JP4395259B2 - 内燃機関用の弁制御装置 - Google Patents
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Description
従来の技術
本発明は請求項1の上位概念部に記載された形式の内燃機関用の弁制御装置に関する。ドイツ連邦共和国特許出願公開第19511320号明細書に基づいて公知のこのような形式の弁制御装置では、ガス交換弁のピストン状の弁部材が、内燃機関の燃焼室における流入横断面及び流出横断面の開閉を制御する。この場合皿形弁として形成されたガス交換弁は、軸方向シフト可能な弁部材を有しており、この弁部材の弁部材シャフトはピストンロッドを介して、ハイドロリック式に操作可能な調節ピストン(差動ピストン)と連結されており、この調節ピストンを介して個々のガス交換弁は、その他のガス交換弁とは無関係につまり独立して直接操作可能である。ハイドロリック式の調節ピストンはこの場合、公知の弁制御装置では直接、ガス交換弁の弁部材シャフトもしくはピストンロッドに配置されており、そしてガス交換弁部材自体の一部を形成している。調節ピストンは下側のリング端面で、第1のハイドロリック式の作業室を制限し、かつ上側のピストン端面で、第2のハイドロリック式の作業室を制限しており、両作業室はそれぞれ対応する圧力媒体導管を介して、高圧の圧力媒体を充填・放圧可能である。この場合、下側に位置している作業室における液圧である作業圧は、調節ピストンをガス交換弁の閉鎖方向に負荷し、上側に位置している作業室は、調節ピストンをガス交換弁の弁部材の開放方向に負荷する。そして両作業室に高圧を交互に充填することによって、調節ピストンをハイドロリック式につまり液圧によって操作することが可能であり、ひいてはこの調節ピストンと堅く結合された、ガス交換弁の弁部材を開放方向もしくは閉鎖方向に運動させることができる。
【0002】
しかしながらこの公知の弁制御装置には次のような欠点がある。すなわちこの公知の弁制御装置では、調節ピストンをダブルにセンタリングすることに起因する静的な過剰確実性が、調節ピストンにおいて生じてしまう。それというのは、ハイドロリック式の調節ピストンはその外周面において直接案内され、かつその内周面において、該調節ピストンと堅く結合されたピストンロッドを介して弁部材の第2の案内面に沿って案内されているからである。そしてこのようになっていることによって、極めて小さな製作誤差が存在しているだけで、ハイドロリック式の調節ピストンのひっかかりやガス交換弁のロックを生ぜしめるおそれがある。
【0003】
別の公知の弁制御装置では、ハイドロリック式の調節ピストンがねじ山を用いて、ガス交換弁の弁部材シャフトに固定されている。このような構成における別の欠点としては次のことが挙げられる。すなわちこの場合には、ハイドロリック式の調節ピストンから弁部材シャフトへの力伝達がねじ山を介して行われるので、ある領域において大きな切欠き効果を伴うような、交番する動的な大きな引張り負荷と押圧負荷とを生ぜしめてしまい、このような交番負荷もしくは切欠き効果は、当該領域における疲れ破損(Dauerbruch)の原因となり得る。
【0004】
発明の利点
本発明による内燃機関用の弁制御装置には公知のものに比べて次のような利点がある。すなわち本発明による弁制御装置では、ガス交換弁部材を操作するハイドロリック式の差動ピストンが、その両方の案内面の間にもしくはガス交換弁部材の案内面に対して、半径方向の遊びを有している。
【0005】
このことは構造的に有利な形式で、ハイドロリック式の弁操作装置の有利には差動ピストンとして形成されたピストンが2部分から成っていることによって得られ、この場合両方のピストン部分は軸方向において互いに作用結合されていて、軸方向で滑動可能に案内されていて、互いに対して半径方向の遊びを有している。そしてこのようになっていることによって、両ピストン部分は半径方向において互いに相対運動を行うことができ、これによって、製作誤差が存在する場合でも差動ピストンのロックが確実に回避され、ひいては最小の製作誤差を得るために必要な製造手間もしくはコストが減じられる。