JP4395169B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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この発明は、車両前部に設けられた障害物検知手段によって障害物を検知し、その障害物と自車両が衝突する危険性を判断して、警報手段や自動ブレーキ手段等の作動による車両の衝突回避行動と衝撃軽減行動によって、乗員を保護することを目的とした乗員保護装置に関するものである。
衝突や追突事故を未然に防止する、又は衝突時の乗員への衝撃を緩和するものとして、ミリ波レーダにて自車両の進行方向に存在する障害物を検知し、自車両と障害物との衝突の危険度を判断し、衝突の危険度に応じて所定の被制御手段を作動させて、衝突回避又は衝突時の衝撃の緩和を図る乗員保護装置がいくつも提案されている。
これらの乗員保護装置は、例えば、自車両が障害物に衝突する恐れがあると判断される場合には、警報ブザーを鳴らしてドライバーに衝突回避を促す。更に接近して障害物との衝突が避けられないと判断される場合には、シートベルトを強制的に巻き取って衝突時に備えて適切な乗員姿勢を確保すると共に、自車両の自動ブレーキを作動させて衝突速度を低減させるよう、段階的に作動するように制御される。
この乗員保護装置において最も重要なデバイスであるミリ波レーダについて説明すると、このミリ波レーダは、車両前方に向けて高周波の電波を照射し、前方に存在する物体からの反射波を受信することによって障害物を認識し、自車両との相対距離や相対速度等の障害物情報を出力する。ところが、反射波にノイズを受けた場合や、反射波の受信レベルが著しく低下している場合、更には路面状態等に応じて車体にピッチング運動が加わり、障害物が検知範囲から外れた場合等の様々な状況において、ミリ波レーダは継続して認識していた障害物を一時的に見失う場合があり、検出性能が必ずしも安定していないことが知られている。
そこで、特許文献1に記載されているように、レーダ装置から障害物の検出結果が出力されなくなった場合には、それまでに得られた検出結果に基づいて障害物との車間距離を所定時間継続して推定出力する補間技術が開示されている。さらに、推定時間に伴って推定誤差が発生し、推定時間を長く設定した場合には、特に近距離の障害物において衝突の危険度を誤判断しやすく、警報ブザーや自動ブレーキが作動する可能性が高い。この問題の対処方法として特許文献1では、障害物を見失う直前の車間距離に応じて推定時間を変更している。つまり、遠距離の障害物に対しては推定時間を長く、近距離の障害物に対しては推定時間を短くするものである。
特開平6−174847号公報
ところで、これら乗員保護装置は、障害物との衝突が避けられない緊急を要する状況において作動すべき装置であって、安全な走行環境下において警報ブザーや自動ブレーキ等が誤って作動した場合には、乗員に違和感を与えると共に、状況によっては自車両の安全性を大きく損ねる可能性がある。従って、乗員保護装置においては、誤作動を起こさない信頼性の高いシステムを構築することが重要となっている。
ところが、先述したとおり、ミリ波レーダの検出性能は必ずしも安定していないことから、特許文献1記載の技術を一例とした何らかの補間処理が必要となる。一方、障害物情報の出力が途切れた瞬間に、それが一時的な状態かどうかを、検出した全ての障害物に対してミリ波レーダ自身が判別することは大変困難である。例えばレーダの検出範囲から外れるように障害物が移動した場合や、自車両の前方を他車両が横切った場合のような、即時に検知不能となるべき障害物、すなわち本来なら距離情報を出力する必要のない障害物に対しても推定距離が追加出力されることになる。その結果、衝突の恐れが全くないにも関わらず不必要に警報ブザーや自動ブレーキを作動させてしまう可能性が残っている。
さらに、ミリ波レーダが検出する複数の障害物候補の中から、自車両と衝突する可能性が最も高い障害物を特定する処理過程において、実際には危険を及ぼすことのないオブジェクトを、衝突の危険性の高い障害物と誤判定することによって、誤作動が発生する場合がある。例えば、旋回半径の小さいカーブ路を走行する場合に、カーブ路の端に設置されている看板やガードレール等の停止物体を、ともすると自車両に接近してくる障害物のように検出された結果、不必要な警報ブザー作動や自動ブレーキ作動が起こり易い。
