JP4391894B2 - メッキ装置 - Google Patents
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Description
メッキ装置200の基台201に支持ブロック202を取り付け、支持ブロック202に筒状の筒型電極203を取り付ける。この状態で支持ブロック203の導出流路204および筒型電極の導出流路205を同軸上に配置する。
シリンダ209の内周壁209aと筒型電極203との間の隙間で流路211を形成し、この流路211を、支持ブロック202の導入流路212に連通する。
支持プレート216は、シリンダブロック207の上端部に載置した部材である。
このように、メッキ液をシリンダ209の内周壁209aに沿って強制的に流すことで、内周壁209aにメッキ被膜を高速に形成する。
この筒状の流路211に、メッキ液を矢印Aの如く供給した際に、筒状の流路211内の全域にメッキ液を均一に流すことは難しい。
このため、シリンダ209の内周壁209aに、メッキ皮膜を均一に形成することは難しく、そのことが生産性を上げる妨げになっていた。
よって、中空部の内周壁全域にメッキ被膜を均一の厚さで良好に形成することができる。
気泡を均一にすることで、気泡がメッキ液内で円滑に移動しやすくなる。気泡がメッキ液内で円滑に移動することにより、メッキ液を気泡で攪拌することができる。
よって、中空部の内周壁全域にメッキ被膜を均一の厚さで一層良好に形成することができる。
よって、中空部の内周壁全域にメッキ被膜を均一に導くことが可能になり、中空部の内周壁全域にメッキ被膜を均一の厚さでより一層良好に形成することができる。
図1は本発明に係るメッキ装置の第1実施の形態を示す概略図である。
メッキ装置10は、シリンダブロック(ワーク)11の中空部12(図5も参照)内に配置する筒形電極16を備えた電極ユニット15と、この電極ユニット15にメッキ液17を供給するメッキ液供給手段18と、メッキ液17中にエアを供給するエア供給手段21と、シリンダ13および筒形電極16間を通電する通電手段22とを備える。
このシリンダブロック11は、シリンダ13と一体にシリンダヘッド部11aを形成したもので、中空部12の上端部12aがシリンダヘッド部11aで略閉塞されたワークである。
通電手段22は、電流供給源23の陽極を筒形電極16側に接続し、陰極をシリンダ13側に接続したものである。
メッキ液としては、例えば、メッキ液中にセラミックス粒子を混合させた複合メッキ液を例に説明するが、その他の例として、ニッケルメッキ用のメッキ液を用いることも可能である。
インナー部材27と凹部26とで環状の導入流路28を形成し、この導入流路28の上端28aを環状の多孔部材33で覆う。インナー部材27に筒状の筒形電極16をボルト54…で取り付ける。
この状態で、筒形電極16の内部に形成した貫通孔16aを、導出流路31と同軸上に配置する。
この段部56aに取付け手段36を介して遮蔽板35が取り付けられている。
支持ブロック25は、中央に凹部26を形成し、凹部26の周壁26aを円形状に形成する。この周壁26aに接する接線と平行に、一対の渦発生流路29,29を180°の間隔をおいて形成する。
これらの渦発生流路29,29の供給口29a,29aをそれぞれ周壁26aに開口する。
さらに、支持ブロック25は、凹部26の底部26bに、4本のボルト54…を貫通する取付孔をそれぞれ等間隔に備え、底部26bの中央に貫通孔25aを備える。
インナー部材27に、4本のボルト54…を貫通する取付孔をそれぞれ等間隔に備え、凹み27bの内側に貫通孔27aを備える。
なお、インナー部材27を、支持ブロック25の凹部26に取り付けた状態において、インナー部材27の上面27cと、支持ブロック25の上面25cとは面一になる(図1、図2参照)。
