JP4380195B2 - 医用画像撮影システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像撮影システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、例えば、コンピュータ断層画像撮影装置(以下、「CT(Computed Tomography)」と記す)やコンピュータ放射線画像撮影装置(以下、「CR(Computed Radiography)」と記す)、核磁気共鳴イメージング装置(以下、「MRI(Magnetic Resonance Imaging)」と記す)等を備える医用画像撮影システムが利用されている。この医用画像撮影システムは、被験体である患者を撮影し、その撮影した医用画像をデジタル画像データとして取得するシステムである。
【0003】
なかでも、放射線画像撮影装置は、支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した医用画像変換パネルを使用するもので、この変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を吸収させ、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成する。その後、この蛍光体層を赤外線等の輝尽励起光で走査することにより蓄積された放射線エネルギーを蛍光として放射させてその蛍光を光電変換し、医用画像信号を得るものである。このようにして取得された医用画像は画像処理を施された後にフィルム、或いはCRT等の出力装置に出力されて可視化されたり、サーバ等のファイリング装置に患者の情報とともに保存され、医療活動に利用されている。
【0004】
このような放射線画像撮影装置を利用した医用画像撮影システムには、大きく分けて二つのシステム構成がとられる。一つは、画像の撮影及び読み取りを行う装置と、輝尽性蛍光体プレートとを撮影室、又は、撮影室近傍に設置し、撮影室にて撮影を行う従来の医用画像撮影システムである。このシステムにおいては、撮影室にて撮影と同時に画像の読み取りを行うことができる。
【0005】
もう一つは、骨折や脳血管疾患等の患者や集中治療室にて管理中の患者等、撮影室にて撮影が行えない患者の為に、回診用の移動可能な撮影装置と、蛍光体プレートを内蔵した持ち運び可能なカセッテとを利用して、回診先において撮影を行う医用画像撮影システムである(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、撮影後にカセッテ専用の読取装置にカセッテを挿入し、撮影した画像の読み取りを行う。
【0006】
上述した医用画像システムにおいて撮影された医用画像は、医用画像読取装置により読み取られ、撮影オーダ情報と対応付けられて制御装置に記憶される。この撮影オーダ情報には、撮影する患者の氏名や性別等の患者に関する情報(以下、「患者情報」と記す)や、撮影部位や撮影方法等の撮影に関する情報(以下、「撮影情報」と記す)が含まれ、どの患者に対して、どのような撮影を行うかといった指示が示されている。そして、制御装置の表示部に読み取られた医用画像が撮影オーダ情報と対応付けられて表示され、制御装置において診断に好適な画像処理が施される。図14を参照して、従来の画像処理画面について説明する。
【0007】
図14に示すように、画像処理画面236には、一患者毎に撮影された複数の医用画像が同一画面内に表示される構成となっている。すなわち、通常処理画面236には、一患者分の患者情報を表示する領域と、一患者に対して撮影された複数の医用画像を表示する領域と、各医用画像に対応する撮影情報を表示する領域が設けられ、同一画面には、4種類の医用画像が表示可能な構成となっている。具体的に、画面上部の患者情報を表示する領域には、患者ID、氏名、性別、生年月日を表示する項目が設けられ、各項目には対応するデータが表示されている。画面中央部の医用画像を表示する領域には、医用画像を表示する領域と、撮影装置の識別情報、解像度を表示する項目が設けられている。また、その下部の撮影情報を表示する領域には、撮影部位、カセッテIDを表示する項目が設けられている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−139888号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の医用画像撮影システムにおいて、撮影室にて行われる撮影は患者毎に行われ、一患者の撮影が終了する毎に、医用画像を取得してモニタ等に表示させていた。したがって、画像処理画面においては、患者毎に複数枚の医用画像をモニタに表示する構成が画像処理を行う上で好適であった。しかしながら、移動可能な撮影装置を利用して、回診先で医用画像の撮影を行う場合、業務効率を向上させるため、一度の回診で複数の患者の撮影を行う場合が多い。したがって、上述したように、患者毎に撮影した医用画像を表示する場合、複数の患者についてそれぞれ医用画像を表示させる必要があり、患者数が多くなるにつれ、作業が煩雑で操作性が悪いという問題があった。
【0010】
本発明の課題は、複数の患者の医用画像を表示させる場合に、視認性、操作性よく医用画像を表示する医用画像システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
撮影オーダ情報と医用画像とを対応付けて管理する制御装置と、撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を対応付けて記憶する携帯端末と、医用画像が記録されたカセッテから医用画像とカセッテの識別情報とを読み取る医用画像読取装置と、がネットワークを介して接続された医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を対応付けて送信する通信手段を備え、
前記医用画像読取装置は、
カセッテから読み取られた医用画像とカセッテの識別情報を対応付けて送信する通信手段を備え、
前記制御装置は、
前記撮影オーダ情報とカセッテの識別情報、及び医用画像とカセッテの識別情報を受信する通信手段と、
前記カセッテの識別情報に基づいて、撮影オーダ情報と医用画像を対応付けて記憶する記憶手段と、
撮影室で撮影された医用画像を表示する通常モード又は回診先で撮影された医用画像を表示するポータブルモードを設定するモード設定手段と、
前記通常モードにおいては、同一患者の医用画像を同一画面に表示させ、前記ポータブルモードにおいては、同一の携帯端末から受信した撮影オーダ情報に対応する医用画像のうち少なくとも2以上を同一画面に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
したがって、例えば、通常の撮影室で撮影が行われる場合、患者毎に撮影を行い、患者毎に医用画像を同一画面に表示させることができる。このため、同一患者について相対的に医用画像を比較して画像処理を行うことができ、利便性が良い。また、同一の携帯端末に記憶された撮影オーダ情報に対応する医用画像が同一画面に表示されるため、例えば、携帯端末を利用して回診先で医用画像の撮影を行った場合に、同一の回診で撮影された医用画像を同一画面に表示させることができる。これにより、技師は、撮影を行った医用画像の画像処理を速やかに行うことができる。さらに、医用画像の表示形態に応じて、撮影形態を認識することができるため、技師は、表示されている医用画像が撮影室において撮影されたものか、回診先において撮影されたものかを明確に認識しながら画像処理の操作を行うことができ、操作性がよい。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置において、
