JP4381139B2 - 鳥類の卵の処理方法 - Google Patents

鳥類の卵の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4381139B2
JP4381139B2 JP2003529933A JP2003529933A JP4381139B2 JP 4381139 B2 JP4381139 B2 JP 4381139B2 JP 2003529933 A JP2003529933 A JP 2003529933A JP 2003529933 A JP2003529933 A JP 2003529933A JP 4381139 B2 JP4381139 B2 JP 4381139B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
egg
blastoderm
small opening
eggs
steps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003529933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005518188A (ja
Inventor
メンドゥ,ナンディニ
ブランド,モリー・エム
ウルフ,スティーヴン
ヘブランク,ジョン・エイチ
マハト,ディパック
Original Assignee
エンブレクス,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エンブレクス,インコーポレイテッド filed Critical エンブレクス,インコーポレイテッド
Publication of JP2005518188A publication Critical patent/JP2005518188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4381139B2 publication Critical patent/JP4381139B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/8509Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells for producing genetically modified animals, e.g. transgenic
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K45/00Other aviculture appliances, e.g. devices for determining whether a bird is about to lay
    • A01K45/007Injecting or otherwise treating hatching eggs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New breeds of animals
    • A01K67/027New breeds of vertebrates
    • A01K67/0271Chimeric animals, e.g. comprising exogenous cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2227/00Animals characterised by species
    • A01K2227/30Bird
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2267/00Animals characterised by purpose
    • A01K2267/03Animal model, e.g. for test or diseases

