JP4381197B2 - ロータリーブロアを用いたブラスト装置 - Google Patents

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本発明は、処理対象物に研掃材を吹き付けてバリ処理、塗装下地剥離処理、梨地加工などを行うロータリーブロアを用いたブラスト装置に関するものである。
ブラスト処理は、サンドなどの粒子で形成された研掃材を空気流にのせて処理対象物に吹き付け、鋳物など金属表面のスケール除去、塗装などの下地処理、樹脂成形品のバリ取り、金属表面の梨地加工などを行うもので、これに用いられるブラスト装置は、伝統的にエアコンプレッサで発生させた高圧空気をブラストノズルから噴射させるときに研掃材を混合させ、ブラストノズルから噴射された研掃材を含む高圧空気を処理対象物に吹き付けて所要の処理を行っていた。このように従来は研掃材を高速に噴出させるためには高圧空気が必要であるとの固定観念から高価で処理対象物に悪影響を及ぼしかねない装置となっていたが、本願発明者らの研究開発によって比較的低圧の噴射空気であっても送風量を大きくすることによって研掃材を高速噴射させられることが見出され、低圧の空気供給装置に接続されてブラストタンクから研掃材が混合される研掃材搬送管の管径を大きくして流量を増加させたブラスト装置を実現した(特許文献1参照)。
上記ブラスト装置は、図8に示すように、ターボブロアやルーツブロアなどの低圧送風機からゲージ圧が0.7kg/cm2以下の低圧空気を送給する空気供給装置1に、先端にブラストノズル4を備え、空気流量が大きくなるように管径を大に形成した研掃材搬送管3を接続し、空気供給装置1から研掃材搬送管3に低圧空気を送給する混合部7に研掃材供給口6が開口すると共に、前記空気供給装置1に圧力導入管8を介して接続することによって内部に収容した研掃材に空気供給装置1の圧力が作用するようにしたブラストタンク5を備えて構成されている。
上記構成において、空気供給装置1を起動させると、低圧空気が研掃材搬送管3に送給されると共に、圧力導入管8を通じてブラストタンク5内に送風圧力が作用してブラストタンク5内と研掃材供給口6に作用する圧力とが均衡するので、ブラストタンク5内の研掃材は研掃材供給口6から混合部7に自然落下して研掃材搬送管3にスムーズに供給される。研掃材搬送管3は管径を大に形成されているので送風量の大きな空気がブラストノズル4に送給され、それに載せて搬送する研掃材の単位時間当たりの搬送量が大きく、ブラストノズル4から噴射される空気に大量の研掃材を載せて処理対象物に吹き付けることができる。従って、同一馬力の空気供給装置を用いた単位時間当たりの仕事量を大幅に増加させることができ、消費電力を削減してランニングコストを低減することができる。また、空気流による風圧は高圧空気を用いた場合より低減されるので、処理対象物が薄いものであっても変形を生じさせることがない。
特公平06−035111号公報(第1〜2頁、図1)
しかしながら、ブラストタンクに収容された研掃材の形状変化などに伴う研掃材搬送管への落下量の変動や研掃材搬送管の長さや曲がりの変化、過小径のブラストノズルが取り付けられた場合などの原因によって空気供給装置に所定値以上の圧損異常が加わると、低圧送風機が備える空気逃がし弁が作動し、研掃材搬送管に所要の送風量が得られない状態となると研掃材が研掃材搬送管内に滞留し、空気送給に脈動やムラが発生して装置稼動の停止や処理品質の均一性を損なう課題があった。また、条件変化による圧力上昇が生じると、騒音や振動が発生し、消費電力が徒に増加する問題がある。
また、流量が大きくなるように研掃材搬送管の管径を大に形成しているため、ブラストノズルの開口径との比率が大きくなり、研掃材搬送管に送給された空気に混入させた研掃材が最小流動速度に達しない場合に、研掃材搬送管内に研掃材が滞留し、脈動や閉塞などが生じることが判明した。前記最小流動速度は研掃材の粒子径や研掃材搬送管への投入量により一定ではないが、研掃材搬送管は一般的に垂直方向から水平方向に向けて湾曲させて使用される場合が多いため、テストデータでは最低速度を毎秒8m以上にしないと垂直方向にある管部において重い研掃材ほど滞留する量が多くなり、時間経過と共に下方に落下して堆積し、閉塞が発生する現象が見られた。
