JP4391622B2 - 衛星画像からの海面抽出処理方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、人工衛星によって撮影された地球表面の画像から陸地の部分を自動的に識別して海面の部分の画像データを検出する衛星画像からの海面抽出処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
衛星画像は、人工衛星の撮像装置で撮影した地球表面の画像データを人工衛星に搭載した信号処理装置、送信装置を介して地上に送り、地上の受信装置、信号処理装置を経由して電子計算機にて処理可能なCD−ROM、磁気テープ等の媒体に記録する。
【0003】
従来の技術では、これらの媒体を入出力制御部で読み取り、表示装置に表示された衛星画像を人間が目視して、陸地か海面かを判断し、人間の入力装置によって画像編集およびデータ編集を行っていた。
【0004】
また、従来の技術では、目視による方法に加えて、ディジタルマップを使用する方法、海面と陸地の画像の特徴の違いを利用して区別する方法が用いられていたが、これらにより取りきれない陸地部分については、人手により範囲指定を行い除去する方法が取られていた。
【0005】
ディジタルマップによる方法では、電子計算機に入力された衛星画像の各画素の位置座標(X_RNG,Y_AZ)とディジタルマップデータ(X_UTM,Y_UTM,height)とを電子計算機内部で単一平面の座標上で照合し、同一位置での衛星画像のディジタルマップデータの標高(height)が0であるか否かで陸地か海面かの判定をする処理方法が研究されている。
【0006】
ここで、X_RNGは衛星画像のレンジ方向の座標、Y_AZは衛星画像のアジマス方向の座標である。レンジとは、衛星の撮像装置の目視線方向を基準とした距離を示すものであり、アジマスとは、衛星の撮像装置の中心軸から見た左右方向の角度を示すものである。また、X_UTM,Y_UTMは、市販の地図やディジタルマップデータで一般的に使用されている直交座標系であり、X軸とY軸の方向は緯線とその直交方向となっている。UTM座標系については従来より知られているので詳細な説明を省略する。
また、heightは、X_UTM,Y_UTMで定まる位置の標高を示すものであり、ディジタルマップデータにおいては、海面は標高を0とする等の方法により陸地との区別がつけられている。
【0007】
衛星画像上のX_RNGとY_AZ座標と、X_UTM,Y_UTMとの間の座標変換については、必要な変換式と変換計算の係数が各衛星運用機関から提供されており、この変換式および変換係数を用いることにより、両座標を相互に変換し、同一平面に重ね合わせることが可能である。この方法についても従来より知られているので詳細な説明を省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来では、船舶の監視・海洋汚染のモニタリング等の目的で海面の画像を解析する上で、海岸線や岩礁等の陸地の一部が海岸線に混入することにより解析結果に誤りが発生することが起こっていた。
【0009】
また、ディジタルマップを使用する方法では、衛星の軌道誤差に起因する衛星画像とディジタルマップの位置ずれの影響を受けること、ディジタルマップの分解能以下の小さな岩礁や海上の人工構造物についてはディジタルマップに記載されていない等の問題があり、完全な陸地の除去はできなかった。
【0010】
これは、衛星の軌道および姿勢から推定した衛星画像の撮影位置範囲が軌道誤差および姿勢誤差によって真の位置に比べて数100mから1kmの範囲でずれるために、これが衛星画像の画素とディジタルマップの画素の位置ずれとなって、正しく照合ができないことによって、陸地と海面の境界部分で誤った判定を行うためである。
【0011】
また、ディジタルマップデータの分解能が250m等の大きさであるのに対して衛星画像の分解能が1m〜20m程度と細かく、ディジタルマップにおいて明記されていない海上の人工構造物や岩礁等についても、衛生画像上は明確に確認されるため、照合が不一致となる。
【0012】
