JP4390538B2 - 光学素子及びその製造方法、並びに液晶配向用基板及び液晶表示装置 - Google Patents
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図1(a)は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の一例を示す概略図である。同図に示す光学素子10は、光透過性を有する基材1と、この基材1上に形成された第1複屈折率層5とを有している。
図3は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子15は、光透過性を有する基材1が、光透過性基板1aと、この光透過性基板1aの片面に形成された垂直配向膜1bとを有し、垂直配向膜1b上に第1複屈折率層5が設けられているという点で、上述した第1形態の光学素子10と異なる。他の構成は第1形態の光学素子10と同様であるので、図1(a)に示した部材と共通する部材については、その説明を省略する。
図4(a)は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子30は、例えば液晶配向用基板の構成部材として用いることができるものであり、光透過性を有する基材21の片面に光吸収型カラーフィルタ22(以下、単に「カラーフィルタ22」という。)と遮光層(ブラックマトリクス)23とが形成され、これらカラーフィルタ22及び遮光層23を覆うようにして第1複屈折率層25が形成されている。したがって、カラーフィルタ22と第1複屈折率層25とは一体化されている。基材21及び第1複屈折率層25の構成は第1形態の光学素子10における基材1又は第1複屈折率層5の構成と同様であるので、ここではその説明を省略する。
図4(b)は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子35は、例えば液晶配向用基板の構成部材として用いることができるものであり、第1複屈折率層が表示用液晶パネルでの表示領域に対応する領域DRにのみ設けられているという点で、上述した第3形態の光学素子30(図4(a)参照)と異なる。他の構成は第3形態の光学素子30の構成と同様であるので、第1複屈折率層についてのみ新たな参照符号「25A」を付し、第1複屈折率層25A以外の構成部材には図4(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図4(c)は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子50は、例えば液晶配向用基板の構成部材として用いることができるものであり、個々のマイクロカラーフィルタ22R、22G、22B上に、所定膜厚の第1複屈折率層45R、45G、又は45Bが設けられているという点で、前述した第3形態の光学素子30(図4(a)参照)と異なる。マイクロカラーフィルタ22R上に第1複屈折率層45Rが形成され、マイクロカラーフィルタ22G上に第1複屈折率層45Gが形成され、マイクロカラーフィルタ22B上に第1複屈折率層45Bが形成されている。他の構成は第3形態の光学素子30の構成と同様であるので、第1複屈折率層45R、45G、45B以外の構成部材には図4(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図5(a)は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す第6形態の光学素子70は、例えば液晶配向用基板の構成部材にすることができるものであり、光透過性を有する基材61の片面に第1複屈折率層65が形成され、この第1複屈折率層65上にカラーフィルタ62及び遮光層(ブラックマトリクス)63が形成されているという点で、前述した第3形態の光学素子30(図4(a)参照)と異なる。他の構成は第3形態の光学素子30の構成と同様であるので、光学素子70を構成する各部材には図4(a)で用いた参照符号の数値部分に「40」を加えた参照符号を付してその説明を省略する。この光学素子70は、第3形態の光学素子30と同様の技術的効果を奏する。
図6は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子110は、例えば液晶配向用基板の構成部材にすることができるものであり、第1複屈折率層25が保護層100によって覆われているという点で、第3形態の光学素子30(図4(a)参照)と異なる。他の構成は第3形態の光学素子30の構成と同様であるので、光学素子110を構成する保護層100以外の各部材には図4(a)で用いた参照符号と同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