前記通信手段は、複数の患者の撮影オーダ情報とカセッテの識別情報、及び複数の患者の医用画像とカセッテの識別情報を受信し、
前記記憶手段は、前記カセッテの識別情報に基づいて、複数の患者の撮影オーダ情報と医用画像を対応付けて記憶し、
前記表示制御手段は、前記ポータブルモードにおいては、同一の携帯端末から受信した複数の患者の撮影オーダ情報に対応する医用画像のうち少なくとも2以上を同一画面に表示させることを特徴とする。
【0014】
したがって、回診先において、複数の患者に跨って撮影を行った場合であっても、複数の患者に跨って、医用画像を同一画面に表示させることができるため、複数の患者毎に医用画像を表示させる手間を必要とせず、処理効率を向上させることができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置の前記表示制御手段は、前記ポータブルモードにおいては、同一の携帯端末に記憶されていた撮影オーダ情報に対応する医用画像を同一画面に表示させることを特徴とする。
【0016】
したがって、同一の回診において利用された携帯端末に記憶されている撮影オーダ情報に対応する医用画像を、複数の患者に跨って同一画面に表示させることができるため、操作性が良い。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置において、
前記通信手段は、複数の撮影オーダ情報とカセッテの識別情報、及び複数の医用画像とカセッテの識別情報を受信し、
前記表示制御手段は、前記ポータブルモードにおいては、前記受信した複数の撮影オーダ情報に対応付けられる全ての医用画像を同一の表示画面に表示させることを特徴とする。
【0018】
したがって、回診先において撮影された全ての医用画像を同時に確認することできるため、医用画像の見落とし、撮影オーダ情報の受信ミス、撮影忘れ等を防止することができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像撮影システムにおいて、
前記携帯端末において、
前記記憶手段は、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を記憶し、
前記通信手段は、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を送信し、
前記制御装置において、
前記通信手段は、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信し、
前記モード設定手段は、前記通信手段により、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報が受信された場合に、ポータブルモードを設定し、
前記表示制御手段は、ポータブルモードにて、前記医用画像を表示させることを特徴とする。
【0020】
したがって、携帯端末から撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信すると、制御装置は、ポータブルモードを設定して、ポータブルモードに応じた表示態様により、医用画像の表示を行う。これにより、技師は、モードの設定を行う手間が省け、撮影形態に応じた好適な態様にて医用画像を表示させることができるため、利便性が良い。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像撮影システムにおいて、
前記制御装置において、
前記モード設定手段は、前記通信手段により、前記携帯端末から撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信しない場合、通常モードを設定し、前記携帯端末から撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信した場合、ポータブルモードを設定し、
前記表示制御手段は、前記モード設定手段により設定されたモードに応じて、医用画像の表示を行うことを特徴とする。
【0022】
したがって、携帯端末からの撮影オーダ情報の受信の有無に応じて、モード設定手段により、好適なモードが設定されるため、技師は、モードを設定する手間が省け、容易かつ速やかに医用画像を表示させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。なお、以下では、本発明に特徴的な実施の形態の一例として、持ち運び可能な携帯端末と、移動可能な撮影装置とを利用した、回診先にて撮影を行う医用画像撮影システムについて説明を行う。
【0036】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、本発明に係る医用画像撮影システム100のシステム構成を示す概念図である。図1に示すように、医用画像撮影システム1は、携帯端末10、通信端末10−1、制御装置20、医用画像読取装置30、ポータブル撮影装置40、カセッテ50、情報管理装置60等から構成されている。また、通信端末10−1、制御装置20、医用画像読取装置30及び情報管理装置60は、ネットワークNを介して接続されており、携帯端末10は、通信端末10−1を介してネットワークNに接続可能な構成となっている。
【0037】
携帯端末10は、ポータブル撮影装置40を操作する技師等が携帯する携帯型情報端末装置であり、後述する通信端末10−1を介して制御装置20と通信を行う。また、携帯端末10は、制御装置20から撮影オーダ情報を取得して表示するが、複数患者の撮影オーダがある場合、撮影オーダ情報の中から所望の患者IDに対応する撮影オーダ情報を検索して表示する。
【0038】
通信端末10−1は、ケーブル等を介して制御装置20と接続され、通信端末10−1に装着された携帯端末10と制御装置20との間でデータの送受信を制御する。この際、通信端末10−1は、携帯端末10の装着を検出すると、検出信号を制御装置20に送信する。また、通信端末10−1は、装着された携帯端末10の充電を行う。
【0039】
制御装置20は、情報管理装置60から撮影オーダ情報を受信し、受信した撮影オーダ情報を通信端末10−1を介して携帯端末10に送信する。また、制御装置20は、撮影終了後、携帯端末10から撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテ50の識別情報を受信し、カセッテ50の識別情報に基づいて撮影オーダ情報と医用画像との対応付けを行い、医用画像を管理する。さらに、カセッテ50の識別情報と撮影オーダ情報との対応付けを情報管理装置60に送信する。
【0040】
また、制御装置20は、通常の撮影室にて医用画像の撮影が行われる場合、医用画像読取装置から読み取られた医用画像及びカセッテIDを受信して、撮影オーダ情報と、医用画像及びカセッテIDとの対応付けを行う。
