JP4391182B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波診断装置に係り、特に超音波ドップラ血流速度を測定する超音波診断装置に関する。
複数の箇所に超音波ドップラ血流信号の受信ゲートを設定する手法の一例として、Bモード画像上で設定した複数の受信ゲートに向けて超音波ビームを順次送信し、これらの受信ゲート位置におけるドップラシフト周波数を抽出し、それぞれの送受信方向の信号について個別にサンプルホールド、ウォールフィルタ処理を行い、マルチプレクサにより入力信号を切り換えた後に、順次AD変換、高速フーリエ変換を行い、必要に応じてモニタ上に複数の受信ゲート位置における血流速度の波形を同時表示するというものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−165400号公報
しかしながら、上記従来の方法によれば、複数箇所の血流信号を同時に観測することは可能となるが、それぞれの受信ゲート位置の超音波ドップラ血流信号を測定する際の流速スケール(PRF:Pulse Repetition Frequency)を個別に設定することができないという問題がある。
たとえば、循環器領域の診断で用いられる組織ドップラ法では、心臓内の心室、心房間の流出入速度と、心臓壁の運動速度を測定し、これらの値を比較することで被検体の心機能を診断する。しかし、通常、左室流入血流速度は4kHz以上のPRFで測定するのに対して、心臓中隔壁の壁運動速度を測定する場合は500Hzから1.5Hz程度のPRFで測定することが一般的ある。このような場合、左室流入血流速度を測定するためのPRFで心臓中隔壁の壁運動速度を同時に測定しようとすると、壁運動速度のスペクトラムは非常に小さく表示され、周波数分解能が低下する。一方で、心臓中隔壁の壁運動速度を測定するためのPRFで左室流入血流速度を測定しようとすると、PRFが低すぎるために血流速度のスペクトラムには折り返し(エイリアシング)が発生してしまう。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、超音波ドップラ血流信号を受信するための受信ゲートを複数箇所に設定し、それぞれの受信ゲートごとに個別のPRFで血流速度を同時に測定することができる優れた超音波診断装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明に係る超音波診断装置は、体内組織に対して超音波ビームを送受信する超音波診断装置であって、送信方向を切り替えて複数の方向に超音波ビームを送信する送信方向制御手段と、送信方向制御手段によって送信された方向から血流により反射された超音波ドップラ信号を受信するために受信方向を切り替える受信方向制御手段と、受信方向制御手段によって受信された超音波ドップラ信号を複数の信号に分割する信号分割手段と、信号分割手段によってそれぞれの受信方向ごとに分割された信号の入出力レートを変換する速度変換手段とを備えたものである。
この構成によれば、複数の箇所の超音波ドップラ血流信号をそれぞれ個別の流速スケール(PRF)で同時に測定することが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断装置はさらに、送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの周波数を送信方向ごとに個別に設定する送信周波数設定手段を備えたものである。
この構成によれば、受信信号中から目的の方向の超音波ドップラ血流信号のみを抽出することができるため、それぞれの送信方向からの受信を待たずに次の送信を行うことが可能であり、それぞれの測定箇所についてより高いPRFで超音波ドップラ血流信号を同時に測定することが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断装置はさらに、送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの周波数を送信方向ごとに個別に設定する送信周波数設定手段と、信号分割手段によってそれぞれの受信方向ごとに分割された信号から、受信方向ごとに個別に送信周波数の帯域を抽出する帯域抽出手段とを備えたものである。
