JP4385947B2 - 物体検知センサ - Google Patents

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Description

本発明は、物体検知センサに関する。
物体検知センサとして、例えば、電波のドップラー効果を利用したドップラーセンサが用いられている。
図6は、ドップラーセンサの一例を示している。発振器1の出力は、ミキサ2並びに送信アンテナ3に接続されている。ミキサ2には、受信アンテナ4にて受信した受信信号も入力され、そこにおいて受信信号と発振器1からの出力信号とが周波数混合される。ミキサ2の出力は、判定部5に与えられる。
送信アンテナ3から送信された出力信号は、その前方に位置する対象物6に到達し、そこで反射された反射波が受信アンテナ4で受信される。受信アンテナ4で受信した受信信号の周波数、つまり反射波の周波数は、対象物6が固定されているとすると、出力信号の送信周波数、つまり発振器1の発振周波数と同一となる。
一方、対象物6が動体である場合、ドップラー効果により、反射波の周波数は、送信周波数と異なるものとなる。従って、動体である対象物6からの反射波を受信アンテナ4で受信した場合のミキサ2の出力は、所定周波数の交流信号となる。
判定部5は、バンドパスフィルタ,増幅器並びにCPUなどから構成され、例えば、ミキサ2から出力される信号の周波数が、3Hzから200Hzの場合に、動体である対象物6を検知したと判定する。
このようなドップラーセンサを応用した公知の物体検知装置が、特開2001−283347号公報に開示されている。
特開2001−283347号公報
ところで、上述のドップラーセンサにおいては、送信アンテナ3から送信された出力信号が対象物6にて反射する度合(出力信号の対象物6での反射度合)が大きいほど、対象物6を検知可能な距離(検知距離)は長くなる。すなわち、対象物6を検知する感度が高くなることになる。
このような特性から、ドップラーセンサにおいては、例えば、想定される複数の種類の対象物6のうち、出力信号の対象物6での反射度合が最も小さいもの(最も検知しにくい対象物)を検知できるように、その検知距離の設定が成されている。
しかしながら、この構造によれば、反射度合の異なる複数の種類の対象物6を検知する場合、対象物6の種類の違い(例えば、人体の場合と金属製の物体の場合)によって、ドップラーセンサの検知距離には明確な差(バラツキ)が生じてしまう。
したがって、対象物6の種類の違いによらないほぼ一定の検知距離が求められる場合には、ドップラーセンサを物体検知センサとして適用できなかった。
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、対象物の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明にて講じた第1の技術的手段は、請求項1に記載の様に、所定周波数の出力信号を生成する信号生成手段と、該信号生成手段にて生成された前記出力信号を対象物に向けて送信する送信手段と、該送信手段から送信された前記出力信号が前記対象物にて反射した反射信号を受信する受信手段とを備え、前記出力信号と前記反射信号とを混合することでドップラー信号を生成し、該ドップラー信号に基づいて前記対象物を検知する物体検知センサにおいて、前記ドップラー信号の交流成分及び直流成分のいずれか一方の大きさと少なくとも1つ設けられる第1閾値とを比較することで、前記出力信号の前記対象物での反射度合を検知する反射度合検知手段と、前記ドップラー信号の直流成分を所定の増幅率にて増幅する増幅手段と、該増幅手段により増幅された前記ドップラー信号の直流成分の大きさと前記第1閾値に対応して設けられる第2閾値とを比較する比較手段と、前記反射度合検知手段での検知結果に応じて前記増幅手段の増幅率を切り替える切り替え手段とを備え、前記比較手段での比較結果に応じて前記対象物の有無が検知される構成としたことである。
上記課題を解決するために、本発明にて講じた第2の技術的手段は、請求項2に記載の様に、所定周波数の出力信号を生成する信号生成手段と、
