JP4393695B2 - 液封防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンマウント等の液封防振装置に係り、特に主液室の内圧をコントロールする横可動膜やアイドルオリフィス通路の開閉部材における膜部材の耐透過性を向上させたものに関する。なお、本願において耐透過性とは、ガソリン等の液体及び気体が透過しにくい性質を意味する。
【0002】
【従来の技術】
液封防振装置として、主液室の側部に横可動膜を設け、これに制御室を接続し、制御室内を負圧又は大気開放に切り換えて制御するものは公知であり、例えぱ、特開平10−38017号には制御室内を2部屋に区画し、密閉空気室を横可動膜と接続し、かつ横可動膜の弾性変形を所定量に規制する横可動膜ストツパを設けている。また、開閉弁によってアイドリング時に開いて主液室と副液室を連通する開閉式のアイドルオリフィス通路を設けてある。
【0003】
この構造において、主にサスペンション入カのような比較的大きな入カには、制御室内を大気開放状態にすると、横可動膜の膜剛性を下げて自由に弾性変形させることにより主液室の内圧上昇を吸収できる。
一方、アイドリング時には開閉式のアイドルオリフィス通路を開いて主液室と副液室を連通させると同時に、制御室内を負圧状態にして横可動膜を横可動膜ストッパヘ密着固定させると、横可動膜の膜剛性を上げて主液室からアイドルオリフィス通路へ流れ込む液体流量を多くして液柱共振を効率的に発生させることによりエンジンマウントを低動バネ化するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来例のような横可動膜を負圧で動作させるとき、負圧源としてエンジンの吸気負圧を用いると、エンジンの吸気通路が横可動膜へ通じることになるので、吸気側のガソリンにより横可動膜が劣化されたり、さらには横可動膜を透過して主液室へ入らないようにすることが望まれる。但しこのような耐透過性向上措置は横可動膜の動作を損なわないようにしなければならない。
さらにこのことはアイドルオリフィス通路の開閉弁の一部を膜部材で構成した場合も同様である。また、耐ガソリン性以外の気体の透過を阻止する耐透過性の向上も同様に要請される。そこで本願発明はこのような要望の実現を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明の請求項1に係る液封防振装置は、振動発生側又は振動受け側のいずれか一方側へ取付けられる第1取付部材と、他方側へ取付けられる第2取付部材と、これらの間に介在される弾性本体部とを備え、弾性本体部を壁の一部とする主液室と、この主液室と仕切り部材で仕切られかつ可撓膜部材で覆われる副液室と、これら両液室をつなぐオリフィス通路とを備えた液封防振装置において、前記弾性本体部の一部に主液室へ臨みかつ主液室に対して進退する横可動膜を設け、この横可動膜を進退させるための制御室を主液室と反対側に設け、かつこの制御室に横可動膜が所定量弾性変形したとき当接する横可動膜ストツパと、この制御室内を横可動膜ストッパ側の中間室とエンジンの吸気側又は大気側へ通じる作動室とに区画する耐透過性の伸縮部材を設け、この伸縮部材をエンジンの吸気負圧又は大気により伸縮させて前記横可動膜ストッパに向かつて進退自在にするとともに、
前記横可動膜ストッパにより、前記横可動膜との間に前記中間室と区画された空間を形成し、この空間を前記中間室と連通させ、
さらに、前記中間室の容積を前記横可動膜と横可動膜ストッパとの間に形成される空間の容積よりも大きくしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1において前記伸縮部材が金属製ベローズであることを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1において前記伸縮部材を耐透過性ゴムで形成したことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項3において前記伸縮部材は前記膜部材に対面する側となる頂部とその周囲に接続する筒状部とを備え、前記頂部のみをアッパー金具としたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項3において前記伸縮部材は前記膜部材に対面する側となる頂部とその周囲に接続する筒状部とを備え、この筒状部の一部に屈曲変形を容易とする周方向の溝を形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