この発明は、上記のような問題を解消するためになされたもので、障害物検出手段の検出状態や検出結果の信頼性、更には特定のシチュエーション(位置)条件に基づき、衝突危険度に応じて作動する被制御装置に制限を設けることによって、信頼性の高い乗員保護装置を得ることを目的とする。
この発明に係わる乗員保護装置は、前方の障害物を認識し、自車両との相対位置と相対速度の障害物情報を出力する障害物検出手段と、前記障害物検出手段が、同一の障害物を認識しなくなった場合には、過去に認識していた同一の障害物に対する情報に基づいて障害物情報を推定して所定期間出力する障害物情報推定手段と、障害物情報に基づいて自車両と障害物が衝突する危険性を数段階の危険度に区分判定する危険度判定手段と、前記危険度に応じて作動する警報手段,シートベルト手段及び自動ブレーキ手段で構成された被制御装置に対して個別に作動命令を出力する作動指示手段とを備える乗員保護装置において、前記障害物検出手段が、同一の障害物を認識しなくなり、障害物情報が前記障害物情報推定手段によって推定出力されている期間中に、前記危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する前記被制御装置を作動させないように前記作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしたものである。
また、この発明に係わる乗員保護装置は、前方の障害物を認識し、自車両との相対位置と相対速度の障害物情報を出力する障害物検出手段と、障害物情報に基づいて自車両と障害物が衝突する危険性を数段階の危険度に区分判定する危険度判定手段と、前記危険度に応じて作動する警報手段,シートベルト手段及び自動ブレーキ手段で構成された被制御装置に対して個別に作動命令を出力する作動指示手段とを備える乗員保護装置において、自車両が走行するカーブ路で所定の曲率以上のカーブ路を検出するカーブ路検出手段を設け、前記カーブ路検出手段で所定の曲率以上のカーブ路を走行していると判断した場合には、前記危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する前記被制御装置を作動させないように前記作動指示手段において作動命令に制限を設けるものである。
この発明の乗員保護装置によれば、障害物情報が障害物情報推定手段によって推定出力されている期間中に、危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する被制御装置を作動させないように作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしたので、信頼性の高い乗員保護装置を得ることができる。つまり、障害物検出手段の検出性能が不安定で検出距離の信頼性が低いと判断される間は、検出が安定していた際の衝突危険度より高位の衝突危険度で作動する被制御装置を作動させることがなく、信頼性の高い乗員保護装置を得ることができる。
また、この発明の乗員保護装置によれば、自車両が走行するカーブ路で所定の曲率以上のカーブ路を検出するカーブ路検出手段を設け、カーブ路検出手段で所定の曲率以上のカーブ路を走行していると判断した場合には、危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する被制御装置を作動させないように作動指示手段において作動命令に制限を設けるので、信頼性の高い乗員保護装置を得ることができる。つまり、走行シチュエーションに応じて前回の衝突危険度より高位の衝突危険度で作動する被制御装置の作動を制限することによって、信頼性の高い乗員保護装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による乗員保護装置を示す構成ブロック図である。1は自車両の前面部に設置され、前方の障害物を認識し、自車両との相対位置(換言すれば相対距離)と相対速度の障害物情報を出力するミリ波レーダで、障害物検出手段を構成する。2は自車両に設置して車両旋回時の回転角速度を検出するヨーレートセンサ、3は自車両に設置して自車両の走行速度を検出する車速センサ、4はミリ波レーダ1が検出する複数の障害物候補の中から選ばれた自車両に危険を及ぼす障害物に対する衝突の危険度を判定し、その危険度に応じて被制御装置に向けて作動命令を出力する乗員保護コントローラである。