該信号生成手段にて生成された前記出力信号を対象物に向けて送信する送信手段と、該送信手段から送信された前記出力信号が前記対象物にて反射した反射信号を受信する受信手段とを備え、前記出力信号と前記反射信号とを混合することでドップラー信号を生成し、該ドップラー信号に基づいて前記対象物を検知する物体検知センサにおいて、前記ドップラー信号の交流成分及び直流成分のいずれか一方の大きさと少なくとも1つ設けられる第1閾値とを比較することで、前記出力信号の前記対象物での反射度合を検知する反射度合検知手段と、前記ドップラー信号の直流成分の大きさと前記第1閾値に対応して設けられる可変の第2閾値とを比較する比較手段と、前記反射度合検知手段での検知結果に応じて前記第2閾値を切り替える切り替え手段とを備え、前記比較手段での比較結果に応じて前記対象物の有無が検知される構成としたことである。
請求項に記載の発明によれば、増幅手段により所定の増幅率にて増幅されたドップラー信号の直流成分の大きさと第2閾値との比較結果に応じて、対象物の有無が検知される。この構造において、増幅手段の増幅率は、切り替え手段により、反射度合検知手段での検知結果に応じて切り替えられる。これにより、対象物の種類毎の検知距離の差を補正でき、対象物の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくできる。
請求項に記載の発明によれば、ドップラー信号の直流成分の大きさと可変の第2閾値との比較結果に応じて、対象物の有無が検知される。この構造において、可変の第2閾値は、切り替え手段により、反射度合検知手段での検知結果に応じて切り替えられる。これにより、対象物の種類毎の検知距離の差を補正でき、対象物の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を基に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るドップラーセンサ10(物体検知センサ)の構成を示す図である。
ドップラーセンサ10は、自身に対して移動し、且つ自身から所定範囲内に有る対象物9の有無を検知するものである。
発振器11(信号生成手段)は、ミキサ12、並びに送信アンテナ13に接続されている。発振器11にて生成された所定周波数の出力信号は、送信アンテナ13(送信手段)から対象物9に向けて放射される。送信アンテナ13から放射された出力信号は、対象物9にて反射し、この反射した信号(反射信号)が、受信アンテナ14(受信手段)にて受信される。本実施形態においては、送信アンテナ13と受信アンテナ14とが一体となっている。受信アンテナ14は、ミキサ12に接続されている。ミキサ12には、発振器11からの出力信号と、受信アンテナ14にて受信した反射信号とが入力される。
受信アンテナ14にて受信した反射信号の周波数は、対象物9がドップラーセンサ10に対して動かない場合、出力信号の周波数、つまり、発振器11の発振周波数と同一となる。また、対象物9がドップラーセンサ10に対して相対移動する場合は、ドップラー効果により、反射信号の周波数は、出力信号の周波数と異なるものとなる。したがって、対象物9がドップラーセンサ10に対して移動する場合、ミキサ12は、発振器11からの出力信号と受信アンテナ14にて受信した反射信号とを混合することで、ドップラー信号を生成する。ミキサ12にて生成されたドップラー信号は、増幅器15、16,17及び18にそれぞれ入力される。
増幅器15〜17(増幅手段)は、互いに異なる増幅率を有し、ミキサ12にて生成されたドップラー信号における直流成分(以下、DC成分とする)を増幅する。増幅器15の増幅率は、増幅器16の増幅率よりも大きく、増幅器16の増幅率は、増幅器17の増幅率よりも大きく設定されている。増幅器15〜17の出力(DC成分の大きさ)は、切り替えスイッチ19の各入力端子にそれぞれ与えられる。
増幅器18は、所定の増幅率を有し、ミキサ12にて生成されたドップラー信号における交流成分(以下、AC成分)を増幅する。増幅器18の出力は、ピークホールド回路20に与えられる。ピークホールド回路20は、増幅器18から入力された信号における最大値を保持する。この最大値とは、入力されたドップラー信号のAC成分における最大の振幅(電圧)であり、上述の送信アンテナ13から放射された出力信号が対象物9にて反射する度合(出力信号の対象物9での反射度合)に応じて変化する。ピークホールド回路20の出力(AC成分の大きさ)は、ピーク判定部21に与えられる。なお、増幅器18が、ミキサ12にて生成されたドップラー信号のDC成分を増幅する構造でも良い。この場合、ピークホールド回路20が保持する最大値は、ドップラー信号のDC成分における最大の値(電圧)となり、このピークホールド回路20の出力(DC成分の大きさ)が、ピーク判定部21に与えられる。
