JP4388867B2 - 保護層付き光導波路 - Google Patents

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Description

本発明は光導波路に関し、詳しくは、上部クラッド層とコア層がいずれも吸湿性を有するエポキシ樹脂からなりながら、屈折率の耐湿熱安定性にすぐれる光導波路に関する。
光ファイバの開発による光通信システムの実用化に伴い、光導波路構造を用いた多種多様な光通信用デバイスの開発が求められている。この光導波路の材料としては、近年、種々の樹脂を用いることが研究されているが、なかでも、エポキシ樹脂が可視領域前後の透明性にすぐれているところから、エポキシ樹脂からなる光導波路が種々、提案されている。
なかでも、光重合開始剤を配合した光重合性エポキシ樹脂組成物を用いれば、所要のパターンをウェットプロセスにて容易に形成することができることを利用して、ポリマー光導波路を製造することが既に知られている(特許文献1参照)。しかし、反面、エポキシ樹脂は耐湿性が悪く、上部クラッド層やコア層を形成するエポキシ樹脂は、そのエポキシ基の反応生成物である水酸基の高い極性によって吸湿しやすく、従って、屈折率が変化しやすいので、屈折率の耐湿熱安定性において十分でなく、信頼性に問題がある。
特開平10−268152号公報
本発明は、吸湿性を有するエポキシ樹脂からなる上部クラッド層とコア層を有しながら、屈折率の耐湿熱安定性の高い光導波路を提供することを目的とする。
本発明によれば、基板上に下部クラッド層とコア層と上部クラッド層をこの順序で形成してなる光導波路において、少なくとも上記コア層と上部クラッド層がエポキシ樹脂からなると共に、上記上部クラッド層上に金属箔、フッ素樹脂又は無機物からなる保護層を形成してなることを特徴とするを有する光導波路が提供される。
本発明による光導波路は、上部クラッド層上に金属箔、フッ素樹脂又は無機物からなる低透湿性の保護層を備えていて、上部クラッド層が外部に露出していないので、エポキシ樹脂からなる吸湿性を有する上部クラッド層とコア層の吸湿を抑えて、屈折率の変動を抑えることができ、かくして、本発明による光導波路は、屈折率の耐湿熱安定性にすぐれており、高い信頼性を有する。
本発明による光導波路は、基板上に下部クラッド層とコア層と上部クラッド層をこの順序で形成してなる光導波路において、少なくとも上記コア層と上部クラッド層がエポキシ樹脂からなると共に、上記上部クラッド層上に金属箔、フッ素樹脂又は無機物からなる保護層を形成してなるものである。
このような保護層付き光導波路は、例えば、後述するように、光重合性エポキシ樹脂組成物の感光性を利用して、直接にこれをパターン形成して、コア層を形成する以外は、一般のポリマー光導波路と同様にして得ることができ、従って、同様の方法で平面光導波路、リッジ型光導波路、埋め込み型光導波路等を製造することができる。また、本発明において、下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層はすべて、エポキシ樹脂からなることが好ましいが、しかし、下部クラッド層は他の樹脂から形成されていてもよい。
本発明による保護層付き光導波路において、上記基板には、特に、限定されるものではないが、例えば、シリコン基板、石英基板、金属箔、ガラス板、高分子フィルム等が用いられる。従来より知られているように、このような基板上に光重合性エポキシ樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥させた後、紫外線を照射して、エポキシ樹脂を硬化させれば、エポキシ樹脂からなる下部クラッド層を形成することができる。
本発明において、コア層や上部クラッド層をエポキシ樹脂から形成するには、例えば、光重合性エポキシ樹脂組成物を用いて、これを直接にこれをパターン形成すればよい。光重合性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と光重合開始剤とからなり、このような光重合性エポキシ樹脂組成物に光、特に、紫外線を照射することによって、エポキシ樹脂に光重合、即ち、光硬化させることができる。
本発明において、上記エポキシ樹脂は、芳香族、脂肪族を問わず、いずれのエポキシ樹脂でも用いることができるが、なかでも、得られる光導波路が耐熱性や柔軟性にすぐれる点から、一般式(I)
Figure 0004388867
(式中、R1 からR4 はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R5 とR6 はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、nは0から10の範囲の整数を示す。)
で表されるものが好ましく用いられる。
上記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂において、R1 からR4 で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル等を挙げることができる。
本発明によれば、上記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂のなかでも、R1 からR6 がすべて水素原子であり、nが0又は1であるものが好適に用いられる。上記一般式(I)において、R1 からR6 がすべて水素原子であり、nが1であるエポキシ樹脂はビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル(エポキシ当量320)であり、nが0であるエポキシ樹脂はビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル(エポキシ当量234)である。
