JP4385474B2 - 艶消し塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、艶消し塗被紙に関し、製本工程等で発生する印刷インキが白紙部に転移する問題を起こさず、高速操業性に優れ、白紙光沢度が低く高白色度で印刷品質の優れた艶消し塗被紙を低コストで製造する、艶消し塗被紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
出版、印刷用塗被紙のユーザーニーズの多様化が進むなかで、艶がなくしっとり感があり、目に優しい、読みやすいといった特徴を有する艶消し塗被紙は、カタログ、パンフレット、カレンダーや商業出版用本文用紙等に幅広く使用されている。艶消し塗被紙は、白紙光沢度を低く押さえるために、グロス調の塗被紙に比較して、より粒子の粗い顔料を多く配合した塗被液を塗被し、そのまま製品化するかあるいは軽度のカレンダー処理を行って製品化する。これら艶消し塗被紙はオフセット印刷機を用いて枚葉で印刷されるケースが多く、(1)印刷後の工程において、枚葉で積み重ねられた状態で表紙印刷面と裏表紙白紙面が接触してこすれが生じた場合や、(2)出版物の製本工程での折り機や丁合機で印刷部と白紙部が接触した場合などに、印刷インキが白紙面に転移し印刷物の品質を大きく損ねるトラブル(以後インキ落ちと称す)を抱えているのが現状である。
インキ落ちの主な原因としては、白紙光沢度を低く抑えるために不定形で比較的粗い炭酸カルシウムを多く配合していることにより、印刷部と白紙部が接触した際に、白紙が印刷インキを掻き取ってしまうことが考えられる。艶消し塗被紙は比較的高級な印刷物に多く用いられていることから、艶消し塗被紙特有のインキ落ちの問題を抱えていると、高級印刷用途としての機能を果たさなくなる。しかし、インキ落ちの問題を抱えているにもかかわらず、炭酸カルシウムを多く配合した塗被紙のニーズは強い。これは高白色な製品を求める消費者ニーズによるものであり、近年ますますその傾向は高まっている。現在のところ、このような消費者ニーズを満足させるためには炭酸カルシウムを高配合する技術は不可欠であり、インキ落ちの改善が切望されている。
艶消し塗被紙のインキ落ちを解決する手段として、本発明者等はこれまでに塗被液中にデラミネーテッドクレーを配合する方法(特開平5−5297号公報)、炭酸カルシウムを50〜80重量%、クレーを50〜20重量%配合した塗被液を塗被後、高温でソフトカレンダー処理する方法(特開平5−117995号公報)、平均粒子径が3μm以下の炭酸カルシウムを20重量%以上配合した塗被液を下塗り後、クレーを60重量%以上配合した塗被液を上塗り塗被する方法(特開平5−214699号公報)や、顔料塗被液中に特定の潤滑剤を特定量添加する方法(特開平6−158594号公報)等を見い出した。また、その他の既存技術としては、顔料に平均粒子径が8〜30μmであるポリオレフィン樹脂を0.2〜3重量%顔料塗被液に添加する方法(特開平8−20591号公報)などが挙げられる。
これらの既存技術のなかで、エッジの少ない板状の形状を有するカオリンやクレーを高配合する方法では、配合量が増えるとともに白紙光沢度が高くなり、艶消し面が得られにくいだけでなく、顔料単価も不定形状の重質炭酸カルシウムと比較すると2倍近く高くなるためコストアップが避けられなかった。また、高速操業性の低下や白色度低下などの問題があるため、白色度が高い製品を求める消費者ニーズを満足させるには至っていない。一方、塗被液中に潤滑剤を添加する方法についても、実際にインキ落ちの改善に寄与しているのは塗被紙表層の潤滑剤であり、潤滑剤の添加量の低減や、印刷品質のなかでもインキ着肉が低下する問題等が課題として残っている。
また、特開平8−209591号公報については、ポリオレフィン樹脂を多量に添加してもインキ落ち改善効果は十分とは言い難いレベルであった。さらに、高速せん断速度下での塗被液粘度を上昇させるために、塗被速度の低下を余儀なくされるだけでなく、樹脂の平均粒子径が大きいために、樹脂がパウダー状の場合は、ブレードコータではブレード刃先汚れやスタラクタイト(塗被液が半乾燥状態で鐘乳石状に堆積する現象)などが発生し、塗被紙の表面性を著しく低下させる問題が認められた。また、塗被液中に多量に添加するため、コスト的にも大幅なアップは避けられないのみならず、ポーラスな塗被層を形成するためインキ乾燥性が極端に速くなり、印刷後光沢が低下する問題も認められた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は上記のごとき艶消し塗被紙固有の問題であるインキ落ちを改善し、高速操業性に優れ、白紙光沢度が低く高白色で印刷品質の優れた艶消し塗被紙を低コストで提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、離型剤(顔料と接着剤を主成分とするものは除く)の塗布量が塗被紙の片面当たり0.5〜50mg/m2層表面に塗布することにより、本発明を成すに至った。