また、一般にブラストノズルの研掃材搬送管から直管部に接続する入角は45度になっているので、空気はその部分で急激に渦を巻き、研掃材は急激な角度と渦流により遠心力が作用し、直管部に入って帯状になり、噴射されたとき直ちに拡散しにくいことが判明した。
また、従来のブラストタンクでは圧力導入管から送給される風圧で閉止弁を押し上げて研掃材の補給穴を閉じて内圧を保持し、研掃材搬送管内の圧力と均衡させることにより混合部に研掃材を自然落下させているが、処理対象物によっては研掃材を低速で噴射しなければならない場合があり、その場合には送風量を少なくする必要があるので、前記閉止弁を押し上げる風圧が不足して補給穴が充分に閉じられず、ブラストタンク内に内圧が加わらないため研掃材供給ができなくなる原因となる課題があった。また、閉止弁の重さが適正でない場合、ブラストタンクから混合部に研掃材が供給されなかったり、供給されるまで時間がかかったりする課題があった。
また、ブラストタンクは一般に金属製であるため、外気温との差によってタンク内に結露が発生すると、研掃材が塊状になって供給口から混合部に落下しない状態になる課題があった。また、ブラスト処理を閉鎖空間内で実施して噴射された研掃材を回収し、ブラストタンクに戻す研掃材循環が一般的に実施されているので、ブラストタンクに戻された研掃材が処理対象物から奪った水分や油分を帯びていると、それによって塊状になりやすく、供給部から混合部に落下しないことがあり、研掃材供給の障害となる。
本発明が目的とするところは、低圧空気ブラスト方式の優れた特徴を生かしつつ多様な用途に適用することに伴う課題を解決する改良を加えたロータリーブロアを用いたブラスト装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、送風空気に研掃材を混合させた研掃材混合空気をブラストノズルから噴射させ、処理対象物に吹き付けてブラスト処理するブラスト装置であって、モータにより回転駆動され、最大送風圧力が1.0kg/cm 2 以下、吸気静圧が−3000mmAq以下となるように構成されたロータリーブロアを有し、前記モータの回転速度を制御して送風量可変に構成された空気供給装置と、前記ロータリーブロアから送風された空気に研掃材タンクから供給される研掃材を混合させて前記ブラストノズルに搬送し、かつ、研掃材搬送管内を搬送される研掃材の供給量を調節する研掃材供給量調節手段を設けて研掃材供給量可変に構成された研掃材供給装置と、ロータリーブロアから吐出された空気の圧力を検出する送風圧力検出手段と、前記送風圧力検出手段から入力される検出信号に基づき、研掃材搬送管内を搬送される送風空気と研掃材との量が「空気密度重量≧研掃材重量」の条件を満たすように、前記ロータリーブロアのモータの回転速度と、前記研掃材供給装置による研掃材供給量と、を手度または自動制御する制御装置と、を備えてなることを特徴とする。
上記構成における空気供給装置は、低圧空気を送給するロータリーブロアとして構成されているので風圧により処理対象物に与える影響が少なく、送風量を大きくすることによりブラストノズルから噴出する研掃材の噴出速度を得て好適なブラスト処理を行うことができ、消費電力の削減、騒音発生の削減を図ることができる。また、検出された送風圧力に基づき、ロータリーブロアの回転制御により送風量を調節して処理対象物に対応する風速を得、研掃材供給装置からの研掃材供給量を調節することにより送風量に対応する適正な研掃材の混合量を得ることが、送風空気と研掃材との量が「空気密度重量≧研掃材重量」の条件を満たして手動でまたは自動的に実現できる。
また、ブラストノズルは、研掃材搬送管の先端に接続され、噴射口として開口する直管部の内径が前記研掃材搬送管の内径の1/6〜1/10で、研掃材搬送管から直管部への入角が略30度に形成することにより、研掃材搬送管の曲がりによっても研掃材を滞留させることなく研掃材混合空気を噴射口から所要速度で噴射することができ、適正な渦流発生により噴射口から近い位置から研掃材を拡散させることができる。
