JP4396268B2 - 窒化物半導体自立基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体自立基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体発光素子、半導体レーザ、電子デバイス等に好適に用いられる窒化物半導体素子を構成する窒化物半導体の結晶成長のための基体、積層体、自立基板及びそれらの製造方法に関する。特に本発明は、窒化物半導体の結晶体の製造が容易であり、かつ結晶欠陥が低減した窒化物半導体結晶成長用基体、窒化物半導体積層体、窒化物半導体自立基板、及びそれらの製造方法に関する。
近年、光記録等の高密度化、高解像度化のニーズから、短波長の紫外光から青色光までの発光が可能な窒化物半導体が脚光を浴びている。窒化物半導体のバルク結晶成長法は一般に困難であることから、窒化物半導体を製造する出発基板として、従来は窒化物半導体とは異種材料であるサファイア基板が用いられていた。
例えば、サファイア基板上に窒化物半導体のバッファー層を形成させ、その上にSiO2等のマスクを形成させることにより、窒化物半導体結晶中の格子不整合に起因する結晶欠陥を低減させる方法が報告されている。さらに、気相成長法によりGaNを作製する方法も以下に示すように種々提案されている。
例えば、Al23等の基板上にパターニングされたマスクにより成長領域を形成し、この領域上にGaN系半導体のファセット構造を形成させることによって結晶欠陥をファセット面に進行させ、GaN系半導体成長に伴い結晶欠陥を減少させる方法が提案されている(特許文献1)。この成長方法では、上記の工程を繰り返すことにより、さらに結晶欠陥を減少させることができ、GaN系半導体の成長後に、前記基板及びマスクを研磨等により除去できる。
また、例えば、サファイア等の基板上に開口部を有するSiOx等の保護膜を形成し、開口部を熱処理して窒素含有領域を形成させた後、該窒素含有領域を成長起点として窒化物半導体の核を縦方向に形成させ、該窒化物半導体の核から窒化物半導体を横方向に成長させることにより転位を低減させ得る方法が提案されている(特許文献2)。この方法では、研磨やエキシマーレーザー等の照射により基板を除去できる。
さらに、例えば、GaAs基板の上に所定の方向のストライプ状の窓を有するマスクを形成し、GaNのバッファー層を設けた後にGaNをエピタキシャル成長させ、GaAs基板を王水でエッチングすることにより除去する方法も報告されている(特許文献3)。
また、例えば、サファイア基板等の出発基板上に金属膜を堆積させ、その上にパターニングされたマスク材料からなる窒化ガリウムの選択成長領域を形成し、該選択成長領域から窒化ガリウム膜を堆積させて得た積層基板から出発基板をフッ化水素酸や熱硫酸等により除去する方法が提案されている(特許文献4)。
特許3139445号公報(請求項1) 特開2003−77841号公報(請求項1) 特開2000−22212号公報(請求項1) 特開2002−284600号公報(請求項1)
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、基板に反りがある場合にはその除去が難しく、加工途中で基板にクラックが入ったり、また基板が割れてしまったりすることも少なくなかった。特に、サファイア基板をレーザ照射によって除去する特許文献2に記載の技術は、工程が複雑なうえ、歩留まりが悪いといった問題があった。さらに、特許文献3に記載の技術は、王水等による化学エッチングで基板を容易に除去できるが、GaN結晶成長中のGaAs基板の安定性に問題があった。さらに、特許文献4に記載の技術は、金属膜を用いることにより基板と窒化ガリウムの格子定数差や熱膨張係数差に起因する歪みを緩和し、低欠陥密度で反りの少ない窒化ガリウム基板を得ているが、出発基板全面に金属膜を堆積させているため、窒化ガリウム膜と基板を除去するのが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の目的は、低欠陥密度の窒化物半導体結晶成長用基体、窒化物半導体積層体、及び比較的容易に窒化物半導体層と基板とを脱離できる窒化物半導体自立基板を提供することにある。さらに、本発明の第二の目的は、前記低欠陥密度の窒化物半導体結晶成長用基体、窒化物半導体積層体、及び窒化物半導体自立基板の製造方法を提供することにある。
本発明に近い技術として、先に述べた特許文献4(特開2002−284600号公報)に記載された、出発基板上に金属膜を堆積させ、その上にパターニングされたマスク材料からなる窒化ガリウムの選択成長領域を形成させる方法がある。しかし、この方法では、(1)マスク形成時に金属膜が変質する、(2)マスクのパターニングを行い、開口部を形成する際、金属膜が該開口部で剥離する、(3)金属膜がマスクの下に堆積されているため、下地基板を脱離させた場合にマスク材が窒化物半導体基板に残存する、といった問題があった。
本発明者らは、上記問題を解決するために、窒化物半導体結晶の成長過程において欠陥密度を低下させ、かつ窒化物半導体と基板とを容易に脱離可能な結晶成長用基体につき鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の目的は、以下の窒化物半導体結晶成長用基体、窒化物半導体積層体及び窒化物半導体自立基板により達成される。
(1) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板と、該下地基板上に形成された、開口部を有する第一マスクと、該第一マスク上に形成された、挿通孔を有する第二マスクとからなることを特徴とする窒化物半導体結晶成長用基体。
(2) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板と、該下地基板上に形成された、開口部を有する第一マスクと、該第一マスク上に形成された、前記第一マスク材料とは異なる材料からなり、かつ挿通孔を有する第二マスクとからなることを特徴とする窒化物半導体結晶成長用基体。
(3) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板と、該下地基板上に形成された、開口部を有する第一マスクと、該第一マスク上に形成され、かつ前記窒化物半導体の結晶成長時に挿通孔を有する第二マスクとからなることを特徴とする窒化物半導体結晶成長用基体。
(4) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板と、該下地基板上に形成された、開口部を有する第一マスクと、該第一マスク上に形成された、前記第一マスク材料とは異なる材料からなり、かつ前記窒化物半導体の結晶成長時に挿通孔を有する第二マスクからなることを特徴とする窒化物半導体結晶成長用基体。
