JP4397053B2 - インク組成物の曇り点及び安定度向上方法 - Google Patents

インク組成物の曇り点及び安定度向上方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、インク組成の安定度の改善方法に関し、より詳細には、非イオン性界面活性剤を含むインク組成の安定性と保全性(元のままの状態を保持する性質)を向上させる処理に関する。
【0002】
【技術背景】
実質的な諸開発は、電子印刷技術(electronic printingtechnology)の分野でなされてきた。インクを高速且つ正確な方法で調合できる様々な高効率印刷システムが現存している。熱インクジェット・システムは、この点に関して特に重要である。熱インクジェット技術を用いる印刷システムは、本質的に、カートリッジ・ユニットを包含し、このユニットは、その上に複数の抵抗体群を持つ基板と流体連結する少なくとも1つのインク容器チャンバが含まれる。その抵抗体群の選択的活性化によって、インクが熱励起され、従ってインク・カートリッジから放出されることになる。現在使用されている熱インク・カートリッジ・ユニットには、単一のインク組成(例えば、黒色)を含有するものか、あるいは各組成が別々のコンパートメントに保持されている複数の異なった色インク組成を含有するものとがある。代表的な熱インクジェット・システムは、Buck等の米国特許第4,500,895号;Cowger等の第4,794,409号;Low等の第4,509,062号;Morrisの第4,929,969号;Baker等の第4,771,295号;及びHewlett−Packard Journal,Vol.39,No.4(August 1988)に記述されている。
【0003】
熱インクジェット装置又は他の印刷システムを使って最高レベルの印刷品質を得るためには、吐出されるインク組成は、注意深く調合されなければならない。特に、そのインク組成は、選択媒体(例えば、紙)上で適当に分散した鮮明且つ明瞭なイメージを作り出すことができなければならない。また、そのインク組成は、まだらが無く且つ多色印刷システムにおける色のにじみ(例えば、1つの色の別の色の中へのにじみ)が回避されることを特徴とするイメージを作り出すことができなければならない。本発明は、これらの目標を達成するため特定の界面活性剤群の用法を包含するものである。選択した界面活性剤は、それらが使用されているインクの湿潤性(wettability)と分散特性を改善できるものである。加えて、下に記述する界面活性剤は、まだら及び多色印刷システムにおける色のにじみを制御できるものである。
【0004】
しかし、インク組成に界面活性剤を添加すると、組成の曇り点(cloud point)を下げ且つその安定性を減ずることがある。本発明は、所望の界面活性剤を含有するインク組成の曇り点を制御する(例えば、上げる)ための方法を包含するものである。ここに用いられているような(インク組成の安定性と保全性に直接関連する)用語“曇り点”には、界面活性剤と溶媒の相分離がその点で起こるインク組成の温度(例えば、界面活性剤が、その溶媒に、もはや溶けない温度)が関連する。インク組成の曇り点温度は、その組成を使用し且つ保存し得る温度範囲を限定することになる。一旦、曇り点温度に達すると、インクは、もはや単一の諸性質を包含せず、その代わりに異なる諸特性を持つ複数相から成ることになる。この条件は、結果的に“曇った”様相を有するインク組成を生ずる。その曇り点温度に達したインク組成を使えば、印刷の品質を実質的に低下させることになりかねない。それ故、(好ましくは、少なくとも60℃において)できるだけ高い曇り点のインク組成を調合することが望まれるのである。
【0005】
下に説明されるように、本発明は、インクの曇り点を制御する(例えば、上げる)ためにユニークな方法で処理された特定の界面活性剤を含有するインク組成に関連する。従って、(1)曇り点が高く;且つ(2)まだら、色にじみ、及びその類に関連した諸問題が無いことを特徴とする界面活性剤含有インクを調合することができる。本発明は、従って、以降に説明するようにインク製造技術に関する技法の進歩を象徴するものである。
【0006】
【発明の目的】
本発明の目的は、まだら、色にじみ及び類似の諸問題が実質的に無い高品質印刷イメージを生ずるインク組成を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、上に列挙した諸問題を回避するために、特殊な界面活性剤を使用するインク組成を提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、インク内部の相分離を回避できるよう、上に列挙した界面活性剤含有インク組成の曇り点を制御する(例えば、高める)ための方法を提供することである。
【0009】
本発明の更なる別の目的は、高速且つ効率的な方法でその実現が約束される、前述の目標を達成するための方法を提供することである。
【0010】
本発明の更なる別の目的は、上に列挙した目標を達成するため、最小数の、工程ステップ、製造用材料、及び装置を包含する方法を提供することである。
【0011】
【発明の概要】
以下に記述するように、(1)印刷品質を実質的に改善するために限定された界面活性剤群を使い;且つ(2)インク組成の曇り点と安定度を向上させるために高効率の方法でその組成を処理する、インク組成製造法が開示される。これらの目標は、最小数の工程ステップと材料を使って効率的方法で達成されるものである。
【0012】
