JP4377341B2 - 覆砂厚計及び覆砂厚の計測方法 - Google Patents
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Description
(1)のレッドを使用した方法は、図7に示すように、台船b上からワイヤ等に結びつけたレッドaを水底にまで沈め、レッドaから台船b上までのワイヤ等の長さを基に、水深を計測するものである。
そして、底泥置換覆砂工法の施行後に、再度、レッドaを台船b上から水底にまで沈め、ワイヤ等の距離を基に水深を計測する。
計測した底泥置換覆砂工法前後のワイヤ等の長さの差分を基に、底泥置換覆砂工法により揚砂された覆砂厚を計測するものである。
(2)の超音波測深機を使用した方法では、超音波測深機により、水面から水底までの距離を超音波で測定する。底泥置換覆砂工法の施行後に、再度、超音波測深機により水面から水底までの距離を測定する。
そして、底泥置換覆砂工法前後の超音波測深機の距離データの差分を基に、底泥置換覆砂工法により揚砂された覆砂厚を計測するものである。
つまり、底泥置換覆砂工法では、覆砂として地下の砂を揚砂するものである。このため、地下の砂を揚砂した分だけ元来の水底面が沈下することになる。
ここで、(1)のレッドを使用した方法及び(2)の超音波測深機を用いた方法ともに、底泥置換覆砂工法の前後における台船あるいは水面からの距離の差分を測るものであるため、実際の揚砂の厚み増加分がh3であったとしても、水底面の沈下分がh4である場合には、(1)、(2)ともに覆砂厚の増加分はh3ではなく、h3−h4として計測されるものであり、正確な覆砂厚の増加分を測定することが出来なかった。
また、容易に砂厚を測ることのできる装置及び計測方法を提供することにある。
本願の第2発明に係る覆砂厚計は、前記した第1発明において、支柱に設けた張り出しレバーを有し、前記張り出しレバーに距離計を設置したことを特徴とするものである。
本願の第3発明に係る覆砂厚計は、前記した第2発明において、張り出しレバーと距離計を接続する可撓性連結具を有することを特徴とするものである。
本願の第4発明に係る覆砂厚計は、前記した第1発明乃至第3発明の何れかにおいて、覆砂厚計を支持する支持枠と、覆砂厚計と支持枠とを接続する紐状体を有し、支持枠を、底泥置換覆砂工法で高圧水を噴射するジェットパイプを支持するために用いられるガイド管を支持するために梁と支柱とで構成した、ガイド管の枠としたことを特徴とするものである。
本願の第5発明に係る覆砂厚計は、前記した第1発明乃至第3発明の何れかにおいて、覆砂厚計を支持する支持枠と、覆砂厚計と支持枠とを接続する紐状体を有し、支持枠を、台船としたことを特徴とするものである。
本願の第6発明に係る覆砂厚の計測方法は、覆砂厚を計測する方法であって、第1発明乃至第5発明の何れかに記載の覆砂厚計を使用し、覆砂厚計を水底上に設置し、距離計から水底までの間隔を測定し、底泥置換覆砂工法を施工し、距離計から水底までの間隔を再び測り、底泥置換覆砂工法施工前後の間隔の差分を計測することで、覆砂の厚みを計測することを特徴とするものである。
(1) 本願の覆砂厚の計測方法により、底泥置換覆砂工法により水底面が沈下した場合でも正味の覆砂の厚みを計測することができる。
(2) 鉛直用ユニバーサルユニット等により構成された可撓性連結具を、張り出しレバーと距離計の間に配置した事により、覆砂厚計を設置した水底上が平坦でなくとも、距離計を容易に鉛直に保つことができる。
(3) 覆砂厚計を支持枠に紐状体で結びつけた事により、覆砂厚計が転倒するのを防止することができる。
(4) 覆砂厚計を支持枠に紐状体で結びつけた事により、覆砂厚計が水平方向、垂直方向に移動することができるものであると共に、意図した以上の移動を防ぐ事が出来る。
図1(a)に覆砂厚計1の側面図を示し、図1(b)に覆砂厚計1の上方図を示す。
覆砂厚計1は距離計2と、距離計2を上部に設置した支柱3と、支柱3を支える台座4から構成されるものである。
支柱3は台座から垂直方向に伸びたものであり、距離計2の設置高さを確保するために用いられる。