5は乗員保護コントローラ4から作動命令を受けて警報ブザー(図示せず)を制御する警報ブザーコントローラで、警報ブザーコントローラ5と警報ブザーとその警報ブザー駆動装置(図示せず)で警報手段を構成する。6は乗員保護コントローラ4から作動命令を受けてシートベルト装置(図示せず)を制御するシートベルトコントローラで、シートベルトコントローラ6とシートベルト装置とそのシートベルト駆動装置(図示せず)でシートベルト手段を構成する。7は乗員保護コントローラ4から作動命令を受けて自動ブレーキ装置(図示せず)を制御するブレーキコントローラで、ブレーキコントローラ7と自動ブレーキ装置とその自動ブレーキ駆動装置(図示せず)で自動ブレーキ手段を構成する。警報手段,シートベルト手段及び自動ブレーキ手段で、危険度に応じ個別に制御される被制御装置を構成する。
図2は実施の形態1によるミリ波レーダ1内部を簡略して示す処理ブロック図である。11は所定周期毎に電波の送信と障害物からの反射波を受信する送受信部である。ミリ波レーダ1は、1処理周期内で送信電波を水平方向に対して複数照射できる機能又は構造を持つ(図示せず)ことによって、広範囲に点在する複数の障害物候補(以下オブジェクトという)を検出することができる。送受信部11で受信した受信電波は後段の演算部12にて所定周期毎に演算処理され、反射波が戻ってくるまでの時間から障害物との前後方向の相対距離X[m]を,反射波の戻ってくる方向から障害物との車幅方向の相対距離Y[m]を、ドップラー効果による反射波の周波数変化から障害物との相対速度Vr[m/s]を、オブジェクト毎に求めることができる。
これらのオブジェクトデータにはそれぞれの障害物を識別するためのオブジェクト番号が付属されてデータ記憶部13に入力される。データ記憶部13は過去の処理周期に演算されたオブジェクトデータが一定期間分記録されたデータベースである。14は障害物情報推定演算部である。データ記憶部13において、オブジェクト毎にデータの連続性が確認される。前記要因によって同一オブジェクトデータの連続性が途切れた場合には障害物を見失った状態と認識される。そして、障害物情報推定演算部14で過去数回分のオブジェクトデータを基に今回周期の相対距離と相対速度等の障害物情報が推定されて、データ記憶部13の該オブジェクトデータ内に反映される。
なお、当該障害物情報推定演算が一度実行されると、処理周期が所定回数に達するか、又は再度同一のオブジェクトを認識してオブジェクトデータを演算部12が算出するまでは同処理が繰り返し実行される。また、障害物情報推定演算処理が実行されている間は該オブジェクトデータ内に、推定フラグが一情報として追加される。つまり推定フラグとは、それが成立している間、ミリ波レーダ1は不安定な検出状態にあって障害物情報は推定値であることを、オブジェクト情報を取得する側に知らしめるものである。15は全オブジェクトデータをレーダの外部に向けて順次出力する出力部である。オブジェクトデータは、シリアル通信やCAN通信等の通信手段を介して所定の周期毎に出力される。
なお、実施の形態1において、障害物情報推定演算部14はミリ波レーダ1の内部処理の1つとして説明しているが、ミリ波レーダ1以外の処理装置、例えば乗員保護コントローラ4の内部処理として実行しても構わない。また、出力部15から出力されるオブジェクトの数は、通信周期の都合から無制限とすることはできない。従って所定数で制限されるものである。(実施の形態1では、出力するオブジェクト数をN個とする)
図3は実施の形態1による乗員保護コントローラ4内部を簡略して示す処理ブロック図である。41はヨーレートセンサ2と車速センサ3の出力結果に基づいて道路曲率を演算する道路曲率演算手段、43はミリ波レーダ1が出力するN個のオブジェクトに関するデータを格納するデータ格納手段、42はN個の全オブジェクト別に衝突危険度を判定するオブジェクト別危険度判定手段、44はN個の全オブジェクトの中から最も衝突危険度が高いオブジェクト(以下ターゲットという)を選択するターゲット選択手段、45はターゲットの衝突危険度に応じて、被制御装置に対して個別に作動指令を出力する作動指示手段である。
