JP4398004B2 - 熱安定性酵素の可逆性修飾の方法 - Google Patents

熱安定性酵素の可逆性修飾の方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性条件(aqueous condition)下での化学修飾による熱安定性酵素の可逆性不活性化の方法を提供する。この熱安定性酵素の化学修飾は、分子生物学の分野における応用、例えば核酸増幅において驚くべき効果を有するものである。
【0002】
【発明の背景技術】
最も重要な核酸増幅技術は、Saikiら、Science、230:1350-54(1985)に最初に記載されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、これは、米国特許番号4,683,202; 4,683,195; 4,965,188にも開示されている。商業的販売会社、例えばQIAGEN GmbH、(ヒルデン、ドイツ )はPCR試薬及びキットを販売しており、PCRのプロトコルを提供している。
【0003】
PCRの原理は、1、2又は幾つかのターゲット特異的オリゴヌクレオチド(プライマー)、熱安定性核酸ポリメラーゼ、デオキシヌクレオシドトリホスフェート及び反応緩衝液を用いる核酸ターゲットテンプレートの特定核酸配列の増幅により基本的に説明される。DNA合成は、複製されるべきDNA配列を側面に有する(flanking)ターゲット特異的オリゴヌクレオチドの近接可能な(accessible)3'-OH基から始まり、結果としてターゲットテンプレート核酸配列と同一のコピーを生成する。酵素反応は、ターゲット核酸の変性、プライマーオリゴヌクレオチドと相補的核酸配列とのアニーリング及びそれに続く配列依存性様式(manner)での熱安定性核酸ポリメラーゼを用いたこれらのプライマーテンプレートハイブリッド(complex)の伸長からなる実質的な数の温度サイクルにより繰り返される。プライマーのハイブリダイゼイションは、オリゴヌクレオチドプライマーを主にその相補的ターゲット核酸配列に結合させることができる、通常、アニーリング条件を提供するために十分高い温度で行われる。しかし、PCR反応混合物は、室温で混合されるため、大部分の熱安定性核酸ポリメラーゼがDNA合成活性を有するようになる温度であるより厳しくないオリゴヌクレオチドハイブリダイゼイション条件を与える。非特異的にアニーリング及び伸長したオリゴヌクレオチドは、非特異的な増幅生成物の形成を導くため、この間違ってプライムされた非特異的PCR生成物は、プライマー分子、ポリメラーゼ及びヌクレオチドのための特異的なPCR生成物を用いる、次に続くPCRサイクルにおいて競合することができ、それにより、特異的な増幅生成物の増幅反応を激しく妨害し、更には停止させてしまう(チュー(Chou)ら、Nucleic Acids Research、20(7):1717-1723(1992)参照)。
【0004】
反応準備又はPCRの初めの加熱段階において間違ってプライムされたオリゴヌクレオチドの伸長により起こる非特異的増幅生成物に関する問題を解決するために、オリゴヌクレオチドプライマー、ヌクレオチドトリホスフェート、マグネシウムイオン又は熱安定性核酸ポリメラーゼのような基本的なPCR成分を高温下でのみ添加することにより、非特異的なハイブリダイゼイション又は間違ってプライムされたオリゴヌクレオチドの伸長の可能性を低減することができる。この技術は、「熱開始(hot-start)PCR」として、より具体的には「手動熱開始(manual hot-start)PCR」として知られている。
【0005】
米国特許番号5,411,876に記載されている他の方法は、テンプレート-プライマー混合物と残りの反応混合物の間に固体ワックスバリアー(wax-barrier)を使用している。このワックスバリアーは昇温下においてのみ融解するため、全ての反応成分は高温においてのみ混合され、間違ったプライミング及び間違ってプライムされたオリゴヌクレオチドの伸長を防ぐ。しかし、手動熱開始PCRの場合、ワックスに仲介される熱開始操作は、サンプル調製に必要な長い時間及びPCRを終了した後の反応混合物の上に形成された固体ワックスバリアーによる不純物混入の高い可能性のためあまり簡便ではない。
【0006】
間違ってプライムされたオリゴヌクレオチドの伸長は、プライマーを熱可逆性様式で一本鎖DNAに特異的に結合する化合物、例えば、一本鎖結合タンパク質と予めインキュベートすることにより防ぐことができる。その様な化合物は、常温において、オリゴヌクレオチドプライマーが、どのテンプレート配列にもハイブリダイズしてしまうのを防ぐ。例えば、一本鎖DNA結合タンパク質である遺伝子 32タンパク質の使用がPCR生成物の収率を改善することがシュワッツ(Schwarz)ら、Nucleic Acid Research、18(4):10(1990)において示された。
【0007】
反応準備の間に間違ってプライムされたオリゴヌクレオチドからの伸長生成物の形成を低減する他の方法は、核酸ポリメラーゼの可逆性非共役修飾である。米国特許番号5,338,671は、ポリメラーゼの活性を阻害する核酸ポリメラーゼに特異的な抗体の使用を開示している。核酸ポリメラーゼとポリメラーゼ特異的抗体を予め混合することにより、抗体-ポリメラーゼ複合体が形成される。この条件の下では、実質的にオリゴヌクレオチドの伸長活性は検出されない。昇温下では、抗体は複合体から解離し、核酸ポリメラーゼを遊離し、ポリメラーゼ連鎖反応においてDNA合成を発揮する。しかし、この方法は、操作段階の数が増加することによる、不純物の混入の危険及び抗体調製物由来の残存核酸の存在の可能性がある。
【0008】
非特異的増幅生成物を低減する他の方法は、反応準備及びPCRの初めの加熱段階における非特異的DNA合成生成物の形成を防ぐ、昇温下である時間DNAポリメラーゼをインキュベートした後にのみ活性化する化学修飾された熱安定性DNAポリメラーゼの使用を含んでいる。米国特許番号5,677,152及び対応する欧州特許公報EP 0 771 870 A1は、ジカルボン酸無水物を用いて可逆的に不活性化された熱安定性ポリメラーゼを用いたターゲット核酸の増幅方法を記載している。
【0009】
分子生物学の応用、酵素学、蛋白及び核酸化学の標準的プロトコルは、分子クローニング−研究室マニュアル(Molecular Cloning−A Laboratory Manual)、Cold Spring Harbor,N.Y. (サンブルグ(Sambrook)ら、1989);PCRプロトコール−方法及び応用へのガイド(A Guide to Methods and Applications),Academic Press,N.Y. (インニス(Innis)ら、編集(eds.),1990);PCRプライマー−研究室マニュアル(A Laboratory Manual),CSHL出版(ジエッフェンベック(Dieffencachとデベクスラー(Dveksler)、編集(eds.),1995);及び酵素学における方法(Methods in Enzymology),Academic出版,Inc等の出版物に良く記載されている。この明細書で引用されている全ての特許、特許の出願、及び出版物は、参照として取り込まれている。
【0010】
【発明の要約】
本発明は、基本的に水性条件下での化学修飾を用いた熱安定性酵素の可逆性不活性化の方法及び試薬を提供する。特に、本発明の熱安定性酵素は、アルデヒドの存在下、可逆的に修飾される。本発明の修飾された熱安定性酵素は、1時間以上インキュベートされても、37℃では酵素活性の顕著な増加を示さない。一方、本発明の化学修飾された酵素の酵素的活性は、より昇温下、即ち、50℃以上、好ましくは75℃から100℃で、最も好ましくは95℃で30分以内の時間でインキュベイトされると少なくとも2倍に増加する。このような化学修飾された酵素は、不活性化した酵素が昇温下で予め又は意図する酵素反応の一工程においてインキュベイトされることにより再活性化される核酸の操作、例えば、増幅、ライゲイション、エキソヌクレアーゼ若しくはエンドヌクレアーゼ反応、又は核酸トポロジー(topology)を変化させる酵素反応を含む全ての応用に使用することができる。
【0011】
修飾の1つの主な態様は、酵素分子の架橋であり、それによって酵素の機能コア領域(functional core region)酵素構造の柔軟性(flexibility)及び近接性(accessibility)が制限される。この方法の大きな利点は、熱安定性酵素の不活性化及び再活性化は、異なる酵素の最適反応条件により一般的に変化するpHには基本的に左右されないため、その応用性が広いことである。
【0012】
本発明の他の態様は、熱安定性酵素、例えば、核酸増幅反応、ライゲイション反応若しくはエキソ−及び/又はエンド−ヌクレアーゼ活性を必要とする酵素反応、又は核酸トポロジーに変化を起こす酵素反応方法のための酵素の化学修飾方法に関する。
【0013】
本発明の更なる態様は、本発明の熱安定性酵素の可逆性不活性化に使用される化学修飾剤に関する。好ましくは、化学修飾剤は、基本的に水性条件下で本発明の酵素を可逆的に修飾することができる。更に好ましくは、化学修飾剤はアルデヒドである。最も好ましい化学修飾剤はホルムアルデヒド(H2C=O)である。
【0014】
