JP4389545B2 - 送信装置及び送信方法 - Google Patents

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本発明は、マルチキャリア信号を送信処理する送信装置及び送信方法に係り、特に、キャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数キャリアについて逆FFTを行なうことで周波数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して送信されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号を送信処理する送信装置及び送信方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、UWB通信方式における時間分解能を利用し、パケット送信から受信までの時間に基づいて受信装置の間で測距・測位を行なう送信装置及び送信方法に係り、特に、測距を行なうときにサンプリング間隔よりも小さい時間分解能で送信信号タイミングを微調整する送信装置及び送信方法に関する。
有線方式によるLAN配線からユーザを解放するシステムとして、無線LANが注目されている。無線LANによれば、オフィスなどの作業空間において、有線ケーブルの大半を省略することができるので、パーソナル・コンピュータ(PC)などの通信端末を比較的容易に移動させることができる。近年では、無線LANシステムの高速化、低価格化に伴い、その需要が著しく増加してきている。特に最近では、人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうために、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)の導入の検討が行なわれている。例えば、2.4GHz帯や、5GHz帯など、監督官庁の免許が不要な周波数帯域を利用して、異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
例えば、近年、「ウルトラワイドバンド(UWB)通信」と呼ばれる、きわめて微弱なインパルス列に情報を載せて無線通信を行なう方式が、近距離超高速伝送を実現する無線通信システムとして注目され、その実用化が期待されている。現在、IEEE802.15.3などにおいて、ウルトラワイドバンド通信のアクセス制御方式として、プリアンブルを含んだパケット構造のデータ伝送方式が考案されている。
ところで、室内で多数の機器が混在する作業環境下で無線ネットワークを構築した場合、複数のネットワークが重なり合って構築されていることが想定される。単一チャネルを使用した無線ネットワークでは、通信中に他のシステムが割り込んできたり、干渉などにより通信品質が低下したりしても、事態を修復する余地はない。このため、周波数チャネルを複数用意し、周波数ホッピングして動作するというマルチチャネル通信方式が考えられている。例えば、通信中に干渉などにより通信品質が低下したときに、周波数ホッピングによりネットワーク動作を維持し、他のネットワークとの共存を実現することができる。
また、室内で無線ネットワークを構築した場合、受信装置では直接波と複数の反射波・遅延波の重ね合わせを受信するというマルチパス環境が形成される。マルチパスにより遅延ひずみ(又は、周波数選択性フェージング)が生じ、通信に誤りが引き起こされる。そして、遅延ひずみに起因するシンボル間干渉が生じる。
主な遅延ひずみ対策として、マルチキャリア(多重搬送波)伝送方式を挙げることができる。マルチキャリア伝送方式では、送信データを周波数の異なる複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、周波数選択性フェージングの影響を受け難くなる。
例えば、マルチキャリア伝送方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式では、各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されている。情報伝送時には、シリアルで送られてきた情報を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/パラレル変換して出力される複数のデータを各キャリアに割り当ててキャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数キャリアについて逆FFTを行なうことで周波数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して送信する。また、受信時はこの逆の操作、すなわちFFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換して各キャリアについてそれぞれの変調方式に対応した復調を行ない、パラレル/シリアル変換して元のシリアル信号で送られた情報を再生する。