請求項1の発明によれぱ、弾性本体部の一部として形成される弾性変形自在の横可動膜を設け、この横可動膜が所定量弾性変形したとき当接する横可動膜ストッパを制御室に設けたので、伸縮部材を負圧により収縮させると横可動膜は横可動膜ストッパヘ密着して主液室の内圧を高め、作動室を大気開放して自由にすると、横可動膜も自由に弾性部材変形して主液室の内圧上昇を吸収できる。
【0011】
さらに、制御室内を耐透過性のある伸縮部材で2室に区画したので、横可動膜を負圧で動作させるとき、負圧を耐透過性のある伸縮部材の内側に形成される作動室に作用させ、横可動膜へは直接負圧を及ぽさないようにすることができる。このため、横可動膜のガソリンによる劣化を防止でき、耐久性を向上できるとともに、ガソリン等の液体又は気体の主液室内に対する浸透を防止できる。
【0012】
しかも、横可動膜を耐透過性のある特殊な材科で形成しなくても済むのでコストアッブを回避でき、そのうえ横可動膜を弾性本体部の一部として一体に形成することが可能になり、その結果、製造が容易になる。しかも、中間室の容積を横可動膜と横可動膜ストッパとの間に形成される空間の容積よりも大きくするとともに、この中間室を伸縮部材で効率的に容積変化させるので、横可動膜を確実に進退動作させることができる。
【0013】
請求項2の発明によれぱ、伸縮部材を金属製ベローズとしたので、耐透過性をより向上させることができる。また、請求項3に係る発明のように伸縮部材を耐透過性ゴムで形成することもでき、この場合には伸縮部材の製造がさらに容易になる。
【0014】
伸縮部材を耐透過性ゴムで形成するときには、請求項4に係る発明のように伸縮部材を膜部材に対面する側となる頂部とその周囲に接続する筒状部とを備えるように構成し、その頂部をアッパー金具とし、筒状部を耐透過性ゴムにすることにより、伸縮動作を一定にして安定した容積変化を生じるようにすることができる。また、請求項5に係る発明のように全体を耐透過性ゴムで構成した場合は、筒状部周囲に溝を設けることにより屈曲変形を起こさせて伸縮動作を大きくさせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、エンジンマウントとして構成された一実施例を図面に基づいて説明する。図1はこのエンジンマウントの全断面図、図2は図1のA部拡大図である。
【0016】
まず、図1において、符号1はポルト部2でエンジン側へ取付けられる第1取付部材、3はボルト4で車体側へ取付けられる第2取付部材、5は弾性本体部であり、ゴム等の適宜弾性部材からなり、略円錐状のドーム部6とこれに連続する筒状部7を有する。
【0017】
筒状部7は略円筒形の剛体壁8の内周側へ接着一体化され、剛体壁8の外周側は第2取付部材3の一部として形成された筒部3aと重なって一体化されている。これら筒部3a及び剛体壁8の一部には円形穴9が形成され、ここを覆う筒状部7の一部部分が横可動膜10をなし、所定のゴムバネ弾性率で弾性変形自在になっている。
【0018】
横可動膜10は筒部3aの外方より図示断面が略漏斗状をなすホルダー11で覆われ、その中央部から外方から突出するパイプ部12は切換バルブ14aへ接続され、この切換バルブ14aで大気開放とエンジンの吸気負圧である負圧源に対する接続とが切り換えられる。
【0019】
ホルダー11の内側は制御室13をなし、この制御室13はさらに金属製ベローズ50(後から詳述)により中間室51と作動室52に区画され、この作動室52内は切換バルブ14aの切換により大気開放状態と負圧状態とに変化する。また、ホルダー11と横可動膜10の間にはゴム等の弾性部材からなる横可動膜ストッパ15が設けられ、横可動膜10の弾性変形を所定量で規制するようになっている。
【0020】
筒状部7の開口部は仕切り部材16で覆われ、仕切り部材16と弾性本体部5との間に弾性本体部5を壁の一部とする主液室20が形成される。仕切り部材16の主液室20と反対側にはダイアフラム21で覆われた副液室22が形成され、これら主液室20及び副液室22内には非圧縮性の液体が封入される。仕切り部材16は上部仕切り17、中間仕切り18及び下部仕切り19の3部材を重ね合わせた構造であり、各部材はそれぞれ合成樹脂等の適宜剛性材科から形成される。