本発明により、少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化(ethoxylated)非イオン性界面活性剤を包含するインク組成が提供される。ここで用いられる用語“エトキシル化非イオン性界面活性剤”には、インク組成の湿潤性と分散特性を改善する上で、並びにまだら、色にじみ、及びその類に関連した諸問題を制御する上で、極めて有効な荷電されていない特定の界面活性剤材料群が含まれる。エトキシル化非イオン性界面活性剤の化学特性に関するより詳細な情報、並びにこれらの材料の特定の実施例を以下に示す。好ましい具体例では、インク組成は、約0.1〜30重量%の溶剤、約2〜7重量%の着色剤、及び約0.1〜10重量%のエトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する。エトキシル化非イオン性界面活性剤の使用は、上述のように、多数の利点を持つ一方で、それらは典型的には、通常約30〜50℃と言う比較的低い曇り点(例えば、“第一の曇り点”)を有するインク組成を製造する。前述のように、低い曇り点を有するインク組成を用いると、印刷品質を低減し且つインク内の相分離に起因する他の諸問題を引き起こす虞れがある。
【0013】
本発明の界面活性剤含有インク組成の曇り点を高めるために、その組成は、多細胞の高分子発泡体の一部と接触させ且つその中に吸収させる。この高分子発泡体は、エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して、発泡体内部で第一の曇り点よりかなり大きい(例えば、高い)第二の曇り点(例えば、少なくとも約60℃の第二の曇り点)を有する処理済みインク製品を製造するようなタイプのものである。特に、インク組成と高分子発泡体との接触によって、発泡体内部でインク組成の転化を起こし、上に列挙した曇り点特性を有する処理済みインク製品が作り出される。転化処理を以下にさらに詳しく説明する。処理の目的のために種々の異なった高分子発泡体を用いてよく、結果として、本発明は、この目的のために特定組成の何れかに限定されることはない。好ましい具体例では、ポリウレタン発泡体が使われる。転化処理が完了後、処理済みインク製品は、その発泡体から抽出され、選択された印刷ユニット(熱インクジェット・システム又は他の印刷装置)で印刷に供される。
【0014】
上述のような処理は、インクをインク・カートリッジに入れる前に、発泡体の選択部分中にインクを通過させることにより達成してよい。発泡体からの処理済みインク製品の除去(例えば、抽出)は、発泡体を圧縮してインク製品をそこから吐出させることにより達成してよい。あるいは、インク組成を選択された高分子発泡体に接触させる初期ステップは、インク容器としての機能もある高分子発泡体を含有しているインク・カートリッジ中に、インク組成を送り込むことによって行ってもよい。この方法では、インク組成は、送り出しに先立ち及び送り出し中に、カートリッジ内部でその場処理されることになる。
【0015】
本発明は、印刷技術の技法の進歩を象徴し、且つ、高レベルの印刷品質並びに上に列挙した諸問題の回避という特徴のある完成されたインク製品を製造するものである。本発明のこれらの及び他の諸目的、諸特徴、及び諸利点は、下記の好ましい実施の形態において具体的に説明する。
【0016】
【発明の好ましい実施の形態】
本発明は、高度の印刷品質と、インクの相分離、まだら、色にじみ、及びその類に関連する諸問題の回避とを特徴とするインク組成の製造法を包含するものである。これらの利点は、相分離の諸問題を避けるためにインクの曇り点を高める処理と組み合わせて特殊な界面活性剤をインク組成に添加することにより達成される。この点に関しては、本発明は、前述の諸利点を高効率の方法で達成する有効な処理システムを包含する。本明細書では熱インクジェット技術を参照して本発明を説明するが、本発明のインク組成及びそれに関係のある諸処理法は、他の様々な印刷システムに同様に適用することができる。さらに、以下に説明する諸材料と諸手順は、単色(例えば、黒色)印刷システム、並びに複数の種々のインク材料を含む多色システムに関連した用途に適する。
【0017】
A.インク組成:
本発明により、複数の特定成分を含み、各成分が指定の機能を発揮するよう調合されるインク組成が与えられる。(下に説明するような処理の後は)そのインク組成は、上で指摘したBuck等の米国特許第4,500,895号;Cowger等の第4,794,409号;Morrisの第4,929,969号;及びBaker等の第4,771,295号において記述された方式の熱インクジェット印刷カートリッジ;並びに米国カリフォルニア州パロ・アルトのヒューレット・パッカード社から販売されたもの〔部品番号:51626A、51608A、51339A、51639C、51639M、51639Y、及び51633A〕における使用に特に適している。インク組成に採用されるべき第一の成分は、少なくとも1つの溶剤(又は複数溶剤の組合せ)である。広範囲の種々の溶剤を用いてよく、本発明は、任意の特殊な溶剤材料に排他的に限定されるものではない。ここでの用途に適する代表的な溶剤の組成は、Hindagollaの米国特許第4,963,189号に列挙されている。例えば、代表的な溶剤には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、及び/又はそれらの組合せがある。インク組成の用途に適した他の溶剤の材料には、これに限定するものではないが、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ラウリン酸プロピレングリコール、モノ及びジ−グリコールエーテル(例えば、セルソルブ)、モノブチルエーテル、カルビトール、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、トリエチレングリコールエーテル、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、c−ブチロラクトン、N−ピロリドン、2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドン、及びそれらの混合物がある。これらの材料は、限定しないが、米国ミズーリ州セント・ルイスのAldrich Chemical社を含む様々の供給元から市販されている。