Description

[関連出願情報]
本出願は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする2001年8月13日出願の米国特許仮出願第60/312,015号の利益を主張する。
[発明の分野]
本発明は、胚を含有する卵を操作する方法、および特に、鳥類の胚を含有する卵の中へ物質を導入する方法、またはそのような卵から物質を取り出す方法に関する。
鳥類の初期胚を含有する卵を注入するために望ましい多数の用途がある。例えば、胚盤葉のような初期胚へ一つの物質を送達するのが望ましいことがある。具体的には、養鶏業では発育中の胚内へ異種核酸分子を導入する(すなわち、トランスジェニック鳥を創出する)ため、または異種細胞を導入する(すなわち、キメラ鳥を創出する)ために、卵内の初期胚を操作することが望ましいことがある。
同様に、初期胚を含有する卵を注入する改良された方法は、胚体内および胚体外物質のサンプルを含む卵からのサンプルを取り出すために使用できる可能性がある。さらに、他の用途では、胚を含有する卵の内側に、それから情報を収集するために検知装置を挿入することが望ましいことがある。
初期胚を含有する鳥の卵を操作する現行の方法は、受け入れ難いほど低い孵化率を生じさせる可能性があるので、望ましくないことがある。これまでに、孵化率の低下は、卵殻内に作成された開口部、卵の中への気泡の導入、胚体外膜もしくは胚自体の損傷、またはこれらの因子の組み合わせの結果であると示唆されてきた。
したがって、当分野においては、初期胚を含有する鳥類の卵を操作する改良された方法に対する必要がある。
本発明は、胚、特に初期段階の胚を含有する鳥類の卵を操作する方法を提供するが、本方法は胚の外傷の減少ならびに生育力および孵化率の向上を生じさせる可能性がある。したがって、本発明は、胚、特に初期胚(例えば、胚盤葉)を含有する鳥類の卵の中へ様々な装置(例えば、送達装置、サンプリング装置、および/または検出装置等)を挿入する、または移植する改良された方法を提供するが、これは操作された胚間でより低レベルの罹患率および死亡率を生じさせる可能性がある。本発明の方法は、ワクチン、ビタミン、成長促進ホルモンおよび成長因子、酵素、サイトカイン、核酸および/または細胞を鳥の卵へ送達する方法において特に有用である。例えば、本方法はキメラ鳥(すなわち、異種細胞を含有する)またはトランスジェニック鳥(すなわち、異種核酸配列を含有する)を作製するために使用できる。本発明の方法はさらにまた、例えば、雌雄鑑別法に使用するため、胚の生育力を決定するため、および/またはその胚の遺伝的プロフィールについての情報を入手するために、卵の中の鳥からサンプルもしくは情報を収集するためにも有用である。
本発明の方法は、単一の卵または複数の卵について実施できる。さらに、本発明の方法は手動であっても自動であっても、または半自動であってもよい。
したがって、第1態様として、本発明は、胚盤葉を含有する鳥類の卵を所定位置に方向付けるステップと、前記卵の所定位置における卵殻に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して装置を伸長させ、該装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと、前記卵の前記各小開口部から前記装置を引き抜くステップとを含む鳥類の卵の処理方法を提供する。
前記装置は、例えば送達装置、サンプリング装置、または検出装置であってよい。好ましくは、卵殻における開口部は気室の上方で卵の鈍端に作成される。
また別の態様として、本発明は、(i)胚盤葉および(ii)気室を含有する鳥類の卵の鈍端を所定位置に方向付けるステップ前記気室の上方の鈍端における前記卵の卵殻に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して送達装置を伸長させ、該送達装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該送達装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと前記送達装置を通して物質を放出し、該物質を胚盤葉内または胚盤葉に極めて近接する位置に配置するステップと、前記卵の前記各小開口部から前記送達装置引き抜くステップとを含む鳥類の卵の処理方法を提供する。特定の実施形態では、卵は概して上向きの位置に方向付けられる。
さらにまた別の態様として、本発明は、胚盤葉および気室を含有する鳥類の卵を所定位置に方向付けるステップと、前記気室の上方の鈍端における前記卵の卵殻に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通してサンプリング装置を伸長させ、該サンプリング装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該サンプリング装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと前記サンプリング装置を用いて前記胚盤葉からサンプルを取り出すステップと、前記卵の前記各小開口部から前記サンプリング装置引き抜くステップとを含む鳥類の卵の処理方法を提供する。
さらにまた別の態様として、本発明は、胚盤葉および気室を含有する鳥類の卵の鈍端を所定位置に方向付けるステップと、前記気室の上方の鈍端における前記卵の卵殻に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜に小開口部を穿設するステップと、前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して検出装置を伸長させ、該検出装置で内殻膜を穿刺するステップであって、検出装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと、前記検出装置を用いて前記卵の内側から情報を検出するステップと、前記卵の前記各小開口部から前記検出装置引き抜くステップと、を含む鳥類の卵の処理方法を提供する。
下記でより詳細に記載するように、本発明は有益にも、初期胚(例えば、胚盤葉)を含有する鳥類の卵の内容物を操作すること、またはそれからの情報を入手することが望ましいあらゆる用途に使用できる可能性がある。特に、本発明はトランスジェニック胚もしくはキメラ胚を作製するために、またはあらゆる染色体もしくはDNAに基づく決定(例えば、雌雄鑑別または胚の遺伝的プロファイルを評価するため)を実施するために使用できる。あるいはまた、本発明は初期胚を含有する鳥類の卵からいずれかの胚体内液もしくは胚体外液または組織のサンプルを取り出すために実行できる。加えて、あるいはまた、本発明は卵もしくは胚から情報を入手するために実施することができ、本方法は送達法またはサンプリング法と結合して使用できる。
本発明のこれらおよびその他の態様について、下記の本発明の説明においてより詳細に記載する。
下記では、本発明の好ましい実施形態を示した添付の図面を参照しながら本発明について記載する。しかし、本発明は様々な形態で具体化することができ、ここに記載した実施形態に限定されると見なされてはならない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧かつ完全であり、そして本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されている。
ここで、本発明の一部の代替実施形態では、図1〜6のフローチャートのブロック内に記載した機能が記載された以外の順番で発生する可能性があることを述べておかなければならない。例えば、連続的に示された2つもしくは3つ以上のブロックは、実際には実質的に同時に実行することができる、または2つもしくは3つ以上のブロックは、逆の(もしくはさもなければ相違する)順番で実行できることもある。さらに、本発明の一定の実施形態では、図1〜6に例示した機能は平行して、または連続的に実施することができる。さらに、他の実施形態では、いくつかのブロックはまとめて省略することができる。
他に規定していない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解される意味と同一の意味を有する。本発明の説明において使用する用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。
本発明の説明および添付の請求の範囲において使用するように、その内容が明らかに他のことを意味しているのではない限り、単数形「ある(a)、(an)」および「その(the)」には複数形も同様に含まれる。
本明細書で言及したすべての出版物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、それらを引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
ここで使用する用語「鳥類」および「鳥類対象」には、あらゆる鳥類種の雄性および雌性を含むことが意図されているが、しかし主として卵、肉のために、またはペットとして商業的に飼育される家禽類を含むことが意図されている。したがって、用語「鳥類」および「鳥類対象」は特にニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、キジ、インコ、オウム、バタンインコ、オカメインコ、ダチョウ、エミュー等を含むことが意図されている。ニワトリおよびシチメンチョウは好ましい鳥類対象であり、最も好ましいのはニワトリである。あるいはまた、鳥類または鳥類対象は絶滅危惧種の鳥である。
本発明は、鳥類胚を含有する卵を操作する改良された方法を提供する。「操作するステップ」もしくは「操作」は、卵の卵殻、外殻膜、および内殻膜内に開口部が作成され、物質もしくは装置がその中に植え込まれる、または挿入されることを意味している。
ここで使用する用語「初期胚」とは、産卵日(胚盤葉期)から始原生殖細胞(PGC)が移動している発育期頃までの鳥類胚を意味する。特別にニワトリ胚に関しては、「初期胚」は概してほぼ胚ステージ20(H&H)胚以前の胚である。ニワトリ胚の発育期は当分野においてよく理解されており、例えば「ニワトリの発育のアトラス(The Atlas of Chick Development)」,R.Bellairs & M.Osmond編,Academic Press,1998を参照されたい。特定の実施形態では、ニワトリ初期胚はステージ約4〜ステージ約18の胚、またはステージ約12〜ステージ約17(H&H)の胚、あるいはまたステージ約13〜ステージ約15(H&H)の胚である(例えば、PGCを送達するため)。他の特定の実施形態では、初期胚は下記に記載するように胚盤葉期の胚である。
ここで使用する用語「胚盤葉(blastoderm)」は、当分野において理解される意味を有している。一般に、本発明の実施においては、胚盤葉には産卵時から原腸胚形成終了時までの胚が含まれる。胚盤葉は、また別の名称「胚盤(germinal discもしくはembryonic disc)」と呼ばれることもある。胚盤葉は、初期胚中での分割中に形成して原腸胚形成終了時まで存続する平坦な細胞盤であると説明することができる。産卵時までに、中央に位置する明域および周辺に位置する暗域である胚盤葉の2つの主要領域は目で見ることができる(「ニワトリの発育のアトラス[The Atlas of Chick Development]」,R.Bellairs & M.Osmond編,Academic Press,1998を参照されたい)。特にニワトリの胚に関して、胚盤葉は典型的には産卵時(すなわち、ステージIXもしくはステージX(EG&K))からステージ約XIII(EG&K)までの胚であると特徴付けられる。本発明の特定の実施形態では、ニワトリ胚はステージ約VIII〜ステージ約XIII(EG&K)胚、あるいはまたステージ約IX〜ステージ約XII(EG&K)胚である。他の実施形態では、ニワトリ胚はステージ約X〜ステージ約XI(EG&K)胚である。さらにまた別の実施形態では、ニワトリ胚はステージ約X(EG&K)胚である。
現在使用されている初期胚を含有する卵を操作する方法は、それらが容認できないほど高レベルの罹患率および死亡率を生じさせるという点で、商業的目的のためには満足できない可能性がある。特定の実施形態では、鳥類胚はトランスジェニック(すなわち、異種ヌクレオチド配列を含有する)であってよい。
胚もしくは胚盤葉に「極めて近接」させた装置の注入または挿入とは、装置が初期胚もしくは胚盤葉の真上、真下もしくは隣接して、または例えば初期胚もしくは胚盤葉から10、8、5、3、2もしくは1mm以内の周囲構造内へ注入または挿入されることを意味する。「胚盤葉へ極めて近接して」という用語には、暗域と卵黄膜との間、明域と卵黄膜との間、および/または暗域と明域との間のような胚の胚下腔内への装置の注入または挿入が含まれる。
ここで使用する用語「注射」および「注射するステップ」には、卵もしくは胚の中へ物質を送達もしくは放出する方法、卵もしくは胚から物質(すなわち、サンプル)を取り出す方法、および/または卵もしくは胚の中へ検出装置を挿入する方法を含む、卵もしくは胚の中へ装置(典型的には細長い装置)を挿入する方法が含まれる。
用語「キメラ鳥」もしくは「キメラ胚」とは、「ドナー」と呼ばれる他の鳥もしくは胚からの細胞(すなわち、体細胞および/または生殖体)を含有する各々「レシピエント鳥」もしくは胚を意味する。結果として生じるキメラ鳥もしくは胚は、典型的にはレシピエントおよびドナーの両方から引き出された細胞を含有するであろう。特定の実施形態では、キメラ鳥における少なくとも約5%、10%、25%、35%、50%、65%、75%、85%、90%、95%以上の体細胞をドナーから引き出すことができる。同様に、他の実施形態では、体細胞の実質的に全てがドナーから引き出される。さらにまた別の特定の実施形態では、キメラ鳥もしくは胚における生殖細胞の少なくとも一部分(例えば、少なくとも約5%、10%、25%、35%、50%、65%、75%、85%、90%、95%以上)の体細胞がドナーから引き出される。他の特定の実施形態では、生殖体の実質的に全てがドナーから引き出される。
用語「トランスジェニック鳥」および「トランスジェニック胚」は、ここでは当分野において一般に理解されている意味にしたがって使用される。トランスジェニック鳥もしくはトランスジェニック胚は、一つもしくは2つ以上の細胞中に異種核酸配列を含有する。異種核酸は、相違する種(例えば、鳥類、哺乳動物、昆虫、細菌、原生動物、酵母、真菌、ウイルス)から、または同一種からであってよい。例えば、野生型コード配列の追加のコピーまたは同一種からのコード配列の突然変異形が導入されてもよい。異種核酸は、下記でより詳細に記載するように、ポリペプチド、アンチセンスRNAもしくは他の非翻訳RNAをコードする可能性がある。異種核酸は、例えばゲノム内への安定組み込みまたは宿主細胞によって安定性に維持されているエピソーム構築物の導入によって、トランスジェニック鳥もしくは胚中の一つもしくは2つ以上の細胞内へ一般に安定性で形質転換されている。
ここで使用する用語「所定位置」は、卵内の決まった位置もしくは深さを指示する。例えば、装置は卵内の決まった深さおよび/または一定の位置に卵内へ挿入できる(例えば、卵は所定方向に配置することができ、装置は卵の中に一定の点で一定の深さへ挿入される)。また別の実施形態では、注入は、例えば卵内での胚(例えば、胚盤葉)の位置もしくはその中の区画、卵黄膜等に関する卵から入手された情報に基づいて実施できる(例えば、所望の区画の位置はセンサーもしくはプローブを使用して決定することができ、装置はその情報に基づいて挿入される)。
卵殻または内殻膜もしくは外殻膜を説明するために使用される用語「本質的に無傷(essentially intact)」は、それを通過する重大な穿孔もしくは裂傷がないことを指示する。内殻膜を説明するために使用される用語「本質的に無傷」は、内殻膜に重大な穿孔もしくは裂傷がないことを指示している。典型的には、内殻膜の目に見える部分だけが卵殻に形成された窓もしくは開口部の下方にあり、そして内殻膜の状態は開口部の下のこの露出した部分に関して決定される。
米国特許第5,897,998号(Speksnijder)は、長軸に対して水平位置に配置された卵殻の中に開口部を作成することによって鳥類の卵の内容物を操作するための方法を記載しているが、このとき開口部は卵の上側の卵殻に作成される。その後、1滴の液体が、「開口部が完全に被覆されるように」、卵殻における開口部の上方に置かれる(米国特許第5,897,998号、要約)。下にある膜は切り取られ、そして液は殻および膜における開口部を通して卵の中へ顕微注入することができ、そして開口部がシールされる。
本発明者らは、液滴を通して卵の中へ装置を挿入することが不要であることを見いだした。さらに、液体が配置される場合にも、米国特許第5,897,998号によって教示されているように、卵殻における露出した膜および開口部の表面全体を被覆する必要はない。さらに、本発明者らは、卵の中へ前記装置を挿入する前に少なくとも卵の内殻膜を本質的に無傷で残すことによって操作された胚の生存率が向上する可能性があることを見いだした。
