JP4382257B2 - 電子写真装置用導電性弾性部材、電子写真装置用ローラ、及び、電子写真装置用ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置用導電性弾性部材、並びに、上記電子写真装置用導電性弾性部材を用いた電子写真装置用ローラ及び電子写真装置用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真装置において用いられる弾性部材は、感光体に電荷を注入したり、トナーを電気的に吸着して搬送する役割を有し、そのため、この弾性部材には、導電性が必要とされる。
また、これらの弾性部材は、多くの場合、感光体や転写体等に直接接触させて使用されるので、相手部材を物理的に傷つけたり、化学的に傷つけたりしないことが必要とされている。
【0003】
従って、これらの弾性部材には、低硬度であること、及び、ブルームやブリードが生じないことが要求される。
従って、可塑剤等の化学的に反応しない油成分を添加することにより弾性部材の低硬度化を図る方法は、油成分が弾性部材の表面に移行し、ひいては相手部材を汚染することとなるので電子写真装置用導電性弾性部材には適用できない。
【0004】
そこで、可塑剤を添加せずに導電性ローラの低硬度化を図る方法として、イソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートの異性体を用いたポリウレタンエラストマーを使用する方法がある。しかしながら、トリレンジイソシアネートは、その立体構造上、メチル基とイソシアネート基とが隣接しているので、メチル基の立体障害によりイソシアネートと活性水素との反応速度が遅い。従って、150℃以上の高温下で長時間架橋を行わなければ反応が完結せず、生産性が著しく劣るばかりでなく、未反応成分が相手部材を汚染する原因ともなっていた。
【0005】
また、トリレンジイソシアネートは特定化学物質であり、成形を行う温度域において、蒸気圧が高いので蒸気を発生し易く、高温下での架橋を必要とする作業環境は、人体に対する安全面、衛生面から好ましくなかった。
【0006】
そこで、このような問題を解決するため、特開平10−213965号公報には液状のジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIともいう)を用いる方法が提案されている。
通常、液状のMDIとしては、凝固点が40℃付近にある4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートに、一部をカルボジイミド変成したMDIをブレンドして液状にしたもの(通称;カルボジイミド変性MDI)や一部をトリプロピレングリコールのような比較的短い成分でプレポリマー化したMDIをブレンドして液状にしたもの(通称;ウレタン変性MDI)や粗MDIをブレンドして液状にしたもの(通称;クルードMDI)等が用いられる。
【0007】
MDIは、イソシアネート基が直接ベンゼン環と結合しており、その構造上、イソシアネート基の反応を阻害する官能基が存在しないので、反応性に優れ、また、蒸気圧も高いことから安全面、衛生面においても優れるものである。
しかしながら、上記したような通常用いられるMDIは、カルボジイミド基やウレタン基のような硬い構造を含んでいたり、官能基数が2を超えることから架橋密度が高くなるので、JIS A硬度が40未満の低硬度なポリウレタンエラストマーを得ることができないという問題点があった。
【0008】
また、電子写真装置用の導電性弾性部材であるローラやベルトは、トナーの小粒径化による画質の向上に伴って、一層低硬度なものが求められている。例えば、トナーを感光体に搬送する現像ローラでは、より低硬度なものを用いることにより感光体との接触幅を大きくすることができ、均一なトナー潜像を感光体上に形成することができ、ローラの長さ方向に対して均一な画像を形成することができる。
【0009】
しかしながら、このような均一な画像を形成するためには、ローラと感光体との接触幅を2mm以上とる必要があり、従来のJIS A硬度が40〜50程度のローラでは、接触時のトルクが著しく大きくなり、それに伴って駆動モータを大きくする必要があるので、小型化の点で問題となる。
【0010】
また、カラー複写機等に用いられる中間転写ベルトでは、まず、一色づつトナーの潜像を形成したのち、中間転写ベルト上に色を重ね合わせることでカラー像を形成する。