ディジタルマップによらずに、陸地と海面の画像の特徴の違いによる判別の方式の場合においても、海岸線の抽出が完全に行えないこと、船舶等を陸地と誤ることにより誤りが発生した。
【0013】
以上の通り、従来の方法では、十分な陸地の除去と海面の抽出はできず、人手による補助が必要であったため、船舶や海洋汚染の監視等の自動化・オンライン化されたシステムを構築する上での大きな障害となっていた。
【0014】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、衛星画像の撮影位置の誤差による画像データの位置のずれがあっても衛星画像の画素データ上の陸地部分と海面部分を正しく識別できる衛星画像からの海面抽出処理方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る衛星画像からの海面抽出処理方法は、衛星画像から陸地と海面を識別し海面画像を自動抽出するための衛星画像からの海面抽出処理方法において、衛星画像の全域を走査して、各画素に対応するディジタルマップのデータに基づいて陸地と海面の識別を行う際に、衛星画像上の走査位置に対応する前記ディジタルマップ上の位置を求め、当該ディジタルマップの標高値を調べることにより、対応位置が陸地か海面かの判定を行い、判定の結果、対応位置が陸であると判定された場合に、衛星画像のレンジ方向の推定位置誤差に基づくレンジ方向幅を長径とし衛星画像のアジマス方向の推定位置誤差に基づくアジマス方向幅を短径とする楕円形でなる拡大された陸地マスクパターンに基づいて衛星画像の対応位置及び当該対応位置周辺の前記陸地マスクパターンの範囲の画素を陸地として除去することを特徴とするものである。
【0016】
また、陸地部分の除去後の画像について、衛星画像の各画素の輝度を検出スレッショルドと比較評価することにより、海面上の人工構造物、岩礁、船舶等の目標物を検出することを特徴とするものである。
【0017】
さらに、衛星画像上で検出した海面上の目標物について、新規に探知した目標物を中心として、前記陸地マスクパターンの長径及び短径をそれぞれ所定倍した楕円形の相関範囲内に過去に探知した目標物が存在するか否かを判定を行うことにより、海上の人工構造物、岩礁等の海上固定物を検出し、陸地部分の除去後の衛星画像からさらにこれらの海上固定物を除去することで、海面を抽出することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る衛星画像からの海面抽出処理方法を説明するもので、衛星画像における陸地と海面の識別を行う方法を実行する装置の全体構成図である。
【0019】
図1において、1は衛星運用機関において衛星から受信処理されCD−ROM、磁気テープ等の記録媒体に記録された衛星画像データであり、この衛星画像の媒体には、衛星画像とともに、衛星画像上の位置と地球表面上の位置を照合するための座標変換係数等の必要なデータが添付されている。2は衛星画像データ1を媒体から読み込み、表示装置3に対して衛星画像を表示するとともに、抽出された海面画像データ10を出力するための入出力部である。
【0020】
4は衛星画像の撮影範囲に対応するディジタルマップデータを数値地図データベース5から読み出し、衛星画像とディジタルマップデータとの両者を比較照合することにより衛星画像から陸地の除去を行う陸地除去部である。6は陸地除去後の衛星画像に対して、海上構造物、岩礁、船舶等の海上目標物を検出する目標検出部である。7は目標検出部6にて衛星画像から検出された海上目標物と、過去の異なる日時に撮影されて衛星画像から検出されて目標データベース8に記録されている海上目標物と位置の照合を行い、岩礁等の海上固定物を特定する目標管理部である。9は陸地除去部4において陸地を除去した衛星画像に対して、目標管理部7で検出した海上固定物を更に除去処理することにより、正しい海面を得るための海上構造物等除去部である。
【0021】
次に、上記実施の形態1の動作を、図8〜図11を参照しながら説明する。
図8は陸地除去部4、図9は目標検出部6、図10は目標管理部7、図11は海上構造物等除去部9の動作を示すフローチャートである。
【0022】
