JP4395181B2 - 塗装機洗浄液回収装置 - Google Patents
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Description
本体514の先端部には、塗料噴射口514a、霧化エア噴射口514b・514b、シェーピングエア噴射口514c・514cが形成される。
シェーピングエア噴射口514c・514cから噴射される圧縮空気を噴射方向に吹き飛ばされる霧化状態の液体塗料の流れに吹き付けることにより、塗装パターンの形状を略楕円形に整える。
その結果、洗浄液の一部が容器521の内部で跳ね上がり、跳ね上がった洗浄液が容器521の底面から内側面に沿って上部の開口部へと至る容器521の内部の空気の流れに乗って容器521の外部に流出し、容器521に回収される洗浄液の量が減少する、すなわち洗浄液の回収率が低下する。
従って、容器521の外部に流出する洗浄液には、有機溶剤等のVOC(Volatile Organic Compounds)が含まれることとなる。
VOCは浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因となることから大気への放出をすることが望ましくないものである。そのため、通常は塗装機が設けられている塗装ブースや塗装工程に設けられた空調設備、あるいは排ガス処理設備等によりVOCを除去することとなるが、洗浄液の回収率が低下すると、その分だけこれらの空調設備および排ガス処理設備等への負担が大きくなる。
本体614は、本体基部615、回転霧化頭616を具備する。
本体基部615は本体614の主たる構造体であり、その基部はロボットアームの先端部等に固定される。本体基部615の内部には液体塗料の搬送経路や圧縮空気の経路が形成され、回転霧化頭616を回転駆動するモータが設けられる。
回転霧化頭616は本体614の先端部を成す部材であり、本体基部615の先端部に配置される。回転霧化頭616は本体基部615に設けられたモータの回転軸に固定され、当該モータの駆動により回転する。
塗料噴射口616a・616a・・・は塗装機における液体塗料の搬送経路の終端部を成す。塗料噴射口616a・616a・・・から液体塗料が外部に向けて噴射される。
塗装時に回転霧化頭616を回転させることにより、塗料噴射口616a・616a・・・から噴射される液体塗料に遠心力を作用させ、液体塗料を霧化する(微粒子化する)とともに回転霧化頭616の回転軸(モータの駆動軸)の半径方向に飛ばす。
シェーピングエア噴射口615a・615a・・・から噴射される圧縮空気を回転霧化頭616の半径方向に飛ばされる霧化状態の液体塗料の流れに吹き付けることにより、当該液体塗料の飛ぶ方向を曲げ、霧化状態の液体塗料を所定の噴射方向(通常は回転霧化頭616の回転軸の軸線方向)に飛ばす。
また、上記従来の回転霧化式塗装機の液体塗料の搬送経路の洗浄方法は、容器621の内側面で跳ね返った洗浄液が上面621aの内側に滴状に付着し、これが本体614の表面に滴下して付着するという問題がある。
本体614の表面に付着した洗浄液には先の塗装に用いられた液体塗料が混入していることから、次の塗装時に塗装の対象物の塗装面を汚染し、塗装面の品質低下の原因となる恐れがある。
塗装機における液体塗料の搬送経路を洗浄した後、前記液体塗料の搬送経路の終端であり前記塗装機の塗料噴射口から噴射される洗浄液を回収する塗装機洗浄液回収装置であって、前記洗浄液の噴射位置に配置された塗装機に対向する位置に設けられるフィルタを有し、前記塗装機の塗料噴射口から噴射される洗浄液を前記フィルタで受けてその流れを緩和する緩和部と、前記洗浄液の噴射位置に配置された塗装機に対向するとともに前記緩和部を挟んで前記塗装機の反対側となる位置に設けられる容器を有し、前記緩和部を通過した洗浄液を受け止めて回収する液体回収部とを具備し、前記緩和部のフィルタにおける前記洗浄液を受ける面は、前記洗浄液の噴射方向に対して直角となる状態から所定の傾斜角だけ傾斜しており、前記液体回収部は、前記洗浄液の噴射方向に対して直角となる状態から所定の傾斜角だけ傾斜し、前記緩和部を通過してきた洗浄液を受け止める受け面を有するとともに、前記受け面に沿って洗浄液をフローする洗浄液フロー機構を有し、前記緩和部のフィルタにおける前記洗浄液を受ける面と、前記液体回収部とは、同じ方向に傾斜しているものである。