【0041】
医用画像読取装置30は、カセッテ50に記録された医用画像を読み取る医用画像読取装置である。医用画像読取装置30は、カセッテ50の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して、医用画像を取得する。また、医用画像読取装置30は、カセッテ50に付帯するカセッテの識別情報を読み取り、医用画像及び医用画像に対応するカセッテの識別情報を制御装置20に送信する。
【0042】
ポータブル撮影装置40は、移動可能な医用画像撮影装置であり、回診先において患者の撮影を行い、装置本体に着脱可能なカセッテ50に医用画像を記録する。カセッテ50は、放射線エネルギーの一部を蓄積する輝尽性蛍光体シートを内蔵しており、放射線源から照射され、照射線源とカセッテとの間に配置される被験体を通過した照射エネルギーの一部を上記輝尽性蛍光体シートに蓄積する。
【0043】
情報管理装置60は、医師から指示された撮影オーダ情報を一括して管理する端末であり、制御装置20からの要求指示に応じて、撮影オーダ情報を抽出し、制御装置20に抽出した撮影オーダ情報を送信する。なお、他の情報管理装置として、撮影オーダ情報の予約受付を行う受付装置(図示せず)を適用しても良く、HIS(Hospital Information System)やRIS(Radiology Information System)等の情報管理システムを適用することとしてもよい。
【0044】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット等の様々な回線形態を適用可能である。なお、病院等の医療機関内で許可されるのであれば、無線通信や赤外線通信であってもよいが、撮影オーダ情報を送受信する際には重要な患者情報を含むため、撮影オーダ情報は暗号化することが好ましい。
【0045】
次に、本発明において主要な構成要素となる各装置について詳細に説明する。図2は、携帯端末10の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末10は、CPU11、操作部12、表示部13、通信手段としてのI/F14、RAM15、記憶手段としての記憶装置16、取得手段としてのバーコードリーダ17等から構成され、各部はバス18により接続されている。
【0046】
CPU(Central Processing Unit)11は、記憶部16に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM15に展開し、当該プログラムに従って携帯端末10の各部を集中制御する。
【0047】
具体的にCPU11は、記憶装置16から撮影準備処理処理プログラム、撮影開始処理プログラム、撮影終了後処理プログラムを読み出して、後述する撮影準備処理(図5(b)参照)、撮影開始処理(図9参照)、撮影終了後処理(図11参照)を実行する。なお、各処理の詳細については後述する。
【0048】
操作部12は、カーソルキー、数字キー、各種機能キー、ジョグダイアルキー等を備えて構成され、撮影者により操作された押下されたキーに対応する押下信号をCPU11に出力する。なお、操作部12は、必要に応じてタッチパネル等のポインティングデバイスや、その他の入力装置を備えるものとしてもよい。
【0049】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等による表示ディスプレイを備えた表示手段であり、CPU11からの表示指示に基づいて撮影オーダ情報、患者ID等の各種情報を表示する。
【0050】
I/F14は、携帯端末10と通信端末10−1とを接続するためのインターフェースであり、携帯端末10が通信端末10−1に装着されると、検出信号をCPU11に出力する。また、I/F14は、通信端末10−1を介して、携帯端末10と制御装置20との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。
【0051】
例えば、I/F14は、制御装置20から撮影オーダ情報を受信するとともに、撮影終了後の携帯端末10からカセッテ50の識別情報と対応付けられた撮影オーダ情報を取得して、制御装置20に送信する。なお、I/F14は、必要に応じてPHS等の携帯電話端末を接続し、無線通信を確立してデータの送受信を行う構成であってもよい。
【0052】
RAM(Random Access Memory)15は、前述の指定されたアプリケーションプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリエリアを有する。
【0053】
記憶装置16は、プログラムやデータが予め記憶されている記憶媒体(図示せず)を有しており、この記憶媒体は、システムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種アプリケーションプログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、この記憶媒体は磁気的、光学的記憶媒体又は半導体メモリで構成され、記憶装置16に固定的に設けられるもの又は着脱自在に装着するものである。
【0054】
また、記憶装置16は、制御装置20から受信した撮影オーダ情報を格納するための撮影オーダ情報ファイル161を記憶している。図3を参照して撮影オーダ情報ファイル161について説明する。図3は、撮影オーダ情報ファイル161のデータ構成例を示す図である。図3に示すように、撮影オーダ情報ファイル161は、撮影ID、患者ID、氏名、性別、年齢、病室、依頼科、撮影部位、撮影装置、撮影枚数、カセッテ50の識別情報(以下、「カセッテID」と記す)を格納するための項目を有し、撮影オーダ情報毎に各項目に対応するデータを格納する。
【0055】
撮影IDの項目には、撮影を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、20020101001、20020101002、20020101003、…)が格納される。患者IDの項目には、撮影を受ける患者を特定するために一義的に割り当てられた識別コード(例えば、10000002、1000005、…)が格納される。氏名の項目には、撮影対象となる患者の名前を示す文字情報が格納され、性別の項目には、撮影対象となる患者の性別を示す文字情報が格納される。年齢の項目には、撮影対象となる患者の年齢が数字情報により格納され、病室の項目には、撮影場所となる病室を示す文字情報が格納される。
【0056】
依頼科の項目には、撮影を依頼した依頼科を示す文字情報が格納され、撮影部位の項目には、撮影部位を示す情報(例えば、頭蓋骨A→P、頭蓋骨P→A、胸部P→A、…)が格納される。撮影装置の項目には、撮影に使用する撮影装置の機種を示す文字情報が格納され、枚数の項目には、撮影する枚数が数字情報により格納される。カセッテIDの項目には、撮影を行ったカセッテを特定するために一義的に割り当てられたカセッテID(例えば、カセッテ50に付されたバーコード等から読み取られる情報)が格納される。なお、撮影準備段階においてカセッテIDのデータは格納されておらず、ベッドサイドでの撮影時にバーコードリーダ17により読み取られたカセッテIDが格納される構成となっている。
