JP4396422B2 - 圧力センサの製造方法 - Google Patents

圧力センサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4396422B2
JP4396422B2 JP2004196898A JP2004196898A JP4396422B2 JP 4396422 B2 JP4396422 B2 JP 4396422B2 JP 2004196898 A JP2004196898 A JP 2004196898A JP 2004196898 A JP2004196898 A JP 2004196898A JP 4396422 B2 JP4396422 B2 JP 4396422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bridge circuit
temperature
pressure sensor
trimming
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004196898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006017623A (ja
Inventor
克彦 森
道男 山下
隆 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004196898A priority Critical patent/JP4396422B2/ja
Publication of JP2006017623A publication Critical patent/JP2006017623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4396422B2 publication Critical patent/JP4396422B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

本発明は、圧力を測定する絶対圧型の圧力センサ(以下、絶対圧センサという)の製造方法に関する。
従来より、基準圧力と測定圧力との差に基づいて圧力検出する相対圧型の圧力センサ(以下、相対圧センサという)が知られている。この相対圧センサにおいては、シリコン基板に肉薄のダイヤフラムが形成されていると共に、その表面にダイヤフラムの変位を検出する4つの拡散ゲージ(歪みゲージ)が形成され、ブリッジ回路として結線されている。このシリコン基板は、ガラス台座と接合されており、このガラス台座にはダイヤフラムに対向する位置にガラス台座を貫通する孔が設けられた状態となっている。
このような相対圧センサにおいて、ダイヤフラムの表面および裏面にそれぞれに圧力がかかると、その圧力差によってダイヤフラムが変形すると共に、ダイヤフラムに形成された歪みゲージの抵抗値が変化する。これにより、ブリッジ回路の出力に電位差が生じ、この電位差に応じた圧力値が得られるようになっている。
しかしながら、上記相対圧センサのダイヤフラムがさらされる温度によって、圧力がかからない状態でブリッジ回路に電位差が生じてしまう。これは、ブリッジ回路の歪みゲージの温度特性が原因であり、ダイヤフラムに圧力がかかっていない場合でも、ダイヤフラムの温度によっては出力に電位差(オフセット電圧)が生じることとなる。
そこで、ブリッジ回路におけるオフセット電圧の温度特性の影響を低減する方法が知られている。この方法では、ブリッジ回路に対して並列および直列に温度特性のない複数の薄膜抵抗を接続する。そして、これらの薄膜抵抗をトリミングすることで抵抗値を調整し、ブリッジ回路のオフセット電圧の温度特性を無くす。
具体的には、まず、上記シリコン基板およびガラス台座を接合したセンサチップを作成し、このセンサチップに対して室温、かつ、大気中にてブリッジ回路の出力のオフセット電圧を測定する。このようにして測定された電圧を初期オフセット電圧という。そして、この初期オフセット電圧値の1/2の値になるように、ブリッジ回路に並列に接続された薄膜抵抗を例えばレーザによってトリミングし、薄膜抵抗の抵抗値を調整する。
このようにして、初期オフセット電圧の1/2の値となるように薄膜抵抗をレーザトリミングすることで、相対圧センサにおいて、ブリッジ回路のオフセット電圧の温度特性を無くしている。
しかしながら、上記従来の技術では、相対圧センサにおいてオフセット電圧の温度特性の影響を無くすことができるものの、絶対圧センサにおいてオフセット電圧の温度特性の影響を軽減はできるが無くすことはできず、絶対圧センサのオフセット電圧の温度特性を低減するものついてはこれまでに提案されていない。