図7は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子130は、例えば液晶配向用基板の構成部材にすることができるものであり、光透過性を有する基材121の片面に直線偏光素子122と1/4波長板123とがこの順番で積層され、1/4波長板123の上に第1複屈折率層125と第2複屈折率層128とがこの順番で積層されている。光学素子130を含んだ液晶配向用基板は、直線偏光素子122、1/4波長板123、第1複屈折率層125、及び第2複屈折率層128が外側となる向きで配置されて、表示用液晶パネルを構成する。この液晶配向用基板は、透過型液晶表示装置における表示用液晶パネルの背面側の基板として用いられる。
図8は、本発明の光学素子の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す光学素子150は、例えば液晶配向用基板の構成部材にすることができるものであり、光透過性を有する基材141の片面に水平配向膜149、第2複屈折率層148、及び第1複屈折率層145がこの順番で積層され、第1複屈折率層145上にカラーフィルタ142及び遮光層(ブラックマトリクス)143が形成されている。この光学素子150を用いた液晶配向用基板は、水平配向膜149、第2複屈折率層148、及び第1複屈折率層145が内側となる向きで配置されて、表示用液晶パネルを構成する。また、この液晶配向用基板は、表示用液晶パネルにおける表示面側の基板として用いられる。なお、図8に示した部材のうち、図5(a)に示した部材と機能上共通するもについては図5(a)で用いた参照符号の数値部分に「80」を加えた参照符号を付して、その説明を省略する。
本発明の光学素子の製造方法は、上述した本発明の光学素子の製造方法であり、この方法は、前述したように、準備工程、配向工程、及び架橋工程を含んでいる。以下、これらの工程について詳述する。
準備工程では、光透過性を有する基材を用意する。この基材の構造は単層構造であってもよいし、複数層構造であってもよい。基材を単層構造とする場合、この基材は、ガラス等の無機材料や樹脂等の有機材料により形成することができる。基材を複数層構造とする場合、その構造は、製造しようとする光学素子の用途等に応じて適宜選定可能であり、この場合でも、後述する配向工程で形成する塗膜の下地となる層はガラス等の無機材料や樹脂等の有機材料により形成することができる。
配向工程では、分子形状が棒状の重合性液晶とこの重合性液晶をホメオトロピック配向させることが可能な界面活性剤とを含有したコーティング組成物の塗膜を形成し、この塗膜中の重合性液晶をホメオトロピック配向させる。
架橋工程では、塗膜中の重合性液晶をホメオトロピック配向させたまま、この重合性液晶を三次元架橋させる。この際、重合性液晶のホメオトロピック配向が乱れないようにするためには、不活性ガス雰囲気中で塗膜を第1架橋温度にまで加熱しながら、重合性液晶の感光波長の光を塗膜に照射することが好ましい。あるいは、空気雰囲気中で塗膜を第1架橋温度にまで加熱しながら重合性液晶の感光波長の光を塗膜に照射して架橋反応を部分的に進行させた後、重合性液晶が結晶相となる温度にまで塗膜を空気雰囲気中で冷却し、この状態で上記感光波長の光を塗膜に照射して架橋反応を実質的に完了させることが好ましい。なお、上記「重合性液晶が結晶相となる温度」とは、架橋させる前の塗膜において重合性液晶が結晶相となる温度を意味する。
図9(a)は、本発明の液晶配向用基板の基本的な断面構造の一例を示す概略図である。同図に示す液晶配向用基板210は、図6に示した第9形態の光学素子110における保護層100上に水平配向膜205を設けた構造を有するものであるので、液晶配向用基板210の構成部材のうちで図6に既に示した構成部材については図6で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図9(b)は、本発明の液晶配向用基板の基本的な断面構造の他の例を示す概略図である。同図に示す液晶配向用基板230は、図8に示した第11形態の光学素子150上に平坦化膜222を設け、その上に更に水平配向膜225を設けた構造を有するものであるので、液晶配向用基板230の構成部材のうちで図8に既に示した構成部材については図8で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図10(a)は、本発明の液晶配向用基板の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す液晶配向用基板260は、図7に示した第10形態の光学素子130における基材121上に、走査線、層間絶縁膜241、マトリクス状に配置された多数の画素電極243aによって構成された透明電極パターン243、信号線245、保護膜(パッシベーション膜)247、スイッチング回路部、平坦化膜249、及び配向膜251を設けた構造を有するものである。液晶配向用基板260の構成部材のうちで図7に既に示した構成部材については、図7で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図10(b)は、本発明の液晶配向用基板の基本的な断面構造の更に他の例を示す概略図である。同図に示す液晶配向用基板280は、図7に示した第10形態の光学素子130における基材121上に、カラーフィルタ272及び遮光層(ブラックマトリクス)273を設け、これらのカラーフィルタ272及び遮光層273を覆うようにして平坦化膜275を形成し、この平坦化膜275上に透明電極パターン277及び配向膜279をこの順番で積層した構造を有するものである。これらのカラーフィルタ272、遮光層273、平坦化膜275、透明電極パターン277、及び配向膜279は、いずれも、基材121において直線偏光素子122が設けられている面とは反対の側の面に設けられている。