このとき、トナーの粒径が小さいほどドットが小さくなり画像品質が向上する。そこで、中間転写ベルト上のトナーを紙等の転写体に転写する場合、紙等の凹凸に小粒径のトナーを均一に転写するために、中間転写ベルトは、転写体にニップをもたして接触する必要があり、ベルト表面が被転写体表面に追従する必要がある。そのため、転写ベルトにはより低硬度なものが要求されるのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、製造時に人体に対する悪影響が少なく、成形性に優れ、化学的に安定で、低硬度な電子写真装置用導電性弾性部材、並びに、上記電子写真装置用導電性弾性部材を用いた電子写真装置用ローラ及び電子写真装置用ベルトを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを用いたポリウレタンエラストマーからなる電子写真装置用導電性弾性部材であって、上記ポリオールは、平均官能基数が2より大きく3以下であり、上記ジフェニルメタンジイソシアネートは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート50〜80%と、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート20〜50%との混合物である電子写真装置用導電性弾性部材である。以下に本発明を詳述する。
【0013】
本発明の電子写真装置用導電性弾性部材は、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを用いたポリウレタンエラストマーからなるものであり、上記ポリオールは、平均官能基数が2より大きく3以下である。
【0014】
上記平均官能基数が2以下では、ポリウレタンエラストマー中に化学架橋点がないため圧縮永久歪みが損なわれるので、本発明の電子写真装置用導電性弾性部材をニップをもって相手部材に接触する電子写真装置用ローラ、電子写真装置用ベルト等に用いた際に経時的復元力に欠けることとなり、一方、上記平均官能基数が3を超えると、ポリウレタンエラストマー中の架橋密度が高くなり、低硬度化できなくなるので上記範囲に限定される。
【0015】
上記平均官能基数を有するポリオールとしては、単独で上記範囲の平均官能基数を有するものであってもよく、複数のポリオールを上記範囲の平均官能基数を有するように混合したものであってもよい。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレンアジペートエステル、ポリエチレンブチレンアジペートエステル、カプロラクトンエステル等のポリエステルポリオール等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
本発明で用いられるイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の構造異性体の混合物である。上記MDIは、反応性に優れ、かつ、成形を行う温度域において、蒸気圧が低いので、上記電子写真装置用導電性弾性部材を効率よく、かつ、安全に製造することができる。
上記MDIの異性体混合物のなかでは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4′−MDIともいう)と、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,4′−MDIともいう)との混合物が好ましい。
【0017】
上記MDIの異性体混合物として、4,4′−MDIと2,4′−MDIとの混合物を用いる場合の両者の混合比率は、4,4′−MDI50〜80%と、2,4′−MDI20〜50%とが好ましい。
上記混合比率で両者を混合することにより、4,4′−MDIの直線構造に由来する特性と2,4′−MDIの屈曲構造に由来する特性とが、ポリウレタンエラストマーにバランスよく付与され、低硬度でかつ成形性のよい電子写真装置用導電性弾性部材を得ることができる。
【0018】
上記2,4′−MDIの混合比率が20%未満では、イソシアネート成分が結晶化し、低硬度化が図れなくなることがあり、50%を超えると、分子鎖の屈曲構造が増加するので結晶構造をとりにくくなり、低硬度化が図れるものの、ポリウレタンエラストマーの機械特性が低下し、分子内粘性が増加するので、電子写真装置用導電性弾性部材の表面にタックを生じる場合がある。
【0019】
上記ポリオールと上記イソシアネートとの配合量としては、OH/NCO比が1になるように配合することが好ましい。
このような比率でポリオールとイソシアネートとを配合することにより、未反応成分が相手部材を汚染することがない。
【0020】
本発明の電子写真装置用導電性弾性部材は導電性を有するものであり、上記導電性は、上記ポリウレタンエラストマーに導電性付与剤を含有させることにより付与することができる。
上記導電性付与剤としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等の導電性カーボンブラック等を挙げることができる。
【0021】
