JP4383560B2 - X線ctスキャナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内の画像データを再構成処理によって得るX線CTスキャナに係り、とくに、X線源から曝射された連続X線をコーンビームにして被検体に照射し、この照射による透過X線の強度、すなわち投影データを再構成して画像化するX線CTスキャナに関する。
【0002】
なお、ここで用いる用語「コーンビーム」は、ビームの照射面が検出器のチャンネル方向のみならず、これと直交するスライス方向にも拡がりを持つビームを総称して表し、必ずしも直接的意味の「コーン(円錐形)」のみを指すものではない。
【0003】
【従来の技術】
一般に、X線CTスキャナは、そのガントリ内に、被検体を挟むようにX線管およびX線検出器を配置し、X線から曝射されたX線ビームを被検体を透過してX線検出器に入射させるジオメトリを採る。スキャン時には、例えば、X線管およびX線検出器を同期して被検体周りに回転させる。X線検出器にはDAS(データ収集装置)が接続されており、1スキャン毎に所定ビュー数分の透過X線の強度データ(すなわち投影データ)をDASから得る。この投影データを再構成処理することにより、被検体内の画像データ(スライスデータまたはボリュームデータ)が得られる。
【0004】
このX線CTスキャナの分野において、高分解能の3次元画像を高速に生成したいとする要望が臨床現場や研究機関から出されている。この要望に応える1つの試みとして、コーンビームを用いてスキャンを行う、いわゆるコーンビームCTが研究されている。
【0005】
このコーンビームに拠るスキャン法の第1の従来例は、コーンビームX線源と2次元検出器とを被検体の周りに同期して1回転させ、Feldkampらの提案した3次元重畳積分法により近似的に3次元の画像再構成を行うものである(
「Feldkamp L.A. et al.,: "Practical cone-beam algorithm", J.Opt.Sac.Am.A,1.pp.612-619(1984) 」参照)。
【0006】
また、第2の従来例は、上述の3次元重畳積分法を更に改善して、工藤らによって提案された手法である(「工藤博幸、斉藤恒雄:“円すいビーム投影を用いた3次元ヘリカルスキャンCT”、信学論(D−11)、Vol.J74−D−II、No.8、pp−1108−1114、1191年8月」参照)。上述した第1の従来例では、体軸に斜めに入射するX線を平行なものと見做すという近似を行って3次元画像再構成を行っているが、X線源が動く円周を含む平面から遠い平面では、かかる近似の精度が低下し、再構成誤差が大きくなる。第2の従来例では、従来のファンビーム投影を用いたヘリカルスキャンを、円すいビーム投影を用いた測定系に適合させて、かかる誤差増大を防止し、高速にデータ収集できるようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、X線管のX線曝射モードには、パルスX線を曝射するモード、および連続X線を曝射するモードがある。従来知られているコーンビームCTはパルスX線を前提として構成されているものが殆どであり、連続X線を用いた場合にどのように投影データを読み出すかについて、今まで、具体的な提案はなされていないのが現状であった。上述した第1および第2の従来例の提案も、いずれも、パルスX線を前提としたもので、連続X線に着目したものではない。
【0008】
スキャンの更なる高速化の観点から、X線管にも、より短い時間内に所定の線量のX線を曝射することが求められている。パルスX線の場合、この要求に応えるための管球自体の技術的制約が伴い、連続X線の方が有利である。このため、今後は、連続X線が大いに使用される傾向にある。
【0009】
コーンビームCTにおいて、連続X線を用いて高速にスキャンし、高分解能の画像を得ようとすると、投影データの読み出しに関する問題がネックとなる。解像力を確保するには、検出器のチャンネル数と列数が増やす必要があるから、そのようにすると、検出器からの透過X線の強度、すなわち投影データの読み出しに時間が掛かる。読み出しの間もX線管および検出器は移動(回転)しており、しかも、連続的にX線を曝射し続けている。
【0010】
従来の問題の具体例(その1)
この辺の事情に関わる不都合の一例を図18〜20に示す。図18に示す如く、X線検出器として、チャンネル方向にN個×列方向(スライス方向)にM個の複数のX線検出素子をマトリクス状に配して2次元検出器101を形成してあるとする。この2次元検出器101に対して、列方向に配置された1行分のM個のX線検出素子を順に読み出し、その後、次の列方向に配置された1行分のM個のX線検出素子を順に読み出す、という読み出し順を採用する。この場合、あるビューにおいて、第0チャンネルの1行分の読み出した投影データは、図19(a)の矢印で描かれる期間にわたって検出器出力を積分した値になる。1チャンネル、2チャンネルと同様の読み出しが進んでいって、最後のN−1チャンネルの1行分を読み出した投影データは、図19(b)の矢印で描かれる期間にわたって検出器出力を積分した値になる。
【0011】
