JP4397417B2 - 回転機構 - Google Patents
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Description
そのためには、回転を促進或いは補助するような機構を設けることが考えられる。しかし、電流等を外部から供給して回転機構の回転を促進するのであれば、入力エネルギが増加することとなり、回転機構の効率は却って低下してしまう。
それに加えて、芯材が非磁性材料なので第1の永久磁石(4)に吸引される事が無く、回転体の回転が制動されてしまうことが防止される。ここで、磁性材料部材は第1の永久磁石(4)から離隔して配置されるので、第1の永久磁石(4)に吸引される恐れは少ない。
この場合、円盤状部材(22)を回転させることにより、磁力により得られる効果が増大する。
先ず、図1〜図11を参照して第1実施形態(実施形態)である回転機構100について説明する。
上方枠体11は、詳細には八つの同一断面(溝形断面)の部材11aの端部を前記接続部材11bで接続して組んで正八角形に形成されている(図1参照)。
2本の梁12cは、中間枠体12の中心点Oに対して、図1の上下方向について対称位置に配置されている。
図2を参照すれば明らかな様に、下方の軸受18における中心軸の延長線上に、中間の軸受19の中心軸及び上方の軸受16の中心軸が重複している。
その回転軸21において、上方の軸受16と中間の軸受19との間の領域には、ハブ20を介して、円盤状部材(例えば、アルミニウムの円盤)22が回転軸21に固定されている。
即ち、回転側部材2は大きな構成単位として回転軸21と円盤状部材22を備えている。
後述する様に、アルミニウム(或いはプラスチック)の円盤22は、電力消費量計測器に利用されている「アラゴの円盤」の原理により、回転が補助される。
そして、円盤状部材22は、いわゆる「はずみ車(プーリー)」として、回転力を保持する作用を奏するように、一定以上の質量を有している。
円盤状部材22の素材として、アルミニウム或いは合成樹脂を使用することにより、より一層効果を発揮する。
図示はされていないが、図3、図4において、複数のブラケット23に代えて、1個の円環状部材23を設け、当該円環状部材23を取付部23bにより円盤状部材22に取り付ける様に構成しても良い。
図示はされていないが、アーム状部材24が無い一般的な断面においては、ブラケット23のフランジ部23aの高さ及び第1の永久磁石4の取付位置は、図4で示すフランジ部23aの高さ及び第1の永久磁石4の取付位置に比較して、アーム状部材24の厚み分だけ高く設定されている。
ここで、コイル用ブラケット11fにおける半径方向距離r1は、ブラケット23の半径方向距離r2(軸中心21cからブラケット23までの半径方向距離)よりも短い。
そして、コイル3に生じた多相例えば三相の誘導電流により、第1の永久磁石4及び円盤状部材22は、初めに回転させられたと同方向に回転させるように付勢される。
図5〜図7において、コイル3は、コイル本体32と、そのコイル本体32の端部に設けられた板状部材33と、図5において板状部材33を押さえる押圧板34とを有している。ここで、後述する理由により、押圧板34は非磁性体材料で形成されている。
ステンレス鋼芯材35において、コイル本体32を貫通している領域を除く部分には、雄ねじ35tが形成されている。雄ねじ部35tには第1のナットN1が螺合しており、第1のナットN1を絞め込むことにより、板状部材33と押圧板34との間隔を短くする方向へ押圧するように構成されている。
なお、図7は、コイル3の長手方向(図5、図6における左右方向)中央の断面図である。
従来のコイルでは、磁束密度を増加するためにコイル中央に鉄芯を設ける事が多い。しかし、図示の第1実施形態においては、コイル3の芯材は永久磁石4の直近を移動するため(図5、図6参照)、コイル3の芯材を鉄芯にしてしまうと、永久磁石4にコイル3の芯材が吸引されてしまい、その際の吸引力が円盤状部材22の回転を制動する様に作用してしまうという問題がある。