【0021】
仕切り部材16には第1〜第3のオリフィス通路が設けられ、上部仕切り17と中間仕切り18の間及び中間仕切り18と下部仕切り19の間には螺旋状をなす第1のオリフィス通路である滅衰オリフィス通路23が形成され、その一端は上部仕切り17と中間仕切り18の間に形成された共通通路24へ通じ、他端は下部仕切り19の一部に形成された開口部(図では見えない)で副液室22へ通じている。
【0022】
共通通路24は同じく上部仕切り17に形成された第2のオリフィス適路であるアイドルオリフィス通路25及び第3のオリフィス通路としてのオリフィスホール26へ順次連通し、オリフィスホール26が主液室へ開口することにより、滅衰オリフィス通路23は常時主液室20と副液室22を連通してサスペンション振動等の比較的低周波数でかつ振幅の大きな振動に対して滅衰カを発生してこれを吸収するようになっている。
【0023】
オリフィスホール26の底部にはゴム等の弾性部材からなる弾性膜27で覆われ、この弾性膜27の膜振動によりオリフィスホール26内における液体が発進時等の比較的高周波域にて液柱共振を発生するようになっている。
【0024】
オリフィスホール26には図示しないアイドルオリフィス通路25の開口部が臨み、かつアイドルオリフィス通路25は前記したように共通適路24を経て滅衰オリフィス適路23へ連適している。これらの開口面積は図示されないが、オリフィスホール26>アイドルオリフィス適路25>減衰オリフィス適路23の順とすることにより、各液柱共振の共振周波数をこの順に小さくなるようにチューニングしてある。
【0025】
アイドルオリフィス通路25はその副液室22側の出口28をダイアフラム21の中央部に形成された厚肉部21aで開閉され、開いたときは主液室20と副液室22を連通してアイドル時の振動を滅衰オリフィス通路23よりも高周波側で液柱共振して吸収する。
【0026】
厚肉部21aの開閉動作は別体の開閉部材30で行われる。開閉部材30はリ夕一ンスプリング31により厚肉部21aを出口28の周囲へ密着させる側へ付勢されるとともに、底部材33との間に閉鎖された空間である作動室32を形成し、底部材33の中央部に形成されたパイプ部34と連通する。パイプ部34は切換バルブ14bへ接続し、大気開放状態と負圧状態を切り換える。作動室32と制御室13内をそれぞれ同期して切り換える場含には切換バルブ14a及び14bを共通化できる。
【0027】
作動室32内を負圧状態にすると、開閉部材30をリターンスプリング31に抗して図の下方へ引き下げ、その結果、厚肉部21aを出口28の周囲から離して出口28を開放し、アイドルオリフィス通路25を主液室20及び副液室22と連通させる。
【0028】
仕切り部材16は剛体壁8の図中下部に形成されたカシメフランジ8aと、下部円筒部材35の上部とをカシメることにより、カシメフランジ8aと下部円筒部材35の内周側に一体化された固定フランジ部材36の間に挟持固定される。また、開閉部材30と底部材33の各外周部は重ね合わされて下部円筒部材35の図中下部内周に一体化されているリング部材37の上下端をカシメることによって固定される。符号38はリング部材37と部分的に重なるよう下部円筒部材35に形成された通気穴である。
【0029】
なお、第2取付部材3、剛体壁8、下部円筒部材35、固定フランジ部材36及びリング部材37はいずれも金属等剛性のある適宜材科で構成される。また、図中の符号39は略皿状をなす中高周波デバイスであり、中高周波域においてドーム部6との間で液柱共振を生じるようになっている。
【0030】
次に、図2に基づいて横可動膜10及びその動作制御構造を詳細に説明する。横可動膜ストッパ15はゴム等の弾性に富む適宜材科からなり、円形穴9の形状に対応する円形の部材であり、その横可動膜10と対面する接触面40には、複数の突起41が横可動膜10側へ向かって一体に突出形成されている。この突起41は周方向へ連続せず、部分的に分断された不連続部42が形成されている。
【0031】