本発明は、上記点に鑑み、絶対圧センサにおいて、ブリッジ回路におけるオフセット電圧の温度特性の影響を低減できる圧力センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、センシング部としてのダイヤフラム(1a)を有する半導体基板(1)に台座(2)を接合することで真空室(3)を設けてなる絶対圧を検出する圧力センサの製造方法であって、半導体基板に形成される複数のダイヤフラムにそれぞれ対応するように、4つの歪みゲージ(R、R、R、R)から構成されるブリッジ回路と、4つの歪みゲージのうちブリッジ回路の電源側の2つの歪みゲージ(R、R)に、それぞれ並列に接続された第1の調整用抵抗(R72、R82)と、4つの歪みゲージのうちブリッジ回路のアース側の2つの歪みゲージ(R、R)に、それぞれ直列に接続された第2の調整用抵抗(R7、R8)とを形成する工程と、ブリッジ回路から出力されるオフセット電圧をVoffINITとし、半導体基板に形成された複数のブリッジ回路において並列に接続された第1の調整用抵抗をブリッジ回路の出力が[A×V off INIT]+Bとなるようにトリミングし、AおよびBを各々2つ以上の異なる値で、第1の調整用抵抗をトリミングした後、半導体基板を大気中にて測定される第1の温度および第1の温度よりも高いと共に大気中にて測定される第2の温度としたときのそれぞれの温度におけるオフセット電圧を測定する工程と、第1の温度および第2の温度にて測定されたそれぞれのオフセット電圧の差分値を求め、オフセット電圧VoffINITに対する差分値の相関を求める工程と、差分値の相関を直線でフィッティングし、AおよびB各々の異なる値から直線の傾きが零になるAの値および直線の切片が零になるBの値を求める工程と、求めたAおよびBの値をそれぞれ定数とし、大気中にて測定されるブリッジ回路の出力電圧が、[A×VoffINIT]+Bによって得られる値となるように、ブリッジ回路に接続された第1の調整用抵抗をトリミングする工程と、第1の調整用抵抗をトリミングした後、大気中にて測定されるブリッジ回路の出力電圧が零になるように第2の調整用抵抗をトリミングする工程と、を有することを特徴としている。
このように、半導体基板の温度を変えて測定したオフセット電圧の差分値とオフセット電圧VoffINITとの相関を求め、この相関を直線でフィッティングする。AおよびB各々の異なる値から直線の傾きが零になるAの値および直線の切片が零になるBの値を求め、これらAおよびBの値およびオフセット電圧VoffINITからブリッジ回路に接続された第1の調整用抵抗で調整するブリッジ回路の出力電圧の狙い値を求める。そして、ブリッジ回路の出力が狙い値となるように、第1の調整用抵抗をトリミングする。これにより、半導体基板に形成された複数のブリッジ回路の温度に依存した出力を無くすことができる。その後にブリッジ回路の出力電圧が零になるように第2の調整用抵抗をトリミングする。これにより、ブリッジ回路における電源電圧依存性を無くすことができる。このようにして、絶対圧型の圧力センサにおいて、ブリッジ回路の温度特性の影響を低減することができる。

なお、第2の調整用抵抗を第1の調整用抵抗よりも先にトリミングし、その後、第1の調整用抵抗をトリミングする順序でも良い。この場合、ブリッジ回路の出力電圧が
offINIT−{[VoffINIT×A]+B}
によって計算される狙い値になるように第2の調整用抵抗をトリミングする。そして、第2の調整用抵抗をトリミングした後、ブリッジ回路の出力電圧が零になるように第1の調整用抵抗をトリミングする。このようにしても、ブリッジ回路の温度特性および電源電圧依存性を無くすことができる。
請求項2に記載の発明では、トリミングする工程の後に、半導体基板をダイシングカットし、それぞれのダイヤフラムに対応する1つ1つのチップに分割することを特徴としている。このように、半導体基板をダイシングカットすることにより、ぞれぞれのチップに分割することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。また、図2は、圧力センサの回路構成の一例を示した図である。圧力センサは、図2に示される回路が形成されたシリコン基板1と、シリコン基板1に接着固定された台座としてのガラス台座2とを備えて構成されている。
図1に示されるように、半導体基板であるシリコン基板1には、センシング部としての薄肉化したダイヤフラム1aが形成されている。このダイヤフラム1aが形成された領域には、拡散抵抗(歪みゲージ)R、R、R、Rが形成されており、これらの歪みゲージR、R、R、Rは、図2に示されるように、ブリッジ回路を構成している。このとき、例えばダイヤフラム1aの表面中央部には歪みゲージR、Rが形成され、ダイヤフラム1aの端部には歪みゲージR、Rが形成された状態とされる。そして、図2中B−C間の電位差が測定されることで、この電位差に応じた圧力が検出されるようになっている。なお、このB−C間の電圧を以下では出力電圧VBCとする。