そのため、第1実施形態で用いられるコイル3では、上述した様に、コイル3の芯材としてステンレス鋼製の芯材35を採用し、永久磁石4にコイル3の芯材が吸引されることを防止している。それと共に、ステンレス鋼芯材35には磁界が通過するので、ステンレス鋼球材35をコイル3に挿入することにより、コイル3の作用効果、すなわち、電磁石として永久磁石4と自己インダクタンスにより円盤状部材22を回転させる作用が、妨げられることはない。
そして、鉄板36は、永久磁石4から最も離隔した位置に配置されているので、永久磁石4の磁界により鉄板36が吸引され、以って、円盤状部材22の回転が制動される恐れは極めて小さく、無視できる。
図1及び図8において、円盤状部材22の上面には、3本のアーム状部材24(図8では1本のみを図示)が、回転中心Oから半径方向外方に向かって延在している。図1から明らかな様に、3本のアーム状部材24は、円周方向について均等ピッチにて取り付けられている。
後述する様に、アーム状部材24先端のアタッチメント24aにおいて、第2の永久磁石5はホルダ24hで大部分が覆われており、ホルダ24hは、磁性材料であるニッケル・クローム鋼で構成されている。
永久磁石5と永久磁石6の両方がニッケル・クローム鋼で包囲されることにより、磁性を軽減することが出来る。
ここで、図8は、アーム状部材24が回転して、第3の永久磁石6と回転中心Oを結ぶ仮想直線(図8では図示せず)上に、第2の永久磁石5の中心が位置した状態を示している。そして、図8における円弧Lrは、アーム状部材24先端のアタッチメント24aの半径方向外方端の軌跡を表している。
上方枠体11側(図9、図10では左側)のアタッチメント11gは、第3の永久磁石6と、第3の永久磁石6を殆ど覆うように保持するホルダ11hと、アタッチメント11gを接続部材11bに固定するための取付部材11jとで構成されている。
そして、ホルダ24hとホルダ11hは、第2の永久磁石5或いは第3の永久磁石6の大部分を覆って、磁界が漏れないようになっている。但し、相互に向かい合う側、すなわち、ホルダ24hであれば半径方向外方或いは接続部材11b側、ホルダ11hであれば半径方向内方或いはアーム24側、の一部分については、ニッケル・クローム鋼は永久磁石を覆っていない。
また、ホルダ24hにおいて、開放部240hを含む外周面は、図9において右上がり傾斜部C1が形成されるように削ぎ落とされている。ここで、図9の上下方向軸(図示せず)に対して、傾斜部C1の傾斜角度は28°に形成されている。
ここで、第2の永久磁石5における半割の分割面は、前記開放部240hの始まる位置を示す直線5Sと直交しており、当該「半割の分割面」は図9の上下方向軸(図示せず)に対して15°の傾斜角を有している。
図9において、開放部110hの一端(或いは、開放部110hが始まる位置)は、アーム状部材24のライン24Lcの延長線(第3の永久磁石6の中心点を通過する)とに対して、図9における下方側に角度δ2(図示の例では15°)だけ進んだ位置、或いは、ライン24Lcの延長線から時計方向側に角度δ2だけ進んだ位置である。
開放部110hは、上述した一端或いは直線6Sから、時計方向に開放角度だけ回動した範囲に形成されており、該開放角度は、図9の例では60°である。
開放部110hは傾斜部C2を形成する様に削ぎ落とされている。そして、傾斜部C2は、図9の上下方向に対して、図示の例では28°の傾斜を有している。
第3の永久磁石6における半割の分割面は、前記直線6S(前記開放部110hの始まる位置と永久磁石6の中心点を結ぶ直線)と直交する。そして、図9の例では、第3の永久磁石6における半割の分割面は、図9の上下方向軸(図示せず)に対して15°の傾斜角を有している。
第2の永久磁石5或いはアーム状部材24が、図9のライン24Lcの上方領域から、ライン24Lcを横切って、図9のライン24Lcの下方領域に移動する場合、第2の永久磁石5の中心が、ライン24Lcの下方領域の所定箇所に到達するまでは、ホルダ24hの開放部240hとホルダ11hの開放部110hとは正対する(向かい合う)ことはない。
図11の状態では、永久磁石5、永久磁石6のS極が正対するので、永久磁石5、永久磁石6は反撥し合い、反撥力F1が発生する。第2の永久磁石5側では、その反撥力F1の分力F2が発生し、その分力F2によってアーム状部材24は反時計回り方向の回転力が付与される。そして、アーム状部材24は円盤状部材22に固定されているので、アーム状部材24に回転力が付与されることで、円盤状部材22の回転が促進されるのである。