横可動膜10と接触面40との間には突起41によって若干の間隙が形成され易くなっており、また、横可動膜ストッパ15の中央部には接触面40とその反対側の面との間に貫通する通気孔であるストッパホール43が形成されているため、横可動膜ストッパ15の外周部と横可動膜10の間に形成される空間44は不連続部42、接触面44と横可動膜10の間隙及びストッパホール43を通して制御室13内、より正確には中間室51へ連通している。
【0032】
横可動膜10は、変形時に図中の仮想線で示す状態となり、突起41に対して僅かに接触するがこれを弾性変形させない程度の位置関係にある。また、主液室20の内圧上昇により横可動膜10が外方へ向かって弾性変形すると、まず突起41へ接触し、その後さらに内圧が上昇すると、突起41を弾性変形させて中央部から接触面40へ接近する。突起41が十分に弾性変形を受けた状態でもさらに大きな振動入カがあれぱ、横可動膜10は横可動膜ストッパ15自体を弾性変形させながらさらに弾性変形するようになっている。
【0033】
なお、突起41の形状は種々変形でき、例えぱ、突起41を半球状に形成し、これを同心円上に所定間隔で複数配列したり、全体として一つに連続するリング形状を想定できる複数のリング状突起にするとともに、所定間隔でスリツト状の不連続部を形成することもできる。さらにこのリング状突起を2つの同心円上に設けることにより2段に形成してもよい。
【0034】
横可動膜ストッパ15はアルミダイカストなどの金属製又は適当な樹脂製の有底筒状をなす支持部材45と一体に形成され、支持部材45の底部45aの表裏を覆うとともに、一部は底部45aの内面から支持部材45の筒状部45bの内面全体を覆う内面被覆層46をなし、さらにその筒状部45bの開口端側は、筒状部45bの外周面に形成された細径部45cの上に回り込んでこの部分を覆うシール部47をなしている。
【0035】
支持部材45の筒状部45bはホルダー11の筒状部11a内側へ嵌含され、シール部47がホルダー11の筒状部11aの内側へ気密に接触し、かつシール部47を介して支持部材45の筒状部45b先端とホルダー11の底部11bとの間で金属製ベローズ50の取付フランジ53を気密に挟持するとともに、円形穴9の周囲には横可動膜10から連続一体に筒部3a及び剛体壁8の外側へ回り込んで形成されているシールフランジ10a、10bが形成され、これらシールフランジ10a、10bはホルダー11の筒状部11aにおける開口端部11cと筒部3a及び剛体壁8の間で気密に挟持される。なお、ホルダー11は図示しない適宜結合手段で筒部3aと一体化される。
【0036】
横可動膜10が形成されている筒状部7の内側には所定間隔をもって対面する上部仕切り17の外周壁48が形成され、この外周壁48と筒状部7間に形成される環状溝49に横可動膜10が臨むようになっている。
【0037】
金属製ベローズ50は、ガソリン等の液体や気体に対して耐透過性を有する適宜金属からなる公知のものであり、全体として略有底筒状をなし、その筒部は周方向へ波形の凹凸が形成されて伸縮自在のベローズ構造をなし、内側の作動室52を負圧にすると収縮して横可動膜ストッパ15から離反する方向へ移動し(図示仮想線)、大気開放すると大気圧により図示実線状態へ復帰するようになっている。
【0038】
作動室52の伸縮による容積変化量は中間室51に要求される容積変化量を実現できるように十分大きく確保されている。また金属製ベローズ50の非収縮時における中間室51の容積は、横可動膜10と横可動膜ストッパ15との間に形成される空間44の容積よりも大きくなるように設定されている。なお中間室51と作動室52との間はシール部47により気密にシールされている。
【0039】
次に、本実施例の作用を説明する。まず、サスペンション振動のような比較的大きな入カに対しては、振動入カに伴う主液室20の内圧上昇を、大気開放による自由な弾性変形を許容された横可動膜10が弾性変形して吸収する。このとき入カの大きさに応じて横可動膜10の弾性変形量が大きくなるが、これが当接する横可動膜ストッパ15側はまず突起41が接触して弾性変形され、さらに大きな振動入カに対しては横可動膜ストッパ15自体の変形が生じるので、横可動膜10と当接する横可動膜ストッパ15側のボリユームが変化し、これによって横可動膜10の膜剛性を変化させかつ横可動膜10のバネ定数を非線形的に変化させる。その結果、小さな入カには低バネとなり、より大きな入カに対してはそれ相応の非線形的に上昇した高バネとなるから、バネ定数を非線形的かつ広範囲に変化させて内圧上昇を吸収し、より理想的な振動吸収が可能になる。