前記緩和部のフィルタは金属材料からなる網であるものである。
前記洗浄液フロー機構は、前記受け面の下部に貯溜された洗浄液を前記受け面の上部に搬送する搬送ポンプを備えるものである。
前記緩和部は、平面視で前記液体回収部に収まる範囲に配置されるものである。
塗装機1は主としてカラーチェンジバルブユニット10、第一塗料タンク21、第二塗料タンク22、第三塗料タンク23、第四塗料タンク24、洗浄液タンク25、圧縮エア供給配管26、第一ポンプ31、第二ポンプ32、第三ポンプ33、第四ポンプ34、第
五ポンプ35、塗料配管40、本体50、回収装置100等を具備する。
6、ヘッダー17を具備する。
「液体塗料」は液体状の、すなわちある程度の流動性を有する塗料である。
液体塗料には水性の液体塗料(溶媒の主成分が水である液体塗料)、油性の液体塗料(溶媒の主成分が有機溶剤である液体塗料)が含まれる。また、液体塗料には二液混合型の塗料も含まれる。
第一切り替えバルブ11、第二切り替えバルブ12、第三切り替えバルブ13、第四切り替えバルブ14、および第五切り替えバルブ15は、いずれも、(a)吐出側出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態(戻り側出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態)と、(b)戻り側出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態(吐出側出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態)と、を切り替えることが可能である。
ヘッダー17の六つの入力ポートには、それぞれ第一切り替えバルブ11の吐出側出力ポート、第二切り替えバルブ12の吐出側出力ポート、第三切り替えバルブ13の吐出側出力ポート、第四切り替えバルブ14の吐出側出力ポート、第五切り替えバルブ15の吐出側出力ポート、第六切り替えバルブ16の出力ポートが連通接続される。
圧送配管21aの一端は液体塗料が貯溜される第一塗料タンク21の内部空間の底部と連通接続され、圧送配管21aの他端は第一切り替えバルブ11の入力ポートに連通接続される。
戻り配管21bの一端は第一切り替えバルブ11の戻り側出力ポートに連通接続され、戻り配管21bの他端は第一塗料タンク21の内部空間に連通接続される。
同様に、第二塗料タンク22は圧送配管22aおよび戻り配管22bを有し、第三塗料タンク23は圧送配管23aおよび戻り配管23bを有し、第四塗料タンク24は圧送配管24aおよび戻り配管24bを有する。これらの圧送配管および戻り配管の構成はそれぞれ圧送配管21aおよび戻り配管21bと略同じであることから説明を省略する。
「洗浄液」は第一塗料タンク21、第二塗料タンク22、第三塗料タンク23、および第四塗料タンク24に貯溜される液体塗料、すなわち塗装機1により用いられる液体塗料の種類や性質に応じて適宜選択される液体である。洗浄液は、液体塗料が水性である場合には水を含む液体であり、液体塗料が油性である場合には当該油性の液体塗料を希釈し得る有機溶剤を含む液体である。
圧送配管25aの一端は液体塗料が貯溜される第五塗料タンク25の内部空間の底部と連通接続され、圧送配管25aの他端は第五切り替えバルブ15の入力ポートに連通接続される。
戻り配管25bの一端は第五切り替えバルブ15の戻り側出力ポートに連通接続され、戻り配管25bの他端は洗浄液タンク25の内部空間に連通接続される。
