JP4384614B2 - 積層導波路ホログラムメモリ、ホログラム再生装置及び情報記録方法 - Google Patents
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Description
一方、体積型ホログラムメモリの短所を克服すべく、ホログラム再生画像を生成するホログラムを記録した平面型シングルモード光導波路を多層に重ねて作った再生専用の積層導波路ホログラムメモリが提案されている(特許文献1参照)。
図10は、積層導波路ホログラムメモリの原理を示す図である。図10では、積層導波路ホログラムメモリ1’の断面図が示されている。図10に示された積層導波路ホログラムメモリ1’は、その表面から順にクラッド層a、コア層a、クラッド層b、コア層b、クラッド層c、コア層c、クラッド層dと積層された構造である。
さらに、積層導波路ホログラムメモリ1’の容量を増大させるために、開口を用いたデータ多重型のホログラムメモリが提案されている(特許文献2参照)。
積層導波路ホログラムメモリと積層導波路ホログラムメモリからのホログラム再生画像を検出する光検出器の間に、積層導波路ホログラムメモリからの回折光の一部だけを透過させるマスクを配置し、開閉可能なマスクの開口部を選択的に開くことにより、コア層で多重化されたホログラムから任意のホログラム再生画像を再生できることを特徴としている。
積層導波路ホログラムメモリ1’の端面1’Aから、一つのホログラム再生画像を回折するホログラム領域を覆う幅をもつ集光されたレーザ光LBが入射され、コア層aに結合しコア層a中を導波光PBとして伝搬する。導波光PBはコア層aに形成されているホログラムによって回折されるが、その殆どは積層導波路ホログラムメモリ1’上に配置されたマスク3’によって遮断される。
以上のような方法で、コア層に独立の異なるホログラム再生画像を回折するホログラムが互いに重なり合う領域をもって形成されている積層導波路ホログラムメモリ1’から、マスク3’の開口部4’の開閉によって独立のホログラム再生画像を形成し、記録されている情報を読み出すことができる。
また情報はビット列に分解され、ビット列は図12に示す記録符号の画像に割り当てられ、この記録符号の画像がホログラム再生画像100中の記録符号データ101の領域に配置される。ここで、ホログラム再生画像100を取り込む光検出器上では、ホログラム再生画像は光の明暗によって形成されており、図12では位置検出マーク102と記録符号の黒い部分が光の明るい部分を示す。
次に記録符号データ101が復号化され、記録されている情報を表すビット列が取り出され、記録されている情報を読み出すことができる。
また、開口を用いた多重化方法でホログラムの多重度を上げるためには、1つの開口から再生されるホログラム再生画像を大きくすること、再生されるホログラムの大きさを変えずに開口部の大きさを小さくし開口の数を増加させること、さらにホログラム再生画像の大きさを大きくしかつ開口部の大きさを小さくし開口の数を増加させることが考えられる。
しかしながら、開口部の大きさが小さくなると、マスク表面やホログラムメモリ表面のごみや、ホログラムメモリの傷といった外乱要因の影響を受けやすくなる。特にごみなどの外乱要因が開口部の全体を覆った時には、その開口部に対応する情報の読み出しが出来なくなり、情報の読み出し装置としての機能を果たせなくなる。
また、積層導波路ホログラムメモリやホログラム再生装置のマスクにゴミや傷など欠陥があった場合に、情報の読み取りにエラーが発生することが考えられるが、ゴミや傷の大きさがあらかじめ想定されているならば、ゴミや傷等の欠陥の影響が1組の開口パターンに属する開口への影響が高々1開口になるように、開口パターンに属する開口を配置し、積層導波路ホログラムメモリに情報を記録する際に開口パターンに属するある1つの開口にその他の開口に記録する情報から生成されるパリティを記録することで、ホログラム再生装置では、開口パターンに属するある1つの開口に対して読み出しエラーが発生しても、開口パターンに属するその他の開口の情報とパリティ情報からエラーのあった開口の情報を復元することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の積層導波路ホログラムメモリとその再生装置の一部の断面図と上面図を示した図である。本積層導波路ホログラムメモリ1は前記の図11と同様の原理で再生される。すなわち、レーザ光LBはレンズ2により集光され、積層導波路ホログラムメモリ1の端面1Aから入射し、コア層aに結合し、コア層a中を導放光PBとして伝播する。導波光PBはコア層aに形成されている凹凸によって回折されるが、その一部は積層導波路ホログラムメモリ1上に配置されたマスク3によって遮断される。光検出器5上のホログラム再生画像は、マスク3に開けられた開口部4を透過した回折光DBによって形成される。光検出器5で取り込まれたホログラム再生画像は復号などの信号処理を経て、記録されている情報を読み出すことができる。
