JP4386222B2 - グラウンドアンカー用受圧フレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラウンドアンカー工法に用いられるグラウンドアンカー用受圧フレームに関する。
【0002】
【従来の技術】
造成した法面もしくは斜面に対し、地盤崩壊による地滑りの発生等を防ぐために、グラウンドアンカーで地盤を安定化する工事が従来から広く行われてきた。従来のグラウンドアンカー設置の一般的な工法は、鋼線等からなるアンカー引張部材を地盤中に挿入してその一端部を地盤中に固定する一方、アンカー引張部材他端側を地上に露出させた状態とし、さらにコンクリート製のアンカー台座を地盤表面に設置した後、前記アンカー引張部材を所定の張力が得られるまで緊張した状態でその地上露出部分をアンカー台座に一体に固定するというものであり、アンカー引張部材の張力をアンカー台座から地盤に伝えるようにして地盤を安定に保持する仕組みとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のグラウンドアンカー設置工事は以上のように行われていたが、アンカー台座がコンクリート製であるため、重量が非常に重く、大型トラックや大型クレーン等の重機を用いなければ運搬や設置が行えず、大型重機の入りきれない狭い工事現場では法面上方までアンカー台座を持上げて設置することができなくなるという問題を有していた。
【0004】
こうした問題を解決するために、近年、アンカー台座として、コンクリート製の代りに鋼板を箱形に組合わせた受圧フレームが利用されるようになっている。その一例として、意匠登録第1058390号公報に記載されるものがあり、これを図10及び図11に示す。図10は従来のグラウンドアンカー用受圧フレームの平面図、図11は従来のグラウンドアンカー用受圧フレームの横断面図である。
【0005】
前記各図に示す従来の受圧フレーム100は、貫通状態の中心孔101aを有する略箱状体のコア部101と、このコア部101同様中空の略箱状体で形成され、コア部101に対し十字状に配置されてコア部101と一体に固定される四つのアーム部102と、コア部101及びアーム部102の地盤表面寄り側に一体に固着される略方形状の底板103とを備える構成である。
【0006】
前記した構成の受圧フレーム100は、十分な強度を有しながらコンクリート製に比べて軽量であり、狭い工事現場に入るような小型重機でも設置作業が行え、設置箇所の制限が解消される。また、設置後、必要に応じて内部の中空部分にコンクリート等の充填材を充填してより強度や地盤保持力を増すこともできる。ただし、現在では、こうした受圧フレームにおいても、さらに厳しい設置条件のある箇所への適用や低コスト化、並びに、地盤保持力の増大に対応する大型化に伴う重量増を抑えるなどの要求から、より一層の軽量化が求められている。しかし、鋼板の薄肉化などの単なる軽量化のみでは強度が低下してしまうため、この受圧フレームの構造改良については、軽量化と強度確保との両立が新たな課題となっていた。
【0007】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、アンカー引張部材からの力が伝わる中心孔周辺に適切にリブを配置し、強度を高めた構造として強度を維持したままでの軽量化を可能とし、軽量化と強度確保との両立が図れ、設置条件の緩和と共にアンカー工事全体での手間とコストの低減が図れるグラウンドアンカー用受圧フレームを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るグラウンドアンカー用受圧フレームは、貫通状態の中心孔を有するコア部と、前記コア部を中心に放射状に配置される複数のアーム部とを少なくとも備え、一端部を地盤中に固定されたアンカー引張部材の他端側地上露出部分を前記コア部の中心孔に通した状態で地盤表面に設置され、前記アンカー引張部材の地上露出部分を一体に固着されて地盤表面へ固定されるグラウンドアンカー用受圧フレームにおいて、前記コア部が、所定の貫通孔を有する二つの略板状体を略平行となる状態で所定の略筒状体の両端にそれぞれ固定して形成されてなり、前記貫通孔を前記略筒状体の両端開口にそれぞれ連通させて貫通孔及び略筒状体内部を前記中心孔とされ、前記アーム部が、少なくとも所定の略板状部分と当該略板状部分に略直交する別の略板状部分とが交線方向に所定長さ連続する所定部材で形成され、前記コア部の二つの略板状体に対し前記略板状部分のいずれか一方を略直角且つ他方を略平行となす向きで二つの略板状体間にそれぞれ固定されて前記コア部の略筒状体を中心とする放射状配置とされ、前記コア部の略筒状体外周面に側端部を固着させると共に上端部及び下端部を前記二つの略板状体にそれぞれ密着させて略筒状体を中心に放射状に配置されてなる複数の略板状体のリブを備え、当該リブが、前記コア部の二つの略板状体に対し略直角をなす前記アーム部の一方の略板状部分端部へ一体に連結され、また、コア部上側の略板状体を経て上端部に前記アンカー引張部材の緊張力を地盤表面側に向う応力として伝達されるものである。