この構成によれば、受信信号中から目的の方向の超音波ドップラ血流信号のみを抽出することができるため、それぞれの送信方向からの受信を待たずに次の送信を行うことが可能であり、それぞれの測定個所についてより良いS/N比とより高いPRFで超音波ドップラ血流信号を同時に測定することが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断装置はさらに、送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの送信パルス長を送信方向ごとに個別に設定する送信パルス長設定手段と、送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの送信パルスの振幅を送信方向ごとに個別に設定する送信パルス振幅設定手段とを備えたものである。
この構成によれば、それぞれの送信方向ごとに適した送信パルス長と送信パルス振幅を個別に設定することが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断装置はさらに、受信方向制御手段によって受信される超音波ドップラ信号の受信ゲート位置を受信方向ごとに個別に設定する受信ゲート位置設定手段と、受信方向制御手段によって受信される超音波ドップラ信号の受信ゲート幅を受信方向ごとに個別に設定する受信ゲート幅設定手段とを備えたものである。
この構成によれば、それぞれの送信方向ごとに適した受信ゲート位置と受信ゲート幅を個別に設定することが可能となる。
この場合、本発明に係る超音波診断装置はさらに、送信方向制御手段によって超音波ビームが送信されるそれぞれの方向を断層像上に異なる色の線分として表示する送信方向表示手段と、受信ゲート位置設定手段によって設定されるそれぞれの受信ゲートに対応する断層像上の位置にゲートマークを表示する受信ゲート表示手段と、受信ゲート表示手段によって表示される受信ゲートの色を受信ゲートごとに個別に設定する受信ゲート色設定手段と、速度変換手段によって変換された各方向の超音波ドップラ信号の入出力レートに応じて、送信方向表示手段によって表示される送信方向を示す線分の太さを送信方向ごとに個別に設定する速度識別手段と、受信ゲート表示手段によって表示されるゲートマークの付近にそれぞれの入出力レートを表示する速度表示手段とを備えたものである。
この構成によれば、それぞれの送信方向および受信ゲート位置を直感的に識別することが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断装置はさらに、信号分割手段によって分割され速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号の周波数成分を推定する周波数成分推定手段と、周波数成分推定手段によって推定された各超音波ドップラ信号の周波数成分を各信号ごとに送信方向表示手段によって表示される線分と同じ色調でそれぞれ個別のウィンドウに同時相で掃引表示する掃引表示手段とを備えたものである。
この構成によれば、複数箇所の超音波ドップラ血流信号を同時に観測することが可能で、かつ、それぞれの送信方向および受信ゲート位置と表示される超音波ドップラ血流信号の画像とを直感的に対応づけることが可能となる。
または、本発明に係る超音波診断装置はさらに、信号分割手段によって分割され速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号の周波数成分を推定する周波数成分推定手段と、周波数成分推定手段によって推定された各超音波ドップラ信号の周波数成分を各信号ごとに送信方向表示手段によって表示される線分と同じ色調で重畳させ同一のウィンドウに同時相で掃引表示する掃引表示手段とを備えたものである。
この構成によれば、それぞれの受信ゲート位置における超音波ドップラ血流信号の速度情報を視覚的に比較することが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断装置はさらに、信号分割手段によって分割され速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号を血流の方向によって順方向と逆方向に分離する順逆分離手段と、順逆分離手段によって順方向と逆方向に分離された各超音波ドップラ信号のうちから一つの送信方向の超音波ドップラ信号を選択する信号選択手段と、信号選択手段によって選択された超音波ドップラ信号を音声信号として出力する音声出力手段とを備えたものである。
この構成によれば、それぞれの受信ゲート位置における超音波ドップラ血流信号の音声信号を選択することが可能となる。
または、本発明に係る超音波診断装置はさらに、信号分割手段によって分割され速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号を血流の方向によって順方向と逆方向に分離する順逆分離手段と、順逆分離手段によって順方向と逆方向に分離された各超音波ドップラ信号を同一の入出力レートに変換する速度再変換手段と、速度再変換手段によって同一の入出力レートに変換された各超音波ドップラ信号を重畳させる重畳手段と、重畳手段によって重畳された信号を音声信号として出力する音声出力手段とを備えたものである。