また、アース側である歪ゲージR、Rには、温度によって抵抗値が変化しない、すなわち温度特性を有しない薄膜抵抗R7、R8がそれぞれ直列に接続されている。一方、電源側である歪みゲージRには、直列に接続された薄膜抵抗R72が並列に接続されている。同様に、電源側である歪みゲージRには、直列に接続された薄膜抵抗R82が並列に接続されている。
この薄膜抵抗R72はブリッジ回路の歪みゲージRと並列(パラレル)に接続されているので、以下では、パラレル抵抗と呼ぶ。同様に、薄膜抵抗R82もパラレル抵抗と呼ぶ。また、薄膜抵抗R7は、ブリッジ回路の歪みゲージRと直列(シリーズ)に接続されているため、以下では、シリーズ抵抗と呼ぶ。同様に、薄膜抵抗R8もシリーズ抵抗と呼ぶ。なお、パラレル抵抗R72、R82は本発明の第1の調整用抵抗、シリーズ抵抗R7、R8は本発明の第2の調整用抵抗に相当する。
これらパラレル抵抗R72、R82およびシリーズ抵抗R7、R8は、例えばシリコン基板1のダイヤフラム1a以外の領域に形成されている。
このような歪みゲージR、R、R、Rおよび薄膜抵抗R7、R8、R72、R82を有するシリコン基板1は、ガラス台座2に接着固定されており、図1に示されるように、ダイヤフラム1aとガラス台座2とによって閉塞されてできた真空室3が設けられた状態となっている。したがって、本実施形態の圧力センサにおいては、ダイヤフラム1aの表面にかかる圧力と真空室3内との圧力差、すなわち絶対圧が検出される。なお、ガラス台座2には、シリコンに線膨張係数が近い部材が採用され、他の構造部材からの熱応力を緩和する働きをする。
次に、かかる圧力センサの製造方法について説明する。まず、例えばn型のシリコン基板1を用意する。ここで、シリコン基板1を1枚のシリコンウェハとして用意し、このシリコンウェハに複数の圧力センサを形成していく。具体的には、シリコン基板1に対してp層を形成する。そして、このp層を拡散することで拡散p層を形成する。この拡散p層が歪みゲージR、R、R、Rとなる。続いて、シリコン基板1において歪みゲージR、R、R、Rが形成された面とは反対側の面(シリコン基板1の裏面)を、例えばKOH水溶液でエッチングしてダイヤフラム1aを形成する。
なお、歪みゲージR、R、R、Rが形成されるシリコン基板1は上記のものに限るわけではなく、どのような構成としても良い。また、基板をシリコン基板1ではない別の基板としても良い。
この後、シリコン基板1のダイヤフラム1a以外の領域に、例えば金属薄膜付着工程やリソグラフィー工程等により薄膜抵抗R7、R8、R72、R82を形成する。こうして図2に示される回路を構成すると、例えば真空チャンバ内にてシリコン基板1とガラス台座2とを接合し、シリコン基板1とガラス台座2との間に真空室3を設ける。こうして、図1および図2に示される圧力センサが完成する。
しかしながら、上記のようにして製造された圧力センサが製造されて大気にさらされると、ダイヤフラム1aに大気圧が印加されるため、ダイヤフラム1aが大気圧により変形しブリッジ回路のB−C間に電位差(オフセット電圧)が生じた状態になっている。また、圧力センサを製造する上でなされるフォト工程により、1枚のシリコンウェアに形成される複数の圧力センサのそれぞれにおいて、歪みゲージR、R、R、Rや、薄膜抵抗R7、R8、R72、R82の各抵抗値が異なる。このため、1枚のシリコン基板1に形成された各圧力センサにおけるブリッジ回路のオフセット電圧の温度特性にもばらつきが生じる。
そこで、このブリッジ回路のオフセット電圧の影響を無くし、さらに、このオフセット電圧の温度特性の影響をも無くす必要がある。以下、このことについて、図3および図4を参照して説明する。なお、以下で示される物理量は大気圧中にて測定される。
まず、ブリッジ回路から出力される室温でのオフセット電圧をVoffINITとし、シリコンウェハに形成された複数のブリッジ回路において並列に接続されたパラレル抵抗R72、R82のトリミングの狙い値を、[A×VoffINIT]+Bとし、AとBに任意の定数を決めて数水準を室温中でトリミングを行う。その後、シリコンウェハに形成された各圧力センサにおけるトリミング後のオフセット電圧の温度特性つまりゲージオフセット差分値を調べる。図3は、ゲージオフセット初期値に対するゲージオフセット差分値の相関を示した図である。ここで、ゲージオフセット初期値とは、室温・大気圧中にて測定される圧力センサの出力電圧VBC、すなわちオフセット電圧(VoffINIT)である。また、ゲージオフセット差分値とは、圧力センサの温度を変えて測定したそれぞれのオフセット電圧の差分値である。
次のようにして図3に示される相関を求める。すなわち、複数の圧力センサに対して電源電圧VINを印加した状態で、ブリッジ回路のB−C間の出力電圧VBCを、第1の温度である室温(例えば25℃)、第2の温度である高温(例えば100℃)にて測定する(図示しない)。ここで、室温で測定したブリッジ回路のオフセット電圧をV1とする。さらに、高温で測定したブリッジ回路のオフセット電圧をV2とする。このようにして得られた電圧V1、V2の値は、それぞれの圧力センサの温度によって変化している。ここで、これらV1およびV2の電圧差分値(V2−V1)を求める。このようにして得られた電圧差分値(すなわちゲージオフセット差分値;V2―V1)を、ゲージオフセット初期値に対してプロットする。こうして、図3に示される相関が得られる。
