JP4396981B2 - 汚水処理装置 - Google Patents
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Description
例えば図5に示されるような従来の凝集分離処理装置の場合、汚濁水は原水槽31内に導入された後、中和装置32内で中和処理され、反応槽35へ移送され、この槽内に凝集剤槽33から薬注ポンプ34を経て凝集剤が投入されるようになっている。そして、凝集剤が投入された汚濁水は、機械的攪拌機構を有した沈降式固液分離槽36内で液体と固体に分離され、固体状の汚物については槽の下部から排出ポンプ37にて取り出され、固液分離後の液体については処理水槽38へ移送され、水質センサー39で水質(濁度、pH値等)をチェックした後、処理水として放流又は再利用される。
しかしながら、図5に例示した装置の場合、沈降式固液分離槽36は反応槽で、液体凝集剤を投入するされた汚水をモーターに連結された攪拌棒でゆっくり攪拌し、一定時間が経過した後で、沈降した汚物が排出ポンプにより排出され、処理水は、沈降式固液分離槽36の上部外壁に沿って設けられた溝の部分にオーバーフローしたものが処理水槽38に送られるようになっている。従って、沈降式固液分離槽36の処理速度は、凝集剤によりできた沈殿物の自然沈降に依存するため、装置全体の処理量が増えると比例して大きな容量の槽が必要となる。また、この装置では、沈降式固液分離槽36内で充分に沈降しない比較的比重の軽い浮遊塵が除去できずに処理槽に送られ、汚水の性質によっては濁度が下がらないまま放流される場合がある。その上、図5の装置において凝集剤として粉体凝集剤を投入する場合には、凝集剤を投入した後で急速に攪拌を行なわないと充分な凝集効果が得られず、タンク貯留した汚濁水にただ単に粉体凝集剤を投入するだけでは汚染物質を効果的に凝集させることは困難であるという問題点もある。
この他、凝集剤を添加することによって、汚染物質を含む混濁汚水から固形物を沈殿分離させるための装置としては、例えば下記の特許文献1に記載されているものがある。
又、本発明の汚水処理装置においては、流路内において凝集剤の投入と攪拌が可能であるために、処理流量に比例してポンプ能力と流路内面積が比例するだけで、装置全体の大きさを、従来の処理装置と比較して大変小さく設計できるという利点がある。更に、本発明の処理装置の場合、装置内に設けられた一つのポンプによって連続処理が可能である構造であるために、バッチ式処理装置のような複数個のタンクが不要で、これによって、装置を小型化することができる。
図1に示されるように、本発明の汚水処理装置においては、混濁汚水と凝集剤の混合・固液分離を行なうための固液分離部に送られる前の混濁汚水を事前に中和処理するための中和処理部として、浄化前の汚濁水を貯留するための原水槽1、中和処理を行なうための中和装置2、中和処理後の中和原水を貯留し、中和によって発生した塩等を沈殿させるための中和原水槽3が設けられており、汚濁汚水は原水槽1内に導入された後、中和装置2内で中和処理され、中和原水槽3内に貯留される。そして、この装置の固液分離部には、中和処理部で処理された混濁汚水を装置の内部に吸引し圧送するためのポンプ5が設けられており、このポンプ5はモーター6によって駆動される。このポンプ5の部分には、ポンプ5の排出側(下流側)から送出される混濁汚水が再びポンプの吸引側(上流側)に誘導されるようにバイパス流路が形成されており、このバイパス流路の途中に、バイパス流路を流れる混濁汚水に凝集剤を混入させるための凝集剤混入器13が設けられている。尚、混濁汚水のpH値を調整し、凝集効果を高めるための中和剤としては、硫酸バンドや炭酸ガスなどが一般的である。
