<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機としてのパチンコ機2の正面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠3、遊技盤ユニット5、ガラス10、発射ユニット(不図示)、球皿14を有している。発射ユニットは、1個ずつ遊技球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能である。
パチンコ機2は、遊技者が後述する発射装置ハンドル15を操作することによって、遊技領域16に向けて遊技球23が発射ユニットによって発射され、遊技球23の流下による遊技が実現される。なお、遊技機は、パチンコ機2の他にパチンコ式スロットマシン機、コインゲーム機等のアーケードマシン、各種ゲーム機を概念することができ、要するに、遊技媒体の流下による遊技を実現する遊技領域を有するあらゆる遊技機が含まれる。なお、パチンコ機においても、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種タイプのパチンコ機について例示説明する。なお、図柄変動遊技については後述する。
パチンコ機2の遊技機枠3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのもので、このパチンコ機2の周囲側面及び前方又はそれに加えて後方を囲むように構成される。遊技機枠3の内部側には、遊技盤ユニット5の他にも後述する各種制御基板や遊技媒体用の経路等各種機構部品が配置され、遊技機枠3によって周囲側面及び前方又はそれに加えて後方からのパチンコ機2内部側への不正アクセスが防止されるようになっている。
パチンコ機2の周囲を囲む外枠4、その内側にヒンジ22によって前方開閉可能に揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する前枠9、前枠9の前方にヒンジ22によって前方開閉可能に揺動支持されガラス10及びその周囲を装飾する装飾部材32を保持するガラス枠12、を有して遊技機枠3が構成される。なお、ガラス10は、遊技機枠3内部側に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。遊技機枠ユニットは、遊技盤ユニット5を保持する前枠と、後述する賞球払出ユニット100と、によって構成されている。
ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置された透明板である。ガラス10は、2枚の透明平板ガラスで形成されてガラス枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に遊技球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者がガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
球皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上球皿14aと下球皿14bとを有している。上球皿14aは、球抜き部材14cを有して遊技盤6の下方、すなわちガラス枠12の下方部分に配置され、下球皿14bは、その上球皿14aの更に下方に配置されている。
発射ユニットは、球送り装置(不図示)によって球皿14の一部としての上球皿14aから発射位置に送り出された遊技球23を遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、例えば発射位置の遊技球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、前枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射装置ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられている。
遊技盤ユニット5は、遊技盤面6a側の略中央に遊技役物としてのセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤面6aには多数の遊技釘27も配置されている。センター役物7の中央部には、画像表示手段としての演出表示装置7aが配置されるとともに、この演出表示装置7aの表示部7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。
遊技盤6は、その表面側に遊技球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠3(本実施の形態においては、遊技機枠3の一部としての前枠9。)に保持されている。その遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の外レール26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の外レール26aによって画定され、外レール26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
遊技釘27は、遊技領域16を流下する遊技球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、普通入賞口28、始動入賞口29、大入賞口31等の入球部材及びアウト口30が配置されている。更に、遊技領域16には、ゲート33、風車34等が配置されており、流下する遊技球23が各入球部材に流入したり、ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、遊技球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
センター役物7は、演出表示装置7aの周囲を覆うように構成されており、図柄変動遊技(1種遊技)を実現するものである。センター役物7の上部には、図柄表示手段としての第1図柄(特別図柄)表示装置17が配置されるとともに、センター役物7の中央部には、演出表示装置7aが配置されている。
第1図柄(特別図柄)表示装置17には、抽選手段の抽選結果である第1図柄の変動が表示される。第1図柄は、始動入賞口29への遊技球23の入球を契機として実行される第1抽選の結果に対応した図柄である。第1図柄の変動表示が所定の当選態様で停止することにより第1特別遊技としての大当りが発生する。
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示部7b上に映像表示を行うものである。この演出表示装置7aの表示部7bには、第1図柄に連動する第1装飾図柄の表示がなされる。第1装飾図柄は、第1抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示部7b上に表示されるようになっている。演出表示装置7aには、遊技制御手段としての演出制御基板が中継基板を介して電気的に接続されており、演出制御基板によって画像表示が制御される。
遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う遊技制御手段としての主制御基板を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示等の演出制御を行う演出制御基板を収容した演出制御基板ケース36と、後述する賞球払出ユニット100による賞球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技が実現される。主制御基板ケース35と演出制御基板ケース36とは、遊技盤ユニット5の後面に装着されており、遊技盤ユニット5と共に前枠9に対して着脱自在である。
更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。また、パチンコ機2の背面側には、演出制御基板ケース36及び賞球払出ユニット100の一部を覆うカバー部材42が設けられている。
また、図2に示すように、パチンコ機2の背面には、パチンコ機2が設置されるホールの設備から供給された遊技球23を一時的に貯留する球貯留タンク40aと、球貯留タンク40aによって貯留した遊技球23を整流する球レール40bと、を有する球貯留ユニット40、球貯留ユニット40の球レール40bによって整流された遊技球23が流入し、この遊技球23を1球ずつ通過させる賞球払出ユニット100、及び賞球払出ユニット100を通過した遊技球23を球皿14に向かって導く賞球供給通路41、が設けられている。賞球払出ユニット100は、払出制御基板によって駆動制御されるように構成されており、各種入賞口への遊技球23の入球や、遊技者からの遊技球23の貸出し要求に応じて、遊技者に遊技球23を供給するように構成されている。この賞球払出ユニット100については後述する。
図示しない球発射装置により遊技球23が発射されると、遊技球23はレール飾り26の外レール26aに沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、遊技球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、あるものはレール飾り26の外レール26aに沿って右側に移動し、あるものはゲージに衝突しつつ遊技領域16内を下方に流下し、あるものは普通入賞口28に流入して一定数の景品球払出しの契機となり、あるものはいずれの入球装置にも流入せずに遊技領域16内最下部に位置するアウト口30に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