(5) 前記挿通孔が微細な空隙、ボイド又は亀裂により生じた孔であり、かつ前記第二マスクの挿通孔以外の部分の総面積が前記第一マスクの総面積の少なくとも10%を占める(1)〜(4)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(6) 前記第二マスクの密度と厚さとの積が0.2〜1500ng/mm2である(1)〜(5)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(7) 前記第二マスクの厚さが0.1〜50nmである(1)〜(6)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(8) 前記第二マスクが高融点材からなる(1)〜(7)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(9) 前記高融点材が、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、第II、第IV若しくは第V族元素の酸化物、第II族元素のフッ化物、Al23、In23、GeO2、SnO2、Si、SiO2、SiC、AlF3、LaF3及びカーボンからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物である(8)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(10) 前記高融点金属が、Ti、Fe、Ni、Mn、Cr、Co、Zr、Au、Ag、Cu、Pt、Rh、W、Mo、Be、V、Pd、Ir、Os、Ta、Re、Ru及び希土類金属からなる群から選ばれる一種又はこれらの合金である(9)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(11) 前記第一マスクの開口部の総面積Lに対する前記第一マスクの開口部以外の被覆部の総面積Sの比率(S/L)が1〜400である(1)〜(10)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(12) 前記第一マスクが高融点材からなる(1)〜(11)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(13) 前記高融点材が、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、第II族、第IV族若しくは第V族元素の酸化物、第II族元素のフッ化物、Al23、In23、GeO2、SnO2、Si、SiO2、SiC、AlF3、LaF3及びカーボンからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物である(12)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(14) 前記高融点金属が、Ti、Fe、Ni、Mn、Cr、Co、Zr、Au、Ag、Cu、Pt、Rh、W、Mo、Be、V、Pd、Ir、Os、Ta、Re、Ru及び希土類金属からなる群から選ばれる一種又はこれらの合金である(13)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(15) 前記第一マスクが誘電体からなる(1)〜(11)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(16) 前記誘電体がSiNx、SiO2、TiO2、ZrO2及びAl23からなる群から選ばれる少なくとも一種である(15)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(17) 前記被覆部の形状がストライプ状、格子状及び斑点状からなる群から選ばれる一種である(1)〜(16)に記載の結晶成長用基体。
(18) 前記窒化物半導体結晶が六方晶であり、かつ前記被覆部がストライプ状のパターンであって、該パターンの方向が下地基板の(0001)面上の<1−1 0 0>方向又は<1 1−2 0>方向である(17)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(19) 窒化物半導体結晶が六方晶であり、かつ前記被覆部が下地基板の(0001)面上で互いに60°をなす方向に形成されたパターンからなる(17)又は(18)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(20) 前記窒化物半導体結晶が単結晶である(1)〜(19)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(21) 前記窒化物半導体結晶が六方晶又は立方晶である(1)〜(20)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(22) 前記窒化物半導体結晶が、(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる結晶である(1)〜(21)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(23) 前記下地基板が、サファイア、SiC、Si、MgAl24、LiGaO2、ZnO、ZrB2、YSZ、(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、(AlxGa1-x)yIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1)及びAlxGa1-xAs(0≦x≦1)からなる群から選ばれる少なくとも一種である(1)〜(22)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(24) 前記下地基板がバッファー層を有する(1)〜(23)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(25) 前記バッファー層が(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、第II族元素の酸化物、ZnO、MnO、HgO及びCdOからなる群から選ばれる一種又はこれらの化合物からなる(24)に記載の窒化物半導体結晶成長用基体。
(26) (1)〜(25)のいずれかに記載の窒化物半導体結晶成長用基体上にエピタキシャル成長させた窒化物半導体層を有することを特徴とする窒化物半導体積層体。
(27) (26)に記載の窒化物半導体積層体から第一マスク及び第二マスクが形成された下地基板を脱離した構造を有することを特徴とする窒化物半導体自立基板。