第二ポンプ32は圧送配管22aの中途部に設けられるポンプであり、第二塗料タンク22に貯溜される液体塗料を圧送配管22aを介して第二切り替えバルブ12に圧送する。
第三ポンプ33は圧送配管23aの中途部に設けられるポンプであり、第三塗料タンク23に貯溜される液体塗料を圧送配管23aを介して第三切り替えバルブ13に圧送する。
第四ポンプ34は圧送配管24aの中途部に設けられるポンプであり、第四塗料タンク24に貯溜される液体塗料を圧送配管24aを介して第四切り替えバルブ14に圧送する。
第五ポンプ35は圧送配管25aの中途部に設けられるポンプであり、洗浄液タンク25に貯溜される洗浄液を圧送配管25aを介して第五切り替えバルブ15に圧送する。
本体50の先端部には、塗料噴射口50a、霧化エア噴射口50b・50b、シェーピングエア噴射口50c・50cが形成される。
経路51は本実施例における液体塗料の搬送経路の一部を成す。経路51の一端は本体50の基部側に開口し、塗料配管40の他端に連通接続される。経路51の他端は本体50の先端部にて開口し、塗料噴射口50aを成す。
塗料噴射口50aは本発明に係る塗料噴射口の実施の一形態であり、塗装機1により用いられる液体塗料を外部に噴射するための開口である。塗料噴射口50aは塗装機1における液体塗料の搬送経路の終端を成す。
霧化エア噴射口50b・50bは塗料噴射口50aの近傍に配置される。
シェーピングエア噴射口50c・50cは塗料噴射口50aおよび霧化エア噴射口50b・50bの周囲に形成された突起部分に配置される。
塗装を行う前は、第一ポンプ31、第二ポンプ32、第三ポンプ33、第四ポンプ34、第五ポンプが駆動しており、かつ第一切り替えバルブ11、第二切り替えバルブ12、第三切り替えバルブ13、および第四切り替えバルブ14はいずれも(b)戻り出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態(吐出側出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態)となっている。
従って、第一塗料タンク21に貯溜された液体塗料は、圧送配管21a、第一切り替えバルブ11および戻り配管21bからなる循環経路を経て再び第一塗料タンク21に戻される。第二塗料タンク22、第三塗料タンク23、第四塗料タンク24にそれぞれ貯溜された液体塗料、および洗浄液タンク25に貯溜された洗浄液も同様である。
また、第六切り替えバルブ16は(β)出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態である。
さらに、霧化エア噴射口50b・50bおよびシェーピングエア噴射口50c・50cからは圧縮空気の噴射は停止している。
(2)次に、霧化エア噴射口50b・50bおよびシェーピングエア噴射口50c・50cから所定の流量の圧縮空気を噴射する。
(3)続いて、第一切り替えバルブを(a)吐出側出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態(戻り側出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態)に切り替える。第一塗料タンク21に貯溜された液体塗料は、圧送配管21a、第一切り替えバルブ11、ヘッダー17、塗料配管40を経て本体50に供給され、次いで経路51を経て塗料噴射口50aから外部に噴射される。
また、塗料噴射口50aから外部に噴射され、所定の噴射方向に吹き飛ばされる霧化状態の液体塗料の流れにはシェーピングエア噴射口50c・50cから噴射される圧縮空気が吹き付けられ、霧化状態の液体塗料は塗装パターンの形状が略楕円形に整えられた状態で塗装の対象物の表面に付着する。
回収装置100は塗装機1における液体塗料の搬送経路を洗浄した後、当該搬送経路の終端であり本体50に形成された塗料噴射口50aから噴射される洗浄液を回収するものである。