図柄変動遊技中に遊技球23が始動入賞口29に流入すると、その流入に起因して演出表示装置7aの表示図柄7cが回転表示(第1の特別遊技の抽選)を開始し、その表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示すれば、図柄変動遊技における大当り(第1の特別遊技。以下、図柄変動大当りという。)が発生する。そして、大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の景品球が球皿14へと払い出されるようになっている。
次いで、図3から図15に基づいて実施の形態1に係る賞球払出ユニット100について詳細に説明する。図3は、図2に示すパチンコ機2から背面を覆うカバー部材42と遊技盤ユニット5とを外した状態の背面図である。図4は、図3に示すパチンコ機2を右後方から視認した斜視図であって、賞球払出ユニット100部分を拡大している。
賞球払出ユニット100は、遊技盤6を内包する前枠9に装着されており、遊技球23が通過する供給通路を有する供給通路ユニット110と、供給通路を通過した遊技球23が流入し、遊技球23を1球ずつ送り出す回転体141を有する球誘導ユニット130と、を備えている。
図5及び図6は、賞球払出ユニット100を右前方から視認した斜視図である。球誘導ユニット130は、供給通路ユニット110に対して着脱自在に構成されており、図5は、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着した状態を示しており、図6は、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110から取り外した状態を示している。球誘導ユニット130は、供給通路ユニット110の後方から前方に向かって移動して、供給通路ユニット110に装着されるように構成されている。
賞球払出ユニット100は、球誘導ユニット130の装着時において球誘導ユニット130の左右方向の移動を規制するガイドリブ170を備えている。また、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着した状態において、球誘導ユニット130の左右方向への移動及び後方への移動を規制する第1規制部150と、球誘導ユニット130の下面を保持し、球誘導ユニット130の後方への移動を規制する第2規制部160と、を備える。
ガイドリブ170は、供給通路ユニット110の左側面110bの下端部に設けられている。ガイドリブ170は、供給通路ユニット110の左側面110bに沿って配置され、かつ供給通路ユニット110の底面(下面)110dより下方に突出した板部材である。ガイドリブ170の右側面170aは、球誘導ユニット130の左側面130bと当接するように配置されている。球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着する際には、球誘導ユニット130の左側面130bをガイドリブ170の右側面170aと当接させた状態で、ガイドリブ170に沿わせつつ球誘導ユニット130を前方に向けて移動する。
このように球誘導ユニット130を装着することにより、球誘導ユニット130の左右方向における位置決めを容易に行うことができ、球誘導ユニット130の取付作業の効率を向上させることができる。更に、ガイドリブ170を設けることにより、供給通路ユニット110に対する球誘導ユニット130の位置ずれを低減して、球誘導ユニット130の取付精度を高めることができる。
第1規制部150は、前枠9の後面9fから後方に向かって突設されており、球誘導ユニット130の右側面130aと係合する(例えば、図4参照)。第1規制部150は、球誘導ユニット130の右側面130aに沿って設けられた板状の側面部151と、側面部151の後端に設けられた爪部152と、を有する。側面部151は、球誘導ユニット130の右側面130aと当接し、球誘導ユニット130の右方向への移動を規制している。すなわち、球誘導ユニット130は、ガイドリブ170と第1規制部150とによって左右方向の移動を規制される。
爪部152は、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に装着された状態において、球誘導ユニット130の後面130fと当接し、球誘導ユニット130の後方への移動を規制する。側面部151は、外力が加えられることにより、側面部151の前端部151e(側面部151の根元部)を中心に図示するX方向に湾曲するように構成されている。側面部151が湾曲した湾曲状態としたり、この湾曲状態を解除したりすることにより、球誘導ユニット130の後方への移動規制を解除したり、後方への移動を規制したりすることができる。
具体的には、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着する際には、爪部152と球誘導ユニット130とが干渉しないように側面部151をX方向に湾曲させる。側面部151を湾曲させることにより、爪部152と球誘導ユニット130との干渉を防ぎつつ球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着することができる。そして、球誘導ユニット130が前枠9の後面9fと当接するまで球誘導ユニット130を前方に移動した後に、側面部151の湾曲状態を解除することにより、爪部152が球誘導ユニット130の後面130fに当接し、球誘導ユニット130の後方への移動を規制することができる。
また、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110から取り外す際には、側面部151をX方向へ湾曲させて爪部152と球誘導ユニット130の後面130fとの係合を解除する。爪部152と球誘導ユニット130の後面130fとの係合を解除することにより、第1規制部150による球誘導ユニット130の後方への移動規制を解除することができる。このように構成された第1規制部150を設けることにより、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着した状態における左右方向及び後方向への位置ずれを低減することができる。
また、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に取り付けられた状態において、球誘導ユニット130の前面130eは、前枠9の後面9fと当接しており、この後面9fは、第3規制部として機能し、球誘導ユニット130の前方への移動を規制している。
更に、賞球払出ユニット100の下方には、賞球払出ユニット100を通過した遊技球23を球皿14に供給する賞球供給通路41が設けられており、この賞球供給通路41には、球誘導ユニット130の底面130dを保持するとともに、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に装着された状態において球誘導ユニット130の後方への移動を規制する第2規制部160が設けられている(例えば、図7及び図8参照)。図7は、図4に示すパチンコ機2の背面斜視図において球誘導ユニット130を取り外した状態を示した図である。図8は、図4に示すパチンコ機2を左後方から見た背面斜視図である。
第2規制部160は、球誘導ユニット130の底面130dを保持する保持面161と、球誘導ユニット130の底面130dに突設された突起部132b(例えば、図9参照)の挿入により球誘導ユニット130の後方への移動を規制する規制凹部162と、を有している。図9は、球誘導ユニット130の底面図である。図10は、図3に示すA−A断面図である。なお、保持面161は、球誘導ユニット130の底面130dを保持する賞球供給通路41の上面41cによって構成されている。
球誘導ユニット130の底面130dには、左側面130b側に開口した2本のスリット133が形成されており、このスリット133間に左側面側に延設された延設部132が設けられている。また、球誘導ユニット130の左側面130bには、延設部132の上方に向けて開口形成された延設穴部134が設けられている。
延設部132には、球誘導ユニット130の底面130dより下方に突出した突起部132bが形成されている。突起部132bは、前後方向に傾斜した傾斜面132cを有し、後方に向かって傾斜面132cの高さ(下方への突出高さ)が高くなっている。延設部132は、右側に位置する基端部132aを中心に上方に湾曲可能に構成されている。延設部132が上方に湾曲した状態において、突起部132bの傾斜面132cの頂点(突起部の最下点)132dは、球誘導ユニット130の底面130dより上方に位置し、賞球供給通路41の上面41cと干渉しないように構成されている。
球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着する際には、球誘導ユニット130の底面130dを賞球供給通路41の上面41cと当接するように配置して、球誘導ユニット130を前方に向けて移動する。このとき、球誘導ユニット130の突起部132bの傾斜面132cが賞球供給通路41の上面41cと接触して、延設部132が上方に湾曲する。この延設部132が上方に湾曲した状態で球誘導ユニット130を前方に移動し続けると、延設部132の頂点132dが規制凹部162内に落入し、延設部132の湾曲状態が解除される。湾曲状態が解除されると、延設部132の突起部132bと規制凹部162と係合によって球誘導ユニット130の後方への移動が規制される。
また、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着した状態では、球誘導ユニット130の左側方に延設部132が配置されており、球誘導ユニット130の左側面130b側から延設部132を上方に曲げることができるように構成されている。したがって、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110から取り外す際には、球誘導ユニット130の延設部132を上方に押し上げて、突起部132b規制凹部162との係合を解除する。この係合を解除することにより、球誘導ユニット130の後方への移動規制が解除され、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110から取り外すことが可能となる。