陸地除去部4においては、図8に示すように、まず、走査開始位置設定27において、衛星画像の左上位置(X_UTM,Y_UTM)を走査開始位置に設定する。
【0023】
次に、図2に示す衛星画像とディジタルマップデータのように、衛星画像とディジタルマップとでは座標系の定義が異なっているため、座標変換を行い照合を行う。すなわち、衛星画像位置のディジタルマップ位置への変換処理28において、現時点の衛星画像上の走査位置に対応するディジタルマップ上の位置を求める。ここにおいて、その変換fprojは、衛星画像の座標系からディジタルマップの座標系への変換を行う変換式であり、衛星運用機関から提供されるものである。この方法は従来から知られたものであり、詳細の説明は省略する。
【0024】
次に、ディジタルマップ標高データに基づく海面/陸地判別処理29において、走査位置に対応するディジタルマップの標高値を調べることにより、ディジタルマップの対応位置が陸地か海面かの判定を行う。
【0025】
判定の結果、ディジタルマップ上の対応位置が陸であると判定された場合には、拡大された陸地マスクパターンに基づく陸地判別処理30において、衛星画像の対応位置を陸地として除去(陸地フラグを設定することにより海面画像から除去する)するとともに、該当位置の周辺の図3に示す陸地マスクパターンの範囲の画素についても同様に陸地として除去する。
【0026】
そして、レンジ方向走査終了確認処理31において、現在の衛星画像上の走査位置がレンジ方向の末端(右端)であるか否かを判定し、末端である場合には、レンジ方向を左端に戻しアジマス方向の走査を先に(下に)進める。末端でない場合には、アジマス位置はそのままとし、レンジ方向の走査を先に進める。
【0027】
さらに、レンジ方向の走査継続処理32は、レンジ方向の走査が末端に達していない場合に、レンジ方向の走査を先に進める処理であり、アジマス位置は変更しない。その後、処理28以降の処理を繰り返し実行する。
【0028】
レンジ方向の走査が末端に達している場合に、アジマス方向の走査を先に進めるに先だって、アジマス方向が末端(下端)に達していないかの判定をアジマス方向走査終了確認処理33で確認する。
【0029】
確認の結果、アジマス方向が末端に達していない場合には、アジマス方向走査継続処理34において、アジマス方向を先に(下に)進める。この際にレンジ方向は初期位置(左端)に初期化する。
その後、処理28以降の処理を繰り返し実行する。
確認の結果、アジマス方向が末端に達した場合には、陸地除去部の処理を終了する。
【0030】
次に、目標検出部6においては、図9に示すように、まず、走査開始位置の設定処理35において、衛星画像の左上位置(X_UTM,Y_UTM)を走査開始位置に設定する。
【0031】
次に、衛星画像上の現時点の走査位置が陸地除去部において陸地として判定されているかどうかを、海面・陸地判定処理36において確認する。
【0032】
確認の結果、衛星画像上の現時点の走査位置が陸地除去部において陸地と判定されていた場合には、その位置に対する目標検出処理は実施せず、走査を先に進める。他方、確認の結果、衛星画像上の現時点の走査位置が陸地除去部において陸地と判定されていなかった場合には、その走査位置に図5に示す目標検出ゲートを設定する。
【0033】
目標検出ゲートは、外枠19と内枠20から構成されており、それぞれの範囲に入る画素の振幅(衛星画像に記録されている衛星撮像装置の受信信号の振幅値)の平均(mean_Gate_in,mean_Gate_out)の比(Gate_Ratio)を計算し、これにより目標の有無の判定を行う。
【0034】
この目標検出ゲートによる目標の有無の判定方式は、従来から目標捜索レーダにおいて用いられていた、図6に示すレーダの目標検出回路の方法を2次元化したものである。レーダは入力信号が時系列データとして入力されるため、目標検出ゲートは目標検出範囲のレンジビン23とこれを挟む2つのレンジビン遅延回路22から構成されている。また、レーダの目標検出回路については、従来からの方法であり、詳細な説明を省略する。
【0035】
