JP4379992B2 - カーナビゲーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路地図データ等を記憶する地図データ記憶媒体をアクセスしながら、ナビゲーション処理を実行するカーナビゲーション装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、カーナビゲーション装置は、マイコンを主体としてなる制御装置、CD−ROMあるいはDVDからなる地図データベースから道路地図データ等を読出すドライブ装置、車両の現在位置を知る位置検出器、表示装置等を備えて構成され、表示装置の画面に車両の現在位置を地図に重ね合せて表示するロケーション機能、出発地から目的地までの推奨する経路を計算する経路検索、検索された経路を案内する経路案内の機能を実現するようになっている。
【0003】
このとき、上記した経路検索時において、高速道路など有料道路を通る経路が検索されたときには、検索された経路を表示装置に表示する際に併せて有料道路の料金が表示されるようになっている。また、有料道路を通る経路案内時には、料金所に近付いたところで、支払うべき料金が表示されるようになっている。この場合、前記地図データベースには、道路地図データに付随するデータとして、有料道路の料金データが記憶されるようになっている。
【0004】
しかしながら、高速道路等の有料道路においては、その料金が改定されることがしばしば行なわれ、地図データベースに記憶されている有料道路の料金データが実際に支払うべき料金とは異なる(古い)ものとなることがある。このとき、地図データベース内のデータを書替えることはできないため、上記した経路検索時や経路案内時に、現状にそぐわない案内がなされてしまう不具合が生じ、ユーザが戸惑ったりすることになる。
【0005】
この場合、上記地図データベースは、例えば毎年最新のものが発売されるので、この地図データベースを常に最新のものに買い替えて行けば良いが、地図データベースは比較的高価であり、また、地図データベース中の道路地図データについては毎年大幅に変更されることは少ない事情もあって、地図データベースの買替えを頻繁に行なうことは、ユーザにとっての大きな経済的負担を強いることになる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザに過大な経済的負担を強いることなく、地図データ記憶媒体に記憶された付随データの内容の改定に係る不具合を解消することが可能なカーナビゲーション装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、地図データ記憶媒体は、読込み専用であって書込みは不可能であるため、そのなかのデータを直接的に書替える(変更する)ことはできないが、例えばナビゲーション装置本体に設けられるRAMやSRAM等については、読み書きの双方が可能であることに着目し、そのような読み書き可能なメモリを補助的に利用することにより、付随データの内容が改定された場合における、現状にそぐわない案内をしてしまう等の不具合を未然に防止することができることを確認し、本発明を成し遂げたのである。
【0008】
即ち、本発明のカーナビゲーション装置は、地図データ記憶媒体に記憶された付随データにおける有料道路の料金の改定の有無、並びに、料金の改定があった有料道路における各区間の新料金のデータを入力するための入力操作手段と、この入力操作手段により入力された有料道路の料金の改定の有無、並びに、料金の改定があった有料道路における各区間の新料金のデータを記憶する読書き可能なデータ変更記憶手段と、経路検索機能の実行時において有料道路を通る経路が検索された際に、前記データ変更記憶手段のデータを参照して、当該有料道路が料金の改定が有る有料道路かどうかを判断する判断手段と、この判断手段により料金の改定が有る有料道路であると判断されたときに、該当する区間の新料金のデータが前記データ変更記憶手段に記憶されている場合には、表示装置に当該新料金のデータに基づいて料金を案内する表示を行い、該当する区間の新料金のデータが前記データ変更記憶手段に記憶されていない場合には、前記表示装置に料金改定があった旨を表示する手段とを備えるところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0009】
