JP4394918B2 - 高精度超音波材料特性解析装置及びその温度制御方法 - Google Patents

高精度超音波材料特性解析装置及びその温度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータを使用した機械操作部を備えた高精度超音波材料特性解析装置及びその高安定な測定温度環境を作ることが可能な温度制御方法に関するものである。
モータを使用した機械操作部を備えた超音波材料特性解析装置は、新しい物質・材料特性の解析・評価技術として開発され、測定においては平面超音波と集束超音波を用いることができる。集束超音波を用いた定量計測法の一つにV(z)曲線解析法がある。この手法では水を負荷した試料表面に励起される漏洩弾性表面波(LSAW)の伝搬特性(位相速度・伝搬減衰)が計測される。この計測のためには、点集束超音波ビーム(PFB)と直線集束超音波ビーム(LFB)が使用できる。ここでは、LFB超音波材料特性解析装置をとりあげて説明を進める([非特許文献1]、[非特許文献2]、[特許文献1]参照)。
LFB超音波材料特性解析装置は、LFB超音波デバイスと試料間の相対距離zを変化させたときに得られるV(z)曲線を解析することにより、水/試料境界を伝搬するLSAWの伝搬特性を求めることができる。図1は、超音波トランスジューサ1とLFB音響レンズ2とから成る超音波デバイスと試料4系の断面図であり、計測の原理を示すものである。また、図2にLFB超音波材料特性解析装置の構成を示す。水中における焦点を原点として座標軸を図1に示すようにとる。超音波トランスジューサ1により励振した平面超音波を、LFB音響レンズ2によりくさび状に集束し、水カプラ3を介して試料4の表面に照射する。試料4が焦点面5より超音波デバイス側に近づいている場合、試料4からの反射波のうち、超音波トランスジューサ1の出力に支配的に寄与する成分は、LFB音響レンズ2の開口面の効果により近似的に図1に示す#0及び#1の経路をとる成分のみとなる。#0の成分は試料からの直接反射成分であり、#1の成分はLSAWの励振臨界角θLSAWで試料4に入射し、試料4表面をLSAWとして伝搬する成分である。超音波デバイスが取り付けられた垂直方向zステージ6をステッピングモータ7(以下、zモータ7)を用いて移動させることで、超音波デバイスと試料間の距離zを変化させる。このとき、上記2つの成分の干渉出力として、図3に示すようなV(z)曲線が得られる。非特許文献1に示されているV(z)曲線解析法に従ってV(z)曲線の干渉周期Δzを求め、水中の縦波速度VWと超音波周波数fから式(1) よりLSAW速度VLSAWが求まる。
Figure 0004394918
実際の測定において水中の縦波速度VWは、熱電対8によりデジタルボルトメータ9を介して測定される水カプラ温度から非特許文献3に示されている方法により求めることができる。これより、VLSAWの測定精度はVWを決める水カプラ温度の測定精度に依存することがわかる。例えば、0.001%のLSAW速度の測定分解能を得るためには0.01℃以内の水カプラ温度の測定精度が要求される[非特許文献2]。実際の装置においては、熱電対8は音波の伝搬領域に直接挿入することはできず、その近傍に設置している。通常、水の蒸発に伴う気化熱のために水カプラ表面温度は低下し、水カプラ内には温度勾配が生じる[特許文献2、非特許文献2]。また、この水カプラおよび温度勾配は周辺の温度環境によっても変化する。そのため、周辺温度が安定でない場合、水カプラ内の温度分布が変化し、水カプラ温度の測定誤差が生じる。したがって、VWの値に誤差が生じ、それが式(1) から得られるVLSAWの誤差となる。
このような測定原理上の問題から、LFB超音波材料特性解析装置においては、図2に示すように超音波デバイス、水カプラ3、試料4、およびzステージ6を含む機械操作部10をアクリル製の恒温チャンバー11内に設置している[特許文献1]。即ち、恒温チャンバー11内には被測定試料4をx, y方向(水平面内方向)に移動制御する機械操作部10と、試料4の上方に配置されたLFB音響レンズ2とトランスジューサ1からなる超音波デバイスが設置されたz方向(垂直方向)に移動可能なzステージ6と、zステージ6を垂直方向に移動させるzモータ7が設けられている。zモータ7はステージコントローラ19の制御に従ってzモータドライバ18により駆動制御される。
恒温チャンバー11の天井には、図2に示すよう高性能フィルタ12が設置されている。空調機13によって温度制御された空気が、循環ファンにより送風ダクト14および高性能フィルタ12を介して恒温チャンバー11の上部から供給される。また、恒温チャンバー11の下部より排出された空気は排気ダクト15を通って空調機13へ戻る。温度制御は、白金測温抵抗体を用いた第1温度センサー16および第2温度センサー17のいずれか選択した方により測定される温度が、予め設定した温度となるように送風温度(ヒーターの出力)をPID制御することで行なう。ここでは、第1温度センサー16を制御点として選択しており、温度の制御性をよくするために、上方から流れる空気温度の変化を敏感に検知できる位置に設置している。また、装置全体は空調の効いた室内に設置されており、実際に測定を行なう場合は、LFB超音波材料特性解析装置を起動した状態で室内の温度を安定化し、さらに、空調機13によりチャンバー内の温度を充分に安定化してから測定を開始する。これにより、水カプラ3の温度を±0.01℃程度で安定化でき、VLSAWにおける200回程度の繰り返し測定(約1時間)の再現性は±2σ=±0.0013%(σ:標準偏差)を達成した。