【0005】
本発明では、離型剤を塗被紙表面に塗布することによって艶消し塗被紙で問題となるインキ落ちを改善するが、これは離型剤の潤滑効果によって白紙が印刷物と擦れる際の摩擦抵抗を大幅に軽減するとともに、塗被紙表面に塗布された離型剤が白紙顔料と印刷物が接触する面積を少なくすることによるものと考えられる。また、本発明を用いれば塗被液中に添加する場合と異なり、離型剤が塗被紙表面に局在するために、ごく少量で優れたインキ落ち改善効果を発現し、製造コスト削減に対しても絶大な効果を発揮する。
また、本発明は塗被液中の顔料100重量部に対して重質炭酸カルシウムあるいは沈降性炭酸カルシウムを50重量部以上高配合した、インキ落ち適性が比較的劣る艶消し塗被紙において、特にその効果を発揮するものである。
また、離型剤の塗布量や塗布方法については、離型剤の塗布量は塗被紙の片面当たり0.5〜50mg/m2程度で十分であり、特に1〜20mg/m2であることが好ましい。また、離形剤の塗布装置としては、離型剤を高濃度で使用できるために乾燥負荷の軽減が可能であるのみならず、ごく微量の噴霧量で離型剤を塗被紙表面に均一に塗布することができ、印刷品質も良好な噴霧形式が好ましく、その中でも噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である二流体形式のものが好ましい。また、本発明で使用される離型剤についても特に限定されるものではないが、塗被紙品質のなかでもインキ着肉等を考慮するとポリエチレン系の離型剤が好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では、原紙に顔料と接着剤を有する塗被層を設けた塗被紙表面に離型剤を塗布するが、離型剤で塗被紙の表面全体を覆う必要はないため、ごく微量の塗布量で優れた効果を発現する。
【0007】
また、離型剤の塗布方法については、離型剤を霧化して塗被紙表面に塗布する噴霧方式や、ロール上に離型剤の薄膜を形成して塗被紙表面に塗布する転写方式等が挙げられるが、インキ落ちを改善し、印刷品質を良好にするには、噴霧方式で塗布するほうが好ましい。
噴霧方式の塗布装置としては、ごく一般に使用されている一流体、あるいは二流体方式の噴霧装置であり、噴霧ノズルのタイプとしては環状に噴霧する空円錐形ノズル、円形状に噴霧する充円錐形ノズル、正方形状に噴霧する充角錐形、充矩形ノズル、直線状に噴霧する扇形ノズル等が挙げられ、離型剤が塗被紙の幅方向に対して均一に噴霧されるよう、ノズル径、ノズル数、ノズル間隔や配列パターン、あるいは噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度などを適宜調節する。離型剤を霧化する方法については、一流体形式の場合は、圧搾空気あるいは加圧蒸気により直接圧力を掛けてノズルから噴射する方式であり、ノズル出口付近のノズル側面に微細な穴をあけて空気をノズル内に吸引してもよい。二流体形式の噴霧装置の場合は、ノズル内部で圧搾空気・加圧蒸気と液が混じり、微粒化する内部混合形、ノズル内部で圧搾空気・加圧蒸気と液が混じり、微粒化する外部混合形、微粒化した粒子どうしをさらに衝突させ均質化・微粒化する衝突形等が挙げられる。また、噴霧された粒子が塗被紙表面に付与されやすいように、噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度、二流体方式の場合は液と圧搾空気・加圧蒸気の混合比、或いは離型剤濃度や粘度等を適宜調節する。また、ごく微量で離型剤を塗被紙表面に均一に噴霧するためには、霧化された離型剤の粒子径はできる限り微小であるほうが好ましいが、細かくなりすぎると空気抵抗や塗被紙表面に随伴する伴流空気などによって噴霧速度が低下し、特に塗被速度が速い場合などは塗被紙表面に付与されにくくなることから、噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度、二流体方式の場合は液と圧搾空気・加圧蒸気の混合比、或いは離型剤濃度や粘度等を適宜調節し、塗被条件に適した粒子径に調節しなくてはならない。