図12の変形例では、図8〜図11の構成に対して、ホルダ開放部の構成と、永久磁石の半割の分割面の構成が相違しており、アーム24の回転を促進する作用効果も異なっている。
第2の永久磁石5においては、N極5Nのみが開放部240kから露出している。一方、第3の永久磁石6においては、主としてN極6Nが開放部110kから露出しているが、S極6Sの一部も露出している。
そして、吸引力F4は、その分力として、回転方向R側の分力F5を有しており、係る分力F5は、第2の永久磁石5を矢印R側に回転する方向に作用する。そのため、第2の永久磁石5のN極5Nと第3の永久磁石6のS極とによる吸引力F4における矢印R方向の分力F5の発生は、第2の永久磁石5を矢印R方向の回転を促進する用に作用することとなる。
支持部材7の上面は、回転軸21が自在に回転できるように貫通孔が設けられている。
明確には図示されていないが、第4の永久磁石8はステンレス製のステー(図示せず)により円盤状部材22の裏面(下側)面に取り付けられており、第5の永久磁石9もステンレス製のステー(図示せず)により固定側部材1側に取り付けられている。
その結果、回転側部材2の重量が固定側部材1に対して作用するスラストによって生じる摩擦を小さくすることが出来るので、回転機構100における損失を更に小さくして、より高効率の回転機構とする事が出来るのである。
すなわち、回転側部材2を一旦回転させてしまえば、回転側部材2を更に回転する様な力が作用するのである。
ここで、アラゴの円盤の原理により、回転側部材2の材料であるアルミニウムを合成樹脂に代えても、同様の効果が得られる。
そして、第5の永久磁石9の昇降手段や上述した吸着手段は、油圧機構によって作動させることが出来る。
ここで、図13〜図16において、回転機構全体は符号100Bで示す。
それに対して、図13〜図16の第1の変形例(回転機構100B)では、図1〜図11の実施形態に加えて、円盤状部材22に円環状に配置されて取り付けられた第1の永久磁石4Bの半径方向外側において、複数の第2のコイル3Bを、同一円周上(回転中心O点からの距離が同一の円周上)に、同一ピッチで取り付けている。
図16において、上方枠体11の天蓋11eには、コイル用ブラケット11fの半径方向外方にはコイル用ブラケット111fが取り付けられおり、そのコイル用ブラケット111fに第2のコイル3Bが取り付けられる。
ここで、図17で示す第2変形例に係る回転機構は、全体を符号101Cで示されている。
他方、円盤状部材22或いはアーム状部材24の上面には、永久磁石4側のブラケット23が固定されているが、そのブラケット23も上下方向寸法が大きく構成されており、そのブラケット23に永久磁石4、4が上下方向2段に取り付けられている。
その他の構成については、図1〜図11の実施形態と同様である。
第3の変形例を示す図18では、回転機構は全体を符号100Cで示されている。
円盤状部材22のみならず、第2の円盤状部材22Cの上面にも永久磁石側ブラケット23が固定されており、そのブラケット23に永久磁石4が取り付けられている。
そして、水平部材11Cの裏面に配置されたコイル3と、第2の円盤状部材22Cの上面に配置された永久磁石4とは、図18で示す状態では正対しており、両者が発生する磁界同士の反撥力により第2の円盤状部材22Cの回転を付勢する。
その他の構成については、図1〜図11の実施形態と同様である。
ここで、第4の変形例に係る回転機構は、図19において、全体を符号101Dで示されている。
また、円盤状部材22の上面(図19で示す断面の場合には、アーム状部材24の上面)には、永久磁石4側のブラケット23が固定されており、そのブラケット23には第1の永久磁石4B、4Bが上下2段に配置されている。
図19の第4の変形例におけるその他の構成については第1の変形例と同様である。
第5の変形例に係る回転機構は、図20では、全体を符号100Dで示されている。
上下方向の下方における永久磁石4Bと2個のコイル3、3Bとの組み合わせを追加するため、図20では、図18の第3変形例と同様に、円盤状部材22の下方に水平部材11Cが設けられており、水平部材11Cは、円盤状部材22及び上方の枠体11に平行な固定側部材として設けられている。そして、水平部材11Cの下方にはハブ20が固定されており、そのハブ20に第2の円盤状部材22Cが取り付けられている。