OFDM変調方式は、例えばIEEE802.11a/gにおいて無線LANの標準規格として採用されている。また、IEEE802.15.3においても、DS(直接拡散)の情報信号の拡散速度を極限まで高くしたDS−UWB方式や、数100ピコ秒程度の非常に短い周期のインパルス信号列を用いて情報信号を構成して送受信を行なうインパルス−UWB方式以外に、OFDM変調方式を採用したUWB通信方式についての標準化が進められている。OFDM_UWB通信方式の場合、3.1〜4.8GHzの周波数帯をそれぞれ528MHz幅からなる3つのサブバンドを周波数ホッピング(FH)し、各周波数帯が128ポイントからなるIFFT/FFTを用いたOFDM変調が検討されている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
他方、UWB通信は、超極細パルスを用いることにより高い時間分解能を持ち、この性質を使ってレーダやポジショニングを行なう「測距(Ranging)」をすることが可能である。特に、最近のUWB通信では、100Mbps超の高速データ伝送と元来の測距機能を併せ持つことができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。
将来、UWBに代表される近距離通信のWPAN(Wireless Personal Access Network)はあらゆる家電品やCE(Consumer Electronics)機器に搭載されることが予想される。したがって、高速データ伝送とは別に測距による位置情報の利用、例えばナビゲーションや近距離通信(Near Field Communication:NFC)のような無線の付加価値を生むことが考えられ、高速データ伝送とともに測距機能も実装することが望ましいと思料される。
例えば、IEEE802.15.3におけるUWB通信の標準化の一環として、OFDM変調方式とともに、UWB測距技術が盛り込まれている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
ここで、パケット送信から受信までの時間から測距するのが一般的である。ところが、無線機がパケットを受信してから返送するまでの時間を固定値にするのは、パケットの長さや種別によって処理内容が変わるようなシステムでは不都合であるという問題がある。また、測距するために特別な情報をパケットに加えるのは帯域の有効利用の観点から好ましくない。
特表2002−517001号公報 IEEE802.15.3a TI Document<URL:http://grouper.ieee.org/groups/802/15/pub/2003/May03 ファイル名:03142r2P802−15_TI−CFP−Document.doc>
本発明の目的は、周波数軸のキャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数キャリアについて逆FFTを行なうことで時間軸の信号に変換して送信されるマルチキャリア信号を好適に送信処理することができる、優れた送信装置及び送信方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、UWB通信方式における時間分解能を利用し、パケット送信から受信までの時間に基づいて受信装置の間で測距・測位を行なうことができる、優れた送信装置及び送信方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、測距を行なうときにサンプリング間隔よりも小さい時間分解能で送信信号タイミングを微調整することができる、優れた送信装置及び送信方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、マルチキャリア信号を送信する送信装置であって、マルチキャリア変調時に、
周波数軸上の送信シンボルの位相を周波数軸に沿って旋回を与える旋回手段と、
該旋回させたシンボルをマルチキャリア変調する変調手段と、
を備えることを特徴とする送信装置である。
ここで、前記旋回手段は、送信タイミングの所望の遅延量に応じた位相だけ周波数軸上の送信シンボルを旋回させるようにする。
また、位相変調を行なうときには、サブキャリア番号と必要な遅延量と送信シンボル位相データに基づいて位相値を求め、求められた位相値を前記サイン・テーブルで引くことにより、周波数軸に沿って必要な遅延量に応じた旋回を与えたシンボルを得ることができる。
このような装置構成によれば、サンプリング間隔Tよりも小さな時間分解能で送信タイミング調整が可能になる。また、このようにIFFT前にサイン・テーブルを用いるので、処理をあまり増大させなくて済む。