【0040】
このとき、突起41を設けることにより、横可動膜10と接触面40の間に間隙を確保し、かつ不連続部42を設けたので、多くの場合にストツパホール43と不連続部42を介して、横可動膜10と横可動膜ストッパ15との間に形成される空間44と制御室13之中間室51を連通させておくことができるから、空間44における空気だまりの発生を防ぎ、エンジンルームの高温化による空間44の容量変化を防止して横可動膜10の膜剛性が変化をすることを防止できる。
【0041】
また、アイドリング時には、切換バルブ14a及び14bをそれぞれ負圧側に切り換えて作動室32と制御室13内を負圧にする。これにより、アイドルオリフィス通路25を開いて主液室20及び副液室22と連通させると同時に、横可動膜10は横可動膜ストッパ15の接触面40上へ当接固定されて膜剛性が大きくなるため、主液室20内の液体をアイドルオリフィス通路25中へより多量に流し込むことができるようになり、アイドルオリフィス通路25中に液柱共振を効率的に発生させてエンジンマウントを低動バネ化する。
【0042】
このとき、制御室13内を金属製ベローズ50で中間室51と作動室52に区画し、負圧を直接横可動膜10へ及ぽさないようにしたので、負圧源としてエンジンの吸気を利用しても、金属製ベローズ50によりガソリンや外部の空気が中間室51へ透過することを防止できるので、横可動膜10のガソリンによる劣化を防止でき、耐久性を向上できるとともに、ガソリン等の液体や気体の主液室20内に対する浸透を防止できる。しかも横可動膜10を耐透過性のある特殊で高価な材科で形成しなくても済むのでコストアップを回避でき、そのうえ横可動膜10を弾性本体部5をなす筒状部7の一部として一体に形成することが可能になり、その結果、製造が容易になる。
【0043】
そのうえ、中間室51の容積を横可動膜10と横可動膜ストッパ15との間に形成される空間44の容積よりも大きくするとともに、この中間室51を金属製ベローズ50により効率的に容積変化させるので、横可動膜10を確実に進退動作させることができる。金属製ベローズ50は弾性本体部5や横可動膜10と比べて殆どゴムバネ弾性を無視し得るダイアフラムのような可撓性膜を変形させる場合と同等もしくはそれ以下の小さなカで動作可能であり、その結果、制御室13を小さくできるので装置全体をコンパクト化できる。また、横可動膜10から連続する内面被覆層46及びシール部47を設けたことにより、金属製ベローズ50と筒状部45bとの直接接触を防ぎ、かつ中間室51と作動室52の間を確実にシールできる。
【0044】
次に、伸縮部材を金属製べローズ以外の耐透過性材科で構成された別実施例を説明する。図3はこのような構造の第2実施例であり、伸縮部材の断面構造のみを示し、他の構造は前実施例と共通であるので、これらの共通部については前実施例と共通符号で示す。この実施例の伸縮部材60は、横可動膜ストツパ15に対面する側となる頂部61とその周囲に接続する筒状部62とを備えるように構成し、その頂部61を略カップ状をなすアッパー金具63の底相当部が露出するように形成し、筒状部62はアッパー金具63の側面周囲壁64とこの表裏を覆う耐透過性ゴム層65で構成する。
【0045】
耐透過性ゴム層65はヒドリンゴム等からなるガソリン等の液体や気体に対する耐透過性に優れた適宜ゴム材科からなり、さらに耐透過性ゴム層65の一部は、筒状部62の開口端側から半径方向外方へ広がるフランジ部66に連続している。このフランジ66の外周部は支持部材45の筒状部45bの開口端を外側へ回り込むシール部67をなし、筒状部62の開口端とホルダー11の底部11b間をシールしている。
【0046】
このように、伸縮部材60を耐透過性ゴムとすることにより、金属製ベローズ50と同様に優れた耐透過性を確保できるとともに、アツパー金具63を使用することにより、頂部61をその金属製部分で構成して横可動膜ストッパ15との間隔を正確にできるようにしつつ、筒状部62の内部にもアツパー金具63の側面周囲壁64を一体化することにより、伸縮動作を安定させることができる。
【0047】