ホルムアルデヒドは、特に、プライマー伸長反応における使用のためのテルムス(Thermus)属、ピロコッカス サーモコッカス(Pyrococcus Thermococcus)属及びテルモトガ(Thermotoga)属、好ましくはテルムス アクアティカス(Thermus aquaticus)、ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、ピロコッカス ウォエセイ(Pyrococcus woesei)、ピロコッカス種(Pyrococcus spec) (KOD1株)、ピロコッカス種GB-D(Pyrococcus spec. GB-D)、サーモコッカス リトラリス (Thermococcus Litoralis)、サーモコッカス種9°N-7 (Thermococcus sp. 9°N-7)、テルモトガ マリティマ(Thermotoga maritima)、ピロコッカス種ES4(エンデアヴォリ)(Pyrococcus spec. ES4(endeavori))、ピロコッカス種OT3(ホリコシ)(Pyrococcus spec. OT3(horikoshi))、ピロコッカス プロファンダス(Pyrococcus profundus)、サーモコッカス セテッテリ(Thermococcus stetteri)、サーモコッカス種AN1(ジィリギ)(Thermococcus spec. AN1(zilligii))、サーモコッカス ペプトノフィラス(Thermococcus peptonophilus)、サーモコッカス セラー(Thermococus celer)及びサーモコッカス ファミコランス(Thermococcus fumicolans)から与えられる熱安定性DNAポリメラーゼの可逆性不活性化のための試薬として好ましい。好ましい修飾方法は、ホルムアルデヒドとの反応により架橋した熱安定性酵素、例えばTaq DNAポリメラーゼの分子からなる。ホルムアルデヒドで処理された架橋されたTaq DNAポリメラーゼは、実施例6に示されるように、最大プライマー伸長活性の条件(60℃か75℃)下ではプライマー伸長活性を基本的に有さず、無水物によって処理されたTaq DNAポリメラーゼと比較するとより安定しているように見える。ここで説明されているようにTaq DNAポリメラーゼ酵素構造の修飾は、酵素分子を架橋することにより、例えば、構造の柔軟性を低減するか、又は活性中心領域への近接性を低減することにより酵素活性を妨げるかもしれない。テンプレートとの結合、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェート類の添加及びテンプレートに沿った移動は、特異的な酵素の構造及び柔軟性、更に酵素の活性中心への自由な近接性を必要とするかもしれない。
【0015】
他の態様においては、本発明はPCR反応を改善するために、アルデヒドにより不活性化されたDNAポリメラーゼ、特に、ホルムアルデヒドにより不活性化されたTaq DNAポリメラーゼと共に使用される核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤に関する。このようなPCR添加剤は、難しいDNAテンプレート配列、例えば、GC含有率が高い又は広範囲に2次構造を有するテンプレートの増幅のためのPCR反応において有用である。この目的のために特に好ましい添加剤は、ベタイン(化1)及び-OOC-CH2-NMe3 +基(正しくは「ベタインズ」)により特徴付けられる他の両性イオン塩基である。
【0016】
【化1】
Figure 0004398004
付加的なPCR添加剤は、多間能性ポリオール、好ましくは三官能性ポリオール,最も好ましいのはグリセロール;アミド、好ましくはカルバミド、最も好ましいのはホルムアミド;アルカリ性アンモニア塩、好ましくはアルキル化アンモニア塩、最も好ましいのはテトラメチルアンモニウム塩化物;スルフォキシド(sulfxides)、好ましくはアルキル化スルフォキシド、最も好ましくはジメチルスルフォキシド;硫酸塩、好ましくは無機硫酸塩、最も好ましくはアンモニウム硫酸ポリアルキレングリコール、最も好ましくはポリエチレングリコールを含む。更に、SSBタンパク質(一本鎖結合蛋白)、好ましくはE. coli SSBタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、酵母SSBタンパク質も使用することができる。好ましいPCR添加剤は、更にウシ胸腺タンパク質UP1も含む。
【0017】
他の態様では、本発明は、付加的な操作段階によって酵素反応を妨害することなく、単一の反応チューブ中で行われる連続逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のための不活性化したTaq DNAポリメラーゼと組み合わせたRNase H陽性及びRNase H陰性逆転写酵素の使用に関する。
【0018】
本発明の他の態様は、不活性化した熱安定性酵素をトリス(Tris)で緩衝された反応緩衝液又はトリスで緩衝された反応混合物と共に含むキットに関する。
上記の態様又は他の態様及び本発明の利点は、以下の説明及び実施例において明らかにされる。
【0019】
【発明の実施の形態】
水性条件下での修飾
本発明は、熱安定性酵素、例えば、核酸増幅反応、ライゲイション反応、エキソ−及び/又はエンド−ヌクレオチド活性を必要とする酵素的反応又は核酸トポロジーに変化が起こる酵素的反応のための酵素類の化学修飾の方法に関する。本発明の修飾熱安定性DNAポリメラーゼは、約50℃より低い温度で安定な低減された酵素活性を有し、それによってここで開示されている可逆性不活性化酵素は、実施例9、12、及び13で示されているように、例えば、欧州特許公報EP 0 771 870 A1に記載のように処理されたDNAポリメラーゼに比べて利点を有する。これは、再活性化に必要な条件、より具体的には、再活性に必要なpH範囲と処理された熱安定性酵素の最適反応条件を満たすpHとの食違い(discrepancy)によるものである。更に、EP 0 771 870 A1に説明されているアシル化試薬を用いる酵素の修飾は、ここで記載されている方法と比較すると不利である。アシル化試薬を用いる反応は、通常、最適化及び修飾反応の制御に関してタンパク質に、より適していない非水性反応条件を必要とする。それに比べ、アルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドを用いた修飾反応は、基本的に水性条件下で行うことができるため速やかに完了することができ、容易に最適化することができる。
【0020】
本発明は、プライマーに基づく核酸増幅反応において使用することができる熱安定性酵素の熱可逆性不活性化のために使用することができる方法及び試薬を記載している。本発明の方法及び試薬は、実施例12で示されているように、欧州特許公報EP 0 771 870 A1に記載されているように処理した場合に、十分に機能しない核酸ポリメラーゼに特に適している。
【0021】
本発明は、熱安定性である酵素、即ち、比較的熱に対して安定であり、活性の非可逆的損失なしに高温(例えば、約50℃より上)でのインキュベイションにも耐えることができる酵素の簡便な不活性化方法を提供する。本発明の修飾酵素の活性化は、意図する酵素反応の前のプレインキュベイション段階又は酵素反応の一部として、前記不活性化酵素を高温(例えば、約50℃より上)で処理することにより達成することができる。
【0022】
本発明の熱安定性酵素を可逆的に不活性化させるための修飾試薬として有用なアルデヒドは、一般式RHC=Oを有し、式中、RはH又はアルキル、アリール、又は1から10の炭素原子を有するアルキルアルデヒド(O=CH-(CH2)0-9-)基である。このような試薬は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド等を含むが、アルデヒドは酵素分子の間に架橋を形成することにより酵素を不活性化させると考えられているため、ホルムアルデヒドが特に好ましい。使用されるアルデヒドは、少なくとも一部分が水に溶解する必要があり、かつ、熱安定性酵素と約50℃より下で反応して、高温、即ち約50℃より上でインキュベイションされた後、その最初の酵素プライマー伸長活性の少なくとも一部が戻る修飾酵素を形成することができるものでなくてはならない。アルデヒド試薬と酵素の反応は、アミノ官能側鎖を介して熱に対して安定でない架橋を形成すると考えられており、従って、処理される酵素と反応性であり、酵素を顕著に分解すること又は酵素を非可逆的に不活性化させることなしに架橋を形成するアルデヒド化合物が適している。プライマー伸長反応における使用のための熱安定性DNAポリメラーゼの可逆性不活性化のために好ましい試薬は、ホルムアルデヒドである。
【0023】
修飾は、熱安定性酵素、例えばTaq DNAポリメラーゼの分子を0.01M−2Mのアルデヒド、例えばホルムアルデヒドの存在下で、50℃未満の温度(好ましくは35℃から39℃、最も好ましくは約37℃)で、好ましくは水性条件下で、酵素活性を許容可能なレベルにまで低減するために十分な時間加熱することによる反応からなる。この修飾は、典型的には、1から60分間以内の反応時間で行われるが、これは使用される試薬に幾分依存している。ホルムアルデヒドによる修飾は、60分より短い時間、最も好ましくは15分から30分間で好ましくは行われる。修飾された熱安定性酵素は、室温ではプライマー伸長活性を基本的に有しておらず、昇温下に置かれるまでは顕著な活性の回復を示さない。しかし、修飾酵素が高温(50℃より上)でのみ可逆性を示す酵素を活性化するために、約50℃未満においては、暴露(exposure)は延長されなければならない(1時間以上)。好ましい態様においては、例えば、ホルムアルデヒドにより処理された本発明の修飾Taq DNAポリメラーゼは、実施例6に示されるように最大プライマー伸長活性の条件(即ち60℃から75℃の間)では、プライマー伸長活性を基本的に有さず、この修飾された熱安定性酵素は無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼと比較して更に安定化されていることが明らかである。