図11は、本発明の液晶表示装置の一例を概略的に示す部分断面図である。図示の液晶表示装置400は、表示用液晶パネル300と、この表示用液晶パネル300の背後に設置されたバックライト部380と、図示を省略した外部回路とを備えたIPS方式の透過型液晶表示装置である。
図12は、本発明の液晶表示装置の他の例を概略的に示す部分断面図である。図示の液晶表示装置600は、表示用液晶パネル500と、この表示用液晶パネル500の背後に設置されたバックライト部580と、図示を省略した外部回路とを備えたアクティブマトリクス駆動方式の透過型液晶表示装置である。
(準備工程)
まず、イソプロピルアルコールにオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを1重量%の割合で溶解させて、垂直配向膜形成用のコーティング液を調製した。次いで、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(NHテクノグラス社製のNA35)を用意し、このガラス基板の片面に上記のコーティング液を塗布して塗膜を形成してから、150℃で10分間乾燥した。これにより、上記のガラス基板の片面にオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドからなる厚さ0.1μmの垂直配向膜が形成され、目的とする光学素子用の基材が得られた。前記の垂直配向膜は、分子形状が棒状の重合性液晶を垂直配向させることが可能なものである。
まず、図2(d)に示した式(IV)で表される重合性液晶25重量部と、光重合開始剤1重量部と、界面活性剤2重量部とをクロロベンゼン72重量部に溶解させて、第1複屈折率層形成用のコーティング組成物を調製した。このとき、光重合開始剤としてはチバスペシャリティケミカルズ社製のIrg907(商品名)を用い、界面活性剤としては上述したオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを用いた。オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドは、分子形状が棒状の重合性液晶をホメオトロピック配向させることが可能な界面活性剤である。
重合性液晶が相転移した塗膜を120℃に加熱したまま、この塗膜に窒素ガス雰囲気中で紫外線を照射して、塗膜中の重合性液晶を三次元架橋させた。このとき、紫外線の照射は、超高圧水銀灯を有する紫外線照射装置を用いて、照射強度30mW/cm2 、照射時間1分の条件の下に行った。
得られた光学素子の厚さ方向のリタデーションを測定波長550nmの条件の下に王子計測機器社製のKOBRA−21を用いて測定したところ、ほぼ0nm(厳密には2nm)であった。また、光学素子を水平に配置したときの厚さ方向を基準とし、この方向から任意の方向に光学素子をあおると、リタデーションが大きくなった。これらのことから、第1複屈折率層においては、構造単位としての重合性液晶がホメオトロピック配向していることが確認された。
(準備工程)
垂直配向膜形成用のコーティング液を調製するにあたって、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドに代えてJALS−2021−R2(JSR社製のポリイミド系材料の商品名)を用いた。また、このコーティング液により形成した塗膜の乾燥条件を180℃、60分とした。他は参考例1での準備工程と同様にして、目的とする光学素子用の基材を得た。この基材における垂直配向膜は、分子形状が棒状の重合性液晶を垂直配向させることが可能なものであり、その膜厚は0.07μmである。
第1複屈折率層形成用のコーティング組成物を調製するにあたって、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの割合を0.01重量部とし、かつ、クロロベンゼンに代えて72.99重量部のジエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた。他は参考例1での配向工程と同様にして、準備工程で用意した基材における垂直配向膜上に第1複屈折率層形成用のコーティング組成物の塗膜を形成し、更に、この塗膜中の重合性液晶を結晶相から液晶相に相転移させた。
重合性液晶が相転移した塗膜を120℃に加熱したまま、この塗膜に参考例1の架橋工程での紫外線照射と同じ条件の下に紫外線を照射して、塗膜中の重合性液晶を三次元架橋させた。この架橋工程まで行うことにより、前記の式(IV)で表される重合性液晶が三次元架橋した構造を有し、かつ、界面活性剤として上述の界面活性剤を含有する第1複屈折率層が形成され、目的とする光学素子が得られた。この光学素子における第1複屈折率層の膜厚を触針式段差計により測定したところ、約0.5μmであった。