さらに差動ピストンによって制限されたハイドロリック式の両作業室の確実なシールを保証するために、2部分から成る差動ピストンは次のように、すなわち、直径の大きな第1のピストン部分がその半径方向の外周面で、シール作用をもってシリンダ案内面に沿って滑動し、そしてこの第1のピストン部分が、該第1のピストン部分を軸方向において貫通するガス交換弁部材のピストンロッドに対して半径方向の遊びを有するように、形成されている。本発明では、両ピストン部分は運転時に半径方向において相対運動することができ、この場合互いに向かい合っている軸方向のピストン端面はシール作用をもって互いに接触している。しかしながらまた択一的に、差動ピストンのピストン部分の端面の間に、軸方向のシールエレメント例えばシール円板を設けることも可能である。さらに両ピストン端面の間における確実なシールのために、両端面のうちの1つを球形に形成することが可能である。両方のピストン部分はさらに、軸方向のストッパ面を介してピストンロッドと軸方向において作用結合されており、かつ半径方向の補償運動を相対的に可能にする小さな軸方向遊びを有している。ガス交換弁の弁部材シャフトはこの場合有利には差動ピストンのピストンロッドと一体的に形成されており、かつ有利には案内ブシュ内において軸方向案内され、この案内ブシュの端壁面は同時に下側のハイドロリック式の作業室を制限する。ピストンロッドにおけるストッパ面はこの場合有利には一方ではリング段部面として形成されており、このリング段部面には差動ピストンがその1つの端面で直接接触する。第2のストッパは有利には、ピストンロッドのシャフトに被せ嵌められた別体の部材によって形成されており、この部材は弁くさび体(Ventilkeil)として形成されていて、複数部分から成る成形体によってピストンロッドの回りに接触配置されることができる。このくさび状の部材はその外周部に、差動ピストンに向かって円錐形の横断面拡大部を有しており、この横断面拡大部には相応な円錐リングが軸方向において被せ嵌められる。半径方向で内側に向けられた緊締力はこの場合、ピストンロッドに螺合された緊締ナットを用いてもたらされ、緊締ナットはこの場合、くさび状のストッパ部材を半径方向に緊締しながら、円錐リングを軸方向において緊締する。この場合くさび状のストッパ部材の下端面は、差動ピストンの上側のリング端面と共働するストッパ面を形成する。ピストンロッドのシャフトにおけるくさび状のストッパ部材のポジションを決定するためには、半径方向内側に向かって突出するウェブを弁くさび体に設けると有利であり、この場合ウェブは、ピストンロッドのシャフトにおける対応する溝に係合する。
【0006】
緊締ナットによってもたらされる緊締力における損失を回避するため及びさらに軸方向における遊び補償を可能にするためには、ナットと円錐リングとの間にばねエレメントを設けると有利であり、このばねエレメントは有利にはばね円板もしくは座金又はばねリングとして形成されていて、U字形の輪郭を有することができる。
【0007】
ピストンロッドに上側のストッパを上述のように配置及び固定することによって、直径の大きな差動ピストン部分を、ピストンロッドのシャフトに対する半径方向の遊びをもってかつシール作用をもってシリンダケーシングの内部において案内することができ、直径の小さな差動ピストン部分を、シリンダケーシング壁に対する半径方向の遊びをもってかつシール作用をもってピストンロッドに沿って案内することができる。しかもこの場合差動ピストンに隣接する軸方向の両作業室は、差動ピストン部分の間における軸方向のシール作用によって互いに対して完全にシールされている。そしてこのようになっていることによって、差動ピストンの両ピストン部分は互いに無関係に、極めて狭い嵌合(Passung)もしくは許容誤差をもって案内面において軸方向に案内されることができる。これによって公知の弁制御装置とは異なり、弾性的なシールエレメントの必要性は無くなる。
【0008】
択一的にまた、ピストンロッドの代わりに完全にガス交換弁の弁部材シャフトを使用することも可能である。
【0009】
さらに、個々のピストン部分を別個に案内することによって、これらの部材における個々のシール面の高い相対速度が可能になる。ピストン部分の間における半径方向の遊びによって、高温時においてもなお、両軸方向への確実な力伝達が可能であり、この場合上側のストッパの緊締ナットのねじ山には動的な負荷は導入されない。
【0010】