【0024】
核酸ポリメラーゼを用いたプライマー伸長は、2つの主要な工程を含んだ方法であると考えることができる。第一の工程は、核酸ポリメラーゼのプライミングサイトとの解合(association)である。第二は、ヌクレオチドの結合(テンプレートヌクレオチドとの新しい塩基対の形成)及び次の(対になっていない)テンプレートヌクレオチドへの移動である。この点において、酵素は解離するか、又は新しいデオキシモノヌクレオチドの添加を継続する(コーンベック(Kornberg)、DNA複製、Freeman & Co.、New York、1980)。アルデヒド試薬を用いる架橋による本発明の酵素構造の修飾は、酵素分子を架橋することにより、例えば、構造の柔軟性の低減及び酵素の活性中心領域の近接性の低減により酵素活性を妨げると考えられている。テンプレートとの結合、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェートの添加及びテンプレートに沿った移動は、特異的な酵素の構造及び柔軟性、更には酵素が架橋された状態にある時、妨げられている酵素活性中心の自由な近接性を必要とする。
【0025】
酵素活性を除去するホルムアルデヒドによるタンパク質の修飾は、従来技術において示されているが、ホルムアルデヒドにより修飾された酵素の酵素活性の回復は観察されていない。初期の研究においては、ホルムアルデヒドによるリボヌクレアーゼ Aの処理は、ホルムアルデヒドの添加において酵素活性の即時の減少、続くゆっくりとした第二段階の減少を示すことを示している。最初の失活は、希釈及び短いインキュベイションにより元に戻るが、第二段階の失活は、希釈によっては元に戻らない(ミーンズ(Means)とフィーニー(Feeney) 1968、Biochemistry 7(6):2192-201)。驚くべきことに、ホルムアルデヒドにより処理された熱安定性酵素の酵素活性は、昇温下でのある期間のインキュベイションによって回復させることができることを見出した。
【0026】
酵素の架橋は、更なる安定化効果を有することができる。様々な物理的研究は、タンパク質へのホルムアルデヒドの生理学的状態に近い状態における作用は、タンパク質の変性を防ぐ分子間の架橋を形成することができることを示した。ホルムアルデヒドによる還元性アルキル化は、電荷を有する(charged)基の分布には、ほとんど又はまったく影響を及ぼさず、静電的相互作用の最小の妨害を起こす(ミーンズ(Means)、酵素学の方法(Methods in Enzymology)、47:469-78(1977))。ホルムアルデヒド処理、例えば、酵素の固定又は失活は、数々の目的のために使用されてきた。ホルムアルデヒドは、工業、研究及び薬剤、例えば、ワクチンの調製、ウイルス性RNAの失活、核酸のin vivoでの直接的な機能的変化、並びにDNA及びタンパク質の構造及び機能的特徴の変化を介する研究のためのものにおいて、他のアルデヒドよりもより広範囲に渡って使用されてきた(フェルドマン(Feldman)、Progr. Nucl. Acid Res & Mol. Biol、13:1-49(1973))。
【0027】
EP 0 771 870 A1 で説明されているように、ほとんどのアシル化試薬、例えば、シトラコン酸無水物のタンパク質のアミノ基との反応は、水又はヒドロキシルイオンによる試薬の加水分解と競合する。反応条件は、このことを考慮に入れ調整する必要があり、非水性溶液が最適な反応のために必要となる場合がある。最適条件は、アミノ基のプロトン除去を最大化し加水分解を最小化するpHで高濃度の無水物試薬を使用する。特に、この反応では典型的である長いインキュベイション時間における、反応中の急速な酸の遊離も考慮に入れられるべきである(アタッシ(Atassi)ら、酵素学の方法(Methods in Enzymology)、25(B):546-53(1972);バトラー(Butler)ら、酵素学の方法(Methods in Enzymology)、25(B):191-199(1972))。
【0028】
無水物試薬と対照的に、ホルムアルデヒド処理の反応条件は、好ましくは水性である。この反応は広いpHの範囲において数分で行うことができる。この事実は最適化及び反応率の制御を単純化する。
【0029】
上記のように、ホルムアルデヒド処理の第一次サイト(primary site)は、例えば、ヒストン中のリジンのε-NH2基であるようである。この基は、pK 11.3を有し、pH 7において完全にプロトン化され、高反応性である。DNAを用いたヒストンのホルムアルデヒド架橋形成率は、とても早い(1分間で80%の架橋を形成する)。リボヌクレアーゼ活性の劇的な減少は、ホルムアルデヒドの添加後数分で達成される(ジャクソン(Jackson)、Cell、15(3):945‐54(1978))。このホルムアルデヒドとアミンとの反応は、必須の段階であると考えられている。同時に、タンパク質のアミノ基に対するホルムアルデヒドの作用の正確な機構には定説がない。シッフ塩基(R-N=CHR)形成と呼ばれるものの証拠は、ホルムアルデヒドとアミノ酸のα-アミノ基との反応においては得られていないが、ピリジンボラン及びホウ素水素化物(borohydride)の存在下における、ホルムアルデヒドによるタンパク質のアミノ基の還元性アルカリ化は、シッフ形成の機構を提唱する(propose)。
【0030】
熱安定性酵素の処理
好ましい方法においては、テルムスアクアティカス(Thermus aquaticus)から精製されたDNAポリメラーゼは、2Mまでのホルムアルデヒド、好ましくは20mMから1Mのホルムアルデヒドと、37℃で、水浴中で約1分から60分間、好ましくは30分間インキュベートする。続いて、反応混合物は氷上で冷却され、残ったフォルムアルデヒドは限外濾過及び20mMのHepes、1mMのEDTA及び200mMのKClを含むpH7.9の緩衝液による洗浄によりホルムアルデヒドで処理されたDNAポリメラーゼから除去される。処理されたDNAポリメラーゼは、その後、終夜、4℃で20mMのトリス(pH9.0)、0.1mMのEDTA、0.5%(v/v)のトゥイーン(Tween) 20、 10mMのエタノーアミン、100mMのKCl、1mMのDTT、0.5%(v/v)のノニデット(Nonidet) P-40、50%(v/v)のグリセリンからなる強緩衝液に対して透析される。驚くべきことに、基本的に生理学的条件の下、大腸菌(Escherichia coli)でクローンされ過剰発現されたテルムス アクアティカス(Thermus aquaticus)又はピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)のどちらかから単離された熱安定性核酸ポリメラーゼのホルムアルデヒド処理は未反応ホルムアルデヒドの除去の後、安定な生成物を与えることが分かった。
【0031】
ホルムアルデヒドにより修飾された核酸ポリメラーゼは、遊離ホルムアルデヒドが存在しない場合、検出することができないプライマー伸長活性により特徴付けられる。プライマー伸長活性の回復は、更に大きい又はより早い活性回復に導く高い再活性化温度又は50℃以上でのより長いインキュベイション時間において、温度依存性及び時間依存性であることが分かった。更に、ホルムアルデヒドで処理された核酸ポリメラーゼの再活性化は、基本的にpHに依存していない。ほとんどの反応緩衝液又は反応混合物は、トリス緩衝物である。トリス緩衝液を含む分子生物学で使用される多くの緩衝液系の温度依存性は、グッド(Good)ら、Biochemistry、5(2):467-477(1966)により報告されている。トリス緩衝液に関して、温度によるpKaの変化は、以下のとうりである:ΔpKa/℃=−0.031。以下の実施例において示されるように、ホルムアルデヒドにより処理された熱安定性DNAポリメラーゼの酵素活性の回復は、例えば、ジカルボン酸無水物を用いた時よりもより温度依存性であり、pH依存性は弱い。
【0032】
上記修飾・不活性化核酸ポリメラーゼを用いることに加えて、PCR反応は、反応混合物内での核酸の溶解挙動に影響を与える添加剤を用いることにより改善することができる。例えば、難しいPCR複製、例えば、非特異的な生成物を生成する反応及び特に、GC高含有テンプレートの又は広範囲に二次構造を有するテンプレートの複製は、AT塩基対の安定性のレベルまでAT及びGC塩基対を「等安定化(isostabilize)」する添加剤を用いることにより改善することができる。好ましい上記PCR添加剤は、多官能性ポリオール、好ましくは三官能性ポリオール、最も好ましくはグリセロール;アミド、好ましくはカルバミド、最も好ましくはホルムアミド;アルカリ性アンモニア塩、好ましくはアルキル化アンモニア塩、最も好ましくはテトラメチルアンモニウム塩化物;スルフォキシド、好ましくはアルキル化スルフォキシド、最も好ましくは、ジメチルスルフォキシド;硫酸塩、好ましくは無機硫酸塩、最も好ましくはアンモニウム硫酸塩、ポリアルキレングリコール、最も好ましくはポリエチレングリコールを含む。加えて、SSBタンパク質(一本鎖結合タンパク質)、好ましくは大腸菌(E.Coli) SSBタンパク質(シュワッツ(Schwarz)ら、大腸菌(E.coli) SSBタンパク質、Nucleic Acids Research、18:1079(1990)を参照)、好ましくはT4遺伝子32タンパク質、又は酵母SSBタンパク質も使用することができる。好ましいPCR添加剤は、更にウシ胸腺タンパク質UP1(Amuteら、Biochemistry,33(27);8282−8291(1994)を参照)も含む。