この構成により、複数の超音波ドップラ血流信号を音声情報として同時に出力することで、それぞれの受信ゲート位置における超音波ドップラ血流信号の速度情報を聴覚的に比較することが可能となる。
本発明によれば、超音波ドップラ血流信号を受信するための受信ゲートを複数箇所に設定し、それぞれの受信ゲートごとに個別の最適なPRFで血流速度を同時に測定することができる優れた超音波診断装置を提供することが可能になる、という格別な効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図である。
図1において、本実施の形態の超音波診断装置は、送信超音波ビームの設定を行う送信設定器101(送信パルス長設定手段、送信パルス振幅設定手段)と、送信波を生成する送信波生成器102と、超音波ビームの送受信方向を設定する送受信方向制御器103(送信方向制御手段、受信方向制御手段)と、超音波ビームの送信と受信タイミングを各超音波送受信チャンネルごとに遅延させることで、任意の方向に対して超音波ビームの送受信を行うフェイズドアレイ型のプローブ104と、増幅器105と、A/D変換器106と、受信した超音波ビームをメモリに蓄積し、受信方向に応じて遅延加算を行うデジタル式の受信ビームフォーマ107と、位相検波器108と、信号の出力先を切り替えるスイッチ109(信号分割手段)と、受信パラメータ(受信ゲート位置、受信ゲート幅)を設定する受信設定器110(受信ゲート位置設定手段、受信ゲート幅設定手段)と、設定された期間の信号を積分する積分器111、115と、入力周波数を変換する周波数変換器112、116(速度変換手段)と、信号中のウォール成分を除去するウォールフィルタ113、117と、FFT(高速フーリエ変換)器114、118(周波数成分推定手段)と、音声出力のソースを切り替える音声選択器119(信号選択手段)と、周波数成分を表示する表示器(送信方向表示手段、受信ゲート表示手段、速度表示手段、掃引表示手段)120と、音声信号を生成する音声処理器121(順逆分離手段)と、音声信号を出力するスピーカ122(音声出力手段)とから構成される。
なお、本実施の形態では、二方向に対して超音波ビームの送信を行う(これらをそれぞれA方向、B方向と呼ぶ)。
次に、以上のように構成された超音波診断装置の動作について説明する。
まず、操作者は、送信設定器101によって、二方向に送信する超音波ビームのそれぞれの送信方向、送信パルス長、送信パルス振幅を設定し、受信設定器110によって二方向から受信する超音波ドップラ信号のそれぞれの受信ゲート位置、受信ゲート幅を設定する。
送信波生成器102は、受信設定器110によって設定された二方向の受信ゲート位置、受信ゲート幅に基づいて、送信繰り返し周波数Fsを図2に示すように決定し、送信設定器101によって設定された送信パルス長、送信パルス振幅で、送受信方向制御器103によって送信方向を切り替えながらそれぞれの方向に超音波ビームを送信する。また、操作者は、受信設定器110によって流速スケール(以降、PRFと略称する)も設定する。PRFは、最低でFs/10(Hz)から最高でFs(Hz)までのFs/10(Hz)刻みの10段階のうちのいずれかを設定できるようにしている。
血流により体内組織から反射された超音波信号は、プローブ104で電気信号に変換され、増幅器105で増幅され、A/D変換器106でデジタル信号に変換されて、受信ビームフォーマ107に入力される。受信ビームフォーマ107は、送受信方向制御器103によって指定された送信方向からの信号を受信して遅延加算する。検波器108は、直交検波として一般的に知られている方法で、受信ビームフォーマ107によって遅延加算された信号から、血流が流れていることにより発生する位相が90度異なる2系統の超音波ドップラ血流信号を抽出する。スイッチ109は、送受信方向制御器103によって送信方向が切り替えられるタイミングに同期して出力先を切り替える。図3に、受信ビームフォーマ107の受信方向切替タイミングおよびスイッチ109の切替タイミングを示す。
受信設定器110は、それぞれの超音波ドップラ血流信号に対して受信ゲート位置をおよび受信ゲート幅を設定する。受信ゲート位置および受信ゲート幅は、図4に示すように、Bモード超音波断層像(以降、Bモード画像と称する)401上に“=”マーク402として表示される。操作者は、これらの“=”マーク402を操作することで、トラックボール、タッチパネル、マウス等で受信ゲートの位置を移動させるとともに、(パドル)スイッチや回転ツマミ等で受信ゲートの“=”マーク402の幅を調節することができる。積分器111は、入力された超音波ドップラ血流信号中の、受信設定器110によって設定された受信ゲート位置および受信ゲート幅に対応する部分を積分して出力する。