【0057】
また、撮影オーダ情報には、患者情報として患者ID、氏名、性別、年齢の他、例えば、担当医師名、感染症等を警告する警告情報、薬物アレルギーの有無、妊娠の有無、追加病歴、車椅子や担架等の特別な介護の必要性、臨床診断名、守秘事項等の各種患者情報が格納される構成であっても良い。また、撮影情報として撮影部位、撮影装置、枚数の他、例えば、撮影方法(単純撮影、造影撮影等)、撮影予定日等の各種撮影情報が格納される構成であっても良い。
【0058】
バーコードリーダ17は、カセッテIDを取得するための取得手段の一例であり、光学的な読み取り装置であるスキャナを有している。バーコードリーダ17は、スキャナにてバーコードを読み取り、所定の規格に従ってデコードすることにより、バーコードが示す情報を取得する。例えば、バーコードリーダ17は、撮影を行う際に医用画像を記録するカセッテ50に付帯されたバーコードを読み取り、カセッテIDを取得する。また、バーコードリーダ17は、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者IDの認証を行った後、当該患者の撮影オーダ情報に対応するカセッテIDの対応付けが可能になるように構成してもよい。なお、所定の規格とは、JANコード、UPCコード、CODE39、CDE93、CODE128、NW−7、INDUSTRIAL 2of5、ITF物流コード等である。
【0059】
図4は、制御装置20の機能的構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置20は、CPU21、入力部22、表示部23、通信制御部24、RAM25、記憶装置26、I/F27等を備えて構成され、各部はバス28により接続されている。
【0060】
CPU21は、記憶装置26に記憶されているシステムプログラムや各種制御プログラムを読み出し、RAM25に展開し、該制御プログラムに従って各部の動作を集中制御する。また、CPU21は、RAM25に展開したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM25に一時記憶させるとともに、表示部23に表示させる。
【0061】
具体的に、CPU21は、記憶装置26から撮影準備処理プログラム、撮影終了後処理プログラムを読み出して、後述する撮影準備処理(図5(b)参照)、撮影終了後処理(図7(a)参照)を実行する。
【0062】
入力部22は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードを含み、このキーボードで押下されたキーに対応する押下信号をCPU21に出力する。なお、入力部22は、必要に応じてマウス、タッチパネル等のポインティングデバイスや、その他の入力装置を備えることとしてもよい。
【0063】
表示部23は、LCDやCRT(Cathode Ray Tube)等により構成され、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、入力部22からの入力指示やデータ等を表示する。
【0064】
通信制御部24は、LANアダプタやルータやTA(Terminal Adapter)等によって構成され、専用線、或いはISDN回線等の通信回線を介してネットワークNに接続された各装置との間の通信を制御する。
【0065】
RAM25は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部装置26から読み出されたCPU21で実行可能なシステムプログラム、制御プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等の一時的に記憶する記憶領域を形成する。
【0066】
記憶装置26は、HDD(Hard Disc Drive)や不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU21で実行されるシステムプログラム、当該システムプログラムに対応する各種処理プログラム、及び処理結果等を記憶する。また、プログラムやデータが予め記憶された記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成され、記憶装置26に固定的、或いは着脱自在に装着するものである。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0067】
I/F27は、制御装置20と通信端末10−1とを接続するためのインターフェースであり、携帯端末10が通信端末10−1に装着されたことを検出すると、検出信号をCPU11にする。また、I/F27は、通信端末10−1を介して、制御装置20と携帯端末10との間で、データの転送速度の調整や、データ形式の変換を行い、両者間のデータのやりとりを仲介する。例えば、I/F27は、撮影開始前の携帯端末10に撮影オーダ情報を送信するとともに、撮影終了後の携帯端末10から撮影オーダ情報と対応付けられたカセッテIDを受信する。
【0068】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
なお、後述するフローチャートに記述されている各機能を実現するためのプログラムはコンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で携帯端末10の記憶装置16又は制御装置20の記憶装置26に格納されており、携帯端末10のCPU11又は制御装置20のCPU21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0069】
まず、撮影を行う準備処理として、撮影室において制御装置20から携帯端末10に撮影オーダ情報を取得させる撮影準備処理について説明する。
【0070】
図5(a)は、制御装置20のCPU21により実行される撮影準備処理を示すフローチャートである。図5(a)に示すように、CPU21は、技師により入力部22を介して撮影オーダ情報の送信指示が入力されると(ステップS1)、I/F27を制御して、携帯端末10が通信端末10−1に装着されているか否かを判別する(ステップS2)。ここで、通信端末10−1に携帯端末10が装着されていない場合(ステップS2;NO)、CPU11は、表示部23にエラー表示を行い、本撮影準備処理を終了する。
【0071】
一方、通信端末10−1に携帯端末10が装着されている場合(ステップS2;YES)、CPU11は、記憶装置26から撮影オーダ情報を取得し、通信端末10−1を介して撮影オーダ情報を携帯端末10に送信する(ステップS3)。そして、CPU11は、送信済み撮影オーダ情報の送信フラグをONに設定して(ステップS4)、本撮影オーダ情報送信処理を終了する。
【0072】
図5(b)は、携帯端末10のCPU11により実行される撮影準備処理を示すフローチャートである。図5(b)に示すように、携帯端末10は、撮影オーダ情報を取得するため、通信端末10−1に装着される(ステップS11)。
【0073】
次いで、CPU11は、I/F14を制御して、制御装置20から送信される撮影オーダ情報を受信する(ステップS12)。そして、CPU11は、受信した撮影オーダ情報を記憶装置16の撮影オーダ情報ファイル161に記憶させ(ステップS13)、本撮影オーダ情報取得処理を終了する。