尚、図2において、混合タンク18の内部上壁面から垂直方向に垂れ下がって設けられている符号22の部分は、タンク内部に設けられた2孔以上のノズルを有し、かつ濁水がタンク内壁に沿って一定方向に回転するように配される攪拌ノズルであり、この攪拌ノズルは、特に粉体凝集剤のように濁水に対し比重の軽い凝集剤を急速に溶かす作用をし、タンク内に投入された凝集剤がタンク壁面や底部に溜まるのを防ぐ役割も果たす。このような攪拌ノズル22は一般的にはプラスチック製の材質より成る。
本発明の汚水処理装置を構成する固液分離部には、モーターを駆動源とした自吸能力があり、0.01〜0.1Mpa程度の吐出圧を有する濁水ポンプから吐出された汚濁水に粉体凝集剤投入器又は液体凝集剤投入器より、粉体凝集剤又は液体凝集剤及び、その両方を、混濁水の性質又は汚れの程度、処理水の浄化レベル又は、用途に合わせて混入することができる。この固液分離部(無タンク式固液分離機)は、タンクを内蔵せず、液体、粉体双方の凝集剤投入ができるという特徴を有し、他の同等処理能力のタンク内蔵型の同システムに比べ、非常に軽量、小型に設計できる。
図4は、本発明における浮遊塵除去槽11の内部構造を示す詳細図であり、各槽11はそれぞれ独立しており、隣接する除去槽同士は除去槽の上部側に設けられたオーバーフロー管28によってのみ連結されており、流入バルブ29を通って、最も上流側に位置する除去槽内に流れ込んだ液体は、槽の上側部分に設けられたオーバーフロー管28を通って順次下流側の浮遊塵除去槽へ移送されるようになっていて、最も下流側に位置する槽から排出バルブ30を経て処理水として取り出される。尚、各浮遊塵除去槽11に設けられたオーバーフロー管28のそれぞれには、流入側と流出側の少なくとも一方に、浮遊塵を除去するための網状のオーバーフローフィルター15が設置されており、このオーバーフローフィルターによって、比重の軽い塵が隣接する槽に流入するのが防止できる。又、本発明の装置では、各浮遊塵除去槽11の下部側に、除去槽内に沈殿した沈殿塵を取り出すための沈殿塵引き抜き弁14が設けられている。
本発明では、図4に示されるようにして、浮遊塵除去槽11内の中間高さの位置に、除去槽の横断面全体を覆うようにしてメッシュ構造を有する沈殿塵再浮上防止フィルター27が設置されていることが好ましく、これによって、槽内に流入した後、流速が落ちることで沈殿した塵が槽内の流速変化で再浮上するのが有効に防止でき、上記の構造を有した浮遊塵除去槽11に、固液分離部から排出された処理水を通過させることにより、システム全体の最終処理水(浄水)の濁度を20〜5にまで低下させることができる。
具体的には、水質センサーで感知した水質を、集中制御部(集中制御機)にフィードバックし、固液分離部のモーターの回転数をインバーター制御することでポンプの吐出流量を変化させ、それと共に粉体凝集剤投入器及び液体凝集剤投入器からの凝集剤投入量を制御し、処理水用途に対して、最良な状態の全装置の自動運転がなされるようにする。
ところで、本発明の汚水処理装置の流路は、金属製(SUS、ブロンズ、鉄等)とプラスチック及びゴム製のホースで構成されており、流路内を流れる混濁汚水によって流路内壁の磨耗が極力おさえられるように、混濁汚水の各部の流速が6m/sec以下になるように設計することが好ましい。
2、32 中和装置
3 中和原水槽
4 集中制御部(集中制御機)
5 ポンプ
6 モーター
7 ホッパー
8 液体凝集剤投入器
9 攪拌器
10 固液分離器
11 浮遊塵除去部
12、39 水質センサー
13 凝集剤混入器
14 沈殿塵引き抜き弁
15 オーバーフローフィルター
16 吸引流量バルブ
17 混合液吸入路
18 混合タンク
19 粉体切り出し器
20 濁水排出支流路
21 流量調整バルブ
22 タンク内攪拌ノズル
23 流入口
24a 分岐部
24b 合流部
25 放射ノズル
26 流出口
27 沈殿塵再浮上防止フィルター
28 オーバーフロー管
29 流入バルブ
30 排出バルブ
33 凝集剤槽
34 薬注ポンプ