次に、この乗員保護コントローラ4内部の演算処理について説明する。図4は実施の形態1による乗員保護コントローラの内部演算として実行される処理を示すフローチャートである。S10からS15までの一連のフローは所定の周期(例えば20msec)毎に繰り返し実行される。まずS10で、ミリ波レーダ1が出力するN個分のオブジェクトデータを受信する。受信したオブジェクトデータはデータ格納手段43に保管される。S11では、ヨーレートセンサ2と車速センサ3の結果が入力される。
次にS12では車速V[m/s]とヨーレートφ[rad/s]に基づいて、道路曲率σ[1/m]を算出する。演算式は次の通りである。
σ = φ[rad/s]/ V[m/s] (式1)
因みに、ヨーレートセンサの代わりに舵角センサを用いることによっても道路曲率を算出することが可能である。その場合の演算式は次の通りである。
σ = V[m/s]/(1+A×V2)/W/Ns×δ (式2)
(式2)におけるWは自車両のホイールベース、Aは車種毎に予め決められているスタビリティーファクタ、Nsはステアリングギア比である。
次にS13では衝突危険度判定に必要な情報だけをデータ格納手段から読み出して、オブジェクト毎の衝突危険度が判定される。求められた衝突危険度は、その都度データ格納手段43に書き込まれる。この衝突危険度の判定処理は全てのオブジェクトに対して行われるため、N回繰り返し処理される。次にS14では、N個のオブジェクトの中から衝突危険度が最も高いオブジェクト(=ターゲット)が選択される。次にS15では、S14で選択したターゲットの衝突危険度X(n)に応じて、予め設定された被制御装置に対して作動命令を出力する。
次にオブジェクト別危険度判定S13について詳しく説明する。図5は実施の形態1によるオブジェクト別危険度判定処理S13内部で実行される処理を示すフローチャートである。S131では、S12で算出した道路曲率σ[1/m]と、オブジェクトまでの距離Y[m]に基づいて、自車両の横方向の位置を推定演算する。図6は自車両とオブジェクトの位置関係を示す鳥瞰図である。縦軸yは前後方向の距離を、横軸xは車幅と水平方向の距離を示している。ミリ波レーダ1が検出したオブジェクトと自車両の相対位置は(X,Y)で示すことができる。
図中の点線は、S12で算出した道路曲率σに基づいて推測した自車両の走行位置をプロットした線である。つまり曲率σの道路を走行し続けた場合の予測軌跡を表すものである。図中に示す通り、オブジェクトとの距離がYの時、自車両の位置X1が算出できる。自車両の横方向推定位置X1[m]は次式を用いて算出する。
X1 = σ[1/m]× Y[m] / 2 (式3)
次にS132では、オブジェクトが自車線内に存在しえるかどうかを予測判定する。つまり、S131で算出した自車両の横方向推測位置X1を、自車両の中心位置(レーダの取り付け位置)と捉えた場合、オブジェクトの横方向位置Xとの差分絶対値が、通常道路の1車線幅の半分以下であるならば、自車両の予測走行路上に存在しえるオブジェクトであると、極めて高い確率で判断できる。ここで、オブジェクトが予測走行路内に存在しないと判断された場合は、自車両と衝突する危険性のないオブジェクト(衝突危険度=0)であると判断され、このルーチンを終了する(S133NO)。反対に予測走行路内に存在すると判断された場合(S133YES)、S134で衝突危険度を判定するための判定基準値の算出に移る。
衝突判断距離を算出する(S134)。衝突判断距離とは、本来、障害物との衝突が避けられない自車両が持つ物理的限界を指し示した距離で、相対速度や衝突予測時間、さらには自車両の持つ制動力パラメータに基づいて算出することができる。この発明では衝突判断距離は、本来の目的をふまえた上で、衝突回避もしくは衝突時の衝撃の緩和を図るために作動させる各被制御装置の作動開始タイミングの判定しきい値を兼ねている。このため、S134では、例えば3つの衝突判断距離を算出する。次にS135では、オブジェクトとの車間距離と、S134で算出した衝突判断距離を比較して、当該処理周期における自車両とオブジェクトの衝突危険度を判定する。