【0074】
上述した撮影準備処理において、制御装置20の表示部23に表示される表示画面について図6〜図8を参照して説明する。
【0075】
図6は、所望の処理を選択するためのメニュー画面231を示す図である。図6に示すように、メニュー画面231には、システムメニューとして、「システムの状態」、「技師選択」、「検査履歴」、「ユーティリティ」、「画面形式」、「運用形態」の各メニューを指示する指示釦が設けられている。また、「画面形式」、「運用形態」の指示釦には、入力項目が設けられ、例えば、「運用形態」の入力項目に「ポータブル」を入力して、当該釦を指示すると、ポータブル撮影装置40にて撮影を行う場合のポータブルモード画面が表示され、以下の処理はポータブルモードにおいて行われる。なお、この「運用形態」の入力項目に「通常」を入力すると、通常の撮影室で撮影を行う場合の通常モード画面が表示され、以下の処理は通常モードにおいて行われる。
【0076】
図7は、ポータブルモードにおいて、撮影オーダ情報が一覧表示されるポータブルリスト画面232を示す図である。図7に示すように、ポータブルリスト画面232には、撮影オーダ情報を表示する領域と、各種指示を入力する指示釦を表示する領域とが設けられている。撮影オーダ情報を表示する領域には、撮影オーダ情報の一部として、患者ID、タブ種別、氏名、性別、生年月日、撮影部位、撮影数、保留を表示する項目が設けられ、各項目には、それぞれ対応するデータが表示されている。
【0077】
また、ポータブルリスト画面232の右端及び下端において、各種指示を入力する指示釦を表示する領域には、選択キーの他、「送信」、「受信」、「新規/検索」、「修正」、「削除」、…、「確認画面」のテキストデータが表示された指示釦が設けられている。この各指示釦が入力部22を介して操作されることにより、対応する指示が入力される。例えば、ポータブルリスト画面232に表示されている撮影オーダ情報が選択キーにより選択され、「送信」指示釦が操作されると、選択された撮影オーダ情報が携帯端末10に送信される。ここで、撮影オーダ情報が携帯端末10に送信されると、当該撮影オーダ情報の送信終了フラグがONに設定され、「タブ種別」の項目には、送信済みのチェックフラグ「→」が表示される。また、「新規/検索」指示釦が操作されると、撮影オーダ情報を新規に登録するための入力画面233,234が表示される。
【0078】
図8は、上述したポータブルリスト画面232において、「新規/検索」指示釦が操作された場合に表示される入力画面233,234を示す図である。図8(a)は、撮影オーダ情報のうち、患者情報を新規に入力するための入力画面233を示す図である。図8(a)に示すように、入力画面232には、患者情報を入力する領域と、文字入力を行うための文字キーを表示する領域とが設けられている。
【0079】
入力画面233の上段に表示される患者情報を入力する領域には、患者ID、患者氏名(ローマ字、カナ、漢字)、性別、生年月日、コメントを入力する項目が設けられており、入力部22の操作に応じて入力されたデータが対応する項目に表示される構成となっている。また、入力画面233の下段に表示される文字キーを表示する領域においては、当該表示された文字キーに対応するキー入力が入力部22の備えるマウスやタッチパネルを介して行われる。なお、キー入力は、入力部22の備えるキーボードを介して行うことも可能である。
【0080】
図8(b)は、撮影オーダ情報のうち、撮影情報を新規に入力するための入力画面234を示す図である。図8(b)に示すように、撮影情報入力画面234には、撮影条件として撮影部位を指示する指示釦を表示する領域と、撮影部位における撮影方向を指示する指示釦を表示する領域と、入力された撮影部位及び撮影方向を表示する領域とが設けられている。
【0081】
入力画面234の左側上段に表示される撮影部位の指示釦を表示する領域には、例えば、「頭部」、「頚部」、…、「TEST」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部22を介して指示されることにより、対応する撮影部位が選択される。また、入力画面234の左側中段に表示される撮影方向の指示釦を表示する領域には網掛け表示が行われ、ポータブルモードでは、選択不可能な構成となっている。すなわち、当該領域に表示される撮影部位は、ポータブル撮影装置40により、撮影不可能な撮影部位であることを示している。なお、選択不可能な表示方法として、網掛け表示の他に、非表示又は非アクティブ表示とすることも可能である。また、選択不可能な指示釦が指示された場合に、音声や画像により警告を出力する構成であってもよい。
【0082】
また、入力画面234の左側下段に表示される撮影方向の指示釦を表示する領域には、例えば、「胸部 他」の撮影部位における撮影方向として、「斜位」、…、「じん肺」のテキストデータが表示された指示釦が設けられ、各指示釦が入力部22を介して指示されることにより、対応する撮影方向が選択される。さらに、入力画面233の右側に表示される撮影部位及び撮影方向を表示する領域には、上述した指示釦が指示されることにより選択された撮影部位及び撮影方向が、例えば、「胸部 他 斜位」として表示される。
【0083】
続いて、撮影の開始前に撮影を行う病室において、携帯端末10により患者ID及びカセッテIDと撮影オーダ情報との対応付けを行う撮影開始処理について説明する。
【0084】
図9は、携帯端末10のCPU11により実行される撮影開始処理を示すフローチャートである。図9に示すように、CPU11は、バーコードリーダ17を制御して、患者のベッドサイド又は患者の身体の一部に付帯されたバーコードを読み取り、患者IDを取得する(ステップS21)。次いで、CPU11は、読み取った患者IDに対応する撮影オーダ情報を記憶装置16から取得する(ステップS22)。
【0085】
続いて、CPU11は、取得した撮影オーダ情報を表示部13に表示させるとともに(ステップS23)、バーコードリーダ17を制御して、カセッテ50に付帯されたバーコードを読み取り、カセッテIDを取得する(ステップS24)。そして、CPU11は、取得したカセッテIDを、撮影オーダ情報に対応付けて記憶装置16に記憶させ(ステップS25)、本撮影開始処理を終了する。
【0086】
上述した撮影開始処理において、携帯端末10の表示部13に表示される表示画面について図10を参照して説明する。図10(a)は、携帯端末10に登録された患者を一覧表示する患者リスト画面131を示す図である。図10(a)に示すように、患者リスト画面131には、患者情報を示す領域が設けられ、この領域には、患者ID、患者の氏名、病棟を表示する項目が設けられている。具体的に、患者IDの項目には、「0001」の数字データが表示され、氏名の項目には、「山田 一郎」のテキストデータが表示されている。
【0087】
図10(b)は、携帯端末10のバーコードリーダ17により、患者IDが取得された場合に、対応する患者の撮影オーダ情報を表示する表示画面132を示す図である。図10(b)に示すように、表示画面132には、患者情報を表示する領域と、撮影情報を表示する領域とが設けられている。患者情報を表示する領域には、患者氏名、患者ID、性別、年齢、病棟、病室を表示する項目が設けられ、各項目には、対応するデータが表示されている。