ところが、測定回数が増え、測定時間が長期的になるにしたがい、安定したVLSAW測定値が得られない場合があった。ただし、短期的な測定時間中の測定再現性は前述のように±0.0013%程度で変わらないが、長期的に見るとその平均的な測定値が緩やかに最大で0.01%変動するような現象があった。これまでは、式(1)から測定値に直接的に影響を与えると考えられる、水カプラ温度およびその近傍の空気温度のみをモニタしていただけで、恒温チャンバー内部の温度がどのように変化しているかは把握されていなかった。特に、温度環境の擾乱の主因子となりうるzモータ7からの発熱の影響については不明であった。そのため、上記のような測定値の変動の原因が明らかになっていなかった。
特許第3392041号公報 特開2002-131295号公報 J. Kushibiki and N. Chubachi, "Material characterization by line-focus-beam acoustic microscope," IEEE Trans. Sonics and Ultrason., Vol. SU-32, pp. 189-212 (1985). J. Kushibiki, Y. Ono, Y. Ohashi, and M. Arakawa, "Development of the line-focus-beam ultrasonic material characterization system," IEEE Trans. Ultrason., Ferroelect., Freq. Contr., Vol. 49, pp. 99-113 (2002). W. Kroebel and K.-H. Mahrt, "Recent results of absolute sound velocity measurements in pure water and sea water at atmospheric pressure," Acustica, Vol. 35, pp. 154-164 (1976).
上述のように、従来の装置においては温度環境を安定化するための恒温チャンバーを導入したものの、VLSAW測定値の短期的な安定性しか達成されておらず、長期的な測定値の安定性にはまだ問題があった。特に、今日の電子デバイス材料として用いられているような、均質性の高い単結晶材料基板などのわずかな弾性特性の変化を捉えるための測定精度としては不十分であった。また、測定においては、水カプラ温度やその近傍の空気温度しかモニタしていないため、zモータを含む恒温チャンバー内の温度がどのように変化しているか把握されておらず、測定値の変動が何に起因するものか明らかにされていなかった。
本発明は、従来の問題点を解決するために、長期的測定におけるzモータおよび恒温チャンバー内の温度変化とその影響を明らかにし、短期的・長期的な測定によらず、いつでも高精度にLSAW速度を測定できる高精度超音波材料解析装置及びその温度制御方法を提供することを目的とする。
この発明の第1の観点による高精度超音波材料特性解析装置は、
恒温チャンバーと、
上記恒温チャンバー内の温度環境を一定に制御する空調機と、
上記恒温チャンバー内で被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出する超音波デバイスと、
上記恒温チャンバー内に配置され、上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動させるステッピングモータと、
上記ステッピングモータに励磁電流を与えると共に停止/駆動信号に従って停止/駆動するzモータドライバと、
上記停止/駆動信号に応じて上記zモータドライバが発生する励磁電流の大きさを制御する励磁電流制御部と、
上記zモータドライバと上記励磁電流制御部に上記停止/駆動信号を与えるステージコントローラ、
とを含み、上記励磁電流制御部は上記停止/駆動信号に応答し、上記zモータドライバに対し上記ステッピングモータの停止期間には駆動期間より大きい励磁電流を発生させるよう制御することを特徴とする高精度超音波材料特性解析装置。
この発明の第2の観点による高精度超音波材料特性解析装置は、
恒温チャンバーと、
上記恒温チャンバー内の温度環境を一定に制御する空調機と、
上記恒温チャンバー内で被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出する超音波デバイスと、
上記恒温チャンバー内に配置され、上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対に移動させるステッピングモータと、
上記ステッピングモータに励磁電流を与えると共に、停止/駆動信号に従って停止/駆動するモータドライバと、
上記ステッピングモータに接触又は近接して設けられた発熱体と、
上記停止/駆動信号に従って上記発熱体に電流を供給して発熱させる電流制御部と、
上記zモータドライバと上記電流制御部に上記停止/駆動信号を与えるステージコントローラ、
とを含み、上記電流制御部は駆動期間における上記ステッピングモータと上記発熱体の発生する熱量の和が停止期間の和と等しくなるよう上記発熱体に電流を与えることを特徴とする高精度超音波材料特性解析装置。