得られた光学素子の厚さ方向のリタデーションを参考例1と同じ条件の下に測定したところ、ほぼ0nm(厳密には3nm)であった。また、光学素子を水平に配置したときの厚さ方向を基準とし、この方向から任意の方向に光学素子をあおると、リタデーションが大きくなった。これらのことから、第1複屈折率層においては、重合性液晶がホメオトロピック配向していることが確認された。
(準備工程及び配向工程)
参考例1での準備工程と同じ条件の下に、目的とする光学素子用の基材を用意した。また、準備工程で用意した基材における垂直配向膜上に、参考例1での配向工程と同様にして第1複屈折率層形成用のコーティング組成物の塗膜を形成し、更に、この塗膜中の重合性液晶を参考例1での配向工程と同じ条件の下に結晶相から液晶相に相転移させた。
まず、重合性液晶が相転移した塗膜を120℃に加熱したまま、参考例1の架橋工程で用いた紫外線照射装置と同じ装置を用いて空気雰囲気中で前記の塗膜に紫外線を照射した。このときの紫外線の照射条件は、照射強度30mW/cm2、照射時間2秒とした。これにより、塗膜中の重合性液晶の架橋反応が部分的に進行した。
得られた光学素子の厚さ方向のリタデーションを参考例1と同じ条件の下に測定したところ、ほぼ0nm(厳密には3nm)であった。また、光学素子を水平に配置したときの厚さ方向を基準とし、この方向から任意の方向に光学素子をあおると、リタデーションが大きくなった。これらのことから、第1複屈折率層においては、重合性液晶がホメオトロピック配向していることが確認された。
(準備工程)
垂直配向膜形成用のコーティング液を調製するにあたって、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドに代えてドライポン600E(日華化学社製の界面活性剤の商品名)を用いた以外は参考例1での準備工程と同様にして、目的とする光学素子用の基材を得た。この基材における垂直配向膜は、分子形状が棒状の重合性液晶を垂直配向させることが可能なものであり、その膜厚は0.1μmである。
第1複屈折率層形成用のコーティング組成物を調製するにあたって、2重量部のオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドに代えて2重量部のドライポン600Eを用い、かつ、72重量部のクロロベンゼンに代えて72重量部のシクロヘキサノンを用いた。他は参考例1での配向工程と同様にして、準備工程で用意した基材における垂直配向膜上に第1複屈折率層形成用のコーティング組成物の塗膜を形成し、更に、この塗膜中の重合性液晶を結晶相から液晶相に相転移させた。
重合性液晶が相転移した塗膜を120℃に加熱したまま、この塗膜に参考例1の架橋工程での紫外線照射と同じ条件の下に紫外線を照射して、塗膜中の重合性液晶を三次元架橋させた。この架橋工程まで行うことにより、前記の式(IV)で表される重合性液晶が三次元架橋した構造を有し、かつ、界面活性剤として上述の界面活性剤を含有する第1複屈折率層が形成され、目的とする光学素子が得られた。この光学素子における第1複屈折率層の膜厚を触針式段差計により測定したところ、約0.6μmであった。
得られた光学素子の厚さ方向のリタデーションを参考例1と同じ条件の下に測定したところ、ほぼ0nm(厳密には1nm)であった。また、光学素子を水平に配置したときの厚さ方向を基準とし、この方向から任意の方向に光学素子をあおると、リタデーションが大きくなった。これらのことから、第1複屈折率層においては、重合性液晶がホメオトロピック配向していることが確認された。
(準備工程及び配向工程)
参考例1で用いたガラス基板と同じ無アルカリガラス基板を用意し、このガラス基板をUV洗浄した。ガラス基板に垂直配向膜は形成しなかった。また、第1複屈折率層形成用のコーティング組成物を調製するにあたって、界面活性剤(オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド)の使用量を0.005重量部とし、かつ、クロロベンゼンの使用量を73.995重量部とした。他は参考例1と同じ条件の下に準備工程及び配向工程を行って、準備工程で用意した基材(ガラス基板)の片面に第1複屈折率層形成用のコーティング組成物の塗膜を形成し、更に、この塗膜中の重合性液晶を結晶相から液晶相に相転移させた。
まず、重合性液晶が相転移した塗膜を120℃に加熱したまま、参考例1の架橋工程で用いた紫外線照射装置と同じ装置を用いて空気雰囲気中で前記の塗膜に紫外線を照射した。このときの紫外線の照射条件は、照射強度30mW/cm2、照射時間2分とした。これにより、塗膜中の重合性液晶が三次元架橋した。
得られた光学素子の厚さ方向のリタデーションを参考例1と同じ条件の下に測定したところ、ほぼ0nmであった。また、光学素子を水平に配置したときの厚さ方向を基準とし、この方向から任意の方向に光学素子をあおると、リタデーションが大きくなった。これらのことから、第1複屈折率層においては、重合性液晶がホメオトロピック配向していることが確認された。
