以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第2種の弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図である。
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球24を貯留する余剰球受皿4、遊技球24を遊技領域7に発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面側に位置する前面枠には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球24が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるサイドランプ46a,46bが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球24が取り込まれるアウト口47がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ48が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。なお、図1には示していないが、本実施形態の弾球遊技機1には、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット(図2に符号のみ記載)43が隣接して設置されている。また、打球操作ハンドル5が操作されたことに基づいて駆動モータ(図示しない)の回転力を利用して遊技球24を遊技領域7に発射する打球発射装置(図2に符号のみ記載)45が設けられている。
また、遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置11が配置されている。可変入賞球装置11には、左右一対の可動片93が下部を支点として回動可能に設けられている。また、可変入賞球装置11の下方には、それぞれ始動口スイッチ62a〜62cを内蔵した左・中・右の始動入賞口10a〜10c(始動領域)が配置されている。始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞し、始動口スイッチ62a〜62cによって検出されると、ソレノイド69(図2に符号のみ記載)によって可変入賞球装置11の可動片93が所定期間、閉成状態(遊技者にとって不利な第2の状態)から開放状態(遊技者にとって有利な第1の状態)に移行する開閉制御が実行される。なお、始動入賞口10a〜10cのうち左右の始動入賞口10a,10cに遊技球24が入賞(以下、第1始動入賞ともいう)した場合には、可変入賞球装置11における可動片93の開閉制御が1回のみ実行され、始動入賞口10a〜10cのうち中央の始動入賞口10bに遊技球24が入賞(以下、第2始動入賞ともいう)した場合には、可変入賞球装置11における可動片93の開閉制御が2回実行されるように制御される。このように、始動口スイッチ62a〜62cの検出に基づいて可変入賞球装置11にて所定の始動態様としての可動片93の開閉制御が1回または2回実行される。遊技領域7には、上記した構成以外にも、入賞口スイッチ60,61を内蔵した通常の入賞口8a,8b,9a,9b、等が設けられている。なお、この実施の形態における可変入賞球装置11の入賞領域には、中央が液晶表示部(LCD)12aによって構成され、複数種類の演出に同期して画像を表示させることが可能な画像表示装置12を備えている。
図2は、本実施形態に係る弾球遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御手段とは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、入賞口スイッチ60,61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、V入賞スイッチ64、クリアスイッチ65、満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、クリアスイッチ65、後述する誘導部材21の初期位置を検出する初期位置センサ66、後述する歯車15の位置検出突起15aの位置を検出することにより透明板13の回転位置を確認する回転位置センサ67、後述する磁石14に遊技球24が吸着し(保持され)たことを検出する保持検出センサ68、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞球装置11に設けられた可動片93を開閉するソレノイド69、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、後述する透明板13を回転駆動するモータ17および後述する誘導部材21を駆動するモータ23を基本回路53からの指令に従って駆動するモータ回路34、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報、等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路35、も主基板31に搭載されている。
また、主基板31に設けられた遊技制御手段(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)からのコマンドに基づいて、表示制御基板80に設けられた表示制御手段(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路によって画像表示装置12のLCD12aの表示を制御する機能)が、画像表示装置12に設けられたLCD12aの表示制御を行う。さらに、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた音声制御手段(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路によってスピーカ48の音声出力を制御する機能)によりスピーカ48の音声出力制御が、また、表示制御基板80に設けられたランプ制御手段(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路によって弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDを制御する機能)により弾球遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御、等を行う。なお、表示制御手段、音声制御手段、ランプ制御手段、をまとめて演出制御手段と呼ぶことがある。また、主基板31からは、画像表示装置12の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報として表示制御コマンド(制御信号)が伝送される。
次に、この実施の形態における弾球遊技機1にて行われる第2種遊技の遊技動作について説明する。遊技者が打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45から発射された遊技球24は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球24が始動入賞口10a〜10cに入り、始動口スイッチ62a〜62cで検出されると、可変入賞球装置11を開閉できる状態であれば、可変入賞球装置11の可動片93を所定期間、閉成状態から開放状態に移行させる開閉制御を実行する。
なお、上述したように、始動入賞口10a,10cに遊技球24が入賞し、始動口スイッチ62a,62cで検出されたときには、1回、始動入賞口10bに遊技球24が入賞し、始動口スイッチ62bで検出されたときには、2回、可変入賞球装置11の開閉制御が実行される。そして、可変入賞球装置11に遊技球24が入賞し、可変入賞球装置11内に設けられた特定の入賞領域(V入賞口92:図5参照)に遊技球24が入賞したことに基づいて特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行する。すなわち、一定時間(始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したときとは異なる)経過するまで、または、カウントスイッチ63によって所定個数(例えば、10個)の遊技球24の入賞が検出されるまで可変入賞球装置11の可動片93を開放状態に制御する。
大当り遊技状態の実行中では、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態中に遊技球24が特定の入賞領域(V入賞口92)に入賞して、V入賞スイッチ64(図5参照)で検出されると、大当り遊技状態の継続権が発生する。すなわち、可変入賞球装置11の可動片93が閉成状態となった後、再び開放状態になる。大当り遊技状態では、予め定められた所定回数(この実施の形態では、15回)を上限とする複数回のラウンドが実行される。なお、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となってから可動片93が閉成状態となるまでが1回のラウンドである。
さらに、この実施の形態では、大当り遊技状態の継続権が発生し易い、つまり、遊技球24がV入賞口92に入賞し易い高確率ラウンドと、大当り遊技状態の継続権が発生し難い、つまり、遊技球24がV入賞口92に入賞し難い低確率ラウンドと、に移行制御する機能を備えている。高確率ラウンドの実行回数(高確率ラウンド実行回数)は、0回、2回、6回、14回、設定され、遊技球24が始動入賞口10a〜10cに入賞したときにいずれかに決定される。大当り遊技状態にて高確率ラウンドの実行回数に達すると、それ以降のラウンドは低確率ラウンドが実行される。すなわち、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(大当りラウンド実行回数)は、高確率ラウンドの実行回数と低確率ラウンドの実行回数の合計回数であり、この実施の形態では大当りラウンド実行回数は、1回、3回、7回、15回、となっている。なお、低確率ラウンドの実行中に遊技球24がV入賞口92に入賞すると、継続権が発生するが、次に実行されるラウンドは低確率ラウンドとなる。
次に、本実施形態の要部をなす可変入賞球装置11について説明する。図3は、可変入賞球装置11の入賞領域の内部構造を示す斜視図であり、図4は、可変入賞球装置11の入賞領域の内部構造の分解斜視図である。
図3に示すように、可変入賞球装置11の入賞領域内部には、画像表示装置12が設けられている。そして、画像表示装置12の前方には、可変入賞球装置11に入賞した遊技球24を保持する保持部材としての磁石14を複数備え、透明な材料(例えば、アクリル樹脂、等)により構成された透明板13が後述するモータ17により回動可能に設けられている。この実施の形態では、透明板13は、モータ17により常時時計方向(時計回り)に回転するように制御される。この透明板13が透明な材料によって構成されることにより、画像表示装置12に表示される画像が視認可能な状態となっている。画像表示装置12は、取付基板16に取り付けられ、透明板13は、ネジ18aによって取付基板16に回動可能に取り付けられた滑車18の溝にはめ込まれ、回動可能に四方を支持されている。