【0033】
この目的のために特に好ましいPCR添加剤は、ベタイン(1-カルボキシ-N,N,N-トリメチル-メタンアミニウム(methanaminium)内部塩)及び-OOC-CH2-NMe3 +基により特徴づけられる他の両イオン性塩基(正しくは「ベタインズ」)である。
PCR添加剤は、複製生成物の特異性を改善するために効果的な量でPCR反応混合物に有利に添加することができる。典型的には、添加剤濃度1mMから5M、好ましくは約1Mが使用されるが、添加剤なしに行われるPCR反応と比較して特異的な複製生成物の生成を増やす量であれば、いずれも適している。
逆転写を含むPCR反応(RT-PCR)では、本発明の材料及び方法は、付加的な操作段階による酵素反応の妨害なしに1つの器内で行うことができる連続的反応を許容する。
【0034】
本発明の好ましい態様は、以下の実施例において示されている。実施例は例示を目的としており、本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
【実施例】
実施例1: プライマー伸長反応を用いた熱安定性DNAポリメラーゼの活性測定
この実施例は、熱安定性DNAポリメラーゼのプライマー伸長活性の測定のためのアッセイを示す。アッセイは、DNA挿入色素の存在下、アガローズゲル上での一本鎖及び二本鎖DNA分子の移動性(mobility)の違いに基づいている。プライマーの一本鎖DNA分子とのアニーリングは、DNAポリメラーゼのためのプライミングサイトを生成する。反応時間及びポリメラーゼの量によって、プライマーを伸長して一本鎖DNA二本鎖分子に転換(convert)することができる。
50ngのM13mp18 DNA(20 fmol; 7250 nt)、0.1 μMの30マーオリゴヌクレオチドプライマー5'-TTTCCCAGTCACGACGTTGTAAAACGACGG-3'(配列番号:1)、50μMのそれぞれのdNTPが入った10μlの10mMトリス HCl (pH8.8)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2 (Taq DNAポリメラーゼ)又は10μlの20mMのトリス-Cl( pH8.8); 10mMのKCl; 10mM の(NH42SO4; 0.1%のトリトン(Triton) X-114(Pfu DNAポリメラーゼ)の反応混合物が調製され、ポリプロピレン反応チューブへ分割された。それぞれのチューブには異なる量のDNAポリメラーゼを入れた(0.25、0.15、0.05、0.03、0.01単位)。DNAポリメラーゼは、ポリプロピレン反応チューブの表面とタンパク質との可能な相互作用を補償するために、1μg/mlのBSAを含む10mMのトリス-HCl、50mMのKCl緩衝液(pH8.8)で希釈した。
【0036】
プライマー伸長反応は、以下の反応設定:94℃で 1秒間、55℃で30秒間、72℃で 3分間を用いて、バイオメトラUnoIIサーモサイクラー(Biometra UnoII Thermocycler)(バイオメトラ(Biometra)、ゲッチンゲン、ドイツ)により行われた。94℃での反応混合物の加熱は、一本鎖M13 DNAの可能な2次構造を破壊するため、及び、反応温度を55℃へ低下させる間に特異的なプライマーアニーリングを行うために行われた。72℃でのプライマー伸長反応の結果は再現可能であった。反応完了後、それぞれのサンプルは、1μlのゲルローディング溶液(50%グリセロール、1xTAE 緩衝液、0.02mg/ml ブロモフェノールブルー)と混合し、0.5μ/mlの臭化エチジウムを含む1%のアガローズゲルに載せられた。ゲルは、80mAで15分間、1xTAE緩衝液中で泳動された。これらの条件は、伸長(ds)と非伸長(ss)M13 DNAフラグメントを区別した。
【0037】
不活性化した酵素の再活性化実験のために、アッセイは、一次再活性化段階において95℃で示された時間でインキュベイションする以外は、上記のように行われた。
【0038】
実施例2: DNAポリメラーゼ活性の決定のための単位アッセイ
この実施例は、DNAポリメラーゼ活性の単位決定を示す。1単位のTaq DNAポリメラーゼとは、30分間以内で72℃において10 nmolesのdNTPsを酸不溶性物質に取り込まさせる酵素の量を言う。
【0039】
12.5μgの音波処理されたニシン精液DNAは、0.01-0.1単位のポリメラーゼとアッセイ緩衝液(25mM TAPS( pH9.3、20℃); 50mM KCl; 2mM MgCl2; 1mM DTT; 200μM それぞれのdNTP; 100μCi[α-32P]dCTP)中で72℃で 30分間インキュベイションした。取り込まれたdNTPsの量は、トリクロロ酢酸沈殿によって決定される。不活性化した酵素の単位は、酵素活性の完全な回復が得られる80℃、3時間でのプレインキュベイションにより測定された。
【0040】
実施例3: ホルムアルデヒドを用いた不活性化Taq DNAポリメラーゼの調製
この実施例は、ホルムアルデヒドによるTaq DNA ポリメラーゼの修飾を説明する。Taq DNA ポリメラーゼは、酵素濃度が10−20U/μlとなるように200mM KCl; 1mM EDTA; 20mM HEPES を含む緩衝液(pH7.9)中で修飾された。ホルムアルデヒドは37%保存溶液としてメルク(Merck)から購入した。使用する直前に、100μlのホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド保存溶液を得るために168μlの蒸留水で希釈された。異なる量の(40μlから800μl)のこの保存溶液は、以下の最終ホルムアルデヒド濃度を得るために4mlのTaq DNA ポリメラーゼと混合された:0.2x保存溶液(0.2xと記載する);0.18x保存溶液;0.16x保存溶液;0.14x保存溶液;0.12x保存溶液;0.1x保存溶液;0.05x保存溶液;0.03x保存溶液;0.02x保存溶液;0.01x保存溶液。混合物は、30分間37℃で温度管理された水浴内でインキュベートされ、続いて氷上でサンプルを即冷却し、残りのホルムアルデヒドをゲル濾過又は限外濾過により除去した。形成された複合体を安定化するために、修飾された酵素は、100mM KCl;0.1mM EDTA;0.5%(v/v) トゥイーン 20;0.5%(v/v) ノニデット(Nonidet) P-40;1mM DTT;10mMエタノールアミン;50% グリセロール;20mMトリス/Clを含む強緩衝液(pH9.0)に対して透析された。
【0041】
実施例4:ホルムアルデヒドを用いた修飾によるTaq DNAポリメラーゼの低減されたプライマー伸長活性及び加熱処理後のプライマー伸長活性の回復
この実施例は、Taq DNA ポリメラーゼのプライマー伸長活性をホルムアルデヒド処理により低減することができること、及び、高温でのインキュベイションにより続いて回復することができることを示す。酵素活性の低減は、ホルムアルデヒドの濃度に依存しており、プライマー伸長反応におけるホルムアルデヒド自身の存在により起こるものではない。処理された酵素のプライマー伸長活性は、90℃で30分間加熱することにより回復した。手順では濃度の最適化及びホルムアルデヒド処理の遅延のための簡便な方法を説明する。
【0042】
洗浄剤なしの上記保存緩衝液中の1μlのTaq DNAポリメラーゼ(100単位)は最終濃度が0.3、1及び3Mの10μlのホルムアルデヒド(Aldrich)により10分間、37℃で処理され、氷上で10分間冷却され、189μlの TE緩衝液(10mM トリス HCl、(pH9.0、25℃)、1mM EDTA)で希釈された。対照として、1μlの処理されていない酵素がホルムアルデヒドの最終濃度が0.3、1及び3になるように10μlのホルムアルデヒド溶液と混合され、必要な濃度になるように189μlのTE緩衝液で即座に(加熱しないで)希釈された。
【0043】
プライマー伸長アッセイは、以下の反応条件:94℃で1秒間、55℃で30秒間、72℃で12分間により、実施例1に記載されているように行われた。ポジティブ及びネガティブ対照は、添加物の添加なしでTE緩衝液で希釈された0.5単位のTaq DNAポリメラーゼの存在しているもの、又はしていないものに対応している。