具体的には、鳥類の卵の中に物質を導入する好ましい代表的方法では、卵は所定位置に方向付けられ、内殻膜が注射前には本質的に無傷で維持されるように、卵殻の中に小開口部が作成される。送達装置は卵殻における開口部を通して伸長させられ、そして内殻膜は送達装置(例えば、マイクロピペットもしくはマイクロインジェクション・ニードル)を用いて穿刺され、物質が前記送達装置を通して放出され、そして卵の中の所望の位置へ配置される。物質は、概しておよそ1〜20μL(典型的には、5μLもしくは10μL)の量である所定の用量で放出される。送達される量は、それが胚を過度に傷つけず、送達のために有効である限りにおいて、決定的に重要ではない。
卵殻における「小開口部」は、発育中の胚を過度に傷つけないために十分に小さく、シールできる、さもなければそれが所望であれば閉鎖できる開口部を意味する。特定の実施形態では、卵殻における「小開口部」は、例えば径が約10mm〜約30mm、または径が約15mm〜約25mmのように径が約35mm以下であってよい。さらにまた別の実施形態では、「小開口部」は、径が約10mm未満、約5mm未満、もしくは約3mm、2mmもしくは1mm未満でさえある。
典型的には、送達装置は、送達装置が卵内に放置される移植可能な装置でない限り、卵から引き抜かれるであろう。一般には、卵殻における開口部は、セルフシール材料(すなわち、シーラント)がその中に開口部を導入する前に卵殻へ適用されていない限り、シールされる。操作された卵は、その後培養器中に配置することができる、または孵化もしくはいずれか所望のエンドポイントまで貯蔵される。
卵殻における開口部は、例えば赤道軸の近くの卵の側方または卵のどちらかの端のようないずれかの適切な位置に作成することができる。本発明の特に好ましい実施形態では、卵殻における開口部は気室の上方で卵の鈍端に導入される。この実施形態によると、小開口部は外殻膜内にも導入される。気室によって外殻膜から分離されている内殻膜は、注入前には本質的に無傷で残されている。内殻膜は送達装置によって穿刺され、物質はそれを通して卵内の所望の位置内へ放出される。
外殻膜における「小開口部(small opening)」は、本質的に卵殻における小さい開口部について上記で記載した通りである。
当業者であれば、初期胚(例えば、胚盤葉)は、卵が水平に、垂直に、またはある角度で置かれようと、典型的には卵の一番上の部分の領域もしくはその近くに自然に位置することを理解するであろう。そこで、卵殻における開口部は一般に、胚を卵の中の様々な位置へ導く(steer)ための措置が講じられない限り、初期胚(例えば、胚盤葉)が位置すると予想される近くの卵の一番上の部分に作成される。
特定の実施形態では、卵殻における開口部は卵の上側に(すなわち、卵の長軸に沿って)作成される。この実施形態によると、卵は典型的には概して水平位置に、すなわち長軸を水平から約45度未満の角度で傾斜させて方向付けられるであろう。特定の実施形態では、卵は卵の長軸に対して水平から約30、20、15、10もしくは5度未満傾斜させられる。他の実施形態では、卵は実質的に水平位置に、すなわち本質的に卵をその長軸に沿って傾斜させずに置かれる(例えば、水平から約5%もしくは10%未満の傾斜で)。
卵の側方内に注入するときは、装置は概して内殻膜および外殻膜の両方を同時に通して挿入されるであろう。他の特定の実施形態では、開口部が卵殻に作成されるときに膜は取り除かれてよい。さらにまた別の実施形態では、装置を内殻膜に通して挿入する前に外殻膜内に開口部が作成されるが、このとき内殻膜はそれに通して装置を挿入する前には本質的に無傷である。
特に好ましい実施形態では、卵は、卵の鈍端を概して上向き位置に方向付けて、卵の長軸に対して垂直位置に方向付けられる。「概して上向き位置」とは、卵が垂直に配置され、そして長軸が垂直から約45度未満の角度で傾斜させられることを意味する。特定の実施形態では、卵は卵の長軸に対して水平から約30、20、15、10もしくは5度未満傾斜させられる。他の実施形態では、卵は実質的に直立位置に、すなわち本質的に卵をその長軸に沿って傾斜させずに置かれる(例えば、垂直から約5%もしくは10%未満傾斜させて)。この実施形態によると、卵は概して、初期胚(例えば、胚盤葉)が卵の鈍端で気室の下方に位置するように傾斜させられる。
卵殻膜における開口部は、所定位置(例えば、卵の鈍端の中心、または卵の鈍端で気室の中心)に作成できる、または少なくとも一部には、卵の中の初期胚(例えば、胚盤葉)の位置によって決定される位置に作成できる。
本発明は、有益にも卵の中の初期胚(上記に記載した通り)へ物質を送達するため、または初期胚から物質を取り出すために使用できる。特定の実施形態では、初期胚は胚盤葉である(同様に上記に記載した通り)。さらにまた、初期胚は気室を卵の中で検出可能である段階にあることが好ましい。
物質は、胚(例えば、胚盤葉)自体(例えば、明域または暗域)内へ放出することができる。あるいはまた、物質は例えば、胚(例えば、胚盤葉)から約10、8、5、3、2もしくは1mm以内のように、初期胚に極めて近接させて(例えば、真上、真下または隣接して)放出することができる。この実施形態によると、前記物質は暗域と卵黄膜との間、明域と卵黄膜との間、および/または暗域と明域との間のような胚の胚下腔内へ放出することができる。本発明のさらにまた別の実施形態では、物質はラテブラ(latebra)内、および/またはパンダー核(nucleus of pander)内へ放出される。
PGCを送達する方法は当分野において知られており、概してPGCを胚内の血管(例えば、背側大動脈)または胚体外膜におけるいずれかの十分に大きい血管内へ注射するステップによって実施される(例えば、マサチューセッツ大学の国際公開公報第99/06533号を参照)。同様に、血液サンプルを胚内の血管またはPGCステージ胚の胚体外膜内の血管から取り出すことができる。
一つの特定の実施形態では、本発明は初期胚(例えば、胚盤葉)および気室を含む鳥類の卵へ物質を送達する方法を提供するが、この方法は、卵の鈍端が所定位置(例えば、上記に定義したように概して上向き位置)にあるように卵を方向付けるステップと、気室の上方にある卵の鈍端で卵殻および外殻膜に小開口部を導入するステップであって、このとき内殻膜は本質的に無傷状態で維持されているステップと、卵殻における開口部および外殻膜を通して送達装置を伸長させるステップと、前記送達装置を用いて内殻膜を穿刺するステップと、前記送達装置を通して胚盤葉内または胚盤葉に極めて近接させて前記物質を放出するステップとを備えている。
外殻膜に開口部を形成して内殻膜を穿刺するステップは、2つの膜を通して前記装置を挿入することによって実質的に同時に実施できる。特定の実施形態では、開口部は最初に外殻膜に作成され、そしてその後前記装置はその中に開口部を作成するために内殻膜を通して挿入されるであろう。同様に、卵殻における開口部は、外殻膜における開口部の形成前に(例えば、最初に卵殻内に一つの開口部が穿孔され、その後外殻膜に開口部が置かれる)、または外殻膜における開口部の形成と実質的に同時に(すなわち、単一のステップとして)形成することができる。
上記のように、内殻膜を通しての注入は、内殻膜上に配置されている液滴を通して行われないのが好ましい。液体を通して注入が行われるそれらの実施形態では、液体が水溶液(例えば、卵白液)であり、そしてほんの小量(例えば、2〜10μL)が内殻膜上に配置されるのが好ましい。
当業者であれば、本発明の方法が例えば商業的養鶏事業におけるように、複数の鳥類の卵に実施できることを理解するであろう。本発明の方法が複数の鳥類の卵について実施される場合は、一群において総じて向上した孵化率および低下した罹患率を観察できる可能性があるが、それでもまだ卵の中での操作を受けた個々の鳥においては罹患率および死亡率が生じることがある。
好ましくは、操作された卵における孵化率は、少なくとも約40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上である。さらにまた、操作された卵における孵化率は、操作を受けなかった(例えば、殻の中に開口部が作成されていない)対照卵において観察されたものに類似する、または対照卵と比較した孵化率の減少が約25%、15%、10%、5%、3%、2%または1%未満さえであるのが好ましい。
特定の実施形態では、本発明は初期胚(例えば、胚盤葉)を含有する卵へ物質を送達するため、または初期胚自体へ物質を送達するために使用できる。本発明の実施形態によると、細胞、ワクチン、ポリペプチド、成長促進剤、競合排除培地のようなプロバイオティック培地、抗生物質、遺伝子導入ベクターを含む異種ヌクレオチド配列、ビタミン、および/または色素のようなマーカー等を含むがそれらに限定されないいずれかの物質を注入できる。物質は、単独で、または組み合わせて注入することができる(例えば、他の物質の送達と一緒に抗生物質を含めることができる)。別の実施例として、送達が所望の位置へ行われたかどうかを決定する手段を提供するために、色素またはその他のマーカーを送達すべき他の物質と一緒に含めることができる。
ここで使用する「ポリペプチド」には、タンパク質およびペプチドの両方が含まれる。卵または胚自体へ送達されるポリペプチドには、抗体、抗原(例えば、免疫のため)、成長因子、ホルモン、およびその他の成長もしくは性能を増強するポリペプチド、酵素、サイトカイン等が含まれる。
「成長もしくは性能を増強する」とは、成長、動物の最終サイズ、飼料対利得比、産卵数、食肉生産等の速度が向上することを意味する。
ワクチン有機体には、死滅、生存もしくは減衰ウイルス、細菌、原生動物および真菌が含まれ、さらに様々なライフステージにあるこれらの種々の有機体が含まれる。
本方法はさらにまた有益にも、目的のヌクレオチド配列を発育中の胚内へ導入する(好ましくは、ヌクレオチド配列は胚細胞内へ安定に形質転換される)ために、すなわち(上記で定義した通りの)トランスジェニック鳥を創出するために使用できる。当業者であれば、結果として生じるトランスジェニック鳥の全細胞が導入遺伝子を含有していることが必ずしも必要ではないことを理解するであろう。ヌクレオチド配列はDNAもしくはRNAであってよく、そしてそれはいずれかの目的のポリペプチドをコードできる、または非翻訳RNA(例えば、アンチセンスRNAまたはリボザイム)をコードできる。ヌクレオチド配列がポリペプチドをコードする実施形態では、ポリペプチドはレポーターポリペプチド(例えば、緑色蛍光タンパク質もしくはアルカリホスファターゼのような酵素)、治療用ポリペプチド、免疫原性ポリペプチド(すなわち、ワクチン接種のため)、成長もしくは性能を増強するポリペプチド等であってよい。
ヌクレオチド配列は、当分野において知られているいずれかのベクターおよび方法を使用して胚内へ導入することができる。例えば、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルス)もしくはDNAベクターは、目的の異種ヌクレオチド配列を運ぶために使用できる。特定の実施形態では、前記ヌクレオチド配列を胚の中へ導入するためにウイルスベクターは使用されない。ウイルス形質導入および裸のDNAベクターを細胞内へ導入する(例えば、リポソームまたはエレクトロポレーションを使用して)方法は当分野において知られている。卵内エレクトロポレーションのために適切な装置には、BTX ECM 2001エレクトロポレーション装置(www.genetronics.com)が含まれる。
他の好ましい実施形態では、本発明は異種もしくは「ドナー」細胞をレシピエント胚内へ導入するために(すなわち、上記で定義したように、キメラ胚、および任意選択的にキメラ鳥を創出するために)使用される。ドナー細胞はトランスジェニック細胞であってよい、または胚内へ導入するために他の目的の特徴を有していてよい。ドナー細胞は、典型的には上記で記載したように鳥類細胞であろう。
特定の実施形態では、レシピエント胚およびドナー細胞は同一の鳥類種からである。あるいはまた、ドナー細胞はレシピエント胚からの相違する鳥類種からであってもよい(例えば、ニワトリ胚内へシチメンチョウ細胞を取り入れる)。さらにまた別に、胚およびドナー細胞は同一の鳥類種からではあるが、しかし相違する系統もしくは品種からであってよい(例えば、ニワトリの2種の品種または系統)。レシピエントもしくはドナー細胞は鳥の絶滅危惧種からであってよい。
さらにその上、ドナー細胞はまた高性能の、または優良血統の鳥からであってよい。典型的には、高性能の、または優良血統の鳥は、所望の遺伝形質を備えた系統を創出するための種畜として使用される。本発明は有益にも、連続する世代を通して前記系統を拡大させるが所望の遺伝形質の一部の希釈または消失を生じさせることがある従来型のステップによるより、むしろ単一のステップで多数の「子孫」を作製するために、単一の高性能の、または優良血統鳥からの細胞(およびこのため、遺伝物質)の直接移入を許容する。高性能の、または優良血統鳥は、筋産生上昇、脂肪組成減少、産卵数上昇、疾患抵抗性向上、変化したサイズ(例えば、より小型の鳥)、羽毛減少の低下または変化した羽毛組成、および/または変化した雄性鳥の比率を含むがそれらに限定されない、いずれかの所望の遺伝形質(例えば、商業的に重要な遺伝形質)について改良されている、または優れている可能性がある。
典型的には、ドナー細胞は胚盤葉細胞、幹細胞、培養幹細胞、胚幹細胞、始原生殖細胞、および胚生殖細胞からなる群から選択されるであろう。
一部の実施形態では、ドナー細胞を導入する前にレシピエント胚内の細胞を傷つけることが所望であることがある。胚細胞を傷つける方法は、当業者には知られている。胚を傷つける適切な方法には、コアリング(レシピエント胚から細胞を取り出す方法)、機械的傷害(例えば、裂傷)、γ線照射、マイクロ波、軟X線、化学処理(例えば、アンモニアガス)、加熱、レーザー処理、および/または極低温冷却等が含まれるがそれらに限定されない。特定の実施形態では、照射、加熱、化学処理および軟X線は卵全体へ適用できる。紫外線照射、マイクロ波、加熱、レーザー処理、極低温処理、機械的傷害およびコアリングは、胚を傷つけるために卵殻における窓を通して他の実施形態で使用できる。
胚が傷つけられる程度は、例えば色素、特に壊死細胞(例えば、ヨウ化プロピジウム)もしくはアポトーシス細胞(例えば、ヘキスト333342染色)を選択的に染色する蛍光色素を使用することによって、当分野において知られているいずれかの方法で決定できる。あるいはまた、当分野において知られている壊死もしくはアポトーシス状態の指標であるmRNA転写体もしくはポリペプチドを検出することができる。
したがって、一つの好ましい実施形態では、本発明は、卵殻の中へ小開口部を導入するステップと、卵殻における開口部を通して送達装置を伸長させるステップと、前記送達装置を用いて内殻膜を穿刺するステップであって、このとき内殻膜はそれに通して前記送達装置を挿入する前には本質的に無傷でなければならず、キメラ胚を生じさせるために十分な条件下で、前記送達装置を通して鳥類ドナー細胞を放出して前記ドナー細胞を胚盤葉内に、または胚盤葉に極めて近接させて(上記の通りに)配置するステップと、前記送達装置を卵から引き抜くステップと、キメラ鳥を生じさせるためのキメラ胚を孵化させるために培養するステップとを含む、キメラ鳥を産生するための方法を提供する。
胚盤葉および/またはキメラ産生への細胞の送達が成功したかどうかは、当分野において知られているいずれかの方法によって評価できる。例えば、ドナー細胞は色素(例えば、カルボキシフルオレセイン−ジアセテート−スクシニル−エステルのような蛍光色素)、金粒子、またはレシピエント胚へ細胞を送達した後に検出できる可能性がある当分野において知られているいずれかその他のマーカーと接触させることができる。あるいはまた、ドナー細胞は、胚盤葉、胚もしくは結果として生じる鳥におけるドナー細胞もしくはその子孫の存在を同定するために、抗体もしくは標準核酸検出法を使用して検出できる特定エピトープもしくは核酸配列を運ぶことができる。加えて、あるいはまた、ドナー細胞は孵化後に胚もしくは鳥において容易に検出できる特定表現型遺伝形質(例えば、羽毛の色)を授与する遺伝子を運ぶことができる。
本発明に関する上記の説明は、主として卵または初期胚(例えば、胚盤葉)へ物質を送達する方法に関する。卵を注入する方法は、さらにまた卵(例えば、上記で記載したように、胚)から物質(例えば、サンプル)を取り出すためにサンプリング装置を卵の中へ挿入するために、および/または卵(例えば、胚から)からの情報を検出するためにも実施できる。
一つの実施形態では、サンプリング装置はそれからサンプルを取り出すために卵の中に挿入することができる。サンプルは、卵の胚体外部分(例えば、卵黄または卵白)から採取できる。例えば、サンプルはその中の微生物汚染(例えば、サルモネラ菌)の存在もしくは不在を決定するために卵白から採取できる。他の実施形態では、サンプルは例えば明域、暗域、および/または胚下腔からのように初期胚(例えば、胚盤葉)から採取される。本発明の実施形態では、サンプルは胚盤葉細胞を含有する。典型的には、サンプルはそれから情報を入手するために取り出されるであろう。サンプルは、例えば雌雄鑑別法または胚の生育力を決定する方法と結合して取り出すことができる。具体的には、細胞を含有するサンプルは、当業者には知られているように、性染色体または染色体上の性特異的配列を検出するために胚から取り出すことができ、そして細胞を分析する(典型的には卵から取り出した後に)ことができる。サンプルはさらにまた、例えば胚内の特定遺伝子もしくは目的の対立遺伝子の存在を決定するために、いずれか他のDNAに基づくアッセイのために使用できる。