この発明の第3の観点による温度制御方法は、空調機により内部温度環境が一定に制御された恒温チャンバー内で超音波デバイスにより被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出し、ステッピングモータにより上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動して上記超音波デバイスにより検出した信号に基いて上記被測定試料の超音波特性を測定する高精度超音波材料特性解析装置において、上記ステッピングモータの駆動時に発生する熱量を停止時に発生する熱量が同じになるよう上記ステッピングモータへの駆動時の励磁電流より停止時の励磁電流を大きくして上記ステッピングモータを制御する。
この発明の第4の観点による温度制御方法は、空調機により内部温度環境が一定に制御された恒温チャンバー内で超音波デバイスにより被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出し、ステッピングモータにより上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動して上記超音波デバイスにより検出した信号に基いて上記被測定試料の超音波特性を測定する高精度超音波材料特性解析装置において、上記ステッピングモータの駆動時に発生する熱量を停止時に発生する熱量が同じになるよう上記ステッピングモータに接触又は近接して設けられた発熱体に対し電流を流して発熱させる。
このように、超音波材料特性解析装置を用いたLSAW伝搬特性の精密測定を行なう場合に、zモータ7からの発熱量の変化が温度環境の擾乱の主因子であることを見出し、この発明はこのzモータの発熱量が一定となるよう制御することにより、又は隣接した発熱体とzモータのによる発熱量の和が一定となるよう制御することにより安定した測定温度環境を実現している。
zモータの駆動時と停止時の発熱量は、通常は変化するため、その発熱量の変動を抑えて恒温チャンバー内部の温度環境を安定化させるために、モータ停止時の励磁電流を駆動時よりも増大させることによって、モータ停止時に不足する熱量を補償し、モータの停止時と駆動時の発熱量を等しくする。
温度環境の擾乱因子となりうるzモータ7について、V(z)曲線測定を行なう場合の温度変化を把握するための手順を示す。V(z)曲線を測定するためには、zステージ6を予め決めた固定範囲において上下方向に往復運動させる。 例えば、開口半径1mmのLFB超音波デバイスを用いた測定の場合、zステージ6の1往復の動作は図4のように表される。まず、焦点位置(z=0)よりz=+60 μmの位置までzステージを上昇させる(ステップS1)。次に、z=+60 μmの位置からz=-560 μmの位置までzステージを下降させながら、V(z)曲線を測定する(ステップS2)。最後に、z=-560 μmの位置からもとの焦点位置(z=0)までzステージを上昇させる(ステップS3)。図4の全動作は現在の測定条件においては約17秒で完了する。zステージ6を1往復させる間、zモータ7は回転方向の転換時に合計約3秒間停止し、モータの駆動率は約82%である。その他、zモータ7が停止するのは、試料交換時、カプラ交換時、試料面内分布測定を行なう場合の試料台(機械操作部10)の水平方向移動時、次の測定に対するコマンド入力待機時などである。
ステッピングモータ(zモータ)7は駆動信号が与えられている期間発生したパルス数と同じ回数だけ励磁電流の相を予め決めた量だけ指定された方向に進めることにより回転子が回転される。停止時においても回転子が回動しないよう励磁電流を与えておく。一般には消費電力を減らすため、停止時の励磁電流は駆動時の励磁電流より小さく設定するのが普通であり、これをCurrent Down機能と呼んでいる。
図4に示したようなzステージの往復運動を連続的に繰り返したときの、zモータ7の外被中央部の温度の時間変化を熱電対により測定する。モータ駆動中に充分にzモータ温度が安定したら、次に、zモータ7を停止しその時のzモータ温度の時間変化を測定する。このとき、zモータ7の励磁電流を定格電流(最大電流)、zモータ7が脱調しないで駆動可能な最小電流、およびその中間の電流値のそれぞれの電流値で行なう。
また、各電流値において、zモータ駆動状態および停止状態の安定温度をそれぞれ求め、電流値とzモータ温度の関係を得る。
〔第1実施例〕
モータ駆動時の駆動電流による銅損と鉄損による発熱量に比べ、モータ停止時の発熱量は通常、鉄損分だけ小さくなるが、この不足分を補償して、駆動時と停止時の発熱量を一定にするこの発明による方法を説明する。その方法には、図5A及び5Bに示すような2つの実施例が挙げられる。図5Aは、この発明の第1実施例におけるzモータ停止時の励磁電流を駆動時よりも増大させて補償する方法(ここではCurrent Up機能と呼ぶ)を図2の高精度超音波材料解析装置で実施する場合の構成を示している。zモータドライバ18は、外部からの入力電圧に比例した励磁電流を発生する。励磁電流制御部23は、ステージコントローラ19よりzモータ7の停止/駆動信号を受けて、zモータ停止時・駆動に応じて予めプログラムされた電圧をzモータドライバ18に与える。zモータドライバ18は励磁電流制御部23からの入力電圧に比例した励磁電流をzモータ7に与える。以下に、励磁電流の決め方の詳細を示す。ただし、以下の方法はいずれも空調機13で温度制御した状態で行なう。また、図5Bの第2実施例については後述する。