また、取付基板16上部には、遊技球24を通過できる位の大きさの開口が形成され、該開口から先端部に磁石22を備えた誘導部材21がモータ23によって出入可能に設けられている。可変入賞球装置11に入賞した遊技球24は、透明板13に設けられた磁石14に吸着する。そして、可動片93が開放状態となった後、所定期間経過後に誘導部材21がモータ23によって駆動され、透明板13に設けられた磁石14の回転軌道上に誘導部材21の先端部に設けられた磁石22を突出させる。可変入賞球装置11に入賞した遊技球24は透明板13に設けられた磁石14に吸着するとモータ17によって透明板13が回動することにより保持位置を変化させる。誘導部材21の先端部に設けられた磁石22が磁石14の回転軌道上に突出したときに磁石14に吸着している遊技球24と接触すると、透明板13に設けられた磁石14に吸着した状態から解除して誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着させる。そして、モータ23が駆動し誘導部材21をV入賞口92内部へ引き込ませることにより磁石22に吸着している遊技球24をV入賞口92に誘導する。
この実施の形態では、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22は、透明板13に設けられた磁石14の磁力よりも強い磁力を有する磁石22を用いている。そのため、磁石14に吸着している遊技球24を解除して磁石22に吸着させることが可能となる。なお、磁石14を電流を通すことにより磁性を有する電磁石によって構成してもよく、この場合には、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22が磁石14の回転軌道上に突出したときに電流を止めるようにしてもよい。このように構成することで、磁石14に吸着している遊技球24が解除され、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に遊技球24を吸着させることができる。
また、誘導部材21は、通常、透明板13に設けられた磁石14に吸着した遊技球24を解除できない状態となっており、可動片93が開放状態となった後、所定期間経過後に透明板13に設けられた遊技球24を解除可能な状態となる。具体的には、通常、誘導部材21は、取付基板16上部に設けられた開口内部に引き込ませた状態にあり、可動片93が開放状態となった後、所定期間経過後にCPU56は、モータ23を正方向に駆動し、開口内部から出てくる。そして、所定期間経過後にCPU56は、モータ23を逆方向に駆動し、開口内部に引き込ませる。
このように、誘導部材21は、所定のタイミング(可動片93が開放状態となった後の所定期間)で取付基板16上部に設けられた開口内部から出てくるように制御される。そして、誘導部材21が取付基板16上部に設けられた開口内部から出てきたときに、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22が位置する所にある磁石14に遊技球24が吸着している場合には、磁石22に吸着させることにより磁石14から遊技球24を解除して、V入賞口92に誘導する。
なお、この実施の形態では、誘導部材21が取付基板16上部に設けられた開口内部から突出させる誘導部材21の先端部に設けられた磁石22の位置は、毎回ほぼ同じ(例えば、後述する図16(D)の位置)となるように制御される。つまり、透明板13に設けられた複数の磁石14のうち、所定のタイミングで、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22の位置にある磁石14に吸着している1つの遊技球24だけが誘導部材21によりV入賞口92に誘導される。
図4に示すように、画像表示装置12は、中央にLCD12aを備え、ネジ12cで画像表示装置12に設けられたネジ穴12bと、取付基板16にも受けられたネジ穴16bと、を螺合することにより取付基板16に取り付けられる。LCD12aに対応する取付基板16の中央には、LCD12aを視認可能とする開口部が設けれている。
また、透明板13は、ネジ15cにより歯車15に設けられたネジ穴15bと、透明板13に設けられたネジ穴13aと、を螺合することにより背部に歯車15が取り付けられている。歯車15は、その後方に設けられたLCD12aを視認可能となるように中央に開口状態となっている。また、歯車15は、モータ17のモータ軸に設けられたギア17aと噛み合わせることによって回動し、それにより、透明板13も回動するようになっている。また、背部に歯車15が取り付けられた透明板13は、滑車18の溝にはめ込まれることにより、LCD12aのほぼ中央に位置するように保持されるが、上述したように、滑車18は、ネジ18aにより取付基板16に設けられたネジ穴16bに回動可能に取り付けられる。つまり、背部に歯車15が取り付けられた透明板13の四方が保持された状態となっているが、透明板13および歯車15が回動することにより滑車18も回動し、透明板13および歯車15が回動不能な状態とならない。
なお、この実施の形態では、モータ17の負担を軽減させる構成となっている。すなわち、歯車15の内周には、凹凸が形成され、ギア17aの外周にも同様に凹凸が形成され、一方の凸の部分と、他方の凹の部分とを噛み合わせることでモータ17の動力を伝えるが、噛み合わせたときに凹の部分と凸の部分とを所定の所定の遊び(空間)を有するように配置することで、モータ17を駆動してもすぐに凹の部分と凸の部分とが接しないため、モータ17の初期トルクが小さくなり、モータの負担を軽減させている。このような構成は、他のモータ(例えば、モータ23)においても同様である。
また、取付基板16には、その下部に設けられたネジ穴16aと、ネジ穴67aと、をネジ67bで螺合することにより、回転位置センサ67が取り付けられている。回転位置センサ67は、透明板13の回転駆動状態を検出するセンサである。歯車15には、その周囲に位置検出突起15aが複数設けられ、回転位置センサ67は位置検出突起15aを検出することにより透明板13の回転位置を特定している。さらに、取付基板16の上部には、モータ軸の先端にギア23aを備えたモータ23が設けられている。このモータ23は、上述した誘導部材21を駆動するモータであり、CPU56によって駆動制御される。
なお、上述したモータ17およびモータ23には、回転速度が複数種類設定されている。ゆえに、モータ17の回転速度を変化させることにより透明板13の回転速度を変化させたり、モータ23の回転速度を変化させることにより誘導部材21を出現させる速度を変化させることが可能となる。このように構成することにより、透明板13の磁石14に遊技球24が吸着してから誘導部材21によってV入賞口92へ誘導されるまでの時間を変化させることができるため、複数種類の演出を実行することができる。
図5乃至図8は、図3に示す可変入賞球装置11の内部構造の断面図である。図5に示すように、誘導部材21は、円弧状の部材により構成され、その外周面(ギア23aと接する表面)には、ギア23aとほぼ同じ大きさの凹凸が形成され、モータ23が駆動するとギア23aが回動し、その動力を誘導部材21に伝える。つまり、モータ23が右回転(取付基板方向)するときには、誘導部材21が出現し、モータ23が左回転(透明板方向)するときには、誘導部材21が引き込まれるように構成されている。
また、誘導部材21はレール部材25によって保持されており、レール部材25の末端部には、誘導部材21の初期位置を検出する初期位置センサ66が設けられている。初期位置センサ66により誘導部材21の末端部が検出されると、CPU56は、誘導部材21を引き込ませる方向に回転していたモータ23の駆動を停止させる。このように、初期位置センサ66によって誘導部材21の初期位置を検出するため、誘導部材21の初期位置がずれたときにCPU56はモータ23を駆動して誘導部材21の位置を修正することができる。
なお、初期位置センサ66によって誘導部材21の初期位置のずれによるエラー状態が検出されたときには画像表示装置12の表示制御、スピーカ48の音声出力制御、等によりエラー状態を報知するように構成してもよい。さらに、上記したエラー状態となったことが検出されたときには弾球遊技機1にて実行される遊技演出を停止させるように構成してもよい。
また、可変入賞球装置11の上部には、前面装飾板91(図9参照)が設けられている。前面装飾板91は、後述する入賞球レール27と一体的に形成されるとともに、モータ23によって出入される誘導部材21が通過する開口が形成されている。この開口には、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に遊技球24が吸着し、開口を通過したときに遊技球24を検出するV入賞スイッチ64が設けられている。すなわち、前面装飾板91に形成される開口が特定の入賞領域としてのV入賞口92である。誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着した遊技球24がV入賞口92に誘導され、V入賞スイッチ64によって検出されると特定遊技状態に移行する。なお、この実施の形態では、V入賞口92を通過したときに遊技球24を検出する位置にV入賞スイッチ64が設けられているが、誘導部材21の磁石22への吸着が解除された後に検出する位置に設けるようにしてもよい。
また、図6に示すように、レール部材25の先端部は、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22を収納可能かつ、遊技球24の径よりも小さい筒状部材により形成された解除手段としての解除部26を備えている。この実施の形態における解除部26は、筒状部材によって構成されて内部に誘導部材21を備えたレール部材25の先端部に形成され、レール部材25よりも径が大きく且つ遊技球24の径よりも小さい筒状部材によって構成されている。
CPU56は、モータ23を駆動して誘導部材21をレール部材25内部に引き込ませる。誘導部材21がレール部材25の内部に引き込まれるとともに磁石22も解除部26の開口内部に引き込まれる。このとき磁石22は解除部26の開口内部に引き込まれるが、解除部26の径が遊技球24の径よりも小さく形成されているため遊技球24は解除部26の開口内部に入り込むことができない。
さらに、解除部26の先端部から開口部の末端部(図6で磁石22が接している部分)までの長さは、解除部26の先端部に磁石22に吸着している遊技球24が接したとき(図6に破線で示した遊技球24の状態)から更に磁石22が解除部26の開口内部に入り込むことができる(図6で磁石22入り込んだ状態)ように構成されている。そのため、磁石22が解除部26の開口内部に引き込まれるときに磁石22に吸着している遊技球24は、解除部26によって磁石22への吸着が解除されて入賞球レール27内部に落下し、回収される。