【0088】
また、撮影情報を表示する領域には、撮影部位、カセッテIDを表示する項目が設けられており、カセッテIDの項目には、携帯端末10のバーコードリーダ17により取得されたデータが、読み取りと同時に表示される構成となっている。具体的に、撮影部位の項目には、「胸部 他 斜位」のテキストデータが表示され、カセッテIDの項目には、「04000108022016」の数字データが表示されている。
【0089】
続いて、本発明に特徴的な処理として、撮影終了後、撮影室において撮影済みの撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテIDを制御装置20に送信する撮影終了後処理について説明する。
【0090】
図11は、携帯端末10のCPU11により実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。図11に示すように、CPU11は、通信端末10−1から出力される検出信号に従って、携帯端末10が通信端末10−1に装着されたか否かを判別する(ステップS31)。通信端末10−1に携帯端末10が装着された場合(ステップS31;YES)、CPU11は、撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテIDを記憶装置16から取得して、制御装置20に送信する(ステップS32)。
【0091】
ここで、制御装置20から携帯端末10に送信される撮影オーダ情報には、撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテIDの送信先(例えば、ネットワーク上のコンピュータ(制御装置等)を識別するためのIPアドレス等)を含むことが好ましい。すなわち、通信端末10−1は、ネットワークNに接続される複数の制御装置20に対して任意に情報が送信可能であるため、通信端末10−1への装着を検出した携帯端末10のCPU11は、撮影オーダ情報から情報の送信先を取得し、取得した送信先に対応する制御装置20に撮影オーダ情報及びカセッテIDを送信する。
【0092】
なお、携帯端末10は、撮影準備処理において、撮影オーダ情報を受信した制御装置20の識別情報を記憶しておき、制御装置20から受信した撮影オーダ情報に送信先が含まれていない場合、当該撮影オーダ情報を受信した制御装置20に、撮影オーダ情報及びカセッテIDを送信する構成であってもよい。或いは、携帯端末10の操作部12から送信先を入力し、当該指定された送信先に必要な情報を送信する構成であってもよい。
【0093】
次いで、CPU11は、カセッテIDを送信した撮影オーダ情報について、送信終了フラグをONに設定する(ステップS33)。また、CPU11は、撮影オーダ情報ファイル161に記憶されている撮影オーダ情報のうち、未送信の撮影オーダ情報があるか否かを判別する(ステップS34)。未送信の撮影オーダ情報がある場合(ステップS34;YES)、CPU11は、ステップS32に移行して、上述した処理を繰り返して実行する。一方、撮影オーダ情報ファイル161に記憶される全ての撮影オーダ情報について、撮影オーダ情報及びカセッテIDを送信した場合(ステップS34;NO)、CPU11は、本撮影終了後処理を終了する。
【0094】
図12は、制御装置20のCPU21により実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。図12に示すように、CPU21は、通信端末10−1を介して、携帯端末10から撮影オーダ情報に対応付けられたカセッテIDを受信すると(ステップS41)、設定モードをポータブルモードに設定する。なお、ポータブルモードの設定は、入力部22から入力される指示に応じて設定されてもよい。
【0095】
次いで、CPU21は、受信したカセッテIDを撮影オーダ情報ファイル261の撮影オーダ情報に対応付けて記憶させ(ステップS42)、カセッテIDを受信した撮影オーダ情報について、受信終了フラグをONに設定する(ステップS43)。続いて、CPU21は、撮影オーダ情報とカセッテIDを対応付けて情報管理装置60に送信する(ステップS44)。
【0096】
さらに、CPU21は、医用画像読取装置30から医用画像及びカセッテIDを受信したか否かを判別し(ステップS45)、医用画像及びカセッテIDを受信した場合(ステップS45;YES)、カセッテIDに基づいて、撮影オーダ情報と医用画像を対応付けて記憶装置26に記憶する(ステップS46)。次いで、CPU21は、携帯端末10から受信した撮影オーダ情報に対応付けられた医用画像をポータブルモードにて表示部23に表示し(ステップS47)、本撮影終了後処理を終了する。
【0097】
次に、図13を参照して、制御装置20の表示部23に表示される医用画像について説明をする。図13は、携帯端末10を利用して撮影を行った場合に、表示部23に表示されるポータブル処理画面236を示す図である。図13に示すように、ポータブル処理画面236には、同一の携帯端末10に登録された複数の患者の医用画像が同一画面に表示される構成となっている。
【0098】
すなわち、ポータブル処理画面236には、技師情報を表示する領域と、患者毎に患者情報、医用画像及び撮影情報を表示する領域とが設けられ、同一画面には、4種類の医用画像が表示可能な構成となっている。具体的に、ポータブル処理画面235の左上端の技師情報を表示する領域には、技師の氏名として「スズキタロウ」のテキストデータを表示する項目が設けられている。また、患者毎に表示される医用画像として、左端に表示されている医用画像について説明すると、患者情報を表示する領域には、患者IDとして「0001」の数字データを表示する項目と、氏名として「山田 一郎」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。
【0099】
その下部には、医用画像を表示する領域が設けられ、医用画像と、読取装置IDとして「170」の数字データを表示する項目と、解像度として「通常」のテキストデータを表示する項目とが設けられている。さらに、その下部には、撮影情報を表示する領域が設けられ、撮影部位として「胸部 他 斜位」のテキストデータを表示する項目と、カセッテIDとして「01000108022016」の数字データを表示する項目が設けられている。
【0100】
なお、制御装置20は、携帯端末10から撮影オーダ情報及びカセッテIDを受信しない場合、通常モードを設定し、撮影室で撮影された医用画像の表示を行う。ここで、通常モードにより、医用画像が表示される場合は、上述した従来の画像処理画面236(図14参照)と同一の画像処理画面が表示部23に表示される。すなわち、撮影室において撮影された医用画像は、一患者の撮影が終了する毎に医用画像を表示させることができるため、撮影された患者毎に医用画像が表示される構成となっている。
【0101】