したがって本発明による弁制御装置によって次のことが可能である。すなわち本発明による弁制御装置では、ハイドロリック式の弁調節体(Ventilsteller)のアクチュエータにガス交換弁部材を組み込むこと及びその際に弁部材シャフトを直接ハイドロリック式の差動ピストンに固定することが可能であり、しかもこの場合この両方の運動させられる部材の間において半径方向の力又はモーメントは伝達されない。
【0011】
この場合本発明は、ガス交換弁部材の開閉運動がハイドロリック式つまり液圧式に行われる弁制御装置について記載されているが、しかしながらまた択一的に、ガス交換弁の弁部材の閉鎖行程運動を、機械式に例えば弁ばねを介して行うことも可能である。
【0012】
さらに、上に述べたハイドロリック式のピストンの実施例では、ハイドロリック式のピストンが、ガス交換弁の弁部材シャフトと一体的に形成されたピストンロッドに直接結合されている。しかしながらまた択一的に、シリンダの外部においてガス交換弁の弁部材シャフトと連結されているピストンロッドに、ハイドロリック式のピストンを固定することも可能である。
【0013】
さらにまた、シール作用をもってピストンロッドに沿って案内される差動ピストン部分を、ピストンロッドと一体的に形成すること、又はこのピストン部分をピストンロッドに押し嵌めることが可能である。
【0014】
本発明のその他の利点及び有利な構成は、その他の記載、図面及び請求項に記載されている。
【0015】
実施例の記載
次に図面に示された本発明による内燃機関用の弁制御装置の1実施例を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
【0016】
図1に簡単化された断面図で示された本発明による内燃機関用の弁制御装置は、ガス交換弁1を有しており、このガス交換弁1のピストン状のガス交換弁部材3は軸方向にシフト可能であり、皿形の弁部材ヘッド7における弁シール面5で、内燃機関のケーシング11における位置固定の弁座9と、内燃機関の燃焼室の流入横断面もしくは流出横断面13を制御するために共働する。ガス交換弁部材3はこの場合弁部材シャフト15を有しており、この弁部材シャフト15は一体的にピストンロッド16に移行しており、このピストンロッドは、ハイドロリック式の調節装置のシリンダケーシング17内に突入している。この場合ピストンロッド16には2部分から成る円筒形の差動ピストン(Differentialkolben)18が配置されており、この差動ピストン18は大径の第1のピストン部分19を備えていて、このピストン部分19の軸方向の貫通開口壁21は、ピストンロッド16に対して半径方向の遊び20を有している。大径の差動ピストン部分19はこの場合、その外周壁面でシール作用をもってかつ滑動可能に、シリンダケーシング17における案内壁面22に沿って案内されており、かつその軸方向の端面でそれぞれシリンダケーシング17内におけるハイドロリック式の作業室に隣接している。この場合ピストン部分19の、燃焼室に近い下側の端面23は、下側のハイドロリック式の作業室25を制限しており、この作業室25はピストンロッド16とピストン部分19との間の遊びを介して、半径方向のリング間隙20内にまで延長され得る。
【0017】
差動ピストン18の第2のピストン部分51は、第1のピストン部分19に比べて小径に形成されている。このピストン部分51はこの場合シール作用をもってピストンロッド16のシャフトに沿って案内されており、かつシリンダケーシング17の案内壁22に対して半径方向の遊びを有している。この場合ピストン部分19,51はその互いに向かい合っている端面で互いにシール作用をもって接触しており、しかもこの場合ピストン部分19,51相互の半径方向における相対運動が可能である。差動ピストン18は、ガス交換弁1とは反対側の端面27で、シリンダケーシング17内における別の上側のハイドロリック式の作業室29を制限している。
【0018】
この場合作業室25,29は圧力媒体導管31,33を介して液体である作業媒体を充填可能及び放圧可能であり、この場合圧力媒体導管の開口は図示の実施例では、図示されていない形式で、各1つの制御弁有利には電磁弁を用いて、制御装置に関連して開閉制御可能である。
【0019】