また、研掃材供給量調節手段は、研掃材タンクの研掃材排出口から排出された研掃材を送風配管への供給口に向けて搬送する搬送スクリューと、この搬送スクリューを回転速度可変に駆動する研掃材供給モータとを備えて構成することにより、研掃材供給モータの回転速度を制御することによって搬送スクリューによる研掃材の供給量を自在に調節することができる。また、研掃材タンク内の圧力変化や研掃材の粒子径の変化があっても安定した量の研掃材供給状態が得られる。
また、ロータリーブロアから吐出された空気を研掃材タンクの周面又は内部を通過する流路を設けて研掃材タンクを加温するタンク加温手段を形成することが好適で、ロータリーブロアの圧縮熱によって温度上昇した送風空気で研掃材タンクが加温されるので、鋼製の研掃材タンクであっても結露の発生を防止して研掃材が湿気を帯びて壁面に付着したり塊状になったりすることがない。
また、研掃材タンク内と送風管路との間を接続して研掃材タンク内に送風管路の圧力を作用させると共に、研掃材タンクに研掃材を補給する研掃材補給口に空気遮断弁を設けて構成することにより、研掃材タンクに研掃材を補給するとき以外は空気遮断弁を閉じて送風管路から導入される圧力が逃げることを防止することができ、圧力均衡により研掃材が研掃材供給口から送風配管に円滑に自然落下する状態を維持することができる。
また、ブラスト処理後の研掃材を分離した空気をロータリーブロアの吸気により集塵機を通して吸気口に吸引することにより、吸気静圧が大きいロータリーブロアの吸気を利用して集塵することができる。集塵機として大能力のファンや大径のダクトを設けることなく粉塵の除去ができ、省スペース、省エネルギーの効果を得ることができる。
本発明によれば、低圧空気を送給するロータリーブロアとして構成されているので風圧により処理対象物に与える影響が少なく、送風量を大きくすることによりブラストノズルから噴出する研掃材の噴出速度を得て好適なブラスト処理を行うことができ、消費電力の削減、騒音発生の削減を図ることができる。また、検出された風圧力に基づき、ロータリーブロアの回転制御により送風量を調節して処理対象物に対応する風速を得、研掃材供給装置からの研掃材供給量を調節することにより送風量に対応する適正な研掃材の混合量を得ることが、送風空気と研掃材との量が「空気密度重量≧研掃材重量」の条件を満たして手動でまたは自動的に実現できる。
図1は、本実施形態に係るブラスト装置の全体構成を示すもので、空気供給装置を構成するロータリーブロア42から送給される低圧空気に、研掃材供給装置21における研掃材タンク23から供給される研掃材を混合させて研掃材搬送管24によりブラスト室26に送り、ブラスト室26に収容した処理対象物にブラストノズル25から研掃材を吹き付けてブラスト処理するように構成されている。本構成においては、ブラスト室26内の研掃材を含む空気をサイクロン分離器27に導いて空気中から研掃材を分離し、研掃材は研掃材タンク23に回収し、空気はロータリーブロア42の吸気により集塵機29を通し、微細な粉塵を除去した後、ロータリーブロア42の吸気口45に戻し、ブラスト作業空間に研掃材や粉塵が飛散しない閉鎖環境を形成している。しかし、この閉鎖環境では時間の経過と共にブラストによって空気量分が不足していくが、その不足分は例えばブラスト室26の上部にある図1に示すような外気導入口からの負圧による自然吸気により補われる。
前記ロータリーブロア42は、図2に示すように、回転制御されるモータ41により回転駆動される空気供給装置としての圧縮送風機22を構成している。ロータリーブロア42は、図3に基本構造として示すように、2葉(又は3葉)の相等しい形状の2つのロータ43,43をケーシング44内に収容し、モータ41によりロータ43,43を相反する方向に同一速度で回転駆動することにより、吸気口45から吸気した空気をケーシング44とロータ43,43に囲まれた空間で昇圧して排気口46から吐出するロータリーポンプとして周知のものである。ロータリーブロア42はモータ41の回転制御により送風量の調整が容易であり、潤滑油を使用しないため送風空気中に油分が混入することがなく、吸気と吐出とが同時になされるため多風量に対応できるなどブラスト装置に好適な空気供給装置を構成することができる。