多孔部材33は、一定の大きさの孔(微小孔)を多数備えた部材である。
下端突起16dをインナー部材27の凹み27bに挿入することで、インナー部材27の上面27cに筒形電極16の下端部16eを当接する。
この遮蔽板35を、取付け手段36のスタッドボルト58…を介して筒形電極16の上端部16aに取り付ける。
スタッドボルト58は、高さH1の脚部58aを備え、脚部58aの下端部にねじ58bを備え、脚部58aの上端58cにねじ孔58d…を備える。
筒形電極16の上端部16bにおいて、筒形電極16の内周56に、水平で且つ平坦な段部56aを形成し、段部56aの外周端56bから上縁16cに向けて漸次拡径する傾斜面56cを有する。
段部56aから上縁16cまでの高さはH2である。
すなわち、取付け手段36は、4本のスタッドボルト58…(図1〜図3に手前側の2本のみを示す)およびボルト62…からなる。
段部56aに等間隔に4個のねじ孔57…(1個のみを図示する)を形成し、それぞれのねじ孔57…にスタッドボルト58…のねじ58b…をねじ結合する。
スタッドボルト58の脚部58aは、高さH1である。高さH1は、段部56aから上縁16cまでの高さH2より大きい。すなわち、H1>H2の関係が成立する。
スタッドボルト58の脚部58aの高さH1を、段部56aから上縁16cまでの高さH2より大きくしたので、遮蔽板35を、筒形電極16の上端部16bの上方(端部上方)に取り付けることができる(図1も参照)。
よって、筒形電極16の上縁16cと遮蔽板35との間に隙間H3を開けることができる。
メッキ処理面14aとは、内周壁14のうち、メッキ被膜66(図9参照)を形成する面をいう。
また、メッキ処理境界面14bとは、メッキ処理面14aの上方の面をいう。
すなわち、間隔H4が0mm未満になると、遮蔽板35の外周端下部35aがメッキ境界位置P2より下方に位置することになり、メッキ皮膜66をメッキ境界位置P2まで形成することが難しい。
そこで、メッキ皮膜66をメッキ境界位置P2まで形成するために、間隔H4を0mm以上に設定した。
そこで、メッキ皮膜66の形成をメッキ境界位置P2に抑えるために、間隔H4を10mm以下に設定した。
具体的には、メッキ液導入隙間S2を、0.25〜5mmに設定した。
メッキ液導入隙間S2が0.25mm未満になると、メッキ液導入隙間S2が小さすぎて、メッキ液導入隙間S2にメッキ液17を導くことが難しい。
メッキ液導入隙間S2にメッキ液17を導くことができないと、遮蔽板35の外周35aを内周壁14に接触させた状態と同じことになり、従来技術で説明したようにメッキ皮膜の境界部にバリが発生する虞がある。
そこで、メッキ液導入隙間S2を0.25mm以上に設定して、メッキ皮膜66の境界部66aにバリが発生することを防ぐことにした。
メッキ液導入隙間S2からメッキ液17が流出すると、メッキ処理不要部へのメッキ液17の付着が多くなってしまう。また、メッキ処理部上部の電流密度が小さくなってしまい。その部位におけるメッキ厚さが薄くなってしまう。
そこで、メッキ液導入隙間S2を5mm以下に抑えて、メッキ液導入隙間S2からメッキ液17が流出することを防ぐことにした。
よって、遮蔽板35を取り付ける部材、すなわち、スタッドボルト58…やボルト62…の簡素化やコンパクト化を図ることが可能になり、設備費を抑えることができる。
図5は第1実施の形態のメッキ装置にシリンダブロックをセットする例を説明する図である。
電極ユニット15の支持ブロック25に、シリンダブロック11を矢印aの如く載置する。この際、筒状のシリンダ13内の中空部12に下端部(一端部)12b側から筒形電極16を配置する(図1参照)。
このため、支持ブロック25にシリンダブロック11をセットした後、中空部12の上端部12a側から遮蔽板35を所定位置に取り付けることはできない。