弁部材シャフト15もしくはピストンロッド16は、シリンダケーシング17への入口において案内スリーブ35を用いてシール作用をもって軸方向において案内されており、この場合外周部でシール作用をもってシリンダケーシング17内に挿入されている案内スリーブ35は、シリンダケーシング17内に突入しているその上側の端壁面37で下側の作業室25を、差動ピストン18とは反対側の端部において制限している。上側の作業室29は差動ピストン18とは反対側の端部において、シリンダケーシング17の端壁によって閉鎖されている。
【0020】
ピストンロッド16はその周面に2つのストッパを有しており、この両ストッパには差動ピストン18がその端面23,27で軸方向における両調節方向において接触することができる。
【0021】
この場合下側の段部39はピストンロッド16における第1のストッパ面を形成しており、この段部39は、燃焼室とは反対側の端部に向かってピストンロッド16のシャフト横断面を減じることによって形成されている。この段部39には大径の差動ピストン部分19がその下側のピストン端面23で、下側の作業室23において高圧が存在していない場合にのみ、接触する。そうでない場合には、ピストン部分19は、下側の作業室25における高圧によって上側のストッパにおける接触状態に保たれ、その結果ピストンロッド16における段部面39とピストン部分19における下側のピストン端面23との間には、わずかな軸方向遊びが残っており、この軸方向遊びを介して圧力媒体はリング間隙20内に流入することができ、かつこの軸方向遊びによってピストンロッド16と差動ピストン18とが軸方向において相対運動することができる。この遊びはこの場合、系の静的な過剰確実性(statische Ueberbestimmtheit)を回避するために必要である。それというのは、ガス交換弁部材3の閉鎖行程運動は弁座面9における接触時にセンタリング作用によって制限されるからである。
【0022】
ピストンロッド16の、燃焼室から離れていて差動ピストン18から突出している上端部には、弁くさび体41がピストンロッド16のシャフトに配置されている。このくさび体41はこの場合リング状に形成されていて、有利には2つの半割シェルから形成され、両半割シェルはその円筒形の内壁面でピストンロッドシャフト16にぴったりと接触している。このくさび体の外壁面はこの場合円錐形に形成されており、この場合くさび体41の壁厚は差動ピストン18に向かって均一に増大する。さらにくさび体41はその内壁面にリングウェブ43を有しており、このリングウェブ43は、ピストンロッド16の周壁における対応するリング溝45に突入している。くさび体41の、斜めに延びている半径方向外側の周壁には、円錐リング47が軸方向に被せ嵌められており、この円錐リングの内壁直径は、くさび体41の円錐角に対して相補するような角度で円錐形に、差動ピストン18に向かって減少している。円錐リング47は緊締ナット49を用いて軸方向でくさび体41に押し嵌められ、そのために緊締ナット49は、ピストンロッド16の上端部に設けられたねじ山53に螺合される。
【0023】
これによってくさび体41は半径方向でピストンロッド16のシャフトに緊締され、その結果いまや差動ピストン18からピストンロッド16への、さらにガス交換弁部材3への力伝達は、くさび体41を介して行われ、ねじ山53が交番する力導入による負荷にさらされることは阻止される。択一的に、円錐リング47と緊締ナット49との間にばね円板もしくは座金(図示せず)を介在させることによって、構成部材において生じるずれ現象を補償することができ、かつ軸方向の結合部において必要なプレロード(Vorspannung)を維持することができる。
【0024】
この場合、くさび体41の、差動ピストン18に向けられた下側のリング端面は、ピストンロッド16における第2のストッパ面を形成し、この第2のストッパ面には差動ピストン18の第2のピストン部分51が接触する。
【0025】
上側の作業室29と下側の作業室25との間におけるシールは、シール作用をもってピストンロッド16に配置されている小さなピストン部分51の半径方向における内壁面と、両ピストン部分51,19の端面の間におけるシール作用をもった接触と、大きなピストン部分19とシリンダケーシング17の案内壁22との間の半径方向における外壁案内とを介して行われる。外方に向かって下側の作業室25をシールするために、さらに案内スリーブ35とピストンロッド16のシャフトとの間にはシールリングが設けられていてもよく、このようになっていると、ピストンロッド16と案内スリーブ35との間における遊びを可能にすることができる。