周波数変換器112は、図5に示すように、マルチレートフィルタ処理によって積分器111の出力周波数Fsを受信設定器110によって設定された受信ゲート毎に個別のPRFに変換する。すなわち、アップサンプラ502によってN個のゼロを内挿して周波数FsをFs×Nに変換し、ローパスフィルタ503によってFs×N/Mの帯域制限を行った後に、ダウンサンプラ504によって1/Mの間引き処理を行う。自然数N、Mの値は、レート設定器501によってN/M=PRF/Fsを満たすように設定される。また、レート設定器501は、サンプリング周波数の(1/(M×2))倍の遮断周波数となるフィルタ係数をローパスフィルタ503に設定する。
周波数変換器112の出力信号は、ウォールフィルタ113で内臓壁の動きや被検体の体動などのウォール成分が除去され、FFT器114で高速フーリエ変換として一般的に知られている方法により周波数成分に変換され、表示器120に入力される。また、積分器115、周波数変換器116、ウォールフィルタ117、FFT器118はそれぞれ積分器111、周波数変換器112、ウォールフィルタ113、FFT器114と同一の機能を有するブロックである。
表示器120は、FFT器114とFFT器118から入力されたそれぞれの超音波ドップラ血流信号について、縦軸に周波数、横軸に時間、各周波数成分のパワーを輝度として、これらの画像(以降、ドップラ画像と称する)603を図6に示すように、同時相でモニタ画面601上のそれぞれのウィンドウ602に掃引表示する。表示されるドップラ画像603は、図6に示すように、Bモード画像上の(受信ゲート)マーク402(“=”)および送信方向を示すドップラカーソル604の色と同一の色調(カラーマップ)となるように色付けされる。また、表示器120は、図6に示すように、二つの送信方向のうちで高い方のPRF(8.0)で送信される方向を示すドップラカーソル604を太線で表示し、低い方のPRF(2.0)で送信される方向を示すドップラカーソル604を細線で表示し(速度識別手段としての機能)、設定されたPRFの値をそれぞれの受信ゲートマーク402の付近に受信ゲートマーク402と同一の色で表示する機能も有する。
操作者は、音声選択器119によってウォールフィルタ113の出力信号、ウォールフィルタ117の出力信号のうちのいずれかを選択する。音声選択器119の出力信号は、音声処理器121によってヒルベルト変換として一般的に知られている方法により、超音波ドップラ血流信号をプローブ103に対して近づく方向に流れる成分と、プローブ103に対して遠ざかる方向に流れる成分とに分離され、スピーカ122によって音声信号として出力される。
なお、本実施の形態では、フェイズドアレイ型プローブ104について説明したが、リニアアレイ型プローブやコンベックスアレイ型プローブについても、プローブの各超音波送受信チャンネルを単位時間ごとに切り替えることで、同様の制御が可能である。さらに、本実施の形態では、送信設定器101を設けたが、あらかじめ送信波生成器102あるいは送受信方向制御器103に送信パルス長、振幅、周波数を記憶しておき、送信時に読み出すようにしてもよい。
また、本実施の形態では、A方向とB方向に対して超音波ビームを交互に送信する方法について説明したが、例えばA方向に対して2回送信した後に、B方向に対して1回送信するといった方法を用いることで、B方向のPRFをより低く設定することもできる。
以上のように、本実施の形態によれば、体内組織中の複数の箇所の血流速度をそれぞれに最適なPRFで同時に測定することによって、診断時間を短縮させることが可能であり、ドップラ画像の色調、受信ゲートの色、ドップラカーソルの色、太さ、受信ゲート付近に表示されるPRFの値によって、操作者はそれぞれのドップラ画像とBモード画像上の受信ゲート位置とを直感的に対応づけることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図である。
なお、図7において、第1の実施の形態の説明で参照した図1と同一の構成および機能を有する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、二方向に対して超音波ビームの送信を行う(これらをそれぞれA方向、B方向と呼ぶ)。