まず、図5Aに示すようなCurrent Up機能を用いる方法により熱補償する場合の、モータ励磁電流の決定方法を説明する。zモータ7の停止時のモータ温度を、複数の励磁電流について測定する。このときの電流値は、例えばzモータ7が脱調することなくzステージ6を駆動できる最小電流Iminと、zモータ7に流すことができる最大電流Imaxとする。次に、zモータ7を一定駆動率で駆動した場合のモータ温度を、励磁電流IminとImaxにおいて測定する。ただし、zモータ駆動開始後しばらくはモータ温度が変動するので、充分に安定した時点の温度をモータ温度とする。上記のようにして得られた電流値とモータ温度の関係において、Imin〜Imaxの間でzモータ停止時と駆動時で温度が一致する電流値IS、IDをそれぞれ求める。zモータ7の停止時にIS、駆動時にIDの電流値で、制御することにより、zモータ7の温度は一定値となる。ここで、Imin≦ID<IS≦Imaxの関係を満足する。
まず、zモータ7の定格電流0.75 Aにおいて、zモータ7を停止した状態で充分にzモータ温度が安定した後、図4に示したzステージ6の往復運動を連続600回(時間に換算して約3時間)行ない、その後zモータ7を停止した。このときのzモータ温度の時間変化を図6Aに示す。図6Aの結果は、zモータ駆動開始直後から急激にzモータ温度が上昇し、駆動開始から安定するまで約17℃の温度上昇が見られた。zモータ7の停止後は逆に、急激に温度低下している。図6B、図6Cは、図6Aの駆動中、停止中の温度平衡時B,Cのzモータ温度を一部拡大して示したものである。図6Cの停止時に比べ図6Bの駆動時の温度変化は大きい。図6Bの結果は、周期的な温度変化を繰り返している。この周期はちょうど、図4で述べたzステージ6の1往復する周期と一致し、zステージ下降時にzモータ温度が低下し、上昇時にzモータ温度が上昇することに対応している。すなわち、zステージ6の上昇時と下降時の負荷の違いを反映した温度変化を捉えたものと考えられる。いずれにしても、ここでは、この微小時間中の周期的な温度変動よりは、その平均的な温度変化(図6Bの点線で示すような移動平均値)に着目する。
図6と同様の測定を、zモータ7の励磁電流0.22 A、0.29 A、0.53 Aに対しても行ない、各電流値における駆動状態と停止状態のそれぞれの安定時のzモータ温度をプロットした結果を図7に示す。zモータ温度は電流の二乗に比例していることがわかる。また、zモータ停止時よりも駆動時の方がその比例係数が大きく、温度上昇量が大きい。
モータの発熱源には、大きく分けて次の2つが挙げられる。一つは銅損Wc、もう一つは鉄損でヒステリシス損Whとうず電流損Weに分けられ(単位は[W])、それぞれ以下の式で表される。
Wc = I 2 ・ R (2)
Wh = a ・ f ・ B2 (3)
We = b ・ f 2 ・ B2 (4)
ここで、Iは入力電流[A]、Rは巻線抵抗[Ω]、a, bは定数、fはパルス周波数[Hz]、Bは磁束密度[T]である。銅損は、巻線抵抗からの発熱で、モータ停止時、駆動時、どちらの場合も発生する。ヒステリシス損とうず電流損は、モータ駆動時のみ発生する。図6Aに見られたような駆動時のzモータ温度の上昇は、この鉄損に相当する発熱の影響と言える。
通常、モータ温度の上昇を抑えるための方法として、励磁電流を小さくする方法や、ドライバが有するCurrent Down機能(モータ停止時に自動的に電流を減少させる)を利用する方法、または、モータに放熱板を取付ける方法などがある。励磁電流を小さくする場合トルクも低下するため、ハーモニックギアを用いるなどして、より小さな電流で駆動できるような工夫が必要になる。さらに、モータの駆動スピードを駆動開始時に徐々に加速する(スローアップ)、逆に駆動終了時に徐々に減速する (スローダウン)ことにより、より小さい励磁電流での駆動が可能になる。LFB超音波材料特性解析装置で使用しているzモータ7は、例えば減速比1:100のハーモニックギアの付いたステッピングモータである。モータ駆動時はスローアップ・スローダウンを採用しており、駆動パルス(1パルスで1ステップ分の0.36°回転する)の周波数は、低速時50 Hz、高速時9000 Hz、加減速時間1000パルス分としている。これにより、定格電流0.75 Aより小さい0.22 Aまで励磁電流を減少させても脱調しないで駆動が可能である。
連続200回(約1時間)のV(z)曲線測定および30分間のモータ停止を1セットとして、10セット行なった場合の測定値の変化を調べる。zモータ7の励磁電流は、0.3 A、0.53 Aを取り上げ、Current Down機能によりzモータ停止時の励磁電流を駆動時の27%に減少させる。LSAW速度、水カプラ温度、試料周辺温度、zモータ温度および高性能フィルタ12の吹出口温度の結果を図8A,8B,8C,8D,8Eにそれぞれ示す。吹出口温度は、第2温度センサー17により測定された温度を抽出したものである。それ以外の各所の温度は、3つの熱電対を用いて測定しており、特にzモータ温度は、モータ外被中央部を測定している。試料は予め試料台に設置して、試料とLFB超音波デバイスの間のアライメントを行なっている。測定開始前は、Current Downした励磁電流でzモータ7から発熱させた状態でチャンバー内の温度を充分に安定化している。全測定時間は約15時間と長いためカプラの蒸発によってカプラ量が変化してしまう。そのため、各セットの始めにカプラを排水し、新たに一定量(1cc)付け直している。カプラを付け直した後は、V(z)曲線測定時と同じzステージ往復運動(ウォームアップ)を10回分行なってカプラ温度が安定するのを待ってから、続きの測定を行なっている。ただし、ウォームアップ中やカプラ交換中の温度は図8に示していない。
