JP4388305B2 - 分光異方性散乱フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

分光異方性散乱フィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、散乱光分布に波長依存性があり、且つ上下左右で散乱光分布に異方性がある散乱フィルム、それを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワードプロセッサやノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなどに用いられる表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)がこれまで主に使用されてきた。近年、液晶表示装置が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されてきている。液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板を有する。偏光板は保護膜と偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護膜にて積層して得られる。例えば、透過型液晶表示装置では、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学補償シートを配置することもある。一方、反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償シート、および偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板および液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過型、反射型および半透過型のいずれにも適用でき、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)のような表示モードが提案されている。しかしながら、従来の液晶表示装置で表示し得る色やコントラストは、LCDを見る時の角度によって変化する。そのため、液晶表示装置の視野角特性は、CRTの性能を越えるまでには至っていない。
【0003】
液晶分子のねじれ角が180〜270°のSTNモードの液晶表示装置は、液晶高分子の複屈折に起因する着色、例えば表示色が濃紺色であり、背景色が黄緑色である着色が生じてコントラストの高い白黒表示ができなかった。また、この液晶表示装置にカラーフィルタをかぶせてカラー表示を行う際に、この色相が障害となっていた。この問題を解決するため、光学補償による色相の改善が検討され、位相差フィルムによって色補償が可能となったが(例えば、非特許文献1参照)、ある特定の波長で色補償をした場合、他の波長においては、液晶層と位相差フィルムとの波長分散が異なる等の理由から色補償が十分ではなかった。
【0004】
液晶分子の配列状態が90°ねじれた旋光モードの表示方式(TNモード)の表示装置(TN−LCD)は、応答速度が数十ミリ秒程度であり、高い表示コントラストを示す。そのため、市販の液晶表示装置の多くは、TN−LCDになっている。このTN−LCDに対しても位相差フィルムによる光学補償により視野角を改善する効果があることが知られている。位相差フィルムとしては、二軸性フィルムからなる光学補償シート、透明支持体上に円盤状化合物を含む光学異方性層を有する光学補償シート、棒状液晶化合物による光学補償シートが挙げられる。特に円盤状化合物による光学補償シートによってTN−LCDのコントラスト視野角は大きく改善され、市販のTN−LCDに広く用いられているが、視野角による色変化については十分でなかった。
【0005】
さらに最近になって、広視野角LCDモードとして横電解を用いたIPSモード、負の誘電率異方性を有する液晶を垂直に配向させたVAモード、液晶をベンド配向させて複屈折モードでスィッチングを行うことにより高速応答も実現したOCBモードがある。これらはコントラスト視野角が非常に広く、特にIPSモードの電極形状を最適化することで色変化を改良したS−IPS(Super−IPS)モードは視野角による色変化も非常に小さい。しかしながら、それでもなおCRTと比べると視野角による色変化は大きかった。
【0006】
偏光を制御することでスィッチングを行うLCDでは、前述の位相差フィルムによって確かに色を補償することは可能である。しかしLCDの視野角特性においては、コントラストもまた重要であり、位相差フィルムを用いることで色とコントラストの2つの性能を両立させることは容易ではない。また、正面のような一方向のみの色を改良するだけであれば位相差フィルムでなくカラーフィルタで改良可能であるが、LCDにおいては視野角方向で液晶セルの透過スペクトルが異なるため、視野角ごとに異なる色補償をする必要があった。
【0007】
位相差フィルムやカラーフィルタのように液晶セル中の光の透過率を制御する方法でなく、直接バックライトから光の進路を制御する方法としては、投射型液晶表示装置に用いられているレンチキュラーレンズによるスクリーンや異方性光散乱フィルム(特許文献1参照)、あるいはプリズムシート等が挙げられる。このようなフィルムを用いれば望ましい方向に光を配分することができ、液晶セルによる光の制御と独立に視野角特性を制御することができる。しかしこれらのフィルムは白色光の進路制御を目的としており、視野角ごとに分光散乱特性を制御していないため色補償効果は完全ではなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−159704号公報
【非特許文献1】
日経マイクロデバイス1987年10月号84頁
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の位相差フィルムやカラーフィルタによる色補償技術では、LCDの色視野角特性を他の特性を悪化させることなく改良することができなかった。また、広視野角LCDモードを用いても、CRTに比べて色視野角特性が劣っていた。