このように構成された第2規制部160を備えることにより、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に装着された状態において、球誘導ユニット130の底面130dを保持して球誘導ユニット130の安定性を高めることができるとともに、球誘導ユニット130の前後方向と左右方向への位置ずれを低減することができる。
次いで、賞球払出ユニット100の内部構造ついて詳細に説明する。賞球払出ユニット100を構成する供給通路ユニット110は、供給通路ユニット110の右側を構成する右供給構成部112と、供給通路ユニット110の左側を構成する左供給構成部113と、右供給構成部112と左供給構成部113とに内包され、遊技球23の球通路を構成する中央供給構成部114と、を有する。また、球誘導ユニット130は、球誘導ユニット130の右側を構成する右誘導構成部136と、左側を構成する左誘導構成部137と、右誘導構成部136と左誘導構成部137とに内包され、遊技球23の球通路を構成する中央誘導構成部138と、を有する。
図11は、右供給構成部112を外した状態の賞球払出ユニット100の右側面図であり、図12は、左供給構成部113を外した状態の賞球払出ユニット100の左側面図である。また、図13は、右供給構成部112、左供給構成部113、中央供給構成部114、右誘導構成部136、左誘導構成部137、及び中央誘導構成部138を分解した状態の賞球払出ユニット100を左後方から視認した斜視図であり、図14は、図13に示す賞球払出ユニット100を右前方から視認した斜視図である。なお、図11から図14においては、説明の便宜上供給通路ユニット110と球誘導ユニット130とを上下方向に分離して示している。
供給通路ユニット110は、球貯留ユニット40の球レール40bから供給された遊技球23を球誘導ユニット130に向けて導く。供給通路ユニット110の上面110cには、球貯留ユニット40を通過した遊技球23が流入する流入口111が設けられている(例えば、図5参照)。供給通路ユニット110内には、流入口111から流入した遊技球23が通過する右供給通路115及び左供給通路116が左右に隣接して配置されている。中央供給構成部114は、右供給通路115と左供給通路116との間に配置される仕切り部114aと、仕切り部114aの右側面及び左側面から突設した突起壁部と、を有する。
突起壁部は、仕切り部114aから右方(右供給構成部112側)に向かって突出した右突起壁部114bと、仕切り部114aから左方(左供給構成部113側)に向かって突出した左突起壁部114cと、を有する。右突起壁部114bの右端部114dは、右供給構成部112の内壁面112aと当接しており、右突起壁部114bと右供給構成部112とによって囲まれた空間が右供給通路115となる。また、左突起壁部114cの左端部114eは、左供給構成部113の内壁面113aと当接しており、左突起壁部114cと左供給構成部113とによって囲まれた空間が左供給通路116となる。
右供給通路115と左供給通路116は、仕切り部114aを挟んで左右方向に隣接している。各通路を通過した遊技球23は、各々球誘導ユニット130の誘導通路に流入する。右供給通路115及び左供給通路116は、複数の屈曲部を有する曲線形状であり、限られた供給通路ユニット110内の収容球数が多くなるように構成されている。
また、右供給通路115及び左供給通路116の前方には、供給通路ユニット110内
の遊技球23をパチンコ機2外部に排出するための排出通路117が設けられている。各供給通路と排出通路117との間には、右供給通路115及び左供給通路116の一部を構成し、右供給通路115及び左供給通路116の他部に対して離間するように揺動可能な揺動部材118が設けられている。
揺動部材118は、供給通路ユニット110の右側面110aに装着されたレバー部材119によって、右供給通路115及び左供給通路116の一部を構成する位置となるように押圧されている。揺動部材118は、回転軸118aを中心に回転方向に移動自在である。レバー部材119を操作すると、レバー部材119による揺動部材118の押圧が解除され、遊技球23の自重によって揺動部材118が右供給通路115及び左供給通路116から離間する方向(図11に示すY方向)に移動し、揺動部材118よりも上流に位置する遊技球23が排出通路117に流入する。
また、右供給通路115及び左供給通路116を通過した遊技球23は、球誘導ユニッ
ト130の誘導通路に流入する。球誘導ユニット130の上面130cには、右供給通路115及び左供給通路116を通過した遊技球23が流入する流入口135が設けられている(例えば、図6参照)。球誘導ユニット130内には、左右に隣接して右誘導通路139及び左誘導通路140が配置されている。中央誘導構成部138は、2列の誘導通路を分離する仕切り部138aと、右誘導通路139及び左誘導通路140の壁面を構成する突起壁部と、を有する。
突起壁部は、仕切り部138aから右方(右誘導構成部136側)に向かって突出した右突起壁部138bと、仕切り部138aから左方(左誘導構成部137側)に向かって突出した左突起壁部138cと、を有する。右突起壁部138bの右端部138dは、右誘導構成部136の内壁面136aと当接しており、右突起壁部138bと右誘導構成部136とによって囲まれた空間が右誘導通路139となる。また、左突起壁部138cの左端部138eは、左誘導構成部137の内壁面137aと当接しており、左突起壁部138cと左誘導構成部137とによって囲まれた空間が左誘導通路140となる。
右誘導通路139と左誘導通路140は、仕切り部138aを挟んで左右方向に隣接しており、各誘導通路を通過した遊技球23は、回転体141に導かれる。回転体141は、外周に遊技球23を1球ずつ保持可能な保持部141bが形成された回転盤141aと、回転盤141aに隣接し、遊技球23の通過面を構成するガイド部141cと、回転盤141aを回転駆動する駆動手段としてのモータ141dと、を有する(例えば、図13及び図15参照)。
図15は、ガイド部141cを外した状態の球誘導ユニット130の回転体141を拡大した斜視図である。回転盤141aは、左右方向に隣接して2枚配置されており、モータ141dによって回転軸を中心に同期して回転される。各回転盤141aには、3つの保持部141bが形成されており、120度回転する毎に各誘導通路の遊技球23を保持するように構成されている。また、2枚の回転盤141aの保持部141bは、略30度ずつずれ形成されており、回転体が30度回転する毎に、右誘導通路139を通過した遊技球23と左誘導通路140を通過した遊技球23とを交互に保持するように構成されている。
また、保持部141bに保持された遊技球23は、回転盤141aの回転に伴って図示するZ方向に移動し、球誘導ユニット130の流出口142に向けて流下する。また、流出口142の上流側には、遊技球23の通過を検出するカウントセンサ143が設けられている。カウントセンサ143は、賞球払出ユニット100によって払い出す遊技球数をカウントする。
また、球誘導ユニット130の左側面130b(左誘導構成部の外壁面)の回転盤141aと対向する位置には、球誘導ユニット130内部の空気を球誘導ユニット130外部に流出するための通気穴部144が設けられている。遊技球23の払出しは、モータ141dによる回転盤141aの回転駆動によって実現している。そのため、連続して払出しが行われるとモータ141dが発熱し、この熱によって球誘導ユニット130内部の温度が上昇してしまうおそれがある。
しかし、本実施の形態1に係る賞球払出ユニットによれば、通気穴部144を介して球誘導ユニット130内部の空気を換気することができる。この換気は、回転盤141aの回転による空気の流れによって、通気穴部144を介して行われる。このように、回転盤141aの回転に伴って換気を行うことにより、換気のための部材や駆動手段を別途設けることなく、球誘導ユニット130内部の空気の入替えを実現し、温度上昇による不具合の発生を防止することができる。
次いで、このように構成された賞球払出ユニット100における球誘導ユニット130の着脱操作について説明する。まず、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に装着された状態から球誘導ユニット130を取り外す操作について説明する。図4及び図8は、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110の装着された状態を示しており、図7は、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110から取り外された状態を示している。
球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に装着された状態では、第1規制部150及び第2規制部160が球誘導ユニット130の脱落を防止している。よって、第1規制部150の爪部152を右方に移動して爪部152と球誘導ユニット130の後面130fとの係合を解除するとともに、第2規制部160の延設部132を上方に押し上げ、延設部132と規制凹部162との係合を解除する。第1規制部150及び第2規制部160による球誘導ユニット130の移動規制を解除した状態で球誘導ユニット130を後方に移動することにより、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110から取り外すことができる。