同図(a),(b)を比較すれば一目瞭然であるように、同一ビューでありながら、ビューアングルが異なってしまう。つまり、図20に示す如く、本来のハードウエア幾何学とは異なり、実効焦点Fの位置が実焦点の位置よりも遠ざかり、検出器ピッチが細かくなったのと等価な状況になる。これとは反対に、同一ビューにおいて、最初に最終N−1チャンネルの1行分の素子列を順に読み込み、最後に初めの第0チャンネルの1行分の素子列を順に読み込みようにする場合、実効焦点Fの位置は実焦点位置よりも近くなり、コーンビームのチャンネル方向の角度(ファン角度)は実際の値よりも大きくなったのと等価な状況になる。
【0012】
このように同一ビューでありながら実効焦点位置が異なるので、このまま従来の画像再構成法を実施したのでは、画質が劣化してしまう。
【0013】
従来の問題の具体例(その2)
別の例を図21〜24に示す。この例は、図21に示す如く、上述のように構成した2次元検出器101に対して、チャンネル方向に配列された列のN個のX線検出素子から列毎に順に投影データを読み出す。DASには、例えば、特開平8−140962号公報記載の図7に示す如く、チャンネル毎にデータ読み出しのスイッチング手段を設ける。このため、図21のチャンネル方向に沿った列毎の読み出しの場合、各列の素子間の読み出しに掛かる時間差は無視できる。したがって、各列毎の実効的ファン角度や実効的焦点軌道半径は、実際のハードウエア幾何学と殆ど同等と見做すことができる。
【0014】
しかしながら、各列毎に投影角度位置が異なってしまう。この投影角度位置は、一例として、検出出力の積分期間における中心時刻の線源位置と決めることができる。また、X線管および検出器の1回転当たりの所定のビュー数Kを得るようにスキャンがコントロールされるとする。つまり、全ての列の読み出しは「1回転の時間/K」の間に多少の余裕をもって(しかし、きっかりに)終了するとする。この状況下での、全ビューK=0〜7に対する、第0列の投影データ読み出し時の実効焦点位置を図22(a)に、第1列のそれを同図(b)に、さらに最終の第M−1列のそれを同図(c)にそれぞれ示す。
【0015】
この場合も、図から明らかなように、同一ビュー内でありながら、実効焦点位置が列毎に変化してしまう。これは、独立したスライスの面再構成ならばさほど気になる問題ではないが、コーンビームCTの場合にはコーン角再構成であって、各面が独立していない。線源位置がずれているのを無視してFeldkamp再構成を行うと、画像が単に回転する程度のことでは収まらない。
【0016】
例えば、図23に示す画像再構成領域Rrec中の黒丸で示すボクセルに対しては、実効焦点Fが図面上の上側にあるビュー(U)の状態での投影のときには、最後に読み出す列のデータが寄与し、下側にあるビュー(L)の状態での投影のときには、比較的最初に読み出す列のデータが寄与する。読み出すタイミングがnominal 時刻からずれる程度が列毎に異なるから、注目するボクセルに対する投影角ピッチがビュー毎に少しずつ変化してしまう。図23の黒丸のボクセルに寄与する投影データは、例えば、図24で示すビュー毎の線源位置で収集されたものである。投影角ピッチが不均等になっている。
【0017】
この不均等ピッチ自体が好ましいことではない。ビュー数自体が不足気味なのに、疎な投影方向(粗い投影角ピッチ)があると、ビュー不足に由来するアーチファクトが出現し易い。このアーチファクトを処理しようとすると、それだけ補正対策も増える。
【0018】
一方、2次元検出器を成す全てのX線検出素子に対してDSAの収集回路を接続する全素子同時読出しの構成を採用することも考えられる。しかし、上述したように、コーンビームCTの場合、2次元検出器であり、しかもX線検出素子数が多くなる。例えばチャンネル方向の素子数は1000個程度装備するのが普通であるから、スライス方向の素子数nと合わせて、1000×n個になる。この全素子を並列にDASに接続し、並列の収集回路を設置することは、DASの回路規模が大きく成り過ぎて、部品コストが極めて高くなるとともに、DAS自体に高速処理が要求されるので、実際上は、殆ど実用に供し得ないという状況にある。
【0019】
本発明は、上述したコーンビームCTが直面する問題に鑑みてなされたもので、連続X線を用いてコーンビームでスキャンを行うときに、DASの実用的な回路規模を維持しつつ、スキャン時間を格別に長期化させないで、投影データの収集タイミングのずれに起因した実効パスのずれの影響を排除して、歪みの少ない、高分解能な投影データを確実に収集することを、その目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項記載の発明に係るX線CTスキャナは、X線を連続的に曝射するX線源を有し、このX線をコーンビーム状のX線に整形して被検体に向けて照射するX線照射手段と、前記被検体を透過してきたX線を検出する複数のX線検出素子を2次元的に配列した2次元検出器と、前記X線照射手段および前記2次元検出器の少なくとも一方と前記被検体との間を相対的に移動させて前記X線をスキャンさせるスキャン手段と、前記2次元検出器が検出した前記透過X線の強度を投影データとして収集する収集手段と、前記複数のX線検出素子の収集に関わるX線実効パスに拠る前記X線源の仮想的な実効焦点位置を求めて前記投影データと前記仮想的な実効焦点位置とに基づき画像データを再構成する再構成手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