本発明は前記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、コントラスト、視野角等の他の特性を悪化させることなく、色視野角特性のみを独立して改善することのできる分光異方性散乱フィルムを提供することを課題とする。また、本発明は前記フィルムを用いた、優れた色補償機能を有する偏光板、および色視野角特性の改善された液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
[1] フィルム面の任意の散乱面における方位角θ、入射光波長λの散乱光強度Fx(λ,θ)、および前記散乱面と直交する散乱面における方位角θ、入射光波長λの散乱光強度Fy(λ,θ)が、下記式(1)および(2)を満たす分光異方性散乱フィルム。
(1) Fx(λ,θ)/Fx(545,θ) ≧ 1.2
(2) [Fx(λ,θ)/Fx(545,θ)-Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)] ≧ 0.1
(但し、λ=435または610nm、θ=30〜70°から選ばれる任意の角度である。)
[2] 請求項1で定義したFx(λ,θ)およびFy(λ,θ)が下記式(3)を満たす分光異方性散乱フィルム。
(3) [Fx(λ,θ)/Fx(545,θ)-1][Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)-1] < 0
(但し、λ=435または610nm、θ=30〜70°から選ばれた任意の角度である。)
[3] 一次元回折格子またはフォトニック結晶構造を少なくとも一部に含む[1]または[2]に記載の分光異方性散乱フィルム。
[4] 形状異方性粒子をフィルム中に分散させてなる[1]または[2]に記載の分光異方性散乱フィルム。
[5] 表面に形状異方性の凹凸を有する[1]または[2]に記載の分光異方性散乱フィルム。
[6] 少なくとも、偏光膜と[1]〜[5]のいずれかに記載の分光異方性散乱フィルムとを有する偏光板。
[7] 前記偏光膜の前記分光異方性散乱フィルムを有する側と異なる側に、光学補償フィルムを有する[6]に記載の偏光板。
【0011】
[8] バックライトと、少なくとも一方に電極を有するとともに対向配置された一対の基板および該基板間に挟持される液晶層からなる液晶セルと、前記液晶セルの外側に配置された一対の偏光板とを有する液晶表示装置において、[1]〜[5]のいずれかに記載の分光異方性散乱フィルムを有する、または前記一対の偏光板の少なくとも一方が[6]または[7]に記載の偏光板である液晶表示装置。
[9] 前記液晶セルに入射した波長λの入射光の上下左右の角度θ方向の少なくとも一つの透過率T(λ)と、前記分光異方性散乱フィルムに入射した波長λの入射光の前記透過率T(λ)と同じ方向の前方散乱光の散乱光強度F(λ)とが、下記式(4)を満たす[8]に記載の液晶表示装置;
(4) [(T(λ)/T(545))-1]×[(F(λ)/F(545))-1] < 0
但し、λ=435または610nm、θ=30〜70°から選ばれた任意の角度である。
[10] 前記分光異方性散乱フィルムがバックライトと液晶層との間に位置する[8]または[9]に記載の液晶表示装置。
[11] 表示モードがTNモードまたはOCBモードである[8]〜[10]のいずれかに記載の液晶表示装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本願明細書において、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
まず、本発明の分光異方性散乱フィルムについて説明する。
本発明において「分光異方性散乱フィルム」とは、435nm(B)、545nm(G)および610nm(R)から任意に選ばれた2つの波長における散乱光分布が異なり、かつ互いに直交する2つの散乱面間でも散乱光分布が異なる特性を有するフィルムのことをいう。本発明の分光異方性散乱フィルムの第一の態様は、フィルム面の任意の散乱面における方位角θ、入射光波長λの散乱光強度Fx(λ,θ)、および前記散乱面と直交する散乱面における方位角θ、入射光波長λの散乱光強度Fy(λ,θ)が、下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする。但し、式中、λは435または610nmであり、θは30〜70°から選ばれた任意の角度である。
(1) Fx(λ,θ)/Fx(545,θ) ≧ 1.2
(2) [Fx(λ,θ)/Fx(545,θ)-Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)] ≧ 0.1
本発明の分光異方性散乱フィルムの第二の態様は、前記Fx(λ,θ)およびFy(λ,θ)が下記式(3)を満たすことを特徴とする。
(3) [Fx(λ,θ)/Fx(545,θ)-1][Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)-1] < 0
435nm、545nmおよび610nmは、それぞれBGRを代表する波長である。なお、本発明では、波長λについては±10nmの誤差は許容範囲とする。
【0013】
前記(1)式のFx(λ,θ)/Fx(545,θ)は1.2〜5.0であるのが好ましく、1.5〜3.5であるのがより好ましい。また、前記(2)式の[Fx(λ,θ)/Fx(545,θ) - Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)]は、0.1〜5.0であるのが好ましく、0.5〜3.0であるのがより好ましい。さらに、前記(3)式の [Fx(λ,θ)/Fx(545,θ)-1][Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)-1]は、−5.0〜−0.1であるのが好ましく、−3.0〜−0.3であるのがより好ましい。
【0014】
図1を用いて、フィルムの散乱光分布の波長依存性および異方性を調べる方法を説明する。