【0026】
ピストンロッド16と差動ピストン18もしくは弁部材シャフト15の軸方向案内は、この場合単にピストンロッド16及び差動ピストン部分19の周面を介して行われ、そして差動ピストン18の両ピストン部分51,19は半径方向において互いに相対運動を実施することができ、このことによって、製作誤差が存在する場合にも、シリンダケーシング17における差動ピストン18のひっかかりを確実に回避することができる。
【0027】
内燃機関用の本発明による弁制御装置は以下のように働く。休止状態つまり弁部材3が弁座9に接触している場合には、下側の作業室25における液圧が上側の作業室29における液圧つまり作業圧を上回り、その結果差動ピストン18は上側の作業室29に向かって負荷され、そしてガス交換弁部材3はその閉鎖位置において固定される。ガス交換弁1の開放動作を行いたい場合には、下側の作業室25が、図示されていない制御弁と圧力媒体導管31とを介して圧力負荷され(又は択一的に等しい圧力レベルに保たれ)、かつ同時に上側の作業室29が圧力媒体導管33を介して高圧の圧力媒体を充填され、その結果上側の作業室29において差動ピストン18に作用する調節力が、下側の作業室25において差動ピストン18に作用する調節力を上回る。それというのは、上側の作業室29における差動ピストン18の全圧力作用面つまり受圧面は、下側の作業室25におけるよりも大きいからである。その結果上側の作業室29における高圧は、差動ピストン18を下側の作業室25に向かってシフトさせ、この際に、ピストンロッド16を介して差動ピストン18と堅固に結合されているガス交換弁部材3,15もまた、燃焼室に向かって移動させられる。そして弁部材3の弁シール面5は弁座9から離れて、内燃機関の図示されていない燃焼室への供給通路の流入横断面もしくは流出横断面を開放する。弁部材3の閉鎖行程運動は、新たに上側の作業室29を放圧すること及び下側の作業室25を圧力で満たすことによって行われ、その結果差動ピストン18ひいてはガス交換弁部材3が新たに上側の作業室29に向かってシフトされ、このシフト運動は、弁部材3の弁シール面5が再びシール作用をもって弁座9に接触するまで、続く。この場合作業室25,29を交互に充填・放圧することは、圧力媒体導管31,33における電磁弁を介して行われ、これらの電磁弁は、内燃機関の運転パラメータに関連して、図示されていない制御装置を介して制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による弁制御装置を、弁頭を備えたガス交換弁部材の下端部及び内燃機関の燃焼室における対応する弁座と共に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ガス交換弁、3 ガス交換弁部材、5 弁シール面、7 弁部材ヘッド、9 弁座、11 ケーシング、13 流入横断面もしくは流出横断面、15 弁部材シャフト、16 ピストンロッド、17 シリンダケーシング、18 差動ピストン、19 ピストン部分、20 遊び、21 貫通開口壁、22 案内壁、23 端面、25 作業室、27 端面、29 作業室、31,33 圧力媒体導管、35 案内スリーブ、37 端壁面、39 段部、41 くさび体、43 リングウェブ、45 リング溝、47 円錐リング、49 緊締ナット、51 ピストン部分、53 ねじ山
Claims (13)