以上のように、本実施の形態の医用画像撮影システム100によれば、撮影終了後、携帯端末10は、撮影オーダ情報ファイル161に記憶した撮影オーダ情報及びカセッテIDを制御装置20に送信する。制御装置20は、撮影オーダ情報に対応付けて受信したカセッテID受信すると、ポータブルモードを設定するとともに、受信したカセッテIDを撮影オーダ情報に対応付けて記憶する。また、制御装置20は、医用画像読取装置30から医用画像とカセッテIDを受信し、カセッテIDに基づいて撮影オーダ情報と医用画像との対応付けを行う。そして、制御装置20は、同一の携帯端末10から受信した複数の撮影オーダ情報に対応する医用画像を複数の患者に跨って表示部23に表示させる。
【0102】
したがって、回診先において複数の患者の医用画像を撮影した場合に、同一の携帯端末10に記憶させた撮影オーダ情報に対応付けられる医用画像については、同時に表示させることができるため、複数の患者毎に操作を行う必要がなく、医用画像を表示させる作業に係る手間を省いて操作性を向上させることができる。また、制御装置20は、携帯端末10から撮影オーダ情報及びカセッテIDを受信すると、自動でポータブルモードを設定して、携帯端末10から受信した撮影オーダ情報に対応する医用画像をポータブルモードにて表示させるため、技師は、モード設定の手間を省くことができ、利便性が良い。
【0103】
さらに、本実施の形態においては、通常の撮影室で撮影された医用画像については、通常モードにより、患者毎に医用画像を表示する画像処理画面236(図14参照)を表示させ、ポータブル撮影装置40により回診先で撮影された医用画像については、ポータブルモードにより、複数の患者に跨って医用画像を表示する画像処理画面235(図13参照)を表示する。これにより、技師は、表示画面の構成に基づいて、表示されている医用画像が撮影室にて撮影されたものか、ポータブル撮影装置40により撮影されたものかを明確に認識しながら画像処理の操作を行うことができ、操作性がよい。また、撮影形態に応じて好適に医用画像を表示させることができるため、効率よく医用画像を表示して、画像処理を行うことができる。
【0104】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像撮影システム及び医用画像管理方法の一例であり、これに限定されるものではない。
【0105】
例えば、上述した医用画像撮影システム100のシステム構成は一例であり、これに限定されるものではない。図14に示す医用画像撮影システム200のように、携帯端末10と、制御装置20との通信を制御する通信端末10−1は、制御装置20に直接接続される構成であってもよい。この構成によれば、システム変更が必要になった場合、システム変更の自由度が高く、再構築が容易である。例えば、既存の医用画像撮影システムに携帯端末10を導入する場合に、携帯端末10と制御装置20とのシステムを変更するだけで良く、システム導入の際に係るコスト及び手間を省くことができる。また、システムのバージョンアップ等にも速やかに対応することができ、利便性がよい。さらに、携帯端末10と制御装置20が直接的に接続されることにより、情報の漏洩を防いで、セキュリティの高い通信を行うことができる。
【0106】
また、上述した表示画面の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、画像処理画面には、4種類の医用画像を表示可能な構成として説明を行ったが、4種類以上の医用画像を表示可能な構成であっても良く、それ以下であってもよい。或いは、同一の携帯端末10から受信した撮影オーダ情報に対応する全ての医用画像を同一の表示画面に表示する構成であってもよい。この場合、表示部23に全ての医用画像を表示するため、サムネール等の縮小画像を表示する構成であってもよい。
【0107】
これにより、回診先において撮影された全ての医用画像を同時に確認することできるため、医用画像の見落とし、撮影オーダ情報の受信ミス、撮影忘れ等を防止することができる。また、ポータブルモードにおいて、医用画像の縮小画像が表示されるため、画面構成から的確に撮影形態を認識することができ、技師は、現在行っているワークフローを常に認識しながら、適切な処理を行うことができる。さらに、サムネール等により表示されている医用画像を操作することにより、拡大された医用画像を表示させる構成としてもよく、速やかに詳細な医用画像を表示させ、視認性を向上することができる。
【0108】
また、制御装置20において、通常モード又はポータブルモードは、携帯端末10からの撮影オーダ情報の受信の有無に応じて、自動で設定される場合を例として説明を行ったが、例えば、技師により、メニュー画面を介して各モードが設定される構成であってもよい。
【0109】
また、撮影オーダ情報に対応付けられて送信されるカセッテIDは、撮影オーダ情報との対応関係が明確であればよい。すなわち、撮影オーダ情報とともにカセッテIDが送信される構成であっても良く、撮影オーダ情報に一義的に割り当てられる撮影IDとともにカセッテIDが送信される構成であってもよい。
【0110】
その他、本実施の形態における医用画像撮影システム100の各構成要素の細部構成、及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0111】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、例えば、通常の撮影室で撮影が行われる場合、患者毎に撮影を行い、患者毎に医用画像を同一画面に表示させることができる。このため、同一患者について相対的に医用画像を比較して画像処理を行うことができ、利便性が良い。また、同一の携帯端末に記憶された撮影オーダ情報に対応する医用画像が同一画面に表示されるため、例えば、携帯端末を利用して回診先で医用画像の撮影を行った場合に、同一の回診で撮影された医用画像を同一画面に表示させることができる。これにより、技師は、撮影を行った医用画像の画像処理を速やかに行うことができる。さらに、医用画像の表示形態に応じて、撮影形態を認識することができるため、技師は、表示されている医用画像が撮影室において撮影されたものか、回診先において撮影されたものかを明確に認識しながら画像処理の操作を行うことができ、操作性がよい。
【0112】
請求項2記載の発明によれば、回診先において、複数の患者に跨って撮影を行った場合であっても、複数の患者に跨って、医用画像を同一画面に表示させることができるため、複数の患者毎に医用画像を表示させる手間を必要とせず、処理効率を向上させることができる。
【0113】
請求項3記載の発明によれば、同一の回診において利用された携帯端末に記憶されている撮影オーダ情報に対応する医用画像を、複数の患者に跨って同一画面に表示させることができるため、操作性が良い。
【0114】
請求項4記載の発明によれば、回診先において撮影された全ての医用画像を同時に確認することできるため、医用画像の見落とし、撮影オーダ情報の受信ミス、撮影忘れ等を防止することができる。
【0115】
請求項5記載の発明によれば、携帯端末から撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信すると、制御装置は、ポータブルモードを設定して、ポータブルモードに応じた表示態様により、医用画像の表示を行う。これにより、技師は、モードの設定を行う手間が省け、撮影形態に応じた好適な態様にて医用画像を表示させることができるため、利便性が良い。
【0116】