フィルムFに上方から波長λの光Liを入射する。入射光Liは、分光異方性散乱フィルムFを通過して、種々の方向(例えば、図中、LsxおよびLsyに示す方向等)に散乱する。例えば、任意の散乱面をx−z面Px(分光異方性散乱フィルムFの左右方向)、それに直交する散乱面をy−z面Py(分光異方性散乱フィルムFの上下方向)とする。分光異方性散乱フィルムFの下方に散乱光の強度を測定する測定器(不図示)を配置し、散乱面PxおよびPy内のそれぞれの方位角θに対して、散乱光強度を測定する。前記測定器は、種々の角度の散乱光の強度を測定可能なように、検出部が変位可能なものを用いる。方位角に対して散乱光強度の測定値をプロットすることで、図2(a)および(b)に示す様な、各面内の散乱強度の方位角θに対する散乱光分布曲線が得られる。各面における散乱光分布曲線を比較することで、散乱光分布の異方性を調べることができる。また、波長545nm、および435nmまたは610nmの入射光Liについて、それぞれ同様に散乱光分布を得、各波長の入射光に対する同一散乱面内の散乱光分布曲線を比較することで、散乱光分布の波長依存性を調べることができる。
【0015】
図1中のフィルムFが、本発明の第一の態様の分光異方性散乱フィルムである場合に測定される、散乱面Pxにおける散乱光分布曲線の一例を図2(a)に、それに直交する散乱面Pyにおける散乱光分布曲線の一例を図2(b)に示す。
分光異方性散乱フィルムFは、波長435nm(B)の入射光Liの任意の方位角θ(30°≦θ≦70°)における散乱光強度Fx(435nm,θ)が、波長545nm(G)の入射光Liの任意の方位角θにおける散乱光強度Fx(545nm,θ)に対して大きく、散乱面Pxにおいて、散乱光分布に波長依存性がある。Fx(435nm,θ)/Fx(545nm,θ)が1.2以上であると、前記(1)式を満たす。一方、分光異方性散乱フィルムFは、散乱面Pyにおいては、波長545nm(G)および波長435nm(B)の入射光に対して等しい散乱光分布を示す。従って、Fx(435nm,θ)/Fx(545nm,θ)の値とFy(435nm,θ)/Fy(545nm,θ)の値とには差があり、散乱光分布に異方性がある。その差が0.1以上であれば、前記式(2)を満たす。
【0016】
図1中のフィルムFが、本発明の第二の態様の分光異方性散乱フィルムである場合に測定される、散乱面Pxにおける散乱光分布曲線の一例を図3(a)に、それに直交する散乱面Pyにおける散乱光分布曲線の一例を図3(b)に示す。
分光異方性散乱フィルムFは、波長435nm(B)の入射光Liの散乱面Pxにおける任意の方位角θ(30°≦θ≦70°)の散乱光強度Fx(435nm,θ)が、波長545nm(G)の散乱光強度Fx(545nm,θ)に対して大きく、{Fx(435nm,θ)/Fx(545nm,θ)−1}は正である。一方、散乱面Pyにおける任意の方位角θ(30°≦θ≦70°)の散乱光強度Fy(435nm,θ)は、波長545nm(G)の散乱光強度Fy(545nm,θ)に対して小さく、{Fy(435nm,θ)/Fy(545nm,θ)−1}は負である。従って、双方の値の積は負になり、式(3)を満たす。前記式(3)を満たす光散乱型色補償フィルムFは、散乱面Pxおよび散乱面Pyにおいて、散乱光分布に波長依存性があり且つ異方性がある。
【0017】
図2および図3では、波長435nm(B)および波長545nm(G)間で、散乱光分布に波長依存性がある場合を示したが、前記第一および第二の態様の分光異方性散乱フィルムは、波長610nm(R)および波長545nm(G)間で、散乱光分布に波長依存性があってもよい。また、前記第一および第二の態様の分光異方性散乱フィルムは、波長545nm(G)の入射光の散乱光分布と、波長435nm(B)および610nm(R)のうち少なくとも一方の波長の入射光の散乱光分布とが一致しない、即ち、波長依存性があればよく、他方の波長の入射光の散乱光分布は、波長545nm(G)の入射光の散乱光分布と一致していてもよい。例えば、図2および図3に示す様に、波長610nm(R)の入射光の散乱面Pxにおける散乱光分布曲線Rは、散乱光分布曲線Gと一致していてもよい。
【0018】
次に、本発明の分光異方性分散フィルムを用いた色補償の原理を、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の分光異方性散乱フィルムを用いたLCDの基本構成の一例である。LCD40は、少なくとも一方の対向面が電極層を有する一対の基板(不図示)に挟持された液晶層からなる液晶セル47と、液晶セル47を挟持する一対の光吸収型偏光板45、46と、液晶セル47に光を照射するための、冷陰極管41、導光板43および反射シート42からなるバックライトユニットとを有する。さらに、下側光吸収型偏光板45と導光板43との間に、本発明の分光異方性散乱フィルム44が配置されている。バックライトユニットからのBGR光は、分光異方性散乱フィルム44を通過することによって上記散乱特性を有する散乱光として液晶セル47に入射する。前記分光異方性散乱フィルムは、例えば、左右方向におけるB光と、G光およびR光との散乱分布特性が異なり、B光がG光およびR光と比較してより左右方向に散乱する特性を有する。また上下方向においても、B光と、G光およびR光との散乱分布特性が異なり、B光が上下方向において、G光およびR光よりも散乱し難い特性を有する。その結果、液晶セルの視野角に伴う色変化、例えば、左右方向に黄色味があって、上下方向に青みがある等の色視野角特性が色補償され、色変化の軽減された画像を表示できる。
【0019】
図5に、液晶セルの透過スペクトルの一例として、特開平8−50206号公報の実施例2に記載の光学補償シートを用いたTN−LCDの正面および上と右60°の方向における透過スペクトルを示す。なお、TN−LCDは左右は対称であり、互いの透過スペクトルは一致している。
図5に示した通り、光学補償シートを用いたTN−LCDにおいては、右方向において可視域短波側、即ち青の透過率が小さい。その結果、例に示した光学補償シート付TN−LCDは、右方向が黄色く着色する。一方、図5の透過スペクトルからは上下方向には大きな色変化は見られない。図5に示す様な透過スペクトルを示す光学補償シート付TN−LCDの色補償を行うには、上下方向には散乱の波長依存性がなく、左右方向は青を多く散乱させる必要がある。その様な透過特性を付与するには、例えば、図2に示した様な、上下と左右とで異なる分光散乱特性、より具体的には、左右方向に435nm(B)の散乱強度が高い散乱光分布特性を示し、上下方向には散乱光分布に波長依存性のない分光異方性散乱シートを用いればよい。