【0018】
好ましい具体例では、インク組成は、約0.1〜30重量%の全溶剤(単一の溶剤又は組合せの溶剤を採用)を含む。しかし、これらの値は(ここに表された他の数値パラメータ同様)、用いられている特殊な材料を包含する予備試験的研究、及び完成したインク調合に対する適切な適用、に応じて変更されてよい。
【0019】
インク組成はまた、少なくとも1つの着色剤を含む。再度、本発明は、任意の特定の着色剤又はそれらの混合物に限定されるものではない。好ましい具体例では、ここで用いられる用語“着色剤”は、様々な種々の染料材料と(黒色を含む)色を包含するものとする。本発明の用途に適した代表的な染料材料は、Hindagollaの米国特許第4,963,189号に列挙されている。そのような材料は、黒色であり、且つ下記の基本構造を包含する:
【0020】
【化1】
Figure 0004397053
【0021】
特定且つ代表的な染料の構造を下表に示す:
【0022】
【表1】
Figure 0004397053
【0023】
本発明の用途に適するさらに別の染料材料は、英国ヨークシャーのThe Society of Dyers and Colouristsから出版されたColor Index,第3版,Vol.4(1971)に記述されており、この文献は当業者に周知の標準的な参考文献である。上記Color Indexに列挙されているもので、本発明の用途に適する代表的な染料材料は、限定されるものではないが、次の組成を含む:C.I.Direct yellow11,C.I.Direct yellow 86,C.I.Direct yellow 132,C.I.Direct yellow 142,C.I.Direct Red 9,C.I.Direct Red 24,C.I.Direct Red 227,C.I.Direct Red 239,C.I.Direct Blue 9,C.I.Direct Blue 86,C.I.Direct Blue 189,C.I.Direct Blue 199,C.I.Direct Black 19,C.I.Direct Black 22,C.I.Direct Black 51,C.I.Direct Black 163,C.I.Direct Black 169,C.I.Acid Yellow 3,C.I.Acid Yellow 17,C.I.Acid Yellow 23,C.I.Acid Yellow 73,C.I.Acid Red 18,C.I.Acid Red 33,C.I.Acid Red 52,C.I.Acid Red 289,C.I.Acid Blue 9,C.I.Acid Blue 61:1,C.I.AcidBlue 72,C.I.Acid Black 1,C.I.Acid Black 2,C.I.Acid Black 194,C.I.Reactive Yellow 58,C.I.Reactive Yellow 162,C.I.Reactive Yellow 163,C.I.Reactive Red 21,C.I.Reactive Red 159,C.I.Reactive Red 180,C.I.Reactive Blue 79,C.I.Reactive Blue 216,C.I.Reactive Blue 227,C.I.Reactive Black 5,C.I.Reactive Black 31,C.I.Basic Yellow 13,C.I.Basic Yellow 60,C.I.Basic Yellow 82,C.I.Basic Blue 124,C.I.Basic Blue140,C.I.Basic Blue 154,C.I.Basic Red 14,C.I.Basic Red 46,C.I.Basic Red 51,C.I.Basic Black 11、及びそれらの混合物。これらの材料は、当業者に知られており、種々の供給元から市販されている。上述のタイプの本発明に用いてよい染料材料の代表的な供給元には、これに限定するものではないが、米国ニュージャージ州イースト・ハノーバーのSandoz Corporation、米国ニューヨーク州アードスレイのCiba−Geigy社及びその他がある。
【0024】
また、ここで用いられる用語“着色剤”は、当業者に知られている、基本的に水不溶性着色剤(例えば、顔料)であって、分散剤(例えば、アクリル分散剤)との関連で可溶性になるものを含む顔料分散材料をさらに包含するということも注意すべきである。顔料分散材料を製造するのに用いてよい特定の顔料は、当業者に知られており、本発明は、この点に関して、いかなる特殊な化学組成にも限定されるものではない。この顔料の実施例には、限定はしないが、上記のColor Indexに列挙されている次の組成が含まれる:C.I.Pigment Black 7,C.I.Pigment Blue 15,C.I.Pigment Red 2,及びC.I.Disperse Red 17。上で注意したように、上述の顔料との組合せに適している分散剤材料は、周知のアクリル系モノマー及びポリマーを含む。市販されている代表的な分散剤は、米国マサチューセッツ州レキシントンのW.R.Grace社から商標DAXAD30−30で販売されている製品を包含する。しかし、前に示したように、本発明は、上に列挙した染料及び/又は顔料分散材料に限定されるものではない。正当な検討によって、ここに説明した目的に適すると決められている、他の化学的に匹敵する材料も用いてよい。好ましい具体例では、本発明のインク組成は、約2〜7重量%の全着色剤を含有する(例えば、単一着色剤又は組合せ着色剤が使われる)。
