JP4393426B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
また、使用済みの吸収性物品が水洗トイレに流されるときに配管を詰まらせないように、吸収性物品が小さい部分に分散する吸収性物品が提案されている。
また、本実施形態の吸収性物品1は、図1及び図2に示すように、長手方向の前端部に、陰唇間からの取り外しを容易とする摘み部12を有し、裏面シート3と表面シート2とは、吸収体4の周囲において接合されており、摘み部12を摘んで吸収性物品1を陰唇間から取り外す操作により、裏面シート3と表面シート2との間が、少なくとも摘み部近傍13(図1及び図2における斜線部)において剥離するようになされている。本実施形態において、摘み部近傍13は切断線21から長手方向後方寄りの所定の幅の部分である。所定の幅は、本物品1の長さの15〜100%、好ましくは20〜40%である。
本実施形態の吸収性物品1において、表面シート2は水解性の不織布であり、吸収体4も水解性を有している。また、裏面シート3は生分解性を有している。
切断線21は、摘み部12を持って下向きに引っ張った時に、表面シート2全体が一緒に下向きに引っ張られない様独立させておく為に重要である。切断線21に替えて、切断線に対応する位置で分離している表面シート同士を重ね合わせておくことも可能である。
水溶性の接着剤の塗工パターンは、周縁部を含む裏面シート3の肌当接面側の面全体に塗布されていることが好ましく、少なくとも周縁部に塗布されていることが好ましい。現実的には裏面シート3の周縁部を含む全体をカバーし、かつ本物品1を固くしない観点からは、スパイラルスプレー、スロットスプレー、適当に離間された線状パターンまたはこの組み合わせ(例えば格子模様)、ドット状パターン、等の隙間のあるパターンで裏面シート3の略全面に塗布されていることが好ましい。尚、塗工パターン自体は、全周部分と、剥離する部分とで、特に違いはない。
前記物理的接合手段であるヒートシールによるエンボス部6は、短い線状又はドット状であり、基本的に全周シール部分全体に不連続的に複数設けられている。エンボス部分と水溶性接着剤塗工部分はオーバーラップしている。詳述すると、エンボス部6において、表面シート2と裏面シート3とが、以下に説明するように部分的に融着されている。
表面シート2と裏面シート3とは、使用後に剥離させたくない領域においては、ドット状、又は緻密に連なった短い線状のパターンで、しっかり物理的に接合されている。一方、剥離させたい領域(例えば摘み部近傍13、以下同様)においては、図2に示すように、エンボス部6同士が隙間を空けて接合されている。この様に接合パターンが部位によって異なり、剥離させたい部分の非シール領域が明らかに大きくなっているところに特徴がある。
以上の接合方法によって、剥離させたい領域において、外周シールの接着は、エンボスの分布が粗い為元来弱く、下向きに強く引っ張ると分解する恐れがあるが、本願に係る陰唇間パッドでは(装着時は上向きに押しこみ、使用中は表面シート側から陰唇に挟まれて固定されており)、摘み部を持って外そうとするまでは下向きに力がかかることは殆どないため、分解の危険はない。
詳述すると、摘み部近傍13における裏面シート3と表面シート2との間における水溶性の接着剤による接着状態は、初期状態で以下の2つの領域がある。即ち、(1)エンボス領域;エンボスの熱と圧力によって、水溶性接着剤が表面シート2及び/または裏面シート3の材料(例えば繊維)に食い込んで固化し、接着剤が材料を係合している領域、(2)非エンボス領域;接着剤が塗布された面(通常は裏面シート側)についており、反対側には接着剤の表面粘着力(いわゆる「表面タック力」)だけでついている領域。
(1)の接着剤が食い込んで材料間を係合している領域は、接着剤が水に晒され、現実に水溶するか形状を維持できないほど構造が弱まるまでは、その接着性を失わない。
一方、(2)の接着剤の表面タック力だけで接着している部分は、湿気も含めた微小な水分でタック力が弱まり、容易に被着体と接着剤表面との間の接着力を失う。