なお、解除部26は、筒状部材により形成されているが、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22の径よりも大きく、且つ遊技球24の径より小さい間隔を有するように配置した所定数の部材で構成するようにしてもよい。例えば、板状または棒状の部材を磁石22の径よりも大きく、且つ遊技球24の径より小さい間隔を有するように2つ配置させて解除部を構成し、2つの部材の中央を誘導部材21と磁石22とを通過させるように構成してもよい。
また、遊技球24は、V入賞口92に入賞した後、V入賞口92の鉛直方向以外の位置で磁石22への吸着が解除される。すなわち、解除部26は、V入賞口92の鉛直方向以外に位置する。また、入賞球レール27には、入賞球レール27に落下した遊技球24がV入賞口92から落下するのを防ぎ、垂直方向に所定の高さを有する落下防止部27aが設けられている。落下防止部27aの上部表面は、入賞球レール27内部方向へ所定の下り傾斜を有するテーパー面が形成されている。すなわち、落下防止部27aは、入賞球レール27の内部方向への所定の下り傾斜を有する先細りの形状となっている。そのため、入賞球レール27内に落下した遊技球24が飛び跳ねても、落下防止部27aによって入賞球レール27内からの飛び出しを防ぐことができるとともに、解除部26によって誘導部材21の先端部に設けられた磁石22から解除された遊技球24が落下防止部27a上に落下しても、入賞球レール27の内側方向に弾かれ、V入賞口92から落下することを防ぐことができる。
また、落下防止部27aは、図5に示すものに限らず、上部表面がV入賞口92から入賞球レール27の内部方向への所定の下り傾斜を有するように配置した部材により構成してもよい。例えば、平板の部材をV入賞口92から入賞球レール27の内部方向へ所定の下り傾斜を有するように配置することにより落下防止部27aを構成するようにしてもよい。
なお、図6には、レール部材25と、解除部26と、を一体的に形成した例を示したが、その他の形態であってもよい。例えば、図7に示すように、レール部材25と、解除部26と、を別々に構成してもよい。つまり、レール部材25とV入賞口92との間に解除部26を設け、解除部26によって解除された遊技球24が入賞球レール27に落下する構成としてもよい。
このように、この実施の形態では、誘導部材21が円弧状の部材により構成され、曲線軌道でレール部材25からの出入を行う。このように構成することにより、誘導部材21によって誘導された遊技球24がV入賞口92の鉛直方向に運ばれることを防ぎ、V入賞口92に入賞した遊技球24が再びV入賞口92から落下するといった不具合を防止することができる。図8(A)に示すほぼ直線状の部材により構成された誘導部材21により透明板13に設けられた磁石14に吸着した遊技球24をV入賞口92に誘導する場合には、図8(B)に示すように誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着している遊技球24の側方から解除部26を突出させて遊技球24を入賞球レール27方向に弾き飛ばすことで磁石22への吸着を解除するとともに、入賞球レール27に誘導させるように構成されてもよい。
また、解除部26の先端部に磁石を設け、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着している遊技球24の保持状態を解除して、解除部26の先端部に設けられた磁石に吸着させることによって入賞球レール27に誘導するようにしてもよい。しかし、図8(C)に示すように、V入賞口92に入賞した遊技球24はV入賞口92の鉛直方向に位置するため、解除部26によって磁石22に吸着した遊技球24を解除するときに誤ってV入賞口92から遊技球24が落下してしまう虞がある。この場合には、V入賞口92にシャッターを設け、誘導部材21が駆動していないときにはシャッターを閉めることで、解除部26によって解除した遊技球24がV入賞口92方向に落ちてもシャッターによって再びV入賞口92から遊技球24が落下するようにしてもよく、さらに、シャッターを入賞球レール27方向に傾けることでシャッター上に落下した遊技球24を確実に入賞球レール27に導くようにしてもよいが、このように構成することにより、複数の部材が必要となり、結果としてコストの増加といった欠点が生じる。上述したようにこの実施の形態では、円弧状の誘導部材21により磁石22に吸着した遊技球24をV入賞口92に誘導し、V入賞口92に入賞させた後、V入賞口92の鉛直方向以外の位置で遊技球24の磁石22への吸着状態を解除させるため、簡単な構成で遊技球24がV入賞口92から落下してしまうことを防ぐことができるとともに、コストを抑えることができる。
図9は、可変入賞球装置11の斜視図である。可変入賞球装置11に設けられた一対の可動片93から入賞した遊技球24は、カウントスイッチ63によって検出されて、その入賞個数がカウントされる。つまり、可変入賞球装置11の入賞領域内部に侵入する遊技球24はカウントスイッチ63を通過してから進入するため、可変入賞球装置11に入賞した遊技球24の個数を確実にカウントすることができる。可変入賞球装置11の入賞領域に侵入した遊技球24は、ステージ94へと誘導される。ステージ94の後方には、モータ(図示せず、ソレノイドであってもよい)によって可動する可動ステージ95が設けられている。
ステージ94は、前方から後方(可動ステージ95方向)に向けて下り傾斜を有し、ステージ94上に転がる遊技球24を可動ステージ95に誘導させるように構成されている。また、可動ステージ95は、通常、ステージ94とほぼ垂直となるように可動制御されている。すなわち、図9に示すように地面に対してほぼ垂直に可動制御されることでステージ94と可動ステージ95の間から可変入賞球装置11の入賞領域に侵入した遊技球24を入賞球として排出するように可動制御されている。そして、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したことにもとづいて、ステージ94とほぼ同様に前方から後方に向けて下り傾斜(ステージ94とほぼ同様の傾斜としてもよい:または地面に対してほぼ水平)を有するように可動制御され、ステージ94から誘導された遊技球24を透明板13に設けられた磁石14に吸着させる構成となっている。
なお、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞し、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となってから所定期間が経過したときには、モータによってステージ94とほぼ垂直となるように可動制御される。そして、透明板13に設けられた磁石14に吸着していない遊技球24は入賞球として可動ステージ95の下方へ排出される。また、可動ステージ95の背面には、保持解除部96が一体的に設けられている。保持解除部96は、透明板13に設けられた磁石14に吸着したが、誘導部材21によってV入賞口92に誘導されなかった遊技球24を磁石14への吸着を解除して排出させるものである。保持解除部96は、可動ステージ95の背面に形成され、可動ステージ95がステージ94とほぼ垂直となるように可動されたときに透明板13に設けられた磁石14の回転軌道上に移動する。そして、磁石14に吸着している遊技球24が移動してきたときに保持解除部96に接触して磁石14への吸着状態が解除されて入賞球として可動ステージ95の下方へ排出される。この実施の形態では、可動ステージ95と、保持解除部96と、を一体的に形成しているが、それぞれ個々に設ける構成としてもよい。
この実施の形態では、上述した高確率ラウンドの実行回数に達するまでは、可変入賞球装置11の内部構造が、遊技球24がV入賞口92に入賞し易い高確率ラウンドに制御され、高確率ラウンドの実行回数に達すると、それ以降のラウンドに遊技球24がV入賞口92に入賞し難い低確率ラウンドに制御される。
ここで、高確率ラウンドおよび低確率ラウンドでの制御について説明する。この実施の形態では、可変入賞球装置11の内部構造を変化させることにより、つまり可動ステージ95を可動制御することにより、遊技球24がV入賞口92に入賞しやすい高確率ラウンドと、遊技球24がV入賞口92に入賞しにくい低確率ラウンドと、に移行制御する。
上述した高確率ラウンドでは、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となるとき(例えば、後述するステップS307を実行するとき)に可動ステージ95を奥側に約90度回転させてステージ94とほぼ同様に前方から後方に向けて下り傾斜(または地面に対してほぼ水平)を有するように可動制御され、可変入賞球装置11の入賞領域に侵入した遊技球24が磁石14に吸着しやすい状態となる。そして、一定時間(例えば、30秒)経過するか、または、カウントスイッチ63によって所定個数(例えば、10個)の遊技球24の入賞が検出された後(例えば、後述するステップS308で一定時間経過またはカウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24の入賞が検出され、ステップS307が実行されるとき)、CPU56は、モータ23を駆動制御して誘導部材21を透明板13に設けられた磁石14の回転軌道上に突出させる制御を行い、誘導部材21を突出させた状態で所定期間(例えば、0.5秒)経過したときに再びモータ23を駆動制御して誘導部材21をレール部材25内部に引き込ませるとともに可動ステージ95を手前に約90度回転させてステージ94とほぼ垂直となるように可動制御する。
この実施の形態では、モータ23を駆動させて誘導部材21を突出させた状態で所定期間(例えば、0.5秒)停止させるように制御する。このとき、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22は、磁石14の回転軌道上に突出し、所定期間停止した状態となっている。そして、磁石22が停止したとなっているときに磁石14に吸着して透明板13が回転することによって磁石22の位置に移動してきた遊技球24が磁石22に吸着することで磁石14への吸着状態が解除される。そして、モータ23を駆動させて誘導部材21をレール部材25内部に引き込ませることで磁石22に吸着した遊技球24をV入賞口92に誘導する制御がなされる。