これによれば、有料道路の料金に改定があった場合には、入力操作手段により有料道路の料金の改定の有無、並びに、料金の改定があった有料道路における各区間の新料金のデータを入力すれば、データ変更記憶手段に、入力された有料道路の料金の改定の有無、並びに、料金の改定があった有料道路における各区間の新料金のデータが記憶される。そして、その後のナビゲーション処理に有料道路の料金データを用いる際には、データ変更記憶手段の記憶がいわば優先され、地図データ記憶媒体に記憶された付随データ中の変更前の料金データが使用されることがなくなる。この場合、改定された有料道路の料金データのうち、ユーザが必要とするつまり恒常的に使用されるような区間の新料金のデータのみを入力させれば良いので、ユーザが入力操作にさほどの労力を要することもない。
【0010】
従って、ユーザが、地図データ記憶媒体を買替えることなく、付随データ中の必要な部分のみを変更した形態とすることが可能となり、この結果、ユーザに過大な経済的負担を強いることなく、地図データ記憶媒体に記憶された付随データの内容の改定に係る不具合を解消することができるという優れた効果を得ることができる。尚、データ変更記憶手段としては、上記したRAMやSRAMはもとより、EEPROMやメモリカード等の様々な記憶媒体を使用することが可能である。
【0011】
のとき、データ変更記憶手段に、各有料道路の料金の改定の有無を記憶させるだけでも、少なくとも誤った料金を案内してしまうといったことがなくなり、所期の目的を達成することができ、また、ユーザの入力操作を極めて簡単に済ませることができる。この場合、料金の改定があった有料道路における改定された料金を併せて記憶させることにより、経路検索時や経路案内時に、実際に支払うべき料金を案内することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図2は、本実施例に係るカーナビゲーション装置1の電気的構成を概略的に示している。ここで、このカーナビゲーション装置1は、GPS受信装置2、VICS受信装置3、DVD−ROMドライブ装置4、これらに接続された制御部5、この制御部5に接続された入力操作装置6、表示装置7等を備えて構成される。
【0013】
そのうちGPS受信装置2は、GPS衛星からの電波を電波を受信して車両の現在位置等を検出するためのもので、図示しないジャイロセンサや車速センサ等と共に、高精度な位置検出手段を構成するようになっている。また、前記VICS受信装置3は、道路交通情報通信システム(VICS)からの道路交通情報を受信するようになっている。
【0014】
前記DVD−ROMドライブ装置4は、読込み専用の地図データ記憶媒体としての例えば地図DVD−ROM(図示せず)からのデータの読込みを行なうようになっている。このとき、地図DVD−ROMには、道路地図データ及びそれに付随した付随データが記憶されている。前記道路地図データは、道路形状、道路幅、目印、道路名、建造物、各種施設、地形等のデータを含むと共に、その道路地図を前記表示装置7の画面上に再生するためのデータを含み、前記付随データは、地名、施設名、建物名、それらの住所や電話番号、高速道路等の有料道路の料金データを含んでいる。
【0015】
前記入力操作装置6は、詳しく図示はしないが、キースイッチ、リモコン、前記表示装置7の画面上に設けられたタッチパネル等を含んで構成され、ユーザ (搭乗者)が目的地の指定や、表示される地図の選択、各種のコマンド等を入力するようになっている。このとき、後述するように、この入力操作装置6が、付随データ(有料道路の料金データ)の変更を指定するための入力操作手段として機能するようになっている。
【0016】
前記表示装置7は、例えばフルカラー液晶ディスプレイからなり、その画面には、図8及び図9に一部例示するように、各種縮尺の道路地図が表示されると共に、その地図に重ね合わせて車両の現在位置及び進行方向を示すポインタ等が表示されるようになっている。また、図4〜図7に一部例示するように、ユーザが目的地等を入力設定する入力設定画面や、各種のメッセージやインフォメーション等も表示されるようになっている。さらには、後述する経路検索,経路案内時において、地図に重ね合わせて進むべき経路が表示されると共に、有料道路を利用する場合には、その料金等も表示されるようになっている。