なお、複数のホログラム再生画像が光検出器5上で重なったとしても、重なって形成された画像が意味のある画像となっている場合は、復号等の信号処理を経て記録されている情報を読み出すことができる。
再生時には開口パターンを1組として、図3のように6つの開口を同時に開き6つのホログラム再生画像を光検出器5で取り込む。ただし、その6つの開口からのホログラム再生画像は光検出器5上で重ならないこととする。
なお、開口パターンに属する全ての開口を同時に開く必要はなく、場合に応じて1つずつ開口を開いて情報を取り込んだり、3つの開口を同時に開いて情報を取り込んだりと、同時に開く開口の数を変えて情報を取り込んでもかまわない。
図4は積層導波路ホログラムメモリに情報を記録する手順100を説明した図である。まず記録する情報に対して、開口パターンを構成する開口に記録できる情報量の単位に分割する(ステップ101)。次に連続した最小単位の情報である記録単位に分割する(ステップ102)。
次に1つから複数の記録単位の情報から構成される開口単位の情報に組み合わせる(ステップ103)。次に開口毎の情報に対してホログラム再生画像中に発生するエラーを訂正するためのエラー訂正符号(ECC)の符号化や、精度よく情報を読み出すための記録符号化を行い、ホログラム再生画像の元画像を作成する(ステップ104)。
ここで、1つの開口で表現できる情報量は、その開口から再生されるホログラム再生画像で表現できる情報量に一致する。したがって、開口単位の分割した情報量は、1つの開口で表現できる情報量、すなわち1つの開口から再生されるホログラム再生画像で表現できる情報量となる。
図5の(2)のストライピング分割は、図に示す開ロパターン単位に分割した情報を、図に示す開口単位の情報量よりも小さな量の情報に順次分割して記録単位の情報とし、記録単位の情報を1ずつ順に開口に割り当てていき開口単位の情報とする。したがって、開口単位の情報は不連続な複数の記録単位の情報から構成される。
以上説明したように、複数の開口からホログラム再生画像を同時に取り込むことで、開口の開閉の切り替え回数を減らすことができ、高速に情報を読み出すことが可能となる。
また、情報の分割の方法や開口からの情報の読み出し順を変えることで、信号処理の順序に応じた最適な読み出しが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
図6は本発明の積層導波路ホログラムメモリと開口の配置を示した図である(マスク機構等は図示してない)。ここで開口の大きさ以下のゴミや傷等の欠陥が1つだけ媒体表面上に存在したとする。そのとき、ゴミや傷等の欠陥によって開口を透過する回折光が遮られたり乱れたりし、情報の読み出しに失敗する場合がある。これを回避する方法として、情報を積層導波路ホログラムメモリ上の異なる開口に位置する部分に冗長に記録しておき、読み出しエラーがあった場合にその他の開口から読み出すことを行う方法がある。
また、同じ開口パターンに属する開口は必ず隣り合わないように配置する。そのとき、開ロパターン毎に考えると、ゴミや傷等の欠陥の大きさが開口の大きさ以下であれば、このゴミや傷等の欠陥が影響する範囲は高々1開口の領域となる。従って、開ロパターン内では最大で1開口の読み出しエラーが存在す
る。このエラーを次の方法により訂正する。
また、ゴミや傷等の欠陥がマスク上に存在している場合も同様の方法でエラーを回避できる。
また、ごみが開口の大きさ以上になった場合には、同一の開口パターン内でゴミや傷の影響する範囲が高々1開口となるように、同一の開口パターンに属する開口を配置することで図7の方法で情報を復元できる。
また、ゴミや傷の影響する範囲が開ロパターン内で2つ以上の開口になる場合、エラー訂正符号を用いて、冗長度を高くすることでエラーを訂正することができる。