さらに、この実施の形態では、CPU56は、高確率ラウンドにて回転部材13に設けられた磁石14に遊技球24が吸着し、保持検出センサ68により磁石14に吸着した遊技球24が最初に検出されたときに、回転位置センサ67によって検出された透明板13の回転位置にもとづいて遊技球24が吸着している磁石14を特定している。そして、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となってから一定時間が経過するかまたはカウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24の入賞が検出された後、保持検出センサ68および回転位置センサ67の検出結果に基づいて特定した磁石14に吸着している遊技球24を保持検出センサ68で検出したときに誘導部材21を突出させる制御を行う。誘導部材21がモータ23によって駆動されて磁石14の回転軌道上に突出することにより透明板13に設けられた複数の磁石14のうちいずれかの磁石14に最初に吸着した遊技球24が誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着し、V入賞口92に誘導される。
このように、高確率ラウンドでは、透明板13に設けられた複数の磁石14により多くの遊技球24を吸着させる制御がなされることで、遊技者のV入賞に対する期待感を高めることができるとともに、誘導部材21により最初に磁石14に吸着した遊技球24を誘導するように制御するため、遊技球24をV入賞口92に入賞させる確率を高めることができ、遊技者に不利益となることを防止することができる。
また、高確率ラウンドにおいて保持検出センサ68によって磁石14に吸着した遊技球24が検出されなかったときには、誘導部材21を突出させない。すなわち、CPU56は、一定時間経過するか、または、カウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24の入賞が検出された後、保持検出センサ68により透明板13に設けられた複数の磁石14のいずれかに遊技球24が吸着していることが検出されなかったときには、モータ23を駆動制御しない。
なお、一定時間経過するか、または、カウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24の入賞が検出された後、透明板13に設けられた複数の磁石14のうちいずれかの磁石14に最初に吸着した遊技球24が検出されなかったときには、例えば、遊技球24が途中で磁石14から取れてしまった場合には、最初に吸着した遊技球24が検出されなかったことが確認された後、最初に保持検出センサ68によって遊技球24が検出されたときにモータ23を駆動して誘導部材21を突出させる制御を行うようにしてもよい。
上述した低確率ラウンドでは、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となるとき(例えば、後述するステップS307を実行するとき)に可動ステージ95を奥側に約90度回転させてステージ94とほぼ同様に前方から後方に向けて下り傾斜(または地面に対してほぼ水平)を有するように可動制御され、可変入賞球装置11の入賞領域に侵入した遊技球24が磁石14に吸着しやすい状態となる。そして、カウントスイッチ63によって1つ目の遊技球24の入賞が検出されると所定期間(例えば、0.5秒)経過後(例えば、後述するステップS308でカウントスイッチ63によって遊技球24の入賞が検出されてから所定期間経過すると)に、CPU56は、モータ23を駆動制御して誘導部材21を透明板13に設けられた磁石14の回転軌道上に突出させる制御を行い、誘導部材21を突出させた状態で所定期間(例えば、0.5秒)経過したときに再びモータ23を誘導部材21をレール部材25内部に引き込ませる方向に駆動制御するが、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着した遊技球24がV入賞スイッチ64によって検出される以前の位置で停止させるとともに可動ステージ95を手前に約90度回転させてステージ94とほぼ垂直となるように可動制御する。
可動ステージ95をステージ94とほぼ垂直となるように可動制御することにより、可変入賞球装置11の入賞領域に侵入した遊技球24は可動ステージ95の下方に入賞球として排出される。さらに、透明板13に設けられた磁石14に吸着している遊技球24は、可動ステージ95の背面に一体的に形成された保持解除部96によって磁石14から外されて可動ステージ95の下方に入賞球として排出される。すなわち、可動ステージ95がステージ94とほぼ垂直な状態となるように可動することで、遊技球24が磁石14に吸着できない状態にするとともに磁石14に吸着している遊技球24を外し、誘導部材21によってV入賞口92に誘導される確率が低くなる。
そして、一定時間(例えば、30秒)経過するか、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球24が入賞した後(例えば、後述するステップS308で一定時間経過またはカウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24が入賞したことが検出され、ステップS307が実行されるとき)、再びモータ23を誘導部材21をレール部材25内部に引き込ませる方向に駆動制御し、磁石22に吸着している遊技球24がV入賞スイッチ64で検出されるようにしている。
なお、V入賞スイッチ64で遊技球24が検出されなかったときには、再びモータ23を可動し、誘導部材21を突出させるように制御してもよい。このように、構成することで、遊技者にV入賞に対する期待感を抱かせることができる。
このように、低確率ラウンドにおいては、可変入賞球装置11に最初に遊技球24が入賞してから所定期間経過したときに誘導部材21が突出するように制御される。また、誘導部材21を駆動させるまでの所定期間を短くすることで、誘導部材21が駆動されるときに可変入賞球装置11の入賞領域に侵入した遊技球24の個数が少なくなるようにしている。そのため、透明板13に設けられた磁石14に吸着している遊技球24の個数が高確率ラウンドと比べて少なくなり、誘導部材21によって遊技球24がV入賞口92に誘導される確率が低くなるようにしている。さらに、可変入賞球装置11に最初に遊技球24が入賞してから誘導部材21が予め定められたタイミングで突出するように制御するため、入賞した遊技球24が磁石14に吸着したとしても誘導部材21によってV入賞口92に誘導される確率が低くなるようにしている。
また、上述したように、低確率ラウンドでは、誘導部材21を引き込ませる方向に駆動制御して一旦停止させた後、所定期間経過またはカウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24が入賞したことが検出されたときに再び誘導部材21を引き込ませる方向に駆動する。大当り遊技状態のラウンド実行中には、V入賞スイッチ64で遊技球24が検出されると、ラウンドを実行中であっても次のラウンドを実行する制御がなされる。つまり、所定期間経過またはカウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24が入賞したことが検出されていない状態であっても現在のラウンドを終了して次のラウンドを開始するように制御される。そのため、所定期間経過またはカウントスイッチ63によって所定個数の遊技球24が入賞したことが検出されたときに誘導部材21の先端部に設けられた磁石22に吸着している遊技球24をV入賞口92に誘導するように制御している。
また、大当り遊技状態のラウンド実行中には、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したことに基づいて可変入賞球装置11の可動片93を開放状態としたときよりも透明板13の回転速度を遅くするようにしてもよい。つまり、モータ17の回転速度を複数設けた場合には、透明板13の回転速度を通常の回転速度よりも遅くすることで透明板13に設けられた磁石14に遊技球24が吸着し易いようにしてもよい。このように構成することにより、大当り遊技状態では、磁石14に遊技球24を吸着させる確率が高くなり、高確率ラウンドおよび低確率ラウンドをより正確に実行することが可能となる。
また、大当り遊技状態のラウンド実行中には、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したことに基づいて可変入賞球装置11の可動片93を開放状態としたときよりも誘導部材21を突出させた状態(誘導部材21の先端部に設けられた磁石22が磁石14の回転軌道上に突出した状態)で停止させる所定時間を長くするように構成してもよい。このように構成することで大当り遊技状態では、より高い確率で遊技球24をV入賞口92に誘導させることができる。
また、始動入賞口10bに遊技球24が入賞したときには、始動入賞口10a、10cに遊技球24が入賞したときに比べて透明板13の回転速度を遅くする、誘導部材21の停止させる所定時間を長くする、などの制御を実行するように構成してもよい。このように構成することにより、始動入賞口10a〜10cのいずれに遊技球24が入賞するかによって大当り遊技状態となる確率が変化し、始動入賞するときから遊技者の大当りに対する期待を高めることができる。
この実施の形態におけるCPU56は、大当り前処理(ステップS307)を実行するときに、高確率ラウンドに達したか否かの判定を行っている。また、始動入賞したときに高確率ラウンド実行回数が決定され、ラウンドの実行回数が決定された高確率ラウンド実行回数に達すると、以降のラウンドにて低確率ラウンドが実行される。すなわち、高確率ラウンド実行回数に達した場合には、次に実行するラウンド以降のラウンドにて可変入賞球装置11の内部構造を変化させることにより、遊技球24がV入賞口92に入賞し難い状態に制御する構成となっている。
なお、内部構造を変化させることなく、大当りラウンド実行回数に達した後にソフトリセットすることで特定遊技状態を終了させるように制御してもよい。例えば、主基板31に搭載されるCPU56により、大当り終了処理(ステップS309)にて始動入賞したときに決定された大当りラウンド実行回数に達した旨の判定がなされたときに、特定遊技状態を終了させ、通常処理(ステップS303)を実行するように制御するようにしてもよい。
また、この実施の形態の可動ステージ95には、透明板13に設けられた磁石14のうち1つの磁石14に複数の遊技球24が吸着したときに、その吸着を解除し、1つの磁石14に1つの遊技球24が吸着されるような構成となっている。図10および図11に示すように、この実施の形態の可動ステージ95の透明板13の回転方向の側部(図10では、可動ステージ95の左側部)が所定の角度を有している。図10(B)の可動ステージ95の断面に示すように、可動ステージ95の左側部は、端部に近づくほど上方に湾曲している。さらに、可動ステージ95の左側部は、透明板13から離れるに従って下り傾斜するように構成されている。つまり、図10(A)で遊技球24が2つ可変入賞球装置11の入賞領域内部に侵入し、磁石14に吸着した遊技球24にくっついて2つの遊技球24が1つの磁石14に吸着した場合には、透明板13が回動して磁石14に吸着した遊技球24が移動すると、図11(C)で可動ステージ95の左側部に近づいたときに、図11(D)で、可動ステージ95の左側部が透明板から離れる方向(前方)に下り傾斜するとともに、左端部から中央に向けて下り傾斜するため、磁石14に直接吸着していない遊技球24を可動ステージ95中央に向けて転がす方向の力が働き、吸着を解除させることが可能となる。このように構成することによって、1つの磁石14に1つの遊技球24を確実に吸着させることができる。