上記導電性付与剤の配合量は特に限定されず、用いる導電性付与剤の種類に応じて適宜決定すればよいが、通常、ポリオール100重量部に対して0.3〜5.0重量部が好ましい。上記導電性付与剤の配合量が0.3重量部を未満では、導電性が不充分となり、5.0重量部を超えると、液粘度が上昇するので注型作業性に劣るほか、硬度等の機械的特性が劣化する場合がある。
【0022】
上記導電付与剤を上記ポリウレタンエラストマーに含有させる方法としては特に限定されないが、例えば、上記ポリウレタンエラストマー製造時に、予め、上記ポリオール中に3本ロール等で混練分散させておく方法が、均一に分散させ易いという点で好ましい。
【0023】
このような構成からなる本発明の電子写真装置用導電性弾性部材は、低硬度で、かつ、相手部材を汚染することがないので、電子写真装置において、電子写真装置用ローラ、電子写真装置用ベルト、転写ドラム等の構成部材として好適に用いることができる。
【0024】
図1は、上記電子写真装置用ローラの一実施形態を示した斜視図である。
本発明の電子写真装置用ローラ10は、図1に示すように、例えば、円柱状の芯金12の周囲に同心円状に電子写真装置用導電性弾性部材11が積層されたものである。
また、図1では、芯金12の周囲に電子写真装置用導電性弾性部材11が単独で積層されているが、芯金12の周囲に弾性部材等からなる複数の層が積層され、その最外層に電子写真装置用導電性弾性部材11が用いられたものであってもよい。
【0025】
上記電子写真装置用ローラを製造する方法としては特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができ、例えば、上記ポリオール中に上記導電性付与剤を混練分散した後、上記イソシアネートを添加し、これらを攪拌することによりポリウレタンエラストマーを製造するための組成物を得、続いて、得られた組成物を予め接着処理した金型に流し込み、型内で架橋した後、脱型する方法等により製造することができる。
【0026】
これらの電子写真装置用ローラは、相手部材と接触する部分に本発明の電子写真装置用導電性弾性部材を用いているので、化学的に安定で、相手部材を汚染することがなく、また、低硬度であるので接触時に必要なトルクも小さい。
上記電子写真装置用ローラもまた本発明の一つである。
上記電子写真装置用ローラとしては、例えば、現像ローラ、転写ローラ、帯電ローラ等を挙げることができる。
【0027】
図2は、上記電子写真装置用ベルトの一実施形態を示した断面図である。
本発明の電子写真装置用ベルト20は、図2に示すように、例えば、2本の回転軸22の周囲にベルト状の電子写真装置用導電性弾性部材21が設けられたものである。
【0028】
図2では、回転軸22は2本であるが、回転軸22は少なくとも2本であれば特に限定されず、3本であってもよいし、4本以上であってもよい。
また、図2では、ベルト状の帯電体として本発明の電子写真装置用導電性弾性部材21が単独で用いられているが、上記帯電体は、相手部材と接触する最外面が電子写真装置用導電性弾性部材21で構成されていれば、必要に応じて、その内側に他の導電性材料からなるものを芯体として用いてもよい。
【0029】
上記電子写真装置用ベルトを製造する方法としては特に限定されず、従来公知の押出成形法等を用いて製造することができる。この場合、できるだけ、継ぎ目や継ぎ目の段差をなくすように製造することが好ましい。
【0030】
このような電子写真装置用ベルトは、相手部材と接触する部分に本発明の電子写真装置用導電性弾性部材を用いているので、化学的に安定で、相手部材を汚染することがなく、また、低硬度であるのでベルト表面が被転写体表面に追従することができる。
上記電子写真装置用ベルトもまた本発明の一つである。
上記電子写真装置用ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写搬送ベルト等を挙げることができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
実施例1
ポリオールとして、分子量2000で官能基数2のポリプロピレングリコール(三井化学社製、MN2000)と分子量5000で官能基数3のポリプロピレングリコール(三井化学社製、MN5000)とを平均官能基数2.3になるように0.7/0.3(モル比)で混合したものを調製した。
次に、得られた混合物100重量部に導電性カーボンであるケッチェンブラックを1重量部添加し、ペイントロールで混練した後、100℃、減圧下で12時間乾燥し、ポリオール成分を得た。
【0033】
また、別途4,4′−MDI(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)と2,4′−MDI(2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)とを異性体比率が50/50になるように混合し、イソシアネート成分を調製した。