【0020】
分光異方性散乱フィルムを用いて液晶ディスプレイの色補償を実現する条件は、例えば上下左右の60°方向のうち色補償を必要とする方向に対して、その方向におけるBGRを代表する入射光波長435nm、545nm、610nmの液晶セルの透過率T(λ)、分光異方性散乱フィルムの散乱光強度をF(λ)とするとき下記式で定義される色補償指数(CCF:Color Compensation Factor)が負であるという条件を満たせばよい。435nmと610nmの両波長で満たされることが望ましいが、いずれか一方の波長を満たすことでも色補償は達成できる。
CCF = [(T(λ)/T(545))-1][(F(λ)/F(545))-1] < 0
但し、式中、λ=435または610nmである。
【0021】
なお、T(λ)は、光源位置を正面から上下左右に所定の方向に変位させたときの透過光強度を測定することによって、求めることができる。
【0022】
本発明の分光異方性散乱フィルムの配置箇所は、液晶セルとバックライトの間であれば特に限定されない。本発明の分光異方性散乱フィルムは、例えばプリズムシートやThe 17th International Display Research Conference,M98−106(1997)あるいはNitto Technical Report2000年38号19頁に記載の輝度向上フィルム、‘94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルスの市場(シーエムシー発行)258頁等に記載の拡散フィルム等の部材と併用してもよい。
図6に、本発明の分光異方性散乱フィルム44と、プリズムシート61とを併用した場合のLCDの構成例を、図7に、さらに拡散フィルム71を併用した場合の構成例を、図8に、さらに輝度向上フィルム81と併用した場合の構成例を示す。また、図8は、偏光板として、光学補償シート付きの偏光板82、83を用いた例でもある。光学補償シート付きの偏光板については後述する。
【0023】
本発明の分光異方性散乱フィルムは、上記散乱特性を示す限り、その構造については特に制限されない。例えば、一次元回折格子またはフォトニック結晶構造を少なくとも一部に含む態様;形状異方性粒子をフィルム中に分散させてなる態様;および表面に形状異方性の凹凸を有する態様が挙げられる。
本発明に利用可能な前記一次元回折格子としては、例えばP.Yeh著のフォトリフラクティブ非線形光学(富田康生・北山研一訳 MARUZEN&WILEY 1995年3月発行)の58頁に記載されているような一次元グリッドの透過型回折格子でもよい。一次元グリッドの透過型回折格子の作製方法としては、例えば、二光束干渉露光による方法;電子ビーム描画によって作製したグリッドのマスクを通して紫外線や可視光をレジストやフォトポリマーに露光する方法;同様の方法であらかじめ作製したグリッドの凹凸上に紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂を塗布、硬化後、剥離する方法;およびエンボス等によってメカニカルに凹凸を転写する方法が挙げられる。
【0024】
本発明に利用可能な前記フォトニック結晶としては、また、川上彰二郎著のフォトニック結晶技術とその応用(シーエムシー出版 2002年3月発行)に記載されているようなフォトニック結晶を用いることができ、回折を複数の異なる波長、および複数の異なる方向で制御することができる。フォトニック結晶の作製方法としては、三つ以上の光束を用いた多光束干渉露光による方法や、基板上に単分散微粒子を緻密に配列する方法が挙げられる。
【0025】
本発明の分光異方性散乱フィルムは、図9に示した様な、連続相(例えばポリマー相)91中に、該連続相と異なる屈折率を有する形状異方性粒子92が分散したフィルムであってもよい。形状異方性粒子92は、フィルムが上記分散特性を示すために、所定の配列に分散しているのが好ましい。形状異方性粒子をフィルム中に配列させて分散する方法としては、例えば特開平9−297204号公報に記載されている様な、形状異方性粒子をフィルムに分散後、延伸して配列させる方法;フィルムのバインダーと屈折率が異なるとともに、外力によって変形可能な球状粒子、液体、モノマーもしくは気泡をフィルム中に分散後、延伸して粒子を変形、配列させる方法;等が挙げられる。配列や変形を促進させるために延伸前や延伸時に加熱あるいは加湿してもよい。
【0026】
本発明の分光異方性散乱フィルムは、形状異方性のある表面凹凸を有するフィルムであってもよく、その作製方法としては、粒子を分散した高分子溶液を支持体上に塗布して凹凸層を付与後、延伸して異方性のある凹凸を形成する方法;エンボス、サンドブラスト等によってフィルム上に直接等方性の凹凸を付与後、延伸して異方性のある凹凸を形成する方法;電子ビーム描画やレーザー照射等によりあらかじめ表面凹凸を形成したマスターの凹凸面上に、紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂を塗布、硬化後、剥離する方法;およびエンボス等によってメカニカルに凹凸を転写する方法;が挙げられる。延伸により異方性を発現させる場合、変形を促進させるために延伸前や延伸時に加熱あるいは加湿してもよい。
【0027】
本発明の分光異方性散乱フィルムを、OCBモードの液晶表示装置に用いる場合には、透過スペクトルが左右非対称であるため左右非対称に色補償することが必要な場合がある。あるいはさらに上下にも色補償することが必要となる場合もあり得る。このような場合には前述のような一次元の回折格子や異方性散乱フィルムは適さず、散乱光の進路を波長ごとに自由に制御するような設計をしなければならない。
【0028】
白色光を分光して所定の位置に出射する技術としては、例えば特開平6−308332号公報に記載のようなホログラムによる回折分光が挙げられ、本発明の分光異方性散乱フィルムの作製にホログラムを利用してもよい。ホログラムを用いれば、白色光から必要な波長のみを回折(リップマンホログラム等)させることもでき、あるいは一つの回折格子で複数の波長を自在に回折することもできる。さらに、ホログラムを用いて本発明の分光異方性散乱フィルムを作製する場合、フレネルゾーンプレートのような機能を併せ持つことで、バックライト光の放射角を小さくして正面に集光することも可能である。