本構成におけるロータリーブロア42は、昇圧送風する送風圧力が最大1.0kg/cm3以下、吸気静圧が−3000mmAg以下に構成され、ロータリーブロア42を回転駆動するモータ41の回転速度制御により送風量を調節して最適の研掃材噴射速度を得ると共に消費電力の削減が図られている。図6に示すように、ロータリーブロア42を回転制御することにより吸込風量、吐出圧力を変化させることができ、ブラストノズル25のサイズ毎の風速を所定範囲で変化させることができる。ロータリーブロア42の回転速度制御は、図1に示すように、圧縮送風機22に対する運転操作入力に基づいて制御部33から出力される制御指令によって運転周波数が切り替えられるインバータ34によってモータ41の回転速度を制御することによってなされる。
また、ロータリーブロア42の排気口46には電気接点を備えた圧力計(送風圧力検出手段)37が設けられており、電気接点を制御部33に接続してブラストノズル25の磨耗に伴う圧力変動を検出してモータ41を回転制御し、所定の送風量を確保することができる。また、連続した異常圧力が検出されたときには、装置の稼動を停止する制御が実行される。尚、送風圧力の検出は、圧力センサを用いることもできる。
上記構成により、送風量を所要量に制御することができるので消費電力が削減でき、ロータリーブロア42に悪影響を与える過負荷状態が回避できるので、騒音の発生を抑制することができ、振動の発生のない圧縮送風機22が構成される。
前記研掃材供給装置21は、図4に示すように、研掃材タンク23に研掃材を貯留して下方から研掃材搬送管24に所要量の研掃材を供給するように構成されている。研掃材タンク23は鋼製で、その内部に収容された研掃材は、その種類や季節、設置環境等の影響による結露により内壁面に付着したり、互いに連結して橋絡状態あるいは塊状になる場合があるので、研掃材タンク23はその外壁の全体又は一部を二重構造として結露の発生を防止している。更に、図示するように研掃材タンク23の円筒部51の周面を囲んで二重構造を形成する外筒部52と円筒部51との間の空間に、ロータリーブロア42から研掃材搬送管24に送給する送風配管47の空気を通し、ロータリーブロア42の圧縮熱を利用して研掃材タンク23を加温し、研掃材タンク23内に結露が発生しないようにしている。尚、ロータリーブロア42の圧縮熱を利用して研掃材タンク23の内部を加温する構造は、ロータリーブロア42から研掃材供給装置21の研掃材搬送管24に至る送風配管47が研掃材タンク23内を通過するように構成することによっても同様の効果が得られる。
上記研掃材タンク23の加温構造によりヒータなどの加熱手段を設けることなく結露や湿気の発生を防止することができる。ロータリーブロア42の圧縮熱は短時間で80度以内の安定した温度状態となる図7に示すような実験結果を得ており、研掃材タンク23が過熱されることにより作業者に危険を及ぼすことがない。
また、ロータリーブロア42の排気口46に接続された送風配管47から分岐させた圧力導入管39を研掃材タンク23内に開口させており、研掃材タンク23内の圧力を研掃材搬送管24内の圧力と均衡させ、研掃材タンク23の下部に形成された研掃材排出口53から研掃材が自然落下して研掃材搬送管24に円滑に供給されるようにしている。研掃材タンク23にはその上部に設けられた研掃材補給口57から研掃材が補給されるが、研掃材補給口57はエアバタフライ弁(空気遮断弁)58によって開閉操作され、開放により研掃材を補給すると共に研掃材補給時以外は閉止して研掃材タンク23内の内圧が低下しないようにしている。
研掃材供給装置21において、研掃材タンク23の下部に形成された研掃材排出口53と混合管38に研掃材を供給する研掃材供給口54との間には、研掃材切出し装置(研掃材供給量調節手段)31が設けられている。この研掃材切出し装置31は、回転制御される研掃材供給モータ55によって前記研掃材排出口53と研掃材供給口54との間に配設された搬送スクリュー56を回転駆動するもので、搬送スクリュー56は軸体に螺旋状に溝が形成され、研掃材供給モータ55によって回転駆動されることにより、研掃材排出口53から落下してきた研掃材を溝内に収容して送り出し、研掃材供給口54に送給する。前記研掃材供給モータ55は、図1に示すように、制御部33によって周波数制御されるインバータ35により回転速度制御されるインバータ制御モータに構成されており、搬送スクリュー56の回転速度を制御することにより研掃材供給口54への研掃材の供給量を変化させることができる。前述したように制御部33は、モータ41の回転速度を制御してロータリーブロア42から送給される空気の送風量を調節しているので、この送風量制御に対応させて研掃材切出し装置31を制御して送風量に対する研掃材の供給量が最適になるように制御することができる。