ピーク判定部21(反射度合検知手段)は、具体的には、比較器により構成される。ピーク判定部21は、ピークホールド回路20の出力と閾値V1及び閾値V2(第1閾値)との大小をそれぞれ比較し、この比較結果に応じた出力を行う。ピーク判定部21の出力は、切り替えスイッチ19に与えられる。閾値V1は、想定される複数の種類の対象物9のうち、最も検知しにくいものに対応して設定され、閾値V2は、この閾値V1よりも大きく設定されている。つまり、ピーク判定部21は、ドップラー信号に基づいて、出力信号の対象物9での反射度合を検知する構造となっている。
なお、本実施形態においては、2つの閾値V1、V2が設定されているが、これに限定されない。閾値の数を増やすと共に、これに対応して、切り替えスイッチ19に出力を与える増幅器の数を増やすことで、対象物9の検知距離のバラツキをより小さくできる。
切り替えスイッチ19(切り替え手段)は、自身に与えられた増幅器15〜17の出力のいずれかを、対象物判定部22に与えるものである。切り替えスイッチ19の出力は、ピーク判定部21からの入力に応じて切り替えられる。これにより、増幅器15〜17のいずれかの出力が、切り替えスイッチ19を介して、対象物判定部22に与えられる。具体的には、ピーク判定部21にて、上述したピークホールド回路20の出力が閾値V1を上回らない場合、増幅器15の出力が、対象物判定部22に与えられる。ピークホールド回路20の出力が閾値V1を上回り、且つ閾値V2を上回らない場合、その増幅率が増幅器15よりも小である増幅器16の出力が、対象物判定部22に与えられる。また、ピークホールド回路20の出力が閾値V2を上回る場合、その増幅率が増幅器16よりも小である増幅器17の出力が、対象物判定部22に与えられる。つまり、切り替えスイッチ19は、ピーク判定部21での比較結果に応じて、ミキサ12にて生成されたドップラー信号の直流成分を増幅する度合(増幅率)を3段階に切り替えている。
対象物判定部22(比較手段)は、切り替えスイッチ19により与えられた増幅器15〜17のいずれかの出力と閾値V3(第2閾値)との大小を比較する比較器で、比較結果に応じて、検知信号及び非検知信号のいずれかの信号を出力する。閾値V3は、上述の閾値V1に対応して設けられている。以上の増幅器15〜17、切り替えスイッチ19、及び対象物判定部22は、感度調節手段30を成している。
対象物9がドップラーセンサ10から所定範囲内に有る場合、対象物判定部22においては、与えられた増幅器15〜17のいずれかの出力が閾値V3を上回り、対象物判定部22は、検知信号を制御装置(図示なし)に出力する。逆に、対象物9がドップラーセンサ10から所定範囲内に無い場合、対象物判定部22においては、与えられた増幅器15〜17のいずれかの出力が閾値V3を上回らず、対象物判定部22は、検知信号とは異なるレベルを持つ非検知信号を制御装置(図示なし)に出力する。これら2種類の信号により、ドップラーセンサ10から所定範囲内に有る対象物9が検知される。
以上の様に、対象物9の有無を検知する感度は、増幅器15〜17、切り替えスイッチ19、及び対象物判定部22を備える感度調節手段30により、ピーク判定部21にて検知された反射度合に応じて調節される構造となっている。
次に、ドップラーセンサ10が対象物9を検知する態様について、図1及び図2を参照して説明する。図2は、ドップラーセンサ10が対象物9を検知する態様を示すフローチャートである。
ドップラーセンサ10に対して対象物9が接近するにつれて、ドップラーセンサ10においては、ミキサ12にて生成されるドップラー信号のAC成分の振幅が徐々に大きくなる。これにともなって、ピークホールド回路20からピーク判定部21に与えられる出力が、徐々に大きくなる。