【0009】
このように本発明においては、アーム部の地面と略直角をなす略板状部分の端部がコア部の略筒状体外周面から突出する略板状体のリブと一体に連結され、アンカー引張部材からの地面に対する垂直方向の力をコア部の略筒状体からそれぞれ地面と略直角をなす各部材を通じてアーム部の地盤接触面まで最短経路で伝えることにより、コア部に加わるアンカー引張部材の張力をせん断力として無理なくアーム部に伝達してアーム部で地盤を確実に押圧できることとなり、アンカー引張部材の張力に対するより高い強度を得られ、従来に比べ強度を保ったまま軽量化も図れ、設置作業環境が厳しい箇所にも設置可能となることに加え、低コスト化と設置作業の省力化が図れる。
【0010】
また、本発明に係るグラウンドアンカー用受圧フレームは必要に応じて、前記アーム部の一方の略板状部分端部が、前記コア部の略筒状体寄りに延長されて形成され、コア部の二つの略板状体にそれぞれ密着すると共に、前記略筒状体外周面に一体に固着し、前記リブを兼ねるものである。このように本発明においては、アーム部の一方の略板状部分のコア部寄り端部が延長されてコア部の略筒状体外周面に固着され、リブとしてアンカー引張部材からの力を略筒状体から直接受けつつ、アーム部が地面に対する垂直方向の力を地盤表面にそのまま伝達することにより、アンカー引張部材からの力の流れをスムーズにしてアーム部で地盤を効率よく押圧できると共に、コア部とアーム部との連結構造を簡略化してアーム部の強度向上とさらなる低コスト化が図れる。
【0011】
また、本発明に係るグラウンドアンカー用受圧フレームは必要に応じて、前記コア部が、前記二つの略板状体を上下面とする中空略箱状体で形成され、前記アーム部が、前記コア部の各側面に固定されてコア部を中心に放射状に配置される中空略箱状体で形成され、当該略箱状体側面におけるコア部寄り端部がコア部のコーナー部外側でコア部と一体化してなり、前記リブが、前記コア部の略筒状体から離れた側端部をコア部のコーナー部内側に固着されてなるものである。このように本発明においては、コア部及びアーム部が中空の略箱状体で形成され、アーム部の側面におけるコア部寄り端部が、コア部の側面同士が隣接するコーナー部外側でコア部と一体化すると共に、リブがコア部の略筒状体外周面からコーナー部の内側にかけて配設され、アンカー引張部材からの地面に対する垂直方向の力をコア部の略筒状体から各リブ、さらにコーナー部を介してアーム部側面部に最短経路で伝達し、最終的にアーム部の地盤接触面まで伝えることにより、略箱状体を組合わせた構造であってもコア部に加わるアンカー引張部材の張力をせん断力として無理なくアーム部の側面部分に伝達してアーム部の地盤接触面で地盤を確実に押圧できることとなり、アンカー引張部材の張力に対する優れた強度を得られることに加え、略箱状体中空部分への充填で従来同様の強度や地盤保持力増強が図れる。
【0012】
また、本発明に係るグラウンドアンカー用受圧フレームは必要に応じて、前記コア部の略筒状体が地盤表面側に近付くほど拡径する略コーン状に形成されると共に、前記二つの略板状体の貫通孔もそれぞれ略筒状体両端開口に沿った所定径に形成されるものである。このように本発明においては、略筒状体を略コーン状に形成すると共に、略板状体の貫通孔径も略筒状体両端開口に合わせた形状とし、アンカー引張部材を中心孔内で傾角変更可能として、アンカー引張部材の受圧フレームに対する直角から所定範囲の傾きを許容することにより、アンカー引張部材が地盤表面に対する直角方向から傾けて地盤に配設されている場合でも、無理なく中心孔に通して受圧フレームを設置でき、且つ、アンカー引張部材をストレスなく緊張してそのまま受圧フレームと固定でき、確実に地盤を保持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの平面図、図2は本実施の形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの正面図、図3は本実施の形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの底面図、図4は図1のA−A断面図、図5は図2のB−B断面図、図6は本実施の形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの要部縦断面図である。