当該個所は容易に濡れる場所ではないが、吸液による湿度上昇や発汗(いわゆる「不感蒸泄」、蒸れた感じ)だけでも(2)非エンボス領域の接着力は大きな影響を受け、接着性を失いやすい。一方(1)エンボス領域は接着剤本体が物理的に材料に食い込んでいるため、本体が溶解しない限りは接着性を失わない。使用後にはこのような状態、即ちエンボスが密になされている剥離させたい領域では、接着力の低下は殆どなく、摘み部近傍13(エンボスがまばらな、剥離を想定した部位)では、接着力の低下が著しく、前記外力により容易に外れる状態にある。尚、非湿潤状態においては、物理的接合手段であるエンボス部6における表面シート2と裏面シート3との接合は、前記外力によって外れないことが好ましい。
水溶性の接着剤の塗工坪量は、2〜40g/m2であることが好ましく、5〜20g/m2であることがより好ましい。
また、エンボス部6のパターンは、図2に示すように、緻密なドット状でも良いし、短い線が離間されて並ぶパターンでも良い。後者の、線同士の不連続的に連なる間隔は、同様の観点及び本物品1の使用時における湿潤状態では接合が維持される観点から、線間を実測した距離が少なくとも2mm以下であることが好ましく、0.3〜1mmであることがより好ましい。また、線状である場合のエンボス部6は、その長さが1〜5mm、その幅が0.5〜2mmであり、本物品1の側縁に対し、斜線状であって、間隔を空けて配置されていることが好ましい。一方点状である場合のエンボス部6の形状は、直径1〜4mmの円形、又は正方形であることが好ましい。
まず、本物品1の表面シート2側に、生理食塩水(濃度0.9%、イオン交換水に同濃度の塩化ナトリウムを溶かした水溶液で代用可能)を駒込ピペットで2ccをゆっくり注入し吸収させて、本物品1を40℃80%RHに調整した恒温槽で60分間放置する。次いで、本物品1を、その表面シート2を上側にして、オリエンテック(株)製テンシロン引張測定機RTM−25の上側のチャックに挟む。このとき吸収性物品1全体がほぼ水平になるように保ち、挟む位置は本物品1の略中央とする。本物品1の摘み部12を装置の下側のチャック部に固定し、速度300mm/minで20mm引っ張ったときの応力を測定し、その最大値を剥離強度とする。尚、摘み部12が短くて、上記のはさみ方では下側のチャックにうまくはさめない場合、適当な方法でタブを延長してはさんでも良い。例えば、各種テープ類、紐、専用の治具などを用いても良い。ここではセロハンテープ2枚の粘着面で摘み部12を上下からはさむ様にして接着し、その延長部分をチャックで挟んで測定を行った。この場合摘み延長部はチャック中央ではなく、チャック左端にオフセットして挟まれるが、特に不都合なく測定可能であった。
上記の如く剥離強度を測定した場合に、本願の如く特定の領域に剥離領域を形成している物品においては、その領域を剥離している間は剥離部分のみで吸収性物品の分解が進行し、その剥離強度は後述の如く85cN以下となる。しかし、一旦この剥離領域から外れると、シール部が強固に接着している結果剥離強度は、直ちに増大し、少なくとも100cN以上、好ましくは300cN以上となる。このとき吸収性物品の破壊は剥離部分の引裂け以外に表面シート又は裏面シートに伸び、吸収性物品全体の変形などが各所に生じる。応力測定の波形自体もベースラインが一気に上昇する為、容易にそれとわかる。
詳述すると、本物品1は、包装状態においては、裏面シート3の非肌当接面側の面同士が重なって2つ折りされているか又は平面状に展開されて包装されている。また、使用する際には、本物品1は、図3に示すように、2つ折りされて非肌当接面側は扇形に開いている。本明細書において、2つ折りは、前述したように、非肌当接面同士が重なって2つ折りされている状態と、図3に示すように扇形に開いている状態とを含んでいる。
尚、本物品1の厚さは、本物品1を平面状に展開した状態のものである。
本物品1を着用する際には、谷折りされている裏面シート3の非肌当接面側の面同士の間に指を挿入し本物品1を指で支持し、その状態で本物品1を陰唇間の空間に挟みこんで着用することが好ましい。
また、本実施形態の吸収性物品1の使用に際しては、体液の吸収性能をより高める観点から、下着の内側に固定して使用される通常の吸収性物品を併用することも好ましい。
本物品1は、水洗トイレにしばしば流される場合もあるが、汚物入れ等に廃棄される場合もあり、必ずしも水洗トイレに廃棄されるものではない(以下、同様)。