発熱源であるzモータ温度(図8D)は、各セットで測定開始直後に急激に上昇し、zモータ停止と同時に急激に低下している。また、励磁電流が大きい方が、zモータ温度の変化は大きく(図8D)、水カプラ温度や試料周辺温度の変動も大きい(図8B,8C)。LSAW速度の結果(図8A)においては、各セットの200回の連続測定中は±0.0015%程度のばらつきしか見られないが、各セットの平均値は時間の経過とともにゆっくり変動している。励磁電流0.53 Aで駆動した場合では、LSAW速度が単調に増加しているように見えるが、励磁電流0.3 Aの場合は、単調増加ではなく測定値が安定していない。励磁電流0.3 Aの結果の方が各セットのLSAW速度平均値の変動量は小さいが、最大で約0.1 m/s変動しており、充分安定しているとは言えない。
図8において、zモータ温度は上昇・下降を繰り返しているのに対し、カプラ温度や試料周辺温度は単調に低下している。この理由は、zモータ7からの発熱を、第1温度センサー16が検知し、空調機13が冷却方向に動作したためと考えられる。実際に、図8Eの励磁電流0.53 Aでの測定において、吹出口温度は測定開始時には22.90℃であったのが、測定の終盤では約22.56℃となり、約0.34℃の温度低下を示した。高性能フィルタ12の吹出口からの冷気は、チャンバー内全体に広がるため、温度センサーA16の極近傍は設定温度で安定するが、第1温度センサー16から離れた場所では測定開始時より温度が下がる。その温度低下は、機械操作部10を含む試料台周辺全体に対して生じる。そのため、図8のカプラ温度や試料周辺温度が、測定開始時より低下している。特に、試料台付近の温度低下は、カプラ内の温度分布を変化させる要因となり、得られるVLSAW値の誤差として生じることになる。
以上のように、zモータ温度および吹出口温度の変化をモニタすることにより、zモータ7の発熱とLSAW速度測定値の変動の関係が明らかになった。図8の結果が示すように、zモータ駆動時には励磁電流をできる限り小さくし、zモータ停止時にはCurrent Down機能を用いて発熱量を減少させて、測定値の変動をある程度小さくすることは可能であるが、それでも長時間にわたるzモータ駆動を行なう場合には、zモータ7からの発熱量の変動の影響は無視できないものとなる。また、放熱板によりzモータ温度を低下させる場合でも、発生する熱量が駆動時と停止時で一定ではないので、根本的な解決策であるとは言えない。すなわち、既存の技術だけではzモータ温度および周辺の温度環境を一定に制御することができず、温度環境に敏感に影響を受ける測定を高精度に行なうことが困難であった。
ここでは、図5Aに示したCurrent Up機能を用いた熱補償を行なう場合の実施例を示す。図7は、zモータ7の励磁電流を変えて、zモータ停止時と連続駆動時(駆動率82%)の安定点におけるzモータ7の温度をプロットした結果である。ただし、ここでは確認のため、ImaxとIminの間の電流値でも測定を行なった。図7に示した2つの直線は、停止時と駆動時の結果それぞれに対する最小二乗近似による近似直線を表している。また、図7のMax.とMin.の点線は、それぞれ、巻線に流せる最大電流値Imaxとzモータ7が脱調しないでzステージ6を駆動できる電流の最小値Iminに対応している。式(2)〜式(4)から予想されるように、図7の結果は、zモータ7の停止時、駆動時どちらも電流の2乗に比例してzモータ温度が変化している。図7の2つの近似直線間の温度差は、主に鉄損に相当する発熱に起因した温度差と考えることができる。図7の結果から、ImaxとIminの電流値の間で、zモータ停止時と駆動時のzモータ温度が一致する電流値を選択する。zステージ6を安定して駆動させるために、zモータ駆動時の電流値をIminの電流値より大きくするように決めると、駆動時0.29 A、停止時0.75 Aとすることでzモータ温度は約29.5℃で安定することになる。すなわち、従来のようにCurrent Downさせるのではなく、Current Upさせることになる。市販のモータドライバにはCurrent Upの機能はないため、市販品を改造することにより上述のように決定したモータ電流による駆動を実現した。
図9は、駆動時0.29 A、停止時0.75 Aの電流値で図8と同様な10セット分の間欠的な測定を行なった場合の結果を示している。ただし、測定を開始する前から、zモータ7には停止時の電流0.75 Aを流した状態で、空調機13によりzモータ7およびその周辺の温度を充分に安定化している。図9AのLSAW速度の結果は、全測定値を通して±2σ=±0.0016%で安定している。また、図9Bのカプラ温度は±0.012℃、図9Cの試料近傍の空気温度は±0.027℃、図9Dのzモータ温度は±0.134℃、図9Eの吹出口温度は±0.030℃で安定している。