【0014】
前記各図において本実施形態に係る受圧フレーム1は、中心孔2a及びこの中心孔2aを囲む略筒状体としてのコーン部2bを有する鋼板製中空略箱状体のコア部2と、このコア部2の中心孔開口部分がない各側面に固定される鋼板製中空略箱状体で形成され、この略箱状体の側面部におけるコア部2寄り端部をコア部2の側面同士が隣接するコーナー部外側でコア部2と一体化させ、コア部2を中心に略十字状に配置される四つのアーム部3と、略四角形の鋼製板状体で形成され、この板状体の両側端部をコア部2の前記コーナー部内側並びにコーン部2bの外周面所定箇所にそれぞれ一体に固着させると共に、板状体上端部及び下端部をコア部2の上面内側及び下面内側にそれぞれ密着させてコーン部2bを中心に放射状に配設される四つのリブ4とを備える構成である。
【0015】
前記コア部2は、コーン部2bが地盤表面側となる下側に近付くほど拡径する形状とされ、上下面の開口部分もそれぞれコーン部2b上下端に沿った所定径に形成される構成である。このコア部2をなす鋼板製略箱状体は組立完了時に密閉され、リブ4の上下端部のいずれかは溶接による接合が不可能となることから、コーン部2bを潰さないように、上側を溶接する一方で下側は溶接せず、コア部2の上面をなす鋼板にいわゆるコンプレッションリング効果を持たせる仕組みである。
【0016】
前記アーム部3は、地盤表面側となる下面部と側面部が略直角をなす箱状体で形成され、下面を前記コア部2の下面と一つの面として一体に連続する状態でコア部2にそれぞれ固定される構成であり、コア部2とアーム部3の両下面間で力の流れが連続となって、無理なく力を伝達可能となっている。
次に、前記構成に基づく受圧フレームにおける荷重伝達状態について説明する。地盤50表面への設置状態において、緊張力を与えられたアンカー引張部材10に一体に固定されるコア部2では、アンカー引張部材10の緊張力が、コア部2上面を経て上面内側に密着するコーン部2b及びリブ4の各上端部に地盤表面側に向う圧縮応力として伝達される。
【0017】
コーン部2b及びリブ4に伝達された圧縮応力は、リブ4、その側端が接合するコア部2の各コーナー部、さらにその外側に固定されているアーム部3側面部など、地盤表面に対し略直角をなす各部材に、同じ地盤表面側に向う力、すなわち、せん断応力として伝わる。こうして各アーム部3側面部に伝わった地盤表面側に向う力が、最終的にアーム部3の下面から地盤50へ押圧力として加わり、地盤50を保持可能となる。コア部2の中心に加わるアンカー引張部材10の張力が、リブ4を通じてアーム部3まで最短距離で伝わるため、力の伝達経路に無駄がなく、受圧フレーム1全体の力に対する耐性、すなわち、強度が高くなる。
【0018】
このように、本実施の形態に係る受圧フレームにおいては、アーム部3の側面部がコア部2のコーナー部でコア部2と一体化すると共に、コア部2のコーナー部内側とコーン部2bの外周面との間に略板状体の四つのリブ4が配設され、アンカー引張部材10からの力をリブ4をはじめとする地盤表面に対し略直角をなす各部材を通じてコア部2中心部からアーム部3の地盤接触面まで最短経路で伝達させることから、コア部2に加わるアンカー引張部材10の張力を無理なくアーム部3に伝えて地盤50を押圧でき、従来と同じ大きさでより高い強度を得られ、一定の強度を確保したままでの軽量化も図れることとなり、従来には設置が困難だった箇所にも設置可能となることに加え、重量を維持したままでの大型化も可能となって地盤保持力の増大に伴う設置数削減も図れるなど、アンカー工事全体で省力化とコスト削減が可能となる。また、コーン部2b内の中心孔2aが下側ほど広がる形状となり、アンカー引張部材10の受圧フレーム1に対する直角から所定範囲の傾きを許容することから、アンカー引張部材10が地盤表面に対する直角方向から傾けて地盤50に配設されている状況にも対応でき、アンカー引張部材10を無理なく受圧フレーム1と固定して地盤50を保持できる。
【0019】