【0025】
次に、インク組成は、多数の任意成分を様々な量で含んでよい。例えば、最終インク製品における如何なる微生物の成長も妨げるために任意の殺生剤(biocide)を添加してよい。この目的に適する代表的な殺生剤は、英国マンチェスターのImperial Chemical Industries社からの商標PROXEL GXL;米国コネチカット州ダンバリィのUnion Carbide社からの商標UCARCID 250;及び米国ニュージャージ州ピスカタウェイのHuls America,Inc.社からの商標NUOSEPT 95で、販売されている専売の製品を含む。好ましい具体例において、もし殺生剤が使われれば、最終インク製品は、約0.05〜0.5重量%の、好ましくは約0.30重量%の、殺生剤を含有する。
【0026】
インク組成に用いられる別の任意成分は、1つ以上の緩衝剤を包含する。ある選択された緩衝剤もしくは複数(混合)緩衝剤の使用は、インク組成のpHを安定化することを意図している。好ましい具体例では、インク組成の望ましいpHは、約4〜9の範囲である。この目的に適した代表的な緩衝剤は、pH調節用として当業者に周知のホウ酸ナトリウム、ホウ酸、及びリン酸塩の緩衝材料を包含する。任意の特殊な緩衝剤の選択と用いるべき緩衝剤の量(並びに一般に緩衝剤を用いるための判定)は、対象とする特別のインク組成に関する予備試験的研究によって決められる。
【0027】
インク組成に用いてよいさらに別の任意成分は、補助的にじみ制御剤である。この材料は、多色印刷システムの用途に特に適している。この目的に適した代表的なにじみ制御剤は、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、又は両者の混合物を包含する。好ましい具体例では、インク組成は、約3〜6重量%の全補助的にじみ制御剤を含む。しかし、任意の与えられたにじみ制御剤の選択、用いるべきにじみ制御剤の量、及びにじみ制御剤の一般的な必要性は、インク組成の用途用として選択された他の組成を包含する予備的検討に従って決定してよい。
【0028】
最後に、上に列挙した組成に加えて、本発明のインク組成の主要成分には、選択された界面活性剤材料が含まれる。本発明のインク組成における界面活性剤の使用により、溶解度の制御、インクのまだら回避、インクの湿潤性及び分散特性の改善、及び多色印刷システムにおけるにじみ問題の軽減/回避、を含む多数の利点がもたらされる。最も効果的方法でこれらの目標を達成するために、本発明は、特殊な界面活性剤、即ち、少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤の用法を包含する。ここで用いられる用語“エトキシル化非イオン性界面活性剤”は、電荷欠如、並びに1つ以上のエチレンオキシド群の存在、を特徴とする界面活性剤組成を包含する。これらの材料は、上に列挙した目標を達成する上で特に有効である。この理由から、それらは、本発明において、他の界面活性剤組成よりも好まれる。上述のように、1つ以上のエチレンオキシド群の存在は、上述の利点の達成に対し実質的に寄与する。同様に、界面活性剤の非イオン特性は、従来のイオン性界面活性剤が使われる時に起こり得るインク組成内部の望ましくない沈殿反応の回避を含む多くの利点をもたらす。
【0029】
多様な種々のエトキシル化非イオン性界面活性剤は、本発明のインク組成に用いられてよく、本発明は特殊なエトキシル化非イオン性界面活性剤の何れにも限定されるものではない。本発明の用途に適する代表的なエトキシル化非イオン性界面活性剤には、限定されるものではないが、米国テキサス州ヒューストンのUnion Carbide社によって商標TERGITOLR 15−S−5(CAS# 68131−40−8)の名称で販売されている材料が含まれる。この材料は、透明な液体の形で使用される。それは、一般に、エチレンオキシドと化学反応する複数のリニア(linear)第二級アルコールの化合物を包含する。さらに、それは次の基本的構造式を有する:
【0030】
【化2】
11〜1523〜31O〔CHCHO〕
【0031】
上述の組成は、T−形構造を有しており、変化する環境条件における高度の化学的安定性を特徴とする。
【0032】
別の代表的エトキシル化非イオン性界面活性剤は、米国ノースカロライナ州シャーロットのHoechst Celanese社から商標GENAPOLR 26−Lの名称で市販されている。この材料は、C12〜C16のアルコールエトキシレートから成り、下記の基本構造を持つ:
【0033】
【化3】
RO(CHCHO)
〔R=C12〜C16オレオ化合物(oleochemical)
n=1〜11.5〕
【0034】
さらに別の代表的エトキシル化非イオン性界面活性剤は、米国ニュージャージ州クランベリーのRhone−Poulenc社から商標IGEPALR COの名称で市販されている。これらの材料は全て、ノニルフェノールから製造され、液体及び固体(例えば、ワックス様)の両方の形で使用できるものである。例えば、下記の特殊なエトキシル化非イオン性界面活性剤は、商標IGEPALRCOブランドで市販されている(製品番号、エチレンオキシドの%の順で列挙する):CO−210(23%),CO−430(44%),CO−520(50%),CO−530(54%),CO−610(60%),CO−620(63%),CO−630(65%),CO−660(66%),CO−710(68%),CO−720(71%),CO−730(75%),CO−850(80%),CO−880(86%),CO−887(86%),CO−890(89%),CO−897(89%),CO−970(91%),CO−977(91%),CO−987(93%),及びCO−997(95%)。これらの界面活性剤は、CAS# 9016−45−9で列挙されている。