また、図10は、図9と同じ条件で(駆動時0.29 A、停止時0.75 A)、連続200回の測定を1セットとして15セット連続で行なった結果である。ただし、各セットの始めにカプラを交換し、10回のウォームアップを行なっている。図10AのLSAW速度の結果は、全測定値を通して±2σ=±0.0016%で安定している。また、図10Bのカプラ温度は±0.016℃、図10Cの試料近傍の空気温度は±0.025℃、図10Dのzモータ温度は±0.077℃(1セット目を除くと±0.022℃)、図10Eの吹出口温度は±0.032℃で安定している。
〔第2実施例〕
前述の第1実施例では、zモータ7の停止時における励磁電流を駆動時の励磁電流より大きくしてzモータの発熱量が一定となるように構成した場合について説明したが、第2実施例ではzモータの停止時の励磁電流を増加させる代わりに、図5Bに示すように発熱体22により熱補償を行なうことにより、zモータ自体の発熱量と、近傍に設置した(あるいはzモータ7に巻きつけた)ヒータやランプなどの発熱体22による発熱量を合計した発熱量が一定になるように、発熱体22に流す電流を制御するように構成されている。zモータドライバ18は、ステージコントローラ19からのzモータ7の停止/駆動信号を受けて、zモータ7に対し従来と同様の方法で予め設定された電流値で駆動、停止を行うと共に、電流制御部23がステージコントローラ19からzモータ7の停止/駆動信号を受けてzモータ7の停止/駆動に応じて予めプログラムされた電流を発熱体22に与える。zモータ7及び発熱体22の温度は温度測定素子21により測定される。
発熱体22にIHDの電流を流して発熱させた状態で、励磁電流IMDにてモータを一定の駆動率で駆動し、安定した時点での高性能フィルタ12の吹出口温度TDを測定する。次に、zモータ7を停止し励磁電流IMSを流した状態で、吹出口温度がTDで安定する発熱体電流値IHSを求める(IHD<IHS)。以上求めた収束電流値IHD, IHSを用いて、zモータ7の駆動時・停止時の発熱体22の収束電流値をそれぞれIHD、IHSとして、zモータ7の駆動・停止時の切り替えに応じて発熱体22の電流を制御する。
例えば、停止したzモータ7にIMS、発熱体20にIHSの電流を流した状態で吹出し口温度をTDで安定化した後、励磁電流IMDにてzモータ7を一定駆動率で駆動し、モータ駆動開始から発熱体電流をIHSからIHDまで変化させることによって、吹出し口温度がTDで一定値となる。実際にV(z)曲線測定を行なう場合は、ステージコントローラ19からzモータ7が駆動中か停止中かを判別する信号を電流制御部23に入力し、電流制御を行う。また、発熱体22の電流を制御する別の方法としては、高性能フィルタ12の吹出し口に設置した温度測定部から読み取られる温度が一定値TDとなるよう、発熱体22の電流値をPID制御することもできる。なお、IMD=IMSとすると簡便であるが、一般にはIMD≠IMSである。また、ここでは吹出口温度を一定にする場合を示したが、試料付近の空気温度を一定にするように制御しても同様である。
〔第3実施例〕
図9と図10の結果を比較すると、LSAW速度を始め各所の温度のばらつきはほぼ同程度であるが、zモータ温度だけは図9Dの方がやや大きな温度変化を示している。そこで、zモータ温度の変化をより詳しく調べるために、駆動時と停止時のモータ温度を1秒毎に測定した。図11Aは、zモータ7を停止状態から連続駆動した時(左側)、連続駆動状態からzモータ7を停止した時(右側)のzモータ温度の変化である。図11Aの結果はどちらも、zモータ7の駆動・停止の切換え直後からzモータ温度が急激に変化しており、その後ゆっくりと元の温度に戻るような過渡応答が見られる。駆動中のzモータ温度(図11A左側)は、停止中のzモータ温度(図11A右側)よりも、微小時間中の温度ばらつきが大きいことは、図6と同様の理由である。
図11Aに見られたzモータ温度の過渡応答は、zモータ内部で銅損による発熱(ステータの巻線部からの発熱)の過渡応答と鉄損による発熱の過渡応答(ステータコア部分やロータ部分からの発熱)の合成であると考えられる。そこで、銅損と鉄損によるzモータ温度変化を分離することを試みる。図11Bはzモータ7を停止したまま励磁電流を0.75 Aで温度安定化後、時刻0 minにおいて電流値を0.29 Aにステップ的に減少させた場合と、逆に増大させた場合のzモータ温度の変化(モータ停止状態なので鉄損は生じてなく、銅損のみの温度変化)であり、図11Cは、図11Aから図11Bの結果を差し引いて得られた鉄損による温度変化分を示している。
より究極的な測定環境の安定化のためには、このようなわずかなzモータ温度の変化も除去することが望ましい。すなわち、この第3実施例においては、第1実施例におけるCurrent Up機能による電流値の切替えを、単純にステップ的に行なうのではなく、zモータ温度が一定になるように緩やかに行なうよう制御する。図12Aは、Current Up機能による電流値の切替えを単純にステップ的に行なった場合(図12A右側) のzモータ温度変化の結果(図12A左側)と、電流切換え直後は段階的に変化させて各電流収束値に近づけるよう制御した場合 (図12B右側)のzモータ温度変化の結果(図12B左側) の例である。ただし、駆動中(駆動率82%)のうちの18%の瞬停止期間中はモータ駆動中とみなしてCurrent Upしていない。図12Bの電流制御は、図6Aのように測定したモータ温度変化の時定数τを用いて、次式のように得られる電流変化を基にして、zモータ温度が一定になるよう実験的に微調整を行っている。
Figure 0004394918