【0029】
ホログラムには透過率変化を用いた振幅ホログラムと、屈折率変化もしくは表面凹凸を用いた位相ホログラムがあるが、振幅ホログラムはバックライト光がホログラムを通過する際に光が吸収されるため、一般に透過率が小さい。そのため、本発明に用いるホログラムとしては位相ホログラムが好ましい。位相ホログラムは銀塩乳剤を使って得られた振幅ホログラムを漂白したものや、重クロム酸ゼラチンやフォトポリマーを用いた屈折率変化型のもの、あるいはフォトレジストやサーモプラスティックを用いて表面凹凸を形成したものが挙げられる。
【0030】
上記のようなホログラムを設計する方法としては、例えば計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)によって必要とする散乱、回折性能を発現するようなホログラム面上の振幅と位相を求め、その計算結果を電子線レジスト上へ電子ビームによって描画、現像する方法が挙げられる。計算機ホログラムについては、例えばSing H.Lee著のSelected Papers on Computer−GeneratedHologram and Diffractive Optics(Spie Milestone Series,Vol MS33)に記載がある。
【0031】
上記のようにして作製した計算機ホログラムは、それを原版としてホログラム感材にホログラム露光することで光学的に複製することが可能である。あるいは計算機ホログラムの凹凸上に紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂を塗布、硬化後剥離する方法、あるいはエンボス等のようなメカニカルな方法によって凹凸を転写することによっても複製することができる。原版は生産性の観点から大面積であることが好ましく、例えば電子線レジスト等により作製された原版からさらに製造用原版を電鋳やエンボス等によって複製する際、元の原版を隙間なく繋ぎ合わせることによって大面積の原版を作製することができる。隙間は50ミクロン以下であることが好ましく、20ミクロン以下であることがさらに好ましい。
【0032】
本発明の分光異方性散乱フィルムの主材料については特に制限はなく、上記構造を付与するのに適し、且つフィルムの透明性が損なわない材料であれば種々用いることができる。LCD中に用いるフィルムとしては可撓性があることが好ましく、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。本発明のフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ノルボルネン(日本ゼオン製)、ゼオノア(日本ゼオン製)、アートン(JSR製)が含まれる。セルロースエステル、ノルボルネン、ゼオノア、アートン、ポリカーボネートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましい。フィルムの光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
【0033】
フィルム中に粒子や液体等を分散後、延伸する場合には、粒子や液体等を分散した高分子溶液を別の支持体上に塗布、乾燥後、該フィルム剥離して延伸することが好ましく、そのためには上記のような材料の他に、水や有機溶剤に容易に溶解できる高分子が好ましい。そのような例としては水溶性高分子化合物の例としては、ゼラチン、アガロース、セルロース、ポリビニルアルコールとそれらの誘導体、あるいはポリアクリル酸、ポリガラクツロン酸、ポリアルギン酸とそれらの塩が挙げられる。有機溶剤可溶性高分子化合物の例としては、上記プラスチックフィルム材料の他にポリ(メタ)アクリル酸エステルやエチレンビニルアルコール共重合体が挙げられる。
【0034】
本発明の分光異方性散乱フィルムは、偏光板と一体化した部材として液晶表示装置に組み込むことができる。通常、偏光板は、偏光膜と偏光膜を挟持する一対の保護膜とから構成される。例えば、前記構成の偏光板に本発明の分光異方性散乱フィルムを貼り合わせてもよいし(即ち、一方の保護膜の表面にさらに分光異方性散乱フィルムを貼り合わせてもよいし)、また一方の保護膜に代えて本発明の分光異方性散乱フィルムを用いてもよい。さらに、偏光板は、例えば、特開平6−75116号公報、EP0576304A1号、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、米国特許5646703号、特開平10−186356号公報等に記載の光学補償シートと貼合されていてもよい。
【0035】
本発明の分光異方性散乱フィルムを、偏光板の保護フィルムとして用いる場合には、分光異方性散乱フィルムをセルロースエステルフィルムに貼合したフィルムが特に好ましい。セルロースエステルフィルムは、セルロースエステルおよび他の成分を含む溶液をドープとして用いて、ソルベントキャスト法により製造することができる。ドープをドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成することができる。流延前のドープは、固形分量が10〜40質量%となるように濃度を調整することが好ましい。固形分量は18〜35質量%であることがさらに好ましい。ドープを2層以上流延することもできる。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
【0036】
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒間以上風に当てて乾燥することが好ましい。そして、得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させる方法(特公平5−17844号公報記載)を採用できる。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
【0037】