Taq DNAポリメラーゼのプライマー伸長活性を解放(release)するために、10μlの10mMトリスHCl(pH8.8、25℃)、50mM KCl、1.5mM MgCl2中の0.1μMの30マーオリゴヌクレオチドプライマー(配列識別番;1)、50μMのそれぞれのdNTPを含む40μlの反応混合物及び4μlの対応する酵素の希釈物が調製された。反応混合物は、PTC-200サーモサイクラー(MJ Research、Inc. Watertown、MA.)で90℃で30分間加熱された。9μlの反応混合物は、1μlの50ng M13p18 DNAと混合された。プライマー伸長反応は、以下の反応条件:94℃で1秒間、55℃で30秒間、72℃で12分間により行われた。ポジティブ対照は、40μlの出発混合物に添加したTE緩衝液で希釈された2単位のTaq DNAポリメラーゼからなっている。ネガティブ対照としては、反応混合物は上記反応条件により温度循環(サーモサイクル)されたが、Taq DNA ポリメラーゼは添加されなかった。
【0044】
実施例5:プライマー伸長活性においてTaq DNAポリメラーゼを不活性化させるために使用されるホルムアルデヒドの濃度の効果
この実施例は、実施例1に記載されたようにプライマー伸長反応において測定される酵素活性の回復に対するTaq DNAポリメラーゼを不活性化するために使用するホルムアルデヒドの濃度の効果を説明する。0.01x、0.02x、0.03x、0.05x、0.1x、0.18x のいずれかのTaq DNAポリメラーゼ含む反応混合物は、予め15分間95℃でインキュベートされた。ネガティブ対照はDNAポリメラーゼを含んでいなかった。アッセイは、実施例1に記載のように行われ、下記の結果は0.01x Taq DNAポリメラーゼに標準化(normalized)された、示されたTaq DNAポリメラーゼの相対プライマー伸長活性を示す。値は、2つのサンプルから決定された平均活性を示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004398004
【0046】
結果は、酵素活性の回復は、Taq DNAポリメラーゼを不活性化するために使用されたホルムアルデヒドの濃度に依存していることを証明している。しかし、高濃度のホルムアルデヒドにより処理された0.03x Taq DNAポリメラーゼ及びTaq DNAポリメラーゼは、プライマー伸長活性の顕著な更なる低減を示さなかった。
【0047】
実施例6: プレインキュベイションの時間の効果
この実施例は、実施例1に記載のようにプライマー伸長反応において測定された酵素活性の回復に対する95℃でのプレインキュベイションの時間の効果を説明している。0.03x Taq DNAポリメラーゼを含む反応混合物は、0、7、9、12、15又は20分間、95℃でプレインキュベイションされた。ネガティブ対照混合物は、Taq DNAポリメラーゼを含まなかった。プライマー伸長活性の回復は、完全に2本鎖DNAに転換された一本鎖M13テンプレートと比較された(対照標準:100%)。値は、2つのサンプルから決定された平均の活性を示している。
【0048】
【表2】
Figure 0004398004
【0049】
この結果は、ホルムアルデヒドにより処理されたTaq DNAポリメラーゼは、予め加熱インキュベイションすることなしに行われたプライマー伸長アッセイにおいて完全に不活性化された。従って、室温でのPCR反応段階では、間違ってプライムされたオリゴヌクレオチドの伸長は起こらない。更に、この結果は、95℃でのプレインキュベイションの時間が増加すると、酵素活性の回復が増加することを示している。酵素活性は時間に依存した様式で昇温下でのインキュベイションにより回復する。
【0050】
実施例7: 不活性化Taq DNAポリメラーゼを用いた核酸増幅反応
この実施例は、核酸テンプレートの増幅のための不活性化Taq DNAポリメラーゼの使用を説明している。
【0051】
PCR 操作
PCR反応は、修飾されていないTaq DNAポリメラーゼ又は0.03x Taq DNAポリメラーゼのいずれかを用いて行われた。それぞれのTaq DNAポリメラーゼ0.5μlがそれぞれのPCR反応に使用された。クローンされたHIV-I配列はHIV pol遺伝子(プライマー配列、24マー 5'-ACAAGGGAAGGCCAGGGAATTTTC-3'(配列番号:2)、24マー 5'-GGGCCATCCATTCCTGGCTTTAAT-3'(配列番号:3)を含む)から得られる497 bpの PCRフラグメントが側面(flanking)にあるプライマーを用いて増幅された。反応混合物は、HIVゲノム配列の50コピー及び10mMのトリス-HCl(pH 8.7)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2、200μMのそれぞれのdNTP、0.5μMのそれぞれのプライマー、1μgのヒトゲノムDNA(QIAamp(登録商標) Blood Kit、QIAGEN、ヒルデン、ドイツを用いてヒト全血(whole blood) から精製されたもの)及び0.5μlの修飾していないTaq DNAポリメラーゼ又は0.03x Taq DNAポリメラーゼのいずれかを含む。最終反応体積は、50μlであった。温度サイクル条件は、95℃で10分間のプレインキュベイション段階、続く45サイクル:変性段階94℃で1分間及び結合アニーリング/伸長段階を60℃で1分間からなる。増幅生成物は、1x TAE電気泳動緩衝液及びDNA挿入色素を用いたゲル電気泳動により1.5%アガローズゲル上で分析された。ゲル電気泳動は、約35分間、85ボルトで行われた。臭化エチジウムにより染色された増幅生成物はUV照射を用いて可視化された。
【0052】
結果は、ホルムアルデヒドにより修飾されたTaq DNAポリメラーゼはホットスタート(hot start)PCRに有用であることを示した。修飾されていないTaq DNAポリメラーゼは、期待していたPCR生成物を生成することができず、対照ゲル上に観察された付加的な染色バンドが非特異的増幅生成物を示す。特異的な増幅生成物は、修飾されていないTaq DNAポリメラーゼをPCRで用いた場合、ゲル電気泳動では検出することができなかった。それに比べ、0.03x Taq DNAポリメラーゼは特異的なPCT生成物を生成し、非特異的増幅生成物の量は、修飾されていないTaq DNAポリメラーゼのPCR生成物と比較して顕著に低減していた。この実施例は、ホルムアルデヒドにより不活性化され、加熱処理により再活性化される場合、Taq DNAポリメラーゼは修飾されていないTaq DNAポリメラーゼに比べ、PCRの特異性及び感度に関して性能が明らかに優れていることを示す。
【0053】
実施例8: ベタイン及び不活性化Taq DNAポリメラーゼを用いた核酸増幅反応
この実施例は、難しいテンプレート配列の増幅、例えば、非特異的PCR生成物を生成する反応、GC高含有テンプレート又は広範囲の2次構造を有するテンプレートを含む反応のための不活性化Taq DNAポリメラーゼとPCR添加剤、例えば、ベタインの組み合わせの有利な使用を説明する。
【0054】
PCR 方法
PCR反応は、0.03x Taq DNAポリメラーゼを用いて行われた。0.25μlの0.03x Taq DNAポリメラーゼは、それぞれの反応に使用された。ヒトタイプ-1アンギオテンシンIIレセプター遺伝子のフラグメントは、321 bpのPCRフラグメント(プライマー配列、20マー 5'-GCAACGCCCCTCACTATAAA-3'(配列番号:6)、20マー 5'-GCACCCCGCCCTTGAAGTCC-3'(配列番号:7)を側面に有する(flanking)プライマーを用いて増幅された。反応混合物は、QIAamp(登録商標) Blood Kit (QIAGEN、ヒルデン、ドイツ)を用いてヒト全血から精製された250ngのヒトゲノムDNA、20mM Tirs-HCl (pH 8.7)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、200μMのそれぞれのdNTP、0.5μMのそれぞれのプライマー、及び0.25μlの0.03x Taq DNAポリメラーゼを含む。反応は、ベタインなしで及び1Mベタイン(Sigma)の存在下で並行して行われた。最終反応体積は50μlであった。温度サイクル条件は、95℃で15分間のプレインキュベイション、続く30サイクル:変性段階94℃で1分間、アニーリング段階50℃で1分間、伸長段階72℃で1分間からなる。増幅生成物は、1xTAE電気泳動緩衝液及びDNA挿入色素を用いたゲル電気泳動により1%アガローズゲル上で分析された。ゲル電気泳動は、約35分間、85ボルトで行われた。臭化エチジウムにより染色された増幅生成物はUV照射を用いて可視化された。
【0055】
結果は、ホルムアルデヒドで不活性化されたTaq DNAポリメラーゼは、PCR反応を改善するためにベタインとの組み合せで使用することができることを示した。ベタインなしでは、不活性化Taq DNAポリメラーゼは、所望のPCR生成物を生成することができず、その代わりに弱い非特異的増幅生成物を生成した。それに比べ、ベタインの存在下では、特異的なPCR生成物のみが高い生成物収率で増幅された。この実施例は、Taq DNAポリメラーゼが、PCR反応を可能にし、PCR反応の特異性及び感度を改善するために、ホルムアルデヒドで不活性化され、且つ加熱処理により再活性化される場合、核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤、例えば、ベタインと組み合せを使用することができることを示した。
【0056】
実施例9: カルボン酸無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼと比較した、ホルムアルデヒドで処理されたTaq DNAポリメラーゼの再活性化に対するPCR反応緩衝液系の効果