さらに、本発明の第二の目的は、以下に記載する窒化物半導体結晶成長用基体の製造方法、窒化物半導体積層体の製造方法及び窒化物半導体自立基板の製造方法により達成される。
(1) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板上に、開口部を有する第一マスクを形成する工程と、前記第一マスク上に挿通孔を有する第二マスクを形成する工程とを有することを特徴とする窒化物半導体結晶成長用基体の製造方法。
(2) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板上に、開口部を有する第一マスクを形成する工程と、前記第一マスク上に挿通孔を有する第二マスクを形成する工程と、前記挿通孔を介した前記一のマスク表面を成長起点として前記第二マスクの挿通孔から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程を有することを特徴とする窒化物半導体積層体の製造方法。
(3) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板上に、開口部を有する第一マスクを形成する工程と、前記第一マスク上に挿通孔を有する第二マスクを形成する工程と、前記挿通孔を介した前記第一マスク表面を成長起点として前記挿通孔から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程と、前記第一マスク及び第二マスクが形成された下地基板を脱離させる工程を有することを特徴とする窒化物半導体自立基板の製造方法。
(4) 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板の一方の面上に、開口部を有する第一マスクを形成する工程と、前記第一マスク上に挿通孔を有する第二マスクを形成する工程と、前記挿通孔を介した前記第一マスク表面を成長起点として前記挿通孔から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる過程において、前記第一マスク及び第二マスクが形成された下地基板を脱離させる工程を有することを特徴とする窒化物半導体自立基板の製造方法。
(5) 前記第一マスクを形成する工程で形成される第一マスクの開口部以外の被覆部の形状をストライプ状、格子状及び斑点状からなる群から選ばれる少なくとも一種とする(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6) 前記被覆部をストライプ状のパターンとし、かつストライプ方向を前記下地基板の<1−1 0 0>方向又は<1 1−2 0>方向として形成する(5)に記載の製造方法。
(7) 前記被覆部を下地基板の(0001)面上で互いに60°をなす方向に形成されたパターンとして形成する(6)に記載の製造方法。
本発明では、下地基板上に開口部を有する第一マスクと、挿通孔を有する第二マスクとがこの順に形成される。これにより本発明によれば、下地基板から窒化物半導体結晶中に伝播される結晶欠陥を著しく低減できる。したがって、本発明の窒化物半導体結晶成長用基体を用いれば、良質の結晶性を備えた窒化物半導体自立基板を得ることができる。また、本発明によれば、第一マスク及び第二マスクを形成することにより、窒化物半導体結晶と下地基板の接触面積を小さくでき、これらの熱膨張係数の違いによる歪み応力の差を利用して、基板に反りや割れを生じることなく下地基板を容易に脱離させることができる。さらに、本発明によれば、前記特徴を有する窒化物半導体結晶成長用基体、窒化物半導体積層体、窒化物半導体自立基板を比較的少ない工程で簡単かつ確実に製造できる。
以下に本発明の窒化物半導体結晶成長用基体、窒化物半導体積層体、窒化物半導体自立基板、及びそれらの製造方法について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[窒化物半導体結晶成長用基体及びその製造方法]
図1に本発明の窒化物半導体結晶成長用基体の好適な一実施例の概略図を示す。図1に示されるように、本発明の結晶成長用基体1は、窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板11上と、下地基板11上に形成された、開口部13と被覆部14とからなる第一マスク12と、第一マスク12上に形成された、挿通孔16を有する第二マスク15とにより構成されている。
本発明において、窒化物半導体結晶は、窒素を含有する半導体結晶であれば特に制限はない。窒化物半導体結晶として、例えば、GaN、AlN、InxGa1-xN(0≦x≦1、GaxAl1-xN(0≦x≦1)などが挙げられる。窒化物半導体結晶は、単結晶であることが好ましく、六方晶又は立方晶であることがさらに好ましく、特に一般式(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)で表わされる結晶であることが最も好ましい。
下地基板11は、基板単独又は基板上にバッファー層を有する基板であることができる。下地基板は、例えば、従来から知られているサファイアやSiC、Si、ZnO、GaAs、(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、(AlxGa1-x)yIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1)、AlxGa1-xAs(0≦x≦1)、MgAl24、LiGaO2、ZrB2及びYSZ(イットリア安定化ジルコニア)などを用いて形成でき、特にサファイア、SiC、Si、ZnO、GaAs及び(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いて形成することが好ましい。前記基板は、列記した材料の中から同一材料で形成してもよく、あるいは異種の材料を組み合わせて形成してもよい。
下地基板11がバッファー層を有する場合、バッファー層は、成長させる窒化物半導体結晶と格子整合性の良好な材料で構成されていれば特に限定されない。バッファー層の材料として、例えば、(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、第II族元素の酸化物、ZnO、MnO、HgO及びCdOからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物が挙げられ、特にバッファー層は、窒化物半導体結晶の格子定数に近い(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、第II族元素の酸化物、ZnO、MnO、HgO、CdOの群から選ばれる一種又はこれらの化合物で構成されていることが好ましい。