図7は実施の形態1による自車両とオブジェクトとの衝突危険度の判定方法を説明する図である。上段図は縦軸に車間距離[m]を、横軸に経過時間tを示すもので、自車両とオブジェクトが時間の経過と共に近づいている様子を示している。点線はS134で算出した3つの衝突判断距離を示している。(図7では説明の為、衝突判断距離を一定値として扱っているが、通常、衝突判断距離は相対速度の影響によって時系列的に一定ではない)。下段図は縦軸に衝突危険度を、横軸に経過時間を示すものである。つまり図7を例にとると、車間距離が衝突判断距離1を下回るT1時に衝突危険度=0から衝突危険度=1へ、衝突判断距離2を下回るT2時に衝突危険度=2へ、衝突判断距離3を下回るT3時に衝突危険度=3へと衝突危険度の判断が変化することを示している。
図4の説明に戻り、被制御装置作動指示処理S15について詳しく説明する。図8は実施の形態1による被制御装置作動指示処理S15内で実行される処理を示すフローチャートである。前段(S14)にてターゲットが特定された上で、まずミリ波レーダ1がターゲットを検出していた際の安定性について確認が行われる(S151)。推定フラグが不成立(S151NO)にて、すなわちミリ波レーダ1がターゲットを安定して検出していた場合には、今回周期で算出された衝突危険度X(n)を使用する(S152)。一方、推定フラグが成立(S151YES)、すなわち、ミリ波レーダ1はターゲットを見失っており、距離情報が過去のデータに基づいて推定された値である場合には、前回周期で算出された衝突危険度X(n-1)が使用される(S153)。
つまり、このS151からS153が示す処理においては、ターゲットの衝突危険度が如何なる値であっても、ミリ波レーダ1に不安定な検出性能が続いている間は、以前に性能が安定していた際の衝突危険度を上回らないようにマスク処理が成される。従って、障害物情報が障害物情報推定手段によって推定出力されている期間中に、危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する被制御装置を作動させないように作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしている。
以降のS154からS156の判定処理では、衝突危険度に応じて各被制御装置に対して個別に作動命令を出力する。図8を例にとると、衝突危険度=3の場合(S154YES)では、ブレーキコントローラ7に対して作動命令が出力される(S154’)。また、衝突危険度=2の場合(S155YES)では、シートベルトコントローラ6に対して作動命令が出力される(S155’)。また、衝突危険度=1の場合(S156YES)では警報ブザーコントローラ5に対して作動命令が出力される(S156’)。そして、衝突危険度=0の場合にはいずれの被制御装置に対しても作動命令が出力されることはない。なお、衝突危険度とそれに対応する各被制御装置の組み合わせは図8が示すものに限らない。
以上の制御フローを実行することによって、ミリ波レーダ1の検出性能が不安定で検出距離の信頼性が低いと判断される間は、検出が安定していた際の衝突危険度より高位の衝突危険度と判定されることなく、不必要な被制御装置の作動を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ミリ波レーダの検出結果の信頼性が低い場合には、より高位の衝突危険度で作動するはずの被制御装置を全て非作動とするよう制限を設けるものであったが、特定の被制御装置だけを作動しないよう制限しても構わない。例えば、少なくとも誤作動によって自車両の安全性は低下させないようにブレーキ制御の作動だけを制限する、または発生頻度の高い誤警報によって乗員が受ける違和感を与えないようにするため警報ブザー制御の作動だけを制限することもできる。
図9は実施の形態2による被制御装置作動指示処理S15内で実行される処理を示すフローチャートである。なお、各図で同一符号は同一又は相当部分を示す。実施の形態1と同符号の処理についての説明は省略する。実施の形態1と同様に、S151でミリ波レーダ1がターゲットを検出していた際の安定性について判定が行われる。そこで推定フラグが成立済み(S151YES)(すなわちミリ波レーダ1の検出性能が不安定な状態)の場合、S158で所定の衝突危険度との大小比較が行われる。図9を例にとると、ターゲットの衝突危険度=3かどうか比較判定された結果、S158YESの場合にはターゲットの衝突危険度は前回の衝突危険度にマスクされる。