次に、目標検出判定処理38において、目標検出ゲートの外枠と内側の平均振幅の比(Gate_Ratio)を判定スレッショルドと比較評価することにより、現在の走査位置の目標の有無を判定する。
【0036】
目標検出判定処理38において、振幅比がスレッショルドを超えている場合には、現在の走査位置に目標有りと判定し、新規検出目標登録処理39において、現在の走査位置のアジマス、レンジ座標をディジタルマップ上のX,Y座標に投影変換し、目標データベース8に登録する。
他方、目標検出判定処理38において、振幅比がスレッショルドを超えてなく、目標無しと判定した場合には、走査を先に進める。
【0037】
次に、レンジ方向走査終了確認処理40においては、現在の走査位置がレンジ方向の末端にあるか否かを判定する。
【0038】
レンジ方向走査終了確認処理40において、現在の走査位置がレンジ方向の末端に無いと確認した場合には、レンジ方向走査の継続処理41において、レンジ方向の走査を先に進め、処理36以降の処理を繰り返す。
他方、レンジ方向走査終了確認処理40において、現在の走査位置がレンジ方向の末端に達したと確認した場合には、アジマス方向走査終了確認処理42において、現在の走査位置がアジマス方向の末端(下端)に達しているか否かを確認する。
【0039】
アジマス方向走査終了確認処理42による確認の結果、アジマス方向の走査が末端に達していない場合には、アジマス方向の走査継続処理43において、アジマス方向の走査を先に進めるとともに、レンジ方向の走査を初期位置(左端)に戻し、処理36以降の処理を繰り返す。
他方、確認の結果、アジマス方向の走査が末端に達していることを確認した場合には、目標検出部の処理を終了する。
【0040】
次に、目標管理部7においては、図10に示すように、まず、衛星画像範囲のディジタルマップ対応範囲確認処理44において、衛星画像の上下左右の四隅の位置のレンジ、アジマス座標を投影変換し、対応するディジタルマップ上のX,Y座標を求める。
【0041】
そして、目標データベース検索処理45において、処理44で求めたディジタルマップ上の4点の範囲内に入る目標を目標データベース8より検索しリストアップする。
目標データベース8は、過去に検出した各目標について、すでに岩礁や海上人工構造物等の海上固定物であることが確定した海上固定目標と、海上固定目標であるか船舶等であるかが確定していない暫定登録目標に分類して登録管理し、目標データベース検索処理45では、これらの分類に則して、検索した目標をそれぞれリストアップする。
【0042】
続いて、目標相関開始処理46では、目標検出部6で検出し目標データベースに登録した新規検出目標を任意に1つ選択する。
【0043】
登録済み海上固定目標との相関確認処理47においては、目標相関開始処理46で選択した新規検出目標と、目標データベース検索処理45でリストアップした「海上固定目標」とを相関させ、対応を確認する。
この相関は、図7に示すように、新規の探知目標24を中心とするセンサ位置誤差域(相関範囲)26内に過去の探知目標(本処理では「海上固定目標」を対象)25が存在するか否かで判定する。
【0044】
この相関範囲の形状は、図3に示した陸地マスクパターンと同様の楕円形とするが、新規検出目標と過去の検出目標のそれぞれの位置データに衛星画像の位置誤差に起因する誤差があるため、これを考慮して楕円の長径・短径を陸地マスクパターンの長径・短径(衛星画像のレンジ方向推定誤差とアジマス方向推定誤差)に対して、それぞれ√2倍したものを適用する。
【0045】
登録済み海上固定目標との相関確認処理47において、登録済みの海上固定目標との相関が確認された場合には、現在選択している新規検出目標の確認は完了したものとして、次の新規検出目標の確認に移行する。
他方、登録済み海上固定目標との相関確認処理47において、登録済みの海上固定目標との相関が確認されない場合には、次に暫定登録目標との相関確認を行う。
【0046】
暫定登録目標との相関確認処理50においては、現在選択している新規検出目標と、処理45においてリストアップした暫定登録目標の相関を確認する。
暫定登録目標との相関の確認は、登録済み海上固定目標との相関確認処理47と同様に実施するものとし、詳細の説明は省略する。
【0047】