次に、連続した最小単位の情報である記録単位に分割する(ステップ202)。次に1つから複数の記録単位の情報から構成される開口単位の情報に割り当てる(ステップ203)。このとき、エラーを回避するための情報を記録する開口を除いた開口に情報を割り当てるように分割する。
次に元画像に対してホログラムを生成する位相と振幅を計算し、位相と振幅を積層導波路ホログラムメモリ内で導波光を回折する凹凸の位置と大きさに変換するホログラム計算を行う(ステップ206)。最後に凹凸を積層導波路ホログラムメモリのコア層(コア層とクラッド層との境界面)に記録し(ステップ207)、積層導波路ホログラムメモリが完成する。
もし、ある開口から取り込んだホログラム再生画像を復号した結果がエラーならば、パリティ情報を用いてエラーのあった開口の情報を復元する(ステップ305)。このとき、エラーの検出は開口毎に行うエラー訂正符号の復号時に行うことができる。すなわちエラー訂正符号の復号に失敗した場合はエラーとする。
また、開口を開くときに開口パターンに属する全ての開口を全て同時に開く必要はない。必要に応じて開く開口の数と順番を変えてかまわない。
Claims (7)
- 導波路とホログラム再生画像の結像面の間にある面に複数並んで配置された開口を通り、各開口から独立したホログラム再生画像が結像するように複数の独立なホログラムデータを書き込んだ、スラブ型シングルモード導波路から成る積層導波路ホログラムメモリにおいて、
2つ以上の開口を1組とした開口パターンを構成し、記録する情報を開ロパターン毎に分割し、該分割した情報をさらに開口パターンに属する開口単位に記録し、
前記開口パターンに記録する情報について、該記録する情報に誤りがあった場合に、該誤りを訂正するための情報を該記録する情報から作成し、該記録する情報と該誤りを訂正する情報を1組として開口パターンに属する開口に記録する
ことを特徴する積層導波路ホログラムメモリ。 - 請求項1記載の積層導波路ホログラムメモリにおいて、
積層導波路ホログラムメモリの表面に欠陥があった時に、前記誤りを訂正する情報を用いて誤りを訂正する場合に、開口パターンに属する開口に対する欠陥の影響が高々1開口となるように同一の開口パターンに属する開口を離して配置し、その範囲で誤りを訂正することを特徴とする積層導波路ホログラムメモリ。 - 請求項1または2に記載の積層導波路ホログラムメモリにおいて、
前記開口パターンに属する少なくても2つ以上の開口からのホログラム再生画像が光検検出器上で同時に再生できるように開口パターンに情報を記録することを特徴とする積層導波路ホログラムメモリ。 - 請求項3に記載の積層導波路ホログラムメモリから開口を選択して記録している情報を読み出す再生装置において、
同一の開口パターンに属する2つ以上の開口を一度に開き、光検出器上に再生された2つ以上のホログラム再生画像から同時に情報を読み出し、記録情報を再生することを特徴とするホログラム再生装置。 - 開口パターンに属するある開口から読み出された情報に誤りがあった場合に、該開口パターンのその他の開口に記録されている記録情報と誤りを訂正する情報を用いて、該誤りがあった情報を訂正することを特徴とする請求項4記載のホログラム再生装置。
- 導波路とホログラム再生画像の結像面の間にある面に複数並んで配置された開口を通り、各開口から独立したホログラム再生画像が結像するように複数の独立なホログラムデータを書き込む、スラブ型シングルモード導波路から成る積層導波路ホログラムメモリの情報記録方法であって、
2つ以上の開口を1組とした開口パターンを構成し、記録する情報を開ロパターン毎に分割し、該分割した情報をさらに開口パターンに属する開口単位に記録し、
前記開口パターンに記録する情報について、該記録する情報に誤りがあった場合に、該誤りを訂正するための情報を該記録する情報から作成し、該記録する情報と該誤りを訂正する情報を1組として開口パターンに属する開口に記録する
ことを特徴する情報記録方法。 - 積層導波路ホログラムメモリの表面に欠陥があった時に、前記誤りを訂正する情報を用いて誤りを訂正する場合に、開口パターンに属する開口に対する欠陥の影響が高々1開口となるように同一の開口パターンに属する開口を離して配置し、その範囲で誤りを訂正することを特徴とする請求項6に記載の情報記録方法。
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