このように、障害物情報が障害物情報推定手段によって推定出力されている期間中に、危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する被被制御装置の内いずれかを選択的に作動させないように作動指示手段において作動命令に制限を設ける。そのため、ミリ波レーダ1の検出性能が不安定で検出距離の信頼性が低いと判断される間は、現在の衝突危険度より高位の危険度と誤判定しても、特定の被制御装置だけを作動させないように抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、ミリ波レーダ1の検出状態や検出結果の信頼性が低下した際に発生する問題を解決する方法について説明してきた。続いて、特定のシチュエーション(位置)条件において発生する問題を解決する方法について述べる。例えば自車両に対して右方向に弧を描くカーブ路を走行する場合、自車両の予測軌跡は図6の点線が示す通りとなる。この場合車線の左右の端に設置された看板やガードレールをミリ波レーダ1が検出しても、図5のS132で説明した自車線内判定処理によって自車線内に存在するオブジェクトであると認識することはない。
ところが、右カーブ路から直線に復帰する場合には、運転者は右方向に切っていたハンドルを左方向に切りかえす操作を行うため、車体には左方向への旋回モーメントが加わり、ヨーレートセンサ2の出力は右カーブ路の時とは反対の回転角速度値を検出する。その結果、ハンドルの操作に応じて自車両の予測軌跡は図6の点線とは逆方向に変化するため、道路の左端にある看板やガードレールを瞬間的に自車線内に存在するターゲットと誤認識して、不必要に警報ブザーや自動ブレーキを作動させてしまう。この問題は、旋回モーメントの大きい、旋回半径の小さいカーブ路から直線路に復帰する際に顕著に現れる。
図10は実施の形態3による乗員保護コントローラ4の内部演算として実行される処理を示すフローチャートである。S16はS12で算出した道路曲率σに基づき、現在走行している道路がカーブ路かを判定するカーブ判定処理である。この処理では道路曲率σと予め設定されたカーブ判定値との比較が行われ、道路曲率σ≧カーブ判定値の場合に自車両がカーブ路を走行していると判断してカーブ走行フラグを成立させる。
図11は実施の形態3において、被制御装置作動指示処理S15内で実行される処理を示すフローチャートである。S151’にてカーブ走行フラグが成立しているかの確認が行われる。カーブ走行フラグが不成立(S151’NO)、すなわち所定の道路曲率以下のカーブ路もしくは直線路を走行している場合には、今回周期で算出された衝突危険度X(n)を使用する(S152)。一方、カーブ走行フラグが成立(S151’YES)、すなわち、所定の道路曲率以上のカーブ路を走行している場合には、前回周期で算出された衝突危険度X(n-1)が使用される(S153)。
このように、カーブ路検出手段で所定の曲率以上のカーブ路を走行していると判断した場合には、危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する被制御装置を作動させないように作動指示手段において作動命令に制限を設ける。そのため、走行シチュエーションとしてカーブ路から直線路に復帰する場合に、道路の端に設置された看板やガードレールをターゲットと誤って認識しても、不必要な被制御装置の作動を抑制することができる。
また、実施の形態2で述べた通り、S151’でカーブ走行フラグが成立していると判定した後に、所定の衝突危険度との大小比較を行う処理を追加することによって、特定の制御対象だけを作動させないように抑制することができる。このように、カーブ路検出手段で所定の曲率以上のカーブ路を走行していると判断した場合には、危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する被制御装置の内いずれかを選択的に作動させないように作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしてもよい。
この発明の実施の形態1による乗員保護装置を示す構成ブロック図である。 実施の形態1によるミリ波レーダ内部を簡略して示す処理ブロック図である。 実施の形態1による乗員保護コントローラ内部を簡略して示す処理ブロック図である。 実施の形態1による乗員保護コントローラの内部演算として実行される処理を示すフローチャートである。 実施の形態1によるオブジェクト別危険度判定処理S13内部で実行される処理を示すフローチャートである。