本発明において、光重合性エポキシ樹脂組成物は、このようなエポキシ樹脂を50〜99.9重量%、好ましくは、80〜99重量%の範囲で含む。光重合性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の割合が50重量%よりも少ないときは、例えば、基板上に光重合性エポキシ樹脂組成物を塗布したとき、製膜し難いおそれがある。他方、光重合性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の割合が99.9重量%よりも多いときは、光重合開始剤の割合が少なすぎて、光照射しても、エポキシ樹脂の光硬化が不十分となるおそれがある。
光重合開始剤としては、エポキシ樹脂の光カチオン重合開始剤として知られている光酸発生剤が好ましく用いられる。本発明において、この光酸発生剤は、特に制限されず、従来より知られているもの、例えば、オニウム塩等が適宜に用いられる。オニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等を挙げることができる。また、これらの対イオンとしては、例えば、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 - 等を挙げることができる。
従って、光酸発生剤の具体例として、例えば、4,4−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ〕フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、アリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェイト、トリフェニルスルホニウムトリフレート、4−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−フェニルチオフェニル) ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−フェニルチオフェニル) ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ) フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ) フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル) ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メトキシフェニル) フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル) ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート等を挙げることができる。これらの光酸発生剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
本発明において、光重合性エポキシ樹脂組成物は、このような光酸発生剤をエポキシ樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部の範囲で含み、好ましくは、0.5〜5重量部の範囲で含む。
更に、本発明によれば、光重合性エポキシ樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂と光酸発生剤に加えて、必要に応じて、例えば、反応性オリゴマーや希釈剤等、種々の成分を含有していてもよい。反応性オリゴマーとしては、例えば、エポキシ( メタ) アクリレート、ウレタンアクリレート、ブタジエンアクリレート、オキセタン化合物等を挙げることができるが、好ましくは、オキセタン化合物が用いられる。オキセタン化合物は少量の添加によって、光重合性エポキシ樹脂組成物の硬化を促進させることができる。このようなオキセタン化合物の具体例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル) オキセタン、ビス(1−エチル−(3−オキセタニル)メチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルメチル) オキセタン等を挙げることができる。これらの反応性オリゴマーは単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。このような反応性オリゴマーを光重合性エポキシ樹脂組成物に配合する場合には、その割合は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常、100重量部以下であり、好ましくは、5〜100重量部の範囲である。
また、希釈剤としては、例えば、炭素数2〜25のアルキルモノグリシジルエーテル(例えば、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等)、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ドデカンジオールジグリシジルエーテル、ペンタエチルトリオールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、レゾルシングリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、テトラフルオロプロピルグリシジルエーテル、オクタフルオロプロピルグリシジルエーテル、ドデカフルオロペンチルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、1,7−オクタジエンジエポキシド、リモネンジエポキシド、リモネンモノオキシド、α−ピネンエポキシド、β−ピネンエポキシド、シクロヘキセンエポキシド、シクロオクテンエポキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド等を挙げることができる。