図3に示されるゲージオフセット差分値の相関をBの水準ごとに直線にてフィッティングすると、所定の傾きおよびY軸切片が0でないことがわかる(以下、この直線を相関直線という)。相関直線が傾きおよび切片を有するということは、圧力センサが温度特性を有することを意味している。したがって、この相関直線の傾きおよびY軸切片を0にし、ひいては、ゲージオフセット初期値までも0にすることで、圧力センサに圧力が印加されない状態でブリッジ回路のオフセット電圧が生じないようにする。
本実施形態では、まず、相関直線のY軸切片を0にする。つまり、ゲージオフセット初期値に対して定数を加算することにより、相関直線の切片をシフトすることができる。すなわち、図3に示されるように、+1[mV]、0[mV]、―1[mV]、―2[mV]というようにBの定数の値を変えていくと、相関直線が図3中下部にほぼ平行に移動していく様子がわかる。本実施形態では、相関直線に対して―2.5[mV]を加算することにより、Y軸切片の値を0にすることができる。
続いて相関直線の傾きを0つまりフラットにする。これは、以下のようにしてなされる。まず、従来の相対圧センサと同様に、ゲージオフセット初期値×0.5を演算する。絶対圧センサの場合、圧力媒体の圧力がダイヤフラム1aにかかっていなくても大気圧がかかっている。このため、この大気圧によるオフセット成分が生じ、上記計算のみでは、相関直線の傾きを0とすることができない。そこで、ゲージオフセット初期値×0.5の値、すなわち相関直線の傾きに重みを乗ずることで相関直線の傾きを変える。このことについて、図4を参照して説明する。
図4は、相関直線の傾きを変更する様子を示した図である。図4に示されるように、ゲージオフセット初期値×0.5の相関直線に対して+5%の重みをかける、すなわち0.95を乗ずると、相関直線の傾きはマイナス方向に変化し傾きが大きくなる。一方、ゲージオフセット初期値×0.5の相関直線に対して−5%の重みをかける、すなわち1.05を乗ずると、相関直線の傾きはプラス方向に変化し、0となる。
このように、ゲージオフセット初期値×0.5の相関直線の傾きに対してどれくらいの重みを乗ずるとその傾きがゲージオフセット初期値に対してフラットになるかがわかる。本実施形態では、図4に示されるように、ゲージオフセット初期値×0.5に1.05の重みを乗ずることで、相関直線の傾きを無くすことができる。
以上に基づき、圧力センサにおいてオフセット電圧の温度特性を無くすためには、ブリッジ回路の出力電圧VBC、すなわち狙い値が以下に示される数式1により得られる値とすれば良い。
(数式1)
狙い値=(VoffINIT×0.5×1.05)―2.5 [mV]
数式1は、定数AおよびBを用いて以下の数式2のように書き替えることができる。
(数式2)
狙い値=A×VoffINIT+B [mV]
したがって、数式1により、A=0.525、B=―2.5を得る。なお、これらの定数A、Bは、ダイヤフラム1aの厚みや径、プロセス条件等により異なる。言い換えると、ダイヤフラム1aの厚みや径、プロセス条件が同じシリコンウェハにおいては、上記計算を1回行えば、他のシリコンウェハにおいても同じ定数AおよびBにて狙い値を適用できる。
例えば、ゲージオフセット初期値が10[mV]である場合、狙い値は数式3により以下のように求められる。
(数式3)
狙い値=(0.525×10)―2.5=2.75 [mV]
つまり、ゲージオフセット初期値が10[mV]である場合、狙い値、すなわちブリッジ回路の出力電圧VBCが2.75[mV]になれば、ブリッジ回路の温度特性を無くすことができる。
したがって、ブリッジ回路の温度特性を無くすためには、ブリッジ回路の出力電圧VBCが上記狙い値となるようにパラレル抵抗R72、R82をトリミングする。本実施形態では、レーザを抵抗に照射してカットするレーザトリミングの方法を採用する。そして、ブリッジ回路のB−C間に電圧計を接続し、電圧計にてブリッジ回路の出力電圧VBCが数式2で得られた狙い値になるまで、パラレル抵抗R72、R82をトリミングする。上記に示される例においてはブリッジ回路の出力電圧VBCが2.75[mV]になるまでパラレル抵抗R72、R82をトリミングする。なお、パラレル抵抗R72、R82のうちいずれか一方の抵抗がトリミングされることとなる。また、レーザトリミングは図3、図4のA、Bの水準を振ったトリミングを行った時と同じ室温・大気圧中にてなされる。