ウエブの形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、以下に示す熱可塑性繊維、親水性繊維又は両者の混合繊維からウエブを形成したもの等が好ましく、特にレーヨン単独、またはレーヨンを主成分とし、これにパルプ、コットン、各種熱可塑性繊維の中から選択された繊維を混合したものが、交絡しやすく且つ本質的に親水性で吸収性を発現しやすい観点から好ましい。各繊維の繊維長は、本物品1の使用時における湿潤状態ではシートの剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、速やかに水解する観点から、10〜120mmであることが好ましい。
熱可塑性繊維としては、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等の樹脂からなる合成繊維、及びこれらの複合繊維、更にこれらの繊維に耐久性親水化剤を塗布した繊維等が好ましい。
親水性繊維としては、その他、木材パルプ、セルロース繊維、各種再生セルロース繊維又はそれらの混合繊維を含む繊維等が好ましい。木材パルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)等の漂白された木質パルプ、化学処理を施してアルカリ膨潤したマーセル化パルプ、螺旋構造を有する化学架橋パルプ等が挙げられる。セルロース繊維としては、コットン繊維、黄麻、大麻、亜麻、苧麻、洋麻、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻)、ケナフ他1年草由来の繊維素材等が挙げられる。再生セルロース繊維としては、ビスコース法、銅アンモニア法、有機溶剤法により得られた繊維等が挙げられる。例えば、前述の如く、ビスコース法により形成されるレーヨン繊維等を好ましく用いることができる。
また、上記の親水性で生分解性の繊維の他、後述する生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維を用いて、ウエブを形成することも一層好ましい。生分解性を有するウエブとして、例えば、再表97/13920号明細書に記載のものも挙げられる。
水解性の不織布として、前記ウエブに対して、水溶性の接着剤を用いたケミカルボンド法により不織布化したものを用いることも好ましい。
また、前記水流交絡法によって不織布形成したシートに水溶性の接着剤を塗工浸透させ、結合を補強したものも好ましい。この結合補強剤としては、例えば、ポリビニルアルコールを結合補強剤として添加したもの、ポリビニルアルコールを結合補強剤として添加後、更にカルボン酸塩(水溶液)を含浸させ、乾燥させたもの、置換度0.3〜0.6、pH≧5を有するカルボキシメチルセルロース及び/又はその塩を結合補強剤として添加したもの等が上げられ、これらは少量の水分に対しては水に溶け出さず安定した結合剤として機能し、且つ水洗トイレ内で大量の水が浸透してきた場合(塩の金属架橋が外れる等の構造変化によって)直ちに結合が切れ、水解する。
吸収体4を形成する親水性繊維及び疎水性の熱可塑性繊維としては、表面シート2の材料として前述したものと同様のものが挙げられる。
また、ウエブの材料としては、各種公知のものを用いることができるが、前記水解紙の材料と同様のものを用いることが好ましい。
また、水解性の不織布としては、各種公知のものを用いることができるが、前記ウエブを、ケミカルボンド法又は水流交絡法により形成したもの等が好ましい。ケミカルボンド法においては、水溶性を有する接着剤を用いることが好ましい。
水解紙、ウエブ又は水解性の不織布を形成する繊維としては、後述する生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維であって、親水性を有するものを用いることが一層好ましい。生分解性を有する水解紙又は水解性の不織布として、例えば、再表97/13920号明細書に記載のものも挙げられる。
更に、吸収性を向上する観点から、高吸収性ポリマーを所定量担持させることも好ましい。具体的には、水洗トイレに廃棄後の流動性等の観点から、高吸収性ポリマーは吸収体の質量に対して0〜33質量%担持させることが好ましい。
高吸収性ポリマーには、当業者公知の各種樹脂を用いることが可能であるが、環境排出された後の生分解に配慮すると、
