JP4378113B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、カーカス層とベルト層の一体化により軽量化を可能にした空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来技術】
一般に空気入りラジアルタイヤは、両ビード部間に跨がる少なくとも1層のカーカス層を有し、さらにこのカーカス層の外周にベルト層をタイヤ周方向に沿わせる構成からなり、このカーカス層とベルト層とによりタイヤの内圧保持機能と形状規定のタガ機能とを具備するようにしている。しかし、ベルト層はカーカス層とは独立していて両端部に段差を形成するようになっているため、そのベルト層両端部に応力が集中してセパレーションなどの破損が生じ易くなっている。
【0003】
一方、近年の研究によると、ベルト層下に位置するカーカス層の部分は殆ど内圧保持に寄与しておらず、その内圧保持をベルト層が負担していることが判明している。このような技術的背景の下に、特許文献1は、カーカス層を2層設け、これら2層のカーカス層のトレッド領域でカーカスコードを斜めに傾斜させると共に、互いに交差させることにより、カーカス層にベルト層の機能を一体に具備させるようにした空気入りラジアルタイヤを提案している。
【0004】
しかし、上記提案のタイヤは、カーカス層にベルト層を一体にした構造にして、ベルト層端部での故障を低減しているとはいえ、カーカス層とベルト層とが必ず同一コードで構成されるため、タイヤの設計自由度が制約され、タイヤ性能を多様に設計しようとする場合に限界がある。また、カーカス層が最低2層以上であることを余儀なくされているので、軽量化にも限界がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−144446号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カーカス層とベルト層の一体構造化により軽量化や故障低減を図る場合、設計自由度を高めて多様な性能の設計を可能にする空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、連続状の補強コードをビード部からタイヤ径方向にトレッド部の端部域へ延長し、該端部域からタイヤ周方向に斜めにトレッド部の反対側の端部域へ向かう往路を延長し、該反対側の端部域から前記往路とはタイヤ周方向に対して逆向きの傾斜で斜めに折り返して再び元の端部域へ戻り、該元の端部域からタイヤ径方向に前記ビード部に復帰する往復経路を単位形状として、該単位形状をタイヤ周方向に繰り返し配列することによりカーカス層とベルト層の一体構造体を形成し、該一体構造体をタイヤの左右に前記ベルト層同士を重ねるように互いに独立に配置すると共に、前記ベルト層の総幅が前記トレッド部の展開幅TDWの25〜75%であるようにしたことを特徴とする。
【0008】
上記のようにカーカス層とベルト層を一体構造にして、分離独立したベルト層を設けないためベルト層両端部でのセパレーション故障が無く、かつ一段と軽量化することができる。また、カーカス層とベルト層の一体構造体が左右で互いに独立しているため、タイヤ設計時に左右の一体構造体のコードを適宜種類を選択することによりタイヤ性能を多様に変えることができ、設計の自由度を増すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
【0010】
図1は、本発明の空気入りタイヤの一例を示す縦断面図であり、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。タイヤの内側には左右に独立した一対のカーカス層4,4が設けられ、かつ各カーカス層4,4の内端にそれぞれベルト層5,5が一体に連結され、それぞれ一体構造体40,40を形成している。この左右一対の一体構造体40,40は、トレッド部1において内端側のベルト層5,5を上下に積層し、かつ外端側のカーカス層4,4の端部をそれぞれビードコア6,6の周りにタイヤ内側から外側へ折り返すように係止させている。
【0011】
図2(A),(B),(C)は、左右一対の一体構造体40,40を展開図として示し、図2(A)は右側の一体構造体40だけを、また図2(B)は左側の一体構造体40だけをそれぞれ示し、かつ図2(C)は左右の一体構造体40,40がベルト層5,5を互いに重ね合わせた状態を示す。
【0012】
図2(A)及び図2(B)に示す各一体構造体40は、図3に示すように、1本の補強コード10を一方のビード部3からタイヤ径方向にトレッド部1の端部域へ延長し、そこからタイヤ周方向に対して斜めにトレッド部1の反対側の端部域へ延長し、この反対側の端部域でループ状に折り返して、上記往路とタイヤ周方向に対する傾斜を逆向きにしてトレッド部1の元の端部域へ戻り、更にタイヤ径方向にビード部3へ戻る山形をした往復経路を単位形状Pとして形成されている。
【0013】
すなわち、上記単位形状Pをタイヤ周方向に連続するように繰り返し形成しながら進行し、タイヤ周方向を1周した後、次の周回を鎖線で示すようにピッチをずらせて同じ操作を繰り返し、これをタイヤ周方向に複数周回にわたり繰り返すことにより、図2(A)や図2(B)に示す一体構造体40を形成している。このように形成された一体構造体40を、そのベルト層5,5同士をトレッド部1で重ね合わせるようにタイヤ内に配置することにより、図1の空気入りタイヤを形成している。
【0017】