下地基板11の厚みは、用途に応じて適宜決定することができ、例えば、半導体レーザの用途の場合には、100μm以上、好ましくは200μm以上、さらに好ましくは300μm以上であり、上限は2000μm以下、好ましくは800μm、さらに好ましくは600μm以下である。
下地基板11上には第一マスク12が開口部13を有して形成される。本明細書において「第一マスク」とは、窒化物半導体の結晶成長領域を所定の領域に特定するために、下地基板の所定の領域に人為的に設けられた被覆部と、該被覆部及び下地基板で挟まれた部分に形成される開口部とからなる保護材を意味する。第一マスクは、保護材として用いられ、それ自体から窒化物半導体結晶を成長させる目的で用いるものではない。
第一マスク12の材料は、下地基板上に形成でき、かつ窒化物半導体(GaN)の成長温度に耐性を有するという観点から1000℃を超える融点を有する高融点材であることが好ましい。高融点材は、例えば、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、第II、第IV及び第V族元素の酸化物、第II族元素のフッ化物、Al23、In23、GeO2、SnO2、Si、SiO2、SiC、AlF3、LaF3及びカーボンからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物であることが好ましい。特に、高融点金属がTi、Fe、Ni、Mn、Cr、Co、Zr、Au、Ag、Cu、Pt、Rh、W、Mo、Be、V、Pd、Ir、Os、Ta、Re、Ru及び希土類金属のいずれか又はこれらの合金であることがさらに好ましい。
また、第一マスク12の材料は誘電体であることも好ましい。該誘電体としては、例えば、SiNx、SiO2、TiO2、ZrO2及びAl23から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
第一マスク12の被覆部14は、窒化物半導体結晶の成長領域を下地基板11上の所定領域に限定できればどのようなパターン形状を有していてもよい。好ましくは、ストライプ状、格子状及び斑点状のいずれかの形状からなるパターンである。特に窒化物半導体結晶が六方晶である場合、被覆部14がストライプ状のパターンであって、該パターンの方向が下地基板11の(0001)面上の<1−1 0 0>方向又は<1 1−2 0>方向であることが好ましい。ストライプの方向を下地基板11の(0001)面上の<1−100>方向又は<1 1−2 0>方向にすることにより六方晶の結晶成長を形成できる。六方晶の構造が形成される結晶成長の条件はマスク材料によりそれぞれ異なる。GaN結晶層が第二マスク15上に形成される場合に、被覆部14は下地基板11の(0001)面上に<1−1 0 0>方向又は<1 1−2 0>方向のストライプ形状であることが好ましく、特に<1−1 0 0>方向に形成できればストライプ方向に対して垂直に劈開できるためさらに好ましい。
また、被覆部14は、化合物半導体結晶が六方晶である場合、下地基板11の(0001)面上で60°をなす方向に形成されたパターンからなることも好ましい。被覆部14を上記パターンで形成することにより、窒化物半導体結晶を六方晶として成長させることができる。パターンは、下地基板11の(0001)面上で互いに60°をなす方向であれば、特に限定はなく、ストライプ状、格子状及び斑点状のいずれであってもよい。図4に被覆部14のパターンの一例を示す。被覆部14は、図4(a)に示すように、下地基板20の(0001)面上の<1−1 0 0>方向に形成された第一のパターン21と、該第一のパターン21の形成される方向を基準としてそれぞれ60°をなす方向に形成された第二のパターン22及び第三のパターン23とからなる格子構造とすることができる。また、図4(b)に示すように下地基板20の(0001)面上の<1 1−2 0>方向の形成された第一のパターン24と、該第一のパターン24と60°をなす方向に形成された第二のパターン25及び第三のパターン26とにより構成される格子構造とすることができる。
被覆部14の厚さは、特に制限されないが、0.1nm以上であることが適当であり、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。また、被覆部14の厚さの上限は、10μm以下であることが適当であり、500nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることがさらに好ましい。被覆部14の厚さは、下地基板11から窒化物半導体を脱離する場合に重要であるため、厚い方が好ましい。しかし、被覆部を成長する際に高温に加熱するため、あまり厚すぎると熱膨張係数の違いにより被覆部14又は下地基板11が割れてしまう。そこで、被覆部14の厚みは上記0.1nm〜10μmであることが適当である。
第一マスク12の開口部13は、下地基板11と第一マスク12とで挟まれた部分に形成される。開口部13の大きさは、特に限定されず、基体の用途に応じて適宜決定できる。好ましくは、第一マスク12の開口部13の総面積Lに対する開口部以外の第一マスク12(すなわち被覆部14)の総面積(被覆部14の側面も含む)Sの比率(S/L)が1〜400、さらに好ましくは4〜300の範囲とした大きさである。S/Lが1以上であれば、下地基板と窒化物半導体結晶の格子不整合に起因する結晶欠陥が窒化物半導体結晶中に多く伝播することなく、良好な窒化物半導体結晶が得られる。またS/Lが400以下であれば、効果的に窒化物半導体結晶を成長できる。
第一マスク12における開口部13と被覆部14の区別は、例えば、アライナー、ステッパー、光干渉等を用いて容易に行うことができる。
本発明の窒化物半導体結晶成長用基体は、第一マスク12上に第二マスク15を有する。本明細書において、「第二マスク」とは、少なくとも第一マスクの開口部より小さいサイズの挿通孔を有する保護材を意味する。挿通孔は、第二マスク自体が有する微細な空隙であるか、又は外部からの熱や応力に起因するボイドや亀裂等により形成された孔であることが好ましい。第二マスクは、挿通孔を介して第一マスク表面から窒化物半導体結晶を成長させることができる。なお、本明細書において「第一マスク上に第二マスクを有する」とは、第一マスクの被覆部上及びその側面上のみならず、第一マスクの開口部上に第二マスクを有する場合も含まれる。