また別の実施形態では、検出装置はそれから(すなわち、卵および/または胚から)情報を検出するために卵の中に挿入することができる。前記検出装置は、卵の胚体外位置(例えば、卵黄または気室)内へ挿入することができる。あるいはまた、検出装置は胚に極めて近接して(上記に定義した通り)配置できる。他の実施形態では、検出装置は胚の明域もしくは暗域内へ、または胚下腔内へ配置できる。
検出装置は、胚のサイズ、胚の位置、胚の発育期、胚の性別、および/または胚の生育力を含むがそれらに限定されない情報を収集するために使用できる。好ましくは、検出装置は胚および胚下腔の位置に関する情報を入手する。情報は、検出装置に接続されている機器(例えば、コンピュータまたはその他のデータプロセッサ)によって捕捉できる。
特定の実施形態については、それからサンプルが取り出される、または検出装置を用いて情報が検出される卵が同定される。サンプルに関する情報または検出装置によって入手される情報は、卵の同定と結び付けて保存することができる。代表的な検出装置について、下記でより詳細に考察する。
図1〜6は、本発明の特定の実施形態を具体的に示したフローチャートである。
図1に示したように、本発明による初期胚(例えば、胚盤葉)を含有する鳥類の卵に注入する一つの特定方法は、注入前に卵を準備するステップ1000と、胚を卵の内側にポジショニングするステップ2000と、開口部を卵の中に導入するステップ3000と、胚の位置を確認するステップ4000と、装置を卵の中の所望の位置内へ挿入するステップ5000とを含む。
図2に示したように、卵は注入前に任意選択的に準備される。卵の表面、少なくとも注入部位の周囲は、微生物汚染を減少させるために消毒される(例えば、アルコールもしくはその他の消毒液を用いて)1200。卵は、さらに所定位置に方向付けることができる(例えば、卵の鈍端を概して上向き位置にして)1300。特定の実施形態では、卵は注入前には貯蔵される1100。典型的には、卵は、卵の中の所望の位置へ胚をポジショニングする、もしくは「導く」際に役立つのに十分であるが、しかし胚の容認できない罹患率もしくは死亡率の発生を生じさせるには不十分である期間にわたり貯蔵される。具体的には、卵は約6、12、24時間以上貯蔵することができる。貯蔵期間には、生育力が過度に損なわれない限り、または胚が本方法のための適切な時点を超えて発育しない限り、特定の限界はない。卵は、注入前に約30日間もしくは約60日間もの長い期間にわたって貯蔵することができる。本発明の実施形態では、卵は注入前に約30日間以内、約14日間以内、約10日間以内、または約7日間以内にわたり貯蔵される。他の特定の実施形態では、卵は注入前に約1、2、3、4、5、7、8、10、14もしくは21日間にわたり、あるいはまた、注入前に約1〜21日間、約1〜14日間、約1〜7日間、約1〜4日間、約4〜8日間、または約6〜12日間にわたり貯蔵される。
一般に、卵は、卵の中の胚の発育を促進しない、または所望の発育期(例えば、胚盤葉期)を超えた発育を回避する条件(例えば、温度)で貯蔵される。当業者であれば、一部の細胞分割が貯蔵期間中に発生する可能性があることを理解するであろう。しかし、一般に、胚の発育は貯蔵期間中には一時的に中断され、または重大に遅延される。
卵は、貯蔵期間中に(長軸に対して)水平もしくは垂直位置に、またはそれからある角度で方向付けることができる。特定の実施形態では、卵は注入に使用される方向と同一方向で貯蔵される。さらに、卵は左右両方向の移動および卵の長軸の周囲での回転が制限または防止される一定位置(例えば、装置内で)に保持することができる。
特定の実施形態では、胚はさらにまた上記の通りに、胚内への注入前に傷つけることができる。
先行段落で指摘したように、特に卵を注入する自動的な方法もしくは半自動的な方法のためには、注入前に胚を導く、またはポジショニングすることがしばしば所望され、かつ有益である。ここで図3を参照すると、上記の通りに、卵黄の中央上面上への胚盤葉のポジショニングを促進するために、卵は注入前に貯蔵することができる2100。あるいはまた、または同時に、卵は胚を導くために撹拌する(例えば、振とうする)2200、回転させる2300、遠心する2400、および/または旋回させる2500ことができる。あるいはまた、またはそれに加えて、卵の内容物は加熱するステップ2600(例えば、華氏約55度もしくは華氏60度から華氏約75度、華氏80度もしくは華氏95度未満の温度へ)または冷却するステップ2700によって変化した温度条件へ曝すことができる。上記の通りに卵を加熱するときには、当業者には胚が所望の段階を超えて発育しないように卵が十分に穏やかな加熱処理(時間×温度)に曝されることが理解されるであろう。さらにまた別の、または追加の処理として、卵は胚を所望の位置へ導くことを促進するために化学的に処理する2800(例えば、卵白をアンモニアガスで化学的に処理する)ことができる。加えて、あるいはまた、卵を取り囲んでいる空気の相対湿度を制御する2900(例えば、約75%より上または下へ)ことができる。
特定の実施形態では、卵は卵白の菲薄化(すなわち、硬さの消失または壊れた卵における低いハウ単位(Haugh Unit))を生じさせる(例えば、化学的または機械的)処理に曝される。卵黄の中央上面への胚盤葉のポジショニングは菲薄化した卵白によって容易になる可能性があると考えられる。あるいはまた、本発明の方法では高齢群からの卵および/または大きな卵を使用することができる。高齢産卵鶏によって産生した卵および大きな卵はどちらも相当に薄い卵白を有する可能性がある。
アンモニアガスは、卵白の菲薄化を生じさせることが文献において報告されている。卵は、所望の位置での胚盤葉のポジショニングを生じさせるいずれかの適切な濃度のアンモニアガスへ曝すことができる。適切な濃度のアンモニアガスは、十分な時間(例えば、約0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、5もしくは6時間)にわたって約100、150、250、500、750、1000、1500、2000、2500、3000未満、または3500、4000、5000、6000、7000、もしくは8000mg/kg以上であってよい。特定の実施形態では、卵は相当に短時間(例えば、約0.5〜約1時間)にわたって相当に高濃度(例えば、約2000〜4000mg/kg)のアンモニアガスに曝される。他の特定の実施形態では、卵は約0.5〜約2時間にわたって約250〜1000または約500〜1500mg/kgの低用量のアンモニアガスに曝される。
特定の実施形態では、胚盤葉を卵黄の中央上面へポジショニングするもしくは導くのに役立つようにアプローチの組み合わせが講じられる。例えば、一つの特定の実施形態では、卵は貯蔵期間中に同時に卵の向きを変えながら、約65℃〜約75℃で約2日〜約7日間にわたり貯蔵される。さらに、この処理のために選択された卵は大きい卵、および/または高齢産卵鶏からの卵であってよい。
ここで図4を参照すると、小開口部が卵殻内3300および外殻膜内3400に導入される。これらのステップは別個に実施できるが、それらはさらにまた実質的に同時に、特に自動的方法または半自動的方法で実施することもできる。さらに任意のステップとして、卵の鈍端での気室の位置は、典型的には卵殻に開口部を導入する前に決定することができる3100。さらに任意のステップとして、卵殻における開口部が本質的にセルフシールとなるように、その中に小開口部を作成する前、または作成した後に卵殻にシーラントを適用することができる3200。あるいはまた、またはこれに加えて、シーラントは前記装置を用いて内殻膜を穿刺する前または穿刺した後に内殻膜に適用することができる。
本発明のある実施形態では、前記装置は所定の深さおよび位置で卵の中へ挿入されるであろう。他の実施形態では、前記装置は例えば卵の中の胚もしくは胚下腔のような卵における特定の区画もしくは構造の位置に基づいて卵の中に挿入されるであろう。胚もしくは胚下腔の位置は、注入(またはサンプリング)と同時に、またはその前に決定できる。胚の位置を決定する好ましい方法は、図5に示した。手動または半自動方法のために、胚は卵殻における窓を通して単純に(拡大機器を用いて、または用いずに)視認できる4200。卵は、胚が見えるようにするためにさらに回転させることができる4100。胚とバックグラウンドとの対照は、卵殻における開口部を通して特定波長(例えば、青色)の光線を卵の内部へ向けることによって、または造影剤(例えば、着色色素もしくは蛍光色素)を添加することによって増強することができる。初期胚の視認は、さらにまた当分野において知られている技術を使用して、卵黄の色(例えば、紫色の陰影または相違する黄色の陰影)に影響を及ぼす飼料または化合物を雌鶏に使用することによって促進することができる。
他の実施形態、特に自動または半自動注入方法では、卵の中の胚または他の区画の位置に関する情報は、検出装置を用いて検出することができる4300。検出装置については下記で詳細に考察するが、侵襲性または非侵襲性の装置であってよい。しかしながら、典型的には、装置は、卵中の胚の位置を決定するために重要な情報を収集するために卵殻における開口部および外殻膜内に挿入される。検出するステップは、送達するステップおよび/またはサンプリングステップと実質的に同時に実施することができる。あるいはまた、それらは連続的に実施することもできる。卵内への注入および検出を同時に行うための好ましい装置は、米国特許第6,244,214号(Hebrank)に記載されている。
上に記載し、そして図6に示したように、内殻膜はそれに通して装置を挿入する前に本質的に無傷の状態(上記に記載したように)で維持される。小開口部は、典型的には胚の上方または胚に極めて近接させて、内殻膜に作成される5100。典型的には、小開口部はそれを通して装置を挿入することで内殻膜を穿刺することによって作成される。装置は、送達装置5200、サンプリング装置5300、または検出装置5400であってよい。一部の実施形態では、装置は検出、送達および/またはサンプリング機能を含むことができる。
一部の実施形態では、開口部を殻および外殻膜内へ導入するステップ、および任意選択的に内殻膜を穿刺するステップは同時に、すなわち単一のステップで実施される。しかしながら、典型的には、別個のステップとして、開口部は卵殻内に導入されるが、それは本発明により使用される装置は機能性に依存して、卵殻を通して穿孔するには径が細すぎる可能性があるからである(例えば、マイクロインジェクション・ニードル)。同様に、本発明は、外殻膜および内殻膜を通して同時に注入するステップによって実施できるが(特にそれらの膜が融合している卵の側方内へ注入するときに)、卵の鈍端内へ注入するときには、これらのステップは一般に別個に実施されるであろう。
ここに記載した注入方法は完全に手動であっても、完全に自動であっても、または半自動であってもよい。例えば、図1に示したように、卵を準備するステップおよび胚をポジショニングするステップは手動方法により適応させられてよい。卵殻および外殻膜に開口部を導入するステップ、胚の位置を決定するステップおよび前記装置を挿入するステップは、手動であってよいが、好ましくは自動である。
好ましい実施形態では、例えば米国特許第6,032,612号(Williamsら)に記載されたようにマルチサイト注入もしくはサンプリング装置が使用される。その他の好ましい送達装置またはサンプリング装置には、米国特許第5,136,979号(Paulら)、米国特許第4,681,063号および米国特許第4,903,635号(Hebrank)、および米国特許第4,040,388号、米国特許第4,469,047号および米国特許第4,593,646号(Miller)に記載された装置が含まれる。
さらにまた別の実施形態では、さらに米国特許第6,244,214号(Hebrank)に記載された検出装置を含む注入装置は、胚(例えば、胚盤葉)もしくはその他の区画の位置に関する情報を卵の中への注射の前にまたは注射と同時に収集する(卵もしくは胚の中の物質をサンプリングするおよび/または卵もしくは胚の中へ物質を送達する)ために使用される。
検出するステップの実施時期は、方法の特定の目的または検出される特徴、および注入される物質または取り出されるサンプルの性質に依存するであろう。一般に、検出するステップは、送達するステップまたはサンプリングステップの前、後、またはサンプリングステップと同時に実施することができる。
電気センサー、光センサー、化学センサー、温度センサー、音響センサー、圧力センサーまたは任意のその他の物理的もしくは化学的パラメーターを検出するための装置は、本発明のこの態様を実施する際の検出手段もしくは検出装置として機能することができる。検出装置もしくはセンサーは注入装置の外側壁へ接続できる、または電気検出装置の場合、そして装置が絶縁材料もしくはポリマー材料以外の導電性金属材料から形成されている場合は、注入装置自体の側壁がそれに接続された適切な回路と一緒に検出装置として機能することができる。検出装置は、非導電性注入装置に載せられた、または導電性注入装置の絶縁部分上に載せられた一つもしくは2つ(以上)の電極であってよい。卵の解剖学的構造内の深さもしくは位置を検知するために、およびその他の様々な目的のために、それらが卵に注入されるべきかどうかについての有用な指示、または特定の深さもしくは位置が達成されたという有用な指示を提供する限り、極めて多数の相違する物理的もしくは化学的パラメーターを検知もしくは検出できることは理解されるであろう。
センサーは、注入装置の先端に、またはその側壁に沿った所定位置に、および/または注入装置の先端から間隔をあけてポジショニングすることができる。
バイオセンサーは、本発明を実施するために使用できる。数多くのバイオセンサーが知られている。例えば、米国特許第5,804,453号、米国特許第5,770,369号、米国特許第5,496,701号、米国特許第4,682,895号、米国特許第5,646,039号、米国特許第5,587,128号および米国特許第4,786,396号を参照。
電気検出装置が使用されたときは、第1電極と作動関連している第2電極を用意することが望ましいことがある。2つの電極が使用される場合は、それらはどちらも注入装置に接続されてよい、または一つは注入装置へ接続され、そしてもう一つは別個に卵殻における同一の開口部を通して挿入されてよい。一つの好ましい実施形態では、第2電極は卵の外部と接触させる。電気シグナルは2つの電極を通過することができ、そして2つの電極間の伝導の存在または不在が検出される。第2電極を卵の外部と単純に接触させるときは、シグナルは、第2電極が卵の内容物へ容量結合するように好ましくは交流シグナルである。好ましくは、各卵(もしくは複数の卵を収容するフラット)が電気検出装置を使用した検出の前に導電性材料の上部に配置される(例えば、導電性ポリウレタンフォームに関する米国特許第5,591,482号を参照)。
例えば、胚下腔のような液体が充填された区画の位置を検知するために電気検出装置が使用される場合、前記電気検出装置は液体区画内へのプローブの進入を検知するので、したがって深さ検出装置として機能する(本明細書では用語「深さ検出装置」は「位置検出装置」を包含する)。本発明の一つの実施形態では、検出装置および/または関連注入装置の移動は、前記検出装置および/または装置が前記区画に進入すると停止させられる。この方法では、注入装置は胚下腔液(subgerminal cavity fluid)に貫通した直後、しかし胚下腔を最後まで貫通する前に停止させることができる。
光センサーは、光ファイバーを備えていてよく、さらに注入装置の外壁部分に接続されていてもよい。光源は、卵の中へ前記装置と同時に挿入される第2光ファイバーを通して提供されてよい、または外部の照明源が卵に向けられてもよい。光線の伝導または透過特性は、胚または胚下腔の位置を決定するために使用できる。光線はさらにまた、生理学的測定、疾患の測定、または性別測定のためにカラーマーカーを検出することができる。
化学センサーは、バイオセンサーの当業者に知られている様々な方法のいずれかで用意されてよい。例えば、化学センサーは、ベクトン・ディッキンソン・マイクロバイオロジー・システムズ(Becton Dickinson Microbiology Systems,コッキーズビル、メリーランド、米国)から入手できる、または米国特許第4,703,017号および米国特許第4,743,560号に記載されているBBL(登録商標)リポソーム技術を通して用意できる。このようなアッセイの結果は、成分が注入装置上に載せられると、上記の通りに光ファイバーを用いて読み取ることによって決定できる。その他の化学アッセイは、電気化学的検出によって実施できる。このようなセンサーは、例えば卵の中の胚の位置もしくは性別を決定するために、そして卵の中の潜在的微生物感染を検出するために使用できる。