35 反応槽
36 沈降式固液分離槽
37 排出ポンプ
38 処理水槽
Claims (4)
- 汚染物質を含有した混濁汚水の中から汚染物質を除去することにより水の浄化を図るための装置であって、当該装置が、前記混濁汚水を中和処理するための中和処理部と、前記中和処理部で処理された混濁汚水に、前記汚染物質を凝集させることが可能な凝集剤を投入することにより汚染物質を凝集させて分離させるための固液分離部と、前記固液分離部で分離された液体中に含有される塵を除去するための浮遊塵除去部とを具備し、前記固液分離部には、前記中和処理部で処理された混濁汚水を吸引するためのポンプが設けられており、当該ポンプから送出される混濁汚水を再びポンプの吸引側に誘導するためのバイパス流路が存在しており、前記バイパス流路の途中には、当該バイパス流路を流れる混濁汚水に前記凝集剤を混入させるための凝集剤混入器が設けられており、前記凝集剤が内部に貯蔵されたホッパーから前記凝集剤混入器へ供給される凝集剤の量が、インバーター制御されたモーター駆動を有した凝集剤定量供給器によって定量制御され、前記固液分離部における前記ポンプの送出側には、前記混濁汚水と前記凝集剤を攪拌混合させるための手段として、前記混濁汚水が流入する流入口から対向する位置に設けられた流出口に向かって2以上の分岐流路を有するループ状の攪拌器が2つ以上、隣接する上流側の攪拌器の流出口と下流側の攪拌器の流入口と接続されるようにして直列に連結されて配置されており、前記攪拌器においては、前記ポンプから送出された混濁汚水が、最も上流側に位置する前記攪拌器の流入口へ誘導され、当該流入口近傍に設けられた分岐部にて前記混濁汚水が分流して前記分岐流路をそれぞれ流れ、前記流出口近傍に設けられた合流部では当該混濁汚水が互いに衝突して合流し、その後、順次下流側の攪拌器の流入口に誘導されること、前記固液分離部における、最も下流側に位置する攪拌器の下流側には、比重差を利用して固液分離が可能な固液分離器が少なくとも1つ接続されていること、及び、前記固液分離器で分離された液体が前記浮遊塵除去部へ移送され、当該浮遊塵除去部が、2以上の実質的に容器状の浮遊塵除去槽から構成され、隣接する各除去槽同士が当該除去槽の上部側に設けられたオーバーフロー管によって連結されており、最も上流側に位置する除去槽内に流れ込んだ液体が当該オーバーフロー管を通って順次下流側の浮遊塵除去槽へ移送されるようになっており、前記の各オーバーフロー管の流入側と流出側の少なくとも一方には、浮遊塵を除去するための網状のオーバーフローフィルターが設置されており、各浮遊塵除去槽の下部側には、当該除去槽内に沈殿した沈殿塵を取り出すための沈殿塵引き抜き弁が設けられていることを特徴とする汚水処理装置。
- 最も下流側に位置する前記浮遊塵除去槽に、当該除去槽内の処理水の水質を検出し得る水質センサーが設置されており、前記装置が、当該水質センサーからの水質情報に応じて、前記ポンプを通過する前記混濁汚水の流量と、前記凝集剤定量供給器により供給される凝集剤の混入量の調整が可能な集中制御部を具備していることを特徴とする請求項1に記載の汚水処理装置。
- 前記攪拌器における分岐流路の合流部側にそれぞれ、先細り形状の放出ノズルが設けられており、各分岐流路を流れた混濁汚水が前記放出ノズルの先端開口から加速されて放出されて互いに衝突するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚水処理装置。
- 前記浮遊塵除去槽内の中間高さの位置に、当該除去槽の横断面全体を覆うようにしてメッシュ構造を有する沈殿塵再浮上防止フィルターが設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚水処理装置。
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