【0017】
前記制御部5は、詳しく図示はしないが、CPUやメモリ、入出力回路等からなるマイコンを主体として構成されると共に、本実施例では、音声認識制御装置8を含んで構成される。この音声認識制御装置8は、マイク9から入力された音声を認識するもので、ユーザによる音声入力を可能とするものである。また、この制御部5には、後述するような付随データ(有料道路の料金データ)の変更等を記憶するための、読み書き可能なRAM(SRAM)からなる内部記憶装置10が設けられている。尚、例えば経路案内時に音声により案内等を行なうための音声合成機能も備えている。
【0018】
そして、この制御部5は、そのソフトウエア的構成により、前記DVD−ROMドライブ装置4により地図DVD−ROM内のデータをアクセスしながら、ナビゲーション処理を実行するようになっている。具体的には、車両の現在位置を知らせるロケーション機能、出発位置から目的地までの推奨する経路を検索する経路検索、及び、その経路を表示や音声によって目的地まで案内する経路案内の機能を実現するようになっている。
【0019】
前記ロケーション機能は、前記GPS受信装置2の受信信号等に基づいて検出した現在位置の周辺の道路地図を、前記表示装置7の画面に表示させると共に、それに重ね合せて車両の現在位置及び進行方向を示すポインタを表示させるものである。このとき、車両の現在位置を道路上にのせるマップマッチングが行なわれる。また、車両の走行に伴って現在位置の表示は地図上を移動すると共に、地図は車両の位置に応じてスクロール表示されるようになる。さらには、ユーザのコマンド入力に基づいて、表示装置7に表示させる地図の種類(縮尺)の切替え等が行なわれる。
【0020】
前記経路検索の機能は、ユーザの入力操作装置7の操作(及び音声入力)に基づき、車両の出発位置(現在位置)から入力された目的地までの推奨する走行経路を自動的に計算するものであり、その手法としては、周知のダイクストラ法等が用いられる。この場合、例えば有料道優先、一般道優先、距離優先、推奨等の条件によって、複数この場合5つの走行経路が求められるようになっており、それら求められた走行経路が表示装置7の画面に表示され、ユーザがそのうちいずれかを選択できるようになっている。
【0021】
図8は、この経路検索の結果が表示装置7の画面に表示された一例を示している。ここでは、愛知県の豊田市を出発位置とし、名古屋市の名古屋駅を目的地とした場合の、有料道優先の条件での経路検索の結果が表示されており、豊田ICから名古屋駅近くの錦橋出口まで、東名高速、東名阪自動車道、名古屋高速を順に利用する経路が示されている。また、このように有料道路を利用する際には、有料道路の料金データに基づいて、その料金(複数の有料道路を利用する場合には料金の合計)が併せて表示されるようになっている。
【0022】
前記経路案内の機能は、その経路探索により求められた走行経路を、表示装置8の画面に表示して目的地まで案内するものであり、このとき、音声合成機能により、例えば「200m先の交差点を左です」といった音声案内が併せて行われるようになっている。このとき、高速道路を走行する際には、ジャンクション (料金所)に近付くと、表示装置7の画面には、図9に具体例を示すように、左半部に通常の地図表示がなされた状態で、右半部に出口部分の三次元表示がなされ、より判りやすい表示がなされるようになっている。また、料金所に近付くと、有料道路の料金データに基づいて、その料金所で支払うべき料金が表示(あるいは音声により案内)されるようになっている。
【0023】
さて、本実施例では、前記地図DVD−ROM内の付随データのうちの有料道路の料金データの改定に対応するために、前記内部記憶装置10に、図3に示すような、有料道路料金変更データの記憶領域が設定されるようになっている。図3に示すように、この有料道路料金変更データは、道路データと、その下位の区間データとから構成される。
【0024】