一方、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着する際には、球誘導ユニット130の左側面130bをガイドリブ170の右側面170aに当接させるとともに、球誘導ユニット130の底面130dを賞球供給通路41の上面41cに当接させて、ガイドリブ170に沿わせつつ球誘導ユニット130を前方に移動する。このとき、第1規制部150は、球誘導ユニット130の右側面130aと接触して右方に湾曲した状態となり、かつ球誘導ユニット130の延設部132は、賞球供給通路41の上面41cと接触して上方に湾曲した状態となる。
そして、球誘導ユニット130の前面130eが前枠9の後面9fに接する位置まで球誘導ユニット130を移動すると、第1規制部150の湾曲状態及び延設部132の湾曲状態が解除され、第1規制部150の爪部152が球誘導ユニット130の後面130fと係合するとともに、第2規制部160の規制凹部162内に延設部132の突起部132bが挿入する。よって、球誘導ユニット130の前後方向、左右方向、及び下方向への移動が規制され、球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に装着された状態となる。更に、球誘導ユニット130の上方には、供給通路ユニット110が配置されており、上方への移動も規制することができる。
このように本実施の形態1に係る賞球払出ユニット100によれば、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着する際に、ガイドリブ170を用いて位置決めを容易に行うことが可能となる。更に、球誘導ユニット130を供給通路ユニット110に装着した際に、第1規制部150及び第2規制部160を用いて前後左右方向の位置整合を確実に行うことができ、各ユニット間の球通路の位置ずれを低減することができる。更に、球誘導ユニット130に通気穴部144を設けているため、球誘導ユニット130内部に滞留する熱を外部へ放熱することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、実施の形態1では、球誘導ユニット130の左側面130b側にガイドリブ170を1箇所設けているが、供給通路ユニットと当接する球誘導ユニットの上面にガイドリブを設けてもよいし、複数箇所にガイドリブを設けてもよい。
<実施の形態2>
次いで、図16から図22に基づいて実施の形態2に係る賞球払出ユニット200について詳細に説明する。なお、実施の形態1の賞球払出ユニット100と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
実施の形態2に係る賞球払出ユニット200は、実施の形態1に係る賞球払出ユニット100と同様に球誘導ユニット130が供給通路ユニット110に対して着脱自在に構成されている。しかし、実施の形態2に係る賞球払出ユニット200は、実施の形態1に係る賞球払出ユニット100と異なり、球誘導ユニットの上流側と下流側に供給通路ユニットが設けられており、かつガイドリブが球誘導ユニットの上面に2箇所設けられている。
図16及び図17は、実施の形態2に係る賞球払出ユニット200部分を拡大したパチンコ機2の背面図である。賞球払出ユニット200は、透明な材質によって構成されており、内部を視認することができる。図16は、賞球払出ユニットの内部を視認できる状態として示した図であり、図17は、賞球払出ユニットの内部を視認できない状態として示した図である。
賞球払出ユニット200は、遊技盤6を内包する前枠9に装着され、球貯留ユニット40からの遊技球23が流入する第1供給通路213を有する第1供給通路ユニット210と、供給通路を通過した遊技球23が流入し、遊技球23を1球ずつ送り出す回転体を有する球誘導ユニット230と、球誘導ユニット230を通過した遊技球23を賞球供給通路41に導く第2供給通路ユニット280と、を有する。球誘導ユニット230は、第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280に対して着脱自在に構成されている。
球誘導ユニットの上面には、ガイドリブ270が上方に突出形成されている。賞球払出ユニット200は、球誘導ユニット230の装着時において、球誘導ユニット230のガイドリブ270が挿入されることにより、球誘導ユニット230の左右方向の移動を規制する溝部212を備えている。
また、第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280に球誘導ユニット230を装着した状態において、球誘導ユニット230の後面230fを保持し、球誘導ユニット230の左右方向への移動及び後方への移動を規制する第1規制部250と、球誘導ユニット230の底面230dを保持し、球誘導ユニット230の後方への移動を規制する第2規制部260と、を備える。なお、第1規制部250は、実施の形態1に係る賞球払出ユニット100の第1規制部150と同様の構成であるため、説明を省略する。
図18及び図19は、第1供給通路ユニット210、球誘導ユニット230、及び第2供給通路ユニット280を分解した斜視図である。図18は、左上方から視認した状態であり、図19は、右下方から視認した状態である。
第1供給通路ユニット210の上面210cには、球貯留ユニット40からの遊技球23が流入する流入口211が設けられている。流入口211から流入した遊技球23は、第1供給通路213を通過して第1供給通路ユニット210の底面210dに設けられた流出口214から流出し、後述する球誘導ユニット230の流入口231に流入する。
また、第1供給通路ユニット210の底面210dには、前後方向に貫通して形成された溝部212が形成されている。溝部212は、左右に離間して2箇所設けられている。球誘導ユニット230の上面230cに形成された流入口231の左方及び右方には、ガイドリブ270が上方に向かって突設されている。ガイドリブ270は、第1供給通路ユニット210の溝部212内に挿入可能な形状である。
球誘導ユニット230を第1供給通路ユニット210に装着する際には、球誘導ユニット230のガイドリブ270を第1供給通路ユニット210の溝部212に挿入しつつ、球誘導ユニット230を前方に向けて移動する。このように球誘導ユニット230を装着することにより、球誘導ユニット230の左右方向における位置決めを容易に行うことができるとともに、左右方向における位置ずれを防止しつつ球誘導ユニット230を装着することができる。
なお、実施の形態2に係るガイドリブ270は、球誘導ユニット230の上面に設けられており、第1供給通路ユニット210の溝部212に挿入するように構成されているが、この構成に限られず、例えば第1供給通路ユニット210にガイドリブ270を設けて、球誘導ユニット230にガイドリブ270を収容可能な溝部を設けてもよい。更に、ガイドリブ270は、左右に離間して2箇所設けることにより、球誘導ユニット230を装着する際の位置ずれを効果的に防止することができるが、1箇所にガイドリブ270を設けることによっても、位置ずれの防止や位置決めの簡略化を図ることが可能である。
球誘導ユニット230の流入口231に流入した遊技球23は、球誘導ユニット230内の誘導通路236に導かれる。球誘導ユニット230内には、遊技球23を1球ずつ送り出すための回転体238が設けられている。回転体238を通過した遊技球23は、1球ずつ球誘導ユニット230の底面230dに設けられた流出口235から排出される。
第2供給通路ユニット280の上面280cには、球誘導ユニット230から排出された遊技球23が流入する流入口281と、第2規制部260としての規制凹部262と、が設けられている。また、第2供給通路ユニット280の上面280cは、球誘導ユニット230の底面230dを保持しており、第2規制部260として機能している。規制凹部262は、球誘導ユニット230の底面230dから突出した規制リブとしての操作片232と係合することにより、球誘導ユニット230の後方への移動を規制する。図20は、第2規制部260としての規制凹部262と操作片232の係合状態を模式的に示した断面図である。
規制凹部262の後方には、第2供給通路ユニット280の後面280fに向けて開口し、後方から操作片232を操作するための後方開口部283が形成されている。また、球誘導ユニット230の底面230dには、後面230f側に開口した2本のスリット240が形成されており、このスリット240間に操作片232が設けられている。また、球誘導ユニット230の後面230fには、操作片232の上方に開口形成された操作穴部234が形成されており、操作片232は操作穴部234内において上下に移動可能である。
操作片232には、球誘導ユニット230の底面230dより下方に突出した突起部232bが形成されている。突起部232bは、前後方向に傾斜した傾斜面232cを有し、後方に向かって傾斜面232cの高さ(下方への突出高さ)が高くなっている。操作片232は、前側に位置する基端部232aを中心に上方に湾曲可能に構成されている。操作片232が上方に湾曲した状態においては、突起部232bの傾斜面232cの頂点(突起部の最下点)232dは、球誘導ユニット230の底面230dより上方に位置し、第2供給通路ユニット280の上面280cと干渉しない。
球誘導ユニット230を第2供給通路ユニット280に装着する際には、球誘導ユニット230の底面230dを第2供給通路ユニット280の上面280cと当接するように配置して、球誘導ユニット230を前方に向けて移動する。このとき、球誘導ユニット230の突起部232bの傾斜面232cが第2供給通路ユニット280の上面280cと接触して、操作片232が上方に湾曲する。この操作片232が上方に湾曲した状態で球誘導ユニット230を前方に移動し続けると、操作片232の頂点232dが規制凹部262内に落入し、操作片232の湾曲状態が解除される(図20参照)。湾曲状態が解除されると、操作片232の突起部232bと規制凹部262との係合によって球誘導ユニット230の後方への移動が規制される。