従来とは異なり、本発明のように第二マスク15を第一マスク12上に形成することにより、第二マスク15上で選択性の高い結晶成長を実現できる。すなわち、本発明の窒化物半導体結晶成長用基体は、下地基板11上に第一マスク12だけでなく、第一マスク12上に第二マスク15をさらに形成することにより、窒化物半導体結晶の初期成長が、第二マスク15の挿通孔16を介して第一マスク12の表面を起点として行われるようになる。その結果、下地基板11の結晶の周期性を第二マスク15上に形成される窒化物半導体層へ伝播可能であると共に、下地基板11と窒化物半導体の格子定数の差に起因する結晶欠陥の伝播を大幅に低減させ、良質な結晶を成長させることができる。また、第二マスク15を形成することにより、成長後の窒化物半導体結晶と下地基板11の接触面積を小さくできるため、結晶成長に伴う窒化物半導体結晶と下地基板11の熱膨張係数差による歪み応力が発生しても、反りや割れを生じることなく、窒化物半導体結晶から下地基板11を容易に脱離させることができる。またマスク層の除去のためにフッ化水素酸等へ浸漬しても、下地基板11を容易に脱離させることができる。
本発明において、第二マスク15は第一マスク12上に形成する。下地基板11上に、第一マスク12と第二マスク15とをこの順に形成することにより、窒化物半導体結晶と下地基板11との接触面積をより少なくでき、熱反応や酸へ浸漬した際に、マスク層を脱離しやすくできる。また、第二マスク15上に第一マスク12を形成した場合の不都合、すなわち下地基板11の脱離後に窒化物半導体に第一マスク12が残存する、あるいは第一マスク12の開口部13の形成時に開口部13の第二マスク15が剥離してしまうなどの欠点がないため好ましい。
第二マスク15の材料は、第一マスク12と同一材料でも異なる材料であってもよいが、好ましくは第一マスク12とは異なる材料である。第二マスク15の材料は、窒化物半導体の成長温度に対する耐性を有する必要があることから、1000℃を超える融点を有する高融点材であることがより好ましく、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、第II、第IV及び第V族元素の酸化物、第II族元素のフッ化物、Al23、In23、GeO2、SnO2、Si、SiO2、SiC、AlF3、LaF3及びカーボンからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物であることがさらに好ましい。特に好ましくは、高融点金属がTi、Fe、Ni、Mn、Cr、Co、Zr、Au、Ag、Cu、Pt、Rh、W、Mo、Be、V、Pd、Ir、Os、Ta、Re、Ru及び希土類金属のいずれか又はこれらの合金である場合である。
第二マスク15は、結晶成長させる窒化物半導体中の結晶欠陥を効果的に低減させ、結晶成長後の窒化物半導体を下地基板11から容易に脱離させるために、例えば、挿通孔16が微細な空隙、ボイド又は亀裂により生じた孔であり、かつ第二マスク15が第一マスク12上に全体に亘って形成され、かつ第二マスク15の挿通孔16以外の部分の総面積を第一マスク12の総面積の10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上とすることが適当である。また、前記第二マスク15の挿通孔16以外の部分の総面積は、100%以下、好ましくは95%以下、さらに好ましくは85%以下とすることが適当である。第二マスク15の総面積が第一マスク12の総面積の10%以上であれば、下地基板11と窒化物半導体の格子定数の差に起因する結晶欠陥の伝播を低減させ、良質な結晶を成長させることができる。
また、第二マスク15は、成長する窒化物半導体結晶中に結晶欠陥が偏在すると窒化物半導体の結晶性が部分的に劣る点と、下地基板11を窒化物半導体結晶から一様に脱離し易くする観点から、第一マスク12上には可能な限り均一に第二マスク15を形成することが望ましい。具体的には、第二マスク15の密度と厚さとの積が0.2g/mm2以上、好ましくは0.4g/mm2以上、さらに好ましくは1.0g/mm2以上とし、1500ng/mm2以下、好ましくは1000ng/mm2以下、さらに好ましくは500ng/mm2以下とすることが望ましい。第二マスク15の密度と厚さとの積が0.2ng/mm2以上であれば、第一マスク12上に第二マスク15を均一に積層させ、窒化物半導体結晶中に伝播する結晶欠陥を著しく低減させることができる。さらに窒化物半導体積層体から下地基板11を容易に脱離させることができる。さらに、窒化物半導体結晶と下地基板11間の歪み応力の影響を少なくし、反りやクラックの発生を抑えることができる。一方、第二マスク15の積層が1500ng/mm2以下であれば、第二マスク15の挿通孔16が塞がれたり、窒化物半導体結晶の成長時における亀裂やボイドの発生が抑制されたりすることもないため、窒化物半導体結晶を効率的に成長させることができる。
第二マスク15の厚さは、0.1nm以上であり、かつ50nm以下、好ましくは30nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。第二マスク15の厚さが0.1nm以上あれば、第一マスク12上に第二マスク15を均一に積層させ、窒化物半導体結晶中に伝播する結晶欠陥を著しく低減させることができ、さらに窒化物半導体積層体から下地基板11を容易に脱離させることができる。また、第二マスク15の厚さが50nm以下であれば、第二マスク15の挿通孔16が塞がれ、又は窒化物半導体結晶の成長時における亀裂やボイドの発生が抑制されることもなく、窒化物半導体を効率的に成長させることができる。
次に本発明の窒化物半導体結晶成長用基体の製造方法について説明する。本発明の窒化物半導体結晶成長用基体1の製造方法は、下地基板11上に、開口部13及び被覆部14とからなる第一マスク12を形成する工程と、第一マスク12上に第一マスクよりも小さいサイズの挿通孔16を有する第二マスク15を形成する工程とを有する。
本発明の製造方法における第一マスク12及び第二マスク15は、例えば、蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法などの各種のCVD法を用いて形成できる。第二マスク15は、挿通孔16を形成するため、第一マスク12上に積層量が0.2〜1500ng/mm2となるように均一に形成することが好ましい。
なお、基板11、第一マスク12、第二マスク15を形成する材料は、本発明の窒化物半導体結晶成長用基体で用いた材料をそのまま用いることができる。
本発明における開口部13は、第一マスク12上の特定領域を除いて物理的・化学的処理を施すことにより形成できる。物理的処理としては、フォトリソグラフィー、蒸着、スパッタリング、干渉露光、X線リソグラフィー、EBリソグラフィーなどが挙げられる。また化学的処理としては、ドライエッチング、ウエットエッチングなどが挙げられる。ドライエッチングには、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)、ICP、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)などが挙げられる。いずれの方法もエッチングガスを適宜選択することにより、開口部を形成するエッチングを行える。