よって、中空部12の下端部12bのみが開口したシリンダブロック11にも、メッキ装置10の適用が可能になり、ワークの形状によって、メッキ装置10の適用が制約されることがなく、用途の拡大を図ることができる。
(a)において、供給ポンプ46を駆動することにより、タンク42内のメッキ液17が供給流路41内を矢印bの如く渦発生流路29,29((b)も参照)に向けて導かれる。
同時に、エア供給源51を駆動することにより、エア供給流路52を経て供給流路41にエアを矢印cの如く供給する。これにより、供給流路41内のメッキ液17中にエアによる気泡65…(図7(a)参照)が発生する。
気泡65…を含んだメッキ液17を、渦発生流路29,29まで矢印dの如く導く。
よって、渦発生流路29,29の供給口29a,29aから、凹部26の周壁26aに沿わせてメッキ液17を供給することで、メッキ液17を周壁26aに沿って円弧状に矢印eの如く流す。
(a)において、凹部26にインナー部材27を配置することで、凹部26およびインナー部材27で環状の導入流路28が形成されている。
気泡65…を含んだメッキ液17を、環状の導入流路28に沿って円弧状に流す。導入流路28に沿って円弧状に流れたメッキ液17は、導入流路28の上端28aの多孔部材33を経てメッキ流路38内に流れる。
そこで、気泡65…を含んだメッキ液17を多孔部材33を経てメッキ流路38内に導くことで、メッキ液17中の気泡65…を比較的小さくし、かつ気泡65…のサイズを均一に整え、さらに気泡65…を均一に分散するようにした。
このメッキ液17中には、比較的小さく、かつサイズを均一に整えた気泡65…が含まれている。
メッキ液17を攪拌性を高めることで、メッキ流路38にメッキ液17を均一に流すことができる。
よって、シリンダ13の内周壁14全域にメッキ被膜66(図9)を均一の厚さで良好に形成することができる。
(a)において、メッキ液17中の気泡65…を、比較的小さく、かつ気泡65…のサイズを均一にすることで、気泡65…がメッキ液17内で円滑に移動しやすくなる。
ここで、通電手段22(図6(a)参照)で筒形電極16およびシリンダ13は通電状態にある。
よって、メッキ液17中のメッキ成分を矢印iの如くシリンダ13の内周壁14全域に均一に導く。これにより、内周壁14全域にメッキ被膜66を均一の厚さで一層良好に形成することができる。
よって、シリンダ13の内周壁14全域にメッキ被膜66を均一の厚さでより一層良好に形成することができる。
一方、筒形電極16の上端部16bまで到達したメッキ液17のうち、残りのメッキ液17は、遮蔽板35と内周壁14との間のメッキ液導入隙間S2に矢印kの如く入り込む。
ここで、メッキ液導入隙間S2を5mm以下に抑えることで、メッキ液導入隙間S2からメッキ液17が流出することを防ぐ。
万が一、メッキ液導入隙間S2内のメッキ液17の液面高さh1が遮蔽板35の上面35dと異なる場合には、コントロールバルブ48で調整することで、液面高さh1を遮蔽板35の上面35dと略面一にすることは可能である。
遮蔽板35の外周35bと内周壁14との間のメッキ液導入隙間S2にメッキ液17を導いた状態において、通電手段22(図6(a)参照)で筒形電極16およびシリンダ13を通電する。
この状態において、シリンダ13の下端位置P1およびメッキ境界位置P2間の電流密度を一定値A1を保ち、メッキ境界位置P2およびメッキ上限位置P3間の電流密度を、メッキ境界位置P2からメッキ上限位置P3に向けて漸次減少させる。
これにより、メッキ処理面14aに対する電流密度を一定値A1を保ち、メッキ処理面14aに形成したメッキ被膜66のメッキ厚さtを一定に確保することができる。
よって、メッキ処理境界面14bにおいて、電流密度は、メッキ境界位置P2からメッキ上限位置P3に向けて漸次減少し、メッキ上限位置P3で0になる。