本発明によれば、周波数軸のキャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数キャリアについて逆FFTを行なうことで各キャリアを時間軸の信号に変換して送信されるマルチキャリア信号を好適に送信処理することができる、優れた送信装置及び送信方法を提供することができる。
また、本発明によれば、UWB通信方式における時間分解能を利用し、パケット送信から受信までの時間に基づいて受信装置の間で測距・測位を行なうことができる、優れた送信装置及び送信方法を提供することにある。
また、本発明によれば、測距を行なうときにサンプリング間隔よりも小さい時間分解能で送信信号タイミングを微調整することができる、優れた送信装置及び送信方法を提供することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、無線伝送の高速化・高品質化を実現する技術として期待されているOFDM方式を採用した通信システムに関する。OFDM方式は、マルチキャリア伝送方式の一種で、各キャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定される。高速信号を多数のサブキャリアに分割して送信する結果、サブキャリア単体での伝送速度は低速になるため、遅延波の干渉に対して強くなる。
図1には、本発明の実施に供されるOFDM送信装置の機能構成を模式的に示している。同図に示すように、OFDM送信装置は、符号器11と、変調器12と、シリアル・パラレル変換器13と、IFFT14と、パラレル・シリアル変換器15と、ガード・インターバル挿入部16とを備えている。
符号器11は、送信データを誤り訂正符号で符号化する。変調部12は、送信データを入力すると、送信制御部109から供給される変調情報とタイミングに従って、例えばQPSK方式により変調を行なう。ここで、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)は、デジタル変調方式としての位相変調方式の1つであり、0相に(0,0)、π/2相に(0,1)、π相に(1,0)、3/π相に(1,1)を対応させて伝送する。
送信データの変調処理を行なった時点で、パイロット・シンボル挿入パターン並びにタイミングに従って、既知のデータ系列をパイロット・シンボルとして変調シンボル系列に挿入するようにしてもよい。サブキャリア毎あるいはサブキャリア数本の間隔で、既知パターンからなるパイロット信号が挿入される。
シリアル・パラレル変換器13は、変調されたシリアル形式の信号を、並列キャリア数並びにタイミングに従って、並列キャリア数分のパラレル・データに変換してまとめる。
IFFT14及びパラレル・シリアル変換器15では、所定のFFTサイズ並びにタイミングに従ってFFTサイズ分の逆フーリエ変換を行ない、周波数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換する。
ガード・インターバル挿入部16は、1OFDMシンボル分の信号が送信された後、例えば繰り返し信号からなるガード・インターバルを挿入する。そして、ガード信号が挿入されたデジタル送信信号は、直交変調並びにA/D変換され、RF信号にアップコンバートされて、送信アンテナ(図示しない)から送信される。
本発明に係る無線通信システムは、微弱なインパルス列に情報を載せて無線通信を行なうUWB伝送方式を採用するが、超極細パルスを用いることによる高い時間分解能を利用し、無線機間の測距を行なうように構成される。
ここで、パケット送信から受信までの時間から測距するのが一般的であるが、無線機がパケットを受信してから返送するまでの時間を固定値にするのは、パケットの長さや種別によって処理内容が変わるようなシステムでは不都合であるという問題がある。また、測距するために特別な情報をパケットに加えるのは帯域の有効利用の観点から好ましくない。
そこで、本発明の一実施形態として、送信元の無線機からパケットを送信し、送信先の無線機において、パケットを受信してから所定の単位時間の整数倍に相当する時間が経過後にパケットを返送し、さらに送信元の無線機において、パケットを送信してから返送パケットを受信するまでの所要時間から所定の単位時間の整数倍を除去して、パケットの往復伝送時間を求め、該往復伝送時間に基づいて、送信元及び送信先の無線機間の距離を測定する、という測距・測位システムについて検討する。
送信元の無線機が送信先の無線機にパケットを送信したとき、送信先では、パケットを受信した後、パケット検出時から単位時間の整数倍の時間経過後に必ずパケットを送信する。