まず、操作者は、送信設定器701(送信周波数設定手段、送信パルス長設定手段、送信パルス振幅設定手段)によって、二方向に送信する超音波ビームのそれぞれの送信方向、送信パルスの周波数、送信パルス長および送信パルス振幅を設定し、受信設定器702(受信ゲート位置設定手段、受信ゲート幅設定手段)によって、二方向から受信する超音波ドップラ信号のそれぞれの受信ゲート位置、受信ゲート幅、送信方向の流速スケール(以降、PRFと略称する)を設定する。
送信器102は、受信設定器702によって設定された二方向の受信ゲート位置に基づいて送信繰り返し周波数Fsを決定し、送信設定器701によって設定された送信周波数、送信パルス長、送信パルス振幅で、送受信方向制御器103によって送信方向を切り替えながらそれぞれの方向に超音波ビームを送信する(図8参照)。
送信波生成器102は、受信設定器702によって設定されたA方向、B方向の受信ゲート位置からそれぞれの送信繰り返し周波数Fa、Fbを次のように決定する。それぞれの送信方向のうちでプローブ104の表面からより遠い位置に受信ゲートがある送信方向(ここでは、A方向とする)の送信繰り返し周波数を受信ゲート位置、受信ゲート幅に基づいて決定し、この周波数をFaとする。次に、B方向の送信周波数FbをFaの整数倍n×Faとする(nは1以上の整数)。ここで、FbをFaの整数倍にするのは、超音波ビームのA方向への送信タイミングとB方向への送信タイミングがいかなる時刻でも重ならないようにするためである。整数nの値は、設定したいPRFに応じて変更することも可能である。図8はFbがFaの2倍に設定された例を示している。ここで、A方向のPRFは、最低でFa/10(Hz)から最高でFa(Hz)までのFa/10(Hz)刻みの10段階のうちのいずれかを設定できる。また、B方向のPRFは、最低でFb/10(Hz)から最高でFb(Hz)までのFb/10(Hz)刻みの10段階のうちのいずれかを設定できる。
バンドパスフィルタ703(帯域抽出手段)は、A方向に送信した超音波パルス信号の周波数を中心として帯域幅が100kHzの帯域通過特性をもつフィルタであり、バンドパスフィルタ705(帯域抽出手段)は、B方向に送信した超音波パルス信号の周波数を中心として帯域幅が100kHzの帯域通過特性をもつフィルタである。受信ビームフォーマ107によって遅延加算される受信信号は、A方向からの超音波ドップラ血流信号と、B方向からの超音波ドップラ血流信号とが重畳された信号となっている。バンドパスフィルタ703、バンドパスフィルタ705は、受信ビームフォーマ107の出力信号から、それぞれA方向の受信信号成分、B方向の受信信号成分を抽出する。
なお、場合に応じて、バンドパスフィルタ703、バンドパスフィルタ705をバイパスしてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、受信信号中から目的の方向の超音波ドップラ血流信号のみを抽出することができるため、それぞれの送信方向からの受信を待たずに次の送信を行うことが可能であり、それぞれの測定箇所についてより高いPRFで同時に測定することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る超音波診断装置の部分的な一構成例を示すブロック図である。
なお、図9において、第1の実施の形態の説明で参照した図1と同じ構成及び機能を有する部分については、同一を付して説明を省略する。また、図9に示さない他の部分は、図1のそれらと同一である。本実施の形態は、第1の実施の形態とは、表示器901の表示画面の構成が異なる。
FFT器114、FFT器118から出力された周波数成分は、表示器901によって同一ウィンドウ上に重畳表示される。また、表示器901は、図10に示すように、各受信ゲート位置のドップラ画像を縦軸方向に圧縮もしくは伸長することによって同一のスケールに変換し、図1における表示器120と同様に、それぞれ異なる色調(カラーマップ)で表示する。
以上のように、本実施の形態によれば、複数のドップラ画像が一つのウィンドウ上に表示されるため、それぞれの受信ゲート位置における速度情報を視覚的に比較することが可能となる。
(第4の実施の形態)
図11は、本発明の第4の実施の形態に係る超音波診断装置の部分的な一構成例を示すブロック図である。
なお、図11において、第1の実施の形態の説明で参照した図1と同じ構成及び機能を有する部分については、同一を付して説明を省略する。また、図11に示さない他の部分は、図1のそれらと同一である。本実施の形態は、第1の実施の形態における音声選択器119に代えて、音声重畳器1101(重畳手段)を設けたものである。