現在選択している新規検出目標と相関の取れる暫定登録目標がある場合には、その暫定登録目標は海上固定目標であると判定し、海上固定目標の新規登録処理49において、海上固定目標として目標データベース8に改めて登録する(登録種別を変更する)。
【0048】
現在選択している新規登録目標が、処理45においてリストアップされた海上固定目標、暫定登録目標のいずれとも相関が取れなかった場合には、目標相関継続処理52において、次の新規登録目標を選択して、処理47以降の処理を繰り返すが、それに先だって、目標相関完了処理51において、新規登録目標の相関処理が全て完了しているかを確認し、完了している場合には、目標管理部の処理を終了する。
【0049】
次に、海上構造物等除去部9においては、図11に示すように、まず、海上固定目標検索処理53において、衛星画像範囲に所在する海上固定目標を検出する。この処理は、処理44、45の処理と類似の処理であるので、詳細の説明を省略する。
【0050】
そして、海上固定目標除去開始処理54において、海上固定目標検索処理53でリストアップした海上固定目標を任意に1つ選択する。
【0051】
さらに、選択した海上固定目標を衛星画像から除去するため、海上固定目標のディジタルマップ上の座標から、海上固定目標位置逆変換処理55において、衛星画像上の座標を算出する。
【0052】
続いて、海上固定目標周辺画素の除去処理56において、海上固定目標の衛星画像上の位置を中心として、図3に示した陸地マスクパターンの範囲の画素を陸地として除去する(陸地フラグを設定する)。
【0053】
海上固定目標除去完了確認処理57において、海上固定目標検索処理53においてリストアップした海上固定目標の全てについて、衛星画像からの除去処理が完了したか否かを確認し、完了していれば、海上構造物等除去部を終了する。
【0054】
リストアップした海上固定目標について、処理が未了のものがあれば、海上固定目標継続処理58において、次の海上固定目標を選定し、処理55からの処理を繰り返し実行する。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、衛星画像の全域を走査して、各画素に対応するディジタルマップのデータに基づいて陸地と海面の識別を行う際に、衛星画像の位置誤差を考慮して拡大処理したマスクパターンを用いることにより、陸地部分を除去するようにしたので、衛星画像の撮影位置の誤差による画像データの位置のずれがあっても衛星画像の画素データ上の陸地部分と海面部分を正しく識別できるという効果を奏する。
【0056】
また、陸地部分の除去後の画像について、衛星画像の各画素の輝度を検出スレッショルドと比較評価することにより、海面上の人工構造物、岩礁、船舶等の目標物を検出し、衛星画像上で検出した海面上の目標物について、衛星の軌道誤差および姿勢誤差から算出した推定位置誤差範囲で、撮影日時の異なる同一地域の衛生画像と照合することにより、海上の人工構造物、岩礁等の海上固定物を検出し、陸地部分の除去後の衛星画像からさらにこれらの海上固定物を除去することにより、衛星画像データからディジタルマップデータに保存されていない海上の人工構造物、岩礁等を検出して陸地を判別でき、正しく海面を抽出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態を示す衛星画像における陸地・海面の判別を行い海面画像を抽出する装置の全体構成図である。
【図2】 衛星画像とディジタルマップのそれぞれの座標系を示す図である。
【図3】 陸地除去処理に使用する拡大されたマスクパターンを示す図である。
【図4】 陸地除去処理により拡大された陸地の外延部分を示す図である。
【図5】 海上目標物を検出するための目標検出ゲートを示す図である。
【図6】 従来の目標捜索レーダにおいて使用されている目標検出回路を示す図である。
【図7】 海上固定目標物を特定するための相関範囲を示す図である。
【図8】 陸地除去部の処理フローを示す図である。
【図9】 目標検出部の処理フローを示す図である。
【図10】 目標管理部の処理フローを示す図である。
【図11】 海上構造物等除去部の処理フローである。