そして、送信元の無線機は、自身が送信してから送信先からパケットが返送されるタイミング付近のみパケット検出処理を行ない、自身がパケットを送信してから無線機のパケットを検出するまでの時間をカウンタで計測し、送信先出のパケット検出から送信までの時間を決定する。ここで決定した時間と送信元の無線機自身の処理時間を計測時間から差し引いた時間を、通信相手の無線機との伝搬距離に換算することで測距を行なうことができる。
このような測距・測位システムによれば、無線機がパケットを受信してから返送するまでの時間を固定とせず、また、測距するために特別な情報をパケットに加えることなく、パケットを送受信する2つの無線通信機間で好適に測距・測位することができる。このような測距・測位システムに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特願2003−52274号明細書に記載されている。
他方、このような測距・測位システムにおいては、測距を行なうときに、送信機側では送信信号タイミングを微調整しなければならない。例えば、UWB測距において500MHzすなわち2マイクロ秒のサンプリング間隔で10cm程度の空間分解能を得るためには、300ピコ秒程度で送信信号タイミングを調整する必要がある。
例えば、送信信号の送信時刻を調整するために、周波数軸上の送信信号を逆FFTにより時間軸の信号に変換した後、DA変換する際のサンプリングをずらすという方法を採ることができるが、この場合、サンプリング間隔Tの時間分解能でしかタイミング制御を行なうことができない。
そこで、本発明者らは、OFDMのようなマルチキャリア変調方式を用いた通信システムにおいて、測距あるいはその他の目的で送信信号タイミングを微調整する際に、周波数軸上の送信シンボルを周波数軸に沿って一定の旋回を与える、という方法を提案する。
ここで、送信すべき時間軸上のOFDM信号x(t)を下式のように表す。
Figure 0004389545
但し、Xkはk番目のサブキャリアの周波数軸上の送信シンボル、fscはサブキャリア幅である。また、関数rot(x)は、rot(x)=exp(j2πx)と定義する。
上式によれば、サンプリング間隔Tよりも小さな遅延時間τだけ送信タイミングをずらした信号は、下式のように表される。
Figure 0004389545
τは、小さなサンプリング間隔Tよりも小さな値であるから、送信窓の影響は少ない(128ポイントであれば、時間窓128Tよりも小さい)。したがって、上式x(t)を以下のx′(t)ように近似することができる。
Figure 0004389545
すると、等価的に送信シンボルXkを周波数軸に沿って一定の旋回を与えたX′kをOFDM変調することにより、遅延量τだけ送信タイミングをずらすことが可能である。
Figure 0004389545
特に、送信シンボルXkにQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などの位相変調方式が適用されている場合、位相数をMとすると(QPSKの場合、M=4)、送信シンボルXkは以下のように表現される。
Figure 0004389545
したがって、送信シンボルXkを周波数軸に沿って一定の旋回を与えたシンボルX′kは、下式の通りとなる。
Figure 0004389545
ここで、U個すなわち十分な位相分解能Uで円周1周を量子化したサインテーブル(SinTable)をあらかじめ用意しておく。サイン・テーブルは、位相値iを引数として投入することにより、その正弦値を引くことができる。
Figure 0004389545
したがって、送信シンボルのサブキャリア番号kと、送信タイミングの必要な遅延量τと、データdkに基づいて求められる位相値(kfscτ+dk/M)をインデックスiとしてサイン・テーブルから引くことにより、送信シンボルXkを周波数軸に沿って遅延量τに相当する旋回を与えたシンボルX′kを高速に獲得することができる。
Figure 0004389545
図2には、送信すべき元のシンボルXkを周波数軸に沿って一定の旋回を与えたシンボルX′kを得るための装置構成を模式的に示している。
テーブル・インデックス計算部101では、送信シンボルのサブキャリア番号kと、送信タイミングの必要な遅延量τと、データdkに基づいて、位相値(kfsc+dk/M)をテーブル・インデックスiとして求める。
次いで、テーブル・インデックスiをサイン・テーブル102から引くことにより、送信シンボルXkを周波数軸に沿って遅延量τに相当する旋回を与えたシンボルX′kを獲得する。また、このようにIFFT前にサイン・テーブルを用いるので、処理をあまり増大させなくて済む。
IFFT部103では、周波数軸上のシンボルシンボルX′kを逆フーリエ変換して、各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換する。
そして、送信ウィンドウ処理部104では、所定のウィンドウ処理を施して、時間軸上の送信信号x′(t)を伝送路に送出する。