複数のセルロースエステル溶液を流延する場合、支持体の進行方向に間隔をおいて設けた複数の流延口からセルロースエステルを含む溶液をそれぞれ流延させて、それらを積層させながらフィルムを作製してもよい(特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および同11−198285号の各公報記載)。2つの流延口からセルロースエステル溶液を流延することによりフィルムを作製することもできる(特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、同61−947245号、同61−104813号、同61−158413号および特開平6−134933号の各公報に記載)。高粘度セルロースエステル溶液の流れを低粘度のセルロースエステル溶液で包み込み、高粘度および低粘度のセルロースエステル溶液を同時に押出すセルロースエステルフィルムの流延方法(特開昭56−162617号公報記載)を採用してもよい。
【0038】
セルロースエステルフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。表面処理には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理および紫外線照射処理が挙げられる。フィルムの平面性を保持する観点から、表面処理においてセルロースエステルフィルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
【0039】
セルロースエステルフィルムの表面処理は、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースエステルに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。アルカリ処理が最も好ましい。以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に説明する。アルカリ処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
【0040】
アルカリ溶液は、水酸化カリウム溶液および水酸化ナトリウム溶液が好ましい。水酸化物イオンの規定濃度は、0.1〜3.0Nの範囲にあることが好ましく、0.5〜2.0Nの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
【0041】
表面処理後のフィルム表面エネルギーは、55mN/m以上であることが好ましく、60〜75mN/mの範囲にあることが更に好ましい。固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のセルロースエステルフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースエステルフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。セルロースエステルフィルムに、下塗り層(特開平7−333433号公報記載)を設けてもよい。
【0042】
図10(a)に、本発明の分光異方性散乱フィルム44と、偏光膜102と、保護膜101とをこの順で積層した偏光板の構成例を、図10(b)に、保護膜101の上にさらに光学補償フィルム103を積層した偏光板の構成例を示す。これらの構成の偏光板では、分光異方性散乱フィルム44が、偏光膜102の一方の保護膜としても機能する。(a)に示す構成の偏光板は、偏光機能とともに、分光異方性散乱フィルム14に起因する視野角に依存する色変化を補償する機能を有し、(b)に示す構成の偏光板は、光学補償フィルム103に起因する光学補償機能をさらに有する。従って、これらの構成の偏光板を組み込むことによって、液晶表示装置の薄型化に寄与することができる。
これらの構成の偏光板は、図11に示す様に、下側光吸収型偏光板として用いるのが好ましく、分光異方性散乱フィルム44は、バックライト側になるように組み込むのが好ましい。
【0043】
本発明の分光異方性散乱フィルムは、特願2002−68595号に記載の反射防止フィルムと併用することにより、さらに色視野角特性を改良することができるため好ましい。また、本発明の分光異方性散乱フィルムにより正面の白色に変化がある場合は、位相差フィルムやカラーフィルタを調整することで全体の色バランスを白色に調節することができる。
【0044】
本発明の分光異方性散乱フィルムは、TN、IPS、OCB、VA、ECB、STN等、バックライトを用いている全ての表示モードの液晶表示装置に適用することができる。特にコントラストを改良するために光学補償シートを必要とするTNおよびOCBモードにおいては、独立して色を補償することができる本発明の分光異方性散乱フィルムは効果的である。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
【0046】
(分光異方性散乱フィルムAS−1の作製)
ホログラム用フォトポリマー(デュポン(株)製、OmniDex HRF−352)をポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ9μmとなるようにスピンコートし、488nmのアルゴンレーザーを用いて二光束干渉で照射量75mJ/cm2となるよう露光した。その後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射してから、100℃で1時間乾燥し、一次元回折格子による分光異方性散乱フィルムAS−1を作製した。
【0047】
(分光異方性散乱フィルムAS−2の作製)
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製)100g、アルキル変性ポリビニルアルコール(MP203、クラレ(株)製)300gを水1600gに溶解し、連続相用水溶液W−1を調製した。さらに高屈折率モノマーMPSMA([ビス(4-メタクリロイルチオフェニル)スルフィド]、住友精化(株)製)100gを、前記W−1液900gに混合し、超音波分散によりこの液を分散して、塗布液C−1を調製した。