また、球誘導ユニット230を第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280から取り外す際には、球誘導ユニット230の後方から操作片232を上方に押し上げて、突起部232bと規制凹部262との係合を解除する。球誘導ユニット230の後方への移動規制が解除され、球誘導ユニット230を第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280から取り外すことが可能となる。
このように第2規制部260を備えることにより、球誘導ユニット230が第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280に装着された状態において、球誘導ユニット230の底面230dを保持して球誘導ユニット230の安定性を高めることができるとともに、球誘導ユニット230の後方と左右方向への位置ずれを低減することができる。
また、規制リブとしての操作片232とガイドリブ270とは、球誘導ユニット230を挟んで上下方向に沿った略直線上に配置されており、操作片232を上方に押し上げることにより第2規制部260の規制が解除されるように構成されている。操作片232を押し上げる方向にガイドリブ270と溝部212とが設けられ、左右方向への移動を規制しているため、操作片232に対する押圧力が上方に向かって直線状に作用し、操作片232への押圧力を効果的に球誘導ユニット230に付与することが可能となる。
また、第1供給通路ユニット210には、球誘導ユニット230が第1供給通路ユニット210から取り外された際に、第1供給通路213から遊技球23がこぼれることを防止する球止め部材が設けられている。図21は、球止め部材による遊技球23の通過を阻止した球止め状態と遊技球の通過を許可した状態とを模式的に示した断面図である。
球止め部材は、第1供給通路213の流出口214の直上に配置され、第1供給通路213の一部を塞ぐ第1位置と、第1供給通路213を開放する第2位置と、の間を前後方向にスライド移動するスライド部材215と、スライド部材215を第1位置に向けて押圧するバネ部材216と、を備えている。
スライド部材215は、上下方向に沿って配置された縦部材215aと、縦部材215aの略中心から後方に向けて突設された横部材215bと、を有している。縦部材215aの前方には、バネ部材216が配置されている。球誘導ユニット230の上面230cの前端部には、前方に開口した前方穴部が形成されており、この前方穴部を構成する前壁面237は、横部材215bより下方に位置する縦部材215aと接触する。
図21(a)は、球誘導ユニット230を第1供給通路ユニット210に装着した状態を示しており、球誘導ユニット230を第1供給通路ユニット210から取り外す途中の状態を示している。(a)に示すように、第1供給通路ユニット210に球誘導ユニット230を装着した状態では、スライド部材215は、球誘導ユニット230の前壁面237によって前方に押圧されて第2位置となる。したがって、第1供給通路213と誘導通路236とが連通し、第1供給通路213から誘導通路236への遊技球の通過を許可している。
一方、(b)に示すように、球誘導ユニット230を取り外そうとして後方に移動する
と、前壁面237が縦部材215aから離間する。この離間に伴ってスライド部材215は、バネ部材216によって後方に押圧されて第1位置となる。したがって、第1供給通路213と誘導通路236との連通状態が解除され、第1供給通路213から誘導通路236への遊技球の通過を阻止している。
このように球誘導ユニット230の着脱状態に応じてスライド部材215が第1供給通路213の一部を塞ぐ第1位置と、第1供給通路213を開放する第2位置と、の間を移動可能に構成されているため、球誘導ユニット230を第1供給通路ユニット210から取り外した際の球こぼれを防ぐことが可能となる。スライド部材215は、球誘導ユニット230とバネ部材216とによって移動されるため、スライド部材215を駆動するための駆動手段を別途設ける必要がなく、部品点数の増加や容積の増大を防ぎつつ、球こぼれによる不具合を防止することができる。
更に、スライド部材215を構成する縦部材215aの一部は、横部材215bより下方に位置しており、球誘導ユニット230を取り外した状態において人が容易にスライド部材215を操作できることが可能である。例えば、スライド部材215が移動する過程において不具合が発生した場合であっても、スライド部材215を操作して容易に不具合を解消することが可能である。
また、図22は、球誘導ユニット230内の回転体238を模式的に示した図である。(a)は斜視図であり、(b)は、球誘導ユニット230の後面との位置関係を模式的に示した左側面図である。回転体238は、回転軸238aを中心にモータ(図示せず)によって回転可能に構成されており、外周に遊技球23を1球ずつ保持可能な保持部238bが形成されている。
また、回転体238の回転軸238aの外周には、前後方向(回転軸方向)に貫通した中空穴部238cが形成されている。中空穴部238cは、回転軸238aの周囲において、回転軸方向に沿って3つ設けられている。回転体238に中空穴部238cが形成されていることにより、回転体238の軽量化を図ることができ、回転体238を駆動するモータの負荷を軽減することができる。
更に、回転体238の後方に位置する球誘導ユニット230の後面230fには、4つの通気穴部239が形成されている。通気穴部239を介して球誘導ユニット230内部の空気を外部に排出することにより、球誘導ユニット230内部の熱を放熱することができるとともに、球誘導ユニット230の換気を行うことができるように構成されている。更に、回転体238には中空穴部238cが形成されているため、回転体238の前方側の空気を、中空穴部238cを介して通気穴部239が形成された回転体238の後方側に導くことができ、効率よく球誘導ユニット230内部の換気を行うことができる。
回転体238は、モータ等の駆動手段によって駆動されており、回転に伴ってモータから熱が発生する。特に、特別遊技状態(大当り状態)等において多量の遊技球23を供給する場合には、回転体238が連続して回転し、それに伴いモータの発熱量が増加する。この熱が球誘導ユニット230内部に滞留すると、回転体238の駆動異常等の不具合が発生するおそれがある。
しかし、通気穴部239を設け、回転体238の回転による空気の流れを用いて、球誘導ユニット230内部の空気を球誘導ユニット230外部に排出することにより、回転体238の回転に伴って球誘導ユニット230内の空気を外部に放出することができ、モータの熱による不具合の発生を抑制することが可能となる。
このように、本実施の形態2に係る賞球払出ユニット200によっても、第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280に球誘導ユニット230を装着する際に、位置決めを容易に行うことが可能となる。更に、第1供給通路ユニット210及び第2供給通路ユニット280に球誘導ユニット230を装着した状態において、前後左右方向の位置整合を確実に行うことができ、各ユニット間の球通路の位置ずれを低減することができる。
<実施の形態3>
次いで、図23から図35に基づいて実施の形態3に係る賞球払出ユニット500について詳細に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。実施の形態3に係る賞球払出ユニット500は、実施の形態1及び実施の形態2に係る賞球払出ユニット100及び200と異なり、球誘導ユニットが供給通路ユニットに対して着脱自在に構成されておらず、遊技機枠3の後方に設けられたベース部材501に対して賞球払出ユニット500が着脱自在に装着されている。
図23は、実施の形態3に係る賞球払出ユニット500を有するパチンコ機2の背面図である。実施の形態3に係るパチンコ機2は、遊技盤6が装着される遊技機枠3の後方にベース部材501が装着されており、このベース部材501に対して賞球払出ユニット500が装着されるように構成されている。
図24は、遊技機枠3から取り外された賞球払出ユニット500及びベース部材501の背面図である。ベース部材501は、遊技機枠3としての前枠9及びガラス枠12の後面に装着されている。ベース部材501の後面には、賞球払出ユニット500と、賞球払出ユニット500に向けて供給する遊技球23を整流する球レール40bと、賞球払出ユニット500を通過した遊技球23が流入する賞球供給通路41の一部と、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39と、が装着されている。
また、図25及び図26は、遊技機枠3に装着された状態のベース部材501及び賞球払出ユニット500の部分拡大斜視図である。図25は、右上方から視認した状態であり、図26は、左上方から視認した状態である。賞球払出ユニット500は、球貯留ユニット40の球レール40bによって整流された遊技球23が流入する供給通路ユニット510と、供給通路ユニット510を通過した遊技球23が流入し、遊技球23を1球ずつ送り出す回転体301(図27参照)を有する球誘導ユニット530と、を有している。
供給通路ユニット510及び球誘導ユニット530は、ベース部材501に対して装着されており、球誘導ユニット530はベース部材501に対して着脱可能に構成されている。球誘導ユニット530は、ベース部材501に装着されることにより、供給通路ユニット510の下方に配置されるように構成されている。
ベース部材501は、賞球払出ユニット500の前面、右側面、及び左側面と接するように配置されており、賞球払出ユニット500の右側面と後面と接する第1規制部550を備えている。第1規制部550は、ベース部材501から後方に向かって突設されており、球誘導ユニット530の右側面530aと係合する(例えば、図25参照。)。第1規制部550は、球誘導ユニット530の右側面530aに沿って設けられた板状の側面部551と、側面部551の後端に設けられた爪部552と、を有する。側面部551は、球誘導ユニット530の右側面530aと当接し、球誘導ユニット530の右方向への移動を規制している。