また、この実施の形態における可変入賞球装置11には、その入賞領域の左側方に透明板13に設けられた磁石14に遊技球24が吸着したことを検出する保持検出センサ68が設けられている。この保持検出センサ68は、磁石14に確実に吸着した遊技球24を検出する。つまり、磁石14に吸着し、透明板13が回動することにより可動ステージ95表面に接する状態で移動している遊技球24を検出するのではなく、透明板13が回動して磁石14に吸着している遊技球24が可動ステージ95の表面に接した状態から可動ステージ95の表示に接しない状態(可動ステージの表面から離れた状態)になったときに保持状態を検出するものである。この実施の形態では、可変入賞球装置11の入賞領域の左側方の可動ステージ95から所定距離上方に保持検出センサ68が設けられており、該保持検出センサ68の横を通過した磁石14に遊技球24が吸着しているとき(図16(B)参照)に保持状態を検出する。
次に、弾球遊技機1の動作について説明する。図12は、主基板31における遊技制御手段(CPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57等の周辺回路)が実行するメイン処理にて2ms毎に実行される割込処理内で実行される可変入賞球装置制御処理を示すフローチャートである。CPU56は、可変入賞球装置制御処理を行う際に、始動判定処理(ステップS301)およびV入賞判定処理(ステップS302)を実行した後に、内部状態に応じてステップS303〜ステップS309のうちのいずれかの処理を実行する。
通常処理(ステップS303):遊技球24が左・中・右の始動入賞口10a〜10cのいずれにも入賞していない状態の通常の処理を行う。
開閉部材開閉前処理(ステップS304):可動片93が開閉できる状態になるのを待つ。具体的には、モータを駆動して可動ステージ95をステージ94とほぼ垂直な状態からほぼ水平な状態にするとともに、可動片93が開閉されるまでの時間を開閉前タイマにセットし、セットした所定の時間が経過した後に可動片93の開閉時間を開閉タイマにセットする。そして、処理選択フラグを「2」に更新する。
開閉部材開閉中処理(ステップS305):ソレノイド69を励磁することにより、可動片93を開閉する。可動片93の開放が終了した後、即ち、開閉タイマがタイムアウトした後、誘導開始時間タイマをスタートさせる。そして、処理選択フラグを「3」に更新する。この誘導開始時間タイマとは、可動片93が開閉した後、所定時間(例えば4秒)経過したことに基づいてモータ23を駆動し、誘導部材21を出現させることにより、透明板13に設けられた磁石14に吸着した遊技球24をV入賞口92に誘導するためのタイマである。
開閉部材開閉終了処理(ステップS306):誘導開始時間タイマがタイムアウトしたことに基づいて、保持タイマをスタートさせるとともに、モータ23を駆動し、誘導部材21を出現させる。保持タイマがタイムアウトしたことに基づいてモータ23を逆回転に駆動し、誘導部材21を引き込ませるとともに、可動ステージ95のモータを駆動し、可動ステージ95をステージ94とほぼ垂直となるように可動させる。その後、処理選択フラグを「0」に更新する。
大当り前処理(ステップS307):V入賞した際に可動片93が開閉できる状態になるのを待つ。具体的には、CPU56は、始動入賞したときに決定された高確率ラウンドの実行回数に達したか否かを判定し、達していない旨の判定がなされたときにはモータを駆動して可動ステージ95をステージ94とほぼ垂直な状態からほぼ水平な状態にするとともに、V入賞判定処理で開閉前タイマがタイムアウトした後、可動片93の開閉時間を開閉タイマにセットする。そして、処理選択フラグを「5」に更新する。
大当り中処理(ステップS308):ソレノイド69を励磁することにより、可動片93を開閉する。可動片93の開放が終了、即ち、開閉タイマがタイムアウトするか、あるいは、可変入賞球装置11に遊技球24が10個入賞すると、誘導開始タイマをスタートさせる。そして、処理選択フラグを「6」に更新する。
大当り後処理(ステップS309):誘導開始時間タイマがタイムアウトしたことに基づいて、保持タイマをスタートさせるとともに、モータ23を駆動し、誘導部材21を出現させる。保持タイマがタイムアウトしたことに基づいてモータ23を逆回転に駆動し、誘導部材21を引き込ませるとともに、可動ステージ95のモータを駆動し、可動ステージ95をステージ94とほぼ垂直となるように可動させる。その後、処理選択フラグを「0」に更新する。
図13は、可変入賞球装置制御処理にて実行される始動判定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。始動判定処理において、CPU56は、まず、処理選択フラグが「0」であるかを確認する(ステップS51)。処理選択フラグが「0」である場合には、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したか否か、つまり、始動口スイッチ62によって遊技球24の入賞が検出されたか否かを判定する(ステップS52)。始動口スイッチ62によって遊技球24の入賞が検出された場合には、高確率ラウンドの実行回数を決定するためのラウンド数決定用乱数を抽出し(ステップS53)、RAM55におけるラウンド数決定用乱数格納バッファに格納する(ステップS54)。また、ラウンド数判定テーブルに基づいて高確率ラウンドの実行回数を決定し、決定された高確率ラウンドに基づく大当りラウンド実行回数を決定する(ステップS55)。図14に、この実施の形態で用いられるラウンド数判定テーブルを示す。この実施の形態では、特定遊技状態にて実行される高確率ラウンド実行回数は、0,2,6,14回のいずれかであり、それぞれ所定範囲の判定値が振り分けられている。CPU56は、抽出したラウンド数決定用乱数と、ラウンド数判定テーブルに設定された判定値と、を比較することにより高確率ラウンド実行回数を決定し、決定された高確率ラウンド実行回数に1回の低確率ラウンド実行回数を加えた実行回数を大当りラウンド実行回数として決定する。
次いで、CPU56は、始動入賞したときに決定された高確率ラウンド実行回数に基づく大当りラウンド実行回数を表示制御基板80に送信し(ステップS56)、処理選択フラグを開閉部材開閉前処理に対応した値に更新する。表示制御基板80では、大当りラウンド実行回数を指示するコマンドを受信したことに基づいて画像表示装置12にて大当りラウンド実行回数を報知する演出を行う。なお、後述するが、表示制御基板80に搭載される表示制御手段(CPU、ROM、RAM、I/Oポート部、等の周辺回路)は、主基板31から始動入賞したときに決定された高確率ラウンド実行回数に基づく大当りラウンド実行回数を指示するコマンドを受信すると、受信したコマンドに対応して複数種類の演出が設定されたテーブルから実行する演出を選択して実行する。
図15は、可変入賞球装置制御処理にて実行されるV入賞判定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。V入賞判定処理において、CPU56は、V入賞口92に遊技球24が入賞したか否か、つまり、V入賞スイッチ64によって遊技球24の入賞が検出されたか否かを判定する(ステップS61)。V入賞スイッチ64によって遊技球24の入賞が検出された場合には、ラウンドの実行回数をカウントするラウンド数カウンタの値が0であるかを確認し(ステップS62)、ラウンド数カウンタが0である場合には、RAM55におけるラウンド数決定用乱数格納バッファに格納されているラウンド数決定用乱数を読み出し(ステップS63)、ラウンド数判定テーブルに基づいて高確率ラウンド実行回数を決定する(ステップS64)。次いで、CPU56は、大当りラウンド実行回数をカウントするラウンド数カウンタに1回目のラウンドを実行している旨を示す1をセットし(ステップS65)、特定遊技状態を開始する旨を示すコマンド(大当り開始コマンド)を表示制御基板80に送信する(ステップS66)。なお、ラウンド数カウンタは、可変入賞球装置制御処理における通常処理(ステップS303)にて確認され、ラウンド数カウンタが0でないときには、初期値である0に設定する。
表示制御基板80に搭載される表示制御手段(CPU、ROM、RAM、I/Oポート部、等の周辺回路)は、主基板31から送信される大当り開始コマンドを受信すると、画像表示装置12にて遊技者に特定遊技状態を開始する旨の報知を行う。なお、大当り開始コマンドを受信したときに、大当りラウンド実行回数に基づいて複数種類の演出が設定されたテーブルから実行する演出を決定するように構成してもよい。このように構成することにより、複数種類の演出を実行することができる。
また、ステップS62にてラウンド数カウンタが0でないとき、つまり、ラウンドの実行回数が2回目以降のときには、ラウンド数カウンタを1加算し(ステップS67)、ラウンド数カウンタが16となったか否か判定する(ステップS68)。ラウンド数カウンタが16でないときには、処理選択フラグを大当り前処理に対応した値に更新する。ラウンド数カウンタが16となったときには、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、可変入賞球装置制御処理における開閉部材開閉終了処理(ステップS306)および大当り終了処理(ステップS309)にて、誘導部材21による遊技球24のV入賞口92への誘導が実行される。つまり、V入賞スイッチ64により遊技球24のV入賞口92への入賞が検出されるのは、開閉部材開閉終了処理(ステップS306)または大当り終了処理(ステップS309)が実行された後に、再び可変入賞球装置制御処理が実行されて、V入賞判定処理(ステップS302)が実行されたときである。また、開閉部材開閉終了処理(ステップS306)および大当り終了処理(ステップS309)では、処理選択フラグが通常処理に対応した値に更新される。ゆえに、開閉部材終了処理(ステップS306)が実行された後に、ステップS61にてV入賞スイッチ64による遊技球24の検出がなかったときには、通常処理(ステップS303)が実行される。また、大当り終了処理(ステップS309)が実行された後に、ステップS68にてラウンド数カウンタが16となったときには、通常処理(ステップS303)が実行される。なお、ラウンド数カウンタが16となったときとは、ラウンドの実行回数が15回の状態である。つまり、この実施の形態では、大当りラウンド実行回数の最大値は15回となっている。