好適には、前記2次元検出器は、前記複数のX線検出素子をマトリクス状に配置するとともに、そのマトリクス配置の一方向を列方向に設定し且つこの方向に直交する方向をチャンネル方向に設定した構造の検出器であり、前記収集手段は、前記列方向に沿った1行の前記素子並びに属するX線検出素子の検出信号を順次、読み出し、この読出しを行毎に繰り返す列方向優先読出しを行う手段である。
【0022】
この場合、例えば、前記収集手段は、前記マトリクス状に配置した複数のX線検出素子の内、前記チャンネル方向において分けた複数領域のそれぞれにて並行して前記列方向優先読出しを行う手段である。前記収集手段は、前記複数領域それぞれの前記列方向優先読出しを同一の前記列方向に沿って領域間で対称に行う手段であってもよい。また、前記再構成手段は、複数ビューにわたって前記複数領域から収集された投影データ群の中から前記実効焦点位置がほぼ位置する組み合わせとなる、異なるビュー間の投影データを組み合わせてフルチャンネルの投影データを作成する手段を有していてもよい。例えば、前記スキャン手段は、前記スキャンを一定範囲を越えた所定範囲まで余分にスキャンするオーバースキャンを実施する手段である。
【0023】
また、好適な別の一例としては、前記2次元検出器は、前記複数のX線検出素子をマトリクス状に配置するとともに、そのマトリクス配置の一方向を列方向に設定し且つこの方向に直交する方向をチャンネル方向に設定した構造の検出器であり、前記収集手段は、前記チャンネル方向に沿った1列の前記素子並びに属するX線検出素子の検出信号を順次、読み出し、この読出しを列毎に繰り返すチャンネル方向優先読出しを行う手段である。例えば、前記収集手段は、前記マトリクス状に配置した複数のX線検出素子の内、前記列方向において分けた複数領域のそれぞれにて並行して前記チャンネル方向優先読出しを行う手段である。
【0024】
さらに別の好適な一例としては、前記スキャン手段は、前記X線をほぼパラレルビームの状態で照射させる手段であり、前記再構成手段は、そのX線に応答して前記収集手段により収集された投影データからパラレルビューの画像データを作成する手段である。
【0025】
さらにまた、別の好適な一例としては、前記再構成手段は、前記複数のX線検出素子のそれぞれに投影したX線パスがスキャン回転軸に垂直な面に投影したときにパラレルになるように前記再構成を行う手段である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0027】
第1の実施形態
第1の実施形態に係るX線CTスキャナを図1〜図7を参照して説明する。
【0028】
図1〜3に示すX線CTスキャナは、ガントリ1、寝台2、制御キャビネット3、電源4、および各種のコントローラ31〜33を備え、例えばR−R方式で駆動するようになっている。このコントローラとしては、図3に示す如く、高電圧コントローラ31、架台コントローラ33、および寝台コントローラ32が備えられる。
【0029】
ここで、図1、2に示す如く、寝台2の長手方向を列方向(または回転軸方向、またはスライス方向)Zとして、これに直交する2方向をチャンネル方向Xおよびビーム曝射方向Yとしてそれぞれ定義する。
【0030】
寝台2の上面には、その長手方向(列方向Z)にスライド可能に支持された状態で天板2aが配設されており、その天板2aの上面に被検体Pが載せられる。天板2aは、サーボモータにより代表される寝台駆動装置2bの駆動によって、ガントリ1の診断用開口部(図示せず)に進退可能に挿入される。寝台駆動装置2bには、寝台コントローラ32から駆動信号が供給される。寝台2はまた、天板2aの寝台長手方向の位置を電気信号で検出するエンコーダなどの位置検出器(図示せず)を備え、この検出信号を寝台制御用の信号として寝台コントローラ32に送るようになっている。
【0031】
ガントリ1は、図1および3に示す如く、その内部に略円筒状の回転フレーム9を有する。回転フレーム9の内側には上述の診断用開口部が位置する。また回転フレーム9には、上記診断用開口部に挿入された被検体Pを挟んで互いに対向するようにX線管10及びX線検出器としての2次元検出器11が設けられている。さらに、回転フレーム9の所定位置には、図3に模式的に示す如く、高電圧発生器21、プリコリメータ22、ポストコリメータとしての散乱線除去コリメータ23、データ収集装置(DAS)24、および架台駆動装置25が備えられる。
【0032】
この内、X線源として機能するX線管10は例えば回転陽極X線管の構造を成し、高電圧発生器21からフィラメントに電流を連続的に流すことによりフィラメントが加熱され、熱電子がターゲットに向かって放出される。この熱電子はターゲット面に衝突して実効焦点が形成され、ターゲット面の実効焦点の部位からX線ビームが拡がりを持って連続的に曝射される。
【0033】
高電圧発生器21には、低圧スリップリング26を介して電源装置4から低電圧電源が供給されるとともに、光信号伝送システム27を介して高電圧コントローラ31からX線曝射の制御信号が与えられる。このため、高電圧発生器21は、供給される低圧電源から高電圧を生成するとともに、この高電圧から制御信号に応じた連続的な管電圧を生成し、これをX線管10に供給する。