[窒化物半導体積層体及びその製造方法]
次に、本発明の窒化物半導体積層体について説明する。図2に示すように、本発明の窒化物半導体積層体2は、上述した結晶成長用基体1の第二マスク15上に、窒化物半導体をエピタキシャル成長させた窒化物半導体層17からなる。
窒化物半導体層17は、単結晶からなることが好ましく、六方晶又は立方晶の結晶構造であることがさらに好ましい。窒化物半導体結晶は一般式(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)で表わせるが、本発明の窒化物半導体層17は、前記一般式で表わされる同一の組成又は2種以上の異なった組成で形成することもできる。
窒化物半導体積層体2における窒化物半導体層17の厚さは、下限は50μm以上、好ましくは100μm以上、さらに好ましくは200μm以上であり、上限は20mm以下、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mmである。
本発明の窒化物半導体積層体2の製造方法は、下地基板11上に、開口部13と被覆部14とからなる第一マスク12を形成する工程と、第一マスク12上に第一マスク12の開口部13よりも少なくとも小さい挿通孔16を有する第二マスク15を形成する工程と、前記第二マスク15の挿通孔16表面を成長起点として第二マスク15の挿通孔16から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程とを有する。
積層体における第一マスク12、開口部13、第二マスク15及び挿通孔16の形成方法は、窒化物半導体結晶成長用基体と同様の方法を用いることができる。また、窒化物半導体の成長は、特に限定されず、例えば、分子線成長法(MBE)、有機金属化学気相蒸着法(MOCVD法)、ハイドライド気相成長法(HVPE)を用いることができ、特にHVPEが好ましい。エピタキシャル成長法の条件は、各種の方法で用いられる条件を用いることができる。
[窒化物半導体自立基板及びその製造方法]
図3に示すように、本発明の窒化物半導体自立基板3は、前記窒化物半導体積層体2から第一マスク12及び第二マスク15が形成された下地基板11を脱離した構造を有する。本明細書において「自立基板」とは、第一マスク及び第二マスクが形成された下地基板を除去してもそれ自体の結晶結合でその形を保持できる基板をいう。
本発明の窒化物半導体自立基板の製造方法は、下地基板11上に、開口部13及び被覆部14からなる第一マスク12を形成する工程と、第一マスク12上に第一マスク12の開口部13よりも少なくとも小さい挿通孔16を有する第二マスク15を形成する工程と、第二マスク15の挿通孔16を介した第一マスク表面を成長起点として挿通孔16から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程と、第一マスク12及び第二マスク15が形成された下地基板11を脱離させる工程により製造できる。
第一マスク12及び第二マスク15が形成された下地基板11の脱離は、窒化物半導体層17の結晶成長を終えて得られた窒化物半導体積層体2を反応炉から取り出した後、該積層体2が自然冷却される過程において発生する下地基板11と窒化物半導体層17の熱膨張係数の違いによる歪み応力の差を利用して容易に行うことができる。すなわち、窒化物半導体積層体2が自然冷却される過程において、下地基板11と窒化物半導体層17との熱膨張係数の違いにより、第二マスク15と窒化物半導体層17との間、又は第二マスク15と第一マスク12との間で脱離が起こり、第一マスク12及び第二マスク15を含む下地基板11、又は第一マスク12を含む下地基板11と窒化物半導体層17とが分離される。脱離は窒化物半導体層17と第二マスク15との間で起こりやすい。第二マスク15と第一マスク12との間で脱離が起こった場合、第二マスク15が窒化物半導体層17側に付着した状態で分離されるが、第二マスク15も窒化物半導体層17との熱膨張係数に相違があるため、自然冷却過程において窒化物半導体層17から分離されることになる。さらに、下地基板11の脱離は、上記熱膨張係数の違いによる歪み応力の差を利用して行われるが、さらに補助的に熱サイクルをかけるか、エッチング等を行ってもよい。
また、窒化物半導体積層体2からの第一マスク12及び第二マスク15が形成された下地基板11の脱離は、窒化物半導体層17を結晶成長させる工程において(すなわち、結晶成長を終える前)であっても、1000℃以上の成長温度に対する下地基板11と窒化物半導体の熱膨張係数の違いによる歪み応力の差を利用して容易に行うことができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
下地基板として(0001)面サファイア(Al23)基板を用いた。図4に示すように、先ず、このサファイア基板31上に第一マスク32としてSiNx膜をプラズマCVD装置で形成した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより開口部33の幅が2μm、被覆部32’の幅が14μmの<11−20>方向のストライプ状のパターンを形成した。この第一マスク32上に、EB蒸着機を用いて、予め条件設定しておいたTi膜厚と蒸着時間の関係から、第二マスク34(Ti)の厚さが1nmとなるような時間で蒸着を行った。この際、第二マスク34の密度と厚みの積は、2〜6ng/mm2であり、第一マスク32の開口部33の総面積に対する第二マスク34の総面積の比率は100であった。
次に、第二マスク34(Ti)上に、ガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)と、アンモニア(NH3)ガスを反応させ、HVPE法により第二マスク34の挿通孔35表面からGaN結晶を成長させた。HVPE装置内は窒素雰囲気とし、温度を1020℃に設定した後、HClガスを毎分100ml、NH3ガスを毎分1000mlそれぞれ流しながら2時間成長させた後、温度を1050℃に上げ、装置内を水素雰囲気としてさらに2時間成長させた。
その結果、第二マスク34(Ti)の挿通孔35表面からGaN層が(0001)面と(1−100)面、(−1100)面で形成される矩形状に成長し、最終的には(1−100)面と(−1100)面は衝突し、表面が非常に平坦な(0001)面が形成された。その後、GaN層は順調に成長を続け、第二マスク34上に200μm程度の厚さのGaN層が形成された。成長終了後は原料ガスを止め、窒素ガスを流したまま常温まで温度を下げた。
温度を常温まで下げてから装置内の積層体を取り出すと、サファイア基板31及び第一マスクの凸部32’とGaN層36は見事に剥がれていた。また、第二マスク34は、温度を下げている間にGaN層36から剥がれていた。これによりGaN自立基板(36)が得られた。