音声重畳器1101は、ウォールフィルタ113の出力信号とウォールフィルタ117の出力信号を重畳して音声処理器121に出力する。図12に、音声重畳器1101の内部構成例を示す。図12において、周波数変換器1201および周波数変換器1202(速度再変換手段)は、それぞれ、入力される信号の周波数をマルチレートフィルタ処理によって、図1の送信波生成器102により決定された送信繰り返し周波数Fsに変換する。周波数変換器1201および周波数変換器1202からの信号は、加算器1203によって加算されて出力される。
以上のように、本実施の形態によれば、複数の超音波ドップラ血流信号を音声情報として同時に出力することが可能であり、それぞれの受信ゲート位置における速度情報を聴覚的に比較することが可能となる。
本発明に係る超音波診断装置は、超音波ドップラ血流信号を受信するための受信ゲートを複数箇所に設定し、それぞれの受信ゲートごとに個別の最適なPRFで血流速度を同時に測定することができ、医療等の用途に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態における超音波ビーム送受信のタイミング関係を示す図 本発明の第1の実施の形態における超音波ビームの送受信方向の切替タイミングを示す図 本発明の第1の実施の形態における受信ゲート位置および幅の表示例を示す図 本発明の第1の実施の形態における周波数変換器の内部構成例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるドップラ画像、受信ゲート、ドップラカーソルの表示例を示す図 本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断装置の一構成例を示すブロック図 本発明の第2の実施の形態における超音波ビーム送受信のタイミング関係を示す図 本発明の第3の実施の形態に係る超音波診断装置の部分的な一構成例を示すブロック図 本発明の第3の実施の形態におけるドップラ画像、受信ゲート、ドップラカーソルの表示例を示す図 本発明の第4の実施の形態に係る超音波診断装置の部分的な一構成例を示すブロック図 本発明の第4の実施の形態における音声重畳器の内部構成例を示す図
符号の説明
101 送信設定器(送信パルス長設定手段、送信パルス振幅設定手段)
102 送信波生成器
103 送受信方向制御器(送信方向制御手段、受信方向制御手段)
104 プローブ
105 増幅器
106 A/D変換器
107 受信ビームフォーマ
108 検波器
109 スイッチ(信号分割手段)
110 受信設定器(受信ゲート位置設定手段、受信ゲート幅設定手段)
111、115 積分器
112、116 周波数変換器(速度変換手段)
113、117 ウォールフィルタ
114、118 FFT器(周波数成分推定手段)
119 音声選択器(信号選択手段)
120 表示器(送信方向表示手段、受信ゲート表示手段、速度表示手段、掃引表示手段)
121 音声処理器(順逆分離手段)
122 スピーカ(音声出力手段)
401 Bモード画像
402 マーク
501 レート設定器
502 アップサンプラ
503 ローパスフィルタ
504 ダウンサンプラ
601 モニタ画面
602 ウィンドウ
603 ドップラ画像
604 ドップラカーソル
701 送信設定器(送信周波数設定手段、送信パルス長設定手段、送信パルス振幅設定手段)
702 受信設定器(受信ゲート位置設定手段、受信ゲート幅設定手段)
703、705 バンドパスフィルタ(帯域抽出手段)
704、706 検波器
901 表示器(送信方向表示手段、受信ゲート表示手段、速度表示手段、掃引表示手段)
1101 音声重畳器(重畳手段)
1201、1202 周波数変換器(速度再変換手段)
1203 加算器

Claims (10)

  1. 体内組織に対して超音波ビームを送受信する超音波診断装置であって、
    送信方向を切り替えて複数の方向に超音波ビームを送信する送信方向制御手段と、
    前記送信方向制御手段によって送信された方向から血流により反射された超音波ドップラ信号を受信するために受信方向を切り替える受信方向制御手段と、
    前記受信方向制御手段によって受信された超音波ドップラ信号を複数の信号に分割する信号分割手段と、
    前記信号分割手段によってそれぞれの受信方向ごとに分割された信号の入出力レートを変換する速度変換手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記超音波診断装置はさらに、前記送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの周波数を送信方向ごとに個別に設定する送信周波数設定手段を備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの周波数を送信方向ごとに個別に設定する送信周波数設定手段と、