前記塗布液C−1をダイを用いてバンド流延、乾燥し、厚み100μmとなるようにした。このフィルムをバンドから剥ぎ取り、湿度60%RHで80℃にて長手方向に2倍延伸し、そのまま、ケン化した厚さ80μmのセルロースアセテートフィルム(TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株))5重量%水溶液を糊としてラミネートした。このフィルムを120℃で乾燥し、分光異方性散乱フィルムAS−2を作製した。
【0048】
(分光異方性散乱フィルム付き偏光板AS−3の作製)
75μmの市販ポリビニルアルコールフィルム(クラレビニロンフィルムVF−PS、クラレ(株)製)をドライで7倍延伸し、そのまま、ヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃にて1分間浸漬した。次いで、ホウ酸100g/L、ヨウ化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃にて5分間浸漬した。さらに水洗層で20℃で10秒間水洗し、さらに80℃で5分間乾燥した。得られたフィルムの片側の表面に、ケン化した厚さ80μmのセルロースアセテートフィルム(TD80U、富士写真フイルム(株)製)を、もう一方の表面に前記AS−2を、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株))5質量%水溶液を糊として貼り合わせた。偏光板の延伸方向とAS−2の延伸方向が45°となるようにラミネートし、120℃で乾燥して分光異方性散乱フィルム付き偏光板AS−3を作製した。
【0049】
(分光異方性散乱フィルム付き偏光板AS−4の作製)
75μmの市販ポリビニルアルコールフィルム(クラレビニロンフィルムVF−PS、クラレ(株)製)をドライで7倍延伸し、そのまま、ヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃にて1分間浸漬した。次いで、ホウ酸100g/L、ヨウ化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃にて5分間浸漬した。さらに水洗層で20℃で10秒間水洗して、さらに80℃で5分間乾燥した。得られたフィルムの片側の表面に、ケン化した市販の光学補償シート(ワイドビューAフィルム、富士写真フイルム(株)製)を、もう一方の表面に前記AS−2を、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株))5質量%水溶液を糊として貼り合わせた。120℃で乾燥して分光異方性散乱フィルム付き偏光板AS−4を作製した。
【0050】
(分光異方性散乱フィルムAS−5の作製)
レーザー照射によりステンレスの板の表面に凹凸を形成し、この板をマスターとして、120℃の熱エンボス処理により、100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(FD100M、富士写真フイルム(製))の表面に凹凸を転写した。このフィルムを1.5倍延伸して分光異方性散乱フィルムAS−5を作製した。
【0051】
以上のようにして作製したフィルムを用い、実施例の液晶表示装置を作製した。液晶パネルとしては、TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(LC−20C1−S、シャープ(株)製)を用い、作製した分光異方性散乱フィルムを挿入するか、もしくは液晶セルに設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに作製した分光異方性散乱フィルム付き偏光板を貼り付けて作製した。一対の偏光板はOモードとなるように配置した。
【0052】
(実施例1〜3)
分光異方性散乱フィルムAS−1を、回折格子のグリッドが上下方向となるように配置して、それぞれ図4に示す構成の液晶表示装置(実施例1)、および図8に示す構成の液晶表示装置(実施例2)を作製した。偏光板82および83として、光学補償シート付偏光板LPT−HL56((株)サンリッツ製)を用いた。同様に、AS−2を延伸方向が左右方向となるように配置し、図8に示す構成の液晶表示装置(実施例3)を作製した。偏光板82および83として、光学補償シート付偏光板LPT−HL56((株)サンリッツ製)を用いた。
【0053】
(実施例4および5)
分光異方性散乱フィルム付き偏光板AS−3を、AS−2の延伸方向が左右方向となるように配置して、図11に示す構成の液晶表示装置(実施例4)を作製した。即ち、下側偏光板にAS−3を配置した。同様に、分光異方性散乱フィルム付き偏光板AS−4を、AS−2の延伸方向が左右方向となるように配置して、図12に示す構成の液晶表示装置(実施例5)を作製した。偏光板83として、光学補償シート付偏光板LPT−HL56((株)サンリッツ製)を用い、下側偏光板としてAS−4を用いた。
【0054】
(実施例6)
分光異方性散乱フィルムAS−5を、延伸方向が左右方向となるように配置して、図8に示した構成の液晶表示装置(実施例6)を作製した。偏光板82、83として、光学補償シート付偏光板LPT−HL56((株)サンリッツ製)を用いた。
【0055】
(比較例1〜4)
分光異方性散乱フィルムAS−1を用いなかった以外は、実施例1と同様にして図4に示した構成の液晶表示装置(比較例1)を作製した。同様に、分光異方性散乱フィルムAS−2を用いなかった以外は、実施例3、4および5と同様にしてそれぞれ図8に示した構成の液晶表示装置(比較例2)、図11に示した構成の液晶表示装置(比較例3)および図12に示した構成の液晶表示装置(比較例4)を作製した。
【0056】
(分光異方性散乱フィルムの特性およびその色補償機能の評価)
1.前方散乱光強度
前方散乱光強度としては、三次元変角分光測色システム(GCMS−13型、(株)村上色彩技術研究所)により直交する二つの散乱面における分光散乱強度分布を測定した。直交する二つの散乱面は、分光異方性散乱フィルムの異方性を決定する特徴的な面(例えば延伸フィルムでは延伸軸を含む面、一次元回折格子では回折格子の格子面)と、それに対して直交する面とを選択した。本システムでは10nm刻みのスペクトルとして計測されるため、それぞれ430nm、540nmの値を以って435nm、545nmの散乱強度とした。
【0057】