化学センサーは、注入装置上に取り付けたpHセンサーであってよく、pH測定値は潜在的な微生物汚染を検出するため、卵の生死を識別するため等に使用できる。下記で詳細に考察するように、様々なアニオンもしくはカチオン種を検出するためのイオン特異的電極もまた使用できる。イオンおよびpHプローブは、卵の様々な領域および区画内に存在する生体液の化学的性質における差によって卵の中の区画間の運動を検知する。
温度センサーは、その温度に基づいて生きている卵を死滅した卵から、または胚および/または胚下腔の位置を識別するために、または卵の雌雄鑑別のために使用することができる。
音響センサーは、深さを決定するため、生育可能な卵を生育不能な卵から識別するため、胚もしくは胚下腔の位置を決定する等のための受動センサーもしくは能動センサーとして(すなわち、卵の外側部分に接触させたトランスデューサ−のような音響シグナル源と結合して)使用できる。
位置センサーもしくは深さセンサーは、様々な技術のいずれかによって実行できる。気室膜との電気的接触は、胚下腔内、胚内、または他のいずれか所望の位置等内へのより正確な注入を保証するために、卵の事前に選択した区画、例えば気室膜の下方の所定の深さに対して前記装置の貫通を制御するために使用できる。あるいはまた、卵内の区画から区画(例えば、気室から胚、胚から胚下腔、等)への前記装置の移行中における圧力変化を評価するために、深さは圧力センサーを用いて検知することができる。センサーの位置を検知する一つの適切な方法は、センサーを取り囲んでいる卵の媒質によってセンサーに加えられた圧を測定する。例えば、センサー内に位置する出射孔を取り囲んでいる媒質内へ気体もしくは液体を放出するために必要とされる圧力は、注入装置または中空の気体もしくは液体充填チューブのどちらかを使用して測定することができる。必要とされる排出圧は、出射孔が気体充填区画(例えば、気室)から液体充填区画へ移動するにつれて上昇する。そして出射孔が液体充填区画から胚内へ移動するにつれて再び上昇する。圧力変化は、卵の外側に配置された圧力測定装置によって測定できる。
光センサーは、前記装置が気室のような気体充填区画、胚下腔もしくは卵黄のような液体充填区画、または胚のような細胞区画のいずれにあっても、外部光源または前記装置に取り付けられた光源と結び付けて使用できる。
センサーは、例えば卵の大腸菌、サルモネラ菌、もしくはリステリア菌汚染のような、卵の細菌汚染またはその他の微生物汚染を検出するための診断センサーであってよい。診断センサーは、いずれか適切な手段、典型的には化学センサーまたはバイオセンサーによって実行できる。汚染した卵の検出は、引き続いて汚染されていない卵から汚染した卵を分類するためのシグナルを誘発するために使用できる。
前記装置には複数のセンサーを関連付けることができる。例えば、卵の微生物汚染を検出することが望ましい場合に、卵の中の構造の位置を決定するために、または卵の雌雄鑑別を行うことが望ましい場合に、所望の条件をより正確に指示するために、2種の相違する、または別個のタイプのデータを提供することが有益なことがある。
検出ステップは、引き続いて分析が実施される処理システム内へ卵からのサンプルを引き出すことによって実施できる。例えば、液体サンプルは、少量の液体サンプルを処理するために利用できる分析システム(例えば、その中でサンプルは液体処理ラインにおける空隙により分離される)と同一の方法で、それから所望の情報を入手するために引き出して分析できる。このような場合には、それが所望の方法で使用されるまでの短期間または長期間にわたってその情報をサンプリングして保存する時間と関連付けて、卵および各卵の相対位置を計数するために、例えばハードウエア、ソフトウエア、またはハードウエアとソフトウエアの組み合わせを提供することによって、そこから各生体サンプルが引き出される卵を(例えば特定の卵を排除するため、鳥の雌雄を判定するため、および性別で分類するため、または注入される卵の量もしくはその他の一部のパラメーターについての大きな情報データベースを提供するために)識別するための方法を提供することが好ましい。
本発明が、注入される卵についての大量の情報を記録かつ保存するための方法を提供できることは理解されるであろう。例えば、品質管理プログラムのため、卵の事前処理を変更するため、または選択的飼育プログラムを変更するために使用できる集団データを入手することができる。このような場合には、注入された卵の同一性は、そのバッチの卵内の特定の個体としての同一性よりむしろ特定バッチの卵と関連している可能性がある。
したがって、本発明は、初期胚(例えば、胚盤葉)を含有する鳥類の卵を操作する、および胚自体を操作するための改良された方法を提供する。本発明は、例えば卵から情報を収集するため、卵からサンプルを取り出すため、および/または卵へ物質を送達するために使用できる。
これまで本発明を記載してきたが、以下では一定の実施例を参照しながら本発明について具体的に説明する。これらの実施例は、具体的に説明する目的でのみ含まれており、本発明を限定することは意図されていない。
以下は、卵の鈍端を通して卵の中のレシピエントニワトリの胚盤葉内へ液体または細胞を注入するために使用される代表的方法である。
1.100%のエタノールを用いて拭うことによりE0日齢の卵の表面全体を殺菌する。
2.気室の位置を確認するために卵を明かりに透かして見る。鉛筆で気室の位置を殻上にマークする。
3.殻に穴を開けることによって、窓(小開口部)を卵の鈍端(気室の中心)に作成する。外殻膜を無傷で維持するために細心の注意を払う。
下記のステップは、全部を好ましくは層流フード内またはクリーンルーム内で実施する。
4.殻における窓を通して外殻膜が露出している場所である卵の鈍端、および周囲領域は、再び70%のエタノールを使用して表面を殺菌する。
5.膜にギザギザの縁が残らないように注意しながら、鉗子およびメス(#11ブレード、ペルソナメディカル(Personna Medical)製)を用いて外殻膜を注意深く取り除く。
6.胚盤葉は、ドーナツ形構造として気室膜(すなわち、内殻膜)の下方で視認される。
7.ガラス製のマイクロピペット(もしくはニードル)を使用して気室膜を穿刺し、胚盤葉の胚下腔液内へ注入する。約3〜5μLの液体(100g/mLのペニシリン−ストレプトマイシンを含有する)を注入する。マイクロピペットは、サッター(Sutter)製P−30プラー、温度−800、引張力−950を使用して引っ張った。
8.注入後、窓に適合するように切断した耐水テープ(ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)製、幅1インチ)を貼付し、所定の位置に押し付ける。
9.その後、テープの辺縁をシールすることに重点を置いて、テープの全面を覆うようにシリコン(GE製Silicone II、透明)シールを広げる。
10.卵を培養器へ移す前に、シリコンを約30〜45分間にわたり乾燥させる。
卵の中のレシピエントニワトリの胚盤葉(ほぼステージX)の胚下腔内へ液体または細胞のいずれかを注入する実施例1に記載したような手動注入の使用を評価するために、一連の実験を実施した。ドナー細胞もまたステージXのニワトリ胚盤葉からであった。一部の場合には、レシピエント胚を注入前に傷つけた。前期の実験では、小滴(数μL)の卵白液を胚盤葉の上方の内殻膜上に配置し、そして卵白液を通して前記膜を穿刺することによって注入を実施した。後期の実験では、このステップを省いた。卵は貯蔵しなかったか、または処理前4〜8日間にわたり貯蔵した。
対照卵および操作した卵における孵化率を決定した。キメラ産生の成功率についてもまた評価した。結果は下記の表1に示した。
Figure 0004381139
Figure 0004381139
紫外線(UV)照射またはレーザーアブレーションのような胚の物理的傷害の一定方法は、卵殻および殻膜における窓を通して適用できる。本発明者らは、卵の側方に窓を作成し、それをシールし、そして胚が通常は2日間で発育する極めて高いパーセンテージ(>90%)を可能にする標準条件(99°F、振動)下で卵を培養する方法を開発した(図7)。この方法は、2日間の胚発育での傷害およびキメラ産生の作用を評価するために使用できる。さらに、この方法は卵の側方内へ注入するためにも使用できる。
端的には、卵は下記の通りに処理した。
1.卵は、胚盤葉を卵の側方の中心に向けて導くために、それらの長軸上で、0〜7日間にわたり60°F、湿度75%で貯蔵した。
2.上に向いている位置をサインペンでマークした。
3.貯蔵後、卵の側方にペンマークの位置で7mm径の穴を穿孔した。
4.卵殻を取り除いた。通例、内殻膜および外殻膜は無傷で残ったが、それらもまた取り除いた。
5.胚盤葉は、卵殻に作成した開口部の近く、またはすぐ下方で同定された。この特別の実験のため、UV光線のような様々な傷害処理の適用を許容するように、胚盤葉が前記開口部のすぐ下方にある卵だけを使用した。
6.穴は、5〜10分間は開いたままにした。
7.この穴は、GE製シリコンIIおよびJ&J製耐水テープを用いてシールした。
8.シリコンは約30分間かけて乾燥させた。
9.卵は鈍端を上に、穴を側方に向けて培養器内に配置し、2日間にわたり、3時間毎に回転させながら99°Fで培養した。
10.写真撮影のために卵から胚を収集した。
代表的な対照胚および処理胚の写真は図7に示した。
レシピエント胚内への胚盤葉細胞の取り込み方法を開発した。この方法は、あらゆる鳥類種または系統から新しく単離した胚盤葉細胞を追跡するために適用することができ、そして胚幹細胞のような他の細胞の取り込みを監視するために容易に適用できるはずである。この方法を要約すると、新しく単離した胚盤葉細胞は注入前にカルボキシフルオレセイン−ジアセテート−スクシニル−エステル(CFDA SE)に曝露させた。CFDA SEはアミン反応化合物であり、これは細胞内タンパク質と反応すると高度に蛍光性になる。胚盤葉細胞内に取り込まれると、それらの細胞は蛍光顕微鏡によってレシピエント胚内で観察できる。
下記に例示する実験では、新しく単離した胚盤葉細胞をCFDA SEにより標識し、卵の鈍端で内殻膜を通しての注入(実施例1に記載した通り)によって、ステージXの胚盤葉内に顕微注入した。2日間の培養後に顕微鏡によって観察すると、様々な組織中で蛍光標識ドナー細胞が見いだされた。図8は、キメラ胚を創出するために2日間培養されたレシピエント胚の体節内へ取り込まれた蛍光標識ドナー細胞を示した図である。蛍光色素標識は、初期胚におけるドナー細胞取り込みに続いて遺伝子組み換え細胞を使用する方法にとって魅力的な代替法または補完法となる可能性がある。
ニワトリキメラ産生を最適化するために、レシピエント胚は、それらがドナー細胞に対してより受容的となるように、「傷つけられ」ても、またはプレコンディショニングされてもよい。最も広範に容認された傷害方法には、レシピエント卵を600ラドのγ線照射に曝露させるステップが含まれる。レシピエント胚へ様々な処理が及ぼす作用を評価するために、本発明者らはレシピエント胚盤葉中でのインサイチュー細胞死の量を測定する技術を開発した。
インサイチューでの壊死細胞を同定するために、本発明者らは、主として死滅細胞へ透過性である蛍光DNA染色液のヨウ化プロピジウム(PI)による色素標識を評価した。繊細な胚盤葉の取り扱いおよび洗浄を最小量に抑えると、PIは壊死細胞を効果的に標識することが見いだされた。これらの細胞は蛍光顕微鏡によって同定かつ写真撮影することができ、そして相対量の細胞死はデジタル画像解析によって決定することができた(図9を参照)。胚盤葉中の壊死細胞の正確な位置もまた、デジタル画像解析によって決定することができる(図9を参照)。本発明者らの知る限り、これは生きている鳥類胚の細胞死がインサイチューで測定された最初である。
この実験では、PI標識法を未処理胚、物理的に損傷した胚、および熱処理胚へ適用した。未処理胚盤葉(図9、第1欄)は、低レベルのバックグラウンドの細胞死を示している。この実験で加えられた物理的損傷(第2および第3欄)は、胚盤葉単離方法によって惹起された意図的ではない損傷であった。細胞死は、胚盤葉における裂傷を取り囲む領域へ精密に局在化できることに注目されたい。加熱処理(55℃の水浴中で15分間)は、この処理が孵化を完全に排除することを示す以前のデータに基づいていた。この実験において証明されたように(図9、第4欄)、この孵化の減少はおそらく胚盤葉における極めて高レベルの細胞死に起因すると思われる。蛍光ピクセル数(図9、一番下の列)を使用すると、処理間の細胞死の量を定量的に測定かつ比較することができる。
アポトーシス細胞の検出もまた(壊死細胞とは対照的に)、生きている細胞とアポトーシス細胞を示差的に染色する蛍光色素ヘキスト333342を使用して決定することができる。アポトーシス細胞および/または壊死細胞の測定を使用すると、レシピエント胚の傷害の程度を決定することができる。
商業的孵化場の貯蔵条件下で貯蔵した卵内の胚盤葉の位置および径を決定するために下記の試験を実施した。単一群からのホワイトレグホン(ボバンス)の卵を週1回測定した。この群を産卵周期の終了時まで試験した。卵は産卵24時間以内に入手した。卵を入手した後、それらは商業的孵化場で貯蔵される方法と同様に、60°Fおよび相対湿度75%のフラットで、6日間もしくは7日間にわたり貯蔵した。各週、フラットで50個の卵を測定した。胚盤葉の平均偏心距離は、フラット内で6日間もしくは7日間にわたり貯蔵された卵については5.24mmであったが、胚の3.05%については極端な偏心距離が所見された。
さらに、ハイライン(Hy−Line)W−36ホワイトレグホン群について試験した。これらの卵は産卵48時間後までに入手した。卵は60°Fおよび相対湿度75%で6日間もしくは7日間にわたり貯蔵した。胚盤葉の平均偏心距離はフラット内で6日間もしくは7日間にわたり貯蔵された卵については5.86mmであり、極端な偏心距離は胚の3.96%について所見された。
明域の径を含む胚盤葉の径もまた、胚盤葉の位置を測定する時点に測定した。商業的孵化場の貯蔵条件下での結果は、下記の表2に示した。卵は7日間貯蔵し、胚は典型的にはステージX胚であると所見された。
Figure 0004381139
貯蔵条件を調節することにより胚盤葉が受動的に導かれうるかどうかを決定するために実験を実施した。卵は、商業的条件(対照)下のようなフラット内、または左右両方向への移動および卵の垂直軸の周囲での回転の両方が実質的に防止される固定直立位置(鈍端を上に向けて)で卵を保持する「フィクスチャー(fixture)」と呼ばれる装置内のどちらかで貯蔵した。
ボバンス群(雌鳥は産卵69週齢であった。それらは換毛を伴わずにほぼ70週間まで産卵した)を用いた進行中の試験では、計2,766個の卵を60°Fおよび相対湿度75%でフラット内またはフィクスチャー内で7日間貯蔵し(毎週、30個の卵をフラット内、そして30個の卵をフィクスチャー内で31週間にわたって貯蔵した)、胚盤葉のコントラストを増強するために青色光ファイバー光源を備えたアキュゲージ(Acu−Gage)光学座標測定装置(CMM)上で測定した。収集したデータに基づいて、胚盤葉の平均偏心距離は、フラット内で7日間貯蔵した卵については5.24mmであった。偏心距離は、卵の長軸が垂直であるように卵を保持するフィクスチャー装置内で7日間貯蔵した卵については平均4.58mmへ向上する。フラットに貯蔵された卵では、胚の3.05%で極端な偏心が所見されたが、他方フィクスチャーに貯蔵された卵では極端な偏心を示したのは2.53%だけであった。ペンシルバニア州エリザベスタウンからのハイラインW−36卵ももまた測定した。計1,649個の卵を測定したが、この場合、卵は60°Fおよび相対湿度75%で6日間もしくは7日間にわたり貯蔵した。胚盤葉の平均偏心距離はフラット内で6日間もしくは7日間にわたり貯蔵された卵については5.86mmであったが、胚の3.96%については極端な偏心距離が所見された。卵の長軸が垂直であるようにフィクスチャー内で6日間もしくは7日間にわたり貯蔵された卵についての偏心距離は平均5.31mmとわずかに良好であったが、胚の4.81%については極端な偏心距離が所見された。
フィクスチャー装置内で卵を保持することが胚盤葉の位置に影響を及ぼすかどうかを決定するために、データ(ボバンス、23〜69週、ハイライン、26〜42週)についての統計解析を実施した。無精卵または損傷した卵からのデータは除外した。胚盤葉が測定される中心から極端に離れている場合は、13.716の数値を適用した。位置を従属変量と見なし、貯蔵装置(フィクスチャーまたは卵フラット)を固定値と見なす共分散分析を利用し、品種毎に別個に分析を実施した。群年齢にわたってプールした胚盤葉の位置にフラットと比較して、フィクスチャー内での貯蔵が及ぼす影響は下記の表3に提示した。
Figure 0004381139
フィクスチャー内の貯蔵の影響は、ボバンス(p≦0.001)およびハイライン(p≦0.004)の両方について有意であった。フィクスチャー内で貯蔵した卵は中心から有意に近い胚盤葉を生じさせた。