なお、前記実施の形態に係る受圧フレームにおいては、コア部2とアーム部3とで十字形状をなす構成としているが、これに限らず、図7に示すように、コア部2とアーム部3の下面側に略方形状の底板5を一体に接合して配設し、地盤表面に対して底板5全体で押圧を行う構成とすることもでき、所定の押圧面積を必要とする地盤にも対応でき、確実に地盤を保持できる。
【0020】
また、前記実施の形態に係る受圧フレームにおいては、平面形状が四角形の略箱状体であるコア部2に四つのアーム部3を固定して全体を十字形状とする構成としているが、これに限らず、コア部2を平面形状が四角形以外の多角形となる略箱状体とし、且つコア部2の側面の数に対応するアーム部3をそれぞれコア部2に固定し、コア部2を中心とする十字形状以外の所定対称形状にする構成とすることもできる。
【0021】
また、前記実施の形態に係る受圧フレームにおいて、コア部2とアーム部3の各内部は中空のままの構成としているが、これに限らず、必要に応じて、地盤表面への設置後、内部の中空部分にコンクリート等の充填材を充填することもでき、充填材の硬化でリブ4などを強固に固定できることとなり、受圧フレームとして強度や地盤保持力をより一層向上させられる。
【0022】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。図8は本実施の形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの斜視図、図9は本実施の形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの要部縦断面図である。
前記各図において本実施形態に係る受圧フレーム1は、中心に貫通孔を有する二つの略矩形板状体を平行となる状態で略筒状のコーン部2b両端にそれぞれ固定して形成されるコア部2と、所定の板状部分である起立部3aとこの起立部3aに直交する別の板状部分である底面部3bとが交線方向に所定長さ連続する略T字型断面形状の部材で形成され、コア部2の二つの板状体に対し前記起立部3aを直角且つ底面部3bを平行となす向きとしてコア部2を中心に略十字状に配置され、コア部2へ一体に固定される四つのアーム部3とを備え、このアーム部3の起立部3a端部が、コア部2のコーン部2b寄りに延長配設され、前記リブとしてコア部2の二つの板状体にそれぞれ密着すると共に、コーン部2b外周面に一体に固着される状態となる構成である。
【0023】
前記コア部2は、コーン部2bが前記第1の実施形態同様、地盤表面側となる下側に近付くほど拡径する形状とされ、二つの板状体の貫通孔もそれぞれコーン部2b両端開口に沿った所定径に形成されてコーン部2b内に連通し、この貫通孔及びコーン部2b内部をアンカー引張部材10の地上露出部分が通る中心孔2aとされる構成である。また、アーム部3の地盤接触部分となる底面部3bも、前記第1の実施形態同様、コア部2の下側の板状体と一体に連続させて配設される構成であり、コア部2とアーム部3の両下面間で力の流れが連続となって、無理なく力を伝達可能となっている。
【0024】
次に、前記構成に基づく受圧フレームにおける荷重伝達状態について説明する。地盤50表面への設置状態において、緊張力を与えられたアンカー引張部材10に一体に固定されるコア部2では、アンカー引張部材10の緊張力が、コア部2上側の板状体を経てこれに密着するコーン部2b及びアーム部3の起立部3a端部に地盤表面側に向う圧縮応力として伝達される。
【0025】
コーン部2b及び起立部3a端部に伝達された圧縮応力は、同じ地盤表面側に向う力、すなわち、せん断応力として、地盤表面に対し略直角をなす起立部3aを伝わり、最終的にアーム部3の底面部3b下面から地盤50へ押圧力として加わり、地盤50を保持可能となる。コア部2の中心に加わるアンカー引張部材10の張力をコーン部2b及び起立部3a端部で受けて各アーム部3に無駄なく伝達できるため、受圧フレーム1全体の力に対する耐性、すなわち、強度が高くなる。
【0026】
このように、本実施の形態に係る受圧フレームにおいては、アーム部3の地面と略直角をなす起立部3aがコア部2のコーン部2b外周面と一体に連結され、リブとしてアンカー引張部材10からの地面に対する垂直方向の力をコア部2の上側の板状体及びコーン部2bから直接受けつつ、力をアーム部3の底面部3b下面まで最短経路で伝え、各アーム部3で地盤を押圧できることにより、アンカー引張部材10からの力の流れをスムーズにしてアンカー引張部材10の張力に対するより高い強度を得られ、コア部2とアーム部3との簡略な連結構造と合わせ、大幅な軽量化と低コスト化、さらに設置作業の省力化が図れる。