ピーク判定部21においては、ピークホールド回路20の出力(AC成分の大きさ)と閾値V1及び閾値V2との大小が、常時比較される(ステップ1,2)。
ピーク判定部21にて、ピークホールド回路20の出力が閾値V1を上回り、且つ閾値V2を上回らない場合、切り替えスイッチ19の出力が切り替えられ、増幅器16の出力が、切り替えスイッチ19を介して対象物判定部22に与えられる(ステップ3)。
ピーク判定部21にて、ピークホールド回路20の出力が閾値V2を上回る場合、切り替えスイッチ19の出力が切り替えられ、増幅器17の出力が、切り替えスイッチ19を介して対象物判定部22に与えられる(ステップ4)
増幅器16の出力が対象物判定部22に与えられる場合は、対象物判定部22にて、増幅器16の出力(DC成分の大きさ)と閾値V3との大小が比較される。そして、増幅器16の出力が閾値V3を上回った時点で、ドップラーセンサ10から所定範囲内に有る対象物9が検知される(ステップ5)。なお、対象物9が検知されるまでの間も、ピーク判定部21においては、ピークホールド回路20の出力と閾値V2との大小が比較され、ピークホールド回路20の出力が閾値V2を上回った場合には、ステップ4の処理が行われる。
増幅器17の出力が対象物判定部22に与えられる場合は、対象物判定部22にて、増幅器17の出力(DC成分の大きさ)と閾値V3との大小が比較される。そして、増幅器17の出力が閾値V3を上回った時点で、ドップラーセンサ10から所定範囲内に有る対象物9が検知される(ステップ6)。
ピーク判定部21にて、ピークホールド回路20の出力が閾値V1を上回らない場合には、切り替えスイッチ19の出力が切り替えられ、増幅器15の出力が、切り替えスイッチ19を介して対象物判定部22に与えられる(ステップ7)。
増幅器15の出力が対象物判定部22に与えられる場合は、対象物判定部22にて、増幅器15の出力(DC成分の大きさ)と閾値V3との大小が比較される。そして、増幅器15の出力が閾値V3を上回った時点で、ドップラーセンサ10から所定範囲内に有る対象物9が検知される(ステップ8)
なお、以上の説明においては、互いに増幅率の異なる増幅器15〜17のいずれかの出力が、切り替えスイッチ19を介して対象物判定部22に与えられ、対象物判定部22にて当該出力と閾値V3との大小が比較される構造となっていたが、これに限定されない。
例えば、図3に示すドップラーセンサ10’において、増幅器15’の出力が、切り替えスイッチ19’(切り替え手段)を介して異なる閾値V31’〜V33’(第2閾値)をそれぞれ有する対象物判定部221’〜223’(比較手段)のいずれかに与えられ、当該対象物判定部にて、増幅器15’の出力(ドップラー信号のDC成分の大きさ)と当該閾値との大小が比較される構造としても良い。閾値V32’は、閾値V31’よりも大きく、閾値V33’は、閾値V32’よりも大きく設定されている。発信器11’、ミキサ12’、送信アンテナ13’、受信アンテナ14’、増幅器18’、ピークホールド回路20’、及びピーク判定部21’の作用は、上述したドップラーセンサ10におけるものと同様である。
ピーク判定部21’(反射度合検知手段)は、ピークホールド回路20’の出力と閾値V1’及び閾値V2’(第1閾値)との大小を比較し、この比較結果に応じた出力を行う。閾値V1’は、想定される複数の種類の対象物9’のうち、最も検知しにくいものに対応して設定され、閾値V2’は、この閾値V1’よりも大きく設定されている。つまり、ピーク判定部21’は、ドップラー信号に基づいて、出力信号の対象物9’での反射度合を検知する構造となっている。
切り替えスイッチ19’の出力は、ピーク判定部21’からの入力に応じて切り替えられる。ピーク判定部21’にて、上述したピークホールド回路20’の出力が閾値V1’を上回らない場合、増幅器15’の出力は、切り替えスイッチ19’を介して、閾値V31’を有する対象物判定部221’に与えられる。ピークホールド回路20’の出力が閾値V1’を上回り、且つ閾値V2’を上回らない場合、増幅器15’の出力は、閾値V31’よりも大である閾値V32’を有する対象物判定部222’に与えられる。また、ピークホールド回路20’の出力が閾値V2’を上回る場合、増幅器15’の出力は、閾値V32’よりも大である閾値V33’を有する対象物判定部223’に与えられる。つまり、切り替えスイッチ19’は、ピーク判定部21’での比較結果に応じて、対象物判定部221’〜223’にて増幅器15’の出力と比較される閾値を3段階(V31’〜V33’のいずれか)に切り替えている。