しかし、得られる硬化物の耐熱性や透明性を考慮すれば、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルエチル−8,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、アリルシクロヘキセンジオキシド、8,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル等、分子内に脂環式構造を有するエポキシ化合物が好ましく用いられる。これらの希釈剤も単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。このような希釈剤を光重合性エポキシ樹脂組成物に配合する場合には、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常、200重量部以下、好ましくは、5〜200重量部の範囲で用いられる。
光重合性エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂と光酸発生剤と共に、必要に応じて、上記反応性オリゴマーや希釈剤を溶媒中に溶解混合することによって、ワニスとして得ることができる。上記溶媒としては、特に、限定されるものではないが、例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジグライム、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチルフラン、ジメトキシエタン等が好ましく用いられる。これら溶媒も単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。このような溶媒は、得られる光重合性エポキシ樹脂組成物が塗布しやすいように適度の粘度を有するように適量が用いられる。但し、このような溶媒を用いることなく、上記希釈剤を溶媒の代わりに用いて、他の成分を希釈剤中に溶解混合することによっても、光重合性エポキシ樹脂組成物をワニスとして得ることもできる。
光重合性エポキシ樹脂組成物を光硬化させるためには、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯のような光源を用いて、光重合性エポキシ樹脂組成物からなる樹脂層に紫外線を照射すればよく、紫外線の照射量は、通常、10〜10000mJ/cm2 の範囲であり、好ましくは、50〜3000mJ/cm2 の範囲である。硬度の高いクラッド層やコア層を得る場合には、光照射した後に、加熱(露光後加熱)し、エポキシ樹脂の架橋反応を促進し、完結させるのがよい。
以下に、本発明による保護層付き光導波路の製造工程の一例を図1を参照して説明する。先ず、図1(A)に示すように、基板1上にこの基板よりも屈折率の高いエポキシ樹脂を与える光重合性エポキシ樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥させて、樹脂層を形成し、これに紫外線を照射し、必要に応じて、空気中、60〜200℃の範囲の温度に露光後加熱して、エポキシ樹脂からなる下部クラッド層2を形成する。
次いで、この下部クラッド層2上にこれよりも屈折率の高いエポキシ樹脂を与える光重合性エポキシ樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥させて、樹脂層3を形成した後、図1(B)に示すように、所望のパターンが得られるように、上記樹脂層3にガラスマスク4を載置し、上方から紫外線を照射し、樹脂層をパターンに従って露光させる。次に、この樹脂層における光反応を完結させるために、通常、上述したように、露光後加熱する。この後、現像液を用いて現像して、所定のパターンに加工した後、通常、更に、加熱することによって、図1(C)に示すように、エポキシ樹脂からなるパターンをコア層5として形成する。次に、前記下部クラッド層を形成したと同様にして、図1(D)に示すように、上記コア層5上にこれよりも屈折率の低いエポキシ樹脂からなる上部クラッド層6を形成し、かくして、埋め込み型光導波路を得る。このようにして、光導波路を製造した後、図1(E)に示すように、上記上部クラッド層の上に保護層7を形成して、本発明による保護層付き光導波路を得る。
光重合性エポキシ樹脂組成物の溶液を基材やコア層の上に塗布し、また、光重合性エポキシ樹脂組成物の溶液を下部クラッド層の上に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法やキャスティング法等の一般的な成膜方法を用いることができる。また、上記現像のための現像液としては、通常、有機溶媒、アルコール、アルカリ性水溶液が用いられる。
このような光導波路の一例を具体的に説明すれば、下部クラッド層と上部クラッド層は、光ファイバとの結合効率を高めるために、光ファイバと同程度の屈折率を有するエポキシ樹脂から形成されており、このようなエポキシ樹脂の屈折率は、通常、1.52〜1.65の範囲である。また、下部クラッド層の膜厚は、例えば、5〜50μm程度であり、上部クラッド層の膜厚は、例えば、5〜100μm程度である。コア層の膜厚は、例えば、20〜100μm程度であり、幅も20〜100μm程度にパターニングされている。コア層の屈折率は下部クラッド層や上部クラッド層よりも約2%大きい。