フィクスチャー内に貯蔵した卵のデータセットは、胚盤葉の位置の偏心が群年齢および/または卵重量と相関しているかどうかを決定するために分析された。卵重量を共変量とし、位置を従属変量と見なし、群年齢を固定値と見なす共分散分析を実施した。解析は品種毎に分離した。ボバンス卵は、フィクスチャー内に貯蔵した卵について高度に有意な(p≦0.001)群年齢の作用を示したが、ハイライン卵は胚盤葉位置と群年齢との有意な相関を証明しなかった(p≧0.05)。
予想通りに、卵重量は群年齢とともに増加した。卵重量と卵中心からの胚盤葉の距離との間では逆関係が観察された。ボバンスデータセットは、卵重量が有意な(p≦0.05)共変量であることを証明した。だがハイライン卵については、卵重量は有意な共変量ではなかった(データは示していない)。卵重量はハイライン分析では有意な共変量ではない可能性があるが、これは、群年齢は42週齢を超えておらず、したがって卵重量がまだ要因ではない可能性があるためである。ボバンスデータセットの回帰分析は卵重量と胚盤葉の位置との間の有意な関係を証明したが、胚盤葉の位置における1%未満の変動は卵重量によって説明できる可能性があることを示した(R2=0.007)。
上記の実験のための対照群は、フラットに貯蔵された卵から構成された。これらは、卵が輸送される段ボール紙製フラットである。卵は、フラット内に保持されている間に垂直軸の周囲では比較的に自由に移動することができる。孵化場は、その中で卵が垂直軸の周囲で制限されたレベルの移動しかできないプラスチック製フラットを使用する。プラスチック製フラット内と段ボール紙製フラット内またはフィクスチャー内で卵を貯蔵する影響を決定するために、ボバンス卵はプラスチック製フラット内または段ボール紙製フラット内のどちらか、ならびにフィクスチャー内において60°F、相対湿度75%で6日間貯蔵した。下記の表4に示したように、胚盤葉の位置偏心はプラスチック製フラット内で貯蔵した卵では減少したが、しかしフィクスチャー内で貯蔵した卵でははるかに向上した。
Figure 0004381139
様々な貯蔵期間が胚盤葉の位置に及ぼす作用を決定するために試験を実施した。以前の試験は、7日間(60°Fおよび相対湿度75%で)貯蔵した卵は0日卵に比較して胚盤葉の位置における有意な改善(第0日の9.71mmの偏心から第7日の5.61mmの偏心、0.0001レベルで有意)を示すが、10日間にわたる卵の貯蔵はもはや胚盤葉の位置を有意に改善させないことを証明した。
胚盤葉の位置に影響を及ぼすと考えられた変量の一つは卵白の厚さである。卵白が厚くなるほど卵黄の自由な回転を制限する。卵白の厚さは、ハウ単位によって測定した。別個の実験では、卵白の厚さを様々な期間にわたって貯蔵された卵内で測定した。55週齢の群からのボバンス卵を計量し、0、3、6、10、13または17日間にわたってフラット内で貯蔵した後にハウ単位を決定した。卵白の高さ、またはハウ単位は、貯蔵期間が増加するにつれて有意に減少することが証明された。
貯蔵期間が胚盤葉の位置偏心ならびに卵白の厚さに及ぼす影響を決定するために一つの実験を実施した。37週齢の群からのハイライン卵を計量し、2、6、9、12または15日間にわたって60°Fおよび75%相対湿度のフィクスチャー内で(鈍端を上に向けて)貯蔵した。この群を6日間貯蔵し、対照群と指定した。胚盤葉の位置を従属変量と考え、そして貯蔵期間(日数)を固定値と考える共分散分析を実施した。別個に、ハウ単位を従属変量と考え、貯蔵期間は固定変量と考えた。その後SNK検定によって、各貯蔵期間についての平均胚盤葉の位置または平均ハウ単位を比較した。下記の表5に示したように、胚盤葉の位置偏心は貯蔵期間が増加するにつれて有意に減少し、12日間および15日間についての平均位置は2日間より有意に少なく、6日間および9日間については中間であった(6日間についての平均位置は実際に9日間より少なく、そして12日間については15日間より少なかった)。さらに、ハウ単位もまた貯蔵期間に伴って有意に減少したが、これは胚盤葉の位置よりむしろいっそう明白な影響を証明した。
Figure 0004381139
総合すると、卵白を菲薄化すると卵黄のより自由な回転が許容され、それによって垂直の、鈍端を上に向けた位置に保持された卵の「上死点」により近い胚盤葉のポジショニングが可能になると思われる。
貯蔵期間中の卵の方向を調節することが胚盤葉の位置に及ぼす作用を決定するために研究を実施した。卵を横向きにして7日間貯蔵した予備実験は、胚盤葉の位置を改善しなかった。しかしながら、これらの実験は卵を平坦な表面上に置き、それらが自由に横向きになることを可能にすることによって実施されていた。
本試験では、卵は実施例7に記載したようにフィクスチャー内に保持された様々な位置で貯蔵したが、これは胚盤葉の位置に及ぼす影響を決定するために左右への横移動および回転運動を限定した。フィクスチャーは、卵を一定の水平または垂直位置に保持した。その中に卵が貯蔵された様々な方向、ならびにその中で胚盤葉の位置を測定するために卵が保持された方向は以下の通りであった。
1.横向き(ボバンスおよびハイラインW−36)に貯蔵し、そして横向きで測定した。
2.上下を逆さまに(すなわち、鈍端を下に)して3日間(ハイラインW−36)にわたり、その後は鈍端を上に向け3〜4日間にわたり貯蔵し、そして鈍端を上にして測定した。
3.上下を逆さまに(すなわち、鈍端を下に)して6〜7日間にわたり貯蔵し、鈍端で測定した(ボバンス)。
4.上下を逆さまに(すなわち、鈍端を下に)して6〜7日間にわたり貯蔵し、鈍端で測定した(ハイラインW−36)。
結果は下記の表6に要約した。
Figure 0004381139
卵の横向きにした貯蔵は、どちらのタイプの卵についても有意に向上した結果を生じさせなかった。胚盤葉距離は低下したが、極端な偏心を示した胚盤葉の数もまた増加した。3日間にわたる卵の上向きの貯蔵は有意に近づいたが、しかし、実際には卵の中心からの胚盤葉の距離を増加させた(p≦0.057)。右側を上または上下を逆さまにしてのどちらかで測定した上下を逆さまにした卵の貯蔵は、ボバンスおよびハイラインW−36の両方について、有意差を生じさせはしたが、胚盤葉の卵の中心からの距離を大きく増加させた。
貯蔵温度および相対湿度が胚盤葉の位置に及ぼす作用についてもまた研究した。温度は卵白の質(すなわち、厚さ)に影響を及ぼす重要な因子であると考えられているが、これは順に卵黄の移動または可動性、したがって胚盤葉の位置に影響を及ぼす可能性がある。予備実験は、より高温で卵を貯蔵すると胚盤葉を卵黄の表面の中心に向かって「導く」のに役立つ可能性があることを指示した。
47週齢の群からのハイライン卵を計量し、60°F(商業的孵化場の条件)または70°F(15.5または21.1℃)のどちらかで7日間にわたって貯蔵した。70°で貯蔵した卵の胚盤葉の位置偏心は60°Fで貯蔵した卵の胚盤葉の位置偏心より少なかった(p=0.063で有意性に近づいた)。
フォローアップ試験では、卵の貯蔵中の温度および相対湿度条件の様々な置換が胚盤葉の位置に及ぼす影響について試験した。実施例7に記載した通りに6〜7日間にわたりフィクスチャー内で貯蔵した卵は、様々な温度および相対湿度の組み合わせに供したが、60°Fおよび相対湿度75%を対照処理と見なした。以下の様々な処理条件を評価した。
1.標準温度(60°F)で、相対湿度を75%から50%に下げた(ハイラインW−36卵)。
2.最初の5日間は、標準温度(60°F)および相対湿度(75%)、その後の最終2日間の貯蔵期間中は温度を、80°Fに上昇させた(75%RH)。
3.標準温度(60°F)だが相対湿度は90%に設定した(ハイラインW−36)。
4.温度を70°Fに、そして相対湿度は50%に設定した(ハイラインW−36)。
5.温度を70°Fに、そして標準相対湿度へ設定した(ハイラインW−36)。
6.温度を70°Fに、そして相対湿度は90%に設定した(ボバンスおよびハイラインW−36)。
7.温度を80°Fに、そして標準相対湿度へ設定した(ハイラインW−36)。
データ分析は下記の表7に要約した。
Figure 0004381139
これらをまとめると、70°Fの温度はすべての場合に胚盤葉のポジショニングを改善すると思われ、90%相対湿度でのハイラインW−36卵を除いて全部の場合に、p≦0.05まで有意であった。相対湿度の変化単独は、胚盤葉の位置にほとんど影響を及ぼさないと思われた(すべての場合に有意性とは無関係に対照群は中心からの胚盤葉の距離を増加させたことに注目されたい)。結果は対照条件と比較して全処理群について低下したハウ単位と類似であった(標準温度および90%相対湿度試験についてはハウ単位データが収集されなかったことに留意されたい)。ハウ単位データは、胚盤葉の位置データより高度の有意性を示したが、標準温度および50%相対湿度群だけは有意な影響を示さなかった。
外部環境を調節することは、胚盤葉の位置に影響を及ぼす一つの方法である。卵をアンモニアガスへ曝露させると卵白が菲薄化することが証明されている。Benton and Brake(2000)は、高濃度のNH3(2747および6052mg/kg)に1時間曝露させた卵は、対照と比較したときに、同時の卵白pHの増加を伴う卵白高さの有意な減少を示すことを証明している(0mg/kg NH3)。卵白の高さにおける減少は卵白のより多くの流動性と正に相関していたので、胚盤葉を卵の中心のより近くへ導くためのNH3処理を評価した。
第1回の実験では、38週齢のハイラインニワトリからの卵(卵の型W36、群I.D.:PL2506)を入手し、60°Fおよび75%RHで1日間維持した。18個の卵(3バッチで計54個の卵)はガラス製乾燥器(径250mm、カップ付き)(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)製)内の磁器製プレート上に横向きに配置した。1LのNH4OH液(14.8M)(シグマ(Sigma)製)または二重蒸留水(double distilled water:対照)を乾燥器内に注入した。14.8MのNH4OHは、6052mg/kgのNH3を放出すると推定される(Benton and Brake,2000)。これらの卵を各濃度のNH3へ1時間曝露させた。その後、卵を取り出し、そして胚盤葉の位置、卵白の高さおよびpHを測定した。これらの結果は下記の表8に提示した。
Figure 0004381139
これらの結果は、NH3処理がそれらの各対照と比較したときに卵白pHの有意な上昇を引き起こすことを指示している。NH3処理群における卵白の高さはより低くなった(すなわち、より低いハウ単位値を有した)が、これは卵白の菲薄化を指示している。
また別の実験では、卵をアンモニアへの曝露後に貯蔵した。卵(68週齢のボバンス)を2種の濃度(2747および142mg/kgのNH3)のNH3へ供させた。対照は0mg/kgのNH3へ曝露させなかった。NH3処理には計50個の卵を使用し、対照のためには48個の卵を使用した。1LのNH4OH液(14.8M)(シグマ製)の連続希釈を実施して、2747または142mg/kgのNH3を入手した。対照のために、二重蒸留水(1L)を乾燥器内へ注入した。これらの卵を各濃度のNH3へ1時間曝露させた。その後、卵を取り出し、回転運動も左右方向の移動もできないフィクスチャー内に配置し、60°Fおよび75%RHで6日間貯蔵した。6日間の貯蔵後、胚盤葉の位置、卵白の高さおよびpHを決定するために測定を実施した。結果は下記の表9に示した。
Figure 0004381139
2747mg/kgのNH3を用いて処理した卵における胚盤葉の位置偏心は、対照と比較して、卵の鈍端の上死点へはるかに近い。興味深いことに、これらの卵のpHは対照と類似である。NH3処理卵および対照卵間でハウ単位における差はなかった。低濃度のNH3(142mg/kg)は、対照と比較していずれの測定パラメータにおいても変化を示さなかった。
2747mg/kgのNH3処理群での胚を用いて観察された変化の一つは、それらが「調理済み」の外観を有しており、生きているように見えないことであった。そこで、高濃度のアンモニアを用いた処理は、胚を傷つける方法として有用な可能性がある。
胚盤葉を卵の中心へ能動的に「導く」ことができるかどうかを決定するために様々なアプローチを評価した。
遠心分離
重力は、卵の中で胚盤葉を最上の位置に方向付ける際に重要な役割を果たすと考えられる。遠心分離は、人工重力を作り出す、または重力の実質的に働く力(body force)を増大させるための一つの方法である。遠心分離に起因するより大きな力が胚盤葉の位置を改善するかどうかを決定するために試験を実施した。
27週齢の群からのハイライン卵を計量し、実施例7に記載した通りにフィクスチャー内に配置し、そして計7日間にわたり貯蔵した。貯蔵第5日に、卵をソーバル(Sorval)製RC 5C遠心分離用バケット内に入れ、回転を通して卵の長軸を人工重力と整列させてフィクスチャー内に保持している間に500rpmで3分間回転させた。これらの卵をさらに2日間貯蔵し、その後、卵の中心からの胚盤葉の位置を測定した。遠心分離を原因とする胚盤葉の位置における有意な変化は認められなかった。
その後の試験で、卵(ハイライン)を計量し、フィクスチャー内で5日間貯蔵し、300rpmで30分間回転させ(ベックマン(Beckman)製Allegra 6KR遠心分離器)、さらに1日間貯蔵して胚盤葉の位置を測定した。位置を従属変量と見なし、遠心分離を固定値と見なす共分散分析を利用した。下記の表10に示したように、胚盤葉の位置における有意差は生じず、そして実際に遠心分離した卵はわずかに中心から遠い胚盤葉の位置を示した。
Figure 0004381139
回転
貯蔵中に卵を回転させることが卵の上心に向かう胚盤葉の方向性に及ぼす作用を評価した。卵は60°Fおよび75%RHのホバベータ(Hovabator)回転装置に6〜7日間配置した。この回転装置は、卵を垂直からプラスおよびマイナス45度移動させ、0度〜+45度から0度〜−45度および0に戻る1完全サイクルは4時間を要した。未処理の卵は、比較のため(回転装置内の卵と適合させるため)にフラット(段ボール紙製)内に貯蔵した。結果は下記の表11に示した。
Figure 0004381139
変量解析は、処理群間の結果がボバンス卵とハイライン卵のどちらについても有意ではないことを指示したが、中心からの平均距離は回転させた卵の方が短かった。
旋回
貯蔵中に卵を旋回させることが卵の上心に向かう胚盤葉の方向性に及ぼす作用を評価した。卵は実施例7に記載した通りフィクスチャー内に貯蔵し、旋回させなかったが同様にフィクスチャー内に貯蔵した卵と比較した。この試験では、卵を5日間貯蔵し、300rpmで30分間旋回させ、さらに1日間貯蔵して胚盤葉の位置を測定した。旋回群は中心からわずかに大きい胚盤葉の位置を有したが、極端な偏心が所見された胚盤葉のパーセンテージはわずかに改善された。結果は下記の表12に示した。
Figure 0004381139
変量解析は、結果が処理群間で統計的有意に相違していないが、中心からの平均距離は回転させた卵の方がわずかに小さいことを指示した。
振とう
貯蔵中に卵を振とうさせることが卵の上死点に向けて胚盤葉を方向付けることを評価した。卵は実施例6に記載した通りフィクスチャー内に貯蔵し、振とうしなかったが同様にフィクスチャー内に貯蔵した卵と比較した。
胚盤葉の径も測定したが、胚盤葉の位置は上記の通りに相違する処理各々について測定した。結果は、いずれの処理についても胚盤葉のサイズに変化が生じないことを証明した。
上記の発明を明瞭に理解できるように実例を示しながら詳細に説明してきたが、添付の請求の範囲およびその均等物の範囲内で一定の変更および修飾を実践できることは明白であろう。
本発明に記載の卵を操作する方法を具体的に示したフローチャートである。 本発明の実施形態に記載の注入する前に卵を準備する方法を具体的に示したフローチャートである。 本発明の実施形態に記載の注入する前に胚を所望の位置へ導くまたはポジショニングする方法を具体的に示したフローチャートである。 本発明の実施形態に記載の卵の中に開口部を導入する方法を具体的に示したフローチャートである。 本発明の実施形態に記載の注入する前に胚の位置を決定する方法を具体的に示したフローチャートである。 本発明の実施形態に記載の卵の中に装置を挿入する方法を具体的に示したフローチャートである。装置は、例えば送達装置、サンプリング装置、もしくは検出装置、または上記の組み合わせであってよい。 窓の開いた卵からの2日齢胚の写真である。パネル:(a)窓の開いていない卵からの、代表的な対照胚。(b〜h)窓の開いた卵からの、実験胚。実験胚は、対照と比較してステージおよび形態に関して実質的に同一である。 2日間培養されたレシピエント胚の体節における蛍光標識された細胞(緑色)の検出を示した図である。 ステージXの鳥類胚における細胞死のインサイチュー同定を示している一連の顕微鏡写真である。ここに示した全部の写真は、ステージXの鳥胚の明域の中心領域からのものである。上列(パネルa〜d)に示した胚は明視野照明下で撮影したものであり、中列(パネルe〜h)はローダミン・フィルターセットを使用したエピ蛍光照明下で撮影した同一領域を示している。下列(パネルi〜l)は、胚盤葉における細胞死の正確な局在を示すために、上の2列をデジタル合成した写真を示している。蛍光ピクセル数(下列)は、細胞死の量の定量的比較を許容するデジタル化蛍光画像からの赤色ピクセル数を示している。