ブラスト処理は空気により研掃材を浮揚搬送することによって成立しているので、空気に混合させる研掃材の量を最適に制御することが重要要件となり、適正量の研掃材を空気中に混合することにより効率よくブラスト処理を行うことができ、研掃材の供給量が多すぎては搬送中に研掃材を管路内に堆積させたり管路を閉塞させてしまうので、送風空気量を越える研掃材の量にならないようにする。送風量に対する研掃材の最適の混合量を表すには、送風量に対する研掃材の供給量を共通の単位で対比することが必要なので、研掃材の供給量を重量で表し、これに対応させて空気の送風量を空気密度重量で表すと、「空気密度重量≧研掃材重量」が最適の研掃材混合量となる。
上記構成になる研掃材タンク23の下部には、研掃材排出口53に先端開口部を向けて高圧空気ノズル32が設けられており、図示しないエアコンプレッサから供給される2kg/cm2圧以上の空気が所定間隔で瞬時送給される。高圧空気ノズル32から送給される空気が研掃材排出口53に向けて噴射されることにより、水分や油分を含んで研掃材が狭まった研掃材排出口53で橋絡状態や塊状になっている場合にも噴射される空気により橋絡状態は破壊され、粒子状になって研掃材切出し装置31に向けて円滑に排出される。
研掃材タンク23からの研掃材の安定供給はブラスト装置における重要要素となるが、上記研掃材供給装置21の構成により、研掃材タンク23からの研掃材を混合管38に円滑供給することができる。更に研掃材切出し装置31を設けることにより、研掃材搬送管24と研掃材タンク23内との間に多少の圧力差が生じた場合でも研掃材供給が安定してなされ、研掃材の粒子径が異なっても対応できる。また、ブラスト処理を行って処理対象物から奪った水分や油分で濡れた状態にある研掃材を再供給した場合においても安定した供給状態が得られる。ブラスト処理を機械加工品のバリ取りラインに適用する場合などにおいては、処理対象物の洗浄と乾燥がブラスト前処理として不可欠であった常識を覆し、洗浄機や乾燥機の設備投資や設備設置スペースを削減することができる。
前記研掃材供給口54から排出される研掃材は、送風配管47が接続された混合管38に落下してロータリーブロア42から送給されてきた空気中に混合して研掃材搬送管24に送り出され、研掃材搬送管24によってブラスト室26に配設されたブラストノズル25から噴射されて処理対象物に対してブラスト処理がなされる。ブラストノズル25には研掃材搬送管24だけが接続された構造となるので、ノズル部分に圧縮空気配管と研掃材供給管とが接続された従来のノズル構造に比して手動操作する場合でもブラスト操作が簡単である。また、本実施形態に係るブラストノズル25は、図4に示すように、研掃材搬送管4内に研掃材が残留しない構造に形成されている。
図5において、ブラストノズル25の直管部61の開口径dは、研掃材搬送管24の開口径Dの1/6〜1/10に形成され、研掃材搬送管24から直間部61への入角θが30度になるように形成されている。また、直管部61の長さLは、その開口径dの6倍となるように形成されている。
上記ブラストノズル25の構造により、研掃材搬送管24の開口径を大きくして流量を大になるようにしても直管部61の開口径dとの対比が徒に大きくなり、空気中に混入された研掃材の最小流動化速度に達しない場合に研掃材が研掃材搬送管24内に滞留することが防止される。研掃材搬送管24内における研掃材の最小流動化速度は、研掃材の粒子径や混入量によって異なるが、研掃材搬送管24は多くの場合、垂直方向から水平方向に向けて湾曲するように曲げられるので、テストデータにおいては最低速度を毎秒8m以上としなければ垂直部分で重い研掃材ほど滞留しやすくなり、それが時間経過とともに落下して堆積し、研掃材搬送管24を閉塞させる現象が見られた。上記ブラストノズル25の構造と、「空気密度重量≧研掃材重量」の関係を満たす毎秒10〜20mの風速をロータリーブロア42から送給し、「直管部開口径d≧研掃材供給量」を満たすように研掃材供給口54から混合管38への研掃材の供給を制御することにより、研掃材搬送管24がどのような曲がり状態になっても研掃材の滞留は発生しない。