予期しなかったことに、我々は、異なるTaq DNAポリメラーゼ提供者により提供されたTaq DNAポリメラーゼのためのPCR反応緩衝液を用いた時、ホルムアルデヒドで処理されたTaq DNAポリメラーゼは、カルボン酸無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼ(Ampli Taq(登録商標) Gold、Perkin-Elmer、Norwalk、CT)よりも再現性があることを見出した。従って、この実施例においては、ホルムアルデヒドで処理された0.03x Taq DNAポリメラーゼ又はカルボン酸無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼ(Ampli Taq(登録商標) Gold、Perkin-Elmer、Norwalk、CT)のいずれかのプライマー伸長活性の回復は、パーキン エルマー(Perkin Elmer)(10x: 100mMトリス-HCl(pH8.3、25℃)、500mM KCl)、ライフ テクノロジーズ(10x: 200mMトリス-HCl(pH8.4、25℃)、500mM KCl)、プロメガ(10x: 100mMトリス-HCl(pH9.0、25℃)、500mM KCl、10%トリトンX-100及びファルマシア(10x 100mMトリス-HCl(pH9.0、室温)、500mM KCl、トリトンX-100なし)により提供されたPCR反応緩衝液中で比較された。それぞれの酵素の同じ単位活性がアッセイに使用された。アッセイは、プレインキュベイションが20分間95℃で行われる以外は実施例6に記載のように行われた。値は2つの反応の平均を示している。
【0057】
【表3】
Figure 0004398004
【0058】
この結果は、ホルムアルデヒドで処理されたTaq DNAポリメラーゼの再活性化の能力は、カルボン酸無水物で不活性化されたTaq DNAポリメラーゼよりも、異なるPCR反応緩衝液に関してより鈍感(robust)であることを示した。更に、PCR緩衝液組成に関して、反応緩衝液のpHがカルボン酸無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼの反応能力に劇的に影響を与えることが明きらかになった。
【0059】
実施例10: カルボン酸無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼと比較したホルムアルデヒドで処理されたTaq DNAポリメラーゼの再活性化に対するpHの効果
この実施例は、加熱インキュベイションにより酵素活性を回復するためにホルムアルデヒドで処理された0.03x Taq DNAポリメラーゼの能力をカルボン酸無水物で処理されたTaq DNAポリメラーゼ(Ampli Taq(登録商標) Gold、Perkin Elmer、Norwalk、CT)と比較して説明する。活性アッセイは、洗浄剤を含まない100mMのトリス-HCl(pH8.3-9.0、20℃)及び500mMのKClを含む標準反応緩衝液を使用する以外は、実施例8に記載されているように行われた。プレインキュベイションは、20分間、95℃で行われた。値は2つの反応の平均を示している。
【0060】
【表4】
Figure 0004398004
【0061】
この結果は、ホルムアルデヒドで処理されたTaq DNAポリメラーゼの酵素活性の回復は、反応緩衝液のpHには依存していないことを証明した。それに比べ、カルボン酸無水物を用いて不活性化されたTaq DNAポリメラーゼは、反応緩衝液のpHの増加に伴いプライマー伸長活性の顕著な低減を示した。8.6以上のpH値では、このTaq DNAポリメラーゼの活性は測定されなかった。
【0062】
反応緩衝液又は反応混合物のpHは、最適酵素活性のために大変重要である。異なる酵素は、最高の作用を有する異なる個々の最適pHを有している。熱安定性DNAポリメラーゼのような機能的に似ている酵素の間でも、反応緩衝液の最適pH値は、pH7.5(Bca DNAポリメラーゼ、ウエモリら、J. Biochem.(日本)、113(3):401-10(1993))からpH10(TfI DNAポリメラーゼ、カレジン(Kaledin)ら、Biokhimiia(USSR) 46(9):1576-84(1981))まで変化する。加えて、同じ酵素に存在する異なる酵素活性であっても異なるpH最適値を有していることがある。例えば、プルーフリィーディングDNAポリメラーゼと呼ばれる酵素の3'-5'エキソヌクレアーゼ活性は、とても正確なPCR反応に必要とされる最適プルーフリィーディング活性のためには通常pH8.8を超える高いpH値を必要とする。
【0063】
一般的に熱安定性酵素の酵素活性の不活性化及び回復におけるホルムアルデヒド及びカルボン酸無水物の効果及び基本的な能力を比較するために、その様なプルーフリィーディング酵素、Pfu DNAポリメラーゼ(ピロコッカスフリオサス由来)の1つがモデル系として使用された。更に、Pfu DNAポリメラーゼは、真正細菌に属するテルムスアクアティカス(Thermus aquaticus)とは完全に異なる生物界を代表する古細菌(archeabacteria)から単離される、完全に異なるDNAポリメラーゼ族に属している。
Pfu DNAポリメラーゼは2つの阻害剤、ホルムアルデヒド及びシトラコン酸無水物のいずれかにより処理された。
【0064】
実施例11: ホルムアルデヒドを用いた不活性化Pfu DNAポリメラーゼの調製
この実施例は、ホルムアルデヒドを用いるPfu DNAポリメラーゼの修飾を示す。
Pfu DNAポリメラーゼは、酵素が2-5U/μlの濃度で使用される以外は、実施例3でTaq DNAポリメラーゼについて説明されているのと完全に同じ方法により修飾された。
【0065】
実施例12: シトラコン酸無水物を用いた不活性化Pfu DNAポリメラーゼ及びTaq DNAポリメラーゼの調製
Pfu DNAポリメラーゼ及びTaq DNAポリメラーゼは、参照として本明細書に組み込まれている欧州特許公報EP 0 771 870 A1に記載の方法により調製された。調製物は、それぞれの熱安定性DNAポリメラーゼ(Taq及びPfu)にモル比240xのシトラコン酸無水物を含んでいる。
【0066】
実施例13: ホルムアルデヒド及びシトラコン酸無水物で不活性化されたPfu DNAポリメラーゼ及びTaq DNAポリメラーゼのPCR操作におけるpHの影響
この実施例は、PCRにおける0.03x Taq DNAポリメラーゼ及び240x Taq DNAポリメラーゼ又は0.03x Pfu DNAポリメラーゼ及び240x Pfu DNAポリメラーゼのいずれかの比較を示す。Taq DNAポリメラーゼと対照的に、Pfu DNAポリメラーゼのPCRのためのpH最適値は、pH8.8であると報告されている。PCR反応はTaq DNAポリメラーゼのためのPCR反応緩衝液:10mMトリス-HCl(pH8.3又はpH8.7)、50mM KCl;又はPfu DNAポリメラーゼの反応緩衝液:20mMトリス-HCl(pH8.3又はpH8.8)、10mM KCl、10mM (NH4)2SO4、20mM MgSO4、0.1%トリトンX-114内で行われた。
【0067】
PCR 方法
PCR反応は、修飾されていないTaq DNAポリメラーゼ、ホルムアルデヒドで処理された0.03x Taq DNAポリメラーゼ、240xシトラコン酸無水物で処理したTaq DNAポリメラーゼ、又はAmpli Taq(登録商標) Gold(Perkin-Elmer、Norwalk、CT);又は修飾されていないPfu DNAポリメラーゼ、ホルムアルデヒドで処理された0.03x Pfu DNAポリメラーゼ、又は240xシトラコン酸無水物で処理されたPfu DNAポリメラーゼのいずれかを用いて行われた。それぞれのDNAポリメラーゼ調製物0.5μlがそれぞれのPCR反応に使用された。完全なlacIq配列を含むベクターpUC19から形成されたプラズミド構築物の一部は、プライマー:24マー、 5'-CTTCGCCCACCCCGGGCTCGATCC-3'(配列番号:4)及び25マー、 5'-CATGAAGCACTTCACTGACACCCTC-3'(配列番号:5)を用いて増幅された。反応混合物は、5ngのプラズミドDNA(QIAGENチップ100、QIAGEN、ヒルデン、ドイツにより精製)、200μMのそれぞれのdNTP、0.2μMのそれぞれのプライマー、それぞれの反応緩衝液及び0.5μlの示された熱安定性 DNAポリメラーゼを含む。酵素活性は、0、5、又は15分間いずれかの95℃での加熱インキュベイションにより回復された。温度サイクル条件は、前記プレインキュベイション段階、続く45サイクル:変性段階94℃で30分間、アニーリング段階60℃で1分間、及び伸長72℃からなる。増幅生成物は、1xTAE電気泳動緩衝液及びDNA挿入色素を用いたゲル電気泳動により1.5%アガローズゲル上で分析された。ゲル電気泳動は、約35分間、85ボルトで行われた。臭化エチジウムにより染色された増幅生成物はUV照射を用いて可視化された。
【0068】
結果