Claims (64)

  1. 鳥類の卵の処理方法であって、
    胚盤葉を含有する鳥類の卵を所定位置に方向付けるステップと、
    前記卵の所定位置における卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して装置を伸長させ、該装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと、
    前記卵の前記各小開口部から前記装置を引き抜くステップと
    を含む方法。
  2. 前記装置が送達装置であり、前記方法が、前記穿刺するステップの後に、該送達装置を通して物質を放出し、該物質を卵の中へ配置するステップをさらに含む、請求項1の方法。
  3. 前記装置がサンプリング装置であり、前記方法が、前記穿刺するステップの後に、卵からサンプルを取り出すステップをさらに含む、請求項1の方法。
  4. 前記装置が検出装置であり、前記方法が、前記穿刺するステップの後に、該検出装置を用いて卵の内部から情報を検出するステップをさらに含む、請求項1の方法。
  5. 前記装置が前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して所定の位置へ伸長される、請求項1の方法。
  6. 前記装置が前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して胚盤葉内または胚盤葉に極めて近接する位置へ伸長される、請求項1の方法。
  7. 前記装置が前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して、
    (a)胚下腔と、
    (b)暗域と卵黄膜との間と、
    (c)明域と卵黄膜との間と、
    (d)暗域と明域との間と、
    (e)明域内と、
    (f)暗域内と、
    (g)上記の(a)〜(f)のいずれかの組み合わせと
    からなる群から選択される位置へ伸長される、請求項6の方法。
  8. 前記胚盤葉を傷つけるステップをさらに含む、請求項1の方法。
  9. 前記卵が水平位置に方向付けられ、前記卵殻における小開口部が卵の上に面する側に導入される、請求項1の方法。
  10. 前記卵が処理前に貯蔵されている、請求項1の方法。
  11. 前記所定位置における卵殻に小開口部を穿設するステップの前に、該卵殻へシーラントを塗布するステップをさらに備え、前記小開口部はシーラントが塗布される部位に穿設される、請求項1の方法。
  12. 前記胚盤葉がステージXIII(EG&K)またはそれより早期の胚盤葉である、請求項1の方法。
  13. 前記胚盤葉がステージVIIIからステージXIII(EG&K)の胚盤葉である、請求項12の方法。
  14. 前記胚盤葉がステージX(EG&K)の胚盤葉である、請求項12の方法。
  15. 前記卵がニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、キジ、インコ、オウム、バタンインコ、オカメインコ、ダチョウおよびエミューの卵からなる群から選択される、請求項1の方法。
  16. 前記卵がニワトリの卵である、請求項15の方法。
  17. 前記卵がシチメンチョウの卵である、請求項15の方法。
  18. 前記胚盤葉が異種核酸を含む、請求項1の方法。
  19. 前記胚盤葉を所望の位置へ導くステップをさらに含む、請求項1の方法。
  20. 前記導くステップが、
    (a)卵を撹拌するステップと、
    (b)卵を加熱するステップと、
    (c)卵を一定位置に保持するステップと、
    (d)卵の化学処理と、
    (e)上記の(a)〜(d)のいずれかの組み合わせと
    からなる群から選択される方法を含む、請求項19の方法。
  21. 前記胚盤葉またはその中の区画の位置を決定するステップをさらに含む、請求項1の方法。
  22. 前記決定するステップが前記胚盤葉を視認するステップを含む、請求項21の方法。
  23. 前記決定するステップが検出装置を用いて前記胚盤葉またはその中の区画の位置を決定するステップを含む、請求項21の方法。
  24. 前記卵殻における小開口部をシールするステップをさらに含む、請求項1の方法。
  25. 孵化するまで前記卵を培養するステップをさらに含む、請求項1の方法。
  26. 前記装置が多重注入送達装置である、請求項2の方法。
  27. 前記卵の中に配置される物質がポリペプチドを含む、請求項2の方法。
  28. 前記ポリペプチドが、抗体、ホルモン、成長因子、酵素およびサイトカインからなる群から選択される、請求項27の方法。
  29. 前記卵の中に配置される物質がヌクレオチド配列を含む、請求項2の方法。
  30. 前記ヌクレオチド配列を含む物質が、ウイルスベクター、リポソームおよびエレクトロポレーションからなる群から選択される方法を使用して胚盤葉内へ導入される、請求項29の方法。
  31. 前記ヌクレオチド配列が、ポリペプチドもしくはアンチセンス核酸をコードする、請求項29の方法。
  32. 前記卵の中に配置される物質が抗生物質を含む、請求項2の方法。
  33. 前記卵の中に配置される物質がドナー細胞を含む、請求項2の方法。
  34. 前記ドナー細胞が鳥類の卵である、請求項33の方法。
  35. 前記ドナー細胞が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、キジ、インコ、オウム、バタンインコ、オカメインコ、ダチョウおよびエミュー細胞からなる群から選択される、請求項34の方法。
  36. 前記ドナー細胞が前記胚盤葉の種以外の鳥類種由来である、請求項34の方法。
  37. 前記ドナー細胞がトランスジェニック細胞である、請求項33の方法。
  38. 前記ドナー細胞が、胚盤葉細胞、幹細胞、培養幹細胞、胚幹細胞、始原生殖細胞、胚生殖細胞、および上記のいずれかの組み合わせからなる群から選択される、請求項33の方法。
  39. 前記胚盤葉がニワトリ胚盤葉であり、前記ドナー細胞がニワトリ細胞である、請求項33の方法。
  40. 前記胚盤葉および前記ドナー細胞がニワトリの相違する系統または品種からである、請求項39の方法。
  41. 前記卵から取り出されたサンプルが胚下腔液を含む、請求項3の方法。
  42. 前記卵から取り出されたサンプルが胚盤葉細胞を含む、請求項3の方法。
  43. 前記検出装置が電気センサーである、請求項4の方法。
  44. 前記検出装置が光センサーである、請求項4の方法。
  45. 前記検出装置が化学センサーである、請求項4の方法。
  46. 前記検出装置が温度センサーである、請求項4の方法。
  47. 前記検出装置が音響センサーである、請求項4の方法。
  48. 前記検出装置が圧力センサーである、請求項4の方法。
  49. 鳥類の卵の処理方法であって、
    胚盤葉および気室を含有する鳥類の卵の鈍端を所定位置に方向付けるステップ
    前記気室の上方の鈍端における前記卵の卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して送達装置を伸長させ、該送達装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該送達装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと
    前記送達装置を通して物質を放出し、該物質を胚盤葉内または胚盤葉に極めて近接する位置に配置するステップと、
    前記卵の前記各小開口部から前記送達装置引き抜くステップと
    を含む方法。
  50. 前記方向付けるステップが、前記卵の鈍端を上向き位置に配置するステップを含む、請求項49の方法。
  51. 前記卵殻の卵の鈍端における所定位置に前記小開口部が穿設される、請求項49の方法。
  52. 前記所定位置が実質的に気室の中心にある、請求項51の方法。
  53. 前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を穿設するステップが、実質的に同時に実施される、請求項49の方法。
  54. 前記放出するステップの前に胚盤葉の位置を決定するステップをさらに含む、請求項49の方法。
  55. 前記送達装置が前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して、
    (a)胚下腔と、
    (b)暗域と卵黄膜との間と、
    (c)明域と卵黄膜との間と、
    (d)暗域と明域との間と、
    (e)明域内と、
    (f)暗域内と、
    (g)上記の(a)〜(f)のいずれかの組み合わせと
    からなる群から選択される位置へ伸長される、請求項49の方法。
  56. 鳥類の複数の卵の処理方法であって、
    それぞれが胚盤葉を含有する鳥類の複数の卵を所定位置方向付けるステップ
    前記各卵の所定位置における卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記各卵の前記卵殻における前記各小開口部の下の各外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記各卵殻および前記各外殻膜における前記各小開口部を通して複数の送達装置を伸長させ、前記各送達装置で前記各卵の内殻膜を穿刺するステップであって、前記各送達装置の挿入前は前記各内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと、
    前記各送達装置を通して物質を放出し、該各物質を前記各卵の胚盤葉内または胚盤葉に極めて近接する位置に配置するステップと、
    前記各卵の前記各小開口部から前記送達装置引き抜くステップと
    を含む方法。
    前記各卵の前記各小開口部から前記各送達装置を引き抜くステップと
    を含む方法。
  57. 孵化するまで複数の卵を培養するステップをさらに含む、請求項56の方法。
  58. 結果として生じる孵化率が少なくとも50%である、請求項57の方法。
  59. 結果として生じる孵化率が少なくとも65%である、請求項57の方法。
  60. キメラ鳥を産生する方法であって、
    胚盤葉を含有する鳥類の卵を所定位置に方向付けるステップと、
    前記卵の所定位置における卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して送達装置を伸長させ、該送達装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと
    キメラ胚を生じさせるために十分な条件下で、前記送達装置を通して鳥類ドナー細胞を放出し該ドナー細胞を前記胚盤葉内または前記胚盤葉に極めて近接させて配置するステップと、
    前記卵の前記各小開口部から前記送達装置引き抜くステップと、
    キメラ鳥を産生させるためのキメラ胚を孵化させるために培養するステップと
    を含む方法。
  61. 前記送達装置が、前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して、
    (a)胚下腔と、
    (b)暗域と卵黄膜との間と、
    (c)明域と卵黄膜との間と、
    (d)暗域と明域との間と、
    (e)明域内と、
    (f)暗域内
    からなる群から選択されるいずれかの位置へ伸長される、請求項60の方法。
  62. トランスジェニック鳥を産生する方法であって、
    胚盤葉を含有する鳥類の卵を所定位置に方向付けるステップと、
    前記卵の所定位置における卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して送達装置を伸長させ、該送達装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと
    トランスジェニック胚を生じさせるために十分な条件下で、前記送達装置を通してヌクレオチド配列を含む物質を放出し該物質を前記胚盤葉内または前記胚盤葉に極めて近接させて配置するステップと、
    前記卵の前記各小開口部から前記送達装置引き抜くステップと、
    トランスジェニック鳥を産生させる目的で孵化させるためにトランスジェニック胚を培養するステップと
    を含む方法。
  63. 鳥類の卵の処理方法であって、
    胚盤葉および気室を含有する鳥類の卵の鈍端を所定位置に方向付けるステップ
    前記気室の上方の鈍端における前記卵の卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通してサンプリング装置を伸長させ、該サンプリング装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該サンプリング装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと
    前記サンプリング装置を用いて前記胚盤葉からサンプルを取り出すステップと、
    前記卵の前記各小開口部から前記サンプリング装置引き抜くステップと
    を含む方法。
  64. 鳥類の卵の処理方法であって、
    胚盤葉および気室を含有する鳥類の卵の鈍端を所定位置に方向付けるステップ
    前記気室の上方の鈍端における前記卵の卵殻に小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻における前記小開口部の下の外殻膜小開口部を穿設するステップと、
    前記卵殻および前記外殻膜における前記各小開口部を通して検出装置を伸長させ、該検出装置で内殻膜を穿刺するステップであって、該検出装置の挿入前は前記内殻膜が本質的に無傷であるようなステップと
    前記検出装置を用いて前記卵の内側から情報を検出するステップと、
    前記卵の前記各小開口部から前記検出装置引き抜くステップと
    を含む方法。
JP2003529933A 2001-08-13 2002-08-07 鳥類の卵の処理方法 Expired - Lifetime JP4381139B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US31201501P 2001-08-13 2001-08-13
PCT/US2002/024951 WO2003025159A1 (en) 2001-08-13 2002-08-07 Methods for injecting avian eggs