爪部552は、球誘導ユニット530がベース部材501に装着された状態において、球誘導ユニット530の後面530fと当接し、球誘導ユニット530の後方への移動を規制する。側面部551は、外力が加えられることにより、側面部551の前端部551e(側面部551の根元部)を中心に図示するW方向に湾曲するように構成されている。側面部551が湾曲した湾曲状態としたり、この湾曲状態を解除したりすることにより、球誘導ユニット530の後方への移動規制を解除したり、後方への移動を規制したりすることができる。
供給通路ユニット510の底面(下面)510dには、前後方向に貫通して形成された溝部512が形成されている。球誘導ユニット530の上面には、ガイドリブ570が上方に向かって突設されている。ガイドリブ570は、供給通路ユニット510の溝部512内に挿入可能な形状である。
球誘導ユニット530をベース部材501に装着する際には、球誘導ユニット530のガイドリブ570を供給通路ユニット510の溝部512に挿入しつつ、球誘導ユニット530を前方に向けて移動する。このように球誘導ユニット530を装着することにより、球誘導ユニット530の左右方向における位置決めを容易に行うことができるとともに、左右方向における位置ずれを防止しつつ球誘導ユニット530を装着することができる。
球誘導ユニット530の下方の賞球供給通路41には、第2規制部としての保持面及び規制凹部(図示せず)が設けられている。また、球誘導ユニット530の下面には、規制リブが設けられている。実施の形態2に係る第2規制部は、第2供給通路ユニットに設けられており、実施の形態3に係る第2規制部は、賞球供給通路41に設けられている。実施の形態2に係る第2規制部及び規制リブと、実施の形態3に係る第2規制部及び規制リブと、は、第2規制部が設けられている箇所が異なるが、それ以外の構成は同様であるため、図示を省略する(図20等を参照。)。
規制凹部は、球誘導ユニット530の底面(下面)から突出した規制リブと係合することにより、球誘導ユニット230の後方への移動を規制する。規制リブは、球誘導ユニットの下面から下方に突出しており、後方から操作可能な操作片531と接続されており、操作片531を上方に移動することにより、操作片531と共に上方に移動する。
球誘導ユニット530をベース部材501に装着する際には、球誘導ユニット530の底面を賞球供給通路41と当接するように配置して、球誘導ユニット530を前方に向けて移動する。このとき、球誘導ユニット530の規制リブの傾斜面が賞球供給通路41の上面と接触して、規制リブ及び操作片531が上方に湾曲する。この規制リブ及び操作片531が上方に湾曲した状態で球誘導ユニット530を前方に移動し続けると、規制リブが規制凹部内に落入し、規制リブの湾曲状態が解除される。湾曲状態が解除されると、規制リブと規制凹部との係合によって球誘導ユニット530の後方への移動が規制される。
また、球誘導ユニット530をベース部材501から取り外す際には、球誘導ユニット530の後方から操作片531を上方に押し上げて、規制リブと規制凹部との係合を解除する。球誘導ユニット530の後方への移動規制が解除され、球誘導ユニット530をベース部材501から取り外すことが可能となる。
このように第2規制部を備えることにより、球誘導ユニット530がベース部材501に装着された状態において、球誘導ユニット530の底面を保持して球誘導ユニット530の安定性を高めることができるとともに、球誘導ユニット530の後方と左右方向への位置ずれを低減することができる。
また、ガイドリブ570と規制リブ(例えば、操作片531。)は、球誘導ユニット530を挟んで上下方向に沿った略直線上(実質的に直線上)に配置されており、操作片531を上方に押し上げることにより第2規制部の規制が解除されるように構成されている。操作片531を押し上げる方向にガイドリブ570と溝部512とが設けられ、左右方向への移動を規制しているため、操作片531に対する押圧力が上方に向かって直線状に作用し、操作片531への押圧力を効果的に球誘導ユニット530に付与することが可能となる。
更に、実施の形態3に係る球誘導ユニット530は、隣接して配置された第1誘導通路302及び第2誘導通路303を備えており、各誘導通路を通過した遊技球23を交互に送り出すように構成されている。次いで、図27〜図33に基づいて球誘導ユニット530について詳細に説明する。図27は、図24に示すB−B断面図であり、図28は、回転体を模式的に示した斜視図である。図29は、回転体と球誘導通路を模式的に示した図である。
回転体301は、上方に配置された第1誘導通路302及び第2誘導通路303からの遊技球23を1球ずつ賞球供給通路41に向けて送り出す。回転体301は、回転軸301aを中心に図示しないモータによって回転駆動される。回転体301の外周には、遊技球23を1球ずつ保持する複数の保持部301bと、複数の保持部301bの間において回転体301の回転軸301aから外周に向かう方向(図27に示すS方向。)に突出した突部と、保持部301bから突出した保持リブと、が設けられている。また、第1誘導通路302と第2誘導通路303との間には、通路仕切り部306が設けられている。
突部は、第1誘導通路302の下方に配置された第1突部301eと、第2誘導通路303の下方に配置された第2突部301fと、を備えている。第1突部301eと第2突部301fとは、回転体301の回転方向(図27に示すR方向。)において交互に配置されている。保持部301bと保持部301bとの間には、第1突部301e又は第2突部301fが設けられている。
第1突部301e又は第2突部301fの回転軸方向において隣接した部分には、保持部301bと保持部301bとの間に形成された保持間部301hが設けられている。保持間部301hは、回転軸301aから外周に向かう方向(図示するS方向)において第1突部301e及び第2突部301fよりも低く形成されている。したがって、第1突部301eと保持間部301hとの間及び第2突部301fと保持間部301hとの間には、段差部301gが形成されている。段差部301gは、第1誘導通路302と第2誘導通路303との間にある通路仕切り部306の下方に位置している。
保持リブは、第1誘導通路302の下方に配置された第1保持リブ301cと、第2誘導通路303の下方に配置された第2保持リブ301dと、を備えている。第1誘導通路302の下方(保持部301bの左部)には、第1突部301eと第1保持リブ301cとが回転体301の回転方向において連なって配置されている。また、第2誘導通路303の下方(保持部301bの右部)には、第2突部301fと第2保持リブ301dとが回転体301の回転方向において連なって配置されている。
また、第1保持リブ301cは、第1誘導通路302と対向した位置において、第1誘導通路302内の遊技球23が保持部301bに向かって通過するのを阻止するように、第1誘導通路302を構成する壁面との距離Lが遊技球23の直径(例えば、11mm。)より小さくなるように形成されている。
第2保持リブ301dは、第2誘導通路303と対向した位置において、第2誘導通路303内の遊技球23が保持部301bに向かって通過できないように、第2誘導通路303を構成する壁面との距離が遊技球23の直径より小さくなるように構成されている(図29参照)。
回転体301が回転することにより、第1突部301eと第1誘導通路302とが対向した第1状態と、第1保持リブ301cと第1誘導通路302とが対向した第2状態と、第2突部301fと第2誘導通路303とが対向した第3状態と、第2保持リブ301dと第2誘導通路303とが対向した第4状態と、を順次実現するように構成されている。
図30及び図31は、回転体301の回転態様を模式的に示した図であり、(a)は第1状態、(b)は第2状態、(c)は第3状態、(d)は第4状態を示している。図30は、回転体301の右側面図であり、図31は、図30に示すC−C断面図である。なお、図31においては、説明の便宜上、第1誘導通路302、第2誘導通路303、及び遊技球23を模式的に示している。
(a)は、第1突部301eと第1誘導通路302とが対向した第1状態であり、第1誘導通路302の下方に第1突部301eが配置されている。この第1状態において、第2誘導通路303の下方には、第2突部301fが配置されておらず、保持間部301hが配置されている。第1突部301eは、保持間部301hよりも上方に突出している。したがって、第1誘導通路302を通過した遊技球23は、第1突部301e上に載置されて第2誘導通路303を通過した遊技球(保持間部301h上の遊技球)23よりも上方に位置している。この状態においては、第2誘導通路303を通過した遊技球23は、第1誘導通路302を通過した遊技球23よりも下方に位置しているが、保持部301bには流入しない。
(a)に示す状態から回転体301が図示するR方向に回転すると、(b)に示す第2状態となる。(a)から(b)の状態となる過程においては、第1突部301e上の遊技球23は、第1突部301e上から第1保持リブ301c上に移動する。第2状態では、第1保持リブ301cと第1誘導通路302とが対向しており、第1誘導通路302の下方には第1保持リブ301cが配置されている。この第2状態において、第2誘導通路303の下方には、第2保持リブ301dが配置されておらず、保持部301bが配置されている。したがって、第1誘導通路302を通過した遊技球23は、第1保持リブ301cによって保持部301bへの流入が阻止され、保持部301bへ流入しないが、第2誘導通路303を通過した遊技球23は、保持部301bへ流入する。
(b)に示す状態から回転体301が図示するR方向に回転すると、(c)に示す第3