【0034】
プリコリメータ22はX線管10と被検体Pとの間に、またポストコリメータとしての散乱線除去コリメータ2は被検体Pと2次元検出器11との間にそれぞれ位置する。プリコリメータ22は、例えば列方向Zに一定幅の例えばスリット形状の開口を形成する。これにより、X線管10から曝射されたX線ビームの列方向Zの幅を制限して、例えば2次元検出器11の複数の検出素子列に対応した所望スライス幅のコーンビームを形成する。
【0035】
X線管10と2次元検出器11は回転フレーム9の回転によってガントリ1内で、診断用開口部における軸方向の回転中心軸の周りに対向状態で回転可能になっている。
【0036】
また2次元検出器11は、複数の検出チャンネルを有する検出素子11aの列を「列」方向(「スライス」方向)に複数列配した検出器で成る(図1参照)。各検出素子11aの検出部は、一例として、入射X線を一度、光信号に変換し、この光信号を電気信号に変換するシンチレータおよびフォトダイオードの固体検出器で成る。また、この各検出素子11aには、電荷蓄積部(サンプルホールド)が設けられている。このため、この2次元検出器11は、この電荷蓄積部をDAS24のスイッチ群で順に選択して電荷読出しを行い、これにより透過X線の強度を表す信号(投影データ)を検出する構造になっている。
【0037】
なお、各検出素子11aとしては、入射X線を直接に電気信号に変換する方式のセンサ(I.I.など)を用いてもよい。
【0038】
DAS24は、スイッチ群の切換により、各検出素子11aから検出信号を順次読み出し、A/D変換(電圧に変換してサンプリング)する、いわゆるフィルタDASの構造になっている。
【0039】
これを行うため、DAS24は、検出器11が2次元(平面)検出器であることを考慮して、Nチャンネル数分の列選択部24A1 …24AN と、1個のチャンネル選択部24Bと、1個のA/D変換器24Cと、制御回路24Dとを備える。
【0040】
制御回路24Dは、後述するように各種の切換制御信号を列選択部24A1 …24AN 、チャンネル選択部24B、およびA/D変換器24Cに供給する一方で、2次元検出器11の各検出素子11aの電荷蓄積部にも、蓄積制御信号Scontを供給するようになっている。これにより、各検出素子11aは、図5に示す如く、その素子が選択されていない場合にはリセット期間以外で電荷蓄積(つまりデータ計測)を行う第1の動作モードと、その素子が選択された場合には電荷送出(つまりデータ読出し)行う第2の動作モードとを択一的に実行できる。
【0041】
列選択部24A1 …24AN は、「Nチャンネル×M素子」の検出信号(N,Mは「1」より大きい正の整数)から行選択信号Sselcに応じて、割り当てられたチャンネルの各列の検出信号を択一的に選択する。列選択信号Sselcは制御回路24Dから供給される。検出された各チャンネルの投影データは、チャンネル選択部24Bに送られる。チャンネル選択部24Bには制御回路24Dからチャンネル選択信号Schanが供給されているので、この選択信号で指定されたチャンネルの投影データのみが次段のA/D変換器24Cに送られる。
【0042】
このA/D変換器24Cには制御回路24Dから読出し信号Sreadを含む各種の制御信号が供給される。このため、A/D変換器24Cは、読出し信号Sreadの到来時に、選択された行および列の検出信号をA/D変換し、投影データとしてDAS24から順次出力する。この出力された投影データはデータ伝送部28に送られる。
【0043】
制御回路24Dは例えばCPUを備えて構成され、メインコントローラ30の制御の元にデータ収集に必要な制御信号を生成し、出力する。
【0044】
図3に戻って、データ伝送部28はガントリ1内の回転側と固定側の信号経路を接続するもので、ここでは一例として、非接触で信号伝送する光伝送システムが使用される。なお、このデータ伝送部28としてスリップリングの構造を用いてもよい。このデータ伝送部28を介して取り出されたデジタル量の投影データは制御キャビネット3の後述する補正ユニットに送られる。
【0045】
さらに、架台駆動装置25はガントリ1内の回転側要素全体を回転フレーム9を、その中心軸周りに回転させるモータおよびギア機構などを備える。この架台駆動装置25には、架台コントローラ33から駆動信号が与えられる。
【0046】
高電圧コントローラ31、寝台コントローラ32、および架台コントローラ33は、信号的にはガントリ1および寝台2と制御キャビネット3との間に介在し、後述するメインコントローラからの制御信号に応答して、それぞれが担当する負荷要素を駆動する。
【0047】
制御キャビネット3は、システム全体を統括するメインコントローラ30のほか、メインコントローラ30にバスを介して接続された補正ユニット34、データ保存ユニット35、再構成ユニット36、表示プロセッサ37、ディスプレイ38、および入力器39を備える。
【0048】