一体構造体40を成形する方法は特に限定されるものではないが、好ましくは、図5に示すようなタイヤ内空洞と実質的同一外形を有する中子50を使用すると効率よく成形することができる。図5の成形方法は、中子50の片側の側面にコード10を半径方向に移動させる操作と上面に斜めに移動させる操作とを周方向にずらせながら往復させると、カーカス層4とベルト層5の一体構造体40が貼り付け形成される。反対側の側面に同様の操作をすると、対をなす他方の一体構造体40が貼り付け形成される。
【0018】
本発明において、上記ベルト層5は総幅BWがトレッド部1の展開幅TDWの25〜75%の範囲になるように設定する。また、ベルト層5のコード10はタイヤ周方向に対する角度が10°〜70°の範囲になるように設定することが好ましい。このようにベルト層5の総幅BWとコード10のコード角度とを設定することにより、ベルト層5にベルト層として必要なタガ機能を具備させることができる。
【0019】
コード10によりカーカス層4とベルト層5の一体構造体40を編成するときの本数としては、1本のコードを移動させればよいが、複数本を1本の状態にまとめて移動させるようにしてもよい。すなわち、例えば2〜10本の単位の複数本を引き揃えた状態にするか、さらに必要により加撚状態にして編成に使用するのである。いずれの形態にするかは、設計するタイヤに要求される性能に応じて選択すればよい。
【0020】
また、コード10の種類は、有機繊維コード及びスチールコードのいずれでもよく、この選択も設計するタイヤに要求される性能に応じて決めればよい。左右の一体構造体40,40は互いに独立の構成になっているので、これらに使用するコード10は、互いに同一であっても、また異なっていてもよい。
【0021】
図1に例示した空気入りタイヤは、乗用車用として、内側の骨格が左右一対の一体構造体40,40だけで構成されている。しかし、重荷重用タイヤの場合には、図4に例示するように、ベルト層5の外周に、さらに従来構造のベルト層7を追加するとよい。このように追加するベルト層7のプライ数は特に限定されないが、例えば2〜5層の範囲で選択し、かつ層間でコードが互いに交差するように積層するのがよい。
【0022】
本発明によれば、カーカス層とベルト層が一体構造になり、従来のラジアルタイヤ構造のように分離独立したベルト層が無く、かつベルト層の縁でコードがループ状に折り返して切断端をもたないので、ベルト層端部のセパレーション故障は発生しない。しかも、分離独立したベルト層が無い分だけ一段と軽量化することができる。また、カーカス層とベルト層の一体構造体は左右で互いに独立の構成になっているので、タイヤ設計時に左右の一体構造体のコードを別々に選択してタイヤ要求特性に対応出来るので、タイヤの設計自由度を大幅に向上することが出来る。
【0023】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りタイヤによれば、カーカス層とベルト層を一体構造にして、分離独立したベルト層を設けないためベルト層両端部でのセパレーション故障が無く、かつ一段と軽量化することができる。また、カーカス層とベルト層の一体構造体が左右で互いに独立しているため、タイヤ設計時に左右の一体構造体のコードを適宜種類を選択することによりタイヤ性能を多様に変えることができ、設計の自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤを例示した子午線断面図である。
【図2】図1の空気入りタイヤに使用される一体構造体を示し、(A)は右側の一体構造体の展開図、(B)は左側の一体構造体の展開図、(C)は左右の一体構造体を組み合わせたときの展開図である。
【図3】図2の一体構造体を形成する単位形状の説明図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示す子午線断面図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤに使用される一体構造体の形成方法の説明図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ベルト層
6 ビードコア
7 ベルト層
10 コード
40 一体構造体
50 中子
P 単位形状
Claims (4)
- 連続状の補強コードをビード部からタイヤ径方向にトレッド部の端部域へ延長し、該端部域からタイヤ周方向に斜めにトレッド部の反対側の端部域へ向かう往路を延長し、該反対側の端部域から前記往路とはタイヤ周方向に対して逆向きの傾斜で斜めに折り返して再び元の端部域へ戻り、該元の端部域からタイヤ径方向に前記ビード部に復帰する往復経路を単位形状として、該単位形状をタイヤ周方向に繰り返し配列することによりカーカス層とベルト層の一体構造体を形成し、該一体構造体をタイヤの左右に前記ベルト層同士を重ねるように互いに独立に配置すると共に、前記ベルト層の総幅が前記トレッド部の展開幅TDWの25〜75%であるようにした空気入りタイヤ。
- 前記一体構造体を構成するコードが有機繊維コード又はスチールコードである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト層を構成するコードのタイヤ周方向に対する角度が10°〜70°である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ内空洞と実質的同一外形を有する中子表面にタイヤ材料を貼り付けてグリーンタイヤを成形することを特徴とする請求項1、2または3に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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