【0035】
さらに別の代表的エトキシル化非イオン性界面活性剤は、米国テキサス州ヒューストンのShell Chemical社から商標NEODOLRの名称で市販されている。
【0036】
他のエトキシル化非イオン性界面活性剤も本発明に用いてよく、任意の与えられた界面活性剤の選択は、調合されるインク組成に関する予備試験的研究によって決められる。好ましい具体例では、インク組成は、約0.1〜10重量%の全エトキシル化非イオン性界面活性剤(例えば、上に列挙した界面活性剤、上述の界面活性剤の混合物、もしくは他のエトキシル化非イオン性界面活性剤のみ又はそれらの組合せのうちの1つ)を含む。最適の結果を得るため、選択したエトキシル化非イオン性界面活性剤は、液体の形で用いられる。
【0037】
最後に、上述のパラメータを有する与えられた容積のインク組成を製造するため、好ましくは、その組成の残余は、水から成る。
【0038】
要約すれば、本発明の用途に適する代表的なインク組成は、表2で示される:
【0039】
【表2】
Figure 0004397053
【0040】
しかし、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、上に列挙した成分を種々の組合せで含有する他のインク組成を包含してよい。
【0041】
B.より高い曇り点と安定度の上昇を得るためのインク組成の処理:
上述のように、エトキシル化非イオン性界面活性剤を用いることにより、溶解度の制御からインク組成の湿潤性と分散特性の改善までの範囲に渡って多くの利点がもたらされる。しかし、エトキシル化非イオン性界面活性剤の添加により、典型的に、比較的低い曇り点を持つインク組成が製造される。ここで用いられるような用語“曇り点”(これはインク組成の安定性と保全性に直接関わるものであるが)は、界面活性剤と溶剤の相分離がその点で起こるインク組成の温度(例えば、界面活性剤がもはや溶剤に溶けない温度)と関連している。特に、インク組成の曇り点温度は、その組成を使用し且つ貯蔵し得る温度範囲を制限することになる。インク組成の曇り点温度では、インクは、もはや単一の諸性質を包含せず、その代わりに異なった諸特性を持つ複数相から成ることになる。この条件は、結果的に“曇った”様相を有するインク組成を生ずる。その曇り点温度に達したインク組成を使えば、印刷の品質を実質的に劣化させることになりかねない。それ故、(好ましくは、少なくとも約60℃において)できるだけ曇り点の高いインク組成を調合することが望まれる。
【0042】
本発明のインク組成において、その組成は、典型的に、約30〜50℃の曇り点(以下、“第一の曇り点”)を持つ。エトキシル化非イオン性界面活性剤によって諸利点が実現されるとはいえ、インク組成の曇り点をさらに許容できるレベル(例えば、少なくとも約60℃)まで高めることも本発明の目標である。結果として、インク組成は、温度感受性が一層低下し、よって相分離を避け且つ安定度を改善する。
【0043】
本発明により、インク組成の曇り点を実質的に高める処理工程が提供される。この目標を達成するために、インク組成は、インク組成の曇り点(例えば、第一の曇り点)を上げるべく選択された特定の化学特性を有する多細胞高分子発泡体の一部と接触させて配置する。選択された高分子発泡体は、インク組成のエトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して、未処理のインク組成に関連した第一の曇り点より大きい(例えば、高い)第二の曇り点を持つ処理済みインク製品を製造することができるタイプのものである。以下に記述するような好ましい具体例では、この目的に適した代表的な且つ好ましい発泡体材料は、ポリウレタン発泡体を包含する。
【0044】
インク組成と高分子発泡体との接触で、毛細管の作用によりインク組成が発泡体中に吸収される。発泡体の内部で、(典型的に約30〜50℃の第一の曇り点を有する)本発明のインク組成が比較的大きい曇り点(例えば、少なくとも約60℃の第二の曇り点)を有する処理済みインク製品に転化する。
【0045】
前述のように、インク組成を処理するのに用いられる高分子発泡体材料には、ポリウレタン発泡体が含まれることが望ましい。本発明の用途に適したポリウレタン発泡体は、これに限定するものではないが、米国ペンシルベニア州エッディストンのFoamex,LPから製品名SIFR(商標)として、並びにFoamexから“FPLD”という呼び名で販売されている材料のように、様々な供給元から市販されている。FPLDという呼び名でFoamexによって販売されているポリウレタン発泡体は、実際には、約2.5〜5.5倍の寸法縮小を達成するべく圧縮された多細胞ポリウレタン発泡体から成り、その結果、与えられた発泡体量において細胞(セル)の密度及び数がさらに大きくなる。ポリウレタン発泡体製品も米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのScott Papaer社から市販されている。好ましい具体例では、選択されたポリウレタン発泡体は、インチ当りの約60〜450個の孔/セルの多孔度レベルを有し、結果的に、この範囲の上限のレベルが望ましく、且つ上述のように圧縮発泡体製品でそのようなレベルとなる。ポリウレタン発泡体は、本発明の高分子発泡体組成としての用途に好まれるが、匹敵する化学的且つ物理的諸特性を有する他の高分子発泡体も、前述の工程における用途に等しく且つ適していると考えられる。従って、本発明は、上述のようなポリウレタン発泡体に排他的に限定されるものではない。
【0046】