前記道路データは、有料道路毎に設定され、8ビットのうち上位1ビットが料金改定の有無(有りの場合が「1」、無しの場合が「0」)を示すデータとされ、残りの7ビットが道路名称のデータとされる。また、前記区間データは、各有料道路における区間毎に設けられ、8ビットのうち上位1ビットが料金設定の有無(有りの場合が「1」、無しの場合が「0」)を示すデータとされ、残りの7ビットが料金データとされる。従って、この内部記憶装置10がデータ変更記憶手段として機能するのである。
【0025】
そして、後の作用説明でも述べるように、前記制御部5は、そのソフトウエア構成により、表示装置7にナビゲーションの機能設定画面(図4参照)が表示された機能設定モードにおいて、ユーザの操作(タッチパネルのタッチ操作)により、有料道路の料金改定があった旨が指定されると、表示装置7に、図5に示すような道路指定画面を表示させ、ここでユーザの操作により料金改定のあった有料道路が指定されると、前記内部記憶装置10の有料道路料金変更データに、該当する有料道路の料金改定があった旨を記憶させる(道路データの上位1ビットを「0」から「1」にする)ようになっている。これにて、内部記憶装置10に各有料道路の料金の改定の有無が記憶されるようになっている。
【0026】
また、上記した有料道路の料金改定があった旨の指定に引続き、あるいは、経路案内の開始前(図6参照)に、ユーザの操作により、表示装置7にテンキー等を配した区間料金設定画面(図7参照)を表示させ、この区間料金設定画面においてユーザの操作により該当する区間の料金(改定後の料金)が入力されると、前記内部記憶装置10の有料道路料金変更データ(区間データ)にその料金データを設定するようになっている。これにて、内部記憶装置10に、料金の改定があった有料道路における改定された料金を併せて記憶させることが可能となっているのである。
【0027】
さらに、制御部5は、上記したナビゲーション処理(経路検索及び経路案内)を行なうにあたって、有料道路の料金データを用いる際には、前記内部記憶装置10の有料道路料金変更データを参照し、該当する有料道路の料金の改定の有無を認識し、改定がない場合(道路データの上位1ビットが「0」)には、前記地図DVD−ROM内の有料道路の料金データをそのまま使用して経路検索及び経路案内の処理を行なうようになっている。
【0028】
これに対し、該当する有料道路の料金の改定があった(道路データの上位1ビットが「1」)ときには、該当する区間における区間データの料金設定の有無を参照し、料金の設定(料金データ)が存在する場合には、その料金データに基づいて経路検索及び経路案内の処理を行なうようになっている。これに対し、料金の設定(料金データ)が未だない場合には、料金を表示(案内)する際に、料金が改定されている旨を表示あるいは音声案内するようになっている。
【0029】
次に、上記構成の作用について、図1も参照して述べる。本実施例のカーナビゲーション装置1においては、上述のように、経路検索において高速道路など有料道路を通る経路が検索されたときには、表示装置7に、検索された経路をと共に有料道路の料金が表示される(図8参照)。また、有料道路を通る経路案内時には、料金所に近付いたところで、支払うべき料金が表示される(図9参照)。ユーザは、その料金案内を見て、経路を選択したり、料金の支払いの準備をしたりすることができる。
【0030】
しかして、高速道路等の有料道路においては、その料金が改定されることがしばしば行なわれ、地図DVD−ROM内の有料道路の料金データの内容が、実際に支払うべき料金とは異なる(古い)ものとなることがある。このとき、地図DVD−ROM内のデータを書替えることはできないため、上記した経路検索時や経路案内時に、現状にそぐわない料金案内がなされてしまう虞がある。そこで、本実施例では、ユーザが、有料道路の料金の改定を知ったときに、入力操作装置6の操作により、料金の改定があった旨さらには新料金を、内部記憶装置10に記憶させることができるようになっている。
【0031】
図1のフローチャートは、制御部5が実行する有料道路の料金の改定に関係する部分の処理手順の概要を示している。ここで、有料道路の料金の改定をニュース等で知ったユーザは、走行前に、カーナビゲーション装置1を機能設定モードとする。この機能設定モードでは、表示装置7の画面に、図4に示すような機能設定画面が表示され、ユーザの操作により、三次元表示を行なうかどうか、立体ランドマークの表示を行なうかどうか等の各種の機能の設定が行なわれるのであるが(ステップS1)、有料道路の料金改定があった場合には、ユーザは、この画面にて料金改定ありを設定する(ステップS2にてYes)。