また、直管部61への入角θが適正に形成されていないと、直管部61に流入する空気が渦巻き状になって伴走してきた研掃材が渦流による遠心力によって直管部61に帯状になって流入し、直管部61の開口端から噴射されたとき直ちに拡散しないため、ブラスト処理が適正になされない状態になるが、入角θを30度に形成することにより、空気と研掃材とは安定した渦流となって直管部61に入り、開口端から噴射されたとき比較的近い位置から分散するので、ブラスト処理に適した状態が得られる。
ブラスト処理において選定した研掃材を処理対象物に衝突させる速度を適正に設定することが重要で、処理対象物がフィルムや箔であるときは低速、歪みや打痕が生じやすい軽薄品には中速、硬質品には高速のように設定する。この風速の設定はブラスト装置の運転操作入力部から風速を設定入力することができ、風速の設定入力がなされると、制御部33によりブラストモータ41の回転速度が制御され、設定入力された風速に対応するロータリーブロア42からの送風量が設定される。制御部33はブラストモータ41の回転速度を設定すると、それに対応させて研掃材供給モータ55の回転を制御して送風量に応じた適正な研掃材の供給量が得られるよう自動制御することができる。また、ブラストノズル25は研掃材の摺動により直管部61が磨耗し、直管部61の直径が徐々に増加するので、同一送風量における風速に変化が生じるが、ブラストノズル25の磨耗状態は圧力計37により圧力変化として検出されるので、この圧力変化の検出出力が制御部33に入力されることにより、制御部33によりモータ41の回転速度を制御して風速が一定になるように調整することができる。
図1に示すように、ブラスト室26内にブラストノズル25から噴射された研掃材を含む空気は、ブラスト室26の底部からサイクロン分離器27に導かれて遠心分離により空気中から研掃材が分離され、研掃材が除去された空気はロータリーブロア42の吸気を利用した集塵機29に導かれ、空気中に含まれたブラスト粉塵が濾過されてロータリーブロア42の吸気口45から吸気される。このようにロータリーブロア42の吐出、吸引の特性を生かして空気を閉鎖環境内で内部循環させるので、粉塵の外部飛散がなく作業者を粉塵から保護し、ブラスト装置の設置環境を粉塵汚染することがない。前記集塵機29はその下部をロータリーブロア42の簡易防音室49と一体に形成できるコンパクトな形態に構成でき、ロータリーブロア42の吸引を利用しているのでファンを設ける必要がなく省エネルギーを図ることができる。本構成に係るロータリーブロア42は、その吸気静圧を−3000mmAqにできるので、通常の集塵機の吸気圧が−250mmAq程度であるのに比して吸気圧が格段に大きく、回収ダクト径を小さく形成することができ、前記サイクロン分離器27における研掃材の分離にも効果的に作用する。
一方、サイクロン分離器27によって遠心分離された研掃材は圧力調整タンク28に回収され、圧力調整タンク28から研掃材タンク23に補給投入される。前記サイクロン分離器27、圧力調整タンク28及び研掃材タンク23には送風配管47から分岐された圧力導入管39が接続されており、それぞれ圧力導入管39からの圧力導入を空気弁59で開閉操作して圧力差を設けることにより、エアバタフライ弁58を開いてサイクロン分離器27により分離された研掃材を圧力調整タンク28に移動させ、空気弁59の開閉操作により圧力調整タンク28内の圧力を研掃材タンク23内の圧力と均衡させて、両タンク間に設けられたエアバタフライ弁58を開放することにより研掃材を圧力調整タンク28から研掃材タンク23に補給することができる。尚、ブラスト室26からの研掃材の回収は、ブラスト室26の底に堆積した研掃材をバケットエレベータにより圧力調整タンク28に搬送し、ブラスト室26内の空気をロータリーブロア42の吸気により集塵機29を通して循環させることもできる。