化学的見地からは、処理済みインク製品を作るための高分子発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体)とエトキシル化非イオン性界面活性剤との間で生ずる反応は、完全には理解されていない。本明細書で記述されたタイプのエトキシル化非イオン性界面活性剤は、頭部及び尾部基の寸法が種々変化する界面活性分子群の混合物を含有すると考えられる。このファクターは、インク組成において曇り点の低下の原因となる相当量の低溶解成分を有する広範な溶解度分布を生じることになる。最小可溶性の界面活性分子群を除去することにより、対応的にインク組成の曇り点が高くなる。さらに、インク組成を選択された高分子発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体)と接触させることによって、界面活性剤中の最小可溶性の界面活性分子群は、ともかくも発泡体上に吸収され且つインクから除去されることも考えられる。この工程は、発泡体中の高分子材料の特殊な化学的/物理的特性によって助長される。従って、未処理のインク組成と関連する第一の曇り点より高い第二の曇り点を有する処理済みインク製品が製造される。結果としての曇り点の上昇によって、インク製品の安定性が高められ且つ望ましくないインク内部の相分離が避けられる。最後に、強調すべきは、前述の処理工程は、インク組成内部でエトキシル化非イオン性界面活性剤によってもたらされる総合的な有効性と諸利点を減ずることはなく、且つ界面活性剤を壊すこともない、ということである。
【0047】
インク組成を選択された高分子発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体)と接触させるのは、(管状導管又は他の慣用の送り出し装置を使って)インクを発泡体に直接適用することによって達成してよい。あるいは、高分子発泡体の一部をインク組成の内部に部分的に又は全体的に浸してよい。何れの場合でも、インク組成は、毛細管の作用で発泡体に吸収される。発泡体内部の処理反応は、実質的に瞬時に生じ、従ってインク組成は最小時間だけ(例えば、5秒未満)発泡体内部に保持される必要がある。次いで、処理済みインク製品が発泡体から抽出され、選択された印刷システム(例えば、熱インクジェット・プリンター及びその類)に用いられる。好ましい具体例では、発泡体からの処理済みインク製品の抽出は、その発泡体を圧縮してインク製品を吐出させることによって実行してよい。あるいは、インク製品は、従来の真空装置を使い発泡体に吸引力を適用して取り出してよい。この点に関しては、本発明は発泡体からインク製品を取り出すためのどのような特定方法にも限定されるものではない。さらに、上述の処理工程は、任意の熱インクジェットもしくは他の印刷カートリッジの外部で行われるものとする。それ故、上述の発泡体の一部は、処理工程中は、任意の印刷カートリッジ・ユニットの外部で且つそれから離して保持されて、処理済みインク製品がその発泡体から取り出され、その後で選択したカートリッジ・ユニット又は印刷システムに供給される。
【0048】
最後に、代替具体例において、インク組成を高分子発泡体に接触させて配置する初期ステップは、上述したものと同じタイプの(カートリッジ中のインク容器としての機能もある)高分子発泡体要素を含んでいるインク・カートリッジ中へインク組成を送り出すことにより実行してよい。この具体例では、インクカートリッジ中の発泡体要素は、インクを発泡体要素に直接適用することによってその組成をそれに吸収させたインク組成とともに供給される。結果として、インク組成は、カートリッジ内でその場処理され、その後即座に選択した媒体(例えば、紙)に送り出されてよい処理済みインク製品を作り出す。この目的に用いてよい代表的なインク・カートリッジ・ユニットには、Baker等の米国特許第4,771,295号に記載されたもの、及び米国カリフォルニア州パロ・アルトのヒューレット・パッカード社から販売されているもの(部品番号:51626A、51608A、51639A、51639C、51639M、51639Y、及び51633A)がある。
【0049】
本発明は、上述のような多くの利益を提供するものである。特にそれにより、相分離が避けられるようインクの曇り点を高レベルに維持しながら、(前述のように重要な利点をもたらす)エトキシル化非イオン性界面活性剤を使うことが可能となる。結果として、選択された印刷システムを使って送り出される時の高印刷品質を特徴とするインク組成が製造される。従って、本発明は、インク印刷技術に関する技法の進歩を象徴するものである。ここに発明の好ましい具体例が記述されたが、熟練した当業者によってそれに対した適当な修正がなされてよく、それでもそれらは本発明の範囲内にあることが予想される。例えば、本発明は、インク組成に用いられる特定の着色剤及び溶剤に関して、並びにインクを高分子発泡体に接触させて配置するために選択される方法に関して限定されるものではない。従って、本発明は、専ら、特許請求の範囲との関連において構成されるものである。
【0050】
以上のように、本発明は、〔1〕インク組成の曇り点と安定度を高める方法であって:
少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、第一の曇り点を有するインク組成を生成するステップ;
前記インク組成中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して前記第一の曇り点より大きい第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造する多細胞高分子発泡体の一部と接触させて前記インク組成を配置することにより、前記インク組成を前記発泡体中に吸収させ且つ前記処理済みインク製品に転化させるステップ;及び