このような装置構成によれば、サンプリング間隔Tよりも小さな時間分解能で送信タイミング調整が可能になる。また、このようにIFFT前にサイン・テーブルを用いるので、処理をあまり増大させなくて済む。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、送信機側で送信信号タイミング制御を行なうという本発明に係る技術の適用例として、UWB通信システムにおいて測距を行なう場合を例に採って説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。マルチキャリア信号の送信装置において送信信号のタイミング調整を行なう場合一般において、本発明が同様に実現可能であることは言うまでもない。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、本発明の実施に供されるOFDM送信装置の機能構成を模式的に示した図である。 図2は、送信すべき元のシンボルXkを周波数軸に沿って一定の旋回を与えたシンボルX′kを得るための装置構成を模式的に示した図である。
符号の説明
11…符号器
12…変調器
13…シリアル・パラレル変換器
14…IFFT
15…パラレル・シリアル変換器
16…ガード・インターバル挿入部
21…同期検出部
22…シリアル・パラレル変換器
101…テーブル・インデックス計算部
102…サイン・テーブル
103…IFFT部
104…送信ウィンドウ処理部

Claims (6)

  1. 送信元の無線機からパケットを送信し、送信先の無線機において、パケットを受信してから所定の単位時間の整数倍に相当する時間が経過後にパケットを返送し、さらに送信元の無線機において、パケットを送信してから返送パケットを受信するまでの所要時間から所定の単位時間の整数倍を除去して、パケットの往復伝送時間を求め、該往復伝送時間に基づいて、送信元及び送信先の無線機間の距離を測定する、マルチキャリア信号を送信する、上記送信元の無線機をなす送信装置であって、マルチキャリア変調時に、
    周波数軸上の送信シンボルの位相を周波数軸に沿って旋回を与える旋回手段と、
    該旋回させたシンボルをマルチキャリア変調する変調手段と、
    を備え、
    周波数軸上の送信シンボルの位相を周波数軸に沿って旋回させることにより、パケット送信のタイミングを微調整することを特徴とする送信装置。
  2. 前記旋回手段は、送信タイミングの所望の遅延量に応じた位相だけ周波数軸上の送信シンボルを旋回させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 位相変調を行なうときの、サブキャリア番号と必要な遅延量と送信シンボル位相データに基づいて位相値を求める位相値算出手段と、
    位相値と正弦値の対応関係を記述したサイン・テーブルと、
    をさらに備え、
    前記位相値算出手段により求められた位相値を前記サイン・テーブルで引くことにより、周波数軸に沿って必要な遅延量に応じた旋回を与えたシンボルを得る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  4. 送信元の無線機からパケットを送信し、送信先の無線機において、パケットを受信してから所定の単位時間の整数倍に相当する時間が経過後にパケットを返送し、さらに送信元の無線機において、パケットを送信してから返送パケットを受信するまでの所要時間から所定の単位時間の整数倍を除去して、パケットの往復伝送時間を求め、該往復伝送時間に基づいて、送信元及び送信先の無線機間の距離を測定する、マルチキャリア信号を送信する上記送信元の無線機をなす送信装置における送信方法であって、マルチキャリア変調時に、
    周波数軸上の送信シンボルの位相を周波数軸に沿って旋回を与える旋回ステップと、
    該旋回させたシンボルをマルチキャリア変調する変調ステップと、
    を備え、
    周波数軸上の送信シンボルの位相を周波数軸に沿って旋回させることにより、パケット送信のタイミングを微調整することを特徴とする送信方法。
  5. 前記旋回ステップでは、送信タイミングの所望の遅延量に応じた位相だけ周波数軸上の送信シンボルを旋回させる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の送信方法。
  6. 位相変調を行なうとき、サブキャリア番号と必要な遅延量と送信シンボル位相データに基づいて位相値を求めるステップと、
    該求められた位相値をサイン・テーブルで引くことにより、周波数軸に沿って必要な遅延量に応じた旋回を与えたシンボルを得るステップと、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の送信方法。
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