【符号の説明】
1 衛星画像データ、2 入出力制御部、3 表示装置、4 陸地除去部、
5 数値地図データベース、6 目標検出部、7 目標管理部、8 目標データベース、9 海上構造物等除去部、10 海面画像データ、11 衛星画像のレンジ方向、12 衛星画像のアジマス方向、13 ディジタルマップのX方向、14 ディジタルマップのY方向、15 衛星画像のレンジ方向の推定位置誤差に基づくマスクパターンのレンジ方向幅、16 衛星画像のアジマス方向の推定位置誤差に基づくマスクパターンのアジマス方向幅、17 レンジ方向幅とアジマス方向幅から定まる楕円形のマスクパターン、18 陸地外延部、19 目標検出ゲートの外側部分、20 目標検出ゲートの内側部分、21 目標検出ゲート走査方向、22 レーダからの入力信号の時間遅延回路、23 目標検出対象時間範囲(レンジビン)の抽出回路、24 目標検出部にて検出した新規の検出目標、25 目標データベースに登録されている過去の検出目標、26 新規の検出目標と過去の検出目標の位置を照合するための相関範囲、27 走査開始位置の設定処理、28 衛星画像位置のディジタルマップ位置への変換処理、29 ディジタルマップ標高データに基づく海面/陸地判別処理、30 拡大された陸地マスクパターンに基づく陸地判別処理、31 レンジ方向走査終了確認処理、32 レンジ方向走査の継続処理、33 アジマス方向走査終了確認処理、34 アジマス方向走査の継続処理、35 走査開始位置の設定処理、36 海面・陸地判定処理、37 目標検出ゲート処理、38 目標検出判定処理、39 新規検出目標登録処理、40 レンジ方向走査終了確認処理、41 レンジ方向走査の継続処理、42 アジマス方向走査終了確認処理、43 アジマス方向走査の継続処理、44 衛星画像範囲のディジタルマップ対応範囲確認処理、45 目標データベース検索処理、46 目標相関開始処理、47 登録済み海上固定目標との相関確認処理、48 暫定登録目標との相関確認処理、49 海上固定目標の新規登録処理、50 暫定登録目標の新規登録処理、51 目標相関完了確認処理、52 目標相関継続処理、53 海上固定目標検索処理、54 海上固定目標除去開始処理、55 海上固定目標位置逆変換処理、56 海上固定目標周辺画素の除去処理、57 海上固定目標除去完了確認処理、58 海上固定目標除去継続処理。
Claims (3)
- 衛星画像から陸地と海面を識別し海面画像を自動抽出するための衛星画像からの海面抽出処理方法において、
衛星画像の全域を走査して、各画素に対応するディジタルマップのデータに基づいて陸地と海面の識別を行う際に、衛星画像上の走査位置に対応する前記ディジタルマップ上の位置を求め、当該ディジタルマップの標高値を調べることにより、対応位置が陸地か海面かの判定を行い、判定の結果、対応位置が陸であると判定された場合に、衛星画像のレンジ方向の推定位置誤差に基づくレンジ方向幅を長径とし衛星画像のアジマス方向の推定位置誤差に基づくアジマス方向幅を短径とする楕円形でなる拡大された陸地マスクパターンに基づいて衛星画像の対応位置及び当該対応位置周辺の前記陸地マスクパターンの範囲の画素を陸地として除去することを特徴とする衛星画像からの海面抽出処理方法。 - 請求項1に記載の衛星画像からの海面抽出処理方法において、陸地部分の除去後の画像について、衛星画像の各画素の輝度を検出スレッショルドと比較評価することにより、海面上の人工構造物、岩礁、船舶等の目標物を検出することを特徴とする衛星画像からの海面抽出処理方法。
- 請求項2に記載の衛星画像からの海面抽出処理方法において、衛星画像上で検出した海面上の目標物について、新規に探知した目標物を中心として、前記陸地マスクパターンの長径及び短径をそれぞれ所定倍した楕円形の相関範囲内に過去に探知した目標物が存在するか否かを判定を行うことにより、海上の人工構造物、岩礁等の海上固定物を検出し、陸地部分の除去後の衛星画像からさらにこれらの海上固定物を除去することで、海面を抽出することを特徴とする衛星画像からの海面抽出処理方法。
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