前記多細胞高分子発泡体から、前記第二の曇り点が前記第一の曇り点より大きい前記処理済みインク製品を抽出するステップ;
を包含することを特徴とし、次のような好ましい実施態様を有する。
【0051】
〔2〕前記第一の曇り点が約30〜50℃である〔1〕記載の方法。
【0052】
〔3〕前記第二の曇り点が少なくとも約60℃である〔2〕記載の方法。
【0053】
〔4〕前記インク組成が約0.1〜30重量%の前記溶剤を含有する〔1〕記載の方法。
【0054】
〔5〕前記インク組成が約2〜7重量%の前記着色剤を含有する〔1〕記載の方法。
【0055】
〔6〕前記インク組成が約0.1〜10重量%の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する〔1〕記載の方法。
【0056】
また、本発明は、〔7〕インク組成の曇り点と安定度を高める方法であって:
少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、第一の曇り点を有するインク組成を生成するステップ;
前記インク組成中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して前記第一の曇り点より大きい第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造する多細胞高分子発泡体の一部と接触させて前記インク組成を配置することにより、前記インク組成を前記発泡体中に吸収させ且つ前記処理済みインク製品に転化させるステップ;及び、
前記第二の曇り点が前記第一の曇り点より大きい前記処理済みインク製品を吐出させるために前記多細胞高分子発泡体を圧縮するステップ;
を包含することを特徴とし、次のような好ましい実施態様を有する。
【0057】
〔8〕前記インク組成が約0.1〜10重量%の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する〔7〕記載の方法。
【0058】
さらに、本発明は、〔9〕インク組成の曇り点と安定度を高める方法であって:
約0.1〜30重量%の少なくとも1つの溶剤、約2〜7重量%の少なくとも1つの着色剤、及び約0.1〜10重量%の少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、約30〜50℃の第一の曇り点を有するインク組成を生成するステップ;
前記インク組成中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して少なくとも約60℃の第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造する多細胞高分子発泡体の一部と接触させて前記インク組成を配置することにより、前記インク組成を前記発泡体中に吸収させ且つ前記処理済みインク製品に転化させるステップ;及び、
前記多細胞高分子発泡体から、前記第二の曇り点が少なくとも約60℃である前記処理済みインク製品を抽出するステップ;
を包含することを特徴とし、次のような好ましい実施態様を有する。
【0059】
〔10〕前記多細胞高分子発泡体からの前記処理済みインク製品の前記抽出ステップが、前記多細胞高分子発泡体を圧縮して前記処理済みインク製品を吐出させるステップを含む〔9〕記載の方法。
【0060】
また、本発明は、〔11〕インク組成の曇り点と安定度を高める方法であって:
少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、第一の曇り点を有するインク組成を生成するステップ;
前記インク組成がポリウレタン発泡体中に吸収され、前記ポリウレタン発泡体が前記インク組成中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して、前記ポリウレタン発泡体内部に第一の曇り点より大きい第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造するよう、前記ポリウレタン発泡体の一部と接触させて前記インク組成を配置するステップ;及び、
前記ポリウレタン発泡体から、前記第二の曇り点が前記第一の曇り点より大きい前記処理済みインク製品を抽出するステップ;
を包含することを特徴とし、次のような好ましい実施態様を有する。
【0061】
〔12〕前記第一の曇り点が約30〜50℃である〔11〕記載の方法。
【0062】
〔13〕前記第二の曇り点が少なくとも約60℃である〔12〕記載の方法。
【0063】
〔14〕前記インク組成が約0.1〜30重量%の前記溶剤を含有する〔11〕記載の方法。
【0064】
〔15〕前記インク組成が約2〜7重量%の前記着色剤を含有する〔11〕記載の方法。
【0065】
〔16〕前記インク組成が約0.1〜10重量%の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する〔11〕記載の方法。
【0066】
さらに、本発明は、〔17〕インク組成の曇り点と安定度を高める方法であって:
少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、第一の曇り点を有するインク組成を生成するステップ;
前記インク組成がポリウレタン発泡体中に吸収され、前記ポリウレタン発泡体が前記インク組成中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して、前記ポリウレタン発泡体内部に第一の曇り点より大きい第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造するよう、前記ポリウレタン発泡体の一部と接触させて前記インク組成を配置するステップ;及び、