ここで、icはモータ駆動時あるいは停止時の各電流の収束値、xは実験的に得られる定数、τは時定数である。また、モータの駆動・停止の切換え時をt=0とする。図12Aの左側のzモータ温度には±0.16℃程度の過渡応答(駆動中は移動平均値)が現れているが、図12B左側のzモータ温度の結果は、±0.02℃以内(駆動中は移動平均値)の温度変化に抑えることができている。もちろん、駆動中の18%の瞬停止期間中にCurrent Upした場合でも、zモータ電流値を適切に制御することによって同様の効果が得られる。
いずれにしても、従来技術にはなかったCurrent Up機能を用いることでzモータ7の停止・駆動に関係なくチャンバー内の温度環境は安定するため、複数の試料を測定する場合においても効率良く精密に測定でき、長期的な測定再現性の向上が達成できる。
以上説明した、実施例に基づいて、この発明によるzモータ7からの発熱を一定にするための方法を、図13に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
ステップS1:zモータが脱調することなくzステージを駆動できる最小電流Iminとzモータに流すことができる最大電流Imaxの各電流値において、zモータ駆動・停止時のzモータ温度の時間変化を測定し、温度変化の時定数tを求め、zモータの特性を把握する。
ステップS2:最小駆動電流Iminと、最大駆動電流Imaxで、zモータ停止状態の安定時のzモータ温度を測定し、zモータ停止時のzモータ温度と励磁電流値の関係を得る。
ステップS3:励磁電流IminとImaxにおいてそれぞれzモータを一定駆動率で駆動した状態で充分に安定した時点のzモータ温度を測定し、zモータ駆動時の励磁電流値とzモータ温度の関係を得る。
ステップS4:ステップS2、S3のようにして得られた電流値とzモータ温度の関係において、Imin〜Imaxの間でzモータ停止時と駆動時で温度が一致する電流値(停止時:IS, 駆動時:ID)をそれぞれ求める。
ステップS5−1:zモータの停止時にIS、zモータの駆動時にIDの電流値となるよう制御しLSAW速度測定を行なう(第1実施例)。
ステップS5−2:zモータ停止・駆動の切換え時に、ステップS1で求めた時定数τを参考にして緩やかにzモータの電流収束値(停止時:IS、駆動時: ID) まで電流を変化させることによってzモータ温度を一定に保ち、LSAW速度測定を行なう(第3実施例)。
さらに究極的には、図6Bあるいは図12B左側に示されたzモータ7の上下駆動時のわずかな発熱の変動差も同様な考え方で補償できる。また、Current Up機能を用いて熱補償する場合を示したが、外部発熱体により熱補償することも、Current Up機能と外部発熱体を組み合わせて熱補償することも可能である。また、ここではリダクションギア(ハーモニックギア)を用いたモータを例に取り上げているが、本発明は、リダクションギアのないモータにも適用でき、さらに、マイクロステップによる駆動を行なう、行なわないに関係なく同様に適用できる。
以上、本発明によれば、温度擾乱因子であるzモータの発熱量の変化が除去され、長時間にわたる測定においても安定した温度環境を提供でき、結果として極めて再現性の良い安定した測定値が得られるように改善される。また、本発明は、超音波材料特性解析装置に限らず、モータを有し安定な温度環境を必要とするあらゆる精密計測装置あるいは製造装置に対しても適用可能である。
V(z)曲線の形成原理を説明する図。 LFB超音波材料特性解析装置の構成を示す図。 GGG単結晶に対するV(z)曲線を示す図。 V(z)曲線測定時のzステージの上下運動を説明するフローチャート。 この発明による鉄損に相当する発熱量を補償する構成を示す図であり、Aはzモータドライバの電流制御により熱補償する場合の構成を示し、Bは外部発熱体を用いて熱補償する場合の構成を示す。 励磁電流0.75 Aにおいてzモータの駆動および停止した場合のzモータ温度の変化を示す図であり、Aが駆動開始から停止した後の全体を示す図、Bは駆動中の一部を拡大した図、Cは停止中の一部を拡大した図。 zモータの停止状態と連続駆動状態における安定時のzモータ温度の励磁電流依存性を示す図。 Current Down機能を用いてGGG単結晶に対してV(z)曲線の間欠的な測定を行なった場合の各測定値の推移を示す図であり、AはLSAW速度を示す図、Bは水カプラ温度を示す図、Cは試料周辺温度を示す図、Dはzモータ温度を示す図、Eは高性能フィルター12の吹出口温度を示す図。 本発明によるzモータ励磁電流の制御を行なった場合のGGG単結晶に対するV(z)曲線の間欠的な測定を行なった場合の各測定値の推移を示す図であり、AはLSAW速度を示す図、Bは水カプラ温度を示す図、Cは試料周辺温度を示す図、Dはzモータ温度を示す図、Eは高性能フィルター12の吹出口温度を示す図。 本発明によるzモータ励磁電流の制御を行なった場合のGGG単結晶に対するV(z)曲線の連続的な測定を行なった場合の各測定値の推移を示す図であり、AはLSAW速度を示す図、Bは水カプラ温度を示す図、Cは試料周辺温度を示す図、Dはzモータ温度を示す図、Eは高性能フィルター12の吹出口温度を示す図。 Current Up機能を用いて停止時に0.75 A、駆動時に0.29 Aでzモータの駆動・停止を行なう場合のzモータ温度の変化を説明する図であり、Aはzモータを停止状態から連続駆動させた場合(左図)と連続駆動状態から停止させた場合(右図)のzモータ温度の変化を示す図、Bはzモータを停止させたまま、励磁電流を0.75 Aから0.29 Aに下降させた場合 (左図)と0.29 Aから0.75 Aに上昇させた場合(右図)のzモータ温度の変化を示す図、CはAの結果からBの結果を差し引くことにより得られた鉄損による温度変化を示す図。 zモータ駆動中・停止中のzモータの励磁電流とそのときのzモータ温度の変化を示す図であり、Aはzモータ駆動・停止の切換えに対して駆動時・停止時の各電流値にステップ的に電流を変化させた場合の結果を示す図、Bはzモータ駆動・停止の切換え直後の電流変化を緩やかにして駆動時・停止時の各収束電流値に近づけるように変化させた場合の結果を示す図。 本発明であるzモータの発熱を一定にするための各種制御パラメータを決定するフローチャート。