2.液晶セル透過率
液晶セルの分光透過率は、三次元変角分光測色システム(GCMS−13型、(株)村上色彩技術研究所)を用い、光源位置を正面および上下左右45°方向としたときの散乱角0°方向の透過光強度から求めた。本システムでは10nm刻みのスペクトルとして計測されるため、それぞれ430nm、540nmの値を以って435nm、545nmの散乱強度とした。
【0058】
3.正面からの色変化
実施例の液晶表示装置の右45°方向における色変化を目視で確認した。
【0059】
【表1】
Figure 0004388305
【0060】
【表2】
Figure 0004388305
【0061】
表1に示すように、作製したAS−1〜5はいずれも良好な分光異方性散乱を示していた。これらのフィルムを用いた上記実施例および比較例の結果を表2に示した。比較例の液晶表示装置はいずれも右45°方向に強い黄色味を帯びていたのに対し、実施例の液晶表示装置はいずれもわずかに着色があるか、もしくは目視ではっきりした色変化は見られなかった。また、本発明の分光異方性散乱フィルムを用いることにより、コントラスト、視野角が悪化することはなかった。これらの結果から、本発明の分光異方性散乱フィルムにより液晶表示装置の色視野角特性を、格段に改良できることがわかった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の光学フィルムは、分光異方性散乱機能すなわち任意の方向に任意の色バランスで光を散乱させる機能を有している。そこで種々のLCDモードにおける液晶セルの色視野角特性を補償するように散乱特性を設計した分光異方性散乱フィルムを用いることによって、LCDの色視野角特性を改良することができる。即ち、本発明によれば、コントラスト、視野角等の他の特性を損なうことなく色視野角特性を改善可能な分光異方性散乱フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、前記フィルムを用いた、優れた色補償機能を有する偏光板、および色視野角特性の改善された液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分光異方性散乱フィルムの散乱特性を説明するために用いた模式図である。
【図2】 本発明の分光異方性散乱フィルムが示す散乱光分布の一例である。
【図3】 本発明の分光異方性散乱フィルムが示す散乱光分布の他の例である。
【図4】 本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図である。
【図5】 公知のTN−LCDの透過スペクトルである。
【図6】 本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図である。
【図7】 本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図である。
【図8】 本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図である。
【図9】 本発明の分光異方性散乱フィルムの一例を模式的に示す上面図である。
【図10】 本発明の偏光板の一例の断面模式図である。
【図11】 本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図である。
【図12】 本発明の液晶表示装置の一例の断面模式図である。
【符号の説明】
40 液晶表示装置
41 冷陰極管
42 反射シート
43 導光板
44 分光異方性散乱フィルム
45 下側光吸収型偏光板
46 上側光吸収型偏光板
47 液晶セル
61 プリズムシート
71 拡散フィルム
81 輝度向上フィルム
82 下側光学補償シート付偏光板
83 上側光学補償シート付偏光板
91 連続相フィルム
92 形状異方性粒子
101 偏光板保護フィルム
102 偏光吸収層
103 光学補償シート
F フィルム
i 入射光
sx、Lsy 散乱光
x、Py 散乱面
F フィルム

Claims (5)

  1. バックライトと、少なくとも一方に電極を有するとともに対向配置された一対の基板および該基板間に挟持される液晶層からなる液晶セルと、前記液晶セルの外側に配置された一対の偏光板とを有する液晶表示装置であって、
    フィルム面の任意の散乱面における方位角θ、入射光波長λの散乱光強度Fx(λ,θ)、および前記散乱面と直交する散乱面における方位角θ、入射光波長λの散乱光強度Fy(λ,θ)が、下記式(1)および(2)
    (1) Fx(λ,θ)/Fx(545,θ) ≧ 1.2
    (2) [Fx(λ,θ)/Fx(545,θ)−Fy(λ,θ)/Fy(545,θ)] ≧ 0.1;
    を満たす分光異方性散乱フィルムを有し、
    前記液晶セルに入射した波長λの入射光の上下左右の角度θ方向の少なくとも一つの透過率T(λ)と、前記分光異方性散乱フィルムに入射した波長λの入射光の前記透過率T(λ)と同じ方向の前方散乱光の散乱光強度F(λ)とが、下記式(4)
    (4)[(T(λ)/T(545))−1]×[(F(λ)/F(545))−1] < 0
    但し、λ=435または610nm、θ=30〜70°から選ばれた任意の角度である;を満たし、及び
    前記分光異方性散乱フィルムがバックライトと液晶層との間に位置する液晶表示装置。
  2. 表示モードがTNモードまたはOCBモードである請求項に記載の液晶表示装置。
  3. 前記分光異方性散乱フィルムが、一次元回折格子またはフォトニック結晶構造を少なくとも一部に含む請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記分光異方性散乱フィルムが、形状異方性粒子をフィルム中に分散させてなる請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  5. 前記分光異方性散乱フィルムが、表面に形状異方性の凹凸を有する請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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