図16は、画像表示装置12にて実行される演出の一例を示す説明図である。この実施の形態では、モータ23が駆動して誘導部材21が出現すると、表示制御基板80に搭載されるCPUにより誘導部材21を特定可能な画像28を表示する制御が実行される。そして、保持検出センサ68により遊技球24が磁石14に吸着していることが確認され、回転位置センサ67によって検出された透明板13の回転位置に基づいて誘導部材21によりV入賞口92に遊技球24が誘導されるときには、表示制御基板80に搭載されるCPUは、誘導部材21によって遊技球24が誘導されるときに該遊技球24を特定可能な画像19を表示させる制御を行う。
つまり、図16(A)で可変入賞球装置11に遊技球24が入賞して入賞領域に侵入した遊技球24は、回動している透明板13に設けられた磁石14に吸着する。透明板13が回動することにより該透明板13に設けられた磁石14に吸着した遊技球24もその保持位置を移動させ、図16(B)で保持検出センサ68の横を通過するときに検出される。CPU56は、そのときの回転位置センサ67による透明板13の回転位置にもとづいて遊技球24が保持される磁石14を特定し、特定された磁石14が誘導部材21が出現するタイミングと合致するか否かにもとづいて誘導部材21により遊技球24がV入賞口92に誘導可能か否かを判定する。CPU56により遊技球24がV入賞口92に誘導可能と判定されたときには、表示制御基板80にその旨を示すコマンドが送信される。
上述したように、この実施の形態では、保持検出センサ68が透明板13に設けられた磁石14に確実に吸着した遊技球24のみを検出するように構成されている。すなわち、保持検出センサ68は、可動ステージ95の上方に配置し、保持検出センサ68の横を磁石14に吸着した遊技球24が通過したときに検出する。遊技球24が磁石14に吸着しても可動ステージ95に接した状態で移動しているとき(例えば、図16(A)の状態)では、新たに可変入賞球装置11の内部に侵入してきた遊技球24等により弾かれて磁石14に吸着していた遊技球24が外れてしまう可能性がある。そのため、磁石14に保持されている遊技球24が可動ステージ95に接した状態から可動ステージ95に接しない状態(例えば、図16(B)の状態)になったときに検出するように構成している。
また、この実施の形態における保持検出センサ68は、磁石14に吸着している遊技球24が透明板13が回転することによって保持位置を変化させ、可動ステージ95上を転動している遊技球24に接触しない位置に移動したときに磁石14に吸着している遊技球24を検出する構成となっている。すなわち、保持検出センサ68は、可動ステージ95表面上方の遊技球24の径よりも離れた位置に配置するように構成すればよい。
そして、図16(C)に示すように、可変入賞球装置11の可動片93が開放されてから所定期間経過したことに基づいて、モータ23が駆動して誘導部材21が出現する。表示制御基板80に搭載された表示制御手段は、誘導部材21の駆動状態(出現状態)に応じて誘導部材21を特定可能な画像28をLCD12aに表示させ、主基板31から遊技球24がV入賞口92に誘導可能である旨を示すコマンドを受信したときには、図16(D)に示すように、誘導部材21の磁石22に遊技球24が吸着するときにその遊技球24を特定可能な画像19を表示する制御を行う。誘導部材21の磁石22に吸着した遊技球24は、V入賞口92に誘導されてV入賞スイッチ64に検出されたことに基づいて特定遊技状態に移行する。
なお、上述したように、この実施の形態の誘導部材21は、可動片93が開放された後、所定期間経過後に出現するように制御される。また、誘導部材21が出現したときの、誘導部材21の先端部に設けられた磁石22の位置は毎回ほぼ同じである。そして、誘導部材21が出現したときに誘導部材21の先端部に設けられた磁石22が位置するところに移動している磁石14に遊技球24が吸着していた場合には、磁石14への遊技球24の吸着を解除して、磁石22に遊技球24を吸着させる。図16(D)に示すように、この実施の形態では、V入賞口92の左右方向ほぼ真下に磁石22が位置するように制御される。このようにして、透明板13に設けられた複数の磁石14のうちいずれの磁石14に遊技球24が吸着したときに誘導部材21によってV入賞口92に誘導されるかを特定することが可能となる。
また、誘導部材21を突出させるタイミングをそれぞれの遊技状態にて予め定められた所定のタイミングで突出させるようにしてもよい。すなわち、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したときに、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となってから予め定められたタイミングで誘導部材21を突出させるように制御してもよい。このとき、大当り遊技状態中に誘導部材21を突出させるタイミングと、始動入賞した後に誘導部材21を突出させるタイミングと、を同じとしても、異ならせるようにしてもよい。さらに、大当り遊技状態にて高確率ラウンドと、低確率ラウンドと、で誘導部材21を突出させるタイミングを異ならせることによりV入賞口92に誘導される確率を変化させるように構成してもよい。
また、誘導部材21を突出させるタイミングをそれぞれの遊技状態にて予め定められた所定のタイミングで突出させるように構成した場合には、保持検出センサ68によって磁石14に遊技球24が吸着していることが検出されたタイミングと、誘導部材21の突出するタイミングと、に基づいてCPU56が、検出された遊技球24が誘導部材21によってV入賞口92に誘導可能か否かを判定するように構成してもよい。
また、主基板31のCPU56により、保持検出センサ68により遊技球24が検出され、回転位置センサ67によって検出された透明板13の回転位置に基づいて遊技球24が吸着している磁石14を特定したときに、CPU56によって特定した磁石14を指示するコマンド(制御信号)を表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載されるCPUが受信したコマンドに基づいてLCD12aに特定した磁石14を特定可能な画像19を表示させるように制御するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、回転位置センサ67によって検出された透明板13の回転位置に基づいて透明板13に設けられた複数の磁石14のうちいずれの磁石14に遊技球24が吸着したときに誘導部材21によってV入賞口92に誘導されるかを特定し、その特定された磁石14を報知するとともに、該特定された磁石14に遊技球24が吸着したときにV入賞口92に入賞する可能性があることを遊技者に報知する処理が実行される。図17に誘導部材21によって遊技球24がV入賞口92に誘導される場合と、図18に誘導部材21によって遊技球24がV入賞口92に誘導されない場合と、の一例を示す。
図17(A)にて、CPU56は、回転位置センサ67によって検出された透明板13の回転位置に基づいて透明板13に設けられた複数の磁石14のうち誘導部材21の突出タイミングと合致する磁石14を特定し、特定された磁石14を特定可能な画像20をLCD12aに表示させる。そして、図17(C)にて、保持検出センサ68により遊技球24が磁石14に吸着していることが検出され、回転位置センサ67の検出に基づいてCPU56により特定された磁石14に遊技球24が吸着していることが判定されたときには、主基板31からその旨を示すコマンドを表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載されるCPUは、該コマンドを受信したことに基づいて、図17(D)にて遊技者にV入賞口92に入賞する可能性があることを報知する処理を実行する。この実施の形態では、表示制御基板80に搭載される表示制御手段によってLCD12aに報知画像29を表示させる制御が実行されると共に、表示制御基板80に搭載される音声制御手段によってスピーカ48に所定の音声出力(例えば、「アタルヨ!」)の出力制御が実行される。
なお、V入賞口92に遊技球24が入賞する可能性があることを遊技者に報知する演出の態様は、これに限らず、LCD12aの表示、弾球遊技機1に設けられた複数種類の発光部材(ランプ・LED等)であってもよい。また、打球操作ハンドル5にモータを内蔵させ、モータを駆動させることによって振動を伝えるバイブレータ等により遊技者に報知する構成としてもよい。
また、表示制御手段によってLCD12aに表示制御される報知画像29は、透明板13の回転駆動状態に応じて表示状態を変化させている。すなわち、CPU56は、回転位置センサ67によって透明板13の回転駆動状態を検出し、透明板13の回転駆動状態を示すコマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載される表示制御手段は、主基板31から受信した透明板13の回転駆動状態に応じてLCD12aに表示制御する報知画像29の回転表示制御を行っている。つまり、透明板13の回転駆動状態に対応して報知画像29の表示を回転させる制御を行っている。
図18(A)にて、特定された磁石14を特定可能な画像をLCD12aに表示させ、図18(B)にて特定された磁石14以外の磁石14に遊技球24が吸着されると、図18(C)にて保持検出センサ68によって遊技球24が磁石14に吸着していることが検出され、回転位置センサ67の検出に基づいて特定された磁石14に遊技球24が吸着していないことがCPU56により判定されたときには、主基板31からコマンドは送信されない。そして、図18(E)にて、誘導部材21によって遊技球24がV入賞口92へ誘導されない状態となる。
なお、特定された磁石14とは異なる磁石14を報知するようにしてもよく、このように構成することにより、報知された磁石14以外の磁石14に遊技球24が吸着しているときに、誘導部材21によってV入賞口92に誘導されることによって遊技者の興趣を向上させることができ、また、報知された磁石14以外の磁石14に遊技球24が吸着しているときにも、誘導部材21によってV入賞口92に誘導されるのではという期待を遊技者に抱かせることができる。
なお、この実施の形態では、透明板13が回動しているため、磁石14も移動している。そのため、透明板13に設けられた磁石14を特定する画像をLCD12aに表示させる場合には、磁石14の移動に合わせて(透明板13の回転状態に合わせて)磁石14を特定する画像の移動表示制御を実行している。主基板31に搭載されるCPU56は、回転位置センサ67の検出信号に基づいて表示制御基板80に複数の磁石14のうち特定する画像を表示させる磁石14を指示するコマンドを送信する。表示制御基板80に搭載されるCPUは、受信したコマンドに基づいて画像の移動表示を行っている。
また、表示制御基板80に搭載されるROMに画像の移動表示態様を示すプロセスデータを設ける構成としてもよく、この場合には、最初に複数の磁石14のうち特定する画像を表示させる磁石14を指示するときに、該磁石14と、モータ17の回転速度と、を指示するコマンドを送信し、表示制御基板80に搭載されるCPUにて受信したコマンドに基づくプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータに基づいて画像の移動表示制御を実行するように構成してもよい。