本実施例の緩和部110は金属材料からなる網であり、これをフィルタとして用いている。フィルタを金属材料からなる網とすることにより、洗浄液が緩和部に吸着されて洗浄液の回収率が低下するといった事態を防止することが可能である。
ここで、「洗浄液の噴射位置」は塗装機における液体塗料の搬送経路を洗浄する時に塗装機のノズルが配置される位置を指し、通常はノズルが固定されたロボットアーム等の可動域の範囲内に設定される。従って、「洗浄液の噴射位置」は、通常は塗装機が設けられる塗装ブースの内部等に設定されることとなる。
また、「ノズルに対向する位置」は、ノズルに形成された塗料噴射口から噴射される洗浄液を受け得る位置を指す。
本実施例では本体50を洗浄液の噴射位置において洗浄液の噴射方向が下向きとなるように配置するとともに本体50の下方に緩和部110を配置する構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば塗装機のノズルを横向きや斜め下向きに配置し、当該ノズルから噴射される洗浄液を受け得る位置に緩和部を配置する構成としても良い。
ここで、「洗浄液が緩和部を通過する」とは、洗浄液が緩和部のフィルタによって勢いを弱められつつフィルタのメッシュを通ること、および洗浄液が緩和部のフィルタに一時的に付着し、その後滴下することを含む。
容器121は洗浄液の噴射位置に配置された本体50に対向するとともに緩和部110を挟んで本体50の反対側となる位置に設けられる。
このように本体50、緩和部110および液体回収部120を配置することにより、緩和部110を通過してきた洗浄液を更に液体回収部120の受け面(容器121の底面121a)で確実に受け止めて回収することが可能であり、洗浄液の回収率の向上に寄与する。
このように構成することにより、緩和部110に一時的に付着し、その後滴下する洗浄液を液体回収部120に効率良く回収することが可能であり、洗浄液の回収率向上に寄与する。
なお、本実施例では液体回収部120の容器121の内部に緩和部110を収容する構成としたが、本発明はこれに限定されず、緩和部を液体回収部の外部(例えば、液体回収部の容器の上面開口部の上方)に配置する構成としても良い。
上記洗浄手順は、塗装機1において塗装に用いる液体塗料の種類を切り替える場合や、塗装作業を終了する場合に行われる。
(2)次に、ロボットアームを動作させ、当該ロボットアームの先端部に固定された本体50を所定の洗浄位置に配置する。
(3)続いて、第五切り替えバルブを(a)吐出側出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態(戻り側出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態)とするとともに第六切り替えバルブ16を(β)出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態とする状態、および、第五切り替えバルブを(b)戻り側出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態(吐出側出力ポートと入力ポートとの間が遮断された状態)とするとともに第六切り替えバルブ16を(α)出力ポートと入力ポートとの間が連通接続された状態とする状態、を交互に切り替え、液体塗料の搬送経路に洗浄液と圧縮空気とを交互に供給する。
すなわち、第五切り替えバルブ15、洗浄液タンク25および第五ポンプ35は塗装機1における液体塗料の搬送経路に洗浄液を供給する洗浄液供給装置60としての機能を果たし、第六切り替えバルブ16および圧縮エア供給配管26は塗装機1における液体塗料の搬送経路に圧縮空気(気体)を供給する圧縮気体供給装置70としての機能を果たす。
緩和部110を通過した洗浄液および圧縮空気の流れは液体回収部120の容器121の底面121aに衝突する。このとき、緩和部110により洗浄液および圧縮空気の流れはその勢いが弱まっているため、洗浄液および圧縮空気の流れのうち液体である洗浄液については底面121aに受け止められて容器121の内部に回収され、圧縮空気については容器121の底面121aから内側面に沿って移動し、容器121の外部(上方)に排気される。