(実施例2)
下地基板として(0001)面サファイア(Al23)基板を使用した。図5に示すように、下地基板41上にHVPE法により形成した厚さ10μmのGaNバッファー層42を作製した。次に、GaNバッファー層42を有する下地基板41上に第一マスク43としてSiNx膜43をプラズマCVD装置で形成した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより開口部44の幅が2μm、被覆部43’の幅が14μmの<11−20>方向のストライプ状のパターンを形成した。この第一マスク43上に、EB蒸着機を用いて、予め条件設定しておいたTi膜厚と蒸着時間の関係から、第二マスク45(Ti)の厚さが1nmとなるような時間で蒸着を行った。
この際、第二マスク45の密度と厚みの積は2〜6ng/mm2であり、第一マスク43の開口部44の総面積に対する第二マスク45の総面積の比率は100であった。
次に、第二マスク45(Ti)上に、ガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)と、アンモニア(NH3)ガスを反応させ、HVPE法によりGaN結晶を成長させた。HVPE装置内は窒素雰囲気とし、温度を1020℃に設定した後、HClガスを毎分100mlとNH3ガスを毎分1000ml流しながら2時間成長させた後、温度を1050℃に上げ、装置内を水素雰囲気としてさらに2時間成長させた。
その結果、第二マスク45(Ti)の挿通孔46表面からGaN層47が(0001)面と(1−100)面、(−1100)面で形成される矩形状に成長し、最終的には(1−100)面と(−1100)面が衝突し、表面は非常に平坦な(0001)面が形成された。その後、GaN層は順調に成長を続け、第二マスク45上に200μm程度のGaN層が形成された。成長終了後は原料ガスを止め、窒素ガスを流したまま常温まで温度を下げた。
温度を常温まで下げてから装置内の基板を取り出すと、下地基板41、GaNバッファー層42及び第一マスク43とGaN膜とは見事に分離しており、この構造を使用することによりGaN自立基板が得られた。
(比較例1)
下地基板として(0001)面サファイア(Al23)基板を用いた。先ずこのサファイア基板上に第一マスクとしてSiNx膜をプラズマCVD装置で形成した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングにより開口部の幅が2μm、被覆部の幅が14μmの<11−20>方向のストライプ状のパターンを形成させた。
次に、第一マスク(SiNx)上に、ガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)と、アンモニア(NH3)ガスを反応させ、HVPE法によりGaN結晶を成長させた。HVPE装置内は窒素雰囲気とし、温度を1020℃に設定した後、HClガスを毎分100ml、NH3ガスを毎分1000ml流しながら2時間成長させた後、温度を1050℃に上げ、装置内を水素雰囲気としてさらに2時間成長させた。
その結果、第一マスク(SiNx)からGaN膜が(0001)面と(1−100)面、(−1100)面で形成される矩形状に成長し、最終的には(1−100)面と(−1100)面は衝突し、表面は非常に平坦な(0001)面が形成された。その後、GaN膜は順調に成長を続け、基板上に200μm程度のGaN層が形成された。成長終了後は原料ガスを止め、窒素ガスを流したまま常温まで温度を下げた。
温度を常温まで下げてから装置内の基板を取り出し、HF(フッ酸)に約24時間浸漬した。浸漬後、基板を取り出すと、サファイア基板及び第一マスクと、GaN層とを分離できたが、サファイア基板は割れ、それに伴いGaN膜も割れてしまった。
本発明の窒化物半導体結晶用基体は、比較的容易に窒化物半導体と下地基板とを脱離できるため、低欠陥密度の窒化物半導体自立基板の製造に用いることができる。本発明の窒化物半導体用基体、積層体、自立基板及びそれらの製造方法は、半導体発光素子、半導体レーザ、電子デバイス等に好適に用いられる。
本発明の窒化物半導体結晶用基体の好適な一実施例を示す断面説明図である。 本発明の窒化物半導体積層体の好適な一実施例を示す断面説明図である。 本発明の化合物半導体自立基板の好適な一実施例を示す断面説明図である。 被覆部のパターンの一例を示す説明図である。 (a)被覆部のストライプ方向が<1−1 0 0>方向の場合 (b)被覆部のストライプ方向が<1 1−2 0>方向の場合 本発明の化合物半導体自立基板の実施例1における製造工程を示す説明図である。 本発明の化合物半導体自立基板の実施例2における製造工程を示す説明図である。
符号の説明
1 窒化物半導体結晶用基体
2 窒化物半導体積層体
11 下地基板
12 第一マスク
13 開口部
14 被覆部
15 第二マスク
16 挿通孔
17 窒化物半導体層
20 (0001)面サファイア基板
21 第一のパターン
22 第二のパターン
23 第三のパターン
24 第一のパターン
25 第二のパターン
26 第三のパターン
31 (0001)面サファイア基板
32 SiNx
32’ 被覆部
33 開口部
34 Ti膜
35 挿通孔
36 GaN層
41 (0001)面サファイア基板
42 GaNバッファー層
43 SiNx
44 開口部
44’ 被覆部
45 Ti膜
46 挿通孔
47 GaN層

Claims (25)

  1. 窒化物半導体結晶を成長させるための下地基板上に、開口部を有する第一マスクを形成する工程と、前記第一マスク上に挿通孔を有する第二マスクを形成する工程と、前記挿通孔を介した前記第一マスク表面を成長起点として前記挿通孔から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる工程とを有することを特徴とする窒化物半導体積層体の製造方法。
  2. さらに、前記第一マスク及び第二マスクが形成された下地基板を脱離させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法。
  3. 記挿通孔を介した前記第一マスク表面を成長起点として前記挿通孔から窒化物半導体をエピタキシャル成長させる過程において前記第一マスク及び第二マスクが形成された下地基板を脱離させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法。