以上の説明の通り本発明によれば、送風風量及び研掃材の供給量を自在に調節することができるので、処理対象物の種類や研掃材の種類などに応じて最適のブラスト処理状態が得られるように制御することができ、省エネルギー、省スペースのロータリーブロアを用いたブラスト装置を提供することができる。
実施形態に係るブラスト装置の全体構成を示すブロック図。 実施形態に係るロータリーブロアの構成を示す側面図。 ルーツブロアの基本構造を示す説明図。 実施形態に係る研掃材タンクの構成を示す構造図。 実施形態に係るブラストノズルの構成を示す1/2断面図。 ロータリーブロアの回転制御による特性変化を示すグラフ。 ロータリブロアの時間経過に伴う各部の温度上昇を示すグラフ。 従来技術に係るブラスト装置の構成を示す構成図。
符号の説明
21 研掃材供給装置
22 圧縮送風機(空気供給装置)
23 研掃材タンク
24 研掃材搬送管
25 ブラストノズル
26 ブラスト室
29 集塵機
31 研掃材切出し装置(研掃材供給量調節手段)
32 高圧空気ノズル
33 制御部
37 圧力計
38 混合管
39 圧力導入管
41 モータ
42 ロータリーブロア
45 吸気口
46 排気口
47 送風配管
52 外筒部
53 研掃材排出口
54 研掃材供給口
55 研掃材供給モータ
56 搬送スクリュー
57 研掃材補給口
58 エアバタフライ弁(空気遮断弁)
61 直管部

Claims (6)

  1. 送風空気に研掃材を混合させた研掃材混合空気をブラストノズルから噴射させ、処理対象物に吹き付けてブラスト処理するブラスト装置であって、
    モータにより回転駆動され、最大送風圧力が1.0kg/cm 2 以下、吸気静圧が−3000mmAq以下となるように構成されたロータリーブロアを有し、前記モータの回転速度を制御して送風量可変に構成された空気供給装置と、
    前記ロータリーブロアから送風された空気に研掃材タンクから供給される研掃材を混合させて前記ブラストノズルに搬送し、かつ、研掃材搬送管内を搬送される研掃材の供給量を調節する研掃材供給量調節手段を設けて研掃材供給量可変に構成された研掃材供給装置と、
    ロータリーブロアから吐出された空気の圧力を検出する送風圧力検出手段と、
    前記送風圧力検出手段から入力される検出信号に基づき、研掃材搬送管内を搬送される送風空気と研掃材との量が「空気密度重量≧研掃材重量」の条件を満たすように、前記ロータリーブロアのモータの回転速度と、前記研掃材供給装置による研掃材供給量と、を手動または自動制御する制御装置と、
    を備えてなることを特徴とするロータリーブロアを用いたブラスト装置。
  2. ブラストノズルは、研掃材搬送管の先端に接続され、噴射口として開口する直管部の内径が前記研掃材搬送管の内径の1/6〜1/10で、研掃材搬送管から直管部への入角が略30度に形成されてなる請求項に記載のロータリーブロアを用いたブラスト装置。
  3. 研掃材供給量調節手段は、研掃材タンクの研掃材排出口から排出された研掃材を送風配管への供給口に向けて搬送する搬送スクリューと、この搬送スクリューを回転速度可変に駆動する研掃材供給モータとを備えて構成する請求項1又は2に記載のロータリーブロアを用いたブラスト装置。
  4. ロータリーブロアから吐出された空気を研掃材タンクの周面又は内部を通過する流路を設けて研掃材タンクを加温するタンク加温手段が設けられてなる請求項1〜のいずれか一項に記載のロータリーブロアを用いたブラスト装置。
  5. 研掃材タンク内と送風管路との間を接続して研掃材タンク内に送風管路の圧力を作用させると共に、研掃材タンクに研掃材を補給する研掃材補給口に空気遮断弁が設けられてなる請求項1〜のいずれか一項に記載のロータリーブロアを用いたブラスト装置。
  6. ブラスト処理後の研掃材を分離した空気をロータリーブロアの吸気により集塵機を通して吸気口に吸引する請求項1に記載のロータリーブロアを用いたブラスト装置。
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