前記第二の曇り点が前記第一の曇り点より大きい前記処理済みインク製品を吐出させるために前記ポリウレタン発泡体を圧縮するステップ;
を包含することを特徴とし、次のような好ましい実施態様を有する。
【0067】
〔18〕前記インク組成が約0.1〜10重量%の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する〔17〕記載の方法。
【0068】
そして、本発明は、〔19〕インク組成の曇り点と安定度を高める方法であって:
約0.1〜30重量%の少なくとも1つの溶剤、約2〜7重量%の少なくとも1つの着色剤、及び約0.1〜10重量%の少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、約30〜50℃の第一の曇り点を有するインク組成を生成するステップ;
前記インク組成がポリウレタン発泡体中に吸収され、前記ポリウレタン発泡体が前記インク組成における前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して、前記ポリウレタン発泡体内部に少なくとも約60℃の第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造するよう、前記ポリウレタン発泡体の一部と接触させて前記インク組成を配置するステップ;及び、
前記ポリウレタン発泡体から、前記第二の曇り点が少なくとも約60℃である前記の処理済みインク製品を抽出するステップ;
を包含することを特徴とする。
【0069】
【発明の効果】
本発明では、インク組成の曇り点を上昇させることにより、インク組成内部における相分離が回避でき、インク組成の安定性及び保全性を向上させることができる。
また、曇り点の高いインク組成を使用する結果として、まだら、色にじみ等の諸問題を実質的に解消することができ、高品質の印刷イメージを生成することができる。
しかも、本発明では、インク組成の曇り点の上昇を、最小数の工程ステップ、材料、及び装置により達成することができる。

Claims (7)

  1. インク組成物の曇り点と安定度を高める方法であって:少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、約30〜50℃の第一の曇り点を有するインク組成物を生成するステップ;前記インク組成物中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して少なくとも約60℃の第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造する多セル高分子発泡体の一部と印刷カートリッジ外部で接触させて前記インク組成物を配置することにより、前記インク組成物を前記発泡体中に吸収させ且つ前記処理済みインク製品に転化させるステップ;及び前記多セル高分子発泡体から前記処理済みインク製品を抽出して印刷カートリッジに供給するステップ;を包含するインク組成物の曇り点及び安定度向上方法。
  2. 前記インク組成物が約0.1〜30重量%の前記溶剤を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記インク組成物が約2〜7重量%の前記着色剤を含有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記インク組成物が約0.1〜10重量%の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1に記載の方法。
  5. インク組成物の曇り点と安定度を高める方法であって:少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、約30〜50℃の第一の曇り点を有するインク組成物を生成するステップ;前記インク組成物中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して少なくとも約60℃の第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造する多セル高分子発泡体の一部と印刷カートリッジ外部で接触させて前記インク組成物を配置することにより、前記インク組成物を前記発泡体中に吸収させ且つ前記処理済みインク製品に転化させるステップ;及び、前記多セル高分子発泡体を圧縮して前記処理済みインク製品を吐出させ、印刷カートリッジに供給するステップ;を包含する、インク組成物の曇り点及び安定度向上方法。
  6. 前記インク組成物が約0.1〜10重量%の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有する、請求項5に記載の方法。
  7. インク組成物の曇り点と安定度を高める方法であって:少なくとも1つの溶剤、少なくとも1つの着色剤、及び少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤を含む、約30〜50℃の第一の曇り点を有するインク組成物を生成するステップ;前記インク組成物がポリウレタン発泡体中に吸収され、前記ポリウレタン発泡体が前記インク組成物中の前記エトキシル化非イオン性界面活性剤と反応して、前記ポリウレタン発泡体内部に少なくとも約60℃の第二の曇り点を有する処理済みインク製品を製造するよう、前記ポリウレタン発泡体の一部と印刷カートリッジ外部で接触させて前記インク組成物を配置するステップ;及び、前記ポリウレタン発泡体から前記処理済みインク製品を抽出して印刷カートリッジに供給するステップ;を包含する、インク組成物の曇り点及び安定度向上方法。
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