伴流空気の影響が大きい場合は、伴流空気を除去するために吸引装置や邪魔板等を設置してもかまわない。また、塗被紙表面に塗布されずにミストとして浮遊している粒子は、吸引・回収して再度噴霧される。また、これらの噴霧形式の装置の中でも、離型剤を高濃度で使用できるために乾燥負荷の軽減が可能であるのみならず、ごく微量の噴霧量で離型剤を塗被紙表面に均一に塗布することができ、噴霧速度や霧の粒子径等の調整が容易である二流体形式のものが好ましい。
また、離型剤を塗布するタイミングは、塗被原紙に塗被液を塗被した後であれば、製造工程のどこであってもかまわず、塗被層が湿潤状態であっても乾燥状態であっても構わない。但し、塗被層が乾燥状態の場合は、離型剤を塗布した後に速やかに塗被紙を乾燥させることが好ましい。また、本発明は単層塗被紙、多層塗被紙のいずれにおいても適応可能である。
離型剤の塗布量は塗被紙の片面当たり0.5〜50mg/m2の範囲で調整され、0.5mg/m2よりも少ない場合はインキ落ち改善効果が発現されにくい傾向にあり、50mg/m2より多い場合は塗布量が過剰であるため、インキ着肉性に劣る傾向にある。より好ましくは、1〜20mg/m2である。
また、本発明で使用される離型剤はごく一般に使用されている"いわゆる離型剤と呼ばれている"液状の薬剤であり、例えばワックス系、ポリエチレン系、ステアリン酸塩系、高級脂肪酸およびその誘導体、シリコーンオイル系等の離型剤が挙げられ、これらのなかでもインキ着肉などの印刷品質を考慮するとポリエチレン系の離型剤が好ましい。また、本発明においては、離型剤の効果を損なわない限り、必要に応じて、上記離型剤以外にカオリン、クレー、タルク、ホワイトカーボンなどの無機顔料や、尿素ホルマリン樹脂粒子やポリスチレンを主成分とするプラスチック樹脂などの有機顔料、あるいはスチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル共重合体あるいはその変性物である高分子合成ラテックス、酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、エーテル化デンプン、酵素変性デンプン、冷水可溶性デンプンやカルボキシメチルセルロース等の水溶性バインダーなどを加えても良い。
本発明は、塗被液の構成成分として使用される顔料、接着剤については特定するものではなく、顔料としては、ごく一般に製紙用として使用される重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、二酸化チタン、サチンホワイト、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の無機顔料や、尿素ホルマリン樹脂粒子やポリスチレンを主成分とするプラスチック樹脂粒子等の有機顔料が挙げられるが、本発明は塗被液中の顔料100重量部に対して重質炭酸カルシウムあるいは沈降性炭酸カルシウムを50重量部以上高配合した艶消し塗被紙において、特にその効果を発揮するものである。
また、本発明で使用される接着剤としては、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル共重合体あるいはその変性物である高分子合成ラテックス、酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、エーテル化デンプン、酵素変性デンプン、冷水可溶性デンプンやカルボキシメチルセルロース等の水溶性バインダーが使用される。
【0008】
また、本発明の塗被液には分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤を使用しても良い。
【0009】
かくして調製された塗被組成物は、一般の塗被紙製造に用いられているブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、バーコータ等の塗被装置を設けたオンマシンあるいはオフマシンコータによって原紙上に単層あるいは多層塗被される。その際の塗被液濃度は、45〜68%の範囲が好ましく、塗被量は5〜30g/m2の範囲で調節される。また、本発明で使用される塗被原紙は、塗被紙用にごく一般に使用されるものであり、上質系であっても中質系であっても構わない。また、製造方法についても特に規定はなく、酸性抄紙であっても中性抄紙であっても構わない。また、表面サイズやプレ塗被、カレンダー処理等についても必要に応じて適宜行ってもかまわない。