塗装機1における液体塗料の搬送経路を洗浄した後、液体塗料の搬送経路の終端であり塗装機1の(本体50に形成された)塗料噴射口50aから噴射される洗浄液を回収する塗装機洗浄液回収装置であって、
洗浄液の噴射位置に配置された塗装機1(本体50)に対向する位置に設けられるフィルタを有し、塗装機1の(本体50に形成された)塗料噴射口50aから噴射される洗浄液をフィルタで受けてその流れを緩和する緩和部110と、
洗浄液の噴射位置に配置された塗装機1(本体50)に対向するとともに緩和部110を挟んで塗装機1(本体50)の反対側となる位置に設けられる容器121を有し、緩和部110を通過した洗浄液を受け止めて回収する液体回収部120と、
を具備するものである。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、塗装機1の(本体50に形成された)塗料噴射口50aから噴射される洗浄液および圧縮空気の流れを先に緩和部110で受け、その勢いを弱めてから液体回収部120で受け止めることにより液体である洗浄液を回収するので、洗浄液が容器121の内部で跳ね上がり、圧縮空気の流れに乗って容器121の外部に流出することを抑制することが可能である。結果として、洗浄液を効率良く回収することが可能である。
このように構成することにより、緩和部のフィルタにおける洗浄液を受ける面が洗浄液の噴射方向に対して直角となる(傾斜しない)場合よりもフィルタによる洗浄液および圧縮空気の流れの勢いをより効率良く緩和することが可能であり、ひいては洗浄液の回収率の向上に寄与する。
換言すれば、(A)緩和部のフィルタにおける洗浄液を受ける面を洗浄液の噴射方向に対して直角とした場合(洗浄液の噴射方向に対して傾斜しない場合)に比べてフィルタの厚みが薄くても同等の回収率を達成可能であるため、回収装置100の小型化および簡素化に寄与する。さらに、(B)緩和部のフィルタにおける洗浄液を受ける面を洗浄液の噴射方向に対して直角とした場合(洗浄液の噴射方向に対して傾斜しない場合)に比べてフィルタのメッシュを粗くしても同等の回収率を達成可能であるため、回収装置100のコスト削減に寄与する。
また、緩和部110のフィルタにおける洗浄液を受ける面を洗浄液の噴射方向に対して傾斜させることにより、緩和部110に付着した洗浄液は緩和部110をつたって緩和部110の最下部に移動し、そこから滴下して液体回収部120に回収されることから、洗浄液の回収率向上に寄与する。
なお、傾斜角θ1の大きさは洗浄液の勢いやフィルタの網目(メッシュ)の大きさ等に応じ、実験結果等に基づいて適宜選択することが望ましい。
このように構成することにより、洗浄液が緩和部に吸着されて洗浄液の回収率が低下するといった事態を防止することが可能である。
平面視で液体回収部120に収まる範囲に配置されるものである。
このように構成することにより、緩和部110に一時的に付着し、その後滴下する洗浄液を液体回収部120に回収することが可能であり、洗浄液の回収率向上に寄与する。
従って、スプレー式の塗装機および回転霧化式の塗装機とが混在する工程への導入時に塗装機洗浄液回収装置の共有化を図る(本体の形式が異なる複数の塗装機間で同一の塗装機洗浄液回収装置を使用する)ことが可能であり、省スペース化、工程の簡素化に寄与する。
なお、本発明に係る塗装機洗浄液回収装置を回転霧化式の塗装機に適用する場合、従来の回収装置の如くシェーピングエアを止めて回転霧化頭の回転軸の半径方向に洗浄液を飛ばすのではなく、シェーピングエアを所定量噴射することにより塗料噴射口から噴射される洗浄液を所定の噴射方向に向けて収斂させた状態で回収することが望ましい。
回収装置200は塗装機1における液体塗料の搬送経路を洗浄し、当該搬送経路の終端であり本体50に形成された塗料噴射口50aから噴射される洗浄液を回収するものである。