対象物判定部221’〜223’(比較手段)は、切り替えスイッチ19’により与えられた増幅器15’の出力とそれぞれが有する閾値V31’〜V33’との大小を比較する比較器で、比較結果に応じて、検知信号及び非検知信号のいずれかの信号を出力する。閾値V31’は、上述した閾値V1’に対応して設けられている。以上の切り替えスイッチ19’及び対象物判定部221’〜223’は、感度調節手段30’を成している。
なお、本実施形態においては、2つの閾値V1’、V2’、並びに3つの閾値V31’〜V33’が設定されているが、これに限定されない。閾値の数を増やすと共に、これに対応して、閾値(対象物判定部)の数を増やすことで、対象物9の検知距離のバラツキをより小さくできる。
対象物9’がドップラーセンサ10’から所定範囲内に有る場合、対象物判定部221’においては、与えられた増幅器15’の出力が閾値V31’を上回り、対象物判定部221’は、検知信号を出力する。逆に、対象物9’がドップラーセンサ10’から所定範囲内に無い場合、対象物判定部221’においては、与えられた増幅器15’の出力が閾値V31’を上回らず、対象物判定部221’は、検知信号とは異なるレベルを持つ非検知信号を出力する。これらの2種類の信号により、ドップラーセンサ10’から所定範囲内に有る対象物9’が検知される。なお、対象物判定部222’,223’においても、対象物判定部221’と同様な態様にて、検知信号及び非検知信号が出力される。
以上の様に、対象物9’の有無を検知する感度は、切り替えスイッチ19’及び対象物判定部221’〜223’を備える感度調節手段30’により、ピーク判定部21’にて検知された反射度合に応じて調節される構造となっている。
以上に説明したドップラーセンサ10,10’は、図4及び図5に示す様な、車両の電動式スライドドア、電動式バックドアに適用できる。
前者の場合、スライドドア40にドップラーセンサ10(10’)を設置することで、スライドドア40が閉方向(図中矢示方向)に作動する時に、挟み込み検知センサとして機能する。また、後者の場合、バックドア50にドップラーセンサ10(10’)を設置することで、バックドア50が開方向(図中矢示方向)に作動する時に、バックドア50の外側の障害物検知センサとして機能する。
なお、以上の説明においては、閾値V1(V1’)が、想定される複数の種類の対象物9(9’)のうち、最も検知しにくいものに対応して設定されているが、これに限定されない。例えば、想定される複数の種類の対象物9(9’)のうち、検知する頻度が最も高いものに対応して設定しても良い。この場合、閾値V1に対応して設けられる閾値V2や閾値V3、閾値V1’に対応して設けられる閾値V2’や閾値V31’等を適宜に設定する必要がある。
以上説明した様に、本発明のドップラーセンサ10によれば、出力信号の対象物9での反射度合がピーク判定部21により検知され、この検知された反射度合に応じて、対象物9の有無を検知する感度を感度調節手段30が調節する。この構造によれば、反射度合の異なる複数の種類の対象物9を検知する場合であっても、感度を調節することで、対象物9の種類毎の検知距離の差を補正できる。その結果、対象物9の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくできる。
また、本発明によれば、ドップラー信号の大きさと閾値V1及びV2との大小比較により、出力信号の対象物9での反射度合が検知される。つまり、閾値V1及びV2により、反射度合の異なる複数の種類の対象物9が区別される。したがって、検知された反射度合に応じて対象物9の種類毎の検知距離の差を補正することで、対象物9の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくできる。