【0027】
なお、前記実施の形態に係る受圧フレームにおいては、アーム部3を略T字型断面形状の部材とする構成としているが、これに限らず、アーム部3として山形鋼やH形鋼など地面と直角をなす略板状部分及びこの略板状部材と直交する別の略板状部分とを有する部材を用いる構成とすることもでき、前記同様に簡略な構造で高い強度を実現可能となる。また、平面形状も、コア部2に四つのアーム部3を固定した十字形状とする構成に限らず、所定数のアーム部3をそれぞれコア部2に放射状に固定した十字形状以外の所定対称形状にする構成、さらに、コア部2とアーム部3の下面側に所定形状の底板5を一体に接合して底板5を含んだ形状にする構成とすることができる。
【0028】
また、前記実施の形態に係る受圧フレームにおいて、一体に連続する状態であるコア部2の下側の板状体とアーム部3の底面部3bは、二つの独立した板状部材同士の接合により一体化している構成であるが、これに限らず、コア部2の上下の各板状体とこれら板状体と平行向きで一体に連続するアーム部の板状部分として、当初から前記両者を一体とした一枚の略板状部材を用いる構成とすることもでき、一連の部材がコア部2とアーム部3のそれぞれの所定部分を占めてコア部2とアーム部3が強固に一体化することとなり、全体で非常に高い強度を得られる。
【0029】
また、前記実施の形態に係る受圧フレームにおいては、アーム部3の起立部3a端部をリブの代りに用いる構成としているが、この他、起立部3と別体の略板状体からなるリブを、コア部2のコーン部2b外周面に側端部を固着させると共に上端部及び下端部をコア部2の二つの板状体にそれぞれ密着させてコーン部2bを中心に放射状に複数配設し、このリブをアーム部3の起立部3a端部と一体に固着して連結する構成とすることもでき、コア部2とアーム部3を別々に製造し、後で連結して一体化する場合でも前記同様高い強度を得られる。
【0030】
さらに、前記第1及び第2の各実施の形態に係る受圧フレームにおいては、コア部2の略筒状体として下方に向うほど拡径するコーン部2bを用いる構成としているが、これに限らず、一定径の円筒体など他の筒形状とすることもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アーム部の地面と略直角をなす略板状部分の端部がコア部の略筒状体外周面から突出する略板状体のリブと一体に連結され、アンカー引張部材からの地面に対する垂直方向の力をコア部の略筒状体からそれぞれ地面と略直角をなす各部材を通じてアーム部の地盤接触面まで最短経路で伝えることにより、コア部に加わるアンカー引張部材の張力をせん断力として無理なくアーム部に伝達してアーム部で地盤を確実に押圧できることとなり、アンカー引張部材の張力に対するより高い強度を得られ、従来に比べ強度を保ったまま軽量化も図れ、設置作業環境が厳しい箇所にも設置可能となることに加え、低コスト化と設置作業の省力化が図れるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明によれば、アーム部の一方の略板状部分のコア部寄り端部が延長されてコア部の略筒状体外周面に固着され、リブとしてアンカー引張部材からの力を略筒状体から直接受けつつ、アーム部が地面に対する垂直方向の力を地盤表面にそのまま伝達することにより、アンカー引張部材からの力の流れをスムーズにしてアーム部で地盤を効率よく押圧できると共に、コア部とアーム部との連結構造を簡略化してアーム部の強度向上とさらなる低コスト化が図れるという効果を有する。
【0033】
また、本発明によれば、コア部及びアーム部が中空の略箱状体で形成され、アーム部の側面におけるコア部寄り端部が、コア部の側面同士が隣接するコーナー部外側でコア部と一体化すると共に、リブがコア部の略筒状体外周面からコーナー部の内側にかけて配設され、アンカー引張部材からの地面に対する垂直方向の力をコア部の略筒状体から各リブ、さらにコーナー部を介してアーム部側面部に最短経路で伝達し、最終的にアーム部の地盤接触面まで伝えることにより、略箱状体を組合わせた構造であってもコア部に加わるアンカー引張部材の張力をせん断力として無理なくアーム部の側面部分に伝達してアーム部の地盤接触面で地盤を確実に押圧できることとなり、アンカー引張部材の張力に対する優れた強度を得られることに加え、略箱状体中空部分への充填で従来同様の強度や地盤保持力増強が図れるという効果を有する。
【0034】