こうして、パラレル抵抗R72、R82をトリミングすることにより、ブリッジ回路のオフセット電圧の温度特性を無くすことができる。しかしながら、ブリッジ回路の出力電圧VBCは、上記のトリミングによって2.75[mV]になっている。このため、ブリッジ回路のオフセット電圧が、上記パラレル抵抗R72、R82のトリミングのみで完全に解消されてはいない。したがって、温度に依存しないブリッジ回路のオフセット電圧を補償する必要がある。これは、ブリッジ回路に直列に接続されたシリーズ抵抗R7、R8をトリミングすることにより実現する。
上記例では、パラレル抵抗R72、R82をトリミングし終えた状態で、ブリッジ回路の出力電圧VBCが2.75[mV]となっている。そこで、シリーズ抵抗R7、R8をトリミングすることにより、このオフセット電圧を無くす、すなわち0[mV]にする。具体的には、パラレル抵抗R72、R82と同様に、ブリッジ回路のB−C間に電圧計を接続し、このB−C間の電圧が0[mV]になるようにシリーズ抵抗R7、R8をトリミングする。このようしてブリッジ回路の出力電圧VBCを0[mV]にすることができ、ブリッジ回路の電源電圧依存性を無くすことができる。
以上のように、シリコンウェハに形成されたそれぞれの圧力センサのブリッジ回路において、数式2からそれぞれのブリッジ回路に対応した狙い値を求め、それぞれのブリッジ回路においてパラレル抵抗R72、R82、およびシリーズ抵抗R7、R8をトリミングする。
そして、シリコンウェハ上の各圧力センサのパラレル抵抗R72、R82、シリーズ抵抗R7、R8をトリミングした後、シリコンウェハをダイシングカットすると、1つ1つのチップである圧力センサに分断することができる。限定するものではないが、こうして製造された圧力センサは、例えば車両のブレーキ圧力、オイル圧力の測定に用いられる。
上記圧力センサにおいて、ダイヤフラム1aに印加される圧力は以下のように測定される。すなわち、ダイヤフラム1aの表面に圧力が印加されると、ダイヤフラム1aがたわむ。これにより、歪みゲージR、Rが形成されたダイヤフラム1aの表面中央部には引っ張り応力が発生し、歪みゲージR、Rが形成されたダイヤフラム1aの端部には圧縮応力が発生する。このため、歪ゲージR、Rの抵抗値はピエゾ抵抗効果で増加し、歪みゲージR、Rの抵抗値は減少する。
したがって、図2に示されるブリッジ回路のB−C間に電位差が生じる。この電位差である出力電圧VBCを測定し、この出力電圧VBCに応じた圧力値に変換することで、ダイヤフラム1aに印加される圧力値を求める。
以上説明したように、本実施形態では、シリコンウェハ上に形成された複数のブリッジ回路のオフセット電圧を測定し、このオフセット電圧の温度特性を求めることで、ブリッジ回路の温度特性を補償するようにしている。つまり、オフセット電圧(ゲージオフセット初期値)に対する温度変化による差分値(ゲージオフセット差分値)の相関を求め、この相関を相関直線でフィッティングする。この相関直線の傾きおよびY軸切片が零になるようなAおよびBを求め、ブリッジ回路の出力電圧VBC、すなわち狙い値を求める。そして、ブリッジ回路の出力電圧VBCが狙い値となるように、それぞれのブリッジ回路に接続されているパラレル抵抗R72、R82をトリミングする。これにより、シリコンウェハに形成された複数のブリッジ回路の温度に依存した出力をそれぞれ無くすことができる。その後にブリッジ回路の出力電圧VBCが零になるようにシリーズ抵抗7、R8をトリミングする。これにより、ブリッジ回路における電源電圧依存性を無くすことができる。このようにして、絶対圧型の圧力センサにおいて、ブリッジ回路の温度特性の影響を低減することができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、2つのパラレル抵抗R72、R82が電源側の歪みゲージRA、に対して並列に接続され、2つのシリーズ抵抗R7、R8はアース側の歪みゲージR、Rに直列に接続されている。しかしながら、図5に示すように、2つのパラレル抵抗R72、R82がアース側の歪みゲージR、Rに対してそれぞれ並列に接続され、2つのシリーズ抵抗R7、R8が電源側の歪みゲージRB、にそれぞれ直列に接続されても良い。
また、上記第1実施形態では、シリコン基板1に対してp層を形成し、このp層を拡散することで拡散p層を形成することで歪みゲージR、R、R、Rを構成していたが、歪みゲージの構成はこれに限るものではない。
上記第1実施形態では、先にパラレル抵抗R72、R82をトリミングした後、シリーズ抵抗R7、R8をトリミングしているが、この順序が逆になっても構わない。なお、逆の場合において、最初にトリミングを行うシリーズ抵抗R7、R8のトリミングの狙い値は、以下に示す数式4にて求めることができる。
(数式4)
狙い値=ゲージオフセット初期値(VoffINIT)−
{[ゲージオフセット初期値(VoffINIT)×A]+B} [mV]
上記数式4にてシリーズ抵抗R7、R8をトリミングする狙い値を求め、求めた狙い値となるようにシリーズ抵抗R7、R8をトリミングする。続いて、オフセット電圧が0[mV]となるように、パラレル抵抗R72、R82をトリミングする。このように、先にシリーズ抵抗R7、R8をトリミングした後、パラレル抵抗R72、R82をトリミングしても良い。