補正ユニット34は、メインコントローラ30からの処理指令に応じて、DAS24から送られてくるデジタル量の投影データに、オフセット補正やキャリブレーション補正などの各種の補正処理を施す。この補正処理された収集データは、メインコントローラ30の書き込み指令によって、データ保存ユニット35に一旦格納・保存される。この保存データは、メインコントローラ30の所望タイミングでの読み出し指令に応じてデータ保存ユニット35から読み出され、再構成ユニット36に転送される。再構成ユニット36は、メインコントローラ30の管理下において、再構成用の収集データが転送されてきた段階で、例えばコンボルーションバックプロジェクション法に基づきコーンビームに対する再構成処理を行い、3次元領域の画像データを生成する。
【0049】
この画像データは、メインコントローラ30の制御の元、必要に応じてデータ保存ユニット35に保存される一方、表示プロセッサ37に送られる。表示プロセッサ37は、画像データにカラー化処理、アノテーションデータやスキャン情報の重畳処理などの必要な処理を行い、ディスプレイ38に供給する。ディスプレイ38により画像データがD/A変換され、断層像として表示される。入力器39は、スキャン条件(スキャン部位及び位置,スライス厚,X線管電圧及び電流、被検体に対するスキャン方向などを含む)、画像表示条件などの指令をメインコントローラ30に与えるために使用される。
【0050】
このX線CTスキャナにおいて、X線管10および2次元検出器11はR−R方式で回転駆動され、マルチスキャンまたはヘリカルスキャンなどのスキャン法でX線投影される。この回転駆動の間、X線管10からはX線が連続的に被検体に向けて曝射される。この連続X線はプリコリメータ22によりコーン状に整形され、コーンビームとして被検体に照射される。被検体を透過したX線は2次元検出器11で検出され、以下のように読み出される。
【0051】
いま、図6に示す如く、2次元検出器11は、チャンネル方向にN個×列方向(スライス方向)にM個の複数のX線検出素子をマトリクス状に配して形成してあるとする。この2次元検出器11に対して、列方向に沿って配置された1行分のM個のX線検出素子を順に読み出し、その後、次の列方向に沿って配置された1行分のM個のX線検出素子を順に読み出すという「列方向優先読出し方式」を採用するとする。この列方向優先読出し方式は、DAS24において、制御回路24Dが各部に供給する制御信号Scont、Sselc、Schan、Sreadのタイミングを、列方向の読出しがチャンネル方向のそれよりも優先するように制御することで達成される。
【0052】
具体的には、第6図に示す如く、第1チャンネルの列選択部24A1 に第1行を選択させ、同時に、チャンネル選択部24Bに第1列を選択させる。次いで、第1チャンネルの列選択部24A1 に第1行を選択させ、同時に、チャンネル選択部24Bに第2列を選択させる。以下、同様にして順次、列方向の読出しを行う。そして、第1チャンネルの列選択部24A1 に第1行を選択させ、同時に、チャンネル選択部24Bに第M列を選択させて、第1行第M列の読出しが終わると、今度は、第2チャンネルの列選択部24A2 に第2行を選択させ、同時に、チャンネル選択部24Bに第1列を選択させる。以下同様にして第2行目の列方向の読出しを行う。これをチャンネル方向に繰り返す。
【0053】
これにより、図6の矢印で示す如く、2次元検出器11の同一チャンネル毎に行方向に沿って検出信号(投影データ)が順次読み出される。この列方向優先読出し方式のときの時間とレイ角との関係を図7に示す。レイ角は図8に示すように、実効焦点Fから各X線検出素子へのX線パスの角度であり、レイ角=β+γで表される。図8における座標原点Oはガントリ回転中心に合わせ、同図は列方向に沿って見た座標軸を表す。
【0054】
読み出された投影データは、データ伝送部28を通って補正ユニット34に送られる。補正ユニット34で各種の補正を受けた後、データ保存ユニット35にビュー毎に保存される。再構成ユニット36は、この保存データに対して3次元の再構成処理を例えば3次元のCBP法またはこのCBP法に準じた各種の再構成法に基づき行う。この再構成処理の際、ハードウエア幾何学的で決まっている実際の実効焦点位置ではなく、仮想的な実効焦点位置(実効的なレイ位置)から逆投影する。この理由は、以下に拠る。
【0055】
図7に示す如く、この列方向優先読出し方式では、あるビューの第1列〜第M行の読出し時間のそれぞれは、全チャンネルにまたがり、長い時間を要する。このため、前述した19、20で説明したように、実効焦点位置が遠ざかるか(ファン角度は実際より小さくなり)又は近くなり(ファン角度は実際よりも大きくなる)、本来のハードウエア幾何学とは異なる。このため、このまま再構成したのでは、従来と同様の問題を生じる。
【0056】
そこで、再構成ユニット36は、以下の手順で再構成処理を行う。
【0057】
(1)列毎の仮想実効焦点位置を、各列の検出素子A〜N(図6参照)の読み出し時刻に合わせて計算する。チャンネル方向の1列目の素子はA1 ,B1 ,…N1 、2列目の素子はA2 ,B2 ,…N2 、…、第M列目の素子はAm ,Bm ,…Nm であるから、各素子に読み出し時刻に合わせて、各列毎の仮想実効焦点位置を計算する。
(2)列毎に、仮想実効焦点位置、仮想ファン角を使って各素子の収集位置を補正して定義する。
(3)列毎に、コンボリューションを実行する。
(4)逆投影データの算出に用いる複数の検出素子列に対応する複数の仮想実効焦点位置から所定のルール(例えば、その算出に使った重み付けに従うルール)でボクセル毎に計算した仮想実効焦点位置と仮想検出器位置で逆投影を行う。