図20の第5の変形例におけるその他の構成については第1変形例と同様である。
第2実施形態に係る回転機構は、図21、図22において、全体を符号100Eで示されている。
図21、図22では明確には示していないが、第2の永久磁石5及び第3の永久磁石6は磁力の向き及び磁力の大きさを調節する可動式庇が装備してあり、該可動式庇は、図8〜図11におけるホルダ11h、24hと同様な構成を具備しており、且つ、同様な作用を奏する。
固定側部材1の下方枠体13には、回転側部材2を始動させるための小型モータMが設置されている。該モータMの出力軸先端には、第2のスプロケットS2が取り付けられている。
モータMを駆動させると、モータMの回転出力は、第2のスプロケットS2、チェーンCn、第1のスプロケットS1を介して、回転軸21に伝達され、回転軸21を回転させる。
第3実施形態に係る回転機構は、図23、図24において、全体を符号100Fで示されている。
図23、図24の第3実施形態の回転機構100Fは、発電装置に適用されている。
回転軸21Fの上方には、ハブ20を介してロータ(或いは円盤状部材)22Fが固定されている。
また、ロータ22Fの裏面の半径方向内方の領域(中央領域)には、回転軸21Fを取り囲むように、第4の永久磁石8が配置されている。
第2の永久磁石5Fよりも半径方向外方には、円周方向全域に亘って複数の第3の永久磁石6Fが均等ピッチで取り付けられている。
移動隔壁91の中心部には、円環状の第5の永久磁石9が、回転軸21Fを取り囲むように取り付けられている。従って、移動隔壁91が図示しない油圧機構によって図23の鉛直方向に移動することにより、第5の永久磁石9も、図23の鉛直方向に昇降する。
図21、図22の第2実施形態に係る回転機構100Eを備えた発電装置によれば、回転を抑制する抵抗を低減することにより、発電効率を向上することが出来る。
第4実施形態に係る回転機構は、図25、図26において、全体を符号100Gで示されている。
図25、図26の第4実施形態の回転機構100Gは、ダリウス型風車を有する発電装置に適用している。
また、回転軸21Gの上端部はケーシングの上方部材11Gに設けた図示しない軸受(ラジアル軸受)によって軸支され、回転軸21Gの下端部はケーシングの下方部材13Gに設けた図示しない軸受(ラジアル軸受とスラスト軸受の複合軸受)によって軸支されている。
コイル6Gに生じた発電電流は、ケーシング1Gの下方に配置された蓄電池400に蓄えられる。
また、風車の軸を二重に構成して、外側の軸を軸受で軸支し、内部の回転にスラストを用いることにより、風車300の重量に基づくスラスト軸受の回転抵抗を減少して、風車300の回転時の抵抗を大幅に軽減することが出来る。その結果、発電装置としての効率を向上することが出来るのである。
2・・・回転側部材
3、3B・・・コイル
4・・・第1の永久磁石
5・・・第2の永久磁石
6・・・第3の永久磁石
8・・・第4の永久磁石
9・・・第5の永久磁石
11・・・上方枠体
12・・・中間枠体
13・・・下方枠体
15、17・・・軸受支持板
16・・・ラジアル軸受/上方の軸受
18・・・下方の軸受
19・・・ラジアル軸受
20・・・ハブ
21・・・回転軸
22・・・円盤状部材
23・・・ブラケット
24・・・アーム状部材
Claims (1)
- 軸受を設けている固定側部材と、前記軸受に軸支された回転軸及び該回転軸に設けられた円盤状部材から成る回転側部材と、前記固定側部材に取り付けられ且つ前記回転軸を中心とする同一円上に均等ピッチで配置された複数のコイルと、前記円盤状部材に取り付けられた第1の永久磁石とを備えており、前記第1の永久磁石は前記回転軸を中心とする同一円上に均等ピッチでS極とN極とが交互に配置され且つ前記コイルと対向して配置され、且つ、前記コイルは、非磁性材料製の芯材が貫通しており、前記第1の永久磁石と対向する端面から離隔した側の端面には磁性材料製部材が配置されていることを特徴とする回転機構。
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