なお、図2における塗装機1の構成は図1における塗装機1と略同じであることから、詳細な説明を省略する。
なお、緩和部210の構成は図1における緩和部110と略同じであることから、詳細な説明を省略する。
なお、本実施例では液体回収部220に貯溜される洗浄液222を液体塗料の搬送経路を洗浄する洗浄液と全く同じもの(成分や組成が同じであるもの)とする構成としたが、本発明はこれに限定されず、液体塗料の搬送経路の洗浄に係る洗浄液の回収やその後の処理に支障が生じない範囲であれば成分や組成が多少異なる構成としても良い。
回収装置300は塗装機1における液体塗料の搬送経路を洗浄し、当該搬送経路の終端であり本体50に形成された塗料噴射口50aから噴射される洗浄液を回収するものである。
なお、図3における塗装機1の構成は図1における塗装機1と略同じであることから、詳細な説明を省略する。
なお、緩和部310の構成は図1における緩和部110と略同じであることから、詳細な説明を省略する。
容器321は側面および底面を有し、上面が開口している。
傾斜板322は板状の部材であり、容器221の内部空間における底部に設けられる。傾斜板322の一端は容器221の底面と内側面との境界部に固定され、傾斜板322の他端は容器221の内側面の中途部に固定される。従って、傾斜板322の上面は洗浄液の噴射方向に対して直角となる状態から所定の傾斜角θ2だけ傾斜した状態となる。
そして、液体回収部320は傾斜板322の上面を緩和部310を通過してきた洗浄液および圧縮空気を受け止める「受け面」とする。傾斜板322の上面により受け止められた洗浄液は容器321の内部に回収される。
その結果、洗浄液が受け面に衝突するときの勢いも緩和されるので、容器321の内部での洗浄液の跳ね上がりが抑制され、洗浄液の回収率が向上する。
また、傾斜板322が傾斜していることにより、傾斜板322の上面において受け止められた洗浄液が傾斜板322に沿って容器321の底部の一端(容器221の底面と内側面との境界部に傾斜板322の一端が固定されている部分)に貯溜されることとなり、回収後の洗浄液の取り扱いが容易である。
また、本実施例では容器321の内部空間における底部に傾斜板322を設けることにより液体回収部320の受け面を洗浄液の噴射方向に対して傾斜させる構成としたが、液体回収部が有する容器の底面を噴射方向に対して傾斜した形状とし、これを受け面とする構成としても同様の効果を奏する。
回収装置400は塗装機1における液体塗料の搬送経路を洗浄し、当該搬送経路の終端であり本体50に形成された塗料噴射口50aから噴射される洗浄液を回収するものである。
なお、図4における塗装機1の構成は図1における塗装機1と略同じであることから、詳細な説明を省略する。
なお、緩和部410の構成は図1における緩和部110と略同じであることから、詳細な説明を省略する。
フロー板422の上面は洗浄液の噴射方向に対して直角となる状態から所定の傾斜角θ3だけ傾斜している。
液体回収部420はフロー板422の上面を緩和部410を通過してきた洗浄液および圧縮空気を受け止める「受け面」とする。フロー板422の上面により受け止められた洗浄液は容器421の内部に回収される。
上部貯留槽424はフロー板422の端部のうち最上部を成す端部に延設される槽である。上部貯留槽424には予め洗浄液440が貯溜される。
搬送ポンプ426の吸入側ポートは戻り配管427の一端に連通接続され、戻り配管427の他端は下部貯溜槽423の内部空間の底部と連通接続される。
搬送ポンプ426の吐出側ポートは圧送配管428の一端に連通接続され、圧送配管428の他端は上部貯溜槽424の内部空間に配置される。
排出配管429の一端は圧送配管428の中途部に連通接続される。
下部貯溜槽423に貯溜された洗浄液440は戻り配管427、搬送ポンプ426、圧送配管428を経て上部貯溜槽424の内部空間に供給される。
上部貯溜槽424の内部空間に供給された洗浄液440は、上部貯溜槽424からオーバーフローし、フロー板422の上面、すなわち液体回収部420の受け面に沿って下方にフローし、下部貯溜槽423に回収される。