1)デンプン、セルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩等の生分解性高分子を基本骨格とし、アクリル酸及びアクリル酸塩をグラフト重合したポリマー
2)架橋度が低くゲル強度の弱いポリアクリル酸(又はその塩)、ポリアクリル酸を少量の多価カチオンで部分中和した塩、等、経血や尿など(電解質溶液)には不溶性であるが、多量の水に晒されると水溶する合成高分子
3)デンプン、不溶化デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース及びその塩、納豆産生ポリグルタミン酸及びその架橋物など、天然物由来の高吸水性物質
等の高い生分解性を有するポリマーが特に好適に用いられる。
また、セロハンやキトサン等の水不溶性の多糖類、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン、公知のシェラック樹脂を熱硬化させたもの、硬化させたうるしなどの天然樹脂等の多糖類、ゼラチン等のたん白質、ポリリンゴ酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等も好ましい。
前記各樹脂は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。
生分解性紙又は生分解性の不織布の形成材料としては、前述した水解性不織布/水解紙と同様のものを用いることができる。
植物系ワックスとしては、具体的には、ライスワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。動物系ワックスとしては、具体的には、みつろう、ラノリン、鯨ろう等が挙げられる。石油系ワックスとしては、具体的には、融点が85℃以下のもの、例えば、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。また、合成ワックスであっても、生分解性を有するものは用いることができる。
また、表面シート2及び吸収体4が水解性と共に生分解性を有している場合には、繊維の大きさ以下にまで分解されるため、最終的に、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく、環境により好適である。
尚、好ましい第1実施形態においては、エンボスのパターンの違いによって使用後の外周シール剥離性をコントロールしたが、パターンに替えて各種エンボス条件を変えることで、同様の効果を発現可能である。
例えば、エンボスパターン自体は全て所定の同一のパターンを用い、剥離部分である摘み部近傍13に相当する部分のみ、エンボス温度を下げる(具体的には、非剥離部分である摘み部12とエンボス部6はエンボス温度を110〜130℃とし、剥離部分は同110℃以下、好ましくは100℃以下とする)。この場合、エンボスのパターンと圧力は全周に同じようにかかる。非剥離部分では接着剤の融点程度の温度に達する為接着剤が溶融又は軟化して材に食い込むが、剥離部分では接着剤の融点に達しない為、接着剤が材に食い込まない。この結果湿潤又は高湿度下で、非剥離部では前述した係合効果が現れない為、剥離しやすくなる。
また、エンボスパターン、エンボス温度自体は同一で、摘み部近傍13部分のみエンボスの押し圧を下げる方法も可能である。この場合、当該部位の加圧は1kg(軸の押し圧)以下とし、その他の部位の加圧は20〜40kg(同)とする。この方法でも、押し圧の低い部位では、十分な圧力も温度も接着剤に伝わらない為、上と同様に接着剤の材への食いこみが起こらない。
上の2つの方法では、1対のエンボス軸では対応が不可能(同じ軸上の温度や圧を局所的に変更することは、工業的には不可能)なため、非剥離部分と剥離部分それぞれ別々のエンボス装置を用意して実施する必要がある。その分、製造コストが増加する、またエンボスを行う位置合わせも慎重を期す必要がある。そこで、異なる方法として、エンボスパターン、エンボス温度、圧力は共通だが、エンボスの雄ロールのピン高さを変え、非剥離部分は長く、剥離部分は短くするという方法がある。