- 内燃機関用の弁制御装置であって、内燃機関の燃焼室における流入横断面及び/又は流出横断面(13)を制御するためのガス交換弁(1)が設けられており、このガス交換弁(1)が軸方向シフト可能なガス交換弁部材(3)を有しており、該ガス交換弁部材(3)の弁部材シャフト(15)が、有利には該部材シャフト(15)と一体的に形成されたピストンロッド(16)を介して、ハイドロリック式に操作可能な差動ピストン(18)と連結されている形式のものにおいて、差動ピストン(18)が2部分から形成されており、この場合両ピストン部分が互いに次のように、すなわち両ピストン部分が軸方向においては互いに作用結合されていて、かつ互いに半径方向における相対運動を実施できるように、配置されており、直径の大きなピストン部分(19)がその半径方向外側の外周面で、差動ピストン(18)の第1の案内面を形成していて、該第1の案内面がシール作用をもってシリンダケーシング(17)の案内壁(22)に沿って滑動可能に案内されており、直径の小さな別のピストン部分(51)がその半径方向内側の内壁面で、差動ピストン(18)の第2の案内面を形成していて、該第2の案内面がシール作用をもってピストンロッド(16)に沿って案内されており、しかも両ピストン部分(19,51)が互いに半径方向において相対運動可能であることを特徴とする、内燃機関用の弁制御装置。
- 両ピストン部分(19,51)が互いに向かい合っている端面で、互いにシール作用をもって接触している、請求項1記載の弁制御装置。
- 直径の大きなピストン部分(19)が、該ピストン部分(19)を貫通するピストンロッド(16)に対して半径方向の遊び(20)を有していて、直径の小さなピストン部分(51)がシリンダ壁(22)に対して半径方向の遊びを有している、請求項1記載の弁制御装置。
- 差動ピストン(18)がシリンダケーシング(17)内において2つのハイドロリック式の作業室を制限しており、両作業室がそれぞれ圧力媒体導管を介して圧力媒体を充填・放圧可能である、請求項1記載の弁制御装置。
- 直径の大きな差動ピストン部分(19)の、燃焼室に近い下側の端面(23)が、下側の作業室(25)を制限しており、該作業室(25)の内部における液圧が、差動ピストン(18)をガス交換弁(3)の閉鎖方向に負荷する、請求項4記載の弁制御装置。
- 差動ピストン(18)の、燃焼室から離れている上側の端面(27)が、上側の作業室(29)を制限しており、該作業室(29)の内部における液圧が、差動ピストン(18)をガス交換弁(3)の開放方向に負荷する、請求項4記載の弁制御装置。
- ピストンロッド(16)に段部(39)が設けられており、該段部(39)と、直径の大きな差動ピストン部分(19)の、燃焼室に近い下側の端面(23)が共働する、請求項1記載の弁制御装置。
- ピストンロッド(16)が、燃焼室から離れていて差動ピストン(18)から突出している端部に、ストッパを有しており、該ストッパが差動ピストン(18)の、燃焼室から離れている上側の端面(27)と共働し、ストッパが、ピストンロッド(16)に被せ嵌められた部材に設けられている、請求項1記載の弁制御装置。
- ストッパを形成する部材が、少なくとも1つのくさび体(41)によって形成されており、該くさび体(41)がピストンロッド(16)を少なくとも部分的に取り囲んでいて、くさび体(41)の、半径方向内側に向けられた内壁面が、ピストンシャフト(16)に接触しており、くさび体(41)の、半径方向外側に向けられた外壁面が円錐形に延びていて、くさび体(41)の壁直径が大径の差動ピストン部分(19)に向かって増大している、請求項1記載の弁制御装置。
- 有利には2つの半割シェル形のくさび体(41)が設けられており、両くさび体(41)がその外周壁において半径方向で円錐リング(47)によって取り囲まれ、該円錐リング(47)の内側横断面が、くさび体(41)の円錐角に対して相補するような角度で円錐形に、大きな差動ピストン部分(19)に向かって減少しており、円錐リング(47)が、ピストンシャフト(16)に螺合された緊締ナット(49)を用いて軸方向でくさび体(41)に緊締される、請求項9記載の弁制御装置。
- くさび体(41)の内壁面に、半径方向内側に向かって突出するウェブ(43)が配置されており、該ウェブがピストンシャフト(16)における対応する溝(45)に係合している、請求項9記載の弁制御装置。
- ストッパ面が、直径の大きな差動ピストン部分(19)に向けられた、くさび体(41)の下側の端面に、形成されている、請求項9記載の弁制御装置。
- 燃焼室に近い下側の作業室(25)が、差動ピストン(18)とは反対側の端部において、案内スリーブ(35)によって制限されており、該案内スリーブ(35)を貫いてピストンロッド(16)が外方に向かって突出している、請求項5記載の弁制御装置。
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