また、透明板13を透光性のLEDまたはLCD等で構成してもよく、この場合には、磁石14を特定する画像を表示させても、該画像の移動表示制御を実行する必要が無いため、表示制御基板80に搭載されるCPUの制御負担を軽減させることができるとともに、主基板31から磁石14の位置を指示するコマンドを送信する必要が無いため、CPU56の制御負担を軽減させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したとき(例えば、始動判定処理が実行されたとき)に、高確率ラウンド実行回数が決定され、決定された高確率ラウンド実行回数に基づく大当りラウンド実行回数を示すコマンドが表示制御基板80に送信される。表示制御基板80に搭載されるCPUは、表示制御基板80に搭載されるROMに記憶され、受信したコマンドが示す大当りラウンド実行回数を遊技者に報知する複数種類の報知演出が設定されたテーブルから実行する報知演出を決定し、遊技球24がV入賞口92に入賞する以前に報知する処理を実行する。具体的には、始動入賞口10a〜10cに遊技球24が入賞したときに、上述した始動判定処理(ステップS301)のステップS56にて決定された大当りラウンド実行回数を表示制御基板80に送信し、表示制御基板80に搭載されたCPUは、可変入賞球装置11の可動片93が開放状態となる以前にLCD12aにV入賞した際に実行される大当りラウンド実行回数を示す大当りラウンド予告表示12fを行う。なお、スピーカ48にてV入賞した場合に実行される大当りラウンド実行回数を示す所定の音声を出力することにより大当りラウンド実行回数を報知するようにしてもよい。
また、受信した大当りラウンド実行回数は、表示制御基板80に搭載されるRAMに格納され、主基板31から大当り開始コマンドを受信したときに、表示制御基板に搭載されるCPUによって読み出される。なお、大当り開始コマンドを受信する以前に、再び大当りラウンド実行回数を示すコマンドを受信したときには、RAMに格納される大当りラウンド実行回数を今回受信した大当りラウンド実行回数に更新する。
さらに、特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行するとき(例えば、V入賞判定処理におけるステップS61でYESかつステップS62でYESとなったとき)に、主基板31から表示制御基板80に大当り開始コマンドが送信される。表示制御基板80に搭載されるCPUは、大当り開始コマンドを受信すると、LCD12aに大当り遊技状態を実行する旨を示す画像表示を実行する制御を行う。
なお、主基板31から送信された大当りラウンド実行回数を示すコマンドを受信したときに、大当りラウンド予告表示12fを行わないようにしてもよい。すなわち、主基板31から大当りラウンド実行回数が15回である旨のコマンドを受信しても、LCD12aにて大当りラウンド予告表示12f「15回」を行わない(例えば、?ラウンドと表示)ようにしてもよい。この場合には、大当り開始コマンドを受信したときに選択される表示制御基板80に搭載されるROMに記憶された複数種類の演出に、大当りラウンド実行回数を遊技者に報知するすることなく(例えば、LCD12aにて大当りラウンド予告表示12fを行うことなく)特定遊技状態を実行する演出を含むようにしてもよい。特定遊技状態にてLCD12aにて実行される演出の一例を図19および図20に示す。
図19および図20は、主基板31から大当り開始コマンドを受信したときにLCD12aにて実行される演出の一例である。図19および図20に示す演出は、始動入賞したときに決定された高確率ラウンド実行回数に基づく大当りラウンド実行回数を示すコマンドを受信し、大当りラウンド実行回数を報知する画像をLCD12aに表示させなかったときに実行される。なお、大当りラウンド実行回数を示すコマンドを受信したときに、大当りラウンド実行回数を報知する画像をLCD12aに表示させなかった場合であっても、大当り開始コマンドを受信したときに大当りラウンド実行回数を報知する画像をLCD12aに表示させるようにしてもよい。表示制御基板80に搭載されるCPUは、大当り開始コマンドを受信したときに表示制御基板80に搭載されるRAMに格納された大当りラウンド実行回数に基づいて、ROMに記憶される大当りラウンド実行回数に基づく複数種類の演出が設定されたテーブルから実行する演出を決定する。そして、大当りラウンド実行回数を報知しない演出が選択された場合には、表示制御基板80に搭載されるCPUは、ROMに記憶された演出データに基づいて演出を実行する。この実施の形態では、表示制御基板80に搭載されるCPUは、図19(A)にて、LCD12aに「大当り?R確定」と表示させる制御を実行する。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行中には、LCD12aにキャラクタ12dを表示させて「今1Rだよ」と表示することによりラウンドの実行回数を報知するとともに、確定ラウンド表示12e(例えば、?Rまで確定)をLCD12aに表示させる制御を行う。実行中のラウンドが終了し、V入賞スイッチ64によってV入賞口92への遊技球24の入賞が検出されると、LCD12aに「再抽選!」と表示させた後、「3ラウンド確定!」、「7ラウンド確定!」、「15ラウンド確定!」のいずれかを表示させる。ここで表示す大当りラウンド実行回数は、主基板31から送信された始動入賞したときに決定された高確率ラウンド実行回数に基づく大当りラウンド実行回数を示すコマンドによって指示された大当りラウンド実行回数を超えない表示が行われる。また、ここでは、LCD12aに「再抽選!」と表示されるが、実際には主基板31から受信した大当りラウンド実行回数を示すコマンドによって大当りラウンド実行回数が指示されるため、ここでは再抽選は実行されていない。しかし、実行される大当りラウンド実行回数を遊技者は知らないため、LCD12aに「再抽選!」と表示させることにより、遊技者にあたかも再抽選が実行されているかのような錯覚を与え、興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に搭載されるCPUは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行中にLCD12aに表示されるキャラクタ12dの動作を変化させることによってさらに興趣を向上させるような制御を実行している。すなわち、図19(B)にて1Rが実行しているときには、表示制御基板80に搭載されるCPUは、キャラクタ12dの動作を小さく(あまり激しく動作しない)し、ラウンドの実行回数が増えるにつれて、または、ラウンドの実行回数が複数設定された所定の実行回数になるにつれて(例えば、「再抽選!」と表示される毎に)、キャラクタ12dの動作を大きく(激しく)するようにLCD12aの表示を制御している。例えば、図19(B)に表示されるキャラクタ12d→図19(E)に表示されるキャラクタ12d→図19(F)に表示されるキャラクタ12d→図19(I)に表示されるキャラクタ12d→図20(J)に表示されるキャラクタ12d→図20(M)に表示されるキャラクタ12dと徐々に動作を大きくするようにしている。なお、キャラクタ12dの動作態様に応じてスピーカ48の音声出力、弾球遊技機1に設けられる複数のランプ・LEDの発光態様、を変化させる(例えば、スピーカ48の音声出力を大きく、または/および、出力している音声のテンポを速める、等の音声出力態様、点灯させるランプ・LEDの数、および/または、点灯速度を速める、等の発光態様)ようにしてもよい。
以上、説明したように、本発明を第2種の弾球遊技機に適用させた場合には、透明板13に設けられた磁石14に遊技球24が吸着したときには、磁石14に遊技球24が吸着しなかった場合に比べて特定の入賞領域としてのV入賞口92に入賞し易くさせることができる。つまり、磁石14に遊技球24が吸着しなかったときには誘導部材21によってV入賞口92へ誘導されないが、磁石14に遊技球24が吸着したときには、誘導部材21によってV入賞口92へ誘導される割合が高くなる。
また、この実施の形態では、第2種の弾球遊技機について説明してきたが、本発明は、画像表示可能な表示装置を備えた遊技機であればよく、第2種の弾球遊技機だけに限られるものではない。例えば、特定の入賞領域としての始動入賞口に遊技球24が入賞する始動入賞に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)を可変表示する可変表示装置を備え、始動入賞した後、可変表示装置において識別情報の可変表示の開始条件の成立に基づいて複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示させて当該可変表示の表示結果が特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する第1種の弾球遊技機であっても本発明を適用できる。
また、表示状態を変化可能な普通可変表示部(例えば、普通図柄表示装置)と、内部に特別領域(例えば、特定入賞口)を備えるとともに普通可変表示部における表示結果が予め定められた表示態様となったことを条件に遊技者にとって有利な状態に変化する普通可変入賞球装置(例えば、可変入賞検出装置)と、普通可変表示部にて予め定められた表示態様を表示するか否かの判定に用いられる判定用の数値(例えば、普通図柄判定用乱数)を、所定の数値範囲内で更新する普通可変表示用の判定用乱数更新手段(例えば、主基板31に搭載されるCPU56により普通図柄判定用乱数を更新する処理)と、所定の条件成立に基づいて、普通可変表示用の判定用数値更新手段の数値を抽出し、抽出された数値が所定の判定値と一致したときに、普通可変表示部における表示結果を予め定められた表示態様とすることを決定する普通表示態様決定手段(例えば、主基板31に搭載されるCPU56により抽出した普通図柄判定用乱数が普通図柄判定値と一致するか否か判定する処理)と、を備え、特別領域に設けられた特別検出手段(例えば、特定入賞口から遊技球24が導かれる特定球検出スイッチ)で遊技媒体(例えば、遊技球24)が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば、作動入賞口)に設けられた始動検出手段(例えば、作動球検出スイッチ)により遊技媒体が検出されたことに基づいて、特別可変入賞装置(例えば、特別可変入賞口)を遊技者にとって不利な状態(例えば、閉成状態)から遊技者にとって有利な状態(例えば、開放状態)に変化させる制御を行う普通図柄タイプと呼ばれる第3種の弾球遊技機であってもよい。また、表示状態を変化可能な判定用可変表示部(例えば、可変表示装置)を備えて、判定用可変表示部における表示結果が予め定められた特別の表示態様となったことを条件に遊技媒体を特別領域に誘導する判定図柄タイプと呼ばれる第3種の弾球遊技機であってもよい。上記した2つの第3種の弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定入賞口、作動入賞口、を特定の入賞領域とすればよい。