また、本発明では、塗被原紙に顔料塗被液を塗被した後に離型剤を塗布、乾燥することによって艶消し塗被紙を製造するが、塗被層を乾燥させる装置としてはごく一般に製紙用として使用される熱風乾燥機、赤外線乾燥機、高周波乾燥機等が挙げられる。かくして製造された塗被紙はそのまま製品化されるか、或いは必要に応じて軽度のカレンダー処理を施されて製品化される。その場合、本発明で用いるカレンダー装置としては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、マットカレンダー、ブラシカレンダー、スチールカレンダー等が挙げられ、塗被紙の白紙光沢度が50%以下、好ましくは40%以下になるよう処理圧や処理速度、処理温度等を調節する。
【0010】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、これらによって本発明は何等制約を受けるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
〈品質評価方法〉
(1)インキ落ち評価
印刷インキとして東洋インキ製TKマークVニュー617(墨)を使用し、RI−II型印刷機(明製作所製)を用いて印刷し、一昼夜放置して乾燥させて評価用の印刷物とした。なお、インキ量はインキ濃度計(Macbeth社製)を用いて測定したインキ濃度が2.0になるように調節した。次に、印刷物を周速5m/minのロール上に固定し、印刷物と同一の白紙を周速10m/minのロールに固定して周速の異なるロール間で50kgf/cmの押し付け圧力下で擦り合わせ、印刷紙から白紙に転移したインキ濃度を目視で相対評価した。
◎:インキ落ち発生しない、○:インキ落ちわずかに発生する、△:インキ落ち発生多い、×:インキ落ち発生が著しい
(2)離型剤塗布量の定量方法
噴霧量がごく微量であるため、直接的な定量は不可能である。そこで、離型剤を塗布する方 法と同様に青味染料溶液を塗被紙表面に塗布し、クロマトスキャナー(島津製作所製、CS−9000)を用いて、560nmの可視光線を塗被紙表面に照射し、吸光度から青味染料濃度を測定し、塗布量と青味染料濃度の関係からあらかじめ作成した検量線から、離型剤の塗布量を求めた。
(3)白紙光沢度
JIS P-8142に従い角度75°で測定した。
(4)白色度
ハンター白色度計を用いてJIS P-8123に従って測定した。
(5)印刷後光沢
RI−II型印刷機(明製作所製)を用いて、オフセット印刷用の紅インキ(サカタインクス製、ダイアトーンGSL)を0.35ml使用して印刷し、一昼夜放置後、JIS P-8142に従い75°光沢度を測定した。
(6)インキ着肉
RI−II型印刷機(明製作所製)を用いて、オフセット印刷用の紅インキ(サカタインクス製、ダイアトーンGSL)を0.35ml使用して印刷し、一昼夜放置後、濃度計(マクベス社製)を用いて印刷物表面の紅インキ濃度を測定した。
(7)スタラクタイト発生状況
塗被時にブレード刃先に発生する、スタラクタイトの発生状況を目視評価した。
◎:ほとんど発生しない、○:わずかに発生する、△:発生多い、×:発生が著しい
(8)ストリーク発生状況
塗被紙表面に発生したストリークの状況を目視評価した
◎:全く発生しない、○:ほとんど発生しない、△:発生多い、×:発生が著しい
[実施例1]
顔料100部に対して、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを0.5部を添加した水溶液に、カウレス分散機を用いて重質炭酸カルシウム80部、カオリン20部を分散し、濃度75%の顔料分散液を調製した。この顔料分散液に対して、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス9部、燐酸エステル化澱粉4部、水を加えて固形分濃度65%の塗被液を調製した。この塗被液を坪量60g/m2の上質原紙の一次面に、塗被量が固形分で13g/m2になるようにブレードコーターを用いて、塗被速度1300m/minで塗被した直後に、固形分濃度20%のポリエチレン系の離型剤(HYTEC E−8852、東邦化学工業製)を、二流体方式の噴霧装置を用いて噴霧速度30m/secの条件で、湿潤状態の塗被紙表面に片面当たり2mg/m2噴霧し、熱風乾燥機で乾燥した。二次面に対しても同様に塗被、噴霧、乾燥を行った後にリールで巻き取って艶消し塗被紙を製造した。製造された艶消し塗被紙は裁断後、一昼夜調湿して評価用サンプルとした。