図1では支柱3は設置面に対して垂直のものを挙げたが、垂直のものに限られるものでは無く、台座4から距離計2までの間隔をある一定以上、つまり計測する覆砂厚h3以上に、保てるものであればどのような形体でも構成可能である。
具体的な支柱の高さとしては、図2に示すように、支柱の高さh1は、堆積する土砂の高さである覆砂厚h3よりも高いものであり、より厳密には支柱に設置される距離計2の下端から水底面までの高さh2は覆砂厚h3より高いものでなければならない。
距離計2は、支柱3上部に設置されるもので、底泥置換覆砂工法を施す前後の距離計2から水底面までの間隔を計測するために使用するものであり、公知のものを利用できる。
距離計2は台座4底部からの高さを測定予定の覆砂厚より高くして設置する必要がある。
距離計2は、公知の距離計を使用し、公知の距離計としては、超音波センサー、レーザー距離計等が挙げられる。
また、距離計2としてレッズをリール等から吊下げて、覆砂厚h3を計測する構成も可能である。
台座4は覆砂厚計1を水底に水平に設置するためのものである。
台座4は図1では上方から見て円形状のものを例として挙げたが、図3に示すように上方から見て十字状の台座として構成することも可能である。
つまり、覆砂厚計1が水底で転倒しない構造を持った台座であれば形状、形態は問わないものであり、公知の台座を利用できる。
張り出しレバー5を利用する場合には、張り出しレバー5を支柱3の上部に構成し、距離計2を張り出しレバー5の下部又は側部に取り付ける。水底面までの距離を測れる箇所であれば上部等にも取り付け可能である。
図1では張り出しレバー5を利用した例を図示したが、距離計2を直接、支柱3に取り付けることも可能である。
張り出しレバー5は支柱3上端部及び側部を回動可能あるいは上下移動可能に構成することも可能である。
距離計2は張り出しレバー5の側部及び上面、下面を移動可能に構成する事もできる。
また、距離計2を直接支柱3に設置する場合でも、支柱3上端部上や側部上を移動可能に構成することもできる。
紐状体6はチェーンやワイヤ等で構成されるものであり、紐状体6の一方の端を覆砂厚計1に取り付け、他端を支持枠10に取り付ける。
また図1では、紐状体6の一方の端を覆砂厚計1に取り付けたものを示している。
紐状体6の他端には覆砂厚計1の転倒、場合によっては移動を防ぐように支持枠10に取り付ける。
図1では紐状体6を覆砂厚計1の上面部に取り付けたが、覆砂厚計1の転倒、移動を防止しうる箇所であれば、取り付け箇所は覆砂厚計1の上面部に限定されるものでは無い。
紐状体6を介して覆砂厚計1を支持枠10に取り付けた事により、水底面に設置した覆砂厚計1が地盤の沈下と共に、垂直方向に移動可能なものとなっている。
また、支持枠10に直接固定したもの等ではないため、設置する水底面の凹凸等がある場合でも、覆砂厚計1の設置位置を該凹凸から水平方向に移動して設置することも可能である。
また、余長の紐状体6を巻き取る装置を支持枠10側あるいは、覆砂厚計1側に取り付けて構成することも可能である。
支持枠10は覆砂厚計1を転倒等から防止するために支持するものであり、覆砂厚計1は紐状体6により支持枠10に取り付けられる。
支持枠10としては、台船あるいは、底泥置換覆砂工法で使用されるガイド管の枠等が挙げられる。
ガイド管の枠は、梁と支柱から構成されており、ガイド管8を支持するためのものである。
ガイド管8は底泥置換覆砂工法を施工する際に高圧水を放出するジェットパイプを支持するために使用される。
水底上に設置した覆砂厚計1は、水流や底泥置換覆砂工法の施工から生じる振動等による、転倒、場合によっては覆砂厚計1が移動することを防止する必要がある。
このため、支持枠10は覆砂厚計1の転倒や移動を防ぐのに十分な重みを有するもの、あるいは地面等へ十分に固定された物で構成する必要がある。
覆砂厚計1の支柱3の高さは、距離計2の下部から台座4までの間隔が底泥置換工法を施した際に、水底上に噴出する砂質土砂により増加する覆砂の厚み分である覆砂厚h3よりも間隔が広くなるように設計する。
覆砂厚計1をガイド管の枠に取り付ける場合には、ガイド管の枠を水中に沈設する前に取り付けることも、ガイド管の枠を水中に沈設した後に水中で取り付けることも可能である。