符号の説明
1:超音波トランスジューサ、2:LFB音響レンズ、3:水カプラ、4:試料、5:焦点面、6:zステージ、7:zモータ、8:熱電対、9:デジタルボルトメータ、10:機械操作部、11:恒温チャンバー、12:高性能フィルタ、13:空調機、14:送風ダクト、15:排気ダクト、16:第1温度センサー、17:第2温度センサー、18:zモータドライバ、19:ステージコントローラ、20:励磁電流制御部、21:温度測定素子、22:発熱体、23:電流制御部

Claims (5)

  1. 高精度超音波材料特性解析装置であり、
    恒温チャンバーと、
    上記恒温チャンバー内の温度環境を一定に制御する空調機と、
    上記恒温チャンバー内で被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出する超音波デバイスと、
    上記恒温チャンバー内に配置され、上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動させるステッピングモータと、
    上記ステッピングモータに励磁電流を与えると共に停止/駆動信号に従って停止/駆動するzモータドライバと、
    上記停止/駆動信号に応じて上記zモータドライバが発生する励磁電流の大きさを制御する励磁電流制御部と、
    上記zモータドライバと上記励磁電流制御部に上記停止/駆動信号を与えるステージコントローラ、
    とを含み、上記励磁電流制御部は上記停止/駆動信号に応答し、上記zモータドライバに対し上記ステッピングモータの停止期間には駆動期間より大きい励磁電流を発生させるよう制御することを特徴とする高精度超音波材料特性解析装置。
  2. 高精度超音波材料特性解析装置であり、
    恒温チャンバーと、
    上記恒温チャンバー内の温度環境を一定に制御する空調機と、
    上記恒温チャンバー内で被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出する超音波デバイスと、
    上記恒温チャンバー内に配置され、上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動させるステッピングモータと、
    上記ステッピングモータに励磁電流を与えると共に、停止/駆動信号に従って停止/駆動するモータドライバと、
    上記ステッピングモータに接触又は近接して設けられた発熱体と、
    上記停止/駆動信号に従って上記発熱体に電流を供給して発熱させる電流制御部と、
    上記zモータドライバと上記電流制御部に上記停止/駆動信号を与えるステージコントローラ、
    とを含み、上記電流制御部は駆動期間における上記ステッピングモータと上記発熱体の発生する熱量の和が停止期間の和と等しくなるよう上記発熱体に電流を与えることを特徴とする高精度超音波材料特性解析装置。
  3. 空調機により内部温度環境が一定に制御された恒温チャンバー内で超音波デバイスにより被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出し、上記超音波デバイスをステッピングモータにより上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動して上記超音波デバイスにより検出した信号に基いて上記被測定試料の超音波特性を測定する高精度超音波材料特性解析装置の温度制御方法であり、上記ステッピングモータの駆動時に発生する熱量を停止時に発生する熱量が同じになるよう上記ステッピングモータへの駆動時の励磁電流より停止時の励磁電流を大きくして上記ステッピングモータを制御することを特徴とする温度制御方法。
  4. 空調機により内部温度環境が一定に制御された恒温チャンバー内で超音波デバイスにより被測定試料に超音波を入射させ、その反射波を検出し、ステッピングモータにより上記超音波デバイスを上記被測定試料に対し垂直方向に相対的に移動して上記超音波デバイスにより検出した信号に基いて上記被測定試料の超音波特性を測定する高精度超音波材料特性解析装置の温度制御方法であり、上記ステッピングモータの駆動時に発生する熱量を停止時に発生する熱量が同じになるよう上記ステッピングモータに接触又は近接して設けられた発熱体に対し電流を流して発熱させることを特徴とする温度制御方法。
  5. 請求項3または4記載の温度制御方法において、上記ステッピングモータの停止、駆動の切換え時に上記励磁電流に予め決めた遅延と時定数の過渡特性を与えることを特徴とする温度制御方法。
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