次に、OH/NCO比が1になるように、乾燥したポリオール成分100重量部にイソシアネート成分9.91重量部を添加し、2〜3分間、泡を巻き込まないように攪拌した後、予め接着処理した金型に流し込み、1時間型内で架橋した後脱型し、120℃で12時間アフターキュアすることによりローラを得た。
【0034】
得られたローラについて、ローラを得る際の成形性、得られたローラの硬度、圧縮永久歪み(%)、感光体汚染性を下記の評価方法で評価した。その結果を表1に示した。
【0035】
[評価方法]
(成形性)
脱型に要する時間を測定した。次に、得られたローラ表面を目視観察及び指触によりその表面状態を評価し、タック等のないものを良好とした。
(硬度)
JIS K 6301の硬さ試験に準拠して、スプリング式硬さ試験A型により硬度を測定した。(なお、本明細書中で、JIS A硬度とは、この試験方法により測定した硬度をいう。)
【0036】
(圧縮永久歪み)
25%圧縮した状態で、70℃で、22時間放置後の歪み率を測定した。
(感光体汚染性)
市販の複写機の感光体にローラを接触した状態で、40℃、相対湿度90%の環境下に2週間保管した後の感光体表面の状態を目視観察した。
【0037】
実施例2
4,4′−MDIと2,4′−MDIの異性体比率を80/20に代えた以外は、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0038】
実施例3
平均官能基数が2.5になるようにMN2000とMN5000とを0.5/0.5モル比で混合した以外は実施例1と同様にしてポリオール成分を得た。
次に、OH/NCO比が1になるように、得られたポリオール成分100重量部に実施例1で用いたものと同様の組成のイソシアネート成分8.93重量部を添加し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0039】
実施例4
MN5000を単独で用いた以外は実施例1と同様にしてポリオール成分を得た。
次に、OH/NCO比が1になるように、得られたポリオール成分100重量部に実施例1で用いたものと同様の組成のイソシアネート成分7.5重量部を添加し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0040】
比較例1
イソシアネート成分として2,4TDI(2,4−トリレンジイソシアネート)と2,6TDI(2,6−トリレンジイソシアネート)との異性体比率が80/20になるように混合し、調製されたイソシアネート成分を用いた。
次に、OH/NCO比が1になるように、実施例1と同様のポリオール成分に得られたイソシアネート成分6.90重量部を添加し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
なお、100℃に加熱したポリオール成分に、イソシアネート成分を添加した際に、TDIの蒸気が多量に発生したので、ひどいTDI臭がし、目や喉にひどい刺激があった。また、金型から脱型するのに4時間を要した。
【0041】
比較例2
MN2000を単独で用いた以外は実施例1と同様にしてポリオール成分を得た。
次に、OH/NCO比が1になるように、得られたポリオール成分100重量部に実施例1で用いたものと同様の組成のイソシアネート成分12.5重量部を添加し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
このとき、ローラに腰がなく、金型から脱型するのに3時間を要した。
【0042】
比較例3
分子量5000で官能基数4のポリプロピレングリコール(三井化学社製、EP3043)を単独で用いた以外は実施例1と同様にしてポリオール成分を得た。次に、OH/NCO比が1になるように、得られたポリオール成分100重量部に実施例1で用いたものと同様の組成のイソシアネート成分10重量部を添加し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0043】
比較例4
グリセリンにプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加して、分子量5000としたポリエーテルポリオール(旭硝子社製、エクセノール828)(官能基数2.9)100重量部に、シリコン界面活性剤(日本ユニカ社製、L−520)1.5重量部、ニッケルアセチルアセトネート0.5重量部、ジブチルチンジラウレート0.01重量部及びアセチレンブラック(デンカ社製、pH6.9)1.0重量部を添加し、混合機を用いて予備混合した後、ペイントロールで混練してアセチレンブラックを均一に分散させ、ポリオール組成物を調製した。
【0044】
このポリオール組成物を減圧下に撹拌して脱泡した後、ウレタン変性したMDI(住友バイエルウレタン社製、スミジュールPF)を12.5重量部加えて2分間撹拌し、次いで110℃に加熱した金型に流し込み、2時間型内で架橋した後脱型し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0045】