    前記信号分割手段によってそれぞれの受信方向ごとに分割された信号から、受信方向ごとに個別に送信周波数の帯域を抽出する帯域抽出手段とを備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの送信パルス長を送信方向ごとに個別に設定する送信パルス長設定手段と、
    前記送信方向制御手段によって送信される超音波ビームの送信パルスの振幅を送信方向ごとに個別に設定する送信パルス振幅設定手段とを備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記受信方向制御手段によって受信される超音波ドップラ信号の受信ゲート位置を受信方向ごとに個別に設定する受信ゲート位置設定手段と、
    前記受信方向制御手段によって受信される超音波ドップラ信号の受信ゲート幅を受信方向ごとに個別に設定する受信ゲート幅設定手段とを備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記送信方向制御手段によって超音波ビームが送信されるそれぞれの方向を断層像上に異なる色の線分として表示する送信方向表示手段と、
    前記受信ゲート位置設定手段によって設定されるそれぞれの受信ゲートに対応する断層像上の位置にゲートマークを表示する受信ゲート表示手段と、
    前記受信ゲート表示手段によって表示される受信ゲートの色を受信ゲートごとに個別に設定する受信ゲート色設定手段と、
    前記速度変換手段によって変換された各方向の超音波ドップラ信号の入出力レートに応じて、前記送信方向表示手段によって表示される送信方向を示す線分の太さを送信方向ごとに個別に設定する速度識別手段と、
    前記受信ゲート表示手段によって表示されるゲートマークの付近にそれぞれの入出力レートを表示する速度表示手段とを備えた請求項5記載の超音波診断装置。
  7. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記信号分割手段によって分割され前記速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号の周波数成分を推定する周波数成分推定手段と、
    前記周波数成分推定手段によって推定された各超音波ドップラ信号の周波数成分を各信号ごとに前記送信方向表示手段によって表示される線分と同じ色調でそれぞれ個別のウィンドウに同時相で掃引表示する掃引表示手段とを備えた請求項6記載の超音波診断装置
  8. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記信号分割手段によって分割され前記速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号の周波数成分を推定する周波数成分推定手段と、
    前記周波数成分推定手段によって推定された各超音波ドップラ信号の周波数成分を各信号ごとに前記送信方向表示手段によって表示される線分と同じ色調で重畳させ同一のウィンドウに同時相で掃引表示する掃引表示手段とを備えた請求項6記載の超音波診断装置
  9. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記信号分割手段によって分割され前記速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号を血流の方向によって順方向と逆方向に分離する順逆分離手段と、
    前記順逆分離手段によって順方向と逆方向に分離された各超音波ドップラ信号のうちから一つの送信方向の超音波ドップラ信号を選択する信号選択手段と、
    前記信号選択手段によって選択された超音波ドップラ信号を音声信号として出力する音声出力手段とを備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  10. 前記超音波診断装置はさらに、
    前記信号分割手段によって分割され前記速度変換手段によってレート変換された複数の超音波ドップラ信号を血流の方向によって順方向と逆方向に分離する順逆分離手段と、
    前記順逆分離手段によって順方向と逆方向に分離された各超音波ドップラ信号を同一の入出力レートに変換する速度再変換手段と、
    前記速度再変換手段によって同一の入出力レートに変換された各超音波ドップラ信号を重畳させる重畳手段と、
    前記重畳手段によって重畳された信号を音声信号として出力する音声出力手段とを備えた請求項1記載の超音波診断装置。
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