【0058】
これにより、列毎に異なる仮想実効焦点位置が補正され、逆投影処理が行われる。したがって、スキャン時間を格別に長期化させないで、投影データの収集タイミングのずれに起因した実効パスのずれの影響を排除して、歪みの少ない、高分解能な投影データを確実に収集することができる。また、DASにおいては、全ての素子に対して収集回路を独立して設ける訳ではないので、実用的な回路規模に抑制でき、回路部品コストを押さえることができる。また、連続X線を用いているため、パルスX線に比べ、短い時間に所定の線量を曝射できる。
【0059】
この実施形態の変形例を図9に示す。上述の実施形態において、投影角ピッチが大きいと、並行ビームに近くなり、極端に大きい場合には並行ビームになる。現実的な投影角ピッチであっても、次のビュー、あるいは更に次のビューと、離れたビューのデータまで利用すると、補間無しのパラレルビームに近い幾何学的配置が可能になる。このパラレルビューと見做せる状態のときには、例えば特開平10−43175号公報で提案されているように、ビームとスライスとの間の間隔に依存する重みに基づき、重み付け関数を簡潔なフーリエ級数で近似し、パラレル再構成するようにしてもよい。
【0060】
第2の実施形態
第2の実施形態に係るX線CTスキャナを図10〜11に基づき説明する。
【0061】
この実施形態のX線CTスキャナの構成は、第1の実施形態のものと同一である。ただし、2次元検出器11からの検出データの読み出しを、「列方向優先読出し法」から「チャンネル方向優先読出し法」に代える構成を採る。
【0062】
このチャンネル方向優先読出し法は、前述した図21と同様に、2次元検出器11に対して、図10の矢印で示す如く、チャンネル方向に配列された列のN個のX線検出素子をその列毎に順に投影データを読み出す方法である。
【0063】
この「チャンネル方向優先読出し法」は、DAS24において、以下の手順で実行される。第1チャンネルの列選択部24A1 において第1列が選択され、同時に、チャンネル選択部24Bにおいて第1行が選択される。次に、第2チャンネルの列選択部24A2 においても第1列が選択され、同時に、チャンネル選択部24Bにおいて第2行が選択される。以下、順に、第1列の第N行まで収集される。このため、第1列の投影データがチャンネル毎にA/D変換器24Cから順次出力される。第2列、第3列、…第M列についても同様に順次、繰り返される。
【0064】
「チャンネル方向優先読出し法」の場合、チャンネル方向に沿った1列の素子列はほぼ同時に読み出され、「列」方向に沿った1行の素子並びがその素子毎に僅かずつタイミングを異にするだけであるから、各列の素子全体としては時間差無しと考えることができる。したがって、各列毎の実効的ファン角度や実効的焦点軌道半径は、実際のハードウエア幾何学と殆ど同等を見做すことができる。
【0065】
図11に、チャンネル方向優先読出しの場合の、時間Tとレイ角(=β+γ:図8参照)との関係を各列の読出しをパラメータとして示す。
【0066】
しかし、各列毎に投影角度位置が異なってしまう。このため、このまま投影データを再構成処理すると、前述した図22〜24で説明したように、投影角ピッチが不均等になって、ビュー不足に由来するアーチファクトが出現し易い。
【0067】
そこで、本実施形態では、Feldkamp再構成法などのようにCBP法に準じる再構成法を以下のように変形して再構成処理を行う。つまり、コンボリューションなど逆投影以外の列毎に独立した演算は列毎に処理し、逆投影など複数の列が関連する処理(通常は2チャンネル、2列で合計4点のデータ補間を行う。3列以上で6点以上のデータを用いて補間することもある。)は各々の列のデータ収集時のX線源位置を加味して行う。
【0068】
すなわち、従来の再構成法とは異なり、列毎に少しずつ異なる線源位置から逆投影を行う。具体的には、列毎に仮想実効焦点を求め、実効パスに沿った方向に重み付けして逆投影する。または、逆投影する複数のデータに対応する複数の仮想実効焦点から実効焦点位置を計算して逆投影してもよい。その実効焦点位置の計算には、例えばデータの重みに応じて仮想実効焦点を角度方向に重み付け補間した位置として求める方法がある。
【0069】
また、これに代えて、第1の実施形態のときと同様に、
(1)列毎に、仮想実効焦点位置、仮想ファン角を使って各素子の収集位置を補正して定義する、
(2)列毎に、コンボリューションを実行する、
(3)逆投影データの算出に用いる複数の検出素子列に対応する複数の仮想実効焦点位置から所定のルール(例えば、その算出に使った重み付けに従うルール)でボクセル毎に計算した仮想実効焦点位置と仮想検出器位置で逆投影を行う、という手順で再構成を行ってもよい。
【0070】
これにより、列毎に異なる仮想実効焦点位置が補正され、逆投影処理が行われる。したがって、第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0071】
第3の実施形態
第3の実施形態を図12〜15に基づき説明する。
【0072】
この実施形態は、第1の実施形態で説明した「列方向優先読出し法」を更に発展させたもので、より高速化を図るため、「分割・列方向優先読出し法」を採用する。
【0073】