【0032】
すると、表示装置7の画面には、図5に示すような、道路指定画面が表示されるようになり、ユーザは、この画面上で料金改定があった道路(例えば東名高速道路)を指定する(ステップS3)。また、ユーザがその道路における改定された料金が判っている場合には、引続き区間料金設定画面(図7参照)を表示させ、各区間の料金の設定を行なうこともできる。道路の指定入力(及び新料金の設定入力)が完了すると、設定された有料道路料金変更データが内部記憶装置10に書込まれる(ステップS4)。
【0033】
この後、ユーザが、例えば経路検索をコマンド入力し、目的地を指定することにより、経路検索の処理が実行される(ステップS5)。この経路検索は、上述のように、現在位置から目的地までの推奨する経路を算出するもので、条件によって5つの経路が求められ、それらが表示装置7の画面に表示される(図8参照)のであるが、このとき、まず有料道路を通る経路かどうかが判断され(ステップS6)、有料道路が含まれる場合には(Yes)、内部記憶装置10の有料道路料金変更データにおいて、該当する有料道路の料金の改定の有無が判断される(ステップS7)。
【0034】
ここで、上述のように、該当する有料道路の料金の改定がない場合には(ステップS7にてNo)、地図DVD−ROM内の有料道路の料金データをそのまま使用して、料金が表示(案内)されるようになる(ステップS8)。これに対し、該当する有料道路の料金の改定がある場合には(ステップS7にてYes)、改定された料金が設定されているかどうかが判断され(ステップS9)、既に内部記憶装置10の有料道路料金変更データに新料金が設定されていれば(Yes)、訂正されている料金データに基づいて料金が表示(案内)されるようになる(ステップS14)。
【0035】
一方、内部記憶装置10の有料道路料金変更データに新料金が未だ設定されていない場合には(ステップS9にてNo)、図6に示すような、料金の設定(変更)を行なうかどうかをユーザが選択する選択画面が表示されるようになり、ユーザが新料金を知らない等の理由により料金設定を行なわない場合には(ステップS10にてNo)、表示装置7の画面には、料金の表示に代えて、「料金が改定されています」の表示がなされるようになるのである(ステップS11)。
【0036】
また、ユーザが設定を行なうを選択することにより(ステップS10にてYes)、区間料金設定画面(図7参照)が表示されて、ユーザが区間の料金の設定を行なうことができる(ステップS12)。新料金の設定入力が完了すると、設定された有料道路料金変更データが内部記憶装置10に書込まれる(ステップS13)と共に、設定された新料金に基づいて料金が表示(案内)されるようになるのである(ステップS14)。
【0037】
しかる後、ユーザの経路の決定操作等に基づいて経路案内が開始される(ステップS15)。詳しく図示はしていないが、この経路案内時にも、上述のように、有料道路を走行する際に、料金所の近傍に至ったところで、料金案内(表示装置7の表示や音声案内)がなされるようになる(図9参照)。この料金案内を行なう場合についても、上記と同様に、まず内部記憶装置10の有料道路料金変更データが参照され、改定がなければ、地図DVD−ROM内の有料道路の料金データに基づく料金案内がなされ、改定があるときには、改定料金が設定されれていればその新料金に基づいて料金案内がなされ、設定されていないときには、料金が改定されている旨の案内がなされるようになるのである。
【0038】
尚、前記内部記憶装置10の記憶内容(有料道路料金変更データ)は、電源をオフしても消去されることはなく、料金改定の有無(及び改定された料金)を一度設定しておけば、次回以降のナビゲーション処理においてもそのデータが有効となることは勿論である。
【0039】
以上の処理により、ユーザが有料道路の料金に改定があったことを知ったときには、必要な料金データについては、ユーザの入力によって内部記憶装置10にその料金データに改定があった旨及び改定された料金のデータが記憶されるようになる。そして、その後のナビゲーション処理において有料道路の料金データを用いる際には、内部記憶装置10内のデータがいわば優先され、地図DVD−ROM内の料金データ中の変更前のデータが使用されることがなくなる。