これにより、メッキ処理境界面14bにおいて、メッキ被膜66のメッキ厚さtを、メッキ境界位置P2からメッキ上限位置P3に向けて漸次薄くし、メッキ上限位置P3で0にすることができる。
これにより、メッキ皮膜66の表面を加工する際に、メッキ皮膜66が境界部66aから剥離することを防ぐことができる。
よって、メッキ被膜66が必要なメッキ処理面14aにのみ、メッキ皮膜66を確実に形成することができる。
なお、縦軸の位置Pにおいて、シリンダの下端位置P1およびメッキ境界位置P2間はメッキ処理面14aであり、メッキ境界位置P2およびメッキ上限位置P3間はメッキ処理境界面14bである。
グラフg2は、間隔H4(図4参照)を1mm、メッキ液導入隙間S2(図4参照)を3mmに設定した状態で、メッキ被膜を形成した例を示す。
グラフg3は、間隔H4を1mm、メッキ液導入隙間S2を2mmに設定した状態で、メッキ被膜を形成した例を示す。
なお、間隔H4は、遮蔽板35の外周端下部35aとメッキ境界位置P2との間の間隔である。また、メッキ液導入隙間S2は、遮蔽板35の外周35bと内周壁14との間の所定の隙間である。
そこで、グラフg1、グラフg2、グラフg3およびグラフg4の上記条件でメッキ被膜66を形成し、それぞれのメッキ厚さtがメッキ処理面14aにおいて、100μmを確保しているか否かを判定した。
判定の結果、100μmを確保しているものを○、確保していないものを×とした。
すなわち、グラフg1は、メッキ処理面14aにおいて、100μmを確保することができなかった。
よって、グラフg1の評価は×である。
よって、グラフg2の評価は○である。
よって、グラフg2の評価は○である。
よって、グラフg2の評価は○である。
さらに、上記試験を、間隔H4が0〜10mmの範囲で、かつメッキ液導入隙間S2が0.25〜5mmの範囲で実施した結果、評価が良になることが確認された。
第2実施の形態のメッキ装置70は、第1実施の形態のメッキ装置10と比較して遮蔽板71が異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態のメッキ装置10と同じである。
すなわち、メッキ装置70は、筒形電極16の上端部16bの上方(端部上方)に絶縁性の遮蔽板(遮蔽部材)71を取付け手段36を介して取り付け、遮蔽板71の外周下面71aを、外周71bの近傍部位71cから外周端下部71dに向けて下り勾配の傾斜面となるように形成したものである。
よって、遮蔽板71によれば、遮蔽板71の下面71eの下方に外周端下部71dを配置することができる。
さらに、第2実施の形態のメッキ装置70によれば、第1実施の形態のメッキ装置10と同様の効果を得ることができる。
Claims (1)
- 内部に貫通孔を備えた筒型電極を、ワークの中空部内に隙間を開けて配置することにより、この隙間を円筒状に形成し、この円筒状の隙間および貫通孔を筒型電極の端部を経て連通し、この円筒状の隙間にメッキ液を流し、筒状電極の端部まで到達したメッキ液を貫通孔に導くことにより、中空部の内周壁にメッキ被膜を形成するメッキ装置において、
前記円筒状の隙間の下端部に、メッキ液を供給するための供給流路を連通し、この供給流路と前記下端部との間に、多数の孔を備えた多孔部材を設け、この供給流路に、エアを供給するエア供給手段を設け、
このエア供給手段で供給流路にエアを供給することで、供給流路内のメッキ液中に気泡を混入させ、気泡が混入したメッキ液を多孔部材を経て円筒状の隙間に導き、
前記円筒状の隙間の下端から上端に向けて、前記気泡が混入したメッキ液を螺旋状に流すように構成したことを特徴とするメッキ装置。
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