JP4389835B2 - 電力監視装置 - Google Patents

Description

本発明は電力監視装置に関し、特に詳細には、受配電設備の電気計測を行う、警報出力付き電力監視装置に関する。

従来の電力監視装置の警報検出方式について、図１を参照して説明する。
図１において、変圧器１及び変流器２からの入力信号より電圧・電流・電力を計測し、電流デマンド値、電力デマンド値を演算する。演算したデマンド値が警報検出値以上ならば警報リレー４をＯＮして警報を発し、デマンド値が警報検出値以下ならば警報リレー４をＯＦＦにする。

デマンド計測値は、熱動形バイメタル方式で求められた一定デマンド時間内における平均計測値であり、監視対象とする設備機器の設備容量や熱的マージンの確認を目的とした値である。したがって、デマンド計測値は、図３に示す通り、瞬時過負荷や入力変動には応答しない。上記デマンド時間は、監視する設備の規模により分単位で可変できる。

特開平８−２９４２３２号公報

監視対象の設備において、電気需要量（電流、有効電力）のデマンド値が警報検出値を超える判定がなされ警報が出力された場合に、設備上の一部の機器（図１の５〜７等）を停止させて需要量を軽減させる必要がある。しかし、熱放散カーブを表すデマンド値での判定では機器停止から警報出力解除までに時間遅れが生じるため、停止機器が妥当であるかの判別が困難である。

そこで、本発明の目的は、停止した機器に応じて適切な需要量になっていることが瞬時に判断できるように、時間遅れなく警報を発することのできる電力監視装置を提供することである。

上記の目的を達成するために本発明に係る電力監視装置は、受配電設備の電圧・電流入力から電気需要量のデマンド値を求め、該デマンド値を所定の警報値と比較する第１の比較手段と、該比較結果に基づいて動作し、前記電気需要量が所定値よりも大きいときに警報を発するためのスイッチ手段とを備えた電力監視装置において、前記デマンド値が減少しているときの前記受配電設備における瞬時値を前記警報値と比較する第２の比較手段と、該第２の比較手段による比較結果と前記第１の比較手段による比較結果との論理積によって警報の判定を行って前記スイッチ手段を制御する手段とを備える。

本発明によれば、デマンド値の応答遅れによる警報出力解除の時間遅れをなくすことができ、停止した機器に応じて適切な需要量になっていることが瞬時に判断できるように警報を発することができる。

図１は本発明に係る電力監視装置の実施形態（ハード構成）を示すブロック図である。 Ｕ〜Ｗ相からなる主回路には複数の機器５，６，７…が接続されている。各相に配設された変圧器１及びＵ相，Ｗ相に配設された変流器２を介して、電力監視装置１０に各相の電圧・電流信号が入力される。電力監視装置１０に配設されたマイクロプロセッサ３のＡ／Ｄ変換入力端子にこれら信号を入力し、マイクロプロセッサ３は、変換されて入力されたＡ／Ｄ変換値より電流瞬時値、有効電力瞬時値、及び各デマンド値を演算により求め、さらに、以下に詳しく説明するように警報を出力する。

このとき、デマンド値が予め定めた上限値以上であった場合に警報出力により警報リレー４をＯＮにする。その後、機器５〜７が停止されて電気需要量が減少してデマンド値が減少傾向にある時に瞬時値が検出値以下となった場合に、警報リレー４をＯＦＦにするように動作する。

図２は本発明の実施論理図、図３は本発明と従来方式における警報出力タイミングを示すタイミングチャートである。

図２に示す論理判断機能はマイクロプロセッサ３により実現され、従来方式に対する追加機能２５を含む、本発明による警報判定がなされる。

デマンド値が検出値と比較され（２０）、入力の瞬時値が検出値と比較される（２２）。一方、デマンド値が上昇傾向から減少傾向に移ったことが検出され（２１）、２２の比較結果と減少検出のＮＡＮＤがとられる。このＮＡＮＤ出力と２０の比較結果とのＡＮＤ（論理積）をとることで警報が出力される。

したがって、図３において、入力の瞬時値が検出値を下回った時点でデマンド値が減少しているため、この時点で警報出力が解除される。警報出力が解除されるまでの時間遅れは、従来のものと比べ大幅に改善されている。

このように本実施形態によれば、デマンド値として電力デマンド値または電流デマンド値を使用することで、電力需要量の減少時に電力または電流デマンド値減少検出中に電力または電流瞬時値が検出値以下と判定した結果との論理積により警報リレーの出力を制御することで、監視対象の設備における一部機器停止などの要因で適切な電力または電流需要量になった時の警報解除を瞬時に行うことができる。よって、停止した機器に応じて適切な需要量になっていることが瞬時に判断できるように、時間遅れなく警報を発することが可能となる。

本発明の実施形態を示す回路構成図である。 本発明の実施論理図である。 本発明と従来方式の警報出力タイミングを示すタイミングチャートである。

符号の説明

１ 変圧器
２ 変流器
３ マイクロプロセッサ
４ 警報リレー
５〜７ 機器
１０ 電力監視装置

Claims (3)

1. 受配電設備の電圧・電流入力から電気需要量のデマンド値を求め、該デマンド値を所定の警報値と比較する第１の比較手段と、該比較結果に基づいて動作し、前記電気需要量が所定値よりも大きいときに警報を発するためのスイッチ手段とを備えた電力監視装置において、
   前記デマンド値が減少しているときの前記受配電設備における瞬時値を前記警報値と比較する第２の比較手段と、
   該第２の比較手段による比較結果と前記第１の比較手段による比較結果との論理積によって警報の判定を行って前記スイッチ手段を制御する手段と
   を備えたことを特徴とする電力監視装置。
2. 講求項１において、
   前記デマンド値は電力デマンド値であり、前記瞬時値は電力の瞬時値であることを特徴とする電力監視装置。
3. 講求項１において、
   前記デマンド値は電流デマンド値であり、前記瞬時値は電流の瞬時値であることを特徴とする電力監視装置。
   

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