状態となる。(b)から(c)の状態となる過程においては、第1保持リブ301c上の遊技球23は、第1保持リブ301c上から保持間部301h上に移動する。また、第2誘導通路303から保持部301bに流入した遊技球23は、保持部301bに保持された状態で回転体301と共に回転方向に移動する。
第3状態では、第2突部301fと第2誘導通路303とが対向しており、第2誘導通路303の下方に第2突部301fが配置されている。また、この第3状態において、第1誘導通路302の下方には、第1突部301eが配置されておらず、保持間部301hが配置されている。第2突部301fは、保持間部301hよりも突出している。したがって、第2誘導通路303を通過した遊技球23は、第2突部301f上に載置されて第1誘導通路302を通過した遊技球(保持間部301h上の遊技球)23よりも上方に位置している。この状態においては、第1誘導通路302を通過した遊技球23は、第2誘導通路303を通過した遊技球23よりも下方に位置しているが、保持部301bには流入しない。
(c)に示す状態から回転体301が図示するR方向に回転すると、(d)に示す第4状態となる。(c)から(d)の状態となる過程においては、第2突部301f上の遊技球23は、第2突部301f上から第2保持リブ301d上に移動する。第4状態では、第2保持リブ301dと第2誘導通路303とが対向しており、第2誘導通路303の下方には第2保持リブ301dが配置されている。第4状態において、第1誘導通路302の下方には、第1保持リブ301cが配置されておらず、保持部301bが配置されている。したがって、第2誘導通路303を通過した遊技球23は、第2保持リブ301dによって保持部301bへの流入が阻止され、保持部301bへ流入しないが、第1誘導通路302を通過した遊技球23は、保持部301bへ流入する。
(d)に示す状態から回転体301が図示するR方向に回転すると、(a)に示す第1状態となる。(d)から(a)の状態となる過程においては、第2保持リブ301d上の遊技球23は、第2保持リブ301d上から保持間部301h上に移動する。また、第1誘導通路302から保持部301bに流入した遊技球23は、保持部301bに保持された状態で回転体301と共に回転方向に移動する。
このように、回転体301が回転することによって第1状態から第4状態までを順次実現することにより、第1誘導通路302を通過した遊技球23と第2誘導通路303を通過した遊技球23とを交互に回転体301の保持部301bに導き、2つの誘導通路を通過した遊技球23を偏りなく交互に送り出すことが可能となる。
回転体301における回転軸301aの周囲には、回転軸方向に沿って形成された中空穴部304が形成されている。中空穴部304は、実施の形態2の回転体238の中空穴部238cと異なり、回転軸方向に貫通しておらず、回転軸方向に沿って形成されているが、回転体301を貫通していないように形成されている。このように、中空穴部304を貫通しないように形成することにより、中空穴部304による回転体301の強度低下を防止することができる。
更に、複数の保持部301bの間には第1突部301e又は第2突部301fが設けられており、第1突部301eと中空穴部304、及び第2突部301fと中空穴部304は、実質的に回転体301の回転軸301aから外周に向かう方向(図示するS方向)に沿った直線上に配置されている。回転体301の回転軸301aから外周に向かう方向の厚みは、中空穴部304を設けることによって薄くなるため、中空穴部304を形成することによって回転体301の強度が低下するおそれがある。しかし、突部と中空穴部304とを実質的に回転体301の回転軸301aから外周に向かう方向に沿った直線上に配置することにより、中空穴部304を設けることよって薄くなった厚みを突部によって補強することができ、回転体301の強度低下を防止することができる。
また、中空穴部304は、回転軸301aの周囲に回転方向(R方向)に沿って6個並設されており、中空穴部304間には、回転軸301aから外周に向かう方向に沿った仕切り壁305が設けられている。中空穴部304は、5角形状であり、保持部301bに沿った辺を有する。6つの中空穴部304は同形状であり、回転軸301aを中心に均等に配置されているため、回転負荷のバラつきを抑制することができる。
また、保持部301bの略中心部P1と回転軸301aとの距離Q1は、保持部301bの端部P2と回転軸301aとの距離Q2と比較して距離が短く、中心部P1部分の回転体301の厚みは、比較的薄く形成されている(図28参照)。したがって、保持部301bの略中心部P1の強度は、保持部301bの端部P2の強度よりも比較的低い。
更に、保持部301bの端部P2の近傍には、第1突部301e又は第2突部301fが設けられており、第1突部301e及び第2突部301fの補強によって比較的高い強度を保つことができる。しかし、回転方向における第1突部301eと第2突部301fとの間は、比較的強度が低くなり、特に保持部301bの中心部P1は、第1突部301eと第2突部301fとの中心であり、第1突部301e及び第2突部301fから距離が離れているため、第1突部301e及び第2突部301fの近傍である保持部301bの端部P2の強度よりも低い。
このように比較的強度が低い保持部301bの中心部P1と回転軸301aとを結ぶ直線上に、中空穴部304を設けずに仕切り壁305を設けることにより、中空穴部304による強度低下を効果的に防止することができる。
また、球誘導ユニット530には、回転体301の保持部301bに流入し、回転体301の回転に伴って移動する遊技球23を案内する誘導リブ532が設けられている。次いで、誘導リブ532について図32及び図33に基づいて詳細に説明する。図32は、誘導リブ532及び後述する排出通路(通過通路)533の位置関係を模式的に示した図であり、図33は、図32に示すD−D断面図である。
誘導リブ532は、左誘導構成部137の内壁面137a(図14参照)から突出形成された第1誘導リブ532aと、右誘導構成部136の内壁面136a(図13参照)から突出形成された第2誘導リブ532bと、を有する。第1誘導リブ532aは、回転体301の左部に形成された第1保持リブ301cに近い側において、第1保持リブ301cと隣接して配置されている。第2誘導リブ532bは、回転体301の右部に形成された第2保持リブ301dに近い側において、第2保持リブ301dと隣接して配置されている。
第1誘導リブ532aと第2誘導リブ532bとは、回転体301の回転軸方向(本実施の形態においては左右方向。)において対向して配置されており、その間の空間には、遊技球23が通過可能な排出通路533が設けられている。排出通路533は、回転体301の保持部301bに保持され、保持部301bと共に移動する遊技球23及び保持部301bから落下し、通過孔部534aに向かって移動する遊技球23が通過する球通路である。排出通路533は、第1誘導リブ532a、第2誘導リブ532b、排出通路533の前方に配置された排出通路壁部533a、及び球誘導ユニット530の後面530fを構成する後壁の内壁面530gによって挟まれた空間である(図33参照)。
排出通路533の下方には、遊技球23の通過を検出する球通過検出部材534の通過孔部534aが配置されている。通過孔部534aは、遊技球23の直径より若干大きい径の孔部であって、遊技球23を1球ずつ通過させるように構成されている。球通過検出部材534は、通過孔部534aを通過した遊技球23を検出するように構成されている。
第1誘導リブ532aは、遊技球23を通過孔部534aの上方に向けて(第2誘導リブ532b側に向けて)導く傾斜面532cと、通過孔部534aの上方に導いた遊技球23を通過孔部534aに向けて導く鉛直面532eと、を有している。また、第2誘導リブ532bは、遊技球23を通過孔部534aの上方に向けて(第2誘導リブ532b側に向けて)導く傾斜面532dと、通過孔部534aの上方に導いた遊技球23を通過孔部534aに向けて導く鉛直面532fと、を有している。
このように構成された第1誘導リブ532a及び第2誘導リブ532bを備えることにより、左右方向に隣接して配置された第1誘導通路302及び第2誘導通路303から流入した遊技球23を、第1誘導通路302及び第2誘導通路303の左右方向における中心に向けて移動させ、左右方向における中心に配置された排出通路533に導くことが可能となる。
第1誘導通路302(又は第2誘導通路303)から保持部301bに流入した遊技球23は、回転体301の回転に伴って回転体301の回転方向に移動する。回転体301は、図27に示すR方向に回転し、遊技球23は、第1誘導通路302(又は第2誘導通路303)の下方の位置から回転体301の外周に沿って後方に移動する。
遊技球23は、外周に沿って後方に移動すると、第1誘導リブ532a(又は第2誘導リブ532b)に接する。第1誘導リブ532a(又は第2誘導リブ532b)に接した遊技球23は、回転体301の回転方向に移動しつつ、傾斜面532c(又は532d)に沿って排出通路533に向かって右方(又は左方)に移動する。遊技球23は、傾斜面532c(又は532d)に沿って通過孔部534aの上方に移動する。この状態で回転体301が更に回転すると、遊技球23は、保持部301bから滑り落ち、通過孔部534aに向かって落下する。
このように、回転体301の回転に伴って移動する過程において第1誘導通路302から流入した遊技球23と第2誘導通路303から流入した遊技球23とを同一の通過孔部534a上に導くことにより、回転体301によって送り出された遊技球23が通過する排出通路533の幅を球1個分通過可能な大きさにすることができる。したがって、複数の遊技球23が通過可能な幅の排出通路533を有する構成と比較して、省スペース化を図ることができる。
また、回転体301の回転に伴って移動する過程で遊技球23を排出通路533に向けて移動させて通過孔部の上方に導くことができるため、回転体301によって送り出した後に遊技球23を通過孔部534aの上方に導く構成と比較して、遊技球23の処理速度を遅延させることなく、円滑かつ迅速な遊技球23の処理を実現することができる。