図21は、第1種の弾球遊技機に本発明を適用したときの一例であり、透明板13に設けられた磁石14によって遊技球24が誘導されたときの例である。この例では、可変表示装置100の中央に設けられたLCD101の前方に一部を覆うように2つの透明板13が回動可能に設けられている。透明板13には、複数の磁石14が設けられ、左右に設けられた透明板13がその中央に向けて回転するように制御される。つまり、LCD101の左下部を覆うように設けられた透明板13は、時計回りに回動し、LCD101の右下部を覆うように設けられた透明板13は、反時計回りに回動している。
また、LCD101の下方には、可変表示装置100に侵入した遊技球24が転動するステージ102が設けられている。ステージ102上には2つの遮断部103が設けられてステージ102を左側部のステージ左102a、中央部のステージ中102b、右側部のステージ右102c、の3つのエリアに区分けしている。可変表示装置100に侵入してきた遊技球24は、ステージ左102aまたはステージ右102cの表面をステージ102中央部のステージ中102b方向に向けて転動する。遮断部103は、ステージ102左右側部のステージ左102aおよびステージ右102cの表面を転動している遊技球24がステージ中102bに侵入できないようにするものである。この実施の形態の遮断部103は、ステージ102上に手前から奥方向に所定の幅を有する部材によって構成されている。例えば、ステージ102の手前側(最もLCD101から離れた部分)から遊技球24の径よりも小さい間隔を有する位置から、ステージの奥側(最もLCD101に近い部分)から遊技球24の径よりも小さい間隔を有する位置までの幅を有する部材によって構成されている。なお、棒状の部材をステージ102の手前側から遊技球24の径よりも小さい間隔を有するように複数配置することにより遮断部103を構成してもよい。
可変表示装置100のステージ102に侵入した遊技球24はステージ102左側部のステージ左102a表面を転動する(図21(A))。ステージ左102a表面を転動している遊技球24が、ステージ左102aの後方で回動している透明板13の磁石14に吸着すると(図21(B))、2つの遮断部103によって区分けされた3つのステージ102のうち中央のエリアに移動可能となる。すなわち、透明板13に設けられた磁石14に吸着した遊技球24は、透明板13が回動することにより移動し、遮断部103を越えて2つの遮断部103によって区分けされたステージ102中央のステージ中102bに侵入することができる。
透明板13の磁石14に吸着することにより遮断部103を超えた遊技球24は、ステージ中102b上に落下し、ステージ中102b表面を転動する(図21(C))。ステージ中102bはステージ中102bの左右側部からステージ中102bの中央部に向けて下りの傾斜を有するように構成され、さらにステージ中102bの中央には、奥側(遊技盤6に近い側)から手前(遊技盤6から遠い側)方向の下り傾斜を有する遊技球誘導部(入賞領域誘導部材)102b’が形成されている。つまり、ステージ中102bは左右側部が盛り上がった形状となっており、ステージ中102b上を転動している遊技球24をステージ中102bの中央に誘導する構成となっている。ステージ中102bの中央に誘導された遊技球24は、遊技球誘導部102b’によってステージ中102bの中央部から下方に落下するように構成されている。遊技球誘導部102b’の下方の左右方向ほぼ中央には始動入賞口106を有する第1種可変入賞球装置105が配置している。遊技球誘導部102b’によって下方に落下させられた遊技球24は、始動入賞口106の方向に落下することで遊技球誘導部102b’によって下方に落下させられない遊技球24(例えば、ステージ左102aおよびステージ右102cから下方に落下した遊技球24)に比べて始動入賞口106に遊技球24が入賞する割合が高くなっている。
なお、第1種弾球遊技機においては、始動入賞口106に遊技球24が入賞したことにもとづいて、可変表示装置100にて特別図柄と呼ばれる識別情報の可変表示を開始する。特別図柄の可変表示は、例えば、可変表示装置100のLCD101の左・中・右のそれぞれのエリアにて特別図柄として「0」〜「11」の12通りの図柄を「0」から順に表示を変化させることによって実現される。また、特別図柄の可変表示においては、図柄の表示は非連続的に変化してもよい。
また、LCD101の左・中・右のそれぞれのエリアにて特別図柄の可変表示が停止したときの最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った大当り図柄(例えば、「777」:特定表示結果)となった場合に大当りとなり、LCD101の左・右のエリアにて特別図柄の可変表示が停止して左右が揃ったときに、LCD101の中のエリアが可変表示を実行中である場合にリーチとなる。そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃った場合(例えば、「777」:特別表示結果)には、大当り遊技状態終了後に高確率状態(例えば、確変状態)に移行し、偶数図柄で揃った場合(例えば、「222」:非特別表示結果)には、大当り終了後に低確率状態(例えば、通常状態)に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の可変表示が行われると高確率状態は終了して低確率状態に戻る。
大当り遊技状態では、大入賞口(図示しない)が一定時間(例えば、30秒)経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)入賞するまで開放される。そして、大入賞口の開放中に大入賞口内に設けられたV入賞領域に遊技球24が入賞しV入賞スイッチで検出されると、継続権が発生し大入賞口の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
このように、上述した第1種弾球遊技機では、遊技球24が始動入賞口106に入賞することによってLCD101にて特別図柄の可変表示が開始される。つまり、始動入賞口106に遊技球24が入賞したときにのみ特別図柄の可変表示を開始させるのであって、始動入賞口106に遊技球24が入賞しないときには特別図柄の可変表示が開始されない。また、特別図柄の可変表示が行われないと、大当り遊技状態に移行しないため、遊技者は、始動入賞口106に遊技球24を入賞させるように遊技を行う。ゆえに、本発明にて遊技球24が始動入賞口106に入賞し易い状態とすることで遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、図21(C)においては、磁石14に吸着していた遊技球24が、透明板13が回動することにより移動し、遮断部103を超えた位置を移動するときに落下するようになっているが、遊技球24が落下しなかったときには、ステージ102に遊技球24が接触したときに磁石14の吸着が解除される。透明板13はステージ102とLCD101の間に一部がステージ102の背部に潜り込むように設置されている。ステージ102とLCD101の間は、磁石14を備えた透明板13が通過することが可能であり、且つ遊技球24が通過できない程度の間隔が設けられている。また、ステージ102の中央部のステージ中102bでは、透明板13に設けられた磁石14がステージ中102bの背部に潜り込むように回動され、磁石14がステージ中102bの背部に潜り込むときに磁石14に吸着していた遊技球24がステージ中102bと接触し、透明板13が回動するにつれてさらに磁石14がステージ中102bの背部に潜り込むことで、磁石14への吸着が解除される。すなわち、ステージ中102bは、磁石14に吸着している遊技球24の吸着を解除させる保持状態解除部材である。
図22は、第1種の弾球遊技機に本発明を適用したときの一例であり、透明板13に設けられた磁石14によって遊技球24が誘導されなかったときの例である。可変表示装置100に侵入した遊技球24はステージ102左側部のステージ左102a表面を転動する(図22(A))。ステージ左102a表面を転動している遊技球24が、ステージ左102aの後方で回動している透明板13の磁石14に吸着しなかったときには(図22(B))、ステージ左102a上をステージ中102b方向に向けて転動するが、ステージ中102bに侵入することができずに遮断部103に接触して転動速度が弱められる。そして、ステージ左102aの下方に落下する。しかし、第1種可変入賞球装置105の左右方向ほぼ真上に位置するステージ中102bの遊技球誘導部102b’によって落下させられていないため、始動入賞口106方向には落下せず、始動入賞口106に入賞する割合が低くなっている。なお、ステージ102左右側部のステージ左102aおよびステージ右102cそれぞれの中央部は、奥側から手前方向の下り傾斜を有し、ステージ左102aまたはステージ右102cから遊技球24が落下するように構成されている。
このように、第1種の弾球遊技機に本発明を適用させても、透明板13に設けられた磁石14に遊技球24が吸着したときには、磁石14に遊技球24が吸着しなかった場合に比べて特定の入賞領域としての始動入賞口106に入賞し易くさせることができる。
なお、上述した実施形態においては、保持部材として、磁鉄鉱、ニッケル鉱、KS鋼・MK鋼、等の永久磁石である磁石14を用いる構成としているが、電流を通すことにより磁性を有する電磁石を用いてもよい。この場合には、保持解除部96を設ける必要がない。つまり、透明板13に設けられた電磁石に遊技球24が吸着したが、誘導部材21によってV入賞口92に誘導されなかったときに、その電磁石への電流を停止させることにより磁性を消失させ、それにより遊技球24を解除させるようにしてもよい。この実施の形態では、所定の位置(誘導部材21の磁石22によって保持されてV入賞口92へ誘導される位置)を通り過ぎたときに電流を停止させるように構成してもよい。
同様に、誘導部材21の先端部に設けられる磁石22においても磁鉄鉱、ニッケル鉱、KS鋼・MK鋼、等の永久磁石である磁石22を用いる構成としているが、電磁石を用いる構成としてもよい。つまり、透明板13に設けられた磁石14に吸着した遊技球24を吸着させてV入賞口92に誘導するときに電流を通すことによって磁性を与え、入賞球レール27に遊技球24を移動させるときに入賞球レール27の上方に遊技球24が移動してきたときに電流を停止して磁性を消失させることによって遊技球24の吸着を解除させるように構成してもよい。
また、上述したように第1種の弾球遊技機に本発明を適用したときには、第1種可変入賞球装置105の始動入賞口106に遊技球24が入賞し易い状態にしている。第1種可変入賞球装置105には、始動入賞口106に入賞した遊技球24を検出する始動口スイッチが設けられている。すなわち、上述した第1種の弾球遊技機に本発明を適用した実施形態にて遊技球24が始動入賞口106に入賞するということは、始動入賞口106に遊技球24が入賞して始動口スイッチで検出されたということを示している。