好ましい実施形態として、エンボスの上下2本のロールのうち、裏面シートが当たる側のロールをフラット(受けロール)とし、表面シートが当たる側のロールを雄ロールとし、所定のエンボスパターンの凸部を有し、かつ110〜130℃の高温にする。このエンボスに相当する凸部(ピン)の高さを、例えば非剥離領域では11mm、剥離領域では10.5mmにする。ロール間のクリアランスを非剥離領域に合わせて設定した場合、他の条件を合わせても剥離領域では0.5mmの隙間ができる計算になる。実際には構成部材分の厚みもあるので、この部分でもエンボス加圧がなされパターン形成されるが、押しこみは不充分であり、上と同様接着剤の食いこみによる係合は生じない。
上記何れの方法でも、エンボスパターンに変更を加えたのと同様の部分的な剥離効果が得られる。この効果については、前述した剥離強度測定方法で確認可能である。
この様に塗工方式を変更すると、まずスパイラルスプレー塗工された部分は、材料に含浸して係合効果を発揮する十分な太さの接着剤が存在する。なぜなら、平均すると10g/m2の塗工量でも、微視的には接着剤は線状に寄り集まって存在し、その太さは通常直径100〜200μmに達しており、材料に含浸可能な厚さ(太さ)を十分持っているからである。一方、スロットスプレーされた領域では、接着剤はほぼ均一な膜状に存在し、その厚みは微視的に見ても10μm程度しかなく、材料に含浸していくのに十分な厚みを有していない。
似たような効果は、例えば塗工形式は全面スパイラルスプレー塗工とし、剥離領域のみ坪量を変更する(一例として当該部位のみ2g/m2、その他を10g/m2)方法も可能であるが、上の様に異なる方式を併用する方が所定の接着効果を安定して発現できる。上の応用例として、まず全面に10g/m2程度のスロットスプレー塗工を施した上で、必要な場所にスパイラルスプレーをオーバーコートする方法も可能である。
尚、本物品1の摘み部近傍13及び摘み部12の長手方向中央部(図6中の2つの領域Pに挟まれた部分)において、ドット状の複数のエンボスを設けて、表面シート2と裏面シート3とを接合することも好ましい。
本実施形態の吸収性物品1によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。その効果及び剥離強度も、第1実施形態と同様にして確認できる。
この小孔31は、摘みを下向きに引っ張った際に裏面シート3を引裂く引裂き誘導線であると同時に、陰唇間パッド1が吸収した経血を、下層のナプキンに伝える透液孔を兼ねている。したがってこの実施形態においては、本発明に係る吸収性物品1とは別に、補助として下着に固定して着用される生理用ナプキン(またはおりものシートなど)等を併用することが必須となる。図7において、位置関係を明確にするため、表面シート2における切断線21を点線で示している。
本実施形態においては、摘み部12を下向きに引いて本物品1を外そうとしたとき、まず摘みごと裏面シートが本物品1の長手方向の中央付近まで誘導線に沿って引裂け、誘導線がなくなったところで引裂きは停止して、次に本物品1全体が外れる。
この誘導線に沿った引裂きの強度は、第1実施形態と同様の方法で測定することが可能で、その好ましい強度も同様である。
上の好ましい第1〜第3いずれの実施形態においても、表面シート2、吸収体(又は吸収シート)4、裏面シート3は前記の材料から任意に選択して用いることができる。
その他、表面シート2は生分解性を有する液透過性のシートであっても良い。この形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、生分解性フィルム、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布等が好ましい。これらのシート材料には、体液を透過するように、複数の孔を設けることも好ましい。
生分解性フィルム、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布の材料としては、第1実施形態の裏面シートと同様のものが挙げられる。尚、生分解性紙等の材料としては、親水性繊維も好ましい。このような材料では、最終的に繊維の大きさ以下に分解されるため、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく環境に好適である。
吸収体4の形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布等が好ましい。