準備工程で用意する基材に垂直配向膜を設けず、かつ、配向工程で調製するコーティング組成物に界面活性剤を含有させなかった以外は参考例1と同様にして、光学素子を作製した。
1b 垂直配向膜
5、25、45R、45G、45B、65、65A 第1複屈折率層
6 構造単位としての重合性液晶分子
10、15、30、35、50、70、75、90 光学素子
22、62、142 光吸収型カラーフィルタ
85R、85G、85B、125、145 第1複屈折率層
110、130、150 光学素子
128、148 第2複屈折率層
205、225、251、279 配向膜
210、230、260、280 液晶配向用基板
210、550 第1の液晶配向用基板
260、350 第2の液晶配向用基板
400、600 液晶表示装置
Claims (11)
- 光透過性を有する基材と、該基材上に垂直配向膜を形成することなく形成された第1複屈折率層とを有する光学素子であって、
前記第1複屈折率層は、分子形状が棒状の重合性液晶をホメオトロピック配向させることが可能な界面活性剤を含有した架橋高分子からなり、
前記架橋高分子が、分子形状が棒状の重合性液晶がホメオトロピック配向の状態を保ったまま三次元架橋した構造を有し、
前記界面活性剤がオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドであることを特徴とする光学素子。 - 前記第1複屈折率層における構造単位としての重合性液晶分子のチルト角が、前記第1複屈折率層の厚さ方向に実質的に均一であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
- 更に、前記第1複屈折率層と一体化された光吸収型カラーフィルタを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
- 更に、前記第1複屈折率層とは異なる複屈折特性を有する第2複屈折率層を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記第2複屈折率層が、光学的に1軸性で光軸が面内にある複屈折率層であることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
- 請求項1〜5に記載された光学素子の製造方法であって、
光透過性を有する基材を用意する準備工程と、
前記基材上に、分子形状が棒状の重合性液晶と該重合性液晶をホメオトロピック配向させることが可能な界面活性剤とを含有したコーティング組成物の塗膜を形成し、該塗膜中の前記重合性液晶をホメオトロピック配向させる配向工程と、
前記塗膜中の前記重合性液晶をホメオトロピック配向させたまま、該重合性液晶を三次元架橋させる架橋工程と、
を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 光透過性を有する基材と、該基材の片面上に形成された液晶セル中の液晶を水平配向させるための水平配向膜とを少なくとも備えた液晶配向用基板であって、
前記基材と前記水平配向膜との間に、又は、前記基材における前記片面とは反対側の面上に、垂直配向膜を形成することなく請求項1〜5のいずれか1項に記載された第1複屈折率層が形成されていることを特徴とする液晶配向用基板。 - 前記基材と前記水平配向膜との間に前記第1複屈折率層が形成される場合において、前記基材の片面に前記第1複屈折率層が形成され、該第1複屈折率層上に光吸収型カラーフィルタが形成され、該光吸収型カラーフィルタを覆うようにして前記水平配向膜が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶配向用基板。
- 前記基材と前記水平配向膜との間に前記第1複屈折率層が形成される場合において、前記基材の片面に光吸収型カラーフィルタが形成され、該光吸収型カラーフィルタ上に前記第1複屈折率層が形成され、該第1複屈折率層を覆うようにして前記水平配向膜が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶配向用基板。
- 表示面側に位置する第1の液晶配向用基板と背面側に位置する第2の液晶配向用基板とを有する表示用液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、
前記第1の液晶配向用基板及び前記第2の液晶配向用基板のうちの少なくとも一方が、請求項7〜9のいずれか1項に記載の液晶配向用基板であることを特徴とする液晶表示装置。 - 分子形状が棒状の重合性液晶をホメオトロピック配向させることが可能な界面活性剤を含有した架橋高分子からなり、前記架橋高分子が、分子形状が棒状の重合性液晶が三次元架橋した構造を有し、前記界面活性剤がオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドであり、垂直配向膜を形成する必要がなくなることを特徴とする複屈折材料。
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