上記第1実施形態では、パラレル抵抗R72、R82およびシリーズ抵抗R7、R8をトリミングした後、シリコンウェハをダイシングカットしているが、先にシリコンウェハをダイシングカットした後、上記パラレル抵抗R72、R82およびシリーズ抵抗R7、R8をトリミングすることもできる。
本発明の一実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。 図1に示す圧力センサの回路構成の一例を示した図である。 ゲージオフセット初期値に対するゲージオフセット差分値の分布を示した図である。 ゲージオフセット差分値の相関直線の傾きを変更する様子を示した図である。 図1に示す圧力センサの回路構成の他の実施例を示した図である。
符号の説明
1…シリコン基板、1a…ダイヤフラム、2…ガラス台座、3…真空室、
、R、R、R…歪みゲージ、
R7、R8、R72、R82…薄膜抵抗。

Claims (2)

  1. センシング部としてのダイヤフラム(1a)を有する半導体基板(1)に台座(2)を接合することで真空室(3)を設けてなる絶対圧を検出する圧力センサの製造方法であって、
    前記半導体基板に形成される複数の前記ダイヤフラムにそれぞれ対応するように、4つの歪みゲージ(R、R、R、R)から構成されるブリッジ回路と、前記4つの歪みゲージのうち前記ブリッジ回路の電源側の2つの歪みゲージ(R、R)に、それぞれ並列に接続された第1の調整用抵抗(R72、R82)と、前記4つの歪みゲージのうち前記ブリッジ回路のアース側の2つの歪みゲージ(R、R)に、それぞれ直列に接続された第2の調整用抵抗(R7、R8)とを形成する工程と、
    前記ブリッジ回路から出力されるオフセット電圧をVoffINITとし、前記半導体基板に形成された複数のブリッジ回路において並列に接続された前記第1の調整用抵抗を前記ブリッジ回路の出力が[A×V off INIT]+Bとなるようにトリミングし、AおよびBを各々2つ以上の異なる値で、前記第1の調整用抵抗をトリミングした後、前記半導体基板を大気中にて測定される第1の温度および前記第1の温度よりも高いと共に大気中にて測定される第2の温度としたときのそれぞれの温度におけるオフセット電圧を測定する工程と、
    前記第1の温度および前記第2の温度にて測定されたそれぞれのオフセット電圧の差分値を求め、前記オフセット電圧VoffINITに対する前記差分値の相関を求める工程と、
    前記差分値の相関を直線でフィッティングし、AおよびB各々の異なる値から前記直線の傾きが零になるAの値および前記直線の切片が零になるBの値を求める工程と、
    求めたAおよびBの値をそれぞれ定数とし、大気中にて測定される前記ブリッジ回路の出力電圧が、
    [A×VoffINIT]+B
    によって得られる値となるように、前記ブリッジ回路に接続された前記第1の調整用抵抗をトリミングする工程と、
    前記第1の調整用抵抗をトリミングした後、大気中にて測定される前記ブリッジ回路の出力電圧が零になるように前記第2の調整用抵抗をトリミングする工程と、を有することを特徴とする圧力センサの製造方法。
  2. 前記トリミングする工程の後に、前記半導体基板をダイシングカットし、それぞれの前記ダイヤフラムに対応する1つ1つのチップに分割することを特徴とする請求項1に記載の圧力センサの製造方法。
JP2004196898A 2004-07-02 2004-07-02 圧力センサの製造方法 Expired - Fee Related JP4396422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004196898A JP4396422B2 (ja) 2004-07-02 2004-07-02 圧力センサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004196898A JP4396422B2 (ja) 2004-07-02 2004-07-02 圧力センサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006017623A JP2006017623A (ja) 2006-01-19
JP4396422B2 true JP4396422B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=35792049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004196898A Expired - Fee Related JP4396422B2 (ja) 2004-07-02 2004-07-02 圧力センサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4396422B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN202024769U (zh) * 2009-09-30 2011-11-02 泰科思有限责任公司 具有失调电阻的测量装置