また、本発明によれば、増幅器15〜17のいずれかにより所定の増幅率にて増幅されたドップラー信号の直流成分の大きさと閾値V3との比較結果に応じて、対象物9の有無が検知される。この構造において、ドップラー信号の直流成分を増幅する度合(増幅率)は、切り替えスイッチ19により、ピーク判定部21での検知結果に応じて3段階に切り替えられる。これにより、対象物9の種類毎の検知距離の差を補正でき、対象物9の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくできる。
また、本発明によれば、ドップラー信号の直流成分の大きさと可変の閾値(閾値31’〜V33’)との比較結果に応じて、対象物9’の有無が検知される。この構造において、可変の閾値は、切り替えスイッチ19’により、ピーク判定部21’での検知結果に応じて3段階(閾値31’〜V33’のいずれか)に切り替えられる。これにより、対象物9’の種類毎の検知距離の差を補正でき、対象物9’の種類の違いによる検知距離のバラツキを小さくできる。
本発明の一実施形態に係るドップラーセンサ10の構成を示す図。 ドップラーセンサ10が対象物9を検知する態様を示すフローチャート。 本発明の他の実施形態に係るドップラーセンサ10’の構成を示す図。 ドップラーセンサ10(10’)の適用例を示す図。 ドップラーセンサ10(10’)の適用例を示す図。 従来の物体検知センサを示す図。
符号の説明
9,9’ 対象物
10,10’ ドップラーセンサ(物体検知センサ)
11,11’ 発振器(信号生成手段)
13,13’ 送信アンテナ(送信手段)
14,14’ 受信アンテナ(受信手段)
15〜17 増幅器(増幅手段、感度調節手段)
19,19’ 切り替えスイッチ(切り替え手段、感度調節手段)
21,21’ ピーク判定部(反射度合検知手段)
22 対象物判定部(比較手段、感度調節手段)
221’〜223’ 対象物判定部(比較手段、感度調節手段)
30,30’ 感度調節手段
V1,V1’ 閾値(第1閾値)
V2、V2’ 閾値(第1閾値)
V3 閾値(第2閾値)
V31’ 閾値(第2閾値)
V32’ 閾値(第2閾値)
V33’ 閾値(第2閾値)

Claims (2)

  1. 所定周波数の出力信号を生成する信号生成手段と、
    該信号生成手段にて生成された前記出力信号を対象物に向けて送信する送信手段と、
    該送信手段から送信された前記出力信号が前記対象物にて反射した反射信号を受信する受信手段とを備え、
    前記出力信号と前記反射信号とを混合することでドップラー信号を生成し、該ドップラー信号に基づいて前記対象物を検知する物体検知センサにおいて、
    前記ドップラー信号の交流成分及び直流成分のいずれか一方の大きさと少なくとも1つ設けられる第1閾値とを比較することで、前記出力信号の前記対象物での反射度合を検知する反射度合検知手段と、
    前記ドップラー信号の直流成分を所定の増幅率にて増幅する増幅手段と、
    該増幅手段により増幅された前記ドップラー信号の直流成分の大きさと前記第1閾値に対応して設けられる第2閾値とを比較する比較手段と、
    前記反射度合検知手段での検知結果に応じて前記増幅手段の増幅率を切り替える切り替え手段とを備え、
    前記比較手段での比較結果に応じて前記対象物の有無が検知されることを特徴とする物体検知センサ。
  2. 所定周波数の出力信号を生成する信号生成手段と、
    該信号生成手段にて生成された前記出力信号を対象物に向けて送信する送信手段と、
    該送信手段から送信された前記出力信号が前記対象物にて反射した反射信号を受信する受信手段とを備え、
    前記出力信号と前記反射信号とを混合することでドップラー信号を生成し、該ドップラー信号に基づいて前記対象物を検知する物体検知センサにおいて、
    前記ドップラー信号の交流成分及び直流成分のいずれか一方の大きさと少なくとも1つ設けられる第1閾値とを比較することで、前記出力信号の前記対象物での反射度合を検知する反射度合検知手段と、
    前記ドップラー信号の直流成分の大きさと前記第1閾値に対応して設けられる可変の第2閾値とを比較する比較手段と、
    前記反射度合検知手段での検知結果に応じて前記第2閾値を切り替える切り替え手段とを備え、
    前記比較手段での比較結果に応じて前記対象物の有無が検知されることを特徴とする物体検知センサ。
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