本発明によれば、上記保護層は金属箔、フッ素樹脂又は無機物からなる。金属箔は、例えば、上部クラッド層の表面に直接に加熱融着させて、保護層とすることができる。この際の加熱融着温度は、上部クラッド層を形成しているエポキシ樹脂の軟化点又はガラス転移温度よりも高いことが好ましい。また、金属箔を、例えば、上部クラッド層の表面に接着剤を介して貼り付けて、保護層とすることもできる。ここに、接着剤としては、保護層を上部クラッド層に密着性よく接着することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、スチレンーブタジエン系ゴムとエポキシ樹脂を複合した熱硬化性接着剤や熱可塑性ポリイミド樹脂等が好ましく用いられる。更に、これらの方法以外にも、例えば、蒸着法によって、上部クラッド層上に金属箔を形成してもよい。また、化学メッキを併用してもよい。このような保護層のための金属箔としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄−ニッケル合金等が用いられるが、なかでも、経済性やハンドリング性の点から銅箔が好ましく用いられる。
また、上記保護層はフッ素樹脂からなる被膜であってもよい。フッ素樹脂からなる保護層は、例えば、フッ素樹脂のシートやフィルムを上部クラッド層の表面に熱圧着したり、また、上部クラッド層の表面に適当なプライマーを用いて貼り合わせる等して形成することができる。このようなフッ素樹脂のシートやフィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(ペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA))、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレン又はプロピレンコポリマー(ETE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)等からなるものを挙げることができる。
また、フッ化ビニル樹脂(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマーやフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレンコポリマー等をメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤やジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤に溶解させ、溶液とし、これを上部クラッド層の表面に塗布し、乾燥させて、これらフッ素樹脂からなる被膜を保護層として形成させることができる。更に、別の方法として、フッ素樹脂のディスパージョンを用いて、これを上部クラッド層の表面に塗布した後、焼成して、フィルムとし、これを保護層とすることもできる。これらの種々のフッ素樹脂のなかでも、本発明によれば、吸湿性やハンドリング性からフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)が特に好ましく用いられる。
更に、上記保護層は無機物層であってもよい。本発明において、この無機物層は、水蒸気バリア性を有するものであれば、特に限定されない。従って、このような無機物層の具体例として、例えば、ケイ素、アルミニウム、インジウム、スズ、亜鉛、チタン等の1種以上を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物の層を挙げることができる。なかでも、保護層が水蒸気バリア性と透明性を有するように、無機物層は、ケイ素酸化物やケイ素酸化窒化物の層からなることが好ましい。このような無機物層を形成するには、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)や、プラズマ化学期気相成長法、熱化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD)法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1
ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル83重量部と希釈剤3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート17重量部と光酸発生剤4,4−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフィニオ〕フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネートの50重量%プロピレンカーボネート溶液2重量部をシクロヘキサノン100重量部に溶解させて、光重合性エポキシ樹脂組成物をワニスAとして得た。このワニスAを硬化させて得たエポキシ樹脂の測定波長633nmにおける屈折率は1.585であった。
参考例2
ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル67重量部とビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル23重量部と参考例1と同じ光酸発生剤2重量部をシクロヘキサノン90重量部に溶解させて、光重合性エポキシ樹脂組成物をワニスBとして得た。このワニスBを硬化させて得たエポキシ樹脂の測定波長633nmにおける屈折率は1.617であった。
実施例1
10cm×10cmのガラス板上にワニスAをスピンコート法にて塗布し、90℃で15分間加熱乾燥して、樹脂層を形成した。この後、この樹脂層の全面に2000mJ/cm2 の照射量にて紫外線を照射し、次いで、170℃で30分間加熱して、厚み30μmの下部クラッド層を形成した(図1(A)参照)。