全てのTaq DNAポリメラーゼ調製物は、PCR反応緩衝液がpH8.3である時、同様のPCR生成物収率で期待していたPCR生成物を生成する。更に、PCR生成物の収率は、95℃でのプレインキュベイション時間が増加するに連れて増加する。それに比べ、0.03x Taq DNAポリメラーゼ(ホルムアルデヒドにより処理されたもの)のみが、pH8.7の同じPCR緩衝液を用いた場合、同じ結果を出した。AmpliTaq(登録商標) Gold又は240xシトラコン酸無水物により処理されたTaq DNAポリメラーゼのいずれを用いても増幅生成物は得られなかった。Pfu DNAポリメラーゼを用いたPCR反応は、最適PCR条件のためのpH8.8のPCR緩衝液を用いて通常行われる。それによると、不活性化されていないPfu DNAポリメラーゼを含むPfu DNAポリメラーゼ調製物のいずれもpH8.3のPfu PCR反応緩衝液中でPCR生成物を合成することができなかった。PH8.8のPfu PCR反応緩衝液を用いた場合、不活性化されていないPfu DNAポリメラーゼを用いて期待するPCR生成物を得ることができた。更に、ホルムアルデヒドで不活性化された0.03x Pfu DNAポリメラーゼは、同様の収率でPCR生成物を生成した。それに対して、シトラコン酸無水物により処理されたPfu DNAポリメラーゼは、どのようなPCR生成物も生成せず、Pfu DNAポリメラーゼに関しては、ホルムアルデヒドによる不活性化が無水物により仲介される不活性化よりもより応用可能であることを証明した。
【0069】
実施例14: ホルムアルデヒド及びシトラコン酸無水物により不活性化したTaq DNAポリメラーゼのPCR性能に対する核酸サンプル調製の効果
核酸サンプルは、しばしば純度、不純物質、及びpHについて変化する。市販のキット、例えば、QIAamp(登録商標) Blood Kit(QIAGEN、ヒルデン、ドイツ)を用いて核酸を精製する場合、核酸サンプルのpHは、しばしば高いpH値、例えばpH9.0に調製される。増幅反応におけるその様な核酸サンプルの影響を調査するために、ホルムアルデヒドで処理された0.03x Taq DNAポリメラーゼ又はAmpliTaq (登録商標) Gold(Perkin Elmer、Norwalk、CT)のいずれかを用いて行われるPCR反応が、多様なpHの核酸サンプルを用いて行われた(spiked)。増幅反応は、25μlの核酸サンプルを加えた(spiked)最終体積50μlで行われた。DNAサンプルのpHは8.0、8.5又は9.0とした。対照は、適当な体積のPCR勾配(grade)水(QIAGEN、ヒルデン、ドイツ)の添加により行われた。
【0070】
ターゲットとなる配列は、実施例7に記載の反応条件及びプライマーを用いてプラズミドへクローンされたHIV-Iポリメラーゼ遺伝子の497 bpのDNA配列(プライマー配列を含む)とした。50コピーのHIV-Iを含むプラズミドDNA及び250ngのヒト遺伝子DNAを25μl中に含むPCR反応が、PCRアッセイに供された(spiked)。
【0071】
結果
ホルムアルデヒドにより処理されたTaq DNAポリメラーゼの存在下、25μlの核酸サンプルを加えた(spiked)反応から増幅されたPCR生成物の収率は、増幅対照のものと類似するところにとどまった。それに対して、AmpliTaq(登録商標) Gold (Perkin Elmer、Norwalk、CT)を用いた場合、PCR生成物の収率は、加えられた(spiked)核酸サンプルのpHが増加するに連れて減少し、核酸サンプルの性質は、熱安定性DNAポリメラーゼを不活性化するために使用される方法に依存して、PCR反応の性能にネガティブに影響を与えることが示された。また、この実施例は、ホルムアルデヒドのようなアルデヒドを用いた熱安定性酵素の不活性化はジカルボン酸無水物を用いた方法と比較して分子生物学応用のためにより適していることを示す。
【0072】
実施例15:逆転写酵素及び不活性化Taq DNAポリメラーゼの組み合せを用いた継続逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)
この実施例は、付加的な操作段階による酵素反応の妨害がない単一反応チューブ中での、継続逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のための逆転写と組み合わせた不活性化Taq DNAポリメラーゼの使用について説明する。
【0073】
RT-PCR 方法
組み合わされた逆転写酵素及びPCR反応は、0.03xTaq DNAポリメラーゼ及び鳥類(avian)骨髄芽球腫(myeloblastosis)ウイルス逆転写酵素(AMV、Boehringer Mannheim)又はRNase H ネガティブ形態のモロネイ(Moloney)ネズミ白血病ウイルス逆転写酵素(SUPERSCRIPT(登録商標)II、Life Technologies)のいずれかを用いて単一のチューブ内で行われた。0.5μlの0.03x Taq DNAポリメラーゼは、5単位のAMV又は100単位のSUPERSCRIPT(登録商標)IIのいずれかと共にそれぞれの反応に使用された。ヒト グリセリンアルデヒド-3-ホスフェート-脱水素酵素遺伝子のフラグメントは、いずれかの逆転写酵素により全RNAから相補的DNA(cDNA)へと逆転写され、続いて両方の酵素反応のためにプライマー配列(24マー 5'-ATGGGGAAGGTGAAGGTCGGAGTC-3'(配列番号:8)、24マー 5'-AGTGTAGCCCAGGATGCCCTTGAG-3'(配列番号:9)を含む831bpのPCRフラグメントを側面に有する(flanking)プライマーを用いて0.03x Taq DNAポリメラーゼにより増幅された。反応混合物は、1μgのHeLa細胞(Rneasy(登録商標) Maxi Kit、QIAGEN、ヒルデン、ドイツを用いてヒトHeLa細胞系から精製された)から得られた全RNA、20mMトリス-HCl (pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、200μMのそれぞれのdNTP、0.4μMのそれぞれのプライマーを含む。最終体積は50μlであった。温度サイクル条件(profile)は、30分間の50℃での逆転写酵素の継続(lasting)、直後に続く、対応する逆転写酵素が同時に不活性化する95℃で15分間のプレインキュベイション段階からなっている。この段階の後に、40サイクル:30秒間の94℃での変性段階、45秒間の55℃でのアニーリング段階、及び1分間の72℃での伸長段階が続けられる。増幅生成物は、1xTAE電気泳動緩衝液及びDNA挿入色素を用いたゲル電気泳動により1%アガローズゲル上で分析された。ゲル電気泳動は、約35分間、85ボルトで行われた。臭化エチジウムにより染色された増幅生成物はUV照射を用いて可視化された。
【0074】
結果は、ホルムアルデヒドで不活性化されたTaq DNAポリメラーゼは、連続的単一チューブRT-PCR反応において、逆転写酵素と組み合わせて使用することができることを示した。有利なことに、ホルムアルデヒドで不活性化されたTaq DNAポリメラーゼは、逆転写反応の間は不活性であり、加熱活性化段階の間の、PCR反応においてのみ活性化され、残った逆転写酵素活性は破壊される。ホルムアルデヒドで不活性化されたTaq DNAポリメラーゼのこの有利な効果は、RNase Hポジティブ及びRNase Hネガティブ逆転写酵素のどちらの連続的単一チューブRT-PCRにおいても用いることができる。
本発明の更なる態様は、上記の開示から当業者には明らかであろう。そのようなすべての付加的な態様は、添付の請求項に明らかにされている本発明の範囲内にあるものである。
【0075】
【配列表】
Figure 0004398004
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Claims (35)

  1. 基本的に水性条件下での熱安定性酵素と修飾剤試薬との50℃未満での反応により生成され、前記熱安定性酵素はDNAポリメラーゼであり、前記修飾剤試薬はホルムアルデヒドであり、前記反応は前記酵素の熱可逆性不活性化を生じる修飾された熱安定性酵素。
  2. 前記修飾された熱安定性酵素の少なくとも50℃の温度でのインキュベイションは、少なくとも2倍の酵素活性の増加を与える請求項1に記載の修飾された熱安定性酵素。
  3. 修飾が、0.01Mから2Mの修飾剤試薬の存在下で行われる請求項1又は2に記載の修飾された熱安定性酵素。
  4. 前記ポリメラーゼは、テルムス(Thermus)属、ピロコッカス(Pyrrococcus)属又はテルモトガ(Thermotoga)属から選らばれる生物に由来する請求項1から3のいずれか1項に記載の修飾された熱安定性酵素。
  5. 前記ポリメラーゼは、テルムス アクアティカス(Thermus aquaticus)、テルムス サーモフィラス(Thermus thermophilus)、テルムス フラバス(Thermus flavus)、ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、ピロコッカス ウォエセイ(Pyrococcus woesei)、ピロコッカス種(Pyrococcus spec.) (KOD1株)、ピロコッカス種GB-D(Pyrococcus spec. GB-D)、サーモコッカスリトラリス(Thermococcus litoralis)、サーモコッカス種9°N-7 (Thermococcus sp. 9°N-7)、テルモトガ マリティマ(Thermotoga maritima)、ピロコッカス種ES4(エンデアヴォリ)(Pyrococcus spec. ES4(endeavori))、ピロコッカス種OT3(ホリコシ)(Pyrococcus spec. OT3(horikoshi))、ピロコッカス プロファンダス(Pyrococcus profundus)、サーモコッカス セテッテリ(Thermococcus stetteri)、サーモコッカス種AN1(ジィリギ)(Thermococcus spec. AN1(zilligii))、サーモコッカス ペプトノフィラス(Thermococcus peptonophilus)、サーモコッカス セラー(Thermococus celer)及びサーモコッカス ファミコランス(Thermococcus fumicolans)からなる群から選ばれる生物に由来する請求項1から3のいずれか1項に記載の修飾された熱安定性酵素。