【0040】
従って、有料道路の料金の改定が行なわれて地図DVD−ROM内の料金データが古いものとなる事情があっても、従来のような誤った料金が表示(案内)される不具合のあるものと異なり、料金に改定があった旨あるいは実際に支払うべき料金を表示(案内)することが可能となる。この場合、ユーザが改定された料金自体を知らなかった場合でも、少なくとも誤った料金が表示される不具合は防止される。また、ユーザが必要とするつまり恒常的に使用される有料道路(区間)の料金データのみを変更させれば良いので、ユーザが入力操作にさほどの労力を要することなく済ませることができるものである。
【0041】
このように本実施例によれば、カーナビゲーション装置1が本来有している読み書き可能な内部記憶装置10を補助的に利用することに着目し、内部記憶装置10に記憶される有料道路料金変更データを自在に設定可能とすると共に、その内部記憶装置10内の有料道路料金変更データがいわば優先される構成としたので、ユーザが、地図DVD−ROM自体を買替えるといったことなく、有料道路の料金データ中の必要な部分のみを変更した形態とすることが可能となり、この結果、ユーザに過大な経済的負担を強いることなく、地図DVD−ROMに記憶された有料道路の料金の改定に係る不具合を解消することができるという優れた効果を得ることができるものである。
【0042】
尚、上記実施例では、付随データとして、有料道路の料金データについて内部記憶装置10に記憶するようにしたが、それに加えて、例えば地名や施設名、建造物名等のデータの変更をデータ変更記憶手段に記憶することができる。その他、データ変更記憶手段としては、EEPROMやメモリカード等を採用することもでき、また、装置のハードウエア構成や表示の形態等についても様々な変更が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、有料道路の料金の改定に関係する処理の手順を示すフローチャート
【図2】カーナビゲーション装置の電気的構成を概略的に示す図
【図3】有料道路料金変更データのデータ構成を模式的に示す図
【図4】機能設定画面の一例を示す図
【図5】道路指定画面の一例を示す図
【図6】選択画面の一例を示す図
【図7】区間料金設定画面の一例を示す図
【図8】経路検索の結果を表示する際の表示装置の画面の一例を示す図
【図9】高速道路走行時の出口付近における表示装置の画面の一例を示す図、
【符号の説明】
図面中、1はカーナビゲーション装置、4はDVD−ROMドライブ装置、5は制御部、6は入力操作装置(入力操作手段)、7は表示装置、10は内部記憶装置(データ変更記憶手段)を示す。

Claims (1)

  1. 道路地図データ及びそれに付随した有料道路の料金データを含む付随データを記憶した読込み専用の地図データ記憶媒体をアクセスしながら、目的地までの推奨する経路を検索し案内する経路検索及び経路案内の機能を含むナビゲーション処理を実行するカーナビゲーション装置において、
    前記付随データにおける前記有料道路の料金の改定の有無、並びに、料金の改定があった有料道路における各区間の新料金のデータを入力するための入力操作手段と、
    この入力操作手段により入力された前記有料道路の料金の改定の有無、並びに、料金の改定があった有料道路における各区間の新料金のデータを記憶する読み書き可能なデータ変更記憶手段と
    前記経路検索機能の実行時において有料道路を通る経路が検索された際に、前記データ変更記憶手段のデータを参照して、当該有料道路が料金の改定が有る有料道路かどうかを判断する判断手段と、
    この判断手段により料金の改定が有る有料道路であると判断されたときに、該当する区間の新料金のデータが前記データ変更記憶手段に記憶されている場合には、表示装置に当該新料金のデータに基づいて料金を案内する表示を行い、該当する区間の新料金のデータが前記データ変更記憶手段に記憶されていない場合には、前記表示装置に料金改定があった旨を表示する手段とを備えることを特徴とするカーナビゲーション装置。
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