生分解性紙を用いる場合には、その材料は親水性の生分解性繊維からなるウエブに接着剤を添加して形成されているものが好ましい。親水性の生分解性繊維としては、前述した生分解性を有する繊維の中で親水性を有するものが挙げられ、具体的には、コットン繊維(綿花)、第1実施形態の水解紙の材料である親水性繊維として説明した各種繊維が用いられる。
生分解性ウエブを用いる場合には、その材料は親水性の生分解性繊維から形成されているものが好ましい。親水性の生分解性繊維としては、前記生分解性紙において前述したものが挙げられる。
生分解性の不織布は、前記生分解性ウエブに対して、ケミカルボンド法又は水流交絡法により形成したもの、熱融着性繊維を含有させてエアースルー法により形成したもの等が好ましい。ケミカルボンド法においては、生分解性を有する接着剤を用いることが好ましく、エアースルー法においては、生分解性を有する熱融着性繊維を用いることが好ましい。また、熱可塑性を有する生分解性の合成繊維のみを用いてスパンボンド法により形成したものも好ましい。
例えば、本発明の吸収性物品において、摘み部を摘んで吸収性物品を陰唇間から取り外す操作により、裏面シート全体が表面シートと剥離するようになされていても良い。裏面シートと表面シートとは、両シートの周囲が水溶性の接着剤及び物理的接合手段を併用して接合されていることが好ましい。この場合、裏面シートが取り外された後の陰唇間に挟まれている表面シート及び吸収体等は、陰唇間を開くことにより便器に落ち、水洗トイレに廃棄されることが好ましい。また、取り外された裏面シートは、汚物入れ等に廃棄されることが好ましく、該裏面シートは、水解性又は生分解性を有していなくても良い。
また、表面シートは、摘み部近傍に吸収性物品の長手方向と交差する方向に延びるミシン目を有していても良い。この場合、摘み部を摘んで吸収性物品を陰唇間から取り外す操作により、該ミシン目が切断されることが好ましい。
また、裏面シートの非肌当接面側に、下着等と固定するための固定用の粘着部を設けることも好ましい。特に、下着に固定する従来の吸収性物品等と併用する場合、本発明の吸収性物品は、その着用中に該粘着部を介して、下着に固定されている吸収性物品の肌当接面に固定される。そのため、本発明の吸収性物品を交換する際、下着を下ろすと共に本物品を陰唇間から外すことができるので、その交換が容易となり好適である。
また、同様に2つ折りの形態を維持する観点から、裏面シート3の非肌当接面側の面の一部同士を接着剤で固定してもよい。この固定が水溶性の接着剤でなされることが更に好ましい。
また、各実施形態において、裏面シートは生分解性を有していたが、水解性を有していることも好ましく、特に、水分解性及び生分解性を有していることが好ましい。
また、第1実施形態における表面シートは、水解性の不織布であったが、水解性紙又は水解性ウエブであることも好ましい。
本発明の吸収性物品は、経血の吸収パッドであっても良いが、失禁パッド等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
12 摘み部
13 摘み部近傍
2 表面シート
21 切断線
3 裏面シート
31 小孔
4 吸収体
6 エンボス部
C 縦中心線
Claims (3)
- 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を備え、陰唇間に挟んで使用される吸収性物品であって、
長手方向の端部に、陰唇間からの取り外しを容易とする摘み部を有し、
前記裏面シートと前記表面シートとは、前記吸収体の周囲において接合されており、前記摘み部を摘んで前記吸収性物品を陰唇間から取り外す操作により、該裏面シートと該表面シートとの間が、少なくとも該摘み部近傍において剥離するようになされている吸収性物品。 - 前記摘み部近傍における前記裏面シートと前記表面シートとは、水溶性の接着剤及び物理的接合手段を併用して接合されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記摘み部は前記裏面シートと前記表面シートとが積層された構成を有し、該表面シートは、該摘み部近傍に前記吸収性物品の長手方向と交差する方向に延びる切断線又はミシン目を有している請求項1又は2記載の吸収性物品。
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