自車両とオブジェクトの位置関係を示す鳥瞰図である。 実施の形態1による自車両とオブジェクトとの衝突危険度の判定方法を説明する図である。 実施の形態1による被制御装置作動指示処理S15内で実行される処理を示すフローチャートである。 実施の形態2による被制御装置作動指示処理S15内で実行される処理を示すフローチャートである。 実施の形態3による乗員保護コントローラの内部演算として実行される処理を示すフローチャートである。 実施の形態3において、被制御装置作動指示処理S15内で実行される処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ミリ波レーダ 2 ヨーレートセンサ
3 車速センサ 4 乗員保護コントローラ
5 警報ブザーコントローラ 6 シートベルトコントローラ
7 ブレーキコントローラ 11 送受信部
12 演算部 13 データ記憶部
14 障害物情報推定演算部 15 出力部
41 道路曲率演算手段 42 オブジェクト別危険度判定手段
43 データ格納手段 44 ターゲット選択手段
45 作動指示手段

Claims (4)

  1. 前方の障害物を認識し、自車両との相対位置と相対速度の障害物情報を出力する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段が、同一の障害物を認識しなくなった場合には、過去に認識していた同一の障害物に対する情報に基づいて障害物情報を推定して所定期間出力する障害物情報推定手段と、
    障害物情報に基づいて自車両と障害物が衝突する危険性を数段階の危険度に区分判定する危険度判定手段と、
    前記危険度に応じて作動する警報手段,シートベルト手段及び自動ブレーキ手段で構成された被制御装置に対して個別に作動命令を出力する作動指示手段とを備える乗員保護装置において、
    前記障害物検出手段が、同一の障害物を認識しなくなり、障害物情報が前記障害物情報推定手段によって推定出力されている期間中に、前記危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する前記被制御装置を作動させないように前記作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしたことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 障害物情報が前記障害物情報推定手段によって推定出力されている期間中に、前記危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する前記被制御装置の内いずれかを選択的に作動させないように前記作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
  3. 前方の障害物を認識し、自車両との相対位置と相対速度の障害物情報を出力する障害物検出手段と、
    障害物情報に基づいて自車両と障害物が衝突する危険性を数段階の危険度に区分判定する危険度判定手段と、
    前記危険度に応じて作動する警報手段,シートベルト手段及び自動ブレーキ手段で構成された被制御装置に対して個別に作動命令を出力する作動指示手段とを備える乗員保護装置において、
    自車両が走行するカーブ路で所定の曲率以上のカーブ路を検出するカーブ路検出手段を設け、
    前記カーブ路検出手段で所定の曲率以上のカーブ路を走行していると判断した場合には、前記危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する前記被制御装置を作動させないように前記作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしたことを特徴とする乗員保護装置。
  4. 前記カーブ路検出手段で所定の曲率以上のカーブ路を走行していると判断した場合には、前記危険度判定手段が如何なる危険度を出力しようとも、前回の危険度より高位の危険度で作動する前記被制御装置の内いずれかを選択的に作動させないように前記作動指示手段において作動命令に制限を設けるようにしたことを特徴とする請求項3記載の乗員保護装置。
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