次いで、上記下部クラッド層の上にワニスBをスピンコート法にて塗布し、90℃で15分間加熱乾燥して、樹脂層を形成した(図1(c)参照)。次いで、幅50μmの直線状の光導波路のパターンを有するフォトマスク(合成石英系のクロムマスク) を用いてコンタクト露光法にて2000mJ/cm2 の照射量にて紫外線を照射した(図1(B)参照)。このとき、フォトマスクを樹脂層に直接按触させたが、露光後において、フォトマスクに樹脂の付着は認められなかった。
その後、90℃で60分間、露光後加熱した後、アセトニトリル系現像液中に浸漬して現像し、樹脂層をパターン形成した(図1(e)参照) 。その後、樹脂層を170℃で30分間加熱して、厚み50μm、幅50μmの断面方形のコア層を形成した(図1(C)参照) 。
次に、上記コア層を含む下部クラッド層の上にスピンコート法にてワニスAを塗布し、90℃で15分間加熱乾燥して、樹脂層を形成した。その後、樹脂層の全面に2000mJ/cm2 の照射量にて紫外線を照射し、次いで、170℃で30分間加熱して、厚み80μmの上部クラッド層を形成し(図1(D)参照) 、かくして、比屈折率Δ=2.0%のマルチモモード光導波路を得た。
次に、片面にSBRゴムとエポキシ樹脂からなる接着剤を10μm厚みに塗布した厚さ19μmの銅箔を準備した。この銅箔を上記上部クラッド層上に接着し、100℃で2時間乾燥し、上部クラッド層上に金属箔からなる保護層を形成し、このようにして、保護層付きの埋め込み型の光導波路を得た(図1(E)参照) 。
この光導波路の端面処理を行った後、波長850nmの光を通して、カットバック法で光伝播損失を測定したところ、0.18dB/cmであった。次に、この保護層付きの埋め込み型の光導波路を温度60℃、相対湿度95%の雰囲気下に168時間放置した後の損失値は0.19dB/cmであった。
実施例2
厚み50μmの鉄−ニッケル合金(SUS)箔の片面にSBRゴムとエポキシ樹脂からなる接着剤を15μm厚みになるように塗布した。この金属箔を実施例1で得た光導波路の上部クラッド層上に積層し、100℃で15分間、真空中で熱圧着して、上部クラッド層上に金属箔からなる保護層を形成し、このようにして、保護層付きの埋め込み型の光導波路を得た。
この光導波路の端面処理を行った後、波長850nmの光を通して、カットバック法で光伝播損失を測定したところ、0.18dB/cmであった。次に、この保護層付きの埋め込み型の光導波路を温度121℃、相対湿度100%の雰囲気下に168時間放置した後の損失値は0.20dB/cmであった。
実施例3
フッ化ビニリデン樹脂を20重量%濃度でジメチルホルムアミドに溶解させ、溶液を得た。実施例1で得た光導波路の上部クラッド層上に上記溶液を塗布し、真空雰囲気下に120℃で5時間乾燥して、上記上部クラッド層上にフッ化ビニリデン樹脂からなる厚み10μmの保護層を形成し、このようにして、保護層付きの埋め込み型の光導波路を得た。
この光導波路の端面処理を行った後、波長850nmの光を通して、カットバック法で光伝播損失を測定したところ、0.22dB/cmであった。次に、この保護層付きの埋め込み型の光導波路を温度60℃、相対湿度90%の雰囲気下に168時間放置した後の損失値は0.23dB/cmであった。
実施例4
実施例1で得た光導波路の上部クラッド層上にプラズマCVD法を用いて、厚さ30nmの酸化ケイ素蒸着膜を形成し、このようにして、保護層付きの埋め込み型の光導波路を得た。この光導波路の端面処理を行った後、波長850nmの光を通して、カットバック法で光伝播損失を測定したところ、0.18dB/cmであった。次に、この保護層付きの埋め込み型光導波路を温度85℃、相対湿度85%の雰囲気に168時間放置した後の損失値は0.18dB/cmであった。
実施例5
実施例1で得た光導波路の上部クラッド層上にプラズマCVD法を用いて、厚さ20nmの酸化ケイ素蒸着膜を形成し、このようにして、保護層付きの埋め込み型の光導波路を得た。この光導波路の端面処理を行った後、波長850nmの光を通して、カットバック法で光伝播損失を測定したところ、0.19dB/cmであった。次に、この保護層付きの埋め込み型光導波路を温度60℃、相対湿度90%の雰囲気に168時間放置した後の損失値は0.19dB/cmであった。
比較例1
実施例1で得た光導波路の上部クラッド層上に保護層を形成することなく、温度121℃、相対湿度100%の雰囲気下に168時間放置した後の損失値は0.45dB/cmであった。
(A)から(E)は、本発明による保護層を備えた光導波路の製造工程の一 例を示す図である。
符号の説明
1…基板
2…下部クラッド層
3…光重合性エポキシ樹脂からなる樹脂層
4…ガラスマスク
5…コア層
6…上部クラッド層
7…保護層

Claims (3)

  1. 基板上に下部クラッド層とコア層と上部クラッド層をこの順序で形成してなる光導波路において、少なくとも上記コア層と上部クラッド層が一般式(I)
    Figure 0004388867
    (式中、R 1 からR 4 はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R 5 とR 6 はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、nは0から10の範囲の整数を示す。)
    で表されるエポキシ樹脂からなると共に、上記上部クラッド層上に蒸着法によって形成された金属箔からなる保護層を形成してなることを特徴とす光導波路。
  2. 金属箔が銅箔又は鉄−ニッケル合金箔である請求項1に記載の光導波路。
  3. 基板が金属箔又は高分子フィルムである請求項1に記載の光導波路。
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