また、本発明によれば、略筒状体を略コーン状に形成すると共に、略板状体の貫通孔径も略筒状体両端開口に合わせた形状とし、アンカー引張部材を中心孔内で傾角変更可能として、アンカー引張部材の受圧フレームに対する直角から所定範囲の傾きを許容することにより、アンカー引張部材が地盤表面に対する直角方向から傾けて地盤に配設されている場合でも、無理なく中心孔に通して受圧フレームを設置でき、且つ、アンカー引張部材をストレスなく緊張してそのまま受圧フレームと固定でき、確実に地盤を保持できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの底面図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの要部縦断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る他のグラウンドアンカー用受圧フレームの平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るグラウンドアンカー用受圧フレームの要部縦断面図である。
【図10】従来のグラウンドアンカー用受圧フレームの平面図である。
【図11】従来のグラウンドアンカー用受圧フレームの横断面図である。
【符号の説明】
1、100 受圧フレーム
2、101 コア部
2a、101a 中心孔
2b コーン部
3、102 アーム部
3a 起立部
3b 底面部
4 リブ
5、103 底板
10 アンカー引張部材
50 地盤
Claims (4)
- 貫通状態の中心孔を有するコア部と、前記コア部を中心に放射状に配置される複数のアーム部とを少なくとも備え、一端部を地盤中に固定されたアンカー引張部材の他端側地上露出部分を前記コア部の中心孔に通した状態で地盤表面に設置され、前記アンカー引張部材の地上露出部分を一体に固着されて地盤表面へ固定されるグラウンドアンカー用受圧フレームにおいて、
前記コア部が、所定の貫通孔を有する二つの略板状体を略平行となる状態で所定の略筒状体の両端にそれぞれ固定して形成されてなり、前記貫通孔を前記略筒状体の両端開口にそれぞれ連通させて貫通孔及び略筒状体内部を前記中心孔とされ、
前記アーム部が、少なくとも所定の略板状部分と当該略板状部分に略直交する別の略板状部分とが交線方向に所定長さ連続する所定部材で形成され、前記コア部の二つの略板状体に対し前記略板状部分のいずれか一方を略直角且つ他方を略平行となす向きで二つの略板状体間にそれぞれ固定されて前記コア部の略筒状体を中心とする放射状配置とされ、
前記コア部の略筒状体外周面に側端部を固着させると共に上端部及び下端部を前記二つの略板状体にそれぞれ密着させて略筒状体を中心に放射状に配置されてなる複数の略板状体のリブを備え、
当該リブが、前記コア部の二つの略板状体に対し略直角をなす前記アーム部の一方の略板状部分端部へ一体に連結され、また、コア部上側の略板状体を経て上端部に前記アンカー引張部材の緊張力を地盤表面側に向う応力として伝達されることを
特徴とするグラウンドアンカー用受圧フレーム。 - 前記請求項1に記載のグラウンドアンカー用受圧フレームにおいて、
前記アーム部の一方の略板状部分端部が、前記コア部の略筒状体寄りに延長されて形成され、コア部の二つの略板状体にそれぞれ密着すると共に、前記略筒状体外周面に一体に固着し、前記リブを兼ねることを
特徴とするグラウンドアンカー用受圧フレーム。 - 前記請求項1に記載のグラウンドアンカー用受圧フレームにおいて、
前記コア部が、前記二つの略板状体を上下面とする中空略箱状体で形成され、
前記アーム部が、前記コア部の各側面に固定されてコア部を中心に放射状に配置される中空略箱状体で形成され、当該略箱状体側面におけるコア部寄り端部がコア部のコーナー部外側でコア部と一体化してなり、
前記リブが、前記コア部の略筒状体から離れた側端部をコア部のコーナー部内側に固着されてなることを
特徴とするグラウンドアンカー用受圧フレーム。 - 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のグラウンドアンカー用受圧フレームにおいて、
前記コア部の略筒状体が地盤表面側に近付くほど拡径する略コーン状に形成されると共に、前記二つの略板状体の貫通孔もそれぞれ略筒状体両端開口に沿った所定径に形成されることを
特徴とするグラウンドアンカー用受圧フレーム。
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