金軟質板
【0048】
表7に示すように、本発明に従う試験材No.16〜19はいずれも、小角粒界の比率が高く、平均結晶粒径が7μm以下の微細組織であり、引張強さが350MPaを越え、伸び率も15%以上の高強度、高延性を示した。
【0049】
これに対して、試験材No.20はMg、Mnの含有量が少なく、試験材No.21、22はZrの含有量が少なく、また試験材No.23はZr、Znの含有量が少なく、いずれも微細粒組織が得られず強度の低いものとなった。試験材No.24はMnおよびZnの含有量が多いため、熱間圧延性が低下して圧延途中で割れが生じ、それ以降の圧延を行うことができなかった。試験材No.25は従来の5083合金軟質板であり、微細結晶組織が得られず強度が低い。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、高温処理を行っても安定した組織性状をそなえ、成形性を低下させることなしに高強度を達成することができ、自動車などの車両用部材、船舶用部材などとして好適に使用され、部材の薄肉化を可能とする微細組織を有する構造用Al−Mg系合金板およびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶粒の方位を示す図である。
Claims (3)
- Mg:4〜7%(質量%、以下同じ)、Mn:0.4〜1.0%、Zr:0.05〜0.25%、Zn:0.5〜2%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板であって、最終熱処理状態での平均結晶粒径が7μm以下で、板面において結晶粒方位差が3〜10°の結晶粒界を25%以上含むことを特徴とする微細組織を有する構造用アルミニウム合金板。
- 前記アルミニウム合金板が、さらにCu:0.1〜0.5%を含有することを特徴とする請求項1記載の微細組織を有する構造用アルミニウム合金板。
- Mg:4〜7%、Mn:0.4〜1.0%、Zr:0.05〜0.25%、Zn:0.5〜2%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金または該アルミニウム合金にさらにCu:0.1〜0.5%を含有してなるアルミニウム合金の鋳塊を均質化処理後、熱間加工を行い、熱間加工終了後の合金板の温度が室温近傍になった後に中間熱処理を施しまたは中間熱処理を施すことなく、圧延ロールの温度を60℃以上に制御し且つ合金板の温度を420〜200℃の温度に保持しながら4パス以上の圧延を行い、70%以上の加工度を与えて所定の板厚とした後、350〜420℃で30秒以上の最終熱処理を施すことを特徴とする微細組織を有する構造用アルミニウム合金板の製造方法。
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