JP2015108581A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 株式会社デンソー 圧力センサ
JP2015184046A (ja) 2014-03-20 2015-10-22 セイコーエプソン株式会社 物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体
CN108956005B (zh) * 2018-08-08 2024-03-22 陈德连 压力传感器
CN110823446B (zh) * 2019-10-18 2022-01-07 成都凯天电子股份有限公司 硅压阻式压力传感器二次温度补偿零点调试方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006017623A (ja) 2006-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6973836B2 (en) Semiconductor pressure sensor having diaphragm
US10775248B2 (en) MEMS strain gauge sensor and manufacturing method
US8161820B2 (en) Pressure sensor
US9689767B2 (en) Semiconductor pressure sensor
TWI270667B (en) Method of calibrating zero offset of a pressure sensor
US10451510B2 (en) Pressure change measurement device, altitude measurement device, and pressure change measurement method
CN110174198B (zh) 具有机械解耦的温度传感器的应变仪
Kumar et al. Experimental evaluation of sensitivity and non-linearity in polysilicon piezoresistive pressure sensors with different diaphragm sizes
KR101652369B1 (ko) 습식 및 건식 식각공정을 이용한 압저항형 압력센서 제조방법
KR20090087847A (ko) 반도체 감왜 센서
JP4396422B2 (ja) 圧力センサの製造方法
US6838303B2 (en) Silicon pressure sensor and the manufacturing method thereof
JP3941193B2 (ja) 圧力センサ装置
US6595063B1 (en) Sensor element especially for pressure sensors
US6591683B1 (en) Pressure sensor
Su et al. Fabrication of a piezoresistive barometric pressure sensor by a silicon‐on‐nothing technology
JP2002310827A (ja) 圧力センサ
JPH1022511A (ja) 半導体圧力センサ及びその製造方法
US6619130B1 (en) Pressure sensor
Kalinkina et al. Reducing the Temperature Error of Thin-Film Structures of Micromechanical Elements in Mechatronic Pressure Sensors
WO2015072189A1 (ja) 圧力センサー、圧力センシングシステム、および圧力センサーの製造方法
JP2006047193A (ja) 圧力センサ
Rao et al. Design and fabrication of sculptured diaphragm MEMS low range pressure sensor
JPH0536993A (ja) 半導体圧力検出装置
JPS5833136A (ja) 温度センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091012

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4396422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees