JP4396336B2 - 圧電振動素子、およびこれを用いた圧電振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、表面実装型圧電デバイスに搭載する圧電振動素子、およびこれを用いた圧電振動子に関し、特に、圧電振動素子の端縁を表面実装容器の内部に設けた接続パッド上に導電性接着剤により支持する(所謂、片端支持)構造において、圧電振動素子の自由端側を容易に持ち上げることが可能な技術に関する。
周波数発生源やフィルタといった機能を有する電子部品に圧電材料(水晶、セラミック、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四硼酸リチウム、ニオブ酸カリウムなど)からなる圧電振動片を用いた圧電デバイスがある。例えば、人工的に成長させた水晶の結晶から一定の法則に従って正確に切り出した薄板を研磨して得られる水晶振動片は、種々の圧電材料の中でも特に共振特性に優れることから水晶振動子や水晶フィルタといった圧電振動素子として多用されている。最近では小型化に適した表面実装型のパッケージング形態による供給が一般的であり、セラミックパッケージ内に圧電振動素子を導電性接着剤によって支持した構造が多用されている。
ところで、従来から、このような圧電振動片の保持構造として、片端支持型あるいは片持型などと呼ばれる保持構造がある。
これは圧電振動片の縁部における一端を導電性接着材によってパッケージベース(表面実装容器)に固定し、他端は自由端とすることで、温度変化により生じるパッケージベースとの膨張係数の差違による熱膨張ストレスが圧電振動片に与える影響を回避する上で有効な構造として知られている。
この片端支持型の圧電振動片の保持方法として、例えば特開平10−098349号公報に示される方法が提案されている。
この公報に示される方法について、図5を用いて簡単に説明する。
図5は、従来の片端支持型圧電振動子の製造方法を説明するための図であり、同図(a)は水晶振動素子の構成例を示す平面図、同図(b)は片端支持型水晶振動子の構成例を示す断面図である。
まず、同図(a)に示す水晶振動素子10は、矩形平板状に切り出した水晶振動片11の両主表面の中央部付近に対置された振動励起用電極(以下、励振電極という)12及び13と、当該水晶振動片11の一方の短辺側に集成したランド電極12a及び13aと、これら励振電極とランド電極とを接続するために延設されたリード電極12b及び13bとを設けて構成されている。なお、ランド電極12a及び13aは、側面を介して互いに他方の面へ回り込むよう形成されている。これは両方のランド電極に折り返し部を設けることにより上下面を確認することなく何れの面を上向きにしてもマウントすることができるようになされている。
そして、このような水晶振動素子10を用いて水晶振動子を構成するとき、同図(b)に示す如く搭載される。即ち、上面が開口した矩形箱状のセラミック製のパッケージベース20と、このパッケージベース20内に傾斜した状態で収納された平板状の水晶振動素子10と、この水晶振動素子10をパッケージベース20に固着するために塗布した導電性接着剤30と、矩形平板状の金属製リッド40を備えて構成される片端支持型水晶振動子の例を示している。
前記パッケージベース20は、内部底面21とその周りを取り囲む周壁22とで内部空間を形成しており、内部底面11の周囲の一部に段差部23が設けられている。この段差部23の上面には一対のパッド電極部24が設けられており、導電性接着剤30により水晶振動素子10の片端に設けられたランド電極がこのパッド電極部24へ固定されることで片端支持されることになる。なお、ここでは図示を省略するがパッケージベース20の外部底面には、その四隅に表面実装用の外部電極端子を有している。例えば、外部電極端子は、一対のパッド電極部24の夫々に接続される一対(二つ)の励振信号用端子と、リッド40を接地するための一つのアース端子と、一つのNC(No Connection)端子とが割り当てられる。
そして、水晶振動子の最終的な形態としては、パッケージベース20の上方開口部を金属製リッド40で被覆して内部を気密に封止する。
この図に至る手順について説明する。まず、導電性接着剤30の硬化前状態にあっては、水晶振動素子10は段差部23の角部(支点)と内部底面21とに当接した傾斜状態に載置されている。そして、導電性接着剤30の硬化工程に入る。硬化工程では、例えば、水晶振動素子10が載置されたパッケージベース20をキュア炉に入れて導電性接着剤30を硬化させる。
このとき導電性接着剤30は、エポキシ系の熱硬化性接着剤であるため硬化する際に分子間の架橋反応による収縮を伴う。その際の導電性接着剤30の収縮量は、水晶振動素子10とパッド電極部24との間に介在する導電性接着剤30の厚みに比例する。
即ち、段差部23の上面において角部から離れるに従って次第に導電性接着剤30の厚みが増していくので、水晶振動素子10の固定側端部は角部での接触部分を支点として反時計方向へ僅かに回転する。
水晶振動素子10の回転によって、パッケージベース20の内部底面に接触していた水晶振動素子10の固定側端部とは逆の端部(以下、自由端という)が、図中の矢印で示すように僅かに持ち上がり、パッケージベース20の間に隙間ができる。
そして、キュア炉から出して導電性接着剤30の硬化が完了すると、水晶振動素子10の自由端が持ち上がった状態が保たれ、片端支持型の水晶振動子を得ることができる。
このような原理を応用して、更に別の提案が特開平11−027084号公報に示されている。この公報に示される片端支持型の水晶振動子について、図6を用いて簡単に説明する。
図6は、従来の片端支持型圧電振動子の他の実施例を説明するための断面図である。なお、上述の図5に示したものと同様の機能部位については同一の符号を付してその説明を省略し、リッド(蓋)やパッケージベースの周壁は図示を省略する。
即ち、この例に示す片端支持型水晶振動子は、水晶振動素子10を、パッド電極部(接続パッド)24を有するパッケージベース(平板状配線基板)20に、導電性接着剤(導電性樹脂接着剤)30を用いて接合して片持ち支持するにあたり、前記パッケージベース20の内部底面上であって、且つパッド電極部24の中央寄りの辺に沿って樹脂製の支点部材50を設けておき、この支点部材50の外側に配置された導電性接着剤30が収縮を伴いながら硬化することで、水晶振動素子10の自由端側を持ち上げるようにした片端支持型水晶振動子となっている。
このようにして支点部材50による凸部を追加すれば、パッケージベース20の内部底面に段差部を設けてその角部を支点に用いる必要がなくなるので、パッケージベース20への加工の手間が無くなる。
特開平10−098349号公報 特開平11−027084号公報
しかしながら、上述した従来の圧電振動素子の片端支持構造においては、以下に示すような問題点があった。つまり、上述の特許文献2に示された例のようにセラミックからなるパッケージベース20に樹脂製の支点部材50を付加し、これを支点に用いて導電性接着剤30の硬化時収縮の利用により水晶からなる水晶振動素子10の自由端側を持ち上げるようにした場合、パッケージベース20のパッド電極24に対する支点部材50の配置位置合わせと、支点部材50に対する水晶振動素子10の配置位置合わせとが必要となり、2段階の位置合わせの手間がかかる。
また、特許文献2に示された他の例のように水晶振動素子10に金属製の支点部材50を付加し同様に機能させるようにした場合にあっても、水晶振動素子10に対する支点部材50の配置位置合わせと、パッケージベース20のパッド電極24に対する水晶振動素子10とが必要となり、2段階の位置合わせの手間がかかってしまう。
水晶振動素子10、支点部材50、パッド電極24、および導電性接着剤30の位置関係が正確であることが求められ、何れかの位置がズレてしまうと水晶振動素子10の自由端が持ち上がらなくなってしまうことになる。
仮に、位置ズレが生じて水晶振動素子10の自由端が持ち上がらない状態での水晶振動子が完成したとすると、その水晶振動子は外部からの振動が与えられたときに、パッケージベース20に当接している自由端を伝って水晶振動素子10の励振周波数に影響を与え、これにより位相雑音特性および周波数安定度に劣化が生じてしまう。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、支点とする凸部の後付追加工程を不要とし、且つ、位置関係のズレの発生を少なくすることができる圧電振動素子の片端支持構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る圧電振動素子の請求項1の発明は、圧電振動片と、前記圧電振動片の両主面に形成された励振電極と、前記圧電振動片の一端近傍に形成されたランド電極と、前記励振電極と前記ランド電極とを接続する為のリード電極と、を備えた圧電振動素子であって、前記圧電振動片は、第1の厚肉部と、前記第1の厚肉部よりも厚みの小さい薄肉部と、前記励振電極を有する第2の厚肉部と、を備え、前記薄肉部が、前記圧電振動片の一端の前記ランド電極が配置された領域に設けられたものであり、前記第1の厚肉部が、前記ランド電極が配置された領域に前記薄肉部と隣接するように設けられたものである圧電振動素子。これによれば、主振動(励振周波数)のエネルギーを閉じ込めるよう機能させるための第2の厚肉部を形成する工程と同じ工程にて、導電性接着剤の硬化時収縮の利用により圧電振動素子の自由端側を持ち上げる際の支点として機能させるための第1の厚肉部を形成することができ、圧電振動片自体に支点を生じせしめることで支点の後付工程が不要となるため、後付工程における位置関係のズレ発生もなくなる。
また、本発明に係る圧電振動素子の請求項2の発明は、請求項1に記載の圧電振動素子において、前記ランド電極の圧電振動片中央寄り近傍に前記第1の厚肉部が配置されていることを特徴とする。これによれば、圧電振動素子のマウント時(導通固定段階)における導電性接着剤の充分な収納領域を圧電振動素子の固定端縁側の下面に確保することができ、且つ、支点となる第1の厚肉部を中心としてその左右の重量バランスが適切に調整され導電性接着剤の硬化時収縮による圧電振動素子の回動がスムースになる。
また、本発明に係る圧電振動素子の請求項3の発明は、請求項1または2に記載の圧電振動素子において、前記第1の厚肉部の厚みと前記第2の厚肉部の厚みとが互いに等しく、前記第1の厚肉部と前記第2の厚肉部とを除く部分がエッチングにより形成されたことを特徴とする。これによれば、機械加工するよりも正確な加工ができるのみならず、二つの厚肉部は手順・時間・環境を全く同一の工程にて形成することができる。また、本発明に係る圧電振動素子の請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の圧電振動素子において、前記第1の厚肉部と前記薄肉部とが、前記圧電振動片の一方の主面に形成された凸部、或いは前記圧電振動子の両主面に形成された凸部により構成されていることを特徴とする。これによれば、明らかな角部が出現するので、連続的に緩やかな厚み差を与える場合に比べ、位置合わせすべき基準点が明確となる。
また、本発明に係る圧電振動子の請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の圧電振動素子と、前記圧電振動素子を収容すると共に内底面に接続パッドを有するパッケージと、を備えた圧電振動子であって、前記第1の厚肉部が前記接続パッドの内方寄りに位置するよう、前記圧電振動素子を前記パッケージの内底面に搭載し、前記ランド電極と前記接続パッドとを導電性接着剤により導通固定したことを特徴とする。これによれば、パッケージベースのパッド電極に対する圧電振動素子の位置合わせのみの1段階の位置合わせで済み、位置関係のズレの発生を少なくすることができる。
また、本発明に係る圧電振動子の請求項の発明は、請求項5に記載の圧電振動子において、前記パッケージの内底面に、前記圧電振動片の第2の厚肉部に対応する窪みを設けたことを特徴とする。これによれば、前記圧電振動片の2つの厚肉部はその厚みが互いに等しい場合にあっても、第2の厚肉部がパッケージベースの内底面に接触してしまうことを確実に防止することができる。
本発明に係るの圧電振動素子は、圧電振動片自体に2つの厚肉部を形成し、一方は、圧電振動素子のランド電極配置側端縁から少し内側となる位置に第一の凸部(第1の厚肉部)を設け、もう一方は、圧電振動励起用電極回りの位置に第二の凸部(第2の厚肉部)を設けて構成し、前記第一の凸部を支点にして導電性接着剤の硬化時収縮の利用により圧電振動素子の自由端側を持ち上げるよう機能させ、前記第二の凸部を主振動(励振周波数)のエネルギーを閉じ込めるよう機能させるので、不要振動の影響を低減した高精度な周波数特性を得ることができ、また、この2つの厚肉部は同じ工程により形成するので、支点とする部分の後付工程を不要とすることができる。そして、この圧電振動素子を用いて片端支持構造の圧電振動子を構成することにより、パッケージベースのパッド電極に対する圧電振動素子の位置合わせのみの1段階の位置合わせで済み、位置関係のズレの発生を少なくすることができる圧電振動素子が実現できる。
以下、図示した実施の形態例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる圧電振動素子の片端支持構造に用いる圧電振動素子の形態例を示す図であり、同図(a)は断面図を示し、(b)は平面図を示す。なお、圧電振動素子として水晶振動素子を用いた場合を例に以下に説明する。
この例に示す水晶振動素子1は、水晶振動片2の両面に励振電極12及び13と、これら励振電極から夫々リード電極12bおよび13bにより延設され当該水晶振動片2の一方の短辺側に集成したランド電極12a及び13aとを有している。
本発明において特徴的な点は水晶振動素子の形状にあり、同図(a)に示す如く、水晶振動片2の長辺中において厚さ(高さ)を異にして突出する厚肉部位が少なくとも2箇所ある。
この2箇所の突出部を、それぞれ第一の凸部(高さH、幅W)、第2の凸部(高さH、幅W)と称して説明する。
同図(b)に示すように、ここでは何れの凸部も水晶振動片2の幅方向(短辺と並行)に均一に延設されており、第一の凸部はランド電極12a及び13aとの密接な位置関係にあり、第2の凸部は励振電極12及び13との密接な位置関係にある。
即ち、水晶振動片2のランド電極配置側を固定端とする訳であるが、第一の凸部は、固定端側の縁端から少し離れて内方寄りの位置に設けている。後述するが第一の凸部は導電性接着剤の硬化時収縮の利用により圧電振動素子の自由端側を持ち上げるための支点として用いるものであるため、固定端側の縁端から第一の凸部までの距離は、第一の凸部を中心としたときのその両側の重量バランスに応じて相対的に定める必要があり、更には、用いられる導電性接着剤との接着特性をも考慮して定めることが望ましい。
また、第一の凸部の凸幅(W)は、材質である水晶の機械的強度を考慮して、支点として機能するに必要最小限の幅とするのが好ましい。
他方、第二の凸部は、励振電極12及び13の周囲にて形成されている。一般的に励振電極回りを厚くすることで、主とする励振周波数のエネルギーを閉じ込め、輪郭回りの不要振動の影響を低減することが行われている。このような厚み加工としては、ベベリング、コンベックス、メサ状といったものが知られている。
ここではメサ状加工する場合について、その工程として水晶振動片2の表裏の両主面にフォトリソグラフィ技術を用いてマスクパターン形成し、エッチングにより露出している水晶部分を融解することで厚み加工を施す例を説明する。
この場合、個片に分割する前の水晶母板(水晶ウエハ)に対して、その両主面の削らない部分に保護膜によるマスクパターンを形成しておく。まず、第一及び第二の凸部に対応する部分にマスキングするためのマスクパターンを形成するが、具体的には、水晶ウェハ全面にレジスト(感光性樹脂)を塗布し、ベーク炉に入れて所定温度にて定着させ、レジストに光(紫外線)を照射して所定パターンを露光転写し、これを現像し、洗浄することでマスクパターンを形成する。そして、エッチング溶液(例えば、フッ酸や硫酸等)に水晶ウエハを浸してウェットエッチングを行ない所定の厚みまでエッチングが進行したところで一旦エッチングを終える。洗浄溶液(例えば、アセトン等)に水晶ウエハを浸してマスクパターンを除去した後、励振電極12及び13とリード電極12b及び13bとランド電極12a及び13aを蒸着形成する。
この後、第一及び第二の凸部に対応する部分のみならず、最終的に切り出そうとする水晶振動片2に対応する矩形部分をマスキングするためのマスクパターンを形成する。こうして再度、エッチングを行って水晶振動片2を個片分割し、マスクパターンを洗浄により除去すれば、この図に示すような第一及び第二の凸部を有する水晶振動素子1が得られる。
なお、機械的に加工して第一及び第二の凸部を有する水晶振動片2を得るようにしても構わないが、上述の如くフォトリソ工程とエッチング工程により厚み加工を施した方が位置ズレなど少なく正確に加工することができる。
また、ランド電極12a及び13aの形成において、他面側への折り返し部を蒸着形成することを考慮して、水晶ウェハ(母板)を個片にする前に、夫々の水晶振動片の側端面に相当する位置に穴を貫通させておき、その穴の内面に金属膜を形成しておくようにして良い。
次の図2は、本発明に係る圧電振動素子の片端支持構造を用いた水晶振動子の例を示す断面図である。なお、ここではリッド(蓋)やパッケージベースの周壁は図示を省略している。
この例に示す圧電振動素子の片端支持構造は、上述の図1に示した水晶振動素子1を用いたものであり、水晶振動素子1を、パッド電極部24を有するパッケージベース20に、導電性接着剤30を用いて接合して片持ち支持している。
水晶振動素子1は、第一及び第二の凸部の高さが等しく(H=H)形成されている。
パッケージベース20は、上面が開口した矩形箱状のセラミック製のものであり、その内部底面21の周囲には段差部23を有している。つまり、中央部が窪んでいる。
パッケージベース20の段差部23の上面の一部に一対のパッド電極部24があり、このパッド電極部24と水晶振動素子1のランド電極12a及び13aとが対応する。
また、導電性接着剤30は、硬化時に収縮を伴う樹脂性のものである。特に、加熱により収縮する特性(熱収縮性)を持つ樹脂組成物を材料に混成されており、例えば、不飽和ポリエステル系の合成高分子化合物を用いたもの等が良い。収縮率は架橋剤として配合されるモノマーの種類や含有量によって左右する傾向があるので、接着特性と収縮率とを加味した上で、導電性接着剤30の材質を選択する必要がある。
組み立ての手順としては、まず、パッド電極部24に導電性接着剤30を塗布しておき、その上から水晶振動素子1をマウントする。
水晶振動素子1を載置するとき、図のように水晶振動素子1の第1の凸部がパッド電極部24の内方(パッケージベースの中心に近い方)寄りに位置するよう合わせて搭載する。この時は、まだ、水晶振動素子1の自由端側は反対側の段差部上面に接触した状態で傾斜している。導電性接着剤30は、水晶振動素子1の第1の凸部と端縁の間の空間を充分に満たす程度の塗布量が必要である。つまり、水晶振動素子1が傾斜した状態において、導電性接着剤30は第1の凸部から端縁方向に離れるに従って次第に厚みが増している。
次に、キュア炉に入れて加熱硬化工程に入ると、導電性接着剤30は硬化する際に分子間の架橋反応による収縮が生じる。これにより、水晶振動素子1の固定端側の端縁は、パッド電極部24に引きつけられることになり、水晶振動素子1の第1の凸部を支点として反時計回り(図中の矢印の方向)に僅かに回転するので、水晶振動素子1の自由端側の端縁が持ち上がる。
以上のように、本発明に係る圧電振動素子、及びこれを用いた圧電振動子によれば、予め水晶振動片2自体に加工を施して第一の凸部および第2の凸部を設けて水晶振動素子1を構成しておき、当該第一の凸部を支点として導電性接着剤30の硬化時収縮により水晶振動素子1の自由端側の端縁を持ち上げるようにしたので、支点とする凸部の後付追加工程が不要となり、また、位置合わせとしては、パッケージベース20のパッド電極24に対する水晶振動素子1の位置合わせのみで済み、結果として位置関係のズレの発生を少なくすることができる。
また、上述の実施例にあっては、水晶振動片2の両面に凹凸加工を施した例を示したが、次の図に示す如く、片面(下側の面)のみを加工しても良い。
図3は、本発明に係る圧電振動素子の片端支持構造を用いた水晶振動子の第2の実施の形態の例を示す断面図である。
即ち、水晶ウェハの段階において、フォトリソグラフィー工程とエッチング工程により形状加工する面を一方の面のみとして、第一の凸部および第2の凸部を形成した水晶振動片2を用いて水晶振動素子1を生成する。そして、第一の凸部および第2の凸部を形成した面を下面として水晶振動素子1を搭載することで、上述と同様に機能して水晶振動素子1の自由端側の端縁を持ち上げることができる。
以上説明した本発明の実施の形態例においては、水晶振動片2の第一の凸部と第二の凸部の高さ(厚み)を等しくしておくという例を示したが、本発明の実施にあってはこの例に限らず、例えば、第二の凸部の高さ(H)よりも第一の凸部の高さ(H)の方を高くするようにしてもよい。
図4は、本発明に係る圧電振動素子の片端支持構造を用いた水晶振動子の第3の実施の形態の例を示す断面図である。
この例の場合、マスキングとエッチングの工程が増えることになるが、H>Hとしておき、導電性接着剤30の硬化時収縮により反時計回りに回動して水晶振動素子1がほぼ水平に固定されれば、自由端の端縁部あるいは第二の凸部の自由端側角部がパッケージベース20に当接することなく保持されるので、パッケージベース20の内部底面21に段差部24を設けなくて済む。
また、上述した各実施例では、自由端側の端縁をパッケージベース20の内部底面に接触するかのように水晶振動素子1を傾斜した状態にて載置するという例を用いて説明したが、導電性接着剤30の粘性が大きく、水晶振動素子1の搭載姿勢を維持できるならば、マウント時に水晶振動素子1を水平に搭載しても良く、更には、自由端側を固定端側よりも上方に向けた状態にてマウントするようにしても良い。
以上のように、本発明に係わる圧電振動素子の片端支持構造は、圧電振動素子自体に形状加工を施して二つの厚肉部(上述の凸形状の突起部に対応する)を設けておく。一つは、ランド電極配置側端縁から少し内側(所定距離だけ中央寄り)に設けた第一の凸部であり、もう一つは圧電振動励起用電極(励振電極)回りに設けた第二の凸部である。
そして、第一の凸部を支点として機能させるべく、この第一の凸部を表面実装容器(パッケージベース)に設けられた接続パッド(パッド電極)の内方に位置させるよう圧電振動素子と表面実装容器とを対応させるよう位置合わせした状態で載置し、導電性接着剤を硬化・収縮させることにより前記圧電振動素子のランド電極配置側とは反対側の端部(自由端)を持ち上げられた状態に導通固定することができるので、支点とする凸部の後付追加工程が不要となり、且つ、位置関係のズレの発生を少なくすることができる。
本発明に係る圧電振動子の片端支持構造に用いる圧電振動素子の形態例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明に係る圧電振動子の片端支持構造の実施の形態例を示す圧電振動子断面図である。 本発明に係る圧電振動子の片端支持構造の第2の実施の形態例を示す圧電振動子断面図である。 本発明に係る圧電振動子の片端支持構造の第3の実施の形態例を示す圧電振動子断面図である。 従来の片端支持型圧電振動子の製造方法を説明するための図であり、(a)は水晶振動素子の構成例を示す平面図、(b)は片端支持型水晶振動子の構成例を示す断面図である。 従来の片端支持型圧電振動子の他の実施例を説明するための断面図である。
符号の説明
1・・・水晶振動素子
2・・・水晶振動片
10・・・水晶振動素子
11・・・水晶振動片
12、13・・・励振電極
12a、13a・・・ランド電極
12b、13b・・・リード電極
20・・・パッケージベース
21・・・内部底面
22・・・周壁
23・・・段差部
24・・・パッド電極
30・・・導電性接着剤
40・・・リッド

Claims (6)

  1. 圧電振動片と、前記圧電振動片の両主面に形成された励振電極と、前記圧電振動片の一端近傍に形成されたランド電極と、前記励振電極と前記ランド電極とを接続する為のリード電極と、を備えた圧電振動素子であって、
    前記圧電振動片は、第1の厚肉部と、前記第1の厚肉部よりも厚みの小さい薄肉部と、前記励振電極を有する第2の厚肉部と、を備え、
    前記薄肉部が、前記圧電振動片の一端の前記ランド電極が配置された領域に設けられたものであり、
    前記第1の厚肉部が、前記ランド電極が配置された領域に前記薄肉部と隣接するように設けられたものであることを特徴とする圧電振動素子。
  2. 前記ランド電極の圧電振動片中央寄り近傍に前記第1の厚肉部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子。
  3. 前記第1の厚肉部の厚みと前記第2の厚肉部の厚みとが互いに等しく、前記第1の厚肉部と前記第2の厚肉部とを除く部分がエッチングにより形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動素子。
  4. 前記第1の厚肉部と前記薄肉部とが、前記圧電振動片の一方の主面に形成された凸部、或いは前記圧電振動子の両主面に形成された凸部により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の圧電振動素子。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の圧電振動素子と、
    前記圧電振動素子を収容すると共に内底面に接続パッドを有するパッケージと、を備えた圧電振動子であって、
    前記第1の厚肉部が前記接続パッドの内方寄りに位置するよう、前記圧電振動素子を前記パッケージの内底面に搭載し、前記ランド電極と前記接続パッドとを導電性接着剤により導通固定したことを特徴とする圧電振動子。
  6. 前記パッケージの内底面に、前記圧電振動片の第2の厚肉部に対応する窪みを設けたことを特徴とする請求項5に記載の圧電振動子。
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