また、賞球払出ユニット500は、球誘導ユニット530が供給通路ユニット510から取り外された際に、供給通路から遊技球23がこぼれることを防止するための球止め部材を備えている。次いで、図34及び図35に基づいて、実施の形態3に係る球止め部材について詳細に説明する。実施の形態3に係る球止め部材は、実施の形態2に係る球止め部材と異なり、スライド部材の前後方向のスライド移動を案内する案内軸部材を備えている。図34は、球止め部材による遊技球23の通過を阻止した球止め状態と遊技球の通過を許可した状態とを模式的に示した断面図である。図35は、供給通路ユニット510の底面(下面)510dを模式的に示した図である。
球止め部材は、供給通路511内に位置して供給通路511の一部を塞ぐ第1位置と、供給通路外に位置して供給通路511を開放する第2位置と、の間を前後方向にスライド移動するスライド部材520と、スライド部材520を第1位置に向けて押圧するバネ部材(弾性部材)521と、スライド部材520の前後方向のスライド移動を案内する案内軸部材522と、を有する。
供給通路511を構成する前壁面511cには、スライド部材520の後端部(後述するスライド片の後端部)が挿入するスライド孔部511dが形成されている。スライド部材520は、バネ部材521の後方に配置され、バネ部材521によって押圧される押圧部材520aと、押圧部材520aからスライド孔部511dに向かって突出形成されたスライド片520bと、押圧部材520aから下方に突出形成され、供給通路ユニット510の底面510dよりも下方に突出した突出部材520cと、を有する。
スライド部材520は、供給通路ユニット510を構成する前壁面510eと、供給通路511の前壁面511cと、の間を前後方向にスライド移動するように構成されている。供給通路ユニット510の前壁面510eと供給通路511の前壁面511cとの間には、案内軸部材522が配置されている。案内軸部材522の一端は、供給通路ユニット510の前壁面510eに接続され、他端は、供給通路511の前壁面511cに接続されている。
スライド部材520の押圧部材520aには、案内軸部材522が貫通した孔部520dが形成されており、スライド部材520は、案内軸部材522に沿って前後方向に移動する。このように案内軸部材522に沿ってスライド部材520を移動させるため、スライド部材520の傾きを低減することができる。
スライド片520bは、スライド孔部511dと対向して配置されており、その後端部520eは先細り形状である。スライド片520bの後端部520eが先細り形状であることにより、スライド移動する過程でスライド部材520に多少の傾きが生じた場合であっても、円滑にスライド孔部511dに挿入することができる。
突出部材520cは、スライド部材520の下端部を構成しており、供給通路ユニット510の底面510dより下方に突出している。突出部材520cは、ベース部材501に装着される球誘導ユニット530によって押圧されるように構成されている。
供給通路511は、左右方向に隣接して配置された左供給通路511aと、右供給通路511bと、を有しており、左供給通路511aと右供給通路511bとの間には、左供給通路511aと右供給通路511bとを分けるための仕切り壁部511eが設けられている。仕切り壁部511eには、供給通路511内に移動したスライド片520bとの干渉を避けるための切り欠き部511fが形成されている。
このように仕切り壁部511eに切り欠き部511fを形成することにより、左供給通路511aと右供給通路511bに跨ってスライド片520bを挿入して、1つのスライド片520bによって左供給通路511aと右供給通路511bの一部を塞ぐことが可能となる。
図34(a)は、球誘導ユニット530をベース部材501に装着した状態を示しておいる。(a)に示す状態では、スライド部材520は、球誘導ユニット530によって前方に押圧されて第2位置となる。より詳細には、球誘導ユニット530によって突出部材520cが前方に押圧されて、スライド部材520全体が案内軸部材522に沿って前方に移動する。スライド部材520が前方に移動することにより、スライド孔部511dを介して供給通路511内に位置していたスライド片520bが供給通路511外に移動する。スライド片520bが供給通路511外に移動することにより、供給通路511が開放され、供給通路511から球誘導ユニット530への遊技球23の通過が許容される。
(b)は、球誘導ユニット530をベース部材501から取り外している状態を示している。(b)に示す状態では、スライド部材520は、バネ部材521によって後方に押圧されて第1位置となる。より詳細には、ベース部材501から取り外そうとして球誘導ユニット530を後方に移動すると、スライド部材520に対する球誘導ユニット530の押圧が解除され、バネ部材によって押圧部材520aが後方に押圧され、スライド部材520全体が案内軸部材522に沿って後方に移動する。スライド部材520が後方に移動することにより、供給通路511外に位置していたスライド片520bがスライド孔部511dを介して供給通路511内に移動する。スライド片520bが供給通路511内に移動することにより、供給通路511の一部が塞がれ、供給通路511から球誘導ユニット530への遊技球23の通過が阻止される。
このように球誘導ユニット530の着脱状態に応じてスライド部材520が供給通路511の一部を塞ぐ第1位置と、供給通路511を開放する第2位置と、の間を移動可能に構成されているため、球誘導ユニット530をベース部材501から取り外した際の球こぼれを防ぐことが可能となる。スライド部材520は、球誘導ユニット530とバネ部材521とによって移動されるため、スライド部材520を駆動するための駆動手段を別途設ける必要がなく、部品点数の増加や容積の増大を防ぎつつ、球こぼれによる不具合を防止することができる。
更に、スライド部材520を構成する突出部材520cは、供給通路ユニット510の底面510dより下方に位置しており、球誘導ユニット530を取り外した状態において人が容易にスライド部材520を操作できることが可能である。例えば、スライド部材520が移動する過程において不具合が発生した場合であっても、スライド部材520を操作して容易に不具合を解消することが可能である。
また、スライド部材520は、前後方向に沿って配置された案内軸部材522に沿って移動するため、移動する過程におけるスライド部材520の傾きを低減することができ、スライド孔部511dとスライド部材520との位置ずれを防止することができ、スライド孔部511dにスライド部材520を円滑に挿入することができる。加えて、スライド片520bの後端部520eが先細り形状であるため、スライド部材520に多少の傾きが生じた場合であっても、円滑にスライド孔部511dに後端部520eを挿入して、スライド片520bを供給通路511内に移動させることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3に係る球誘導ユニットは、他の変形例を概念することができる。
次いで、図36及び図37に基づいて変形例1に球誘導ユニット630について説明する。変形例1に係る球誘導ユニット630は、回転体301の回転軸301aの周囲に中空穴部304が形成されており、この中空穴部304と対向する球誘導ユニットの右側面630aに操作部材600が挿入可能な貫通孔部631が形成されている。なお、実施の形態3と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。図36は、中空穴部と貫通孔部との位置関係を模式的に示した図であり、図37は、操作部材によって回転体を操作している状態を模式的に示した図である。
球誘導ユニット630の中空穴部304と対向する右側面630aには、球誘導ユニット630の外部から回転体301を回転操作するための操作部材600が挿入可能な貫通孔部631が複数形成されている。貫通孔部631は、中空穴部304と対向する右側面630aを貫通して形成されており、回転軸方向において中空穴部304と対向して配置されている。
図36に示すように、いずれかの中空穴部304と貫通孔部631とは、回転軸方向において重なって配置されているが、他のいずれかの中空穴部304と貫通孔部631とは、回転軸方向においてずれて配置されている。このように、中空穴部304と貫通孔部631とがずれて配置されていたり、重なって配置されていたりすることにより、貫通孔部631を介して操作部材600を中空穴部304に挿入したり、貫通孔部631を介して操作部材600を仕切り壁305に係止させたりして、球誘導ユニット630の外部から容易に回転体301を回転操作することが可能となる。
より詳細には、回転体301の回転停止時において、複数の貫通孔部631のうち少なくとも1の貫通孔部631における回転体301の回転軸方向(図示する左右方向)の投影領域には、仕切り壁305の一部が配置されており、貫通穴部から挿入された操作部材が操作可能な位置に、仕切り壁305の少なくとも一部が配置されている。貫通孔部631の回転軸方向における投影領域とは、図36において貫通孔部631と重なっている部分である。図36に示すように、1の貫通孔部631の回転軸方向における投影領域には、中空穴部304間の仕切り壁305が配置されている。
したがって、図37に示すように、回転体301の停止時において、貫通孔部631から挿入した操作部材600を仕切り壁305に引っ掛けたり、仕切り壁305に隣接する中空穴部304に操作部材600を挿入したりして、球誘導ユニット630の外部から停止状態の回転体301を回転操作することが可能となる。
このように球誘導ユニット630の外部から回転体301を回転操作可能に構成することにより、回転体301近傍における球詰まりを容易に解消することができ、メンテナンスの作業効率を向上させることができる。