さらにガイド管8に高圧水を噴射するためのジェットパイプ9を挿入し、ジェットパイプ9を砂質土層13にまで達するようにガイド管8とジェットパイプ9を水底面に貫入して設置する。
ここで、ガイド管8とジェットパイプ9の水底面への貫入は距離計2の作動後に施設することも可能である。
ここで、底泥置換覆砂工法とは、水底地下層において、ヘドロ等が堆積した汚濁泥層11の下層の汚濁されていない正常な砂をジェット水流の圧力により揚砂し、汚濁底泥表面上に覆砂する方法である。
例えば、水底が水底面から下部に向かって、ヘドロ等の汚濁物質により構成された汚濁泥層11、粘性土層12、砂質土層13という階層構造になっている場合において高圧水を噴射するジェットパイプ9を水底面から砂質土層13まで達するように、ガイド管8に沿って貫入し、高圧水を砂質土層13で噴射する。
高圧水の圧力を受けた砂質土層13の砂はガイド管8を通って、水底面上に揚げ砂される。
この吹き上がった揚げ砂がヘドロにより構成された汚濁泥層11上を覆うことで、水底面を正常な砂で覆う工法である。
底泥置換覆砂工法を施工する水底は、汚濁泥層11、粘性土層12、砂質土層13という地層構造に限られるものではない。
底泥置換砂工法が終了した時点で、再度、距離計2を作動させ、距離計2から汚濁泥層11に堆積した砂質土砂である覆砂層13の上面までの間隔を測定する。
この場合でも、元来の水底面である汚濁泥層11と共に、覆砂厚計1の台座3が沈下するので、元来の汚濁泥層11上から、つまり汚濁泥層11上に設置した台座3から、砂質土砂がどの程度堆積したのかを正確に計測することができる。
距離計2が可撓性連結具7である鉛直用のユニバーサルジョイントに結合することで、例え水底が水平でない場所で底泥置換砂工法を施行したとしても、距離計2を鉛直に保つことができる。
可撓性連結具としてはユニバーサルジョイント以外にも、チェーンやワイヤで構成したもの等が挙げられる。
また、張り出しレバーを設置しない場合、支柱3に直接、可撓性連結具7を取り付けることでも同様の効果を得ることが可能である。
2 距離計
3 支柱
4 台座
5 張り出しレバー
6 紐状体
7 可撓性連結具
8 ガイド管
9 ジェットパイプ
10 支持枠
11 汚濁泥層
12 粘性土層
13 砂質土層
14 覆砂層
15 空洞部
a レッド
b 台船
h1 支柱の高さ
h2 距離計の下端から水底面までの高さ
h3 覆砂厚
Claims (6)
- 底泥置換覆砂工法に使用する計測装置であって、
水底に水平に設置する台座と、
台座から垂直方向に伸びた支柱と、
前記支柱に取り付けた距離計よりなり、
前記距離計は、測定予定の覆砂厚よりも台座から離して設置したことを特徴とする、
覆砂厚計。
- 請求項1に記載の覆砂厚計において、
支柱に設けた張り出しレバーを有し、
前記張り出しレバーに距離計を設置したことを特徴とする、
覆砂厚計。
- 請求項2に記載の覆砂厚計において、
張り出しレバーと距離計を接続する可撓性連結具を有することを特徴とする、
覆砂厚計。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の覆砂厚計において、
覆砂厚計を支持する支持枠と、
覆砂厚計と支持枠とを接続する紐状体を有し、
支持枠を、底泥置換覆砂工法で高圧水を噴射するジェットパイプを支持するために用いられるガイド管を支持するために梁と支柱とで構成した、ガイド管の枠としたことを特徴とする、
覆砂厚計。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の覆砂厚計において、
覆砂厚計を支持する支持枠と、
覆砂厚計と支持枠とを接続する紐状体を有し、
支持枠を、台船としたことを特徴とする、
覆砂厚計。
- 覆砂厚を計測する方法であって、
請求項1乃至5の何れかに記載の覆砂厚計を使用し、
覆砂厚計を水底上に設置し、
距離計から水底までの間隔を測定し、
底泥置換覆砂工法を施工し、
距離計から水底までの間隔を再び測り、
底泥置換覆砂工法施工前後の間隔の差分を計測することで、覆砂の厚みを計測することを特徴とする、
覆砂厚の計測方法。
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