一例として、図12に示す如く、2次元検出器11のマトリクス状の複数の検出素子に対して、その半分ずつの前半、後半の領域を2系統同時の並列読み出しを行うものである。列方向に沿った第1行の素子列と第G行の素子列から同時に出発して、行毎に投影データを読み出す。この読出しは、DAS24において半分のチャンネル毎に、第1の実施形態のときと同様のスイッチ回路群を形成し、この2系統のスイッチ回路群を同様にコントロールすることで達成される。
【0074】
この場合、前半のチャンネルの実効線源位置と後半のチャンネルの線源位置はそれぞれ別の位置になる(図13参照)。逆投影はそれぞれの線源位置から行うとしても、全チャンネルのデータが不連続であるので、コンボリューションに不具合が生じる。
【0075】
そこで、本実施形態では、ある投影データの読出しが終わって、次の投影データの読出しに移行するまでの時間マージン(読出しタイミングマージン)が読出し期間よりも十分に短く設定してある。この場合、あるビューの前半のチャンネルの実効焦点位置と、次のビューの後半のチャンネルの実効焦点位置とは、同一ビューのそれらよりも、時間的に相当に近くなる(図14の点線および図15参照)。
【0076】
そこで、再構成ユニット36は、あるビューの前半のチャンネルと次のビューの後半のチャンネルの投影データを1組にして(図14の点線で結ばれる投影データ同士を1組として)、前述したFeldkamp再構成法やこれに準じた再構成法に基づくコンボリューションと逆投影に使用する。これによって、第1の実施形態のときと同等の作用効果を得るほか、2分割・列方向優先読出しであるので、その分、データ読出しが高速化されるとともに、時間的に異なるデータ群を複数群、組み合わせて実効線源位置の相違が少ないフルチャンネル分の投影データを用意することができ、これにより、好適な画像再構成が可能になる。
【0077】
なお、この第3の実施形態に対しても種々の変形が可能である。例えば、上述した2分割の列方向優先読出し(並列読出し)でなく、3分割または4分割であってもよい。これにより、近傍のビューデータと組み合わせて、実効焦点位置のほぼ近いフルチャンネル分の投影データの組が得られる。
【0078】
また、読出しタイミングマージンと読出し期間とがほぼ匹敵する場合でも、適宜な組み合わせが有利である。
【0079】
さらに別の変形はビュー数に関する。上述の実施形態は1回転に特定ビュー数の投影データを得ることを前提として構成したので、読出しタイミングマージンの存在を考慮するとした。しかし、ビュー数が不足気味の場合、一定のビュー数のスキャンに拘束されずに、回路が間に合う限り、時間一杯、読出しを繰り返し続けるという構成も可能である。ガントリの回転速度のふらつきなどに因り、1回転当たりのビュー数は不定になるが、その不定ビュー数はシステム側で認識させる。これにより、組み合わせる投影データの実効線源位置をうまく重ねることができる。
【0080】
さらに別の変形例は、オーバースキャンに関する。上述した実施形態のように、投影データを組み合わせてフルチャンネル分、作成する場合、通常、最初のビューで読み出した投影データの後半部分は、その次のビューで読み出した投影データの前半部分と組み合わせることが時間的差の面から有利である。しかし、1回転の間に被検体の体動が生じた場合、コンボリューションに供する投影データの真ん中に不連続が生じることになる。この不連続を回避するには、僅かずつオーバースキャンを実施すればよい。ここで「オーバースキャン」とは、必要な回転範囲より僅かに越えて、例えば1回転よりも僅かに越えてスキャンし、重複した投影データの収集を行うことである。このオーバースキャンによって得られた投影データは重み付け補間に利用するか、あるいはいずれか適切な方のデータを選択すればよい。このオーバースキャンは、マルチスキャンのみに適用され、メインコントローラ30および架台コントローラ33が共働して行う。
【0081】
第4の実施形態
第4の実施形態を図16〜17に基づき説明する。
【0082】
この実施形態は、第2の実施形態で説明した「チャンネル方向優先読出し法」を更に発展させたもので、より高速化を図るため、「分割・チャンネル方向優先読出し法」を採用する。
【0083】
一例として、図16に示す如く、2次元検出器11のマトリクス状の複数の検出素子に対して、その半分ずつの前半、後半の領域を2系統同時の並列読み出しを行うものである。チャンネル方向に沿った第1列の素子列と第G列の素子列から同時に出発して、列毎に投影データを読み出す。この読出しは、DAS24において、半分のチャンネル毎に第2の実施形態のときと同様のスイッチ回路群および制御法を採る2系統の回路構成で達成される。
【0084】
この場合、例えば、前述した図23の黒丸で示すボクセルに寄与する列の収集タイミングは図17に示すように、投影角ピッチの不均等さが大きくなるもののの(この図17は、不均等であること自体を模式的に示すもので、計算して求めたビュー位置を示すものではない)、第2の実施形態と同様の再構成処理で対処できる。これにより、高速のスキャンを行える。
【0085】