下部貯溜槽423に貯溜された洗浄液440は戻り配管427、搬送ポンプ426、圧送配管428、排出配管429を経て外部に排出される。
液体回収部420の受け面(フロー板422の上面)に沿って洗浄液440をフローする洗浄液フロー機構425を有するものである。
このように構成することにより、緩和部410を通過した洗浄液および圧縮空気の流れは液体回収部420の受け面(フロー板422の上面)に沿ってフローする液体である洗浄液440に衝突することになり、衝突時に洗浄液および圧縮空気の流れの勢いがさらに弱められる。
また、緩和部410を通過してきた洗浄液および圧縮空気の流れのうち、圧縮空気についてはフロー板422の上面をフロー板422の最下部を成す端部に向かって流れることとなり、洗浄液の噴射方向に対して受け面が直角になっている場合よりも圧縮空気が受け面に衝突するときの勢いが緩和される。
その結果、フロー板422の上面への衝突時における洗浄液の跳ね返りが抑制され、洗浄液の回収率がさらに向上する。
上で設定することが望ましく、緩和部410のフィルタの傾斜角θ1と同じでも異なっていても良い。
また、本実施例では容器421の内部空間における底部にフロー板422、下部貯溜槽423および上部貯溜槽424を設ける構成としたが、液体回収部が有する容器の底面をフロー板422、下部貯溜槽423および上部貯溜槽424に対応する形状としても同様の効果を奏する。
なお、上部貯溜槽424についても省略することは可能であるが、フロー板422の上面に沿って洗浄液440を均一にフローさせるという観点からは、上部貯溜槽424から洗浄液440をオーバーフローさせる構成が望ましい。
ただし、例えば圧送配管428の他端をフロー板422の上部において複数に分岐させ、分岐した複数の開口部をフロー板422の上面の上部に適宜間隔を空けて配置した場合には、上部貯溜槽424を省略してもフロー板422の上面に沿って洗浄液440を均一にフローさせることが可能である。
50 本体
50a 塗料噴射口
100 回収装置(塗装機洗浄液回収装置)
110 緩和部
120 液体回収部
121 容器
Claims (4)
- 塗装機における液体塗料の搬送経路を洗浄した後、前記液体塗料の搬送経路の終端であり前記塗装機の塗料噴射口から噴射される洗浄液を回収する塗装機洗浄液回収装置であって、
前記洗浄液の噴射位置に配置された塗装機に対向する位置に設けられるフィルタを有し、前記塗装機の塗料噴射口から噴射される洗浄液を前記フィルタで受けてその流れを緩和する緩和部と、
前記洗浄液の噴射位置に配置された塗装機に対向するとともに前記緩和部を挟んで前記塗装機の反対側となる位置に設けられる容器を有し、前記緩和部を通過した洗浄液を受け止めて回収する液体回収部とを具備し、
前記緩和部のフィルタにおける前記洗浄液を受ける面は、
前記洗浄液の噴射方向に対して直角となる状態から所定の傾斜角だけ傾斜しており、
前記液体回収部は、
前記洗浄液の噴射方向に対して直角となる状態から所定の傾斜角だけ傾斜し、前記緩和部を通過してきた洗浄液を受け止める受け面を有するとともに、
前記受け面に沿って洗浄液をフローする洗浄液フロー機構を有し、
前記緩和部のフィルタにおける前記洗浄液を受ける面と、前記液体回収部とは、同じ方向に傾斜している、塗装機洗浄液回収装置。 - 前記緩和部のフィルタは金属材料からなる網である請求項1に記載の塗装機洗浄液回収装置。
- 前記洗浄液フロー機構は、
前記受け面の下部に貯溜された洗浄液を前記受け面の上部に搬送する搬送ポンプを備える請求項1または請求項2に記載の塗装機洗浄液回収装置。 - 前記緩和部は、 平面視で前記液体回収部に収まる範囲に配置される請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の塗装機洗浄液回収装置。
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