請求項6記載の発明によれば、携帯端末からの撮影オーダ情報の受信の有無に応じて、モード設定手段により、好適なモードが設定されるため、技師は、モードを設定する手間が省け、容易かつ速やかに医用画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態における医用画像撮影システム100のシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末10の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶装置16に記憶される撮影オーダ情報ファイル161のデータ構成を示す図である。
【図4】図1に示す制御装置20の要部構成を示すブロック図である。
【図5】(a)制御装置20のCPU21により実行される撮影準備処理を示すフローチャートである。
(b)携帯端末10のCPU11により実行される撮影準備処理を示すフローチャートである。
【図6】制御装置20の表示部23に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図7】制御装置20の表示部23に表示されるポータブルリスト画面の一例を示す図である。
【図8】(a)制御装置20の表示部23に表示される患者情報を入力するための入力画面の一例を示す図である。
(b)制御装置20の表示部23に表示される撮影情報を入力するための入力画面の一例を示す図である。
【図9】携帯端末10のCPU11により実行される撮影開始処理を示すフローチャートである。
【図10】(a)携帯端末10の表示部13に表示される患者リスト画面の一例を示す図である。
(b)携帯端末10の表示部13に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図11】携帯端末10のCPU11により実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。
【図12】制御装置20のCPU21により実行される撮影終了後処理を示すフローチャートである。
【図13】制御装置20の表示部23に表示されるポータブルモードにおける画像処理画面の一例を示す図である。
【図14】制御装置20の表示部23に表示される通常モードにおける画像処理画面の一例を示す図である。
【図15】本発明を適用した他の形態における医用画像撮影システム200のシステム構成を示す図である。
【符号の説明】
100,200 医用画像撮影システム
10 携帯端末
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 I/F
15 RAM
16 記憶装置
17 バーコードリーダ
18 バス
20 制御装置
21 CPU
22 入力部
23 表示部
24 通信制御部
25 RAM
26 記憶装置
27 I/F
28 バス
30 医用画像読取装置
40 ポータブル撮影装置
50 カセッテ
60 情報管理装置
N ネットワーク
Claims (6)
- 撮影オーダ情報と医用画像とを対応付けて管理する制御装置と、撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を対応付けて記憶する携帯端末と、医用画像が記録されたカセッテから医用画像とカセッテの識別情報とを読み取る医用画像読取装置と、がネットワークを介して接続された医用画像撮影システムであって、
前記携帯端末は、
前記撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を対応付けて送信する通信手段を備え、
前記医用画像読取装置は、
カセッテから読み取られた医用画像とカセッテの識別情報を対応付けて送信する通信手段を備え、
前記制御装置は、
前記撮影オーダ情報とカセッテの識別情報、及び医用画像とカセッテの識別情報を受信する通信手段と、
前記カセッテの識別情報に基づいて、撮影オーダ情報と医用画像を対応付けて記憶する記憶手段と、
撮影室で撮影された医用画像を表示する通常モード又は回診先で撮影された医用画像を表示するポータブルモードを設定するモード設定手段と、
前記通常モードにおいては、同一患者の医用画像を同一画面に表示させ、前記ポータブルモードにおいては、同一の携帯端末から受信した撮影オーダ情報に対応する医用画像のうち少なくとも2以上を同一画面に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像撮影システム。 - 前記制御装置において、
前記通信手段は、複数の患者の撮影オーダ情報とカセッテの識別情報、及び複数の患者の医用画像とカセッテの識別情報を受信し、
前記記憶手段は、前記カセッテの識別情報に基づいて、複数の患者の撮影オーダ情報と医用画像を対応付けて記憶し、
前記表示制御手段は、前記ポータブルモードにおいては、同一の携帯端末から受信した複数の患者の撮影オーダ情報に対応する医用画像のうち少なくとも2以上を同一画面に表示させることを特徴とする請求項1記載の医用画像撮影システム。 - 前記制御装置の前記表示制御手段は、前記ポータブルモードにおいては、同一の携帯端末に記憶されていた撮影オーダ情報に対応する医用画像を同一画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像撮影システム。
- 前記制御装置において、
前記通信手段は、複数の撮影オーダ情報とカセッテの識別情報、及び複数の医用画像とカセッテの識別情報を受信し、
前記表示制御手段は、前記ポータブルモードにおいては、前記受信した複数の撮影オーダ情報に対応付けられる全ての医用画像を同一の表示画面に表示させることを特徴とする請求項1記載の医用画像撮影システム。 - 前記携帯端末において、
前記記憶手段は、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を記憶し、
前記通信手段は、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を送信し、
前記制御装置において、
前記通信手段は、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信し、
前記モード設定手段は、前記通信手段により、回診先での撮影に係る撮影オーダ情報とカセッテの識別情報が受信された場合に、ポータブルモードを設定し、
前記表示制御手段は、ポータブルモードにて、前記医用画像を表示させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像撮影システム。 - 前記制御装置において、
前記モード設定手段は、前記通信手段により、前記携帯端末から撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信しない場合、通常モードを設定し、前記携帯端末から撮影オーダ情報とカセッテの識別情報を受信した場合、ポータブルモードを設定し、
前記表示制御手段は、前記モード設定手段により設定されたモードに応じて、医用画像の表示を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像撮影システム。
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