なお、上述した実施形態およびその変形例以外にも、本願発明の特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種の変形および変更が可能であることは勿論である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のX線CTスキャナにあっては、2次元検出器の列方向またはチャンネル方向を優先してその検出信号を読み出し、複数のX線検出素子の収集に関わるX線実効パスに拠るX線源の仮想的な実効焦点位置を求めて投影データと仮想的な実効焦点位置とに基づき画像データを再構成するようにしたため、X線減から連続X線をさせ、かつ、コーンビームでスキャンを行うときに、DASの実用的な回路規模を維持でき、スキャン時間を格別に長期化させず、投影データの収集タイミングのずれに起因した実効パスのずれの影響を排除して、歪みの少ない、高分解能な投影データを収集することができ、再構成画像の品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るX線CTスキャナのガントリ内のX線管と2次元検出器の位置関係を説明する図。
【図2】X線CTスキャナの概略構成図。
【図3】実施形態に係るX線CTスキャナの電気系の概略ブロック図。
【図4】DASの概略構成を示すブロック図。
【図5】DASの素子毎の電荷蓄積および電荷送出を示すタイミングチャート。
【図6】第1の実施形態における2次元検出器の列方向優先読出しを説明する図。
【図7】列方向優先読出しの場合の時間とレイ角の変化を示す図。
【図8】レイ角を説明する図。
【図9】第1の実施形態の変形例に係るパラレルビューを説明する投影状態の図。
【図10】第2の実施形態における2次元検出器のチャンネル方向優先読出しを説明する図。
【図11】チャンネル方向優先読出しの場合の時間とレイ角の変化を示す図。
【図12】第3の実施形態の2次元検出器の分割・列方向優先読出しを説明する図。
【図13】分割・列方向優先読出しを説明する投影状態の図。
【図14】分割・列方向優先読出しを説明する投影状態の図。
【図15】分割・列方向優先読出し方式に基づくビュー毎の時間差を説明する図。
【図16】第4の実施形態の2次元検出器の分割・チャンネル方向優先読出しを説明する図。
【図17】分割・チャンネル方向優先読出しを説明するビュー投影角の図。
【図18】従来例に係る列方向優先読出しを説明する図。
【図19】列方向優先読出しの問題を説明する図。
【図20】列方向優先読出しの問題を説明する図。
【図21】従来例に係るチャンネル方向優先読出しを説明する図。
【図22】チャンネル方向優先読出しの問題を説明する図。
【図23】チャンネル方向優先読出しの問題を説明する図。
【図24】チャンネル方向優先読出しの問題を説明する図。
【符号の説明】
1 ガントリ
3 制御キャビネット
10 X線管
11 2次元検出器(X線検出器)
11a X線検出素子
24 DAS
24A 列選択部
24B チャンネル選択部
24C A/D変換器
24D 制御回路
30 メインコントローラ
31〜33 コントローラ
Claims (4)
- X線を連続的に曝射するX線源を有し、このX線をコーンビーム状のX線に整形して被検体に向けて照射するX線照射手段と、
前記X線を検出する複数のX線検出素子群をマトリクス状に配置するとともに、そのマトリクス配置の一方向を列方向に設定し且つこの方向に直交する方向をチャンネル方向に設定した構造の2次元検出器と、
前記X線照射手段および前記2次元検出器を前記被検体の周りに回転させてスキャンさせるスキャン手段と、
前記素子群のうちの前記列方向に沿った1行の素子列に基づくデータを素子毎に順次読み出し、この読出しを行毎に繰り返すことで、前記スキャンによる複数のビュー群における、前記素子群に基づく投影データの収集を行う際、前記素子群を前記チャンネル方向で複数の領域群に分割し、前記領域群としての第1領域に含まれる前記素子列に基づくデータと、前記領域群としての第2領域に含まれる前記素子列に基づくデータとを前記スキャンによる同一ビューで略同時に並列読み出しする多分割・列方向優先読出しを行う収集手段と、
前記投影データの収集に関わるX線実効パスに拠る前記X線源の仮想的な実効焦点位置を求めて前記投影データと前記仮想的な実効焦点位置とに基づき画像データを再構成する際、前記投影データのうち、前記ビュー群としての第1ビューにおける前記第1領域のデータと、前記第1ビューの次にデータが読み出される前記ビュー群としての第2ビューにおける前記第2領域のデータとを組み合わせてフルチャンネル分の前記投影データを生成する再構成手段と、を備えることを特徴とするX線CTスキャナ。 - 請求項1記載の発明において、
前記収集手段は、前記多分割・列方向優先読出しを同一の前記列方向に沿って領域間で対称に行う手段であるX線CTスキャナ。 - 請求項1記載の発明において、
前記スキャン手段は、前記スキャンを一定範囲を越えた所定範囲まで余分にスキャンするオーバースキャンを実施する手段であるX線CTスキャナ。 - 請求項1記載の発明において、
前記スキャン手段は、前記X線を、比較的離れたビューのデータを利用することで得られる略パラレルのパラレルビームの状態で照射させる手段であり、前記再構成手段は、前記X線に応答して前記収集手段により収集された前記投影データからパラレルビューの画像データを生成する手段であるX線CTスキャナ。
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