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005518188A JP2005518188A (ja) 2005-06-23
JP4381139B2 true JP4381139B2 (ja) 2009-12-09

Family

ID=23209489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003529933A Expired - Lifetime JP4381139B2 (ja) 2001-08-13 2002-08-07 鳥類の卵の処理方法

Country Status (8)

Country Link
US (2) US7249569B2 (ja)
EP (1) EP1425386A4 (ja)
JP (1) JP4381139B2 (ja)
CN (1) CN1568366B (ja)
BR (1) BR0211895A (ja)
CA (1) CA2456262C (ja)
MX (1) MXPA04001333A (ja)
WO (1) WO2003025159A1 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003025159A1 (en) * 2001-08-13 2003-03-27 Embrex, Inc. Methods for injecting avian eggs
US7089879B2 (en) * 2003-09-09 2006-08-15 Embrex, Inc. Methods for manipulating air cells within avian eggs
US7261053B2 (en) * 2004-04-03 2007-08-28 Merial Limited Methods and apparatus for automatic jet injection of bird eggs
US7165507B2 (en) * 2004-10-25 2007-01-23 Embrex, Inc. Methods and apparatus for accurately positioning a device within the subgerminal cavity of avian eggs
CN101404876A (zh) * 2005-01-18 2009-04-08 恩布里克斯公司 用来检测在蛋盘中存在蛋的方法和设备
US20070044721A1 (en) * 2005-08-25 2007-03-01 Embrex, Inc. In ovo injection delivery device with integrated pump and injection needle
EP1926812A4 (en) * 2005-09-20 2009-06-03 Embrex Inc METHOD FOR FAST AND PRECISELY LOCALIZATION OF POULTRY BLASTODERM
US7861673B2 (en) * 2006-04-11 2011-01-04 Life-Science Innovations, Llc Egg incubation transport system and methods regarding same
US7950349B1 (en) * 2008-01-18 2011-05-31 Jack Dean Rollins Avian egg fertility and gender detection
US9435732B2 (en) * 2009-06-25 2016-09-06 Yissum Research Development Of The Hebrew University Of Jerusalem Ltd. Hyperspectral identification of egg fertility and gender
WO2011019844A1 (en) 2009-08-13 2011-02-17 Crystal Bioscience Inc. Transgenic animal for production of antibodies having minimal cdrs
FR2949294B1 (fr) * 2009-09-03 2013-10-11 Ephrem Adjanohoun Procede d'analyse et/ou de traitement d'un oeuf feconde et systeme correspondant.
US8865462B2 (en) * 2010-01-20 2014-10-21 Crystal Bioscience Inc. Sustained culture of avian gonocytes
DE102010006161B3 (de) 2010-01-21 2011-01-13 Technische Universität Dresden Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung des Geschlechtes von befruchteten und nicht bebrüteten Vogeleiern
US10421940B2 (en) * 2010-02-01 2019-09-24 Innovo Mimetics Limited Automated biological sample collection system and methods
US20110189720A1 (en) * 2010-02-01 2011-08-04 Ron Goldstein Automated biological sample collection system and method
FR2963537B1 (fr) * 2010-08-05 2012-08-03 Ceva Sante Animale Procede de determination de la position d'une aiguille d'injection et/ou de prelevement dans un oeuf et systeme correspondant
WO2013064949A1 (en) 2011-11-02 2013-05-10 Ah Usa 42 Llc Indexing system for an in ovo injection apparatus, and associated method
CN102613109B (zh) * 2012-04-10 2014-05-07 刘红林 一种禽蛋开窗封口方法
EP3057414B1 (en) 2013-10-17 2023-06-07 Boehringer Ingelheim Animal Health USA Inc. Selective embryonic structure targeting and substance delivery device
CN104082237B (zh) * 2014-05-04 2016-09-28 东北农业大学 一种用于转基因禽制备的有效种蛋孵化方法
NL2013433B1 (en) * 2014-09-08 2016-09-27 Viscon Bv Method and system of injecting.
CN104472397B (zh) * 2014-12-26 2016-08-24 武汉市畜牧兽医科学研究所 一种用于转基因禽制备的种蛋开窗封口方法
CN105557636A (zh) * 2016-01-25 2016-05-11 云南农业大学 一种提高鹌鹑产蛋性能和蛋品质的紫外线照射方法
DE102016114085B4 (de) * 2016-07-29 2023-09-07 Systamatec GmbH Vorrichtung zur automatisierten Toxizitätsprüfung von Substanzen an einer Gesamtheit von befruchteten Geflügeleiern und Verfahren
CN106929534B (zh) * 2017-03-01 2020-06-09 青岛大学 一种以慢病毒为工具的在体基因沉默方法
US20200268027A1 (en) 2017-10-06 2020-08-27 Cargill, Incorporated Stabilized steviol glycoside compositions and uses thereof
JP2022527518A (ja) 2019-04-06 2022-06-02 カーギル インコーポレイテッド 感覚改質剤
DE102022121790A1 (de) * 2022-08-29 2024-02-29 Omegga GmbH Messsystem und Verfahren zur nicht-invasiven In-Ovo Geschlechtserkennung eines Vogelembryos in einem Ei in der früh-embryonalen Entwicklung

Family Cites Families (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US116732A (en) * 1871-07-04 Improvement in combined knife and pencil-sharpeners
US3120834A (en) * 1961-11-01 1964-02-11 Vineland Poultry Lab Method of introducing adjusvants into avian egg interiors
US3256876A (en) * 1962-03-06 1966-06-21 Air Shields Volume indicator for anesthesia machine system
US3256856A (en) * 1964-08-19 1966-06-21 Francis C Moore Method of introducing small controlled amounts of treatment materials into avian eggs
US4040388A (en) 1976-02-27 1977-08-09 Agrimatic Corporation Method and apparatus for automatic egg injection
US4469047A (en) 1983-10-25 1984-09-04 Miller Gary E Apparatus and method for injecting eggs
US4903635A (en) 1986-07-02 1990-02-27 Embrex, Inc. High speed automated injection system for avian embryos
US4681063A (en) 1986-07-02 1987-07-21 Embrex Inc. High speed automated injection system for avian embryos
GB8714426D0 (en) * 1987-06-19 1987-07-22 Agricultural & Food Res Culture technique
EP0339980B1 (en) * 1988-04-26 1994-07-20 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Magnetic micro-particles, method and apparatus for collecting specimens for use in labelling immune reactions, and method and device for preparing specimens
US4917045A (en) * 1988-07-22 1990-04-17 Ethyl Corporation Silicon compounds in poultry hatching
US5162215A (en) * 1988-09-22 1992-11-10 Amgen Inc. Method of gene transfer into chickens and other avian species
US4973595A (en) * 1989-06-08 1990-11-27 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture Composition and method for increasing the hatchability of turkey eggs
US5136979A (en) * 1991-09-25 1992-08-11 Embrex, Inc. Modular injection system for avian embryos
US5340740A (en) * 1992-05-15 1994-08-23 North Carolina State University Method of producing an avian embryonic stem cell culture and the avian embryonic stem cell culture produced by the process
US5444045A (en) * 1992-09-17 1995-08-22 Gropep, Pty. Ltd. Method of administering IGF-1, IGF-2, and analogs thereof to birds
US5438854A (en) * 1993-04-15 1995-08-08 Seraj; Mohammad R. Variable length cycle lock
US5438954A (en) * 1993-11-03 1995-08-08 Embrex, Inc. Method and apparatus for early embryonic in ovo injection
US5339766A (en) * 1993-11-03 1994-08-23 Embrex, Inc. Method of introducing material into eggs during early embryonic development
US5817320A (en) * 1994-06-20 1998-10-06 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Agriculture In ovo immunization of avian embryos with oil-emulsion vaccines
US5994619A (en) * 1996-04-01 1999-11-30 University Of Massachusetts, A Public Institution Of Higher Education Of The Commonwealth Of Massachusetts, As Represented By Its Amherst Campus Production of chimeric bovine or porcine animals using cultured inner cell mass cells
US6825396B2 (en) * 1996-06-12 2004-11-30 Board Of Trustees Operating Michigan State University Methods for tissue specific synthesis of protein in eggs of transgenic hens
US5722342A (en) * 1996-06-28 1998-03-03 Us Agriculure Ovo antibiotic and microbial treatment to dimenish salmonellae populations in avians
CA2278812A1 (en) 1997-01-02 1998-08-27 F. Abel Ponce De Leon Z-chromosomal markers derived from chicken (gallus domesticus) and use thereof in chromosomal mapping
WO1999001163A1 (en) 1997-07-03 1999-01-14 University Of Massachusetts Cloning using donor nuclei from non-serum starved, differentiated cells
US5945577A (en) * 1997-01-10 1999-08-31 University Of Massachusetts As Represented By Its Amherst Campus Cloning using donor nuclei from proliferating somatic cells
US5897998A (en) * 1997-08-04 1999-04-27 The University Of Georgia Research Foundation, Inc. Method for manipulating avian eggs
CA2300336A1 (en) 1997-08-04 1999-02-11 University Of Massachusetts A Public Institution Of Higher Education Of The Commonwealth Of Massachusetts, As Represented By Its Amherst Campus Production of avian embryonic germ (eg) cell lines by prolonged culturing of pgcs, use thereof for cloning and chimerization
AU736087B2 (en) 1997-08-04 2001-07-26 University Of Massachusetts Avian primordial germ cell (PGC) cell line and a method for long term culturing thereof
AU752946B2 (en) 1997-10-16 2002-10-03 Avigenics, Inc. Vectors comprising a magnum-specific promoter for avian transgenesis
US6286455B1 (en) * 1998-01-12 2001-09-11 Embrex, Inc. Automated in ovo injection apparatus
UY25347A1 (es) 1998-01-12 1999-05-14 Embrex Inc Procedimiento de inyeccion multiple para el tratamiento de embriones aviarios in ovo, y aparato automatizado para la inyeccion in ovo.
US6176199B1 (en) * 1998-10-20 2001-01-23 Embrex, Inc. Method for localizing allantoic fluid of avian eggs
US6244214B1 (en) 1999-01-06 2001-06-12 Embrex, Inc. Concurrent in ovo injection and detection method and apparatus
JP2003501083A (ja) 1999-06-04 2003-01-14 トランゼノジェン, インコーポレイテッド 鳥類ゲノムを操作するための方法
US6333192B1 (en) * 1999-08-09 2001-12-25 North Carolina State University Method of producing an undifferentiated avian cell culture using avian primordial germ cells
CN101024829A (zh) 2000-02-24 2007-08-29 马萨诸塞大学 只生育单一性别后代的哺乳动物的生产
US20020116732A1 (en) * 2001-02-13 2002-08-22 Leandro Christmann Microinjection assembly and methods for microinjecting and reimplanting avian eggs
US6397777B1 (en) * 2001-02-14 2002-06-04 University Of Georgia Research Foundation, Inc. Method for windowing eggs
WO2003025159A1 (en) * 2001-08-13 2003-03-27 Embrex, Inc. Methods for injecting avian eggs

Also Published As

Publication number Publication date
US20080022931A1 (en) 2008-01-31
US20030172392A1 (en) 2003-09-11
MXPA04001333A (es) 2004-05-05
CN1568366B (zh) 2013-04-24
US7249569B2 (en) 2007-07-31
CN1568366A (zh) 2005-01-19
BR0211895A (pt) 2006-04-04
JP2005518188A (ja) 2005-06-23
EP1425386A1 (en) 2004-06-09
WO2003025159A1 (en) 2003-03-27
EP1425386A4 (en) 2007-05-02
CA2456262A1 (en) 2003-03-27
CA2456262C (en) 2012-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4381139B2 (ja) 鳥類の卵の処理方法
US7481179B2 (en) In ovo activation of an egg in the shell
KR100859531B1 (ko) 새알 내 에어셀의 조작방법
AU746359B2 (en) Method for localizing allantoic fluid of avian eggs
RU2402208C2 (ru) Способы продуцирования гамет у птиц
US6834615B2 (en) Method for localizing allantoic fluid of avian eggs
AU2001238413B2 (en) In ovo activation of an avian egg in the shell
AU2001238413A1 (en) In ovo activation of an avian egg in the shell
CN1813532A (zh) 壳内鸟卵的卵内活化

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070706

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071001

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071009

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071029

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090220

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090508

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090814

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090915

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4381139

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term