  6. 前記ポリメラーゼは、テルムス アクアティカス(Thermus aquaticus)、ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、及びピロコッカスウォエセイ(Pyrococcus woesei)からなる群から選ばれる生物に由来する請求項1から3のいずれか1項に記載の修飾された熱安定性酵素。
  7. (a)請求項1から6のいずれか一項に記載の修飾された熱安定性酵素及び(b)ポリメラーゼ連鎖反応に特異的な一組のプライマーからなるポリメラーゼ連鎖反応増幅反応混合物。
  8. 核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤を更に含む請求項7に記載の混合物。
  9. 前記PCR添加剤は、ベタイン、多官能性ポリオール、アミド、アルカリ性アンモニア塩、スルフォキシド、硫酸塩、SSBタンパク質及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項8に記載の混合物。
  10. 前記PCR添加剤は、ベタイン、グリセロール、ホルムアミド、塩化テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルフォキシド、ポリエチレングリコール、大腸菌(E. coli)SSBタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、酵母SSBタンパク質、及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項9に記載の混合物。
  11. 前記PCR添加剤はベタインである請求項9に記載の混合物。
  12. 請求項1から6のいずれか一項に記載の修飾された熱安定性酵素を含むポリメラーゼ連鎖反応を行うための試薬キット。
  13. 核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤を更に含む請求項12に記載の試薬キット。
  14. 前記PCR添加剤は、ベタイン、多官能性ポリオール、アミド、アルカリ性アンモニア塩、スルフォキシド、硫酸塩、SSBタンパク質、及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項13に記載の試薬キット。
  15. 前記PCR添加剤は、ベタイン、グリセロール、ホルムアミド、塩化テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルフォキシド、ポリエチレングリコール、大腸菌(E. coli)SSBタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項14に記載の試薬キット。
  16. 前記PCR添加剤はベタインである請求項14に記載の試薬キット。
  17. 請求項1から6のいずれか一項に記載の修飾された熱安定性酵素を含むポリメラーゼ連鎖反応を行うための試薬混合物。
  18. 核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤を更に含む請求項17に記載の試薬混合物。
  19. 前記PCR添加剤は、ベタイン、多官能性ポリオール、アミド、アルカリ性アンモニア塩、スルフォキシド、硫酸塩、SSBタンパク質及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項18に記載の試薬混合物。
  20. 前記PCR添加剤はベタイン、グリセロール、ホルムアミド、塩化テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルフォキシド、ポリエチレングリコール、大腸菌(E. coli)SSBタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、酵母SSBタンパク質及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項19に記載の試薬混合物。
  21. 前記PCR添加剤はベタインである請求項19に記載の試薬混合物。
  22. 核酸を修飾された熱安定性酵素を含む増幅反応混合物と接触させる段階(a)〔但し、前記修飾された熱安定性酵素は、基本的に水性条件下、50℃未満の温度での熱安定性酵素と修飾剤試薬との反応により生成され、前記熱安定性酵素はDNAポリメラーゼであり、前記修飾剤試薬はホルムアルデヒドであり、前記反応は、前記酵素の熱安定性可逆性不活性化を起こす〕を含むターゲット核酸の増幅方法。
  23. 前記ポリメラーゼはテルムス(Termus)属、ピロコッカス(Pyrococcus)属、又はテルモトガ(Thermotoga)属から選ばれる生物に由来する請求項22に記載の方法。
  24. 前記ポリメラーゼは、テルムス アクアティカス(Thermus aquaticus)、テルムス サーモフィラス(Thermus thermophilus)、テルムス フラバス(Thermus flavus)、ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)、ピロコッカス ウォエセイ(Pyrococcus woesei)、ピロコッカス種(Pyrococcus spec.) (KOD1株)、ピロコッカス種GB-D(Pyrococcus spec. GB-D)、サーモコッカスリトラリス(Thermococcus litoralis)、サーモコッカス種9°N-7 (Thermococcus sp. 9°N-7)、テルモトガ マリティマ(Thermotoga maritima)、ピロコッカス種ES4(エンデアヴォリ)(Pyrococcus spec. ES4(endeavori))、ピロコッカス種OT3(ホリコシ)(Pyrococcus spec. OT3(horikoshi))、ピロコッカス プロファンダス(Pyrococcus profundus)、サーモコッカス セテッテリ(Thermococcus stetteri)、サーモコッカス種AN1(ジィリギ)(Thermococcus spec. AN1(zilligii))、サーモコッカス ペプトノフィラス(Thermococcus peptonophilus)、サーモコッカス セラー(Thermococus celer)及びサーモコッカス ファミコランス(Thermococcus fumicolans)からなる群から選ばれる生物に由来する請求項22に記載の方法。
  25. 前記熱安定性酵素が、テルムス アクアティカス(Thermus aquaticus)に由来する請求項22に記載の方法。
  26. 前記修飾された熱安定性酵素は、熱安定性ポリメラーゼを0.01Mから2Mの修飾剤試薬の存在下、50℃未満の温度で反応させることにより調製される請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記反応混合物は、核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤を更に含む請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記PCR添加剤は、ベタイン、多官能性ポリオール、アミド、アルカリ性アンモニア塩、スルフォキシド、硫酸塩、SSBタンパク質及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項27に記載の方法。
  29. 前記PCR添加剤は、ベタイン、グリセロール、ホルムアミド、塩化テトラメチルアンモニウム、ジメチルスルフォキシド、ポリエチレングリコール、大腸菌(E. coli)SSBタンパク質、T4遺伝子32タンパク質、酵母SSBタンパク質、及びウシ胸腺タンパク質UP1からなる群から選ばれる請求項28に記載の方法。
  30. 前記PCR添加剤が、ベタインである請求項28に記載の方法。
  31. (a) 請求項1から6のいずれか一項に記載の修飾された熱安定性酵素、(b) ポリメラーゼ連鎖反応に特異的な一組のプライマー、(c) 逆転写酵素、及び(d) 核酸を含むポリメラーゼ連鎖反応増幅混合物。
  32. 前記核酸が、リボ核酸である請求項31に記載の反応混合物。
  33. 前記逆転写酵素は、RNase Hポジティブ又はRNase Hネガティブである請求項31又は32に記載の反応混合物。
  34. 核酸の融解挙動に影響を与えるPCR添加剤を更に含む請求項31から33のいずれか一項に記載のポリメラーゼ連鎖反応増幅混合物。
  35. 前記PCR添加剤は、ベタインである請求項34に記載の反応混合物。
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