しかも伸縮時の変形はフランジ部66で行われるので、ゴム部におけるバネ弾性による動作カのロスは一般的なダイアフラムの変形と同視できる程小さく効率的な動作が可能である。また、伸縮動作において筒状部62は金属製ベローズ50のように半径方向に幅を取らず、筒状部62と同45bの内面被覆46の各内面間の間隔を小さくすることができ、その結果、装置のコンパクト化を実現できる。
【0048】
図4は図3の第2実施例をさらに部分的に変更した第3実施例であり、この例では、伸縮部材70全体がヒドリンゴム等の耐透過性に優れた適宜材科からなる耐透過性ゴムで構成され、前実施例同様の頂部71、筒状部72、フランジ部76及びシール部77等を備える。筒状部72の頂部71との近傍部には周方向の溝78が形成され、この溝78で収縮時に筒状部72のうち溝78より頂部71側が屈曲するようになっている。なお頂部71には肉厚部79が形成され、伸縮時において頂部71が膨張等の変形を生じないようになっている。溝78からシール部77までの構造は前実施例と同様である。
【0049】
このようにすると、前各実施例同様に伸縮部材70による良好な耐透過性を確保できるとともに、溝78による頂部71側の屈曲により伸縮時における容積変化をより大きくでき、横可動膜10の制御をより確実にできる。しかも全体を同一材科である耐透過性ゴムで形成できるので、製造がさらに容易になり、コストダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るエンジンマウントの全断面図
【図2】図1のA部拡大図
【図3】第2実施例に係る要部断面図
【図4】第3実施例に係る要部断面図
【符号の説明】
1:第1取付部材、2:第2取付部材、5:弾性本体部、7:筒状部、9:円形穴、10:横可動膜、13:制御室、14:切換バルブ、15:横可動膜ストッパ、16:仕切り部材、20:主液室、21:ダイアフラム、22:副液室、23:滅衰オリフィス通路、25:アイドルオリフィス通路、30:開閉部材、44:横可動膜と横可動膜ストッパ15との間に形成される空間、50:金属製ベローズ(伸縮部材)、51:中間室、52:作動室、60:伸縮部材、70:伸縮部材

Claims (5)

  1. 振動発生側又は振動受け側のいずれか一方側へ取付けられる第1取付部材と、他方側へ取付けられる第2取付部材と、これらの間に介在される弾性本体部とを備え、弾性本体部を壁の一部とする主液室と、この主液室と仕切り部材で仕切られかつ可撓膜部材で覆われる副液室と、これら両液室をつなぐオリフィス通路とを備えた液封防振装置において、前記弾性本体部の一部に主液室へ臨みかつ主液室に対して進退する横可動膜を設け、この横可動膜を進退させるための制御室を主液室と反対側に設け、かつこの制御室に横可動膜が所定量弾性変形したとき当接する横可動膜ストツパと、この制御室内を横可動膜ストッパ側の中間室とエンジンの吸気側又は大気側へ通じる作動室とに区画する耐透過性の伸縮部材を設け、この伸縮部材をエンジンの吸気負圧又は大気により伸縮させて前記横可動膜ストッパに向かって進退自在にするとともに、
    前記横可動膜ストッパにより、前記横可動膜との間に前記中間室と区画された空間を形成し、この空間を前記中間室と連通させ、
    さらに、前記中間室の容積を前記横可動膜と横可動膜ストッパとの間に形成される空間の容積よりも大きくしたことを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記伸縮部材が金属製ベローズであることを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  3. 前記伸縮部材を耐透過性ゴムで形成したことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  4. 前記伸縮部材は前記膜部材に対面する側となる頂部とその周囲に接続する筒状部とを備え、前記頂部のみをアッパー金具としたことを特徴とする請求項3に記載した液封防振装置。
  5. 前記伸縮部材は前記膜部材に対面する側となる頂部とその周囲に接続する筒状部とを備え、この筒状部の一部に屈曲変形を容易とする周方向の溝を形成したことを特徴とする請求項3に記載した液封防振装置。
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