  4. 前記第二マスクの厚さが0.1〜nmである請求項1〜のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  5. 前記第二マスクが、前記第一マスク材料とは異なる材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  6. 前記挿通孔が微細な空隙、ボイド又は亀裂により生じた孔であり、かつ前記第二マスクの挿通孔以外の部分の総面積が前記第一マスクの総面積の少なくとも10%を占める請求項1〜5のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  7. 前記第二マスクの密度と厚さとの積が0.2〜1500ng/mm2である請求項1〜のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  8. 前記第二マスクが高融点材からなる請求項1〜のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  9. 前記高融点材が、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、第II、第IV若しくは第V族元素の酸化物、第II族元素のフッ化物、Al23、In23、GeO2、SnO2、Si、SiO2、SiC、AlF3、LaF3及びカーボンからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物である請求項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  10. 前記高融点金属が、Ti、Fe、Ni、Mn、Cr、Co、Zr、Au、Ag、Cu、Pt、Rh、W、Mo、Be、V、Pd、Ir、Os、Ta、Re、Ru及び希土類金属からなる群から選ばれる一種又はこれらの合金である請求項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  11. 前記第一マスクの開口部の総面積Lに対する前記第一マスクの開口部以外の被覆部の総面積Sの比率(S/L)が1〜400であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  12. 前記第一マスクが高融点材からなる請求項1〜11のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  13. 前記高融点材が、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、第II族、第IV族若しくは第V族元素の酸化物、第II族元素のフッ化物、Al23、In23、GeO2、SnO2、Si、SiO2、SiC、AlF3、LaF3及びカーボンからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物である請求項12に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  14. 前記高融点金属が、Ti、Fe、Ni、Mn、Cr、Co、Zr、Au、Ag、Cu、Pt、Rh、W、Mo、Be、V、Pd、Ir、Os、Ta、Re、Ru及び希土類金属からなる群から選ばれる一種又はこれらの合金である請求項13に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  15. 前記第一マスクが誘電体からなる請求項1〜11のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  16. 前記誘電体がSiNx、SiO2、TiO2、ZrO2及びAl23からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項15に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  17. 前記第一マスクの開口部以外の被覆部がストライプ状、格子状及び斑点状からなる群から選ばれる少なくとも一種のパターンからなる請求項1〜16のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  18. 前記窒化物半導体結晶が六方晶であり、かつ前記被覆部がストライプ状のパターンであって、該パターンの方向が下地基板の(0001)面上の<1−1 0 0>方向又は<1 1−2 0>方向である請求項17に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  19. 窒化物半導体結晶が六方晶であり、かつ前記被覆部が下地基板の(0001)面上で互いに60°をなす方向に形成されたパターンからなる請求項17又は18に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  20. 前記窒化物半導体結晶が単結晶である請求項1〜17のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  21. 前記窒化物半導体結晶が六方晶又は立方晶である請求項1〜17のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  22. 前記窒化物半導体結晶が(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる結晶である請求項1〜17のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  23. 前記下地基板が、サファイア、SiC、Si、MgAl24、LiGaO2、ZnO、ZrB2、YSZ、(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、(AlxGa1-x)yIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1)及びAlxGa1-xAs(0≦x≦1)からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる請求項1〜22のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  24. 前記下地基板がバッファー層を有する請求項1〜23のいずれか一項に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
  25. 前記バッファー層が(AlxGa1-x)yIn1-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)、第II族元素の酸化物、ZnO、MnO、HgO及びCdOからなる群から選ばれる一種又はこれらの混合物からなる請求項24に記載の窒化物半導体自立基板の製造方法
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