[実施例2]
ワックス系の離型剤(ダイジットEY、互応化学工業製)を使用した以外は、実施例1と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[実施例3]
シリコーンオイル系の離型剤(KM−740、信越化学工業製)を使用した以外は、実施例1と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[実施例4]
塗布量を0.7mg/m2とした以外は、実施例1と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[実施例5]
塗被液を塗被し、熱風ドライヤーで乾燥した乾燥状態の塗被紙表面に、ポリエチレン系の離型剤を塗布した以外は実施例1に従って塗被紙を製造した。
[実施例6]
塗布量を25mg/m2とした以外は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
[比較例1]
ポリエチレン系の離型剤を塗被紙表面に噴霧しなかった以外は、実施例1と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[比較例2]
ポリエチレン系の離型剤を塗被紙表面に噴霧するかわりに、塗被液中の顔料100部に対してポリエチレン系の離型剤を塗被液中に0.02部添加した以外は、実施例1と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[比較例3]
ワックス系の離型剤を塗被液中の顔料100部に3.0部添加した以外は、比較例2と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[比較例4]
平均粒子径8.0μmのポリオレフィン樹脂パウダーを塗被液中の顔料100部に対して3.0部添加した以外は、比較例2と同様に艶消し塗被紙を製造した。
[比較例5]
塗被液中に重カル30部、カオリン70部を配合し、離型剤を塗布しなかった以外は実施例1に従って塗被紙を製造した。
以上の結果を表1に示した。
【0011】
【表1】
Figure 0004385474
表1から明らかなように、実施例1〜6はインキ落ち適性が優れ、白紙光沢が低く高白色度で、印刷後光沢が高くインキ着肉に優れ、高速操業性も全く問題ない。これに対して、比較例1、2はインキ落ちが劣る。比較例3は印刷後光沢が低くインキ着肉も劣る。比較例4はインキ落ちが劣り、印刷後光沢が低くインキ着肉も劣る。さらに、スタラクタイトの発生が著しく高速操業性が大きく劣り、ストリークの発生も著しい。比較例5は白紙光沢度が高過ぎるのみならず、白色度も低い。また、スタラクタイトやストリークの発生も認められる。従って、本発明により製造された艶消し塗被紙は従来にない優れた塗被紙品質を与え、その効果は極めて大なるものがある。
【0012】
【発明の効果】
艶消し塗被紙固有の問題であるインキ落ちを改善し、高速操業性に優れ、白紙光沢度が低く高白色度で、高印刷品質な艶消し塗被紙を低コストで提供することができる。

Claims (4)

  1. 原紙に顔料と接着剤を有する塗被層を設けた艶消し塗被紙において、塗被層表面に離型剤(顔料と接着剤を主成分とするものを除く)の塗布量が塗被紙の片面当たり0.5〜50mg/m2を設けたことを特徴とする艶消し塗被紙。
  2. 顔料100重量部当たり炭酸カルシウムを50重量部以上配合することを特徴とする請求項1に記載の艶消し塗被紙。
  3. 前記塗被層表面に離型剤のみを設けることを特徴とする請求項1に記載の艶消し塗被紙。
  4. 原紙に顔料と接着剤を有する塗被液を塗被することにより得られる艶消し塗被紙おいて、塗被紙表面に離型剤(顔料と接着剤を主成分とするものを除く)を噴霧方式で塗布量が塗被紙の片面当たり0.5〜50mg/m2塗布することを特徴とする艶消し塗被紙の製造方法。
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