比較例5
分子量2500で官能基数2.1のポリイソプレンポリオール100重量部にアセチレンブラックを3.32重量部配合し、30分間撹拌した。その後、クルードMDI(NCO%=31.7)を13.33重量部、ジブチル錫ジラウレートを0.001重量部加え、3分間撹拌した。次に、シャフトを配置し、予め90℃に加熱された金型にこの反応混合物を流し込み、90℃で12時間型内で架橋した後脱型し、実施例1と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0046】
比較例6
100重量部のエクセノール828に対してスミジュールPFを25重量部加え、60℃で3分間反応させてプレポリマーを得た。得られたプレポリマーにケッチェンECブラック(ライオン社製、pH9.0)を2重量部、エクセノール828を100重量部を更に加え、撹拌・混合してポリオール組成物を調製した後、比較例4と同様にしてローラを得た。得られたローラを実施例1と同様にして評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例5
実施例1で用いたものと同様のポリオール成分及びイソシアネート成分を実施例1と同様にして混合し、あらかじめ型内に芯体をセットした金型に、液を加圧することで金型下面から注入し、加熱硬化させてベルトを作製した。得られたベルトについて、実施例1と同様の方法を用いて感光体汚染性を評価したところ、感光体表面の状態は良好であった。
【0049】
実施例6
実施例2で用いたものと同様のポリオール成分及びイソシアネート成分を用い、実施例5と同様の方法により、ベルトを作製した。得られたベルトについて、実施例1と同様の方法を用いて感光体汚染性を評価したところ、感光体表面の状態は良好であった。
【0050】
実施例7
実施例3で用いたものと同様のポリオール成分及びイソシアネート成分を用い、実施例5と同様の方法により、ベルトを作製した。得られたベルトについて、実施例1と同様の方法を用いて感光体汚染性を評価したところ、感光体表面の状態は良好であった。
【0051】
実施例8
実施例4で用いたものと同様のポリオール成分及びイソシアネート成分を用い、実施例5と同様の方法により、ベルトを作製した。得られたベルトについて、実施例1と同様の方法を用いて感光体汚染性を評価したところ、感光体表面の状態は良好であった。
【0052】
比較例7
比較例1で用いたものと同様のポリオール成分及びイソシアネート成分を用い、実施例5と同様の方法により、ベルトを作製した。得られたベルトについて、実施例1と同様の方法を用いて感光体汚染性を評価したところ、感光体表面にくもりがあった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の電子写真装置用導電性弾性部材は、上述の構成からなるので、製造時に人体に対する悪影響が少なく、成形性に優れ、化学的に安定で、低硬度である。また、本発明の電子写真装置用ローラ及び電子写真装置用ベルトは、上述の構成からなるので、製造時に人体に対する悪影響が少なく、成形性に優れ、化学的に安定で、低硬度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置用ローラの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の電子写真装置用ベルトの一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電子写真装置用ローラ
11 電子写真装置用導電性弾性部材
20 電子写真装置用ベルト
21 電子写真装置用導電性弾性部材
Claims (3)
- ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとを用いたポリウレタンエラストマーからなる電子写真装置用導電性弾性部材であって、
前記ポリオールは、平均官能基数が2より大きく3以下であり、
前記ジフェニルメタンジイソシアネートは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート50〜80%と、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート20〜50%との混合物である
ことを特徴とする電子写真装置用導電性弾性部材。 - 請求項1記載の電子写真装置用導電性弾性部材を用いたことを特徴とする電子写真装置用ローラ。
- 請求項1記載の電子写真装置用